JP7447779B2 - 圧延材の形状制御システム - Google Patents

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この発明は、金属箔などの圧延材の平坦度を制御する形状制御システムに関する。
一般的な圧延材の形状制御では、形状偏差に基づいてアクチュエータの操作量が設定される。形状偏差は、形状計により得られた圧延材の実績形状と、目標形状との差である。形状計は、計測ゾーンがロールの胴長方向に複数に分割されている。つまり、実績形状は、計測ゾーンごとに得られる。形状偏差の計算も計測ゾーンごとに行われる。
アクチュエータとしては、ロールベンダー、レベリング及びクーラントスプレーが例示される。ロールベンダーは、ロールの撓みを変更することにより形状偏差を修正する。レベリングは、左右のロールギャップ差の操作により形状偏差を修正する。クーラントスプレーは計測ゾーンごとに設置されている。これらのクーラントスプレーは、ON状態とOFF状態の間で切り替えられるバルブをそれぞれ有している。このバルブの切り替えを個別に行うことにより、クーラントスプレーは形状偏差を修正する。
アルミニウムや銅などの箔圧延では、板幅方向の材料端部よりも外側において上下のワークロールが接触する場合がある。そのような場合、ロールベンダー及びレベリングでは形状偏差を高精度に修正することが難しい。従って、箔圧延では、ロールベンダー及びレベリングによる形状制御よりも、クーラントスプレーによる形状制御が重要となる。
クーラントスプレーによる形状制御では、例えば、実績形状が目標形状よりもルーズな場合にバルブがON状態とされる。バルブがON状態の間は、ワークロールの熱膨張が抑えられるため、ルーズ状態が改善する。一方、実績形状が目標形状よりもタイトな場合、バルブがOFF状態とされる。バルブがOFF状態の間は、ワークロールの熱膨張が促進されるため、タイト状態が改善する。
上記のバルブ切り替えは、形状偏差が予め設定した閾値を超えたか否かの判定に基づいて行われることもある。更には、形状偏差の大きさに応じてON状態の保持時間を設定し、この保持時間に基づいて上記のバルブ切り替えを行う方法もある。後者の方法では、具体的に、形状偏差の大きさに応じて保持時間が設定される。そして、予め設定した時間に占める保持時間の割合が計算される。このような時間割合を利用する後者の方法によれば、クーラントの流量制御を行っているかの如く、上記のバルブ切り替えが行われる。
特開2005-334910号公報は、形状偏差とPI制御の組み合わせによって計算したレベルを利用して、上記のバルブ切り替えを行う技術を開示する。このレベルは、形状制御の制御周期として予め設定した時間に占める、ON状態の保持時間の割合を示すパラメータである。この従来技術では、各計測ゾーンにおける形状偏差がそれぞれPI制御器に入力される。PI制御器の出力値は、現在のレベルを修正するためのパラメータ(レベル修正量)に変換される。
ところで、特に10μm程度のアルミニウムの箔圧延では、上記のバルブ切り替えによる圧延材の形状の変化の方向が、当初予定していた方向に対して逆転することがある。この逆転現象は、時定数の大きい通常の効果とは異なり、OFF状態からON状態への切り替えの直後にルーズ状態が進行するものである。逆転現象には、ON状態からOFF状態への切り替えの直後にタイト状態が進行する現象も含まれる。
逆転現象への対策として、特開2009-274101号公報に記載の方法が例示される。この従来技術では、バルブをON状態に制御したときの形状偏差の度合いと、バルブをOFF状態に制御したときのそれとが比較される。そして、より小さな度合いを示す状態(ON状態又はOFF状態)となるように、全てのバルブが一律に制御される。つまり、この従来技術によれば、より小さな度合いを示すバルブの状態が常に選択される。従って、逆転現象が発生した場合であっても、形状不良が進むのを抑えることが可能となる。
特開2005-334910号公報 特開2009-274101号公報
OFF状態からON状態への切り替えの直後に逆転現象が発生した場合を詳細に検討する。この場合は、切り替えの直後にルーズ状態が進行する。ところがこの場合は、時間の経過に伴いワークロールの熱膨張が徐々に収まっていき、ルーズ状態も徐々に解消していくことが予想される。ON状態からOFF状態への切り替えの直後に逆転現象が発生した場合においても同じことが言える。このように、逆転現象の発生は一時的であり、時間の経過に伴って当初予定していた通常の現象に戻ることが予想される。
そうすると、特開2009-274101号公報の方法では、逆転現象の発生に伴う形状不良の発生を一時的に抑えることができたとしても、長期的な観点から改良の余地がある。この従来技術では全てのバルブが一律に制御されるため、板幅方向の一部の逆転現象を抑えるための切り替え動作が、他の部分における形状偏差の拡大に繋がってしまうためである。このように、逆転現象への対策としてバルブの個別の制御を犠牲にする従来技術には限界がある。
