JP3330885B2 - 圧延方法及び圧延機並びに圧延設備 - Google Patents

圧延方法及び圧延機並びに圧延設備

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板クラウン及び/
または板形状の制御を行う圧延方法に係わり、特に、熱
間圧延時において板クラウン及び/または板形状の制御
結果を学習して、次回圧延時又は同一圧延材の通板中に
おいて修正する圧延方法及び圧延機並びに圧延設備に関
する。
【0002】
【従来の技術】圧延加工においては、圧延材の板クラウ
ン及び/または板形状(以下適宜、これらを板プロフィ
ルと総称する)を精度よく制御するために、以下のよう
な手法がとられる場合がある。すなわち、(a)圧延中の
圧延ロールのプロフィル変化を物理的な計算モデルや学
習モデル等から予測する;(b)この予測ロールプロフィ
ルと、圧延機の変形及び圧延材の変形を用いたモデル式
とから圧延材の板プロフィルを予測する;(c)この予測
板プロフィルと目標板プロフィルとの偏差を小さくする
ように制御を行う;というものである。
【0003】ここで、上記(a)においてロールプロフィ
ルや板プロフィルの予測に用いるモデルは、所定の限ら
れた実験条件において種々パラメータを変えて集めた実
験データをもとに算出された実験式をその基本としてい
る。そのため、例えばその限られた実験条件より外れる
ような実際の圧延操業条件においては、ある程度の誤差
を生じ、予測精度が低下する。そこで、この予測モデル
を実際の圧延操業中に随時修正する手法が従来より提唱
されている。すなわち、まず、予測ロールプロフィルか
ら算出した予測板プロフィルをもとに、板プロフィル制
御手段の初期設定を行う。次に、圧延中に板プロフィル
やロールプロフィル等を実測し、その実測値を用いてフ
ィードバック制御によりモデルを修正し、この修正した
モデルにより予測ロールプロフィルや予測板プロフィル
を修正し、これによって上記初期設定値を圧延中に修正
する。そして、その修正値を学習し、次圧延材以後の初
期設定値を修正する。
【0004】ところで、特に熱間圧延においては、通
常、圧延材を1スラブ毎にバッチ処理し、1本の圧延時
間は30秒から40秒と短い。そのため、上記板プロフ
ィル制御手段の初期設定のための板プロフィル予測精度
を向上する必要があるとともに、各段階におけるロール
プロフィルの予測精度を向上する必要がある。
【0005】また、近年、例えば川崎製鉄技報Vol.
28No.4(1996)に開示されているように、上
記のようないわゆるバッチ方式による圧延ではなく、ス
ラブを10本程度接合し連続的に熱間圧延する連続圧延
技術が提唱されている。前述の修正学習による制御方法
を、この連続圧延に対し適用する場合は、板プロフィル
制御手段の初期設定を行った後圧延を開始し、圧延材の
通板中においてモデルを修正して予測ロールプロフィル
や予測板プロフィルを適時修正学習し、板プロフィル制
御手段の初期設定値を随時修正することとなる。このよ
うな連続圧延においては、最初の修正学習の精度が不十
分であると、その誤差がその圧延材の後方領域の制御へ
と順次重畳していき、精度が加速度的に低下する可能性
がある。そのため、この連続圧延においてもモデルを用
いた板プロフィル及びロールプロフィルの予測精度を向
上する必要がある。
【0006】以上のようなロールプロフィルの予測精度
の向上を図る従来技術として、例えば、特開平8−10
8207号公報、特開昭59−215205号公報、及
び特開平7−323315号公報に記載のものが提唱さ
れている。また、圧延材の板プロフィルの予測精度を向
上を図る従来技術としては、例えば特開平6−1144
24号公報に記載のものが提唱されている。
【0007】特開平8−108207号公報では、熱間
圧延(バッチ圧延)において、ロールプロフィルの実測
値を用いてロールプロフィルの予測モデルを修正する方
法が開示されている。すなわち、熱間圧延時におけるロ
ールプロフィル変化の要素として、時間経過につれてロ
ールが熱膨張しプロフィルが変化していく熱膨張プロフ
ィルと、時間経過につれて圧延材との摩擦でロールが摩
耗しプロフィルが変化していく摩耗プロフィルの2つを
想定している。そして、ロールプロフィルを実測後、こ
の実測ロールプロフィルを利用して予測モデル内の熱膨
張プロフィル修正用の学習係数を算出し、これを用いて
予測モデルを修正することによって次回圧延時における
予測精度を向上するものである。
【0008】特開平6−114424号公報では、連続
熱間圧延において、板プロフィルの実測値を用いて板プ
ロフィルの予測モデルを修正する方法が開示されてい
る。すなわち、i番目の圧延スタンドの予測ロールクラ
ウンとi−1番目の圧延スタンドの予測板プロフィルと
から予測したi番目の圧延スタンドの予測板プロフィル
と、i番目の実測板プロフィルとの偏差を減少させるよ
うに、予測モデル式に含まれる補正項を修正している。
【0009】特開昭59−215205号公報では、連
続熱間圧延において、板プロフィルの実測値を用いてロ
ールプロフィルの予測モデルを修正する方法が開示され
ている。すなわち、先行材の実測板クラウンと予測板ク
ラウンの偏差の要因をロールプロフィルの予測誤差に起
因するとし、このロールプロフィルの予測誤差を算出学
習し、後行材の設定計算に用いている。
【0010】特開平7−323315号公報では、熱間
圧延(バッチ圧延)において、上記同様、板プロフィル
の実測値を用いてロールプロフィルの予測モデルを修正
する方法が開示されている。すなわち、最終スタンド出
側の実測板クラウンと予測クラウンとの偏差を、板エッ
ジ部ではロールプロフィル誤差と塑性変形誤差とに分離
して予測モデル内の定数を修正し、また非エッジ部では
ロールプロフィル誤差として予測モデル内の定数を修正
することにより、板クラウン・形状を目標値にフィード
バック制御するようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、以下のような課題が存在する。
【0012】特開平8−108207号公報において
は、ロールプロフィルの要素として、熱膨張プロフィル
と摩耗プロフィルの2つを考慮しているが、学習し修正
するのは、熱膨張プロフィル修正用の学習係数のみであ
り、摩耗プロフィルについては学習を行わない。しかし
ながら、熱膨張プロフィルのみならず摩耗プロフィルに
ついても学習し修正を行わなければ、十分な精度で板プ
ロフィルの制御を行うことはできない。このことを、図
8(a)〜(c)を用いて、以下説明する。
【0013】図8(a)は理想的な圧延スケジュールに
よって圧延、冷却、圧延といったパターンを繰り返して
いる場合のサーマルクラウンを示している。圧延時に
は、サーマルクラウンが大きくなり、圧延材が抜けた冷
却時にはサーマルクラウンが小さくなるが、完全に0に
戻らないまま、次材の圧延へと移行する。ある程度の圧
延本数を圧延後、サーマルクラウンの変化は、ほぼ圧延
時、冷却時の変化のみとなり単調な変化を繰り返す。し
かし、圧延時の各種トラブル(例えば、加熱炉や粗ミル
やデスケーラーの不具合といった上流側の要因や、仕上
げミルでのロール傷や、コイラーの不具合)によって圧
延が一時停止したり、圧延スケジュールの変更等によっ
て、理想的な圧延パターンを繰返せない場合がある。そ
のような場合、ロールのサーマルクラウンは、冷却時間
が長くなり、図8(b)に示すように、サーマルクラウ
ンは通常よりも小さくなる。一方、摩耗プロフィルは、
圧延、冷却、圧延といったパターンを繰り返す通常の圧
延スケジュールにおいては、図8(c)に示すように、
ほぼ右下がりの折れ線上の特性となる。しかし、熱間圧
延の実際の操業中においては、上述したような圧延材の
温度不均一、スケール生成、ロールの冷却むら、操業ト
ラブルによる圧延スケジュールの遅滞等の要因によっ
て、圧延停止やスケジュール変更によるムダ時間が生じ
得る。このような場合、加熱炉から抽出後の圧延材の温
度が低下するため、仕上げ工程でのロールと材料間の接
触面圧が上昇し、摩耗が通常よりも進行する(図8
(c)参照)。以上説明したように、実際の操業中には
種々の要因によってサーマルクラウンのみならず摩耗ク
ラウンの勾配にも変化が現れる。そのため、予測モデル
