JP7442010B1 - 酸性水中油型乳化調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】油のコク及びくちどけが優れた酸性水中油型乳化調味料を提供。【解決手段】本発明は、食用油脂を1%(w/w)以上50%(w/w)以下、加工澱粉を1%(w/w)以上含有する酸性水中油型乳化調味料であって、前記酸性水中油型乳化調味料の油滴がメジアン径で15μm以上60μm以下であり、前記加工澱粉が以下の要件を満たすことを特徴とする、酸性水中油型乳化調味料、<加工澱粉>近赤外測定によって得られるスペクトルをベースライン補正し、次いで2次微分した際の特定の波長における数値が(a)及び(b)ともに満たす。(a)1175nm:-0.000700以上-0.000570以下(b)1190nm:0.000165以上0.000321以下【選択図】なし

Description

本発明は、油のコク及びくちどけが優れた酸性水中油型乳化調味料に関する。
近年、マヨネーズ等の乳化調味料において、健康志向の高まりから低カロリー化等の目的で、油の含有量を減らした酸性水中油型乳化調味料が望まれている。
例えば、特許文献1では、クエン酸、リンゴ酸、リン酸、乳酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、EDTAから選ばれる1種以上のキレート剤、酢酸、糖類、卵黄、食用油脂、増粘剤および水分を含有し、前記食用油脂含有量が1~40質量%であり、水分活性が0.90~0.96であり、pHが3.0~4.0であり、粘度(20℃)が50~600Pa・sであり、40℃×4ヵ月保存した時のL*a*b*表色系におけるb*値が10~20である、酸性水中油型乳化調味料が開示されている。
また、特許文献2では、酸味料、卵黄、及び乳化剤の存在下で糊化した澱粉を含むことを特徴とする低カロリーマヨネーズ様食品が開示されている。
WO2015-080233 特開平7-31414
しかし、油の含有量を減らした酸性水中油型乳化調味料において、依然として油のコクが減少するという課題があり、所望の油のコクを付与できる酸性水中油型乳化調味料の開発が望まれている。また、油の含有量を減らすとともに粘度が低下するため、その解決方法として、加工澱粉などの増粘剤を用いて粘度を高める工夫がなされてきたが、本発明者らは加工澱粉特有のざらつきによって酸性水中油型乳化調味料のくちどけが悪くなるという新たな問題を知見した。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、油のコク及びくちどけが優れた酸性水中油型乳化調味料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、ある条件の下、油のコク及び優れたくちどけを感じられることがわかった。具体的には、酸性水中油型乳化調味料に、特定の要件を満たす加工澱粉を1質量%以上配合し、かつ、油滴のメジアン径を15μm以上60μm以下にすることで、油のコク及びくちどけが優れた酸性水中油型乳化調味料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)食用油脂を1%(w/w)以上50%(w/w)以下、加工澱粉を1質量%以上含有する酸性水中油型乳化調味料であって、
前記酸性水中油型乳化調味料の油滴がメジアン径で15μm以上60μm以下であり、
前記加工澱粉が以下の要件を満たすことを特徴とする、
酸性水中油型乳化調味料、
<加工澱粉>
近赤外測定によって得られるスペクトルをベースライン補正し、次いで2次微分した際の特定の波長における数値が(a)及び(b)ともに満たす。
(a)1175nm:-0.000700以上-0.000570以下
(b)1190nm:0.000165以上0.000321以下、
(2)前記加工澱粉の原料がワキシーコーンスターチである
(1)に記載の酸性水中油型乳化調味料、
である。
以上のように、本発明によれば、油のコク及びくちどけが優れた酸性水中油型乳化調味料を提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において特に規定しない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<酸性水中油型乳化調味料>
本発明の酸性水中油型乳化調味料は少なくとも食用油脂及び加工澱粉を含有し、乳化剤、水、酸材、増粘剤、他の原料、及び具材等をさらに含んでもよい。
酸性水中油型乳化調味料は、油脂が油滴として水相中に略均一に分散し、水中油型に乳化されている。本発明の酸性水中油型乳化調味料は、特に限定されず、マヨネーズ様調味料、ドレッシング、ソース、タレ、及びこれらに類する他の食品が挙げられる。これらの中でも、マヨネーズ様調味料が好ましい。なお、本発明におけるマヨネーズ様調味料には、食品表示基準で定めるマヨネーズ(水分含有量:30質量%以下、食用油脂含有量:65質量%以上)と類似の性状(例えば、味、外観、主原料等)を有しながら、成分組成が食品表示基準に合致しない類似商品群が含まれる。
<加工澱粉>
本発明における加工澱粉は、後述する近赤外測定によって得られる特定の波長における数値を満たしていればよく、物理的処理、化学的処理及び酵素的処理からなる群より選択される少なくとも1つの加工処理を施された澱粉をいう。例えば、湿熱処理澱粉、油脂加工澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、及び酵素処理澱粉等が挙げられる。本発明に用いられ得る加工澱粉は、物理的処理、化学的処理及び酵素的処理からなる群より選択される一つの加工処理を施されたものであってよく、また、物理的処理、化学的処理及び酵素的処理からなる群より選択される二つ以上の加工処理を施されたものであってもよい。本発明に用いられ得る加工澱粉は、好ましくは、化学的処理を少なくとも施された澱粉であり、より好ましくは、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である。加工澱粉は、一種を単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
