JP7445479B2 - 空力特性を改善する車両 - Google Patents

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本発明は、空力特性を改善する車両に関する。
自動車といった車両は、車体を有する(特許文献1)。走行する車体の周囲には、気流が発生する。車体の進行方向にある空気は、車体の前面に当たった後、車体の側面や上面へ向かって分かれて車体の側面や上面に沿って流れ、車体の後方において合流する。この気流は、車両の走行を妨げる一因である。
特開2015-182496号公報
このため、自動車では、車体を、たとえば流線形にならった形状とすることが考えられる。流線形の車体では、車体の前面に当たる空気を止めることなくその向きを変えて車体の側面や上面へ向かって流し、車体の後方において気流の渦を形成しないように合流させることができる。これにより、車両の空力特性の改善効果を得ることができる。
しかしながら、このように車体の基本形状を流線形にならった形状とすると、車両は丸い印象の外観となる。車体は、車両の力強さを強調することができる角のある外観にはならない。車体を角のある印象の外観にすると、車両の空力特性が悪化する可能性がある。その結果、車両の意匠性は、車体の形状を工夫したとしても、丸い印象の外観が得られる範囲のものとなり、車両の魅力を引き出した高い意匠性を得ることが難しくなる。
このように車両では、車両の空力特性への影響を抑えつつ、力強い印象となる意匠を採用可能にすることが求められている。
本発明に係る空力特性を改善する車両は、走行可能な車体を有する車両であって、走行する前記車体についての外表面に突出するように設けられる側凸部材と、前記側凸部材による前記車体の外表面に形成される、複数の凹部を有する特殊加工面と、を有し、前記側凸部材は、前記車体についての側面において前後に並べて設けられる複数のホイールハウスについて設けられて前後の前記ホイールハウスを囲うように突出するアーチガーニッシュであり、前記特殊加工面は、前記車体の外表面となる前記側凸部材の表面について全面的に形成され、複数の前記凹部は、前記特殊加工面に全面的に形成され、各前記凹部は、前記特殊加工面において正六角形または正四角形の開口に形成される。
好適には、前記側凸部材は、走行する前記車体についての乗員室の側面の下縁に沿って突出して延在するサイドステップであり、前記特殊加工面は、前記サイドステップについて形成される、とよい。
本発明では、走行する車体についての外表面に、側凸部材が突出するように設けられる。たとえばアーチガーニッシュは、走行する車体についての側面においてホイールハウスを囲うように突出する。このようなアーチガーニッシュといった側凸部材を、車体についての外表面から突出させることにより、車両の意匠性を向上できる。そして、このように車体についての外表面を凹凸にすると、走行する車体についての外表面に沿って流れる気流は、側凸部材の後側において乱れて車体の外表面から剥離し易くなる。
しかしながら、本発明では、さらに側凸部材による車体の外表面に、複数の凹部を有する特殊加工面を形成する。これにより、車体についての外表面において突出する側凸部材の近くを流れる気流の一部は、特殊加工面に形成されている複数の凹部により微小な渦流を生成する。複数の凹部が形成されている特殊加工面の近くには、乱流境界層が形成される。その結果、側凸部材の近くを流れる気流は、特殊加工面に近づいて、特殊加工面に沿って側凸部材の後方へ流れるようになる。走行する車体についての外表面に沿って流れる気流は、側凸部材においても車体の外表面から剥離し難くなる。走行する車体についての外表面に沿って流れる気流は、側凸部材が突出して形成されていない車体の外表面に沿って流れる場合と同様に、側凸部材を通過した後においても、側凸部材が突出して形成される車体の外表面に沿って、車体の外表面の近くを流れることができる。
このように、本発明では、側凸部材を、走行する車体についての外表面から突出させているにもかかわらず、側凸部材が突出して形成されていない車体と同等の空力特性を得ることが可能となる。本発明では、側凸部材を、車体についての外表面に突出するように設けて力強い印象となる意匠を採用できるようにしつつ、側凸部材が突出して形成されていない車体と同等の空力特性を得ることが可能となる。車両の空力特性のために、側凸部材による車体の外表面の段差を制限することなく、良好な車両の空力特性を得ることが可能となる。空力特性の改善のために、車体の形状が制限され難くなる。車両の空力特性への影響を抑えつつ、力強い印象となる意匠を採用することが可能となる。