修正時に、上記公知技術によるサーマルプロフィルのみ
の学習では摩耗プロフィルの変化予測を修正学習でき
ず、対応不可能である。その結果、次材に対する板プロ
フィル予測も誤差を含んだものになる。すなわち、熱間
圧延時において板クラウン及び/または板形状を十分な
精度で制御することが困難となる。
【0014】また、特開平6−114424号公報でも
上記同様の課題が存在し、図9(a)〜(c)を用い
て、以下説明する。図9(a)は理想的な圧延スケジュ
ールによって連続圧延を行っているときのサーマルクラ
ウンを示している。連続圧延では圧延材の噛み込みから
尻抜けまでの時間が長く、噛み込み直後のサーマルクラ
ウンは急成長するが、中間から尻抜けまではサチュレー
トした状態でほぼ一定となる。尻抜け後の冷却時にはサ
ーマルクラウンが小さくなるが、完全に0に戻らないま
ま、次材の圧延へと移行する。ある程度の圧延本数を圧
延後、サーマルクラウンの変化は、ほぼ圧延開始時、尻
抜け後冷却時の変化のみとなり単調な変化を繰り返す。
一方、図9(c)に示すように、摩耗クラウンは通板中
常に成長し、冷却中は不変である。したがって、板プロ
フィル制御手段の制御量を補正する場合、サーマルクラ
ウンが成長中なのか否かによって補正量が異なる。つま
り、サーマルクラウンが成長中であれば、サーマルクラ
ウンの成長と摩耗クラウンの進行が逆方向のため相互に
キャンセルするため、板プロフィル制御手段の大きな補
正は不要である。他方、サーマルクラウンがサチュレー
トしていれば、摩耗クラウンの進行分を板プロフィル制
御手段で補正する必要がある。そしてそのような評価を
するためには、サーマルクラウンと摩耗クラウンを分離
し、それぞれの絶対量を把握する必要がある。さらに、
圧延時の各種トラブル(例えば、加熱炉や粗ミルやデス
ケーラーの不具合といった上流側の要因や、仕上げミル
でのロール傷や、コイラーの不具合)によって圧延が一
時停止したり、圧延スケジュールの変更等によって、理
想的な圧延パターンを繰返せない場合がある。そのよう
な場合、冷却時間が長くなり、図9(b)に示すよう
に、ロールのサーマルクラウンは通常よりも小さくな
る。
【0015】このような場合、前述したバッチ圧延の場
合と同様、加熱炉から抽出後の圧延材の温度が低下し、
仕上げ工程でのロールと材料間の接触面圧が上昇し、摩
耗が通常よりも進行する(図9(c)参照)。以上説明
したように、実際の連続圧延操業中には種々の要因によ
ってサーマルクラウンのみならず摩耗クラウンの勾配に
も変化が現れるため、圧延材通板中においてそれらの予
測モデルをそれぞれ修正しなければならない。上記公知
技術では、ロールプロフィルの要素として熱膨張プロフ
ィルと摩耗プロフィルの2つを考慮しているものの、そ
れらをそれぞれ分けて評価し別々に修正学習するのでは
なく、熱膨張プロフィルと摩耗プロフィルとを合わせた
形で修正学習している。そのため、修正が必ずしも十分
ではなく、その結果、後行材に対する板プロフィル予測
も誤差を含んだものになる。すなわち、板クラウン及び
/または板形状を十分な精度で制御することは困難であ
る。しかも、このような連続圧延を行う場合、バッチ圧
延よりもロールと圧延材との接触時間が増大するため、
ロールの熱膨張変化、摩耗変化がバッチ圧延より大きく
なる。したがって、実際には、上述したバッチ圧延以上
の高い精度の予測精度が必要である。
【0016】また、上記特開平8−108207号公報
に関して前述したように、ロールプロフィルの予測精度
を十分に向上するには、ロールプロフィルの要素として
熱膨張プロフィルと摩耗プロフィルの2つを考慮すると
ともに、それら両方についてそれぞれ予測モデルの修正
学習を行う必要がある。しかし特開昭59−21520
5号公報及び特開平7−323315号公報ではこのよ
うな学習を行っていないため、上記同様、熱間圧延時に
おいて板クラウン及び/または板形状を十分な精度で制
御することが困難となる。さらに、これら特開昭59−
215205号公報や特開平7−323315号公報に
おいては、実測板プロフィルと予測板プロフィルの偏差
に基づき予測ロールプロフィルを修正学習するものであ
る。すなわち、前述した(b)予測ロールプロフィルから
予測板プロフィルを求める手順においては、通常、例え
ば日本塑性加工学会誌(塑性と加工)36巻417号1
163ページから1168ページに開示されているよう
な技術を用いて、無負荷時のロールプロフィルから圧延
時のロール変形を算出し、さらにそのロール変形から圧
延材の板プロフィルを算出する。これらの公知技術にお
いては、この原理に基づき、そのロールプロフィル→圧
延時ロール変形→板プロフィルという変換の逆を行う。
すなわち、板プロフィル偏差→ロール変形偏差→ロール
プロフィル偏差という逆変換を行い、このロールプロフ
ィル偏差をなくすような修正学習を行うものである。し
かしながら、それら変換式は、圧延加工に影響を及ぼす
全ての条件を考慮しているわけではなく、それら中で影
響が大きいと考えられる因子のみを考慮しているのが通
常である。したがって、変換を実施するたびに変換誤差
を蓄積することになるため、ロールプロフィルの予測精
度向上には限界があり、十分な精度を得ることは困難で
ある。すなわち、これによっても板クラウン及び/また
は板形状を十分な精度で制御することは困難である。本
発明の目的は、熱間圧延時において板クラウン及び/ま
たは板形状を十分な精度で制御することができる圧延方
法および圧延機並びに圧延設備を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、圧延ロールのプロフィルを予測モ
デルを用いて予測し、この予測ロールプロフィルと圧延
機および圧延材の変形とから圧延材の板クラウン及び/
または板形状を予測し、この予測板クラウン及び/また
は板形状が目標とする板クラウン及び/または板形状と
一致するように、板プロフィル制御手段で板クラウン及
び/または板形状を制御する圧延方法において、前記圧
延ロールのプロフィルを実測し、この実測ロールプロフ
ィルと、前記圧延ロールのイニシャルプロフィル又は前
記予測ロールプロフィルとのプロフィル偏差を、少なく
とも、ロールの熱膨張に起因するサーマルプロフィルと
ロールの摩耗に起因する摩耗プロフィルとに分離して認
識し、前記予測モデルにおいて少なくとも前記サーマル
プロフィル及び前記摩耗プロフィルに分離した形でそれ
ぞれに関し修正学習を行い、この修正学習した予測モデ
ルを用いて、以後の前記圧延ロールの予測プロフィルを
修正する。熱間圧延の実際の操業中には、種々の要因に
よってサーマルプロフィルのみならず摩耗プロフィルの
変化率にも変化が現れる。本発明においては、実測ロー
ルプロフィルを用いてロールプロフィルの予測モデルを
修正する際に、ロールプロフィル偏差を、少なくともサ
ーマルプロフィルと摩耗プロフィルとに分離して認識
し、その分離した形で予測モデルにおいてそれぞれに関
し修正学習を行う。これにより、サーマルプロフィルと
摩耗プロフィルとを合わせた形で修正学習する従来技術
とは異なり、予測モデルの修正を十分に行うことができ
る。したがって、以後の圧延時においてはその十分に修
正された予測モデルによってロールプロフィル予測精度
を向上することができるので、結果として、圧延材の板
クラウン及び/または板形状(=板プロフィル)の予測
精度を向上できる。これにより、板プロフィル制御手段
によって板クラウン及び/または板形状を十分な精度で
容易に制御することができる。また本発明においては、
ロールプロフィルの予測モデルを修正する際に、実測ロ
ールプロフィルを用いる。これにより、実測板プロフィ
ルを用いて修正を行う従来技術において生じる逆変換の
繰り返しによる変換誤差の蓄積を防止できる。これによ
り、前述した予測モデルの高い予測精度を確保し、上記
板クラウン及び/または板形状の十分な精度での制御を
確保することができる。
【0018】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記実測ロールプロフィルの前記プロフィル偏差を、前
記サーマルプロフィルと、前記摩耗プロフィルと、ロー
ルの局所的な凹凸プロフィルとに分離して認識し、前記
予測モデルにおいてそれらサーマルプロフィル、摩耗プ
ロフィル、及び凹凸プロフィルを互いに分離した形で修