この点、特開2005-334910号公報の技術では、ON状態とOFF状態の間の切り替えが定常的に行われる。そこで、逆転現象への対策として、特開2005-334910号公報の技術を、2種類の制御モードの切り替えによって行う場合を考える。圧延施設のアクチュエータの制御では、2種類の制御モードの切り替えが行われることがあるためである。
この場合の一般的な方法として、圧延材の厚さ(板厚)と、閾値との大小関係に基づいて制御モードを切り替える方法が考えられる。しかしながら、特開2005-334910号公報の技術は、形状偏差とPI制御の組み合わせによって計算したレベルを、上記のバルブ切り替えと更に組み合わせるものである。そのため、制御モードの切り替えのための閾値として適切なものを設定することがそもそも難しい。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、逆転現象が発生するような場合においても、クーラントスプレーのバルブの状態の適切な切り替えによって実績形状を目標形状に維持することのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、圧延材の形状制御システムであり、次の特徴を有する。
前記形状制御システムは、圧延ロールと、形状計と、クーラントスプレーと、前記クーラントスプレーが有する複数のバルブと、形状制御装置と、を備える。
前記形状計は、前記圧延ロールの出側、かつ、前記圧延ロールの胴長方向に分割された複数のゾーンごとに設けられる。前記形状計は、圧延材の実績形状を前記複数のゾーンごとに計測する。
前記クーラントスプレーは、前記圧延ロールの入側及び出側の少なくとも一方に設けられる。
前記複数のバルブは、前記複数のゾーンごとに設けられてON状態とOFF状態の間で切り替えられる。
前記形状制御装置は、前記圧延材の形状制御を行う。
前記形状制御装置は、前記形状制御において、
前記形状制御の制御周期として予め設定した時間に占める前記ON状態の保持時間の割合を定めたレベルに基づいて、前記複数のバルブを個別に制御するクーラントレベル制御を行う。
前記形状制御装置は、前記クーラントレベル制御において、
前記実績形状と、前記圧延材の目標形状との偏差に基づいて、前記レベルの修正量を前記複数のバルブごとに計算し、
前記修正量による修正後の前記レベルを示す修正レベルに基づいて、前記ON状態と前記OFF状態の間の切り替えを行う。
前記形状制御装置は、前記クーラントレベル制御において、更に、前記圧延材の目標板厚と、前記圧延材の種類に応じて設定された板厚閾値と、の比較に基づいて、前記修正レベルに関する制約を示す第1制約又は第2制約を選択する。ここで、前記目標板厚が前記板厚閾値を上回る場合には、前記第1制約が選択される。前記目標板厚が前記板厚閾値以下の場合には、前記第2制約が選択される。前記第2制約は、前記第1制約よりも、前記修正レベルの下方レベルへの低下を制限する。
前記形状制御装置は、前記クーラントレベル制御において、更に、
前記圧延材の形状変化量と、前記ON状態及びOFF状態との関係を定めた所定の予測モデルを用いて、前記切り替えにより見込まれる変化の方向とは反対の方向に前記圧延材の形状が変化する逆転現象が所定の予測期間において発生するか否かを、前記複数のゾーンごとに判定し、
前記予測モデルは、前記実績形状の今回値と前記実績形状の前回から所定回前までの平均値との差を示す前記形状変化量の今回値と、前記形状変化量の前回から所定回前までの計算の間における前記複数のバルブの各バルブのON状態及びOFF状態の履歴とを1セットとする複数のデータセットを用いて生成され、
前記予測モデルは、前記所定の予測期間に相当するセット数の前記複数のバルブの各バルブのON状態及びOFF状態を示すデータセットが入力された場合に、前記所定の予測期間における前記形状変化量を出力し、
前記逆転現象が発生すると判定されたゾーンがある場合、前記目標板厚が前記板厚閾値を上回るか否かを判定し、
前記目標板厚が前記板厚閾値を上回ると判定された場合、前記逆転現象が発生すると判定されたゾーンにおいては前記目標板厚を用いて前記板厚閾値を更新し、前記逆転現象が発生しないと判定されたゾーンにおいては前記更新を行わない。
本発明によれば、クーラントレベル制御において、目標板厚と板厚閾値との比較に基づいて、第1制約又は第2制約が選択される。具体的に、目標板厚が板厚閾値を上回る場合には第1制約が選択される。目標板厚が板厚閾値以下の場合には第2制約が選択される。ここで、第2制約と第1制約の違いは、第2制約は第1制約よりも修正レベルの下方レベルへの低下を制限する点にある。
また、本発明によれば、予測モデルを用い、所定の予測期間において逆転現象が発生するか否かが、複数のゾーンごとに判定される。そして、逆転現象が発生すると判定されたゾーンがある場合には、目標板厚と板厚閾値の比較結果に基づいて板厚閾値の更新が行われる。具体的には、目標板厚が板厚閾値を上回る場合、逆転現象が発生すると判定されたゾーンにおいて、目標板厚を用いた板厚閾値の更新が行われる。