このように本発明による車両では、車両の空力特性への影響を抑えつつ、力強い印象となる意匠を採用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る、側凸部材としてのアーチガーニッシュを有する自動車の側面図である。 図2は、図1の自動車の上面図である。 図3は、図1の自動車の前側のホイールハウスおよびアーチガーニッシュの周辺の拡大図である。 図4は、図1のアーチガーニッシュに全面的に形成される、複数の凹部を有する特殊加工面の説明図である。 図5は、図1の自動車の左側面に沿った気流の説明図である。 図6は、図4の特殊加工面の変形例の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る、側凸部材としてのアーチガーニッシュ8を有する自動車1の側面図である。
図2は、図1の自動車1の上面図である。
図3は、図1の自動車1の前側のホイールハウス7およびアーチガーニッシュ8の周辺の拡大図である。
図1から図3に示す自動車1は、車体2を有する。自動車1は、車両の一例である。自動車1は、乗員の手動操作または自動運転により、前方または後方へ進行するように走行可能である。また、操舵により、右前、左前、右後、または左後の方向へ進行するように走行可能である。
車体2は、乗員の乗員室3の前にエンジンや補器を収容するための前室4を突出させた、複数のボックスを組み合わせた基本形状を有する。
そして、本実施形態の車体2の左側面5と右側面6とには、前後左右4つのホイールハウス7のそれぞれの周縁に沿って延在するように、円弧形状のアーチガーニッシュ8が設けられる。円弧形状のアーチガーニッシュ8は、走行する車体2についての左側面5および右側面6のそれぞれにおいてホイールハウス7を囲うように突出する。
また、本実施形態の車体2には、左側面5の前側のアーチガーニッシュ8と後側のアーチガーニッシュ8との間に、乗員室3の左側面5の下縁に沿って延在する左側のサイドステップ9が設けられる。右側面6の前側のアーチガーニッシュ8と後側のアーチガーニッシュ8との間に、乗員室3の右側面6の下縁に沿って延在する右側のサイドステップ9が設けられる。
これらアーチガーニッシュ8およびサイドステップ9が、車体2の左側面5および右側面6から突出して設けられることにより、自動車1の意匠性を向上できる。自動車1は、力強い印象が得られる意匠となり得る。
しかしながら、走行する車体2についての外表面である右側面6および左側面5に、アーチガーニッシュ8およびサイドステップ9といった側凸部材が突出するように設けられることにより、車体2についての外表面が凹凸となる。走行する車体2についての右側面6に沿って流れる気流や、左側面5に沿って流れる気流は、たとえば図3に実線の矢印で示すように、アーチガーニッシュ8の後側において乱れて車体2の外表面から剥離し易くなる。この場合、側面に沿って流れる気流は、図1および図2に破線の矢印で示すように、車体2の側面に沿って流れることができない。側面に沿って流れる気流は、前側のアーチガーニッシュ8において車体2の側面から剥離するように左右の外向きに曲がり、ホイールハウス7から噴き出される気流によりさらに外向きに曲がる。また、側面に沿って流れる気流が側面から離れることにより、前側のホイールハウス7から気流が外向きに噴出す。また、これらの気流は、前側のホイールハウス7の後側において混合する。前側のホイールハウス7を外へ曲がりながら通過した気流は、ホイールハウス7から噴き出される気流と混合した後、さらに後側のホイールハウス7から噴き出される気流により左右へ外向きに曲げられる。車体2の後方では、側面に沿って流れる気流は、大きく車体2から離れて流れる可能性がある。
このように自動車1では、自動車1の空力特性への影響を抑えつつ、力強い印象が得られる意匠を採用できるようにすることが求められている。
図4は、図1のアーチガーニッシュ8に全面的に形成される、複数の凹部21を有する特殊加工面20の説明図である。
図4(A)は、特殊加工面20を、その正面から見た図である。図4(B)は、特殊加工面20が形成されているアーチガーニッシュ8の横断面を上から見た拡大説明図である。特殊加工面20は、円弧形状のアーチガーニッシュ8についてのその全面に形成される。
特殊加工面20には、正六角形の開口を有する複数の凹部21が、全面的に且つ密に並べて形成される。正六角形の凹部21は、隣接する他の正六角形の凹部21との間に、平面部分が残るように並べて形成される。