正学習する。
【0019】(3)上記(2)において、さらに好まし
くは、前記実測ロールプロフィルの前記プロフィル偏差
を、前記サーマルプロフィルと、前記摩耗プロフィル
と、前記凹凸プロフィルと、それ以外の要因に起因する
プロフィルに分離して認識し、前記予測モデルにおいて
それらサーマルプロフィル、摩耗プロフィル、凹凸プロ
フィル、及びそれ以外の要因に起因するプロフィルを互
いに分離した形で修正学習する。
【0020】(4)上記目的を達成するために、本発明
はまた、圧延ロールのプロフィルを予測モデルを用いて
予測し、この予測ロールプロフィルと圧延機および圧延
材の変形とから圧延材の板クラウン及び/または板形状
を予測し、この予測板クラウン及び/または板形状が目
標とする板クラウン及び/または板形状と一致するよう
に、板プロフィル制御手段で板クラウン及び/または板
形状を制御する圧延方法において、圧延材を通板中に前
記圧延ロールのプロフィルを実測し、この実測ロールプ
ロフィルと、前記圧延ロールのイニシャルプロフィル又
は前記予測ロールプロフィルとのプロフィル偏差を、少
なくとも、ロールの熱膨張に起因するサーマルプロフィ
ルとロールの摩耗に起因する摩耗プロフィルとに分離し
て認識し、前記予測モデルにおいて少なくとも前記サー
マルプロフィル及び前記摩耗プロフィルに分離した形で
それぞれに関し修正学習を行い、この修正学習した予測
モデルを用いて、前記圧延材の通板中における前記圧延
ロールの予測プロフィルを修正する。熱間連続圧延の実
際の操業中には、種々の要因によってサーマルプロフィ
ルのみならず摩耗プロフィルの変化率にも変化が現れ
る。本発明においては、ロールプロフィルの予測モデル
を修正する際に、ロールプロフィル偏差を、少なくとも
サーマルプロフィルと摩耗プロフィルとに分離して認識
し、その分離した形で予測モデルにおいてそれぞれに関
し修正学習を行う。これにより、サーマルプロフィルと
摩耗プロフィルとを合わせた形で修正学習する従来技術
とは異なり、予測モデルの修正を十分に行うことができ
る。したがって、通板中の圧延材に対しその十分に修正
された予測モデルによってロールプロフィル予測精度を
向上することができるので、結果として、圧延材の板ク
ラウン及び/または板形状(=板プロフィル)の予測精
度を向上できる。これにより、板プロフィル制御手段に
よって板クラウン及び/または板形状を十分な精度で容
易に制御することができる。また本発明においては、ロ
ールプロフィルの予測モデルを修正する際に、実測ロー
ルプロフィルを用いる。これにより、実測板プロフィル
を用いて修正を行う従来技術において生じる逆変換の繰
り返しによる変換誤差の蓄積を防止できる。これによ
り、前述した予測モデルの高い予測精度を確保し、上記
板クラウン及び/または板形状の十分な精度での制御を
確保することができる。
【0021】(5)上記(4)において、好ましくは、
前記実測ロールプロフィルの前記プロフィル偏差を、前
記サーマルプロフィルと、前記摩耗プロフィルと、ロー
ルの局所的な凹凸プロフィルとに分離して認識し、前記
予測モデルにおいてそれらサーマルプロフィル、摩耗プ
ロフィル、及び凹凸プロフィルを互いに分離した形で修
正学習する。
【0022】(6)上記(5)において、さらに好まし
くは、前記実測ロールプロフィルの前記プロフィル偏差
を、前記サーマルプロフィルと、前記摩耗プロフィル
と、前記凹凸プロフィルと、それ以外の要因に起因する
プロフィルに分離して認識し、前記予測モデルにおいて
それらサーマルプロフィル、摩耗プロフィル、凹凸プロ
フィル、及びそれ以外の要因に起因するプロフィルを互
いに分離した形で修正学習する。
【0023】(7)さらに好ましくは、パスライン方向
に連続的に配置された複数の圧延スタンドのうち、パス
ライン最下流側の位置又はその上流側に隣接する位置に
ある第1のスタンドを含む少なくとも1つのスタンド
で、(4)〜(6)のうちいずれか1つを行う。複数の
圧延スタンドの中で1スタンドのみに前述した圧延方法
を適用する場合には、最終製品に一番近いパスライン最
下流側の位置にある最終スタンドに適用すれば、目標板
プロフィルとの偏差が最も小さくなる。但し、最終スタ
ンドに既存の他の制御が行われており、そのスタンドの
改造によるコストアップを避けたい場合は、最下流側の
最終スタンドの隣接位置にあるスタンドに適用すること
により、既存の圧延ラインの制御系に最も影響が小さく
しつつ、かつ目標板プロフィルとの偏差が最も小さくな
る。
【0024】(8)上記(7)において、さらに好まし
くは、前記複数の圧延スタンドのうち、前記第1のスタ
ンドと、この第1のスタンドのさらにパスライン上流側
又は下流側に隣接する第2のスタンドで、上記(4)〜
(6)のうちいずれか1つを行う。上述したように、目
標板プロフィルとの偏差をなるべく小さくするには、前
述した圧延方法を適用するスタンドは、パスラインの下
流側にあるものほど効果的である。したがって、複数の
圧延スタンドの中で2スタンドのみに適用する場合に
は、最下流側の最終スタンドと、その上流側に隣接する
スタンドの2つに適用するのがよく、これによって目標
板プロフィルとの偏差をさらに小さくできる。本発明に
おいては、第1のスタンドのさらにパスライン上流側又
は下流側に隣接する第2のスタンドにも適用すことによ
り、第1のスタンドがパスライン最下流側の位置にある
ときはさらにその上流側に隣接する第2のスタンドに適
用し、また第1のスタンドがパスライン最下流側位置の
上流隣接位置にあるときはその下流側に隣接する第2の
スタンドに適用することで、結果として、パスライン最
下流側位置のスタンド及びその上流隣接位置のスタンド
の2連続スタンドに適用する構成を実現することができ
る。
【0025】(9)上記(7)において、また好ましく
は、前記第1のスタンドの上流側に隣接するスタンドで
は、圧延ロールのプロフィルを予測モデルを用いて予測
し、この予測ロールプロフィルと圧延機および圧延材の
変形とから圧延材の板クラウン及び/または板形状を予
測し、この予測板クラウン及び/または板形状が目標と
する板クラウン及び/または板形状と一致するように、
板プロフィル制御手段で板クラウン及び/または板形状
を制御するという通常の圧延方法を行い、かつ、この隣
接するスタンドに係わる前記板プロフィル制御手段は、
前記第1のスタンドに係わる前記実測ロールプロフィル
に基づき、前記板クラウン及び/または板形状を制御す
る。複数のスタンドのうち第1のスタンドのみにおいて
前述した圧延方法を行うときは、第1のスタンドに係わ
る板プロフィル制御手段のみで板プロフィルの修正を加
えることとなるため、板クラウン比率一定条件が満足さ
れず板形状が乱れる場合がありうる。これに応じて、本
発明においては、第1スタンドに係わる板プロフィル制
御手段のみでなく、その上流側隣接位置のスタンドに係
わる板プロフィル制御手段でも上記第1のスタンドの実
測プロフィルに基づき制御を行う。これにより、板クラ
ウン比率一足条件を満足し、板形状の乱れの発生を抑制
できる。
【0026】(10)上記目的を達成するために、本発
明はさらに、圧延材の板クラウン及び/または板形状を
制御する板プロフィル制御手段と、圧延ロールのプロフ
ィルを予測モデルを用いて予測し、この予測ロールプロ
フィルと圧延機および圧延材の変形とから圧延材の板ク
ラウン及び/または板形状を予測し、かつこの予測板ク
ラウン及び/または板形状が目標とする板クラウン及び
/または板形状と一致するように、前記板プロフィル制
御手段を制御する予測制御手段とを備えた圧延機におい
て、前記圧延ロールのプロフィルを実測する実測手段
と、この実測手段で実測されたロールプロフィルの、前
記圧延ロールのイニシャルプロフィル又は前記予測ロー
ルプロフィルとの偏差を算出するとともに、その偏差を
ロールの熱膨張に起因するサーマルプロフィルとロール
の摩耗に起因する摩耗プロフィルとに分離して認識し、
前記予測制御手段の予測モデルに対し、少なくとも前記
サーマルプロフィル及び前記摩耗プロフィルに分離した
形でそれぞれに関して修正学習を行う学習手段とを備え
る。
【0027】(11)上記(10)において、好ましく
は、前記学習手段は、前記実測されたロールプロフィル
の前記偏差を、前記サーマルプロフィル、前記摩耗プロ
