JP7450448B2 - 管理装置、空調システム、及び、空調機設定方法 - Google Patents
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Description
近年、このような空調システムでは、フロア全体の省エネ、及び、快適性を求めるのではなく、フロアを細かいエリアに分割し、エリア内のユーザが希望する温熱環境を提供することが求められている。
この特許文献1に記載の空調システムでは、社長、VIPゲスト、一般ユーザといったユーザの属性に応じた優先度設定がなされており、同一エリア内に複数のユーザが存在する場合に、優先度が高いユーザの制御要求を優先している。
そのため、優先度の高いユーザが、極端な制御要求を行ってしまう場合でも、その制御要求に沿った空調制御が行われてしまうことになる。
しかも、フロア内の多くのユーザが設定温度を下げようとしても、極端な制御要求を行ったユーザよりも、優先度が低ければ、何ら反映されないことになる。
室内に設置された複数の空調機に目標値を設定して、複数のエリアのそれぞれを個別に空気調和させる管理装置であって、
前記複数のエリアのうち、ユーザが在席している在席エリアを特定する在席エリア特定手段と、
特定された前記在席エリアに在席している複数のユーザがそれぞれ希望する空調環境への要求のうちから、動的に変化する各ユーザに関する情報に応じた優先度に従って、何れかのユーザの前記要求を採用し、前記在席エリアを空気調和する前記空調機に設定するための前記目標値を決定する目標値決定手段と、
前記目標値決定手段が前記要求を採用しなかったユーザを、前記複数のエリアのうち、前記在席エリアとは異なるエリアに誘導し、前記在席エリア内での競合を解消する競合解消手段と、
を備える。
在席エリア特定手段は、複数のエリアのうち、ユーザが在席している在席エリアを特定する。そして、目標値決定手段は、特定された在席エリアに在席している複数のユーザがそれぞれ希望する空調環境への要求のうちから、動的に変化する各ユーザに関する情報に応じた優先度に従って、何れかのユーザの要求を採用し、在席エリアを空気調和する空調機に設定するための目標値を決定する。
この結果、適切な空調制御を制御要求することができる。
また、以下の実施形態で説明する各図においては、共通する要素に同一の符号を付けるものとする。
図1は、本開示の実施形態1に係る空調システム1の全体構成の一例を示す図である。この空調システム1は、例えば、オフィスビルのフロアFLを、複数台の空調機11にて空気調和を行う空調システムである。
図1に示すように、空調システム1は、空調管理装置10と、空調機11(11a~11d)と、無線アダプタ12(12a~12d)と、無線計測センサ13(13a~13d)と、操作端末20と、位置管理装置30とを備え、フロアFL内のエリアA~Dを空気調和する。
つまり、フロアFL内は、一例として、4つのエリアに区分けされており、空調機11aがエリアAを空気調和し、空調機11bがエリアBを空気調和し、空調機11cがエリアCを空気調和し、そして、空調機11dがエリアDを空気調和する。
なお、空調機11、無線アダプタ12、無線計測センサ13、及び、空調対象となるエリアの数は、一例であり、フロアFLの大きさに応じて、適宜変更可能である。
また、フロアFL内において、オフィスの従業者であるユーザが、フリーアドレス形式で作業する場合を一例として説明する。つまり、ユーザが使用する机、テーブル等が予め決まっておらず、フロアFL内に配置された何れかの机、テーブル等をユーザが自由に選んで使用できるようになっている。そして、ユーザは、各自、操作端末20を携帯している。なお、図1では、一例として、1台の操作端末20だけを示しているが、実際の空調システム1では、フロアFLを利用するユーザの人数に応じて、複数台の操作端末20が使用されるようになっている。
具体的に、空調管理装置10は、各空調機11へ指令する空調の目標値を、位置管理装置30から設定するための入力I/F(インタフェース)部を備えている。空調管理装置10は、目標値の設定変更を位置管理装置30から受け付けると、対象の空調機11に対して、受け付けた目標値を目指した運転を指令する。
また、空調管理装置10は、各空調機11が目標値に達するまでに必要となる消費電力量を予測し、その予測値を位置管理装置30へ通知する。