板厚閾値の更新が行われれば、少なくとも次回の制御周期において行われる目標板厚と板厚閾値の比較において、目標板厚が板厚閾値以下という判定結果が得られることになる。この判定結果が得られるということは、第2制約が選択されることを意味する。従って、本発明によれば、逆転現象が発生することが予測された場合に、逆転現象が発生すると判定されたゾーンにおいて第2制約を選択して、修正レベルの大幅な下方修正による当該逆転現象の進行を抑えることが可能となる。故に、実績形状を目標形状に維持して、製品品質を向上することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る形状制御システムの構成例を示す図である。 図1に示すクーラントスプレーおよび形状計が適用される圧延ラインの要部の概略図である。 板厚閾値テーブルの一例を示した図である。 スプレー選択テーブルの一例を示した図である。 下限制約テーブルの一例を示した図である。 平均制約テーブルの一例を示した図である。 クーラントレベル制御の概念を説明する図である。 PI制御に基づいたレベルの修正例を説明する図である。 テストデータの一例を示した図である。 予測モデルを使用した形状変化量の予測の実例を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
1.システム構成の説明
図1は、本発明の実施の形態に係る形状制御システム(以下、単に「システム」とも称す。)の構成を説明する図である。図1に示されるように、システム100は、クーラントスプレー10と、設定計算装置20と、形状制御装置30と、記憶装置40と、スプレー制御装置50と、形状計60と、を備えている。
クーラントスプレー10および形状計60について、図2を参照して説明する。図2は、クーラントスプレー10および形状計60が適用される圧延ラインの要部の概略図である。図2に示される圧延ライン70は、シングルスタンド形式の圧延機72により、圧延材71を圧延(箔圧延)する。なお、図2においては圧延機72が4段式であるが、圧延機72の段数は特に限定されず、2段式でも6段式でもよい。
クーラントスプレー10は、ロールバイトスプレー11と、ワークロールスプレー12とを備えている。前者は圧延機72の入側に設置され、後者は圧延機72の出側に設置される。前者と後者の両方が圧延機72の入側に設置されることもある。ここでいう入側及び出側は、圧延材71の搬送方向DDを基準としている。以下の説明では、クーラントスプレー10、ロールバイトスプレー11及びワークロールスプレー12を必要に応じて使い分ける。例えば、ロールバイトスプレー11とワークロールスプレー12を特に区別する必要がない場合は、総称としてのクーラントスプレー10が用いられる。
ロールバイトスプレー11は、上スプレー13と下スプレー14を備えている。上スプレー13は、上ワークロール73が圧延材71を噛み込むエリアに向けてクーラントを噴射する。上スプレー13は、複数のノズル17を有している。上スプレー13は、また、これらのノズル17ごとに設けられた複数のバルブ(図示しない)を有している。クーラントの噴射は、これらのバルブのON状態とOFF状態の間の切り替えによって行われる。このバルブの切り替えは、個別に行われる。下スプレー14は、下ワークロール74が圧延材71を噛み込むエリアに向けてクーラントを噴射する。下スプレー14の構成は、上スプレー13のそれと同じである。
ロールバイトスプレー11同様、ワークロールスプレー12も上スプレー15と下スプレー16を備えている。上スプレー15は、上ワークロール73に向けてクーラントを噴射する。下スプレー16は、下ワークロール74に向けてクーラントを噴射する。上スプレー15及び下スプレー16の構成は、上スプレー13のそれと同じである。すなわち、上スプレー15及び下スプレー16は、それぞれ、複数のバルブを有している。また、クーラントの噴射は、これらのバルブのON状態とOFF状態の間の切り替えによって行われる。
形状計60は、圧延機72の出側に設置されている。形状計60は、その胴長方向に分割された複数のゾーン61を有している。形状計60は、圧延材71の板幅方向における荷重をこれらのゾーン61ごとに計測して張力を計算する。以下、ゾーン61ごとに計算された張力を、「実績形状SAi」(iは、ゾーン番号を示す。)とも称す。圧延材71の板幅方向における平坦度は、実績形状SAiの平均値からのずれとして表される。実績形状SAiが均一であるほど平坦度が小さくなる。
上スプレー13が有する複数のノズル17(つまり、上スプレー13が有する複数のバルブの総数)は、複数のゾーン61のそれぞれに対応して設けられている。通常、1つのゾーン61あたり1又は2基のノズル17が設けられる。この対応関係は、下スプレー14が有する複数のノズル17と、複数のゾーン61の間にも成立する。更に、この対応関係は、上スプレー15が有する複数のノズル17と、複数のゾーン61の間、及び、下スプレー16が有する複数のノズル17と、複数のゾーン61の間にも同じく成立する。
図1に戻り、システム100の構成の説明を続ける。設定計算装置20は、少なくともプロセッサと、メモリと、入出力インターフェースと、を有するコンピュータである。設定計算装置20は、圧延ライン70における各種設備の設定値を計算する。各種設備には、熱間圧延設備、冷間圧延設備、箔圧延設備などが含まれる。