<加工澱粉の特性値(a)(b)>
本発明における加工澱粉の特性値については、(a)(すなわち、波長1175nmの数値)は-0.000700以上-0.000570以下であり、下限値は好ましくは-0.0060以上であり、上限値は好ましくは-0.0068以下であり、(b)(すなわち、波長1190nmの数値)は0.000165以上0.000321以下であり、好ましくは下限値が0.000195以上であり、上限値は好ましくは0.000305以下である。(a)及び(b)が上記範囲外であると加工澱粉が有するざらつきを感じるため、酸性水中油型乳化調味料の優れたくちどけを感じることが困難になる。本発明者らは、原料となる澱粉に同じ種類の加工処理を施した場合でも、くちどけに優れたものとそうでないものがあることを発見した。さらに、この違いは近赤外測定によって判別することができ、近赤外測定における1175nm付近の波長はメチレン結合の逆対称伸縮振動の第二倍音に影響を受け、また、1190nm付近の波長はメチル結合の対称伸縮振動の第二倍音に影響を受けるため加工処理の種類や、架橋率などの違いによってこの数値が変化していると推察される。ここで(a)及び(b)の数値範囲については、上述した通り上記範囲内に調整することがくちどけに優れた酸性水中油型調味料を提供するために重要であり、原料となる澱粉や加工処理等を適宜変更することで上記範囲内に調整することができる。加工処理についてはヒドロキシプロピル化リン酸架橋を施すことにより条件を満たす加工澱粉が得られやすく好ましい。
さらに、本発明における加工澱粉の含有量は、酸性水中油型乳化調味料全量に対して、1質量%以上であり、下限値は好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、上限値は好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは6質量%以下である。加工澱粉の含有量が1質量%未満であると、酸性水中油型乳化調味料の油のコクを感じることが困難となる。
本発明における加工澱粉の原料澱粉の種類は特に制限されないが、例えば、ウルチ米澱粉、モチ米澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉(例、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ等)、タピオカ澱粉、サゴヤシ澱粉、くず澱粉、緑豆澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉等が挙げられる。本発明は、市販の加工澱粉を用いてもよい。
<近赤外分光法による測定>
近赤外分光法とは近赤外光(一般に800nm~2500nmの間の波長)を用いた分光測定の一種であり、固体、液体、紛体といった状態を問わずに非破壊で測定できる分析方法である。(a)及び(b)は加工澱粉を以下の条件で近赤外測定を行い得られたスペクトルを解析することで得ることが出来る。また、加工澱粉はサンプルとして10gを乾燥した状態で分析に供する。
(1)分析条件
測定モード:拡散反射法
波長範囲:950nm~1650nm
分解能: ±0.6nm
積算回数:9回
(2)スペクトルの解析
上記の分析で得られたスペクトルについてstandard normal variates変換を用いてベースラインの補正を行い、次いで2次微分の処理を行う。近赤外測定はスペクトラコープ社製小型高分解能分光装置 Solid Lambdaシリーズ等の測定装置を用いて行い得る。
<メジアン径の測定方法>
本発明の酸性水中油型乳化調味料中の油滴のメジアン径(頻度の累積が50%になる粒子径)は、15μm以上であり、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは25μm以上であり、また、60μm以下であり、好ましくは55μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。酸性水中油型乳化調味料中の油滴のメジアン径が15μ未満であると油のコクを感じることが困難になり、60μmを超えてしまうと保存中にも乳化状態が不安定になり油相が分離する可能性がある。
なお、本発明におけるメジアン径は、レーザー回折式粒度分布測定装置「粒度分布計MT3300EXII(日機装株式会社製)」を用いて、分析条件:体積基準、非球形、屈折率1.6で、測定される値であり、酸性乳化液状調味料を5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液で10倍希釈したものをサンプルとして測定したものである。
<食用油脂>
酸性水中油型乳化調味料に用いる食用油脂は、特に限定されず、従来公知の食用油脂を用いることができる。食用油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を挙げることができる。これらの中でも、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、又はこれらの混合油を用いることが好ましい。