なお、各空調機11は、空調管理装置10と通信可能に接続されており、空調管理装置10から送られる指令に応じて、空気調和を行う。また、各空調機11には、固有の空調機IDがそれぞれ割り当てられている。
また、無線アダプタ12は、定期的に、ビーコン信号をフロアFL内に無線送信する。例えば、無線アダプタ12は、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)、Wi-Fi等の無線規格に沿ったビーコン信号を発信する。このビーコン信号には、無線アダプタ12を識別するためのビーコンIDが含まれている。
具体的に、エリアAには、無線計測センサ13aが設置されており、無線アダプタ12aと対応付けられている。また、エリアBにには、無線計測センサ13bが設置されており、無線アダプタ12bと対応付けられている。また、エリアCには、無線計測センサ13cが設置されており、無線アダプタ12cと対応付けられている。そして、エリアDには、無線計測センサ13dが設置されており、無線アダプタ12dと対応付けられている。つまり、無線計測センサ13は、それぞれのエリアで計測した環境値を、対応付けられた無線アダプタ12へ、定期的に無線送信する。
また、フロアFL内において、操作端末20は、各無線アダプタ12から送信されるビーコン信号をそれぞれ受信し、受信した各ビーコン信号の電波強度をそれぞれ計測する。
そして、操作端末20は、ユーザID、ユーザ要求値、電波強度等の情報を、位置管理装置30に無線通信する。
図2に示すように、操作端末20は、ビーコン受信部21と、電波強度計測部22と、記憶部23と、制御部24と、通信部25と、操作部26と、表示部27とを備える。
具体的に、制御部24は、電波強度計測部22が計測したビーコン信号の電波強度と、記憶部23に記憶されるユーザID及びユーザ要求値とを含む情報を、通信部25を通じて、定期的に位置管理装置30へ送信する。
また、後述するように、位置管理装置30から、他のエリアへユーザを誘導する情報が送られると、通信部25を通じて受信し、表示部27にその情報を表示する。
例えば、操作部26は、保持しているユーザ要求値を変更するための操作を受け付ける。なお、操作部26が、ユーザ要求値を変更する操作を受け付けると、制御部24によって、記憶部23に記憶されているユーザ要求値が更新される。
例えば、表示部27は、後述するように、他のエリアへユーザを誘導するための情報を表示する。
図3に示すように、位置管理装置30は、記憶部31と、無線I/F部32と、制御部33と、有線I/F部34とを備えている。
空調機ID311bは、そのエリアの温熱環境を制御する空調機11の識別情報である。
ビーコンID311cは、そのエリアの空調機11に取り付けられている無線アダプタ12の識別情報である。
座標範囲311dは、フロアFL内でのそのエリアの範囲を示している。
アダプタ座標311eは、そのエリアの空調機11に取り付けられている無線アダプタ12の設置位置を示している。
そして、目標値311fは、そのエリアの空調機11に設定している目標値、若しくは、これから設定する目標値を示している。
在席エリア名312bは、フロアFL内において、ユーザが在席している在席エリアの名称を示している。
エリア在席時間312cは、ユーザが同一エリア内に継続して在席している時間を示している。
ユーザ要求値312dは、ユーザが希望する温熱環境を示す値である。
そして、競合フラグ312eは、同一エリアにおいて他のユーザとの間で要求の競合が生じているか否かを示すフラグである。つまり、要求の競合が生じていれば、ONに設定され、また、要求の競合が生じていなければ、OFFに設定される。
具体的に、制御部33は、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROMに記憶されているプログラムを適宜実行することにより、在席エリア特定手段331、目標値決定手段332、及び、競合解消手段333が実現される。
具体的に、在席エリア特定手段331は、上述したエリア情報311におけるアダプタ座標311eと、操作端末20から受信した各ビーコン信号の電波強度とに基づき、3点測定法によりそのユーザが在席する在席エリアを特定する。