設定値には、各種設備の出側における圧延材71の各種目標値が含まれる。各種目標値には、板厚および板幅の目標値が含まれる。箔圧延設備の出側における目標値には、ゾーン61ごとの形状の目標値が含まれる。以下、ゾーン61ごとの形状の目標値を、「目標形状STi」(iは、ゾーン番号を示す。)とも称す。設定計算装置20は、圧延情報を形状制御装置30に送信する。圧延情報には、設定値に関する情報が含まれる。
形状制御装置30は、少なくともプロセッサと、メモリと、入出力インターフェースと、を有するコンピュータである。形状制御装置30は、形状偏差計算機能31と、予測モデル生成機能32と、逆転現象検知機能33と、パラメータ設定機能34と、操作量計算機能35と、を備えている。これらの機能は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。これらの機能の詳細については「3.形状制御装置の機能構成例」にて説明される。
記憶装置40には、圧延材71の形状制御として行われる「クーラントレベル制御」に適用される各種テーブルが格納されている。各種テーブルには、板厚閾値テーブル41と、スプレー選択テーブル42と、下限制約テーブル43と、平均制約テーブル44と、が含まれる。クーラントレベル制御の詳細については、「2.クーラントレベル制御」にて説明される。以下では、テーブル41~44について図3~7を参照しながら説明する。
図3は、板厚閾値テーブル41の一例を示した図である。板厚閾値テーブル41は、板厚閾値Tthを圧延材71の材種区分ごとに定めたテーブルである。板厚閾値Tthは、クーラントスプレー10のパラメータの設定に際し、圧延材71の目標板厚Ttgtと比較される。なお、目標板厚Ttgtは、圧延材71の材種区分に応じて設定される圧延材71の板厚の目標値である。この設定は、設定計算装置20において行われる。板厚閾値Tthを用いたパラメータの設定は、形状制御装置30において行われる。この詳細については「パラメータ設定機能34」において説明する。
図4は、スプレー選択テーブル42の一例を示した図である。スプレー選択テーブル42は、クーラントレベル制御の対象とされるクーラントスプレー10を定めたテーブルである。図4には、目標板厚Ttgtと板厚閾値Tthの大小関係に応じてクーラントスプレー10を選択するためのテーブルが示されている。このテーブルによれば、Ttgt>Tthの場合に、ロールバイトスプレー11及びワークロールスプレー12が選択される。Ttgt≦Tthの場合には、ワークロールスプレー12のみが選択される。なお、板厚閾値Tthは、板厚閾値テーブル41の参照により特定される。
図5は、下限制約テーブル43の一例を示した図である。下限制約テーブル43は、クーラントレベル制御のレベルLi(iは、ゾーン番号を示す。)の下限値に関する制約としての「下限制約RL」を定めたテーブルである。図5には、材種区分と、目標板厚Ttgtと板厚閾値Tthの間の大小関係と、の組み合わせに応じて下限制約RLを切り替えるためのテーブルが示されている。このテーブルによれば、例えば、材種区分AA、かつ、Ttgt>Tthの場合に、下限制約LA1が選択される。材種区分AA、かつ、Ttgt≦Tthの場合に、下限制約LA2(>LA1)が選択される。
下限制約LA1とLA2の間の大小関係は、下限制約LB1とLB2の間にも当てはまり、更には、下限制約LC1とLC2の間にも当てはまる。ここで、後述するように、レベルLiは、レベルLiが上がるほど保持時間Tonが相対的に長くなる。換言すると、レベルLiが下がるほど、OFF状態の保持時間Toffが相対的に長くなる。そのため、通常は、レベルLiが下がれば、ルーズ状態(実績形状SAiが目標形状STiを下回る状態をいう。以下同じ。)が進行する。
図6は、平均制約テーブル44の一例を示した図である。平均制約テーブル44は、圧延材71の板幅方向におけるレベルLiの平均値に関する制約としての「平均制約RM」を定めたテーブルである。図6には、材種区分と、目標板厚Ttgtと板厚閾値Tthの間の大小関係と、の組み合わせに応じて平均制約RMを切り替えるためのテーブルが示されている。このテーブルによれば、例えば、材種区分AA、かつ、Ttgt>Tthの場合に、平均制約MA1が選択される。材種区分AA、かつ、Ttgt≦Tthの場合に、平均制約MA2(>MA1)が選択される。
平均制約MA1とMA2の間の大小関係は、平均制約MB1とMB2の間にも当てはまり、更には、平均制約MC1とMC2の間にも当てはまる。
図5及び6に示される例では、下限制約RL及び平均制約RMが、目標板厚Ttgtと板厚閾値Tthの間の大小関係に応じて2種類の制約の間で切り替えられている。本明細書においては、Ttgt>Tthの場合の下限制約RL及び平均制約RMを「第1制約」と総称する。また、Ttgt≦Tthの場合の下限制約RL及び平均制約RMを「第2制約」と総称する。第1制約と第2制約の違いは、第2制約の選択中は第1制約の選択中に比べてレベルLiの下方レベルへの修正が制限される点にある。
図1に戻り、システム100の構成の説明を続ける。スプレー制御装置50は、形状制御装置30からバルブをON状態に保持する時間(つまり、保持時間Ton)、及び、OFF状態に保持する時間(つまり、保持時間Toff)についての情報を受け取る。保持時間Ton及びToffは、レベルLiに応じてノズル17ごとに計算されている。そのため、スプレー制御装置50は、保持時間Ton及びToffに基づいて、バルブを個別に制御する。
