JP7435484B2 - 燃料電池用のセパレータ、及び、燃料電池スタック - Google Patents

燃料電池用のセパレータ、及び、燃料電池スタック Download PDF

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Description

本明細書に開示の技術は、燃料電池用のセパレータ、及び、燃料電池スタックに関する。
特許文献1に、燃料電池用のセパレータが開示されている。セパレータの一方の表面が膜電極接合体に接するように、セパレータと膜電極接合体が配置されている。
特開2007-026868号公報
セパレータの膜電極接合体側の表面の腐食を防止するために、当該表面に酸化インジウムスズ膜を形成する技術が知られている。しかしながら、酸化インジウムスズ膜を形成すると、燃料電池の内部の抵抗が高くなる。複数の燃料電池を積層した燃料電池スタックを車両に搭載する場合には、車幅方向に燃料電池が積層されるため、燃料電池の積層数が車幅によって制限される。このため、燃料電池の積層数を増やして燃料電池スタックの出力電圧を高くすることは困難である。したがって、酸化インジウムスズ膜によって燃料電池の内部の抵抗が高くなると、燃料電池スタックで車両を走行させるために必要な出力電圧が得られない場合がある。本明細書では、燃料電池用セパレータにおいて、酸化インジウムスズ膜の抵抗を低減する技術を提案する。
本明細書が開示する燃料電池用のセパレータは、チタンを含む金属によって構成されているとともに膜電極接合体側に配置される第1表面を有する基材と、前記第1表面を覆う酸化インジウムスズ膜と、を有する。前記酸化インジウムスズ膜のX線回折ピークの半値幅W(°)と、前記基材と前記酸化インジウムスズ膜との界面における酸化チタンの濃度C(atm%)とが、W<0.55-0.07・Cの関係を満たす。
上記の関係を満たすと、酸化インジウムスズ膜の抵抗を低くすることができ、燃料電池スタックで十分な出力電圧が得られる。
燃料電池スタックの断面図。 燃料電池の断面図。 面抵抗R1とチタンの濃度CとX線回折の半値幅Wの関係を示すグラフ。 面抵抗R2とエチレングリコール濃度Dの関係を示すグラフ。 面抵抗R2と溶存酸素濃度Eの関係を示すグラフ。 面抵抗R2と粘度Fの関係を示すグラフ。
本明細書が開示する一例の燃料電池スタックは、積層された複数のセパレータを有していてもよい。前記各セパレータが、金属によって構成されている基材と、前記基材の一方の表面を覆う炭素膜、を有していてもよい。前記各セパレータが、隣り合う前記セパレータ同士の間において、炭素膜同士が対向するように、積層されていてもよい。対向する前記炭素膜の間に冷媒流路が設けられていてもよい。前記冷媒流路内の冷媒の溶存酸素濃度が、28mg/l以下であってもよい。前記冷媒の粘度が、3mPa・s以上であってもよい。
この構成によれば、炭素膜が冷媒により酸化したとしても、炭素膜の抵抗を低い値に維持することができ、燃料電池スタックで十分な出力電圧が得られる。
図1に示すように、実施形態の燃料電池スタック10は、図2の燃料電池12が複数個積層された構造を有している。燃料電池スタック10は、燃料電池自動車に搭載される。図1の矢印RHは車両右側を示し、矢印LHは車両左側を示す。図1に示すように、燃料電池12の積層方向が車両の左右方向(すなわち、車幅方向)と一致する向きで、燃料電池スタック10が燃料電池自動車に搭載される。以下では、矢印RHの方向を右といい、矢印LHの方向を左という。図2に示すように、燃料電池12は、第1セパレータ21と、第2セパレータ22と、膜電極接合体24(以下、MEA(membrane electrode assembly)という)を有している。
第1セパレータ21は、基材21aと、酸化インジウムスズ膜(以下、ITO膜という)21bと、炭素膜21cを有している。基材21aは、チタンまたはチタン合金により構成されている。基材21aは、波状に屈曲している。したがって、基材21aの右表面及び左表面に凹凸が形成されている。ITO膜21bは、ITOによって構成されている。ITO膜21bは、基材21aの左表面を覆っている。炭素膜21cは、炭素によって構成されている。炭素膜21cは、基材21aの右表面を覆っている。
第2セパレータ22は、基材22aと、ITO膜22bと、炭素膜22cを有している。基材22aは、チタンまたはチタン合金により構成されている。基材22aは、波状に屈曲している。したがって、基材22aの右表面及び左表面に凹凸が形成されている。ITO膜22bは、ITOによって構成されている。ITO膜22bは、基材22aの右表面を覆っている。炭素膜22cは、炭素によって構成されている。炭素膜22cは、基材22aの左表面を覆っている。図2に示すように、第2セパレータ22は、第1セパレータ21から間隔を開けて、第1セパレータ21の左側に配置されている。したがって、第1セパレータ21の左表面(すなわち、ITO膜21b)が、第2セパレータ22の右表面(すなわち、ITO膜22b)に対向している。