フィル、及びロールの局所的な凹凸プロフィルに互いに
分離して認識し、前記予測制御手段の予測モデルに対
し、前記サーマルプロフィル、前記摩耗プロフィル、及
び前記凹凸プロフィルに分離した形でそれぞれに関して
修正学習を行う。
【0028】(12)上記(11)において、さらに好
ましくは、前記学習手段は、前記実測されたロールプロ
フィルの前記偏差を、前記サーマルプロフィル、前記摩
耗プロフィル、前記凹凸プロフィル、及びそれ以外の要
因に起因するプロフィルに互いに分離して認識し、前記
予測制御手段の予測モデルに対し、前記サーマルプロフ
ィル、前記摩耗プロフィル、前記凹凸プロフィル、及び
前記それ以外の要因に起因するプロフィルに分離した形
でそれぞれに関して修正学習を行う。
【0029】(13)さらに好ましくは、パスライン方
向に連続的に配置された複数の圧延スタンドのうち、パ
スライン最下流側の位置又はその上流側に隣接する位置
にある第1のスタンドを含む少なくとも1つのスタンド
に、上記(10)〜(12)のうちいずれか1つを配置
する。
【0030】(14)上記(13)において、さらに好
ましくは、前記複数の圧延スタンドのうち、前記第1の
スタンドと、この第1のスタンドのさらにパスライン方
向上流側又は下流側に隣接する第2のスタンドに、請求
項10〜12のうちいずれか1項記載の圧延機をそれぞ
れ配置する。
【0031】(15)上記(13)において、また好ま
しくは、前記第1のスタンドの上流側に隣接するスタン
ドには、圧延材の板クラウン及び/または板形状を制御
する板プロフィル制御手段と、圧延ロールのプロフィル
を予測モデルを用いて予測し、この予測ロールプロフィ
ルと圧延機および圧延材の変形とから圧延材の板クラウ
ン及び/または板形状を予測し、かつこの予測板クラウ
ン及び/または板形状が目標とする板クラウン及び/ま
たは板形状と一致するように、前記板プロフィル制御手
段を制御する予測制御手段とを備えた通常の圧延機を配
置し、かつ、この隣接するスタンドに係わる前記板プロ
フィル制御手段は、前記第1のスタンドに係わる前記実
測ロールプロフィルに基づき、前記板クラウン及び/ま
たは板形状を制御する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。
【0033】本発明の第1の実施形態を図1〜図3によ
り説明する。図1は、本実施形態による圧延方法を実施
する6重圧延機の概略システム構成を表す図である。こ
の図1において、圧延機は、圧延材4に直接接触し圧延
する上下作業ロール1と、これら作業ロール1を鉛直方
向に支える中間ロール2と、これら中間ロール2を鉛直
方向に支える補強ロール3と、作業ロール1のロールプ
ロフィルを計測するプロフィルメータ10とを備えてい
る。
【0034】作業ロール1および中間ロール2には、曲
げ力を作用させるベンディング装置11,12、ロール
を軸方向に移動するシフト装置21,22がそれぞれ設
けられている。また、補強ロール3には、圧下装置(図
示せず)によって圧延材を圧延するための圧下荷重が加
えられる。これらベンディング装置11,12、シフト
装置21,22、及び圧下装置は、それぞれベンディン
グ制御装置51、シフト制御装置52、圧下修正装置5
3によってその動作を制御されている。そして、これら
ベンディング制御装置51、シフト制御装置52、及び
圧下修正装置53は、ロールプロフィルを予測するため
の予測モデル(詳細は後述)を備えた板クラウン・形状
制御モデル計算機50からの信号に基づき制御される。
またこの板クラウン・形状制御モデル計算機50には、
ロールプロフィルモデル修正学習装置49からの信号に
よってその予測モデルが修正学習される(詳細は後述)
ようになっている。
【0035】なお、以上の構成において、ベンディング
装置11,12、シフト装置21,22、ベンディング
制御装置51、シフト制御装置52、及び圧下修正装置
53が、圧延材の板クラウン及び/または板形状を制御
する板プロフィル制御手段を構成し、板クラウン・形状
制御モデル計算機50が、圧延ロールのプロフィルを予
測モデルを用いて予測し、この予測ロールプロフィルと
圧延機および圧延材の変形とから圧延材の板クラウン及
び/または板形状を予測し、かつこの予測板クラウン及
び/または板形状が目標とする板クラウン及び/または
板形状と一致するように、板プロフィル制御手段を制御
する予測制御手段を構成する。また、プロフィルメータ
10が、圧延ロールのプロフィルを実測する実測手段を
構成し、ロールプロフィルモデル修正学習装置49が、
実測手段で実測されたロールプロフィルと、圧延ロール
のイニシャルプロフィル又は予測ロールプロフィルとの
偏差を算出するとともに、その偏差をロールの熱膨張に
起因するサーマルプロフィルとロールの摩耗に起因する
摩耗プロフィルとに分離して認識し、予測制御手段の予
測モデルに対し、少なくともサーマルプロフィル及び摩
耗プロフィルに分離した形でそれぞれに関して修正学習
を行う学習手段を構成する。
【0036】上記構成における動作を以下に順を追って
説明する。
【0037】(1)初期設定 まず、圧延を開始する前に、板クラウン・形状制御モデ
ル計算機50を用いて、圧延中の作業ロール1のプロフ
ィル変化を物理的な計算モデルや学習モデル等から予測
する。そして、この予測ロールプロフィルと、作業ロー
ル1の変形を含む圧延機全体の変形及び圧延材の変形を
用いたモデル式とから圧延材の板プロフィルを予測し、
この予測板プロフィルが目標とする板プロフィルに合致
するようにシフト装置21,22及びベンディング装置
11,12の初期設定を行う。
【0038】すなわち、板クラウン・形状制御モデル計
算機50では、プロフィル制御アクチュエータであるシ
フト装置21,22及びベンディング装置11,12の
シフト量及びベンディング力を計算し、その計算結果を
シフト制御装置52及びベンディング制御装置51を介
しシフト装置21,22及びベンディング装置11,1
2に送信する。これにより、それらシフト装置21,2
2及びベンディング装置11,12が動作し、その設定
値が指令値に達すれば、初期設定は終了となる。
【0039】なお、このときの具体的なモデル式は、特
に詳細な説明を省略するが、例えば、日本塑性加工学会
誌(塑性と加工)36巻417号1163ページ〜11
68ページに開示されているものを用いればよい。
【0040】(2)モデル修正学習 その後、圧延を開始し、圧延中にロールプロフィルメー
タ10によって作業ロール1のロールプロフィルを実測
する。この実測値は、ロールプロフィルモデル修正学習
装置49へ出力される。
【0041】ロールプロフィルモデル修正学習装置49
では、ロールプロフィルの実測値と、予め記憶されある
いは設定入力されていた作業ロール1のイニシャルプロ
フィル(この語の定義については後述)との偏差を算出
し、この偏差を、ロールの熱膨張に起因するサーマルプ
ロフィルとロールの摩耗に起因する摩耗プロフィルとに
分けて認識する。そして、それをもとに、フィードバッ
ク制御により板クラウン・形状制御モデル計算機50内
の予測モデルを、サーマルプロフィル及び摩耗プロフィ
ルを互いに分離した形でそれぞれに関して修正学習す
る。これを以下詳細に説明する。
【0042】すなわち、ロールプロフィルモデル修正学
習装置49では、次の式(2−a)を用いて学習を行
う。 Croll(z)=β・Cthermal(z)+γ・Cwear(z) … (2−a) ここで、zは幅方向の一般座標位置、Croll(z)は修
正予測ロールプロフィル、Cthermal(z)はモデル式
による予測サーマルプロフィル、Cwear(z)はモデル
式による予測摩耗プロフィルであり、βはサーマルプロ
フィルの学習係数、γは摩耗プロフィルの学習係数であ
る。このとき、βおよびγの決定方法は、次式(2−
b)による。
【0043】 Σ{Cmeasure(z)−Croll(z)} =0 (z1≦z≦z2) Σ{Cmeasure(z)−Croll(z)}2→min (z1≦z≦z2) …(2−b) ここで、z1,z2は、制御対象とする幅方向領域の両端
を表す座標位置であり、Cmeasure(z)は実測ロール
プロフィルのイニシャルプロフィルからの変化プロフィ
ルである。なお、このイニシャルプロフィルとは、ロー
ルを圧延機に組込む前の状態で測定したプロフィルまた