正六角形の凹部21の内部は、開口と同様に正六角柱の形状に形成されてもよいが、好ましくは、凹湾曲面の形状、または図4(B)に示すように断面が台形となる形状に形成するとよい。これにより、凹部21へ流れ込む気流は、凹部21の内部においてスムースに流れ、凹部21の開口の近くにおいて回り易くなる。車体2の側面に沿ってアーチガーニッシュ8の上を通過する気流の主な流れと、特殊加工面20との間に、特殊加工面20の上で回転する複数の気流を生成し易くなる。特殊加工面20に複数の凹部21が形成されることにより、特殊加工面20の表面近くには、アーチガーニッシュ8の上を通過する気流とは異なる流れの、乱流境界層31が形成される。特殊加工面20の表面近くには、特殊加工面20と同等のサイズの面状の乱流境界層31が形成される。特に、アーチガーニッシュ8の全面に特殊加工面20が形成されることにより、アーチガーニッシュ8の表面近くには、アーチガーニッシュ8の表面全体を覆うように乱流境界層31が形成される。
このように、アーチガーニッシュ8の上に乱流境界層31が形成されることにより、アーチガーニッシュ8の上を通過する気流は、図4(B)の破線の矢印に示すように、乱流境界層31の近くを通過するように流れる。アーチガーニッシュ8の上を通過する気流は、アーチガーニッシュ8の表面に沿って、アーチガーニッシュ8の近くを通過するようになる。これに対し、図4(B)の実線の矢印は、アーチガーニッシュ8の表面に特殊加工面20を形成しない場合での、アーチガーニッシュ8の上を通過する気流の流れである。この気流は、車体2の側面から突出するアーチガーニッシュ8により、車体2の側面から離れるように流れる。
図5は、図1の自動車1の左側面5に沿った気流の説明図である。
図5(A)は、本実施形態でのアーチガーニッシュ8の表面に特殊加工面20が形成されている場合の、車体2の左側面5とそれに沿って流れる気流との説明図である。図5(A)において、アーチガーニッシュ8は、走行する車体2において前後に並べて設けられる前後の複数のホイールハウス7について設けられる。サイドステップ9の表面には、アーチガーニッシュ8の表面と同様に特殊加工面20が全面的に形成されている。なお、車体2の右側面6についても、図5(A)と同様である。
本実施形態では、前側のアーチガーニッシュ8の表面に全面的に特殊加工面20が形成されているため、左側面5に沿って流れる気流は、前側のアーチガーニッシュ8において車体2の側面から剥離することなく、前側のアーチガーニッシュ8の後側においても左側面5に沿って流れることができる。このため、前側のホイールハウス7からは、気流がほとんど噴き出さなくなる。その結果、左側面5に沿って流れる気流は、前側のアーチガーニッシュ8の後側においても、左側面5に沿って流れることができる。
また、前側のアーチガーニッシュ8の後側において左側面5に沿って流れる気流は、左側のサイドステップ9により後側のアーチガーニッシュ8において車体2の側面から剥離することなく、後側のアーチガーニッシュ8の後側においても左側面5に沿って流れることができる。このため、後側のホイールハウス7からは、気流がほとんど噴き出さなくなる。その結果、左側面5に沿って流れる気流は、後側のアーチガーニッシュ8の後側においても、左側面5に沿って流れることができる。
このように左側面5に沿って流れる気流は、車体2の左側面5からアーチガーニッシュ8およびサイドステップ9が突出して設けられているにもかかわらず、車体2の左側面5の近くを、車体2の左側面5に沿って前から後ろへ流れることができる。しかも、その結果として、前側のホイールハウス7および後側のホイールハウス7から、気流がほとんど噴き出さなくなる。
これに対し、図5(B)は、アーチガーニッシュ8およびサイドステップ9に特殊加工面20が形成されていない比較例での、車体2の左側面5とそれに沿って流れる気流との説明図である。
この場合、左側面5に沿って流れる気流は、前側のアーチガーニッシュ8により車体2の側面から剥離するように外へ曲がり、前側のホイールハウス7から噴き出される気流によりさらに外向きに曲がる。また、側面に沿って流れる気流が側面から離れることにより、前側のホイールハウス7から気流が外向きに勢いよく噴出す。そして、これらの気流は、前側のホイールハウス7の後側において混合する。外へ曲がりながら前側のホイールハウス7を通過した気流は、前側のホイールハウス7から噴き出される気流と混合した後、後側のホイールハウス7から勢いよく噴き出される気流によりさらに外へ曲がる。後側のホイールハウス7から気流が外向きに勢いよく噴出す。その結果、後側のホイールハウス7より後方では、左側面5に沿って流れる気流は、車体2の左側面5から大きく離れるように流れる。また、これらの間に、後側のホイールハウス7から勢いよく噴出した気流が流れる。