ビーコン信号を受信した際の電波強度は、操作端末20と無線アダプタ12との距離の二乗に反比例する特徴をもつ。そのため、図6に示すように、各無線アダプタ12に対応するアダプタ座標311eを中心として、対応するビーコンIDの電波強度に応じた距離を半径とする最大4つの円形が描かれることになる。そして、3点以上の電波強度を計測できれば、在席エリア特定手段331は、各円形の重なり合った場所から、操作端末20の位置、つまり、ユーザの位置が特定可能となる。そして、特定した位置がエリア情報311におけるどのエリアの座標範囲311dに含まれるかを判別することで、在席エリア特定手段331は、ユーザが在席している在席エリアについても特定できる。
例えば、目標値決定手段332は、図5に示すようなユーザ情報312から、在席エリア名312bが同一であるユーザのユーザ要求値312dを取りまとめて、各エリアにつき、1つのユーザ要求値を目標値に決定する。
具体的に目標値決定手段332は、あるエリアで、複数のユーザ要求値312dが全て同じであれば、そのままユーザ要求値312dを、そのエリアの目標値に決定する。一方、あるエリアで、複数のユーザ要求値312dにおいて、一部、若しくは、全部が異なることで、要求が競合した場合に、目標値決定手段332は、それら要求が競合したユーザの競合フラグ312eに、ONを設定する。そして、目標値決定手段332は、その中で、エリア在席時間312cが最も長いユーザ要求値312dを、そのエリアの目標値に決定する。つまり、目標値決定手段332は、動的に変化するエリア在席時間312cを活用して、その時間が長いユーザほど優先度を高くし、最も優先度の高いユーザのユーザ要求値312dを、そのエリアの目標値に決定する。
なお、エリア在席時間312cが長いほど優先度を高くするのは、例えば、屋外からフロアFL内に入室した直後のように、エリア在席時間312cが短いと、極端なユーザ要求を設定してしまう場合があるためである。
また、目標値決定手段332は、エリアの目標値に決定したユーザの競合フラグ312eを、OFFにする。つまり、要求が競合した各ユーザにおいて、ユーザ要求値312dが採用されたユーザの競合フラグ312eをOFFにし、ユーザ要求値312dが採用されなかったユーザの競合フラグ312eだけが、ONのまま残ることになる。
また、あるエリアに誰も在席していない場合に、目標値決定手段332は、その不在エリアの目標値を「停止」に決定する。
目標値決定手段332は、目標値311fと、決定した目標値とが、異なっている場合、つまり、空調機11に設定すべき目標値が変更された場合に、そのエリアの目標値311fを決定した目標値で更新すると共に、有線I/F部34を通じて、更新した目標値を、空調管理装置10に設定する。
例えば、競合フラグ312eがONにセットされたユーザのユーザ要求値312dと、同一の目標値、若しくは、許容範囲内の目標値のエリアが他のエリアにあれば、競合解消手段333は、そのエリアを誘導先に決定する。
一方、同一の目標値、若しくは、許容範囲内の目標値のエリアがなければ、競合解消手段333は、誰も在席していない不在エリアの検索を試みる。そして、不在エリアが検索された場合に、競合解消手段333は、その不在エリアを誘導先に決定する。なお、不在エリアが複数検索された場合に、競合解消手段333は、競合フラグ312eがONにセットされたユーザのユーザ要求値312dを目標値とし、その目標値まで達するまでに必要となる消費電力量の予測値を、不在エリアごとに空調管理装置10に問い合わせる。そして、競合解消手段333は、空調管理装置10から通知された各不在エリアの予測値の中で、値が最も小さい不在エリアを誘導先に決定する。この他にも、競合解消手段333は、エリア在席時間312cが規定された下限値よりも短いユーザ、若しくは、新規に検出されたユーザに対しては、在席エリアから最も距離が遠い不在エリアを、誘導先に決定するようにしてもよい。
また、不在エリアが1つも検索されなかった場合に、競合解消手段333は、競合フラグ312eがONにセットされたユーザのユーザ要求値312dと、最も値の近い目標値となる他のエリアを、誘導先に決定する。
また、対象ユーザが、誘導先のエリアに移動した場合に、ユーザ情報312におけるそのユーザのエリア在席時間312cについては、ゼロクリアせずに、在席時間のカウントを継続させるようにしてもよい。
すなわち、電波強度計測部22は、ビーコン受信部21が受信した各ビーコン信号の電波強度を計測する。
すなわち、制御部24は、上記のSQ2にて計測した電波強度と、記憶部23に記憶されるユーザID及びユーザ要求値とを含む情報を、通信部25を通じて、位置管理装置30へ送信する。