は、圧延サイクル途中において測定または予測したプロ
フィルを示す。ロールプロフィルの測定タイミングは、
いずれのタイミングでもよく、ロールプロフィルモデル
によって時間変化を考慮し、次材圧延時のロールプロフ
ィルに変換すればよい。具体的なロールプロフィルモデ
ル式の一例は、日本塑性加工学会誌(塑性と加工)36
巻417号1163ページ〜1168ページに開示され
ている。
【0044】ロールプロフィルモデル修正学習装置49
は、圧延中に以上のようにして修正学習した予測ロール
プロフィルによって圧延開始前に求めた予測板プロフィ
ルを修正し、さらにこれを用いて前述した初期設定値を
修正する。そして、次回圧延時には、この修正学習した
初期設定値を用いてシフト装置21,22及びベンディ
ング装置11,12の初期設定を行う。
【0045】以上のように構成した本実施形態の効果を
以下に説明する。図8(a)〜(c)又は図9(a)〜
(c)を用いて前述したように、熱間圧延の実際の操業
中には、種々の要因によって作業ロール1のサーマルプ
ロフィルのみならず摩耗プロフィルの変化率にも変化が
現れる。本実施形態においては、ロールプロフィルモデ
ル修正学習装置49によって板クラウン・形状制御モデ
ル計算機50内のロールプロフィルの予測モデルを修正
する際に、ロールプロフィル偏差をサーマルプロフィル
と摩耗プロフィルとに分離して認識し、その分離した形
で予測モデルの修正学習を行う。これにより、サーマル
プロフィルと摩耗プロフィルとを合わせた形で修正学習
する従来技術とは異なり、予測モデルの修正を十分に行
うことができる。したがって、次回圧延時においては修
正予測モデルによってロールプロフィル予測精度を向上
することができるので、結果として、圧延材の板クラウ
ン及び/または板形状(=板プロフィル)の予測精度を
向上できる。これにより、板プロフィル制御手段を構成
するベンディング装置11,12、シフト装置21,2
2、ベンディング制御装置51、シフト制御装置52、
及び圧下修正装置53によって板クラウン及び/または
板形状を十分な精度で容易に制御することができる。ま
た本実施形態においては、ロールプロフィルモデル修正
学習装置49によって板クラウン・形状制御モデル計算
機50内のロールプロフィルの予測モデルを修正する際
に、プロフィルメータ10で計測した実測ロールプロフ
ィルを用いる。これにより、実測板プロフィルを用いて
修正を行う従来技術において生じる逆変換の繰り返しに
よる変換誤差の蓄積を防止できる。したがって、前述し
た予測モデルの高い予測精度を確保し、上記板クラウン
及び/または板形状の十分な精度での制御を確保するこ
とができる。
【0046】以上のような効果の一例を図2に示す。こ
の図2は、前述した式(2−a)、(2−b)を用いて
修正学習した本実施形態の修正予測ロールプロフィルC
roll(z)と、実測ロールプロフィルCmeasure(z)
との一致度を示すものである。なお、比較のために、修
正を行わない予測ロールプロフィルCmodel(z)につ
いても併せて図示している。図2に示すように、Cther
mal(z)とCwear(z)の和であるCmodel(z)は修
正学習前にはCmeasure(z)に対して偏差を生じてい
たにもかかわらず、本実施形態では、Cthermal(z)
及びCwear(z)に前述の修正学習をそれぞれ施してβ
・Cthermal(z)及びγ・Cwear(z)とすることに
より、その和であるCroll(z)のCmeasure(z)に
対する偏差を概ね0の状態に近づけることができる。こ
れにより、予測モデルの予測精度を向上でき、板クラウ
ン及び/または板形状を十分な精度で制御できることが
わかる。
【0047】なお、上記実施形態で示したような、実測
ロールプロフィルを複数のプロフィルに分離する方法と
しては、CQ出版社「科学計測のための波形データ処
理」(南茂夫編著)第10章に開示されているように、
直接探索法、勾配法、ガウス・ニュートン法などいずれ
を使用してもよい。
【0048】また、上記実施形態においては、ロールプ
ロフィルモデル修正学習装置49で、実測ロールプロフ
ィルと圧延ロールのイニシャルプロフィル又は予測ロー
ルプロフィルとの偏差を、サーマルプロフィルと摩耗プ
ロフィルとに分離して認識しそれぞれに関して修正学習
を行ったが、これら2つのプロフィルに限られず、さら
なる他のプロフィルに認識して修正学習してもよい。そ
のような変形例を以下、説明する。
【0049】(A)修正に局所凹凸プロフィルをさらに
用いるもの すなわち、ロールプロフィルを実測した際に、時々図2
のCmeasureに示すような幅方向のある位置において他
の部分よりロールが凸状になっていたり、逆に凹状にな
っていたりする場合がある。凸状になっている場合の要
因としては冷却不良やスケール付着、凹状の要因として
は異常摩耗などがあげられる。本変形例はこのような場
合に対応するものであり、ロールプロフィルモデル修正
学習装置49で、前述した式(2−a)(2−b)に代
わり、以下の式(3−a)(3−b)(3−c)(3−
d)を用いて学習を行う。
【0050】すなわち、まずCmeasure(z)に対し
て、上記実施形態の式(2−a)(2−b)と同様の学
習式(3−a)(3−b)を用い、同様にして学習係数
β、γを算出する。 Croll0(z)=β・Cthermal(z)+γ・Cwear(z) … (3−a ) Σ{Cmeasure(z)−Croll0(z)} =0(z1≦z≦z2) Σ{Cmeasure(z)−Croll0(z)}2→min(z1≦z≦z2) … (3−b ) ここで、Croll0(z)は、1次修正予測ロールプロフ
ィルであり、上記実施形態の(2−a)における修正予
測ロールプロフィルCroll(z)に等しい。
【0051】その後、下記の式(3−c)を用いて、幅
方向の勾配が不連続な部分(例えば上記実施形態の場
合、図2に示すようにz=−400)を算出する。 Cspot(z0)=Cmeasure(z0)−Croll0(z0) … (3−c ) ここで、Cspot(z0)は幅方向の特定位置z=z0
生じた局所的な凹凸プロフィルを示しており、数学的な
定義としては、残差プロフィルを表すことになる。
【0052】そして、最終的に、下記(3−d)に示す
ように、3つのプロフィルの和によって、最終修正予測
ロールプロフィルCroll(z)を表現する。 Croll(z)=β・Cthermal(z)+γ・Cwear(z)+Cspot(z0) … (3−d ) 本変形例によれば、修正予測モデルのロールプロフィル
予測精度をさらに向上することができる。この効果の一
例を図3に示す。この図3は、本変形例の最終修正予測
ロールプロフィルCroll(z)と、実測ロールプロフィ
ルCmeasure(z)との一致度を示すものである。な
お、比較のために、上記実施形態による予測ロールプロ
フィル(すなわち1次ロールプロフィル)Croll
0(z)及び未修正予測ロールプロフィルCmodel(z)
についても併せて図示している。図3に示すように、上
記実施形態による1次修正予測ロールプロフィルCroll
0(z)によってCmeasure(z)との偏差をによってか
なり一致させることができるが、Z=400付近に生じ
ている局所的な凹凸については一致せず、偏差が残存し
ている。これに対し、本変形例では、最終修正予測ロー
ルプロフィルCroll(z)に、その幅方向の特定位置z
=z0(この場合z0=400) に生じた局所的な凹凸
プロフィルを補償するCspot(z0)を線形和の形で含
めることにより、Z=400付近の偏差をほぼなくすこ
とができる。これにより、Cmeasure(z)に対する偏
差をすべての位置において概ね0の状態に近づけること
ができ、予測モデルの予測精度をさらに向上できること
がわかる。
【0053】(B)修正にその他のプロフィルをさらに
用いるもの すなわち、上記以外の何らかの理由で生じる偏差、例え
ばオフラインとオンラインのロールプロフィル測定時に
その測定器自体が内包する固有の測定誤差、が生じる場
合がある。本変形例はこのような場合に対応するもので
あり、ロールプロフィルモデル修正学習装置49で、前
述した式(2−a)(2−b)に代わり、以下の式(4
−a)(4−b)(4−c)(4−d)を用いて学習を
行う。