食用油脂の含有量は、酸性水中油型乳化調味料の全量に対して、1質量%以上50質量%以下であり、下限値は好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上であり、また、上限値は好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下である。食用油脂の含有量が酸性水中油型乳化調味料の全量に対して、1質量%未満であると油のコクを感じることが困難となり、50質量%を超えると優れたくちどけを感じることが困難となる。
<酸性水中油型乳化調味料のpH>
酸性水中油型乳化調味料の水分含量のpHは特に限定されないが、下限値は好ましくは3.0以上であり、より好ましくは3.5以上であり、さらに好ましくは4.0以上であり、また、上限値は好ましくは6.0以下であり、より好ましくは5.5以下であり、さらに好ましくは5.0以下である。水中油型乳化食品のpHが上記範囲内であれば、水中油型乳化食品の微生物発生を制御して保存性を高めながら、水中油型乳化食品の風味のバランスを良好にすることができる。本発明においては、酸材の種類や配合量を調節することで、水中油型乳化食品のpHを上記の好適な数値範囲に調整することができる。なお、水中油型乳化食品のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いて測定した値である。
<粘度>
酸性水中油型乳化調味料の粘度は特に限定されないが、下限値は好ましくは10Pa・s以上であり、より好ましくは50Pa・s以上であり、さらに好ましくは100Pa・s以上であり、また、上限値は好ましくは400Pa・s以下であり、より好ましくは300Pa・s以下であり、さらに好ましくは250Pa・s以下である。
なお、酸性水中油型乳化調味料の粘度は、BH型粘度計を用いて、品温25℃、回転数2rpmの条件で、測定対象の粘度に応じてローターNo.5、ローターNo.6、TバースピンドルDのいずれかを使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により算出した値である。
<卵黄>
卵黄は、特に限定されず従来公知の卵黄を用いることができる。卵黄としては、例えば、液卵黄や生卵黄、当該液卵黄や生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスホリパーゼA処理卵黄のようなホスホリパーゼA1またはホスホリパーゼA2による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖質等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。
<酸材>
酸性水中油型乳化調味料に用いる酸材は、特に限定されず、従来公知の食品用酸材を用いることができる。酸材としては、例えば、食酢(酢酸)、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸等の有機酸及びそれらの塩、燐酸、塩酸等の無機酸及びそれらの塩、レモン果汁、リンゴ果汁、オレンジ果汁、乳酸発酵乳等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの酸材を配合することで、水中油型乳化食品のpHを所望の数値範囲内に調節したり、酸性水中油型乳化調味料の風味のバランスを良好にしたりすることができる。
<その他の原料>
本発明の酸性水中油型乳化調味料は、本発明の効果を損なわない範囲で種々の原料を適宜選択し、配合することができる。具体的には、例えば、糖、食塩等の調味料、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、各種ペプチド、胡椒、山椒等の香辛料、香料、色素などが挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
<近赤外分光法による加工澱粉の分析>
以下の条件に従って実施例1~7、比較例1~4で使用した加工澱粉の分析を行った。
(1)分析条件
測定機器:Solid Lambda スペクトラコープ社製
測定モード:拡散反射法
波長範囲:950nm~1650nm
分解能: ±0.6nm
積算回数:9回
(2)スペクトルの解析
上記の分析で得られたスペクトルについてstandard normal variates変換を用いてベースラインの補正を行い、次いで2次微分の処理を行う。その結果を表1に示す。
表1 加工澱粉の近赤外分光法による分析結果
Figure 0007442010000001
加工澱粉1はヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、加工澱粉2は加工澱粉1とは異なるヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、加工澱粉3はアセチル化アジピン酸架橋澱粉、加工澱粉4は加工澱粉1と加工澱粉2の等量混合物、加工澱粉5は加工澱粉1と加工澱粉3の等量混合物である。いずれの加工澱粉も原料はワキシーコーンスターチである。
[実施例1]
表2に記載の配合に準じ、酸性水中油型乳化調味料を調製し、メジアン径については[0019]に記載の方法で測定した。具体的にはまず、攪拌タンクに卵黄、卵白、食酢、砂糖、食塩、グルタミン酸Na、加工澱粉1、及び清水を均一になるように混合して、水相を調製した。その後、調製した水相に食用油脂(菜種油)を注加し、メジアン径が46μmになるように乳化処理を行い、酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[実施例2]
加工澱粉の配合量を7%に変更し、食用油脂の配合量を10%に変更し、清水の配合量を60.5%に変更し、メジアン径を43μmとした以外は実施例1と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[実施例3]