すなわち、制御部33の在席エリア特定手段331は、上記のSQ3にて情報を送信した操作端末20を携帯するユーザが、フロアFL内のどのエリアに在席するかを特定すると共に、ユーザ情報312を更新する。
すなわち、制御部33の目標値決定手段332は、更新されたユーザ情報312に基づいて、各エリアの空調機11に設定すべき目標値を決定する。なお、同じエリアにおいて他のユーザとの間で要求が競合した場合に、ユーザ情報312におけるそのユーザの競合フラグ312eがONにセットされる。
すなわち、制御部33の目標値決定手段332は、上記のSQ5にて、空調機11に設定すべき目標値が変更された場合に、空調機ID、目標値等を含む情報を、有線I/F34を通じて、空調管理装置10に送信する。
なお、空調管理装置10は、空調機IDで指定された空調機11に向けて、目標値を目指した運転を指令する。
すなわち、制御部33の競合解消手段333は、上記のSQ5にて、要求が競合した場合に、ユーザ情報312における競合フラグ312eがONにセットされたユーザを、誘導するための他のエリアを決定する。
すなわち、制御部33の競合解消手段333は、要求が競合したユーザを他のエリアに誘導する情報を、無線I/F32を通じて、対象ユーザの操作端末20へ送信する(SQ8)。
すなわち、在席エリア特定手段331は、無線I/F部32を通じて、操作端末20から送られるユーザID、ユーザ要求値、電波強度等の情報を受信したかどうかを判別する。
すなわち、在席エリア特定手段331は、上記のステップS101にて受信した電波強度を基に、上述した図6に示すように、各無線アダプタ12の座標位置を中心として、対応するビーコンIDの電波強度から導かれる距離を半径とする4つの円形を描き、各円形の重なり合った場所から、操作端末20の位置を特定する。
すなわち、在席エリア特定手段331は、上記のステップS102にて特定した操作端末20の位置が、エリア情報311におけるどのエリアの座標範囲311dに含まれるかを判別することで、操作端末20を携帯するユーザが在席している在席エリアを特定する。なお、このステップS103が、在席エリア特定ステップの一例である。
すなわち、在席エリア特定手段331は、上記のステップS103にて特定した在席エリアに基づいて、特定したユーザの在席エリア名312b、エリア在席時間312c等を更新する。
なお、エリア在席時間312cについては、特定したユーザの在席エリアが、そのユーザの更新前の在席エリア名312bから変化していない場合に、前回の特定からの経過時間を加算して更新する。一方、特定したユーザの在席エリアが、そのユーザの更新前の在席エリア名312bから変化している場合に、在席エリア特定手段331は、エリア在席時間312cをゼロクリアする。
すなわち、目標値決定手段332は、フロアFL内のエリアをカウントするための変数nに、初期値の1をセットする。
すなわち、目標値決定手段332は、ユーザ情報312の在席エリア名312bを参照し、n番目のエリアの名称と一致するユーザのユーザ要求値312dを抽出する。
制御部33は、ユーザ要求値が抽出されなかったと判別すると(ステップS203;No)、後述するステップS211に処理を進める。
制御部33は、複数のユーザ要求値が抽出されなかった、つまり、1つのユーザ要求値だけが抽出されたと判別すると(ステップS204;No)、抽出されたユーザ要求値をn番目のエリアの目標値に決定する(ステップS205)。そして、制御部33は、後述するステップS209に処理を進める。
制御部33は、複数のユーザ要求値が全て同じであると判別すると(ステップS206;Yes)、上述したステップS205に処理を進める。
すなわち、目標値決定手段332は、要求が競合したユーザの競合フラグ312eに、ONを設定する。
すなわち、目標値決定手段332は、要求が競合したうちで、エリア在席時間312cが最も長いユーザのユーザ要求値312dを、そのエリアの目標値に決定する。つまり、目標値決定手段332は、動的に変化するエリア在席時間312cを活用し、その時間の長さを優先度として用いて、優先度が最も高いユーザのユーザ要求値312dを、そのエリアの目標値に決定する。なお、このステップS208が、目標値決定ステップの一例である。