【0054】すなわち、まず、下記の式(4−a)を用
いて、オフラインとオンラインのロールプロフィル測定
上の誤差Cnoise(z)を算出する。 Cnoise(z)=Cmeasure0(z)−Cinitial(z) … (4−a ) ここで、Cmeasure0(z)は、圧延機に組込んだ直後の
ロールを実測したプロフィルであり、Cinitial(z)
はロールのイニシャルプロフィルである。
【0055】そして、下記(4−b)に示すように、4
つのプロフィルの和によって、最終修正予測ロールプロ
フィルCroll(z)を表現する。 Croll(z)=β・Cthermal(z)+γ・Cwear(z)+Cspot(z0)+C noise(z) … (4−b) このときのβ、γの値は、下記の式(4−c)(4−
d)を用いて決定する。 Σ{Cmeasure(z)+Cnoise(z)−Croll(z)} =0(z1≦z≦z2) … (4−c) Σ{Cmeasure(z)+Cnoise(z)−Croll(z)}2→min(z1≦z≦z2) … (4−d) 本変形例では、最終修正予測ロールプロフィルCroll
(z)に、測定器の測定上の誤差を補償するCnoise
(z)を線形和の形で含めることにより、測定誤差によ
り生じる偏差をほぼなくすことができる。これにより、
Cmeasure(z)に対する偏差をすべての位置において
概ね0の状態に近づけることができ、予測モデルの予測
精度をさらに向上できる。
【0056】また、以上述べた第1の実施形態及び2つ
の変形例では、今回圧延時において修正学習した予測モ
デルを用いて予測プロフィルを修正し、これを次回圧延
以後に利用したが、これに限られない。すなわち、スラ
ブを10本程度接合し連続的に熱間圧延するいわゆる連
続圧延に対して適用し、圧延材を通板中に修正学習した
予測モデルを用いて予測プロフィルを修正し、それをそ
のまま通板中のその圧延材の制御に利用しても良い。こ
の場合、装置構成及び制御手順、並びに修正学習の方法
は前述したものとほぼ同様で足りる。但し、イニシャル
プロフィルとして、上記同様にロールを圧延機に組込む
前の状態で測定したプロフィルまたは、圧延サイクル途
中において測定または予測したプロフィルを用いるが、
上記と異なりロールプロフィルの測定後ロールプロフィ
ルモデルによって時間変化を考慮し、通板中の同一圧延
材の所定後方領域のロールプロフィルに変換することと
なる。
【0057】このように連続圧延に適用する場合も、上
記バッチ圧延の場合と同様の効果を得る。すなわち、ロ
ールプロフィルモデル修正学習装置49によってロール
プロフィルの予測モデルを修正する際に、ロールプロフ
ィル偏差をサーマルプロフィルと摩耗プロフィルとに分
離した形で予測モデルの修正学習を行うことにより、予
測モデルの修正を十分に行うことができる。したがっ
て、通板中の圧延材の制御に対する修正予測モデルによ
るロールプロフィル予測精度を向上することができるの
で、圧延材の板クラウン及び/または板形状(=板プロ
フィル)の予測精度を向上でき、板クラウン及び/また
は板形状を十分な精度で容易に制御することができる。
【0058】本発明の第2の実施形態を図4〜図7によ
り説明する。本実施形態は、上述した連続圧延に係わる
変形例による圧延機を備えた連続圧延設備の実施形態で
ある。図4は、本実施形態による連続圧延設備の概略構
成を表す図であり、図示のように、F1〜F7の全部で
7つのスタンドを備えた連続圧延機となっている。
【0059】ここで、図5は、このように全部で7つの
スタンドを備えた連続圧延機において、そのうちの1つ
のスタンドのみに上述した本発明による圧延機を配置す
る場合、その配置位置による目標板クラウンとの偏差の
挙動を示したものである。図示のように、F1〜F7の
うち、最終製品に一番近い最終スタンドF7に設置する
のが、目標板プロフィルとの偏差が一番小さくなり、F
6、F5、…とパスライン上流側へ移行するほど偏差が
拡大することがわかる。前述した本発明による圧延機
は、ロールプロフィルの予測誤差をほぼOにする効果が
あるため、連続圧延設備の全スタンドに適用するのが望
ましいが、上記の結果より、設置コストと効果の面から
見ると、最終スタンドから順次上流側へと適用スタンド
を増設すればよいことがわかる。
【0060】図4(a)は、最もシンプルな構成例であ
り、F1〜F7のうちF1のみに本発明による圧延機を
適用した構成を示している。前述したように、F1〜F
7のうち1つのスタンドのみに適用する場合は、このよ
うに配置するのが最も有効である。
【0061】図4(b)は、図4(a)と同様に最終ス
タンドF7のみに適用した場合であるが、最終スタンド
で実測したロールプロフィルと予測ロールロールプロフ
ィルの偏差を基に、当該スタンドと1つ上流側スタンド
F6の板プロフィル制御手段の制御を行う実施形態を示
している。すなわち、F6スタンドの圧延機は、上述し
た本発明による圧延機ではなく、通常の圧延機、すなわ
ち、圧延ロールのプロフィルを予測モデルを用いて予測
し、この予測ロールプロフィルと圧延機および圧延材の
変形とから圧延材の板クラウン及び/または板形状を予
測し、この予測板クラウン及び/または板形状が目標と
する板クラウン及び/または板形状と一致するように、
板プロフィル制御手段で板クラウン及び/または板形状
を制御する圧延機である。但しこのとき、このF6スタ
ンドの圧延機は、その板プロフィル制御手段が、F7ス
タンドに係わる実測ロールプロフィルに基づき、板クラ
ウン及び/または板形状を制御する。
【0062】このように構成することで、以下のような
固有の効果がある。最終スタンドF7で検知した偏差を
基に最終スタンドF7の板プロフィル制御手段のみで板
プロフィルに修正を加えようとした場合、そのスタンド
F7における板クラウン比率一定条件が満足されず、板
形状が乱れる場合がある。このような場合には、最終ス
タンドF7のみでなく上流側隣接スタンドF6の板プロ
フィル制御手段も修正することによって、板クラウン比
率一足条件を満足し、板プロフィルを修正可能にする。
【0063】図4(c)は、7つのスタンドF1〜F7
の中で、最終スタンドから2スタンド(すなわちF6,
F7)に本発明による圧延機を配置した例を示してい
る。この場合、図4(b)に示す圧延方法よりも設置コ
ストが高くなるが、最終2スタンドF6,F7によって
ロールプロフィルを実測し、これに基づき板プロフィル
制御手段の制御を行うため、図4(b)に示す構成よ
り、目標板プロフィルとの偏差がより小さくなるという
効果がある。
【0064】図4(d)は、7つのスタンドF1〜F7
の中で、最終スタンドF7と、あと1スタンド(この例
ではF5スタンド)に対し、本発明による圧延機を配置
した実施形態を示している。このとき、F5スタンドと
最終スタンド(F7スタンド)の間のF6スタンドの圧
延機は、上記図4(b)のF6スタンドの圧延機と同
様、ロールプロフィルの実測は行わないが、前後スタン
ドF5,F7で実測したロールプロフィルと予測ロール
ロールプロフィルの偏差を基に、板プロフィル制御手段
の制御を行う。このように構成することで、以下のよう
な効果がある。すなわち、最終スタンドF7とF5スタ
ンドのみの板プロフィル制御手段の修正では、板クラウ
ン比率に大きな変化を与えて、結果的に形状を乱してい
た場合に対しても、形状を乱すことなく板プロフィルを
修正できる。
【0065】なお、以上図4(a)〜図4(d)は、新
たに連続圧延設備を構成する場合であったが、既設の連
続圧延設備に対し本発明による圧延方法を実施するよう
に改造する場合は、例えば、図6(a)〜(d)に示す
ような構成例が考えられる。
【0066】すなわち、これら図6(a)〜(d)の連
続圧延設備は、全7スタンドF1〜F7の連続圧延設備
は、最終7スタンドF7における板プロフィル制御手段
の制御が、最終スタンドF7に設置した板クラウン計8
1及び板形状計82の測定値に基づき公知の制御を行う
既存の圧延設備である。このような場合、既存の制御系
への影響を最も小さくしつつ、全スタンドF1〜F7の
中で1スタンドのみに本発明による圧延方法を適用する
には、図6(a)に示すように、最終スタンドより1ス
タンド上流側のスタンドF6に本発明を適用するのが最
適である。これにより、既存の圧延ラインの制御系への