このように左側面5に沿って流れる気流は、車体2の左側面5に沿って、車体2の左側面5の近くを前から後へ流れることはできない。
以上のように、本実施形態では、走行する車体2についての外表面に、側凸部材が突出するように設けられる。たとえばアーチガーニッシュ8は、走行する車体2についての側面においてホイールハウス7を囲うように突出する。このようなアーチガーニッシュ8といった側凸部材を、車体2についての外表面から突出させることにより、自動車1の意匠性を向上できる。そして、このように車体2についての外表面を凹凸にすると、走行する車体2についての外表面に沿って流れる気流は、側凸部材の後側において乱れて車体2の外表面から剥離し易くなる。
しかしながら、本実施形態では、さらに側凸部材による車体2の外表面に形成される、複数の凹部21を有する特殊加工面20を形成する。特殊加工面20は、たとえば、側凸部材について全面的に形成する。これにより、車体2についての外表面において突出する側凸部材の近くを流れる気流の一部は、特殊加工面20に形成されている複数の凹部21により微小な渦流を生成する。複数の凹部21が形成されている特殊加工面20の近くには、乱流境界層が形成される。その結果、側凸部材の近くを流れる気流は、特殊加工面20に近づいて、特殊加工面20に沿って側凸部材の後方へ流れるようになる。走行する車体2についての外表面に沿って流れる気流は、側凸部材においても車体2の外表面から剥離し難くなる。特に、アーチガーニッシュ8の前半部分について特殊加工面20を形成することにより、ホイールハウス7からの噴出しを抑制できる。アーチガーニッシュ8の後半部分に対して、アーチガーニッシュ8の前半部分で乱れた気流と、ホイールハウス7からの噴出し流とが合流して供給され難くなる。その結果、アーチガーニッシュ8の後半部分において気流は、アーチガーニッシュ8の後半部分の車体2の外表面に沿って、その外表面の近くを流れることができる。また、アーチガーニッシュ8の後半部分を通過した気流も、走行する車体2についての外表面に沿って流れることができる。走行する車体2についての外表面に沿って流れる気流は、側凸部材が突出して形成されていない車体2の外表面に沿って流れる場合と同様に、側凸部材を通過した後においても、側凸部材が突出して形成される車体2の外表面に沿って、外表面の近くを流れることができる。
このように、本実施形態では、側凸部材を、走行する車体2についての側面に突出させているにもかかわらず、側凸部材が突出して形成されていない車体2と同等の空力特性を得ることが可能となる。本実施形態では、側凸部材を、車体2についての外表面に突出するように設けて自動車1の意匠性を向上させつつ、側凸部材が突出して形成されていない車体2と同等の空力特性を得ることが可能となる。特に、アーチガーニッシュ8について複数の凹部21を有する特殊加工面20を形成することにより、自動車1の力強さを強調できるため、自動車1の空力特性を損なうことなく近年の自動車1にはない高い訴求力のある意匠の車体2にすることができる。自動車1の空力特性のために、アーチガーニッシュ8による段差を制限することなく、良好な自動車1の空力特性を得ることが可能となる。空力特性の改善のために、車体2の形状が制限され難くなる。
また、本実施形態では、前側のアーチガーニッシュ8と後側のアーチガーニッシュ8との間の乗員室3の側面の下縁に沿って延在するサイドステップ9についても、複数の凹部21を有する特殊加工面20が全面的に形成される。これにより、前側のアーチガーニッシュ8を通過した気流は、乗員室3の側面から突出しているサイドステップ9においても、サイドステップ9が突出して形成される車体2の外表面に沿って、サイドステップ9の外表面の近くを流れることができる。その結果、前側のアーチガーニッシュ8を通過した気流は、乗員室3の側面においても車体2の外表面の近くを、その外表面に沿って流れ、車体2の外表面の近くを流れている状態において、後側のアーチガーニッシュ8へ供給されるようになる。その結果、後側のアーチガーニッシュ8へ供給される気流は、前側のアーチガーニッシュ8と同様にその外表面の近くから供給されるようになり、後側のホイールハウス7からの噴出しを効果的に抑制できる。車体2の側面に沿って流れる気流は、側面の前端から後端までにかけて、側面の近くをスムースに流れるようになる。
なお、上述した実施形態では、特殊加工面20には、複数の凹部21を形成している。