2.クーラントレベル制御
ここで、図7及び8を参照しながらクーラントレベル制御について説明する。クーラントレベル制御は、レベルLiを用いて保持時間Ton及びToffを設定し、この保持時間Ton及びToffに基づいてバルブを個別に制御するものである。レベルLiは、形状偏差SDi(iは、ゾーン番号を示す。)とPI制御(比例・積分制御)の組み合わせによって計算される。形状偏差SDiは、実績形状SAiと目標形状STiの偏差(SDi=STi-SAi)である。
図7は、クーラントレベル制御の概念を説明する図である。クーラントレベル制御は、所定の制御周期Tsで繰り返し行われる。制御周期Tsを均等に分割したときの1区分がΔtである。レベルLiは、制御周期Tsに占める保持時間Tonの割合として、レベル0~10の合計11レベル設けられている。図7に示される例では、制御周期Tsが10等分されている。レベルLiがレベル5の場合はΔt×5が保持時間Tonとなり、レベル7の場合はΔt×7が保持時間Tonとなる。いずれの場合も、Δt×(10-Li)が保持時間Toffとなる。このように、レベルLiは、レベルLiが上がるほど保持時間Tonが長くなる。
図8は、PI制御に基づいたレベルLiの修正例を説明する図である。図8の横軸はPI制御の制御出力であり、縦軸はレベル修正量である。図8に示される例では、制御出力がプラスの場合、レベル修正量はプラス方向に階段状に大きくなる。つまり、制御出力がプラスの場合、保持時間Tonが延長される方向にレベルLiが修正されることになる。反対に、制御出力がマイナスの場合、保持時間Tonが短縮される方向にレベルLiが修正されることになる。
3.形状制御装置の機能構成例
3-1.形状偏差計算機能
形状偏差計算機能31は、形状計60から実績形状SAiを取得する。形状偏差計算機能31は、また、設定計算装置20から目標形状STiを取得する。そして、形状偏差計算機能31は、形状偏差SDi(SDi=STi-SAi)を計算する。形状偏差SDiの情報は、操作量計算機能35に送信される。
予測モデル生成機能32は、今回の制御周期Tsから1周期先(次回の制御周期Ts)における圧延材71の形状変化量βi(iは、ゾーン番号を示す。)を予測する予測モデルを生成する。予測モデル生成機能32は、まず、過去の実績形状SAiの平均値Asaiを計算する。平均値Asaiは、一定周期で収集された実績形状SAiの過去の値(具体的には、前回の値からI回前の値)を用いて計算される。形状変化量βiは、実績形状SAiの今回の値から平均値Asaiを引くことで計算される。形状変化量βiは、実績形状SAiが収集されるたびに繰り返し計算される。
各バルブのON状態とOFF状態は、(ON,OFF)=(1,0)とする信号に変換されている。予測モデル生成機能32は、形状変化量βiの今回の値と、形状変化量βiの前回の計算からJ回前の計算までの間のクーラントスプレー10のバルブのON及びOFF信号の履歴と、を1セットとするデータをKセット記憶する。この信号の履歴は、i番目のゾーン61のものである。そして、予測モデル生成機能32は、Kセットのデータをトレーニングデータとした下記式(1)により、ロールバイトスプレー11の影響係数wBiteと、ワークロールスプレー12の影響係数wWRを計算し、予測モデルを生成する。
Figure 0007447779000001

Figure 0007447779000002
式(1)に使用される変数は次のとおりである。
j:過去のデータ番号 [-]
J:過去のデータ数 [-]
k:データセットの番号 [-]
K:データセットの数 [-]
β:形状変化量 [I-unit]
kj WR:ワークロールスプレー12のバルブのON及びOFF信号 [-]
kj Bite:ロールバイトスプレー11のバルブのON及びOFF信号 [-]
WR:ワークロールクーラントスプレーの影響係数 [I-unit]
Bite:バイトクーラントスプレーの影響係数 [I-unit]
λ:係数 [-]
α:配分比 [-]
3-2.予測モデル生成機能
予測モデル生成機能32は、クーラントスプレー10のバルブのON及びOFF信号をJ個ずつ有するセットをnセット準備する。そして、このnセットのデータをテストデータとして、1セットずつ予測モデルに入力する。これにより、1~n回先、つまり、1~n周期先の形状変化量βiを予測する。予測モデル生成機能32は、予測期間(すなわち、1~n周期の間)における形状変化量βiを、逆転現象検知機能33に送信する。
図9は、テストデータの一例を示した図である。図9に示される例では、過去のデータ数J=20であり、クーラントスプレー10のバルブのON及びOFF信号が縦方向にnセット並べられている。データ番号j=20のデータは、形状変化量βiの前回の計算時のON及びOFF信号を示している。n=1のデータセットは1回先の形状変化量βiを予測するためのものである。このようなテストデータが1セットずつ予測モデルに入力されることで、ワークロールスプレー12のバルブをOFF状態からON状態に切り替えたときの1~16周期先の形状変化量βiを予測することができる。
