JP6223432B2 - 空調機管理装置及び空調機管理システム - Google Patents

Description

この発明は、空調機管理装置などに関するものである。特に人の集まり具合に基づいて複数の空気調和装置の運転開始を管理するものである。

たとえば、空気調和装置（空調機）を管理及び制御する装置において、省エネルギをはかるために様々な空気調和装置の制御を実現している。たとえば、空気調和装置の付近にいる人が持つ携帯端末が、内蔵されたＧＰＳ（Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）から取得した位置座標に基づき、空気調和装置（空調対象空間）までの到着時刻を算出して送信する。信号を受信した制御装置は、信号中の到着時刻のデータに基づいて、空気調和装置の運転状態、温度設定などを制御し、省エネルギとなるような設定に変更する技術が提案されている（たとえば、特許文献１参照）。

特開２００５−２９５１６０号公報

たとえば、ビルのような個室の環境（複数の小さい空間に区切られた環境）であれば、空間毎に空気調和装置を設置し、使用する空間の空気調和装置のみを運転すればよい。一方、たとえばイベントホールなどのように空調対象空間が広い場合には、多くの空気調和装置を設置し、空調機管理装置などにより空気調和装置を集中管理して空気調和を行うことが多い。そして、空調機管理装置の管理において、空調制御装置の運転開始時間などについては、一般的には、イベントホールにおいて行うイベントの開始時間などに合わせて、あらかじめ運転スケジュールを設定している。

例えばイベントホールのような広い場所では、人の有無に関係なく、イベントの開始時間に合わせて、複数の空気調和装置を一斉に運転させる制御を行うため、瞬発的に大きなエネルギーを消費する。一般的に、空気調和装置は運転を開始したときの消費電力が多く、一斉に運転状態になった場合は、総消費電力が急峻な上がり方をするため、デマンドなどの機能が働く可能性がある。

また、たとえば上述した特許文献１では、空気調和装置と人物の距離関係を測るために、人物の位置を特定して空気調和装置に送信するものであり、例えばプライバシーなどの観点から実用化には障害となる。

この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、簡単な処理で消費電力の低減等をはかることができる空調機管理装置などを得るものである。

この発明に係る空調機管理装置は、空調対象空間の空気調和を行う複数の空気調和装置を管理する空調機管理装置であって、複数の端末装置から送られる、端末装置の所持者が空調対象空間外から空調対象空間に到着する到着時間及び各々の所持者が留まる空調対象空間内における到着位置のデータを受信する管理側通信部と、端末装置から送られ、管理側通信部が受信した到着位置及び到着時間のデータに基づいて集計を行い、時間的に早く到着位置に到着する所持者が多い順に、複数の空気調和装置の各空気調和装置が運転を開始する順番を決定する処理を、設定された運転開始時刻まで繰り返し行う管理側演算部と、空調対象空間内を区分けした複数の空間と複数の空気調和装置との対応関係を記憶する管理側記憶部とを備え、管理側演算部は、到着位置のデータに基づいて、到着位置を含む空間に対応する空気調和装置を決定する処理を行うものである。

この発明によれば、管理側演算部が、複数の端末装置から送られる対象空間における到着位置及び到着時間のデータに基づいて集計し、空気調和装置の運転開始の順番を決定するようにしたので、たとえば、順番に基づいて時間差で運転を開始することができ、急峻な消費電力の増加を抑えることできる。

この発明の実施の形態１に係る空調機管理装置１００を有する空調機管理システムの構成を示す図である。 イベントホール内の座席とグループの関係を示す図である。 この発明の実施の形態１に係る空調機管理装置１００における、イベント開始に合わせた空気調和装置の運転開始制御に係る処理手順を示す図である。 集計処理結果のイメージを示す図である。 集計結果に基づいて定めた優先順位決定のイメージを示す図である。 決定した優先順位を示す図である。 Ｓ１０７において行う集計処理手順の一例を示す図である。 この発明の実施の形態１に係る端末装置２００が行う信号送信処理手順を示す図である。