これに対して、特殊加工面20に複数の凸部を形成する場合、特殊加工面20の表面近くに、乱流境界層31が形成されない。この場合、アーチガーニッシュ8の上を流れる気流は、アーチガーニッシュ8の表面の近くを、アーチガーニッシュ8の表面へ再付着するように流れない。アーチガーニッシュ8の上を流れる気流は、図4(B)に実線の矢印の例で示すように、アーチガーニッシュ8により外へ曲げられて車体2の表面から離れるように流れようとする。この場合、側面に沿って流れる気流は、図5(B)の場合と同様に、車体2の左側面5から大きく離れるように流れる。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
図6は、図4の特殊加工面20の変形例の説明図である。図6において、特殊加工面20には、正六角形の開口を有する複数の凹部21が、全面的に且つ密に並べて形成される。正六角形の凹部21は、隣接する他の正六角形の凹部21と接する。この場合、互いに隣接する複数の正六角形の凹部21の間には、平面部分が残らない。
本変形例の場合、各凹部21の上で回転する気流は、上述した実施形態において回転する気流と比べて小さくなる。乱流境界層31の厚さは、上述した実施形態と比べて薄くなる。その結果、アーチガーニッシュ8の上を流れる気流は、上述した実施形態と比べて、特殊加工面20に対してより近い位置を通過するように流れる。また、複数の凹部21の上で複数の気流が密に回転するようになるため、乱流境界層31が薄くとも、十分に有効に発生し得る。
上述した実施形態では、特殊加工面20に形成される凹部21は、正六角形の開口を有する。この他にもたとえば、特殊加工面20に形成される凹部21は、たとえば正八角形といった正多角形の開口、または正円の開口を形成してよい。このように凹部21の開口を、正多角形の開口、または正円の開口とすることにより、凹部21の開口の近くに形成される渦流を安定化できる。
ただし、互いに隣接する複数の凹部21の間に、平面部分を残さないようにするためには、正六角形の開口、または正四角形の開口とするのがよい。平面部分を残さないようにすることで、乱流境界層31の厚さを薄くできる。また、凹部21の内部において気流がスムースに安定的に流れるようにするためには、凹部21の内部を、凹湾曲面の形状、または図4(B)に示すように断面が台形となる形状に形成するとよい。
上述した実施形態では、特殊加工面20は、車体2の外表面となるアーチガーニッシュ8の表面について全面的に形成される。
この他にもたとえば、特殊加工面20は、車体2の外表面となるアーチガーニッシュ8の表面についての一部、たとえば前側半分に形成されてよい。ただし、特殊加工面20を形成する範囲を一部とした場合、特殊加工面20を形成した範囲と、特殊加工面20を形成していない範囲との境界部分において、気流の流れ方が変化し易くなる。気流の流れが変化すると、気流は、アーチガーニッシュ8の表面に沿って流れ難くなる。この場合でも、ホイールハウス7からの噴出しを抑制できることが期待できる。これに対し、上述した実施形態のように特殊加工面20を、アーチガーニッシュ8についての全面に形成する場合、境界部分が無いため、気流は、アーチガーニッシュ8の表面に沿って、アーチガーニッシュ8の表面の近くをスムースに流れ易くなる。
1…自動車(車両)、2…車体、3…乗員室、4…前室、5…左側面(外表面)、6…右側面(外表面)、7…ホイールハウス、8…アーチガーニッシュ(側凸部材)、9…サイドステップ(側凸部材)、20…特殊加工面、21…凹部、31…乱流境界層

Claims (2)

  1. 走行可能な車体を有する車両であって、
    走行する前記車体についての外表面に突出するように設けられる側凸部材と、
    前記側凸部材による前記車体の外表面に形成される、複数の凹部を有する特殊加工面と、
    を有し、
    前記側凸部材は、
    前記車体についての側面において前後に並べて設けられる複数のホイールハウスについて設けられて前後の前記ホイールハウスを囲うように突出するアーチガーニッシュであり、
    前記特殊加工面は、前記車体の外表面となる前記側凸部材の表面について全面的に形成され、
    複数の前記凹部は、前記特殊加工面に全面的に形成され、
    各前記凹部は、前記特殊加工面において正六角形または正四角形の開口に形成される、
    空力特性を改善する車両。
  2. 前記側凸部材は、前記車体についての乗員室の側面の下縁に沿って突出して延在するサイドステップであり、
    前記特殊加工面は、前記サイドステップについて形成される、
    請求項1記載の空力特性を改善する車両。
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