影響を小さくしつつ、最終スタンドF7出側での目標板
プロフィルとの偏差を一番小さくすることができる。
【0067】図6(b)は、図6(a)と同様に最終ス
タンドより上流スタンド(この場合F6スタンド)のみ
に適用した場合であり、F6スタンドで実測したロール
プロフィルと予測ロールプロフィルの偏差を基に、当該
スタンドF6と最終スタンドF7の板プロフィル制御手
段が制御する場合である。この場合、前述した図4
(b)の構成と同様の効果がある。すなわち、スタンド
F6で検知した偏差を基に最終スタンドF6の板プロフ
ィル制御手段のみで板プロフィルに修正を加えようとし
た場合、最終スタンドF7における板クラウン比率一定
条件が満足されず、板形状が乱れる場合がある。そこ
で、スタンドF6のみでなく最終スタンドF7の板プロ
フィル制御手段も修正することによって、板クラウン比
率一足条件を満足し、板プロフィルを修正可能にする。
なお、この際、最終スタンドにおける制御には、もちろ
ん板クラウン計81及び板形状計82の測定値も考慮さ
れる。
【0068】図6(c)は、スタンドF1〜F7の中で
最終スタンドF7より上流側スタンド(この場合F6ス
タンド)から2スタンドF5,F6に本発明の圧延方法
を適用する構成を示している。図6(b)に示す圧延方
法よりも設置コストが高くなるが、連続した2スタンド
によってロールプロフィルを実測し、板プロフィル制卸
アクチュエーターの制御量を修正するため、図6(b)
に示す圧延方法より、目標板プロフィルとの偏差がより
小さくなるという効果がある。
【0069】図6(d)は、スタンドF1〜F7の中で
最終スタンドF7より上流側スタンド(この場合F6ス
タンド)とあと1スタンド(この場合F4スタンド)に
対し、本発明による圧延方法を適用する構成例を示して
いる。F4スタンドとF6スタンドの間のF5スタンド
ではロールプロフィルの実測は行わないが、前後スタン
ドで実測したロールプロフィルと予測ロールロールプロ
フィルの偏差を基に、板プロフィル制御手段が公知の制
御を行う。
【0070】この場合は、上記図4の構成と同様の効果
がある。すなわち、F6スタンドとF4スタンドのみの
板プロフィル制御アクチュエーターの修正では、板クラ
ウン比率に大きな変化を与えて、逆に形状を乱す場合に
対しても、この構成によって、形状を乱すことなく板プ
ロフィルを修正できる。
【0071】なお、上記図6(a)〜(d)のように既
設の圧延設備に対して本発明による圧延方法を適用する
場合でも、既存制御系への影響低減や改造コストの低減
を考えなくてよい場合には、図7(a)〜(d)のよう
な構成とすれば良い。これら図7(a)〜(d)の連続
圧延設備は、上記同様、全7スタンドF1〜F7の連続
圧延設備は、最終7スタンドF7における板プロフィル
制御手段の制御が最終スタンドF7に設置した板クラウ
ン計81及び板形状計82の測定値に基づき公知の制御
を行う既存の圧延設備である。そしてその既存の圧延設
備に対し、前述した図4(a)〜(d)に相当する構成
をそれぞれ単純に追加した構成となっている。これら図
7(a)〜(d)に示す連続圧延設備によっても、前述
した図4(a)〜(d)に示す連続圧延設備とそれぞれ
同様の効果を得る。
【0072】なお、本発明による圧延方法及び圧延機を
いわゆるリバース圧延設備に適用する場合には、全パス
において適用するのが望ましいが、前述した図5からも
わかるように最終パスに近い方がより板プロフィルの制
御精度は向上する。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、熱間圧延時において板
クラウン及び/または板形状を十分な精度で制御するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による圧延方法を実施
する6重圧延機の概略システム構成を表す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による予測精度向上効
果を示す図である。
【図3】凹凸プロフィルを用いた変形例による予測精度
向上効果を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による連続圧延設備の
概略構成を表す図である。
【図5】全部で7つのスタンドを備えた連続圧延機にお
いてそのうちの1つのスタンドのみに上述した本発明に
よる圧延機を配置する場合、その配置位置による目標板
クラウンとの偏差の挙動を示した図である。
【図6】既存の制御系への影響を少なくしつつ既存の圧
延設備に本発明を適用する変形例の概略構成を表す図で
ある。
【図7】既存制御系への影響低減や改造コストの低減を
考えなくてよい場合の変形例の概略構成を表す図であ
る。
【図8】通常のバッチ熱間圧延における種々の圧延スケ
ジュールでのサーマルクラウン及び摩耗クラウンの挙動
の一例を示す図である。
【図9】通常の連続熱間圧延における種々の圧延スケジ
ュールでのサーマルクラウン及び摩耗クラウンの挙動の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 作業ロール(圧延ロール) 10 プロフィルメータ(実測手段) 11,12 ベンディング装置(板プロフィル制御
手段) 21,22 シフト装置(板プロフィル制御手段) 49 ロールプロフィルモデル修正学習装置
(学習手段) 50 板クラウン・形状制御モデル計算機
(予測制御手段) 51 ベンディング制御装置(板プロフィル
制御手段) 52 シフト制御装置(板プロフィル制御手
段) 53 圧下修正装置(板プロフィル制御手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平間 幸夫 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 本部内 (72)発明者 加賀 慎一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 審査官 國方 康伸 (56)参考文献 特開 平9−141312(JP,A) 特開 平10−216816(JP,A) 特開 昭60−238016(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延ロールのプロフィルを予測モデルを用
    いて予測し、この予測ロールプロフィルと圧延機および
    圧延材の変形とから圧延材の板クラウン及び/または板
    形状を予測し、この予測板クラウン及び/または板形状
    が目標とする板クラウン及び/または板形状と一致する
    ように、板プロフィル制御手段で板クラウン及び/また
    は板形状を制御する圧延方法において、 前記圧延ロールのプロフィルを実測し、 この実測ロールプロフィルと、前記圧延ロールのイニシ
    ャルプロフィル又は前記予測ロールプロフィルとのプロ
    フィル偏差を、少なくとも、ロールの熱膨張に起因する
    サーマルプロフィルとロールの摩耗に起因する摩耗プロ
    フィルとに分離して認識し、前記予測モデルにおいて少
    なくとも前記サーマルプロフィル及び前記摩耗プロフィ
    ルに分離した形でそれぞれに関し修正学習を行い、 この修正学習した予測モデルを用いて、以後の前記圧延
    ロールの予測プロフィルを修正することを特徴とする圧
    延方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧延方法において、前記実
    測ロールプロフィルの前記プロフィル偏差を、前記サー
    マルプロフィルと、前記摩耗プロフィルと、ロールの局
    所的な凹凸プロフィルとに分離して認識し、前記予測モ
    デルにおいてそれらサーマルプロフィル、摩耗プロフィ
    ル、及び凹凸プロフィルを互いに分離した形で修正学習
    することを特徴とする圧延方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の圧延方法において、前記実
    測ロールプロフィルの前記プロフィル偏差を、前記サー
    マルプロフィルと、前記摩耗プロフィルと、前記凹凸プ
    ロフィルと、それ以外の要因に起因するプロフィルに分
    離して認識し、前記予測モデルにおいてそれらサーマル