実施の形態１．
以下、図面などに基づいて、この発明の実施の形態について説明する。ここで、以下に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、実施の形態に記載された形態に限定するものではない。

図１はこの発明の実施の形態１に係る空調機管理装置１００を有する空調機管理システムの構成を示す図である。本実施の形態のシステムは、空調機管理装置１００と複数の端末装置２００とを有している。空調機管理装置１００と複数の端末装置２００とは、有線又は無線の電気通信回線網（ネットワーク）３００を介して通信接続が可能である。

本実施の形態の空調機管理装置１００は、指定座席があるイベントホール（イベント会場）に設置された複数の空気調和装置の管理制御を行うものとする。空調機管理装置１００は、管理側演算部１０１、管理側通信部１０２、管理側時計部１０３、管理側記憶部１０４、運転スケジュール設定部１０５及び空調機制御部１０６を有している。

管理側演算部１０１は、空調機管理装置１００が空気調和装置を管理するための各種演算処理を行う。本実施の形態では、たとえば、時間帯別の到着人数の集計処理、優先順位の決定処理などを行う。管理側通信部１０２は、たとえば無線通信装置などを有しており、端末装置２００との間で通信を行い、管理側演算部１０１が処理を行うために必要なデータを含む信号を受信する。管理側時計部１０３は、管理側演算部１０１が時刻のデータを得るための計時を行う。管理側記憶部１０４は、管理側演算部１０１（空調機管理装置１００）が処理を行うために必要なデータなどを記憶する。運転スケジュール設定部１０５は管理者の指示に基づいて、空調機管理装置１００が管理対象とする空気調和装置の運転スケジュールに関する各種データを設定する。空調機制御部１０６は、管理対象となる複数の空気調和装置を制御処理する。

一方、本実施の形態の端末装置２００は、空調機管理装置１００と通信を行い、空調機管理装置１００が処理を行うために必要なデータを含む信号を送信する。本実施の形態では、イベントホールに到着する予測時間を到着時間として算出し、到着時間データ及び座席位置情報データを含む信号を空調機管理装置１００に送信する。端末装置２００は、端末側演算部２０１、端末側通信部２０２、端末側時計部２０３、端末側記憶部２０４及びＧＰＳ部２０５を有している。

端末側演算部２０１は、端末装置２００の通信、制御に係る各種演算処理を行う。本実施の形態では、端末側記憶部２０４が記憶するアプリケーションを実行処理して、到着時間の算出処理などを行う。端末側通信部２０２は、たとえば無線通信装置などを有しており、空調機管理装置１００との間で通信を行い、管理側演算部１０１が処理を行うために必要なデータを含む信号を受信する。端末側時計部２０３は、端末側演算部２０１が時刻のデータを得るための計時を行う。ＧＰＳ部２０５は、端末側演算部２０１が端末装置２００の現在位置のデータを得る。

また、端末側記憶部２０４は、端末側演算部２０１（端末装置２００）が処理を行うために必要なデータなどを記憶する。ここでは、特に電子チケットアプリケーション２１１、通信アプリケーション２１２、ＧＰＳ処理アプリケーション２１３及び到着時間予測処理アプリケーション２１４を有している。電子チケットアプリケーション２１１は、イベント開始時間、座席位置情報及びイベントホールの位置のデータを有し、通信アプリケーション２１２などを実行させる処理を行うアプリケーションである。通信アプリケーション２１２は、端末側通信部２０２を用いて空調機管理装置１００との通信を行う処理を行うアプリケーションである。ＧＰＳ処理アプリケーション２１３は、ＧＰＳ部２０５を用いて端末装置２００の現在位置のデータを得る処理を行うアプリケーションである。到着時間予測処理アプリケーション２１４は、到着時間を算出する処理を行うアプリケーションである。

図２はイベントホール内の座席とグループの関係を示す図である。本実施の形態の空調機管理装置１００は、イベントホール（イベント会場）に設置された複数の空気調和装置の管理制御を行うものとする。また、イベントホール内の座席は指定席となっており、たとえばイベント参加者は、電子チケットを購入などして座席の指定を受けるものとする。