図10は、予測モデルを使用した形状変化量βiの予測の実例を示した図である。この予測は、合計21個のゾーンを有する4段圧延機の14番目のゾーン(つまり、i=14)に着目して行われた。テストデータには、図9で説明した16セットのデータが使用された。圧延材はアルミニウム箔であり、その目標板厚Ttgtは12.4μm及び34μmであった。図10の縦軸は形状変化量βiであり、縦軸プラス方向がタイト状態に相当し、縦軸マイナス方向がルーズ状態に相当する。図10の横軸は、データセット数の変換により得られる時間である。
Ttgt=34μmの予測結果から理解されるように、通常の圧延では、ワークロールスプレーをON状態に切り替えると、ワークロール及び圧延材の熱膨張が抑えられて、圧延材の形状がタイト状態になる。ところが、Ttgt=12.4μmの予測結果から理解されるように、ワークロールスプレーをON状態に切り替えてもルーズ状態になる。これが逆転現象である。逆転現象が発生した場合には、形状変化量βiが2秒程度の短時間でルーズ状態に変化する。
本実施形態では、トレーニングに用いるデータセット数Kが大きな値に設定される。データセット数Kが大きな値に設定されることで、形状制御に使用される他のアクチュエータ(ロールベンダー、レベリングなど)による逆転現象への影響度が相対的に低下する。故に、本実施形態によれば、バルブの切り替えと形状変化量βiの関係性が明確化された予測モデルによって、逆転現象の発生の予測の精度が高められている。
3-3.逆転現象検知機能
図1に戻り、形状制御装置30の機能構成例の説明を続ける。逆転現象検知機能33は、予測モデル生成機能32から受信した形状変化量βiに基づいて、1~n周期の間に逆転現象が発生するか否かを判定する。例えば、n周期先の形状変化量βiから1周期先のそれを引いた値Δβiが計算される。そして、値Δβiが予め設定した閾値βthを下回った場合、逆転現象検知機能33は、逆転現象が発生すると判定する。
別の例では、1~n周期先の形状変化量βiが1次関数に近似される。そして、この1次関数の1次の係数γが予め設定した閾値γthを下回った場合、逆転現象検知機能33は、逆転現象が発生すると判定する。
逆転現象が発生したと判定された場合、逆転現象検知機能33は、現在圧延されている圧延材71の材種区分及び目標板厚Ttgtのデータを設定計算装置20から取得する。また、逆転現象検知機能33は、板厚閾値テーブル41(図3参照)を参照し、取得された材種区分に対応する板厚閾値Tthを特定する。そして、逆転現象検知機能33は、この板厚閾値Tthと、取得された目標板厚Ttgtとを比較する。Ttgt>Tthの場合、逆転現象検知機能33は、目標板厚Ttgtを用いて板厚閾値Tthを更新する。Ttgt≦Tthの場合、この更新は行われない。
3-4.パラメータ設定機能
パラメータ設定機能34は、現在圧延されている圧延材71の材種区分及び目標板厚Ttgtのデータを設定計算装置20から取得する。また、パラメータ設定機能34は、板厚閾値テーブル41を参照し、取得された材種区分に対応する板厚閾値Tthを特定する。ここまでの機能は、逆転現象検知機能33の一部と共通する。パラメータ設定機能34は、更に、スプレー選択テーブル42(図4参照)、下限制約テーブル43(図5参照)、及び平均制約テーブル44(図6参照)を参照する。そして、板厚閾値Tthと目標板厚Ttgtの比較結果に対応するパラメータを各テーブルから選択し、操作量計算機能35に送信する。
3-5.操作量計算機能
操作量計算機能35は、形状偏差SDiをPI制御器に入力し、レベル修正量(図8参照)を計算する。そして、操作量計算機能35は、このレベル修正量を用いて、現在のレベルLiを修正する。レベルLiの修正に際しては、パラメータ設定機能34から受信したパラメータ(具体的には、下限制約RL)が適宜参照される。そして、修正後のレベルLiMODが下限制約RLに抵触する場合、操作量計算機能35は、このレベルLiMODを更に修正して下限制約RLと一致させる。
操作量計算機能35は、また、パラメータ設定機能34から受信したパラメータ(具体的には、平均制約RM)を用いて、修正後のレベルLiMODを更に修正する。この修正は、例えば、下記式(2)及び(3)を用いて行われる。
Figure 0007447779000003
式(2)及び(3)に使用される変数は次のとおりである。
ΔLcomp:レベル修正量 [-]
AVE SET:平均制約RM [-]
:形状計60の板に覆われているゾーン61の最初のゾーン番号 [-]
:形状計60の板に覆われているゾーン61の最後のゾーン番号 [-]
Li:クーラントレベル制御のレベル [-]
LiNEW:修正後のレベル [-]
操作量計算機能35は、修正後のレベルLiNEWと、制御周期Tsとに基づいて、保持時間Ton及びToffを計算する。そして、操作量計算機能35は、保持時間Ton及びToffをスプレー制御装置50に送信する。
操作量計算機能35は、また、パラメータ設定機能34から受信したパラメータ(具体的には、クーラントレベル制御の対象スプレー)を用いて、Ttgt≦Tthの場合はロールバイトスプレー11のバルブの状態を設定する。この理由は、Ttgt≦Tthの場合、クーラントレベル制御の対象スプレーとしてワークロールスプレー12のみが選択されるためである。この場合、操作量計算機能35は、予測期間(すなわち、1~n周期の間)に亘ってロールバイトスプレー11が有する全てのバルブをON状態に保持する指令をスプレー制御装置50に送信する。