    プロフィル、摩耗プロフィル、凹凸プロフィル、及びそ
    れ以外の要因に起因するプロフィルを互いに分離した形
    で修正学習することを特徴とする圧延方法。
  4. 【請求項4】圧延ロールのプロフィルを予測モデルを用
    いて予測し、この予測ロールプロフィルと圧延機および
    圧延材の変形とから圧延材の板クラウン及び/または板
    形状を予測し、この予測板クラウン及び/または板形状
    が目標とする板クラウン及び/または板形状と一致する
    ように、板プロフィル制御手段で板クラウン及び/また
    は板形状を制御する圧延方法において、 圧延材を通板中に前記圧延ロールのプロフィルを実測
    し、 この実測ロールプロフィルと、前記圧延ロールのイニシ
    ャルプロフィル又は前記予測ロールプロフィルとのプロ
    フィル偏差を、少なくとも、ロールの熱膨張に起因する
    サーマルプロフィルとロールの摩耗に起因する摩耗プロ
    フィルとに分離して認識し、前記予測モデルにおいて少
    なくとも前記サーマルプロフィル及び前記摩耗プロフィ
    ルに分離した形でそれぞれに関し修正学習を行い、 この修正学習した予測モデルを用いて、前記圧延材の通
    板中における前記圧延ロールの予測プロフィルを修正す
    ることを特徴とする圧延方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の圧延方法において、前記実
    測ロールプロフィルの前記プロフィル偏差を、前記サー
    マルプロフィルと、前記摩耗プロフィルと、ロールの局
    所的な凹凸プロフィルとに分離して認識し、前記予測モ
    デルにおいてそれらサーマルプロフィル、摩耗プロフィ
    ル、及び凹凸プロフィルを互いに分離した形で修正学習
    することを特徴とする圧延方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の圧延方法において、前記実
    測ロールプロフィルの前記プロフィル偏差を、前記サー
    マルプロフィルと、前記摩耗プロフィルと、前記凹凸プ
    ロフィルと、それ以外の要因に起因するプロフィルに分
    離して認識し、前記予測モデルにおいてそれらサーマル
    プロフィル、摩耗プロフィル、凹凸プロフィル、及びそ
    れ以外の要因に起因するプロフィルを互いに分離した形
    で修正学習することを特徴とする圧延方法。
  7. 【請求項7】パスライン方向に連続的に配置された複数
    の圧延スタンドのうち、パスライン最下流側の位置又は
    その上流側に隣接する位置にある第1のスタンドを含む
    少なくとも1つのスタンドで、請求項4〜6のうちいず
    れか1項記載の圧延方法を行うことを特徴とする圧延方
    法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の圧延方法において、前記複
    数の圧延スタンドのうち、前記第1のスタンドと、この
    第1のスタンドのさらにパスライン上流側又は下流側に
    隣接する第2のスタンドで、請求項4〜6のうちいずれ
    か1項記載の圧延方法を行うことを特徴とする圧延方
    法。
  9. 【請求項9】請求項7記載の圧延方法において、前記第
    1のスタンドの上流側に隣接するスタンドでは、圧延ロ
    ールのプロフィルを予測モデルを用いて予測し、この予
    測ロールプロフィルと圧延機および圧延材の変形とから
    圧延材の板クラウン及び/または板形状を予測し、この
    予測板クラウン及び/または板形状が目標とする板クラ
    ウン及び/または板形状と一致するように、板プロフィ
    ル制御手段で板クラウン及び/または板形状を制御する
    という通常の圧延方法を行い、かつ、この隣接するスタ
    ンドに係わる前記板プロフィル制御手段は、前記第1の
    スタンドに係わる前記実測ロールプロフィルに基づき、
    前記板クラウン及び/または板形状を制御することを特
    徴とする圧延方法。
  10. 【請求項10】圧延材の板クラウン及び/または板形状
    を制御する板プロフィル制御手段と、圧延ロールのプロ
    フィルを予測モデルを用いて予測し、この予測ロールプ
    ロフィルと圧延機および圧延材の変形とから圧延材の板
    クラウン及び/または板形状を予測し、かつこの予測板
    クラウン及び/または板形状が目標とする板クラウン及
    び/または板形状と一致するように、前記板プロフィル
    制御手段を制御する予測制御手段とを備えた圧延機にお
    いて、 前記圧延ロールのプロフィルを実測する実測手段と、 この実測手段で実測されたロールプロフィルの、前記圧
    延ロールのイニシャルプロフィル又は前記予測ロールプ
    ロフィルとの偏差を算出するとともに、その偏差をロー
    ルの熱膨張に起因するサーマルプロフィルとロールの摩
    耗に起因する摩耗プロフィルとに分離して認識し、前記
    予測制御手段の予測モデルに対し、少なくとも前記サー
    マルプロフィル及び前記摩耗プロフィルに分離した形で
    それぞれに関して修正学習を行う学習手段とを備えたこ
    とを特徴とする圧延機。
  11. 【請求項11】請求項10記載の圧延機において、前記
    学習手段は、前記実測されたロールプロフィルの前記偏
    差を、前記サーマルプロフィル、前記摩耗プロフィル、
    及びロールの局所的な凹凸プロフィルに互いに分離して
    認識し、前記予測制御手段の予測モデルに対し、前記サ
    ーマルプロフィル、前記摩耗プロフィル、及び前記凹凸
    プロフィルに分離した形でそれぞれに関して修正学習を
    行うことを特徴とする圧延機。
  12. 【請求項12】請求項11記載の圧延機において、前記
    学習手段は、前記実測されたロールプロフィルの前記偏
    差を、前記サーマルプロフィル、前記摩耗プロフィル、
    前記凹凸プロフィル、及びそれ以外の要因に起因するプ
    ロフィルに互いに分離して認識し、前記予測制御手段の
    予測モデルに対し、前記サーマルプロフィル、前記摩耗
    プロフィル、前記凹凸プロフィル、及び前記それ以外の
    要因に起因するプロフィルに分離した形でそれぞれに関
    して修正学習を行うことを特徴とする圧延機。
  13. 【請求項13】パスライン方向に連続的に配置された複
    数の圧延スタンドのうち、パスライン最下流側の位置又
    はその上流側に隣接する位置にある第1のスタンドを含
    む少なくとも1つのスタンドに、請求項10〜12のう
    ちいずれか1項記載の圧延機を配置したことを特徴とす
    る圧延設備。
  14. 【請求項14】請求項13記載の圧延設備において、前
    記複数の圧延スタンドのうち、前記第1のスタンドと、
    この第1のスタンドのさらにパスライン方向上流側又は
    下流側に隣接する第2のスタンドに、請求項10〜12
    のうちいずれか1項記載の圧延機をそれぞれ配置したこ
    とを特徴とする圧延設備。
  15. 【請求項15】請求項13記載の圧延設備において、前
    記第1のスタンドの上流側に隣接するスタンドには、圧
    延材の板クラウン及び/または板形状を制御する板プロ
    フィル制御手段と、圧延ロールのプロフィルを予測モデ
    ルを用いて予測し、この予測ロールプロフィルと圧延機
    および圧延材の変形とから圧延材の板クラウン及び/ま
    たは板形状を予測し、かつこの予測板クラウン及び/ま
    たは板形状が目標とする板クラウン及び/または板形状
    と一致するように、前記板プロフィル制御手段を制御す
    る予測制御手段とを備えた通常の圧延機を配置し、か
    つ、この隣接するスタンドに係わる前記板プロフィル制
    御手段は、前記第1のスタンドに係わる前記実測ロール
    プロフィルに基づき、前記板クラウン及び/または板形
    状を制御することを特徴とする圧延設備。
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