座席は１−１〜８−９までの８行９列となっている。また、空気調和装置は、Ａグループ〜Ｆグループの６グループでイベントホール内の空気調和を行う。Ａグループは、空気調和装置Ａｘ〜Ａｚで構成している。同様に、Ｂグループは、空気調和装置Ｂｘ〜Ｂｚで構成している。Ｃグループは、空気調和装置Ｃｘ〜Ｃｚで構成している。Ｄグループは、空気調和装置Ｄｘ〜Ｄｚで構成している。Ｅグループは、空気調和装置Ｅｘ〜Ｅｚで構成している。Ｆグループは、空気調和装置Ｆｘ〜Ｆｚで構成している。

座席１−１〜４−３が設置された空間をＡグループの空調対象空間とする。同様に、座席１−４〜４−６が設置された空間をＢグループの空調対象空間とする。座席１−７〜４−９が設置された空間をＣグループの空調対象空間とする。座席５−１〜８−３が設置された空間をＤグループの空調対象空間とする。座席５−４〜８−６が設置された空間をＥグループの空調対象空間とする。座席５−７〜８−９が設置された空間をＦグループの空調対象空間とする。ここでは、たとえば複数の空気調和装置をグループとしているが、グループで座席との関係を規定するだけではなく、座席と空気調和装置との関係を定めるようにしてもよい。

図３はこの発明の実施の形態１に係る空調機管理装置１００における、イベント開始に合わせた空気調和装置の運転開始制御に係る処理手順を示す図である。図３に基づいて本実施の形態における空調機管理装置１００の処理について説明する。たとえば管理者の指示に基づいて、図２で説明した指定座席とグループとの関係を関係設定データとして管理側記憶部１０４にあらかじめ記憶させておくようにする（Ｓ１０１）。

また、空気調和装置が運転を開始する運転開始時刻Ｔを、運転スケジュール設定部１０５を介して設定する（Ｓ１０２）。たとえばイベントホールの開場時間が１０時だとすると運転開始時刻Ｔを９時３０分に設定する。ここで、本実施の形態では、運転開始時刻Ｔは、最初のグループに属する空気調和装置が運転を開始する時刻であるが、運転スケジュール上は、すべての空気調和装置が一斉に運転を開始する設定となっている。

さらに、ずらし時間幅Δｔを運転スケジュール設定部１０５を介して設定する（Ｓ１０３）。本実施の形態では、空気調和装置が一斉に運転を開始して、消費電力が急峻に上がらないようにするため、各グループの運転開始順位を定める。そして、運転開始順位に基づいて、各グループの空気調和装置の運転開始時刻をずらして行う。ずらし時間幅Δｔとは、開始順位に基づいて、次のグループの空気調和装置が運転を開始するためにずらす時間の間隔である。

端末装置２００との間で通信開始を行うため、管理側通信部１０２は、端末装置２００（端末側通信部２０２）とのネゴシエーションを行う（Ｓ１０４）。

ここで、ネゴシエーションを行う端末装置２００の数は、最大、Ｓ１０１における設定に係るイベントホールの指定座席数となる。ただ、すべての端末装置２００からデータを得られるとは限らないので、確定した数を起動台数αとして取得する（Ｓ１０５）。

管理側通信部１０２は、端末装置２００（端末側通信部２０２）からの信号を受信する。そして、信号に含まれる座席位置情報データ及び到着時間データを関連づけて管理側記憶部１０４に記憶する（Ｓ１０６）。

図４は集計処理結果のイメージを示す図である。図４に示すように各時間帯の到着人数は、その時間帯までの総到着人数を表している。管理側演算部１０１は、座席位置情報データ及び到着時間データに基づいて、時間帯別に予測したグループ毎の到着人数を集計処理する（Ｓ１０７）。集計処理の手順については後述する。