すなわち、目標値決定手段332は、エリア情報311を参照し、そのエリアの空調機11に設定されている目標値311fと、上記のステップS208にて決定した目標値とが、異なっているかどうかを判別する。
なお、異なっていても、予め規定された許容範囲内であれば、一致していると判別してもよい。この許容範囲は、一例として、温度であれば、±0.5℃以内である。
すなわち、空調機11に設定すべき目標値に変更が生じたため、目標値決定手段332は、そのエリアの目標値311fを決定した目標値で更新すると共に、有線I/F部34を通じて、更新した目標値を、空調管理装置10に設定する。
制御部33は、変数nが4より大きいか否かを判別する(ステップS212)。
制御部33は、変数nが4より大きくないと判別すると(ステップS212;No)、上述したステップS202に処理を戻す。
すなわち、競合解消手段333は、ユーザ情報312の競合フラグ312eを参照し、ONに設定されているユーザのユーザ要求値312dを1つ抽出する。
制御部33は、ユーザ要求値と一致する目標値のエリアがあると判別すると(ステップS302;Yes)、一致する目標値のエリアを、誘導先に決定する(ステップS303)。そして、制御部33は、後述するステップS311に処理を進める。
制御部33は、不在エリアが検索できなかったと判別すると(ステップS305;No)、ユーザ要求値と最も値の近い目標値のエリアを、誘導先に決定する(ステップS306)。そして、制御部33は、後述するステップS311に処理を進める。
すなわち、競合解消手段333は、競合フラグ312eがONにセットされたユーザのユーザ要求値312dを目標値とし、その目標値まで達するまでに必要となる消費電力量の予測値を、不在エリアごとに空調管理装置10に問い合わせる。
例えば、競合解消手段333は、上述した図7に示すような誘導画像UGを対象ユーザの操作端末20へ送信する。なお、このような誘導画像UGの代わりに、他のエリアへ誘導を促すテキスト情報を、プッシュ通知で対象ユーザの操作端末20へ送信するようにしてもよい。
すなわち、競合解消手段333は、上記のステップS311にて情報を送信した操作端末20のユーザの競合フラグ312eをOFFにし、また、そのユーザの在席エリア名312bを誘導先のエリアの名称に更新する。
制御部33は、競合フラグがONになっているユーザがあると判別すると(ステップ313;Yes)、上述したステップS301に処理を戻す。
上記の実施形態1では、空調システム1で専用の位置管理装置30を設置し、この位置管理装置30を用いて、操作端末20を携帯するユーザの在席エリアを特定したり、各エリアの目標値を決定したり、そして、競合するユーザを他のエリアに誘導する場合について説明したが、位置管理装置30の機能を外部のサーバに持たせて、この外部のサーバと協働させるようにしてもよい。
図12は、空調システム2の全体構成の一例を示す図である。この空調システム2は、空調管理装置10と、空調機11(11a~11d)と、無線アダプタ12(12a~12d)と、無線計測センサ13(13a~13d)と、操作端末20と、クラウドサーバ40とを備え、フロアFL内のエリアA~Dを空気調和する。
つまり、空調システム2では、図1の空調システム1における位置管理装置30の主な構成をクラウドサーバ40に持たせた点で、空調システム1と異なっている。そのため、空調システム2において、空調管理装置10、空調機11、無線アダプタ12、無線計測センサ13、及び、操作端末20については、空調システム1の構成と同じである。
つまり、要求が競合した場合でも、動的に変化するエリア在席時間312cを活用して、その時間が長いユーザほど優先度を高くし、最も優先度の高いユーザのユーザ要求値312dを、そのエリアの目標値に決定することで、適切な要求に従って、空調管理装置10を通じて空調機11を制御することができる。
上記の実施形態2では、実施形態1における位置管理装置30の構成をクラウドサーバ40に持たせる場合について説明したが、位置管理装置30の構成を空調管理装置10に持たせるようにしてもよい。
例えば、操作端末20からユーザのバイタル情報を、手動で入力、若しくは、自動的に取得できるようにし、そのバイタル情報をユーザ情報312に含めて管理する。なお、バイタル情報は、一例として、歩数、体温、脈拍数、血圧、心電図等の何れかを含んでいればよい。
そして、要求が競合した場合に、目標値決定手段332は、バイタル情報による優先度が高いユーザのユーザ要求値を、エリアの目標値に決定する。