MEA24は、第1セパレータ21と第2セパレータ22の間に配置されている。MEA24は、電解質膜24a、アノード24b、ガス拡散層(以下、GDL(gas diffusion layer)という)24c、カソード24d、及び、GDL24eを有している。電解質膜24aは、固体高分子材料により構成されている。アノード24bは、電解質膜24aの右表面を覆っている。アノード24bは、白金等の触媒を含む導電性粒子の集合体により構成されている。GDL24cは、アノード24bの右表面を覆っている。GDL24cは、炭素等の導電性を有する材料により構成されている。GDL24cは、内部にガスが流れる材料(例えば、繊維状の材料)により構成されている。GDL24cの右表面は、第1セパレータ21の左表面の凸部において、ITO膜21bと接している。GDL24cと第1セパレータ21の左表面の凹部の間に設けられた空間によって、燃料ガス流路30が構成されている。燃料ガス流路30には、水素ガスが流れる。カソード24dは、電解質膜24aの左表面を覆っている。カソード24dは、白金等の触媒を含む導電性粒子の集合体により構成されている。GDL24eは、カソード24dの左表面を覆っている。GDL24eは、炭素等の導電性を有する材料により構成されている。GDL24eは、内部にガスが流れる材料(例えば、繊維状の材料)により構成されている。GDL24eの左表面は、第2セパレータ22の右表面の凸部において、ITO膜22bと接している。GDL24eと第2セパレータ22の右表面の凹部の間に設けられた空間によって、酸化剤ガス流路32が構成されている。酸化剤ガス流路32には、酸素ガスが流れる。燃料ガス流路30から供給される水素と酸化剤ガス流路32から供給される酸素がMEA24内で反応することで、アノード24bとカソード24dの間に電圧(すなわち、アノード24bの電位がカソード24dの電位よりも高くなる電圧)が発生する。
図1に示すように、各燃料電池12は、同じ向きで積層されている。したがって、各燃料電池12の第1セパレータ21の右表面は、その右側の燃料電池12の第2セパレータ22の左表面と接している。より詳細には、第1セパレータ21の炭素膜21cと第2セパレータ22の炭素膜22cが、第1セパレータ21の右表面の凸部と第2セパレータ22の左表面の凸部とが重なる位置で、互いに接している。また、第1セパレータ21の右表面の凹部と第2セパレータ22の左表面の凹部の間に設けられた空間によって、冷媒流路34が構成されている。冷媒流路34には、冷媒(例えば、エチレングリコールを含む溶液)が流れる。冷媒流路34に流れる冷媒によって、各燃料電池12が冷却される。
各燃料電池12が発電を行うと、燃料電池スタック10のうちで最も右側の第1セパレータ21Rと燃料電池スタック10のうちで最も左側の第2セパレータ22Lの間に、各燃料電池12の出力電圧を積算した電圧が出力される。第1セパレータ21Rと第2セパレータ22Lの間に出力される電圧が、燃料電池スタック10の出力電圧である。燃料電池スタック10の出力電圧が、インバータ等を介して車両走行用のモータに供給されることで、車両が走行する。
第1セパレータ21の左側表面と第2セパレータ22の右側表面は、ガス(すなわち、酸素と水素)に曝される。ITO膜21b、22bは、ガスによるセパレータ21、22の酸化を防ぐために設けられている。
第1セパレータ21の右側表面と第2セパレータ22の左側表面は、冷媒に曝される。炭素膜21c、22cは、冷媒によるセパレータ21、22の酸化を防ぐために設けられている。第1セパレータ21の右側表面と第2セパレータ22の左側表面の環境(冷媒に曝される環境)では、第1セパレータ21の左側表面と第2セパレータ22の右側表面の環境(ガスに曝される環境)よりも酸化が生じ難い。したがって、第1セパレータ21の右側表面と第2セパレータ22の左側表面には、ITO膜よりも耐酸化性が低い炭素膜が設けられている。このように、第1セパレータ21の右側表面と第2セパレータ22の左側表面の保護膜を炭素膜とすることで、セパレータ21、22の製造コストを低減することができる。
燃料電池自動車を適切に走行させるためには、燃料電池スタック10の出力電圧Vとして基準電圧Vref以上の電圧が必要である。また、燃料電池12の積層数は車両の車幅方向のサイズによって制限されるので、燃料電池12の積層数を増やして燃料電池スタック10の出力電圧を高くすることは困難である。このため、燃料電池スタック10の出力電圧Vを基準電圧Vref以上とするためには、燃料電池スタック10の内部の抵抗を低減する必要がある。燃料電池スタック10の動作時には、GDL24cと基材21aの間にITO膜21bを介して電流が流れ、GDL24eと基材22aの間にITO膜22bを介して電流が流れる。つまり、ITO膜21b、22bに厚み方向に電流が流れる。したがって、ITO膜に厚み方向に電流が流れるときのITO膜の面抵抗R1(mΩ・cm)を低減する必要がある。また、燃料電池スタック10の動作時に、炭素膜21cと炭素膜22cに、厚み方向に電流が流れる。したがって、炭素膜に厚み方向に電流が流れるときの炭素膜の面抵抗R2を低減する必要がある。
図3~6は、ITO膜の面抵抗R1及び炭素膜の面抵抗R2を評価する実験の結果を示している。
最初に、実験方法について説明する。厚さ0.1mmの基材の表面にスパッタリングによりITO膜を形成した。このスパッタリングでは、容器中に、ターゲットと基材を配置した。ここでは、ターゲットに対向する位置に基材を配置した。ターゲットとして、ITO焼結体を用いた。基材として、単体のチタンにより構成された板材を使用した。次に、容器内を排気して真空化し、次に、スパッタリングガスとしてアルゴンを容器内に導入した。次に、室温で容器内に電圧を印加し、アルゴンイオンをターゲットに衝突させ、ターゲットから飛び出