管理側演算部１０１は、集計した人数が、起動台数αに達したかどうかを判断する（Ｓ１０８）。起動台数αに達していないと判断すると、Ｓ１０４に戻って、他の端末装置２００との間で処理を繰り返す。

図５は集計結果に基づいて定めた優先順位決定のイメージを示す図である。起動台数αに達したものと判断すると、集計処理によって得られた時間帯別の到着人数の分布からグループの優先順位付け処理を行う（Ｓ１０９）。

たとえば、図５では集合時間が最も早い時間帯である１０：００に最も多いのはＥグループである。次はＣグループとなる。ここで、１０：２０において、ＡグループとＢグループとが同じ到着人数である。このときは、次の時間帯において到着人数が多くなるグループの方を優先する順位を決定する。

図６は決定した優先順位を示す図である。図６ではたとえばＥグループ、Ｃグループ、Ｂグループ、Ａグループ、Ｄグループ、Ｆグループの順に運転開始を行うように優先順位が決まったことを表している。

空調機制御部１０６は、運転開始時刻Ｔになったかどうかを判断する（Ｓ１１０）。運転開始時刻Ｔになっていないと判断すると、集計に係るデータの精度を上げるため、Ｓ１０４に戻って、他の端末装置２００との間で処理を繰り返す。運転開始時刻Ｔになったものと判断すると、優先順位が１位のグループに属する空気調和装置の運転を開始する（Ｓ１１１）。

空調機制御部１０６は、ずらし時間幅Δｔずつ時間をずらして優先順位の順番に各グループに属する空気調和装置の運転を開始する（Ｓ１１２）。

図７はＳ１０７において行う集計処理手順の一例を示す図である。管理側演算部１０１は、管理側記憶部１０４に記憶している関係設定データと端末装置２００から送られて管理側記憶部１０４に記憶した座席位置情報データとに基づいて、対応するグループを決定する（Ｓ２０１）。また、座席位置情報データと関連づけて到着時間データに基づいて到着時間を決定する（Ｓ２０２）。そして、決定した到着時間に対応する時間帯における決定したグループの到着人数を１増やす（Ｓ２０３）。

図８はこの発明の実施の形態１に係る端末装置２００が行う信号送信処理手順を示す図である。ここでは、端末側演算部２０１が、端末側記憶部２０４が記憶する各種アプリケーションを実行処理することで処理を行うものとして説明する。

端末側演算部２０１は、端末側記憶部２０４が記憶する電子チケットアプリケーション２１１を実行処理する（Ｓ３０１）。そして、電子チケットアプリケーション２１１が有するデータに記録されているデータを取得する（Ｓ３０２）。電子チケットアプリケーション２１１の実行処理内において、さらに通信アプリケーション２１２を実行開始する（Ｓ３０３）。通信アプリケーション２１２において、電子チケットアプリケーション２１１の実行処理において取得したデータを取得する（Ｓ３０４）。

通信アプリケーション２１２の実行処理内において、さらにＧＰＳ処理アプリケーション２１３及び到着時間予測処理アプリケーション２１４を実行開始する（Ｓ３０５）。ＧＰＳ処理アプリケーション２１３の実行処理を行うことにより、ＧＰＳ部２０５を動作させ、端末装置２００の現在位置のデータを取得する（Ｓ３０６）。

次に、到着時間予測処理アプリケーション２１４において、ＧＰＳ処理アプリケーション２１３の実行処理において取得した端末装置２００の現在位置のデータを取得する（Ｓ３０７）。さらに、電子チケットアプリケーション２１１の実行処理において取得したイベントホールの位置データを取得する（Ｓ３０８）。そして、到着時間予測処理アプリケーション２１４は、端末装置２００の現在位置のデータ、イベントホールの位置データ及び端末側時計部２０３による時刻に基づいて、到着時間を算出する（Ｓ３０９）。