例えば、操作端末20の記憶部23に、図4に示すようなエリア情報311を記憶するようにし、位置管理装置30、若しくは、クラウドサーバ40の在席エリア特定手段331の機能を、操作端末20の制御部24に持たせるようにする。そして、操作端末20は、在席エリア特定手段331の機能を用いて、在席エリアを特定する。
操作端末20は、在席エリアを特定すると、例えば、ユーザID、在席エリア名、ユーザ要求値等を含む情報を、位置管理装置30、若しくは、クラウドサーバ40に送信する。
Claims (8)
- 室内に設置された複数の空調機に目標値を設定して、複数のエリアのそれぞれを個別に空気調和させる管理装置であって、
前記複数のエリアのうち、ユーザが在席している在席エリアを特定する在席エリア特定手段と、
特定された前記在席エリアに在席している複数のユーザがそれぞれ希望する空調環境への要求のうちから、動的に変化する各ユーザに関する情報に応じた優先度に従って、何れかのユーザの前記要求を採用し、前記在席エリアを空気調和する前記空調機に設定するための前記目標値を決定する目標値決定手段と、
前記目標値決定手段が前記要求を採用しなかったユーザを、前記複数のエリアのうち、前記在席エリアとは異なるエリアに誘導し、前記在席エリア内での競合を解消する競合解消手段と、
を備える管理装置。 - 前記在席エリア特定手段は、前記室内におけるユーザの位置で計測された電波強度に従って、ユーザが在席している前記在席エリアを特定する、
請求項1に記載の管理装置。 - 前記目標値決定手段は、ユーザが前記在席エリアに在席している時間の長さに応じた優先度に従って、何れかのユーザの前記要求を採用し、採用した前記要求を前記目標値に反映させる、
請求項1又は2に記載の管理装置。 - 前記目標値決定手段は、前記在席エリアに在席しているユーザのバイタル情報に応じた優先度に従って、何れかのユーザの前記要求を採用し、採用した前記要求を前記目標値に反映させる、
請求項1又は2に記載の管理装置。 - 前記競合解消手段は、前記複数のエリアのうち、ユーザが在席していない不在エリアに、前記目標値決定手段が前記要求を採用しなかったユーザを誘導する、
請求項1から4の何れか1項に記載の管理装置。 - 前記競合解消手段は、前記不在エリアが複数存在している場合に、前記不在エリアのそれぞれで予想される前記空調機の消費電力量に従った何れかの前記不在エリアへ、前記目標値決定手段が前記要求を採用しなかったユーザを誘導する、
請求項5に記載の管理装置。 - 室内に設置された複数の空調機と、当該空調機に目標値を設定して、複数のエリアのそれぞれを個別に空気調和させる管理装置と、ユーザに携帯される操作端末とを含んだ空調システムであって、
前記管理装置は、
前記複数のエリアのうち、ユーザが在席している在席エリアを、前記操作端末から送られる情報に従って特定する在席エリア特定手段と、
特定された前記在席エリアに在席している複数のユーザがそれぞれ希望する空調環境への要求のうちから、動的に変化する各ユーザに関する情報に応じた優先度に従って、何れかのユーザの前記要求を採用し、前記在席エリアを空気調和する前記空調機に設定するための前記目標値を決定する目標値決定手段と、
前記目標値決定手段が前記要求を採用しなかったユーザを、前記複数のエリアのうち、前記在席エリアとは異なるエリアに誘導し、前記在席エリア内での競合を解消する競合解消手段と、を備える、
空調システム。 - 室内に設置された複数の空調機に目標値を設定して、複数のエリアのそれぞれを個別に空気調和させる管理装置の空調機設定方法であって、
前記複数のエリアのうち、ユーザが在席している在席エリアを特定する在席エリア特定ステップと、
特定された前記在席エリアに在席している複数のユーザがそれぞれ希望する空調環境への要求のうちから、動的に変化する各ユーザに関する情報に応じた優先度に従って、何れかのユーザの前記要求を採用し、前記在席エリアを空気調和する前記空調機に設定するための前記目標値を決定する目標値決定ステップと、
前記目標値決定ステップにて前記要求を採用しなかったユーザを、前記複数のエリアのうち、前記在席エリアとは異なるエリアに誘導し、前記在席エリア内での競合を解消する競合解消ステップと、
を備える空調機設定方法。
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