逆転現象が発生メカニズムの詳細は不明である。しかしながら、クーラントスプレー10のバルブのON状態とOFF状態の間の切り替えによってロールバイト内の摩擦係数が局所的に変化することが、逆転現象の発生に少なからず影響していると本発明者は推測している。そのため、本実施形態では、Ttgt≦Tthの場合に、ロールバイトスプレー11が有する全てのバルブをON状態に保持する。全てのバルブをON状態に保持することで、上述した局所的な変化が抑えられることが期待される。なお、クーラントレベル制御についてはワークロールスプレー12のバルブにより実行されているので、クーラントレベル制御の実行そのものは継続されている。
4.効果
以上説明した実施の形態に係るシステムによれば、クーラントレベル制御が行われる。クーラントレベル制御では、目標板厚Ttgtと板厚閾値Tthとの比較結果に応じて第1制約又は第2制約が選択される。具体的に、Ttgt>Tthの場合には第1制約が選択され、Ttgt≦Tthの場合には第2制約が選択される。
また、実施の形態に係るシステムによれば、予測モデルを用いることで将来において逆転現象が発生するか否かが判定される。そして、逆転現象が発生すると判定された場合には、目標板厚Ttgtと板厚閾値Tthとの比較結果に基づいて、板厚閾値Tthの更新が行われる。具体的に、目標板厚Ttgtが板厚閾値Tthを上回る場合、逆転現象が発生すると判定されたゾーンにおいて、目標板厚Ttgtを用いた板厚閾値Tthの更新が行われる。
板厚閾値Tthの更新が行われれば、少なくとも次回の制御周期Tsにおいて行われる目標板厚Ttgtと板厚閾値Tthの比較において、Ttgt≦Tthを示す判定結果が得られることになる。Ttgt≦Tthを示す判定結果が得られるということは、第2制約が選択されることを意味する。以上のことから、実施の形態に係るシステムによれば、逆転現象が発生することが予測された場合に、次回の制御周期Tsにおいて第2制約を選択することが可能となる。第2制約が選択されれば、第1制約が選択される場合に比べて、レベルLiの大幅な下方修正による逆転現象の進行を抑えることが可能となる。従って、実績形状SAiを目標形状STiに維持して製品品質を向上することが可能となる。
また、実施の形態に係るシステムによれば、Ttgt≦Tthを示す判定結果が得られた場合に、ロールバイトスプレー11が有する全てのバルブをON状態に保持することが可能となる。つまり、実施の形態に係るシステムによれば、逆転現象が発生することが予測された場合に、次回の制御周期TsにおいてTtgt≦Tthを示す判定結果が得られるように板厚閾値Tthの更新を行い、この判定結果に基づいて全てのバルブをON状態に保持することが可能となる。上述したように、全てのバルブをON状態に保持することで、上述した局所的な変化が抑えられることが期待される。よって、逆転現象が発生した場合において、当該逆転現象の進行を効果的に抑えることが可能となる。
5.実施形態の変形例
上記実施形態は、以下に説明する各種の変形が可能である。
上記実施形態では、圧延材71の圧延中に収集されたトレーニングデータを用いて予測モデルを生成し、この予測モデルにテストデータを適用して得られた形状変化量βiに基づいて逆転現象の判定を行った。つまり、圧延材71の圧延中にリアルタイムに予測モデルを生成し、当該圧延材71に対する形状制御において逆転現象の判定を行った。しかしながら、逆転現象が発生したときのデータを教師データとする分類器(予測モデル)を事前に生成しておき、これを用いて逆転現象の判定を行ってもよい。例えば、圧延材71の圧延中に収集された形状変化量βiのデータに対して、逆転現象が発生したときのデータであるかどうかを調整者が判断する。そして、逆転現象が発生したときのデータを教師データとして分類器をトレーニングしておく。上記実施形態で使用したnセットのデータをこの分類器に入力すれば、逆転現象の判定を行うことができる。
上記実施形態では、式(1)で表されるElastic Netと呼ばれる回帰分析手法により予測モデルを生成した。しかしながら、Elastic Net同様に縮小推定器を利用するRidge回帰やLasso回帰を用いて予測モデルを生成してもよいし、ニューラルネットワークやランダムフォレストなどの他の回帰分析手法を用いてもよい。
上記実施形態では、形状偏差SDiとPI制御の組み合わせに基づいてレベルLiを修正した。しかしながら、PI制御の代わりにP制御(比例制御)又はPID制御(比例・積分・微分制御)を用いてこの修正を行ってもよい。
10 クーラントスプレー
11 ロールバイトスプレー
12 ワークロールスプレー
20 設定計算装置
30 形状制御装置
31 形状偏差計算機能
32 予測モデル生成機能
33 逆転現象検知機能
34 パラメータ設定機能
35 操作量計算機能
40 記憶装置
41 板厚閾値テーブル
42 スプレー選択テーブル
43 下限制約テーブル
44 平均制約テーブル
50 スプレー制御装置