通信アプリケーション２１２の実行処理により、座席位置情報データ及び到着時間データを含む信号を端末側通信部２０２に送信させる（Ｓ３１０）。そして、通信アプリケーション２１２の実行処理内におけるＧＰＳ処理アプリケーション２１３及び到着時間予測処理アプリケーション２１４の実行処理を終了する（Ｓ３１１）。また、電子チケットアプリケーション２１１の実行処理内における通信アプリケーション２１２の実行処理を終了する（Ｓ３１２）。そして、端末側演算部２０１は、電子チケットアプリケーション２１１の実行処理を終了する（Ｓ３１３）。

以上のように、本実施の形態によれば、空調機管理装置１００が、たとえば複数の空気調和装置（グループ）で、イベントホールなどの空間を空気調和する際、到着位置となる座席とグループ（空気調和装置）との関係に基づき、早い時間に座席に到着する人数が多い順に、対応するグループに属する空気調和装置の運転開始の順番を決めるようにしたので、イベントホール内の人の集まり具合に基づいて、順番に運転を開始することができる。このとき、決めたずらし時間幅Δｔに基づいて、時間をずらしながら、決めたグループの順に空気調和装置の運転開始を行うようにしたので、一斉に空気調和装置の運転を開始する必要がなく、急峻な電力増加を抑えることができる。このとき、端末装置２００から座席位置情報データ及び到着時間データを得れば優先順位を決定することができるので、プライバシーなどにも配慮することができる。

１００ 空調機管理装置、１０１ 管理側演算部、１０２ 管理側通信部、１０３ 管理側時計部、１０４ 管理側記憶部、１０５ 運転スケジュール設定部、１０６ 空調機制御部、２００ 端末装置、２０１ 端末側演算部、２０２ 端末側通信部、２０３ 端末側時計部、２０４ 端末側記憶部、２０５ ＧＰＳ部、２１１ 電子チケットアプリケーション、２１２ 通信アプリケーション、２１３ ＧＰＳ処理アプリケーション、２１４ 到着時間予測処理アプリケーション、３００ 電気通信回線網。

Claims (6)

1. 空調対象空間の空気調和を行う複数の空気調和装置を管理する空調機管理装置であって、
   複数の端末装置から送られる、前記端末装置の所持者が前記空調対象空間外から前記空調対象空間に到着する到着時間及び各々の前記所持者が留まる前記空調対象空間内における到着位置のデータを受信する管理側通信部と、
   前記端末装置から送られ、前記管理側通信部が受信した前記到着位置及び前記到着時間のデータに基づいて集計を行い、時間的に早く前記到着位置に到着する前記所持者が多い順に、前記複数の空気調和装置の各空気調和装置が運転を開始する順番を決定する処理を、設定された運転開始時刻まで繰り返し行う管理側演算部と、
   前記空調対象空間内を区分けした複数の空間と前記複数の空気調和装置との対応関係を記憶する管理側記憶部とを備え、
   前記管理側演算部は、前記到着位置のデータに基づいて、前記到着位置を含む前記空間に対応する前記空気調和装置を決定する処理を行う空調機管理装置。
2. 運転間隔が設定されており、
   前記運転開始時刻になると、前記運転間隔を空けて、前記運転開始順に前記空気調和装置の運転を開始する空調機制御部をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の空調機管理装置。
3. 前記管理側演算部は、前記到着時間に基づいて、あらかじめ定めた時間帯別に集計を行う請求項１又は２に記載の空調機管理装置。
4. 前記複数の空気調和装置を複数のグループに分け、グループ単位で管理する請求項１〜３のいずれか一項に記載の空調機管理装置。
5. 前記空調対象空間内の座席により前記到着位置を規定する請求項１〜４のいずれか一項に記載の空調機管理装置。
6. 到着位置のデータを記憶する端末側記憶部、現在位置を計測するＧＰＳ部、該ＧＰＳ部の計測に係る現在位置のデータと前記到着位置のデータとに基づいて、前記到着位置への到着時間を演算する端末側演算部及び前記到着位置及び前記到着時間のデータを送信する端末側通信部を備える複数の端末装置と、
   請求項１〜５のいずれかに記載の空調機管理装置と
   を備える空調機管理システム。

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