加工澱粉の配合量を6%に変更し、食用油脂の配合量を20%に変更し、清水の配合量を51.5%に変更し、メジアン径を23μmとした以外は実施例1と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[実施例4]
加工澱粉の配合量を4%に変更し、食用油脂の配合量を30%に変更し、清水の配合量を43.5%に変更し、メジアン径を38μmとした以外は実施例1と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[実施例5]
加工澱粉の配合量を2%に変更し、食用油脂の配合量を50%に変更し、清水の配合量を25.5%に変更し、メジアン径を20μmとした以外は実施例1と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[実施例6]
加工澱粉の種類を加工澱粉4に変更し、メジアン径を33μmとした以外は実施例4と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[実施例7]
加工澱粉の種類を加工澱粉5に変更し、メジアン径を40μmとした以外は実施例4と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[比較例1]
加工澱粉の配合量を2.5%に変更し、清水の配合量を45%に変更し、メジアン径を2μmとした以外は実施例4と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[比較例2]
メジアン径を75μmとした以外は比較例1と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[比較例3]
加工澱粉の種類を加工澱粉2に変更し、配合量を5%に変更し、清水の配合量を42.5%に変更し、メジアン径を60μmとした以外は実施例1と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
[比較例4]
加工澱粉の種類を加工澱粉3に変更し、メジアン径を43μmとした以外は比較例3と同様にして酸性水中油型乳化調味料を調製した。
(pH測定)
上記で調製した各酸性水中油型乳化調味料について、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いてpHを測定した。各酸性水中油型乳化調味料のpHは4.0~4.2の範囲内であった。
(粘度測定)
上記で調製した酸性水中油型乳化調味料について、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数2rpmの条件で、ローターNo.5、ローターNo.6、TバースピンドルDのいずれかを使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により算出した。各酸性水中油型乳化調味料の粘度は20~400Pa・sの範囲内であった。
(官能評価)
上記で調製した各酸性水中油型乳化調味料について、複数の訓練されたパネルより、下記の4段階の評価基準で、「油のコク」及び「くちどけ」の各項目を評価した。各パネルの点数の平均値を評価点として表1に示した。「油のコク」及び「くちどけ」評価点がともに2.0点以上であれば、良好な結果であると言える。
[評価基準]
(油のコク)
4点:油のコク味を十分に感じた。
3点:油のコク味を感じた。
2点:油のコク味をやや感じた。
1点:油のコク味が乏しかった。
(くちどけ)
4点:くちどけがとても優れていた。
3点:くちどけが優れていた。
2点:くちどけがやや優れていた。
1点:くちどけが悪かった。
Figure 0007442010000002
実施例1~7の酸性水中油型乳化調味料はいずれも、油のコクが感じられ、くちどけも優れていた。
比較例1の酸性水中油型乳化調味料は、メジアン径が小さかったため、油のコクを感じなかった。
比較例2の酸性水中油型乳化調味料は、メジアン径が大きすぎたため24時間静置後油浮きが確認され乳化状態を維持することが出来なかった。
比較例3及び4の酸性水中油型乳化調味料は、使用した加工澱粉が近赤外測定によって得られるスペクトルをstandard normal variates変換を用いてベースラインの補正をし、次いで2次微分した際の特定の波長における数値が(a)及び(b)ともに満たしていないため、くちどけが悪かった。

Claims (2)

  1. 食用油脂を1%(w/w)以上50%(w/w)以下、加工澱粉を1%(w/w)以上含有する酸性水中油型乳化調味料であって、
    前記酸性水中油型乳化調味料の油滴がメジアン径で15μm以上60μm以下であり、
    前記加工澱粉が以下の要件を満たすことを特徴とする、
    酸性水中油型乳化調味料、
    <加工澱粉>
    近赤外測定によって得られるスペクトルをベースライン補正し、次いで2次微分した際の特定の波長における数値が(a)及び(b)ともに満たす。
    (a)1175nm:-0.000700以上-0.000570以下
    (b)1190nm:0.000165以上0.000321以下
  2. 前記加工澱粉の原料がワキシーコーンスターチであることを特徴とする、
    請求項1に記載の酸性水中油型乳化調味料。

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006126472A1 (ja) 2005-05-23 2006-11-30 San-Ei Gen F.F.I., Inc. 酸性水中油滴型エマルジョン及びその食品への応用
JP2020036565A (ja) 2018-09-05 2020-03-12 キユーピー株式会社 ポテトサラダの製造方法

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