60 形状計
61 ゾーン
70 圧延ライン
71 圧延材
72 圧延機
73 上ワークロール
74 下ワークロール
100 形状制御システム
RL,LA1,LA2,LB1,LB2,LC1,LC2 下限制約
RM,MA1,MA2,MB1,MB2,MC1,MC2 平均制約
Li レベル
SAi 実績形状
SDi 形状偏差
STi 目標形状
Toff,Ton 保持時間
Ts 制御周期
Ttgt 目標板厚
Tth 板厚閾値
βi 形状変化量

Claims (4)

  1. 圧延ロールと、
    前記圧延ロールの出側、かつ、前記圧延ロールの胴長方向に分割された複数のゾーンごとに設けられ、圧延材の実績形状を前記複数のゾーンごとに計測する形状計と、
    前記圧延ロールの入側及び出側の少なくとも一方に設けられたクーラントスプレーと、
    前記クーラントスプレーが有する複数のバルブであって、前記複数のゾーンごとに設けられてON状態とOFF状態の間で切り替えられる複数のバルブと、
    前記圧延材の形状制御を行う形状制御装置と、
    を備え、
    前記形状制御装置は、前記形状制御において、
    前記形状制御の制御周期として予め設定した時間に占める前記ON状態の保持時間の割合を定めたレベルに基づいて、前記複数のバルブを個別に制御するクーラントレベル制御を行い、
    前記形状制御装置は、前記クーラントレベル制御において、
    前記実績形状と、前記圧延材の目標形状との偏差に基づいて、前記レベルの修正量を前記複数のバルブごとに計算し、
    前記修正量による修正後の前記レベルを示す修正レベルに基づいて、前記ON状態と前記OFF状態の間の切り替えを行い、
    前記形状制御装置は、前記クーラントレベル制御において、更に、
    前記圧延材の目標板厚と、前記圧延材の種類に応じて設定された板厚閾値と、の比較に基づいて、前記修正レベルに関する制約を示す第1制約又は第2制約を選択し、
    前記目標板厚が前記板厚閾値を上回る場合には、前記第1制約が選択され、
    前記目標板厚が前記板厚閾値以下の場合には、前記第2制約が選択され、
    前記第2制約は、前記第1制約よりも、前記修正レベルの下方レベルへの低下を制限し、
    前記圧延材の形状変化量と、前記ON状態及びOFF状態との関係を定めた所定の予測モデルを用いて、前記切り替えにより見込まれる変化の方向とは反対の方向に前記圧延材の形状が変化する逆転現象が所定の予測期間において発生するか否かを、前記複数のゾーンごとに判定し、
    前記予測モデルは、前記実績形状の今回値と前記実績形状の前回から所定回前までの平均値との差を示す前記形状変化量の今回値と、前記形状変化量の前回から所定回前までの計算の間における前記複数のバルブの各バルブのON状態及びOFF状態の履歴とを1セットとする複数のデータセットを用いて生成され、
    前記予測モデルは、前記所定の予測期間に相当するセット数の前記複数のバルブの各バルブのON状態及びOFF状態を示すデータセットが入力された場合に、前記所定の予測期間における前記形状変化量を出力し、
    前記逆転現象が発生すると判定されたゾーンがある場合、前記目標板厚が前記板厚閾値を上回るか否かを判定し、
    前記目標板厚が前記板厚閾値を上回ると判定された場合、前記逆転現象が発生すると判定されたゾーンにおいては前記目標板厚を用いて前記板厚閾値を更新し、前記逆転現象が発生しないと判定されたゾーンにおいては前記更新を行わない
    ことを特徴とする圧延材の形状制御システム。
  2. 前記クーラントスプレーは、ロールバイトスプレーとワークロールスプレーを含み、
    前記形状制御装置は、前記クーラントレベル制御において、更に、
    前記目標板厚と前記板厚閾値との比較に基づいて、前記クーラントレベル制御の対象とする前記クーラントスプレーを選択し、
    前記目標板厚が前記板厚閾値を上回る場合には、前記ロールバイトスプレー及び前記ワークロールスプレーを前記対象として選択し、
    前記目標板厚が前記板厚閾値以下の場合には、前記ワークロールスプレーを前記対象として選択し、
    前記目標板厚が前記板厚閾値以下の場合には、前記ロールバイトスプレーが有する前記複数のバルブのON状態を前記所定の予測期間に亘って保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧延材の形状制御システム。
  3. 前記修正レベルに関する制約は、前記修正レベルの下限値に関する下限制約を含み、
    前記第2制約における前記下限制約が、前記第1制約におけるそれよりも高い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延材の形状制御システム。
  4. 前記修正レベルに関する制約は、前記圧延材の板幅方向における前記修正レベルの平均値に関する平均制約を含み、
    前記第2制約における前記平均制約が、前記第1制約におけるそれよりも高い
    ことを特徴とする請求項1~3何れか1項に記載の圧延材の形状制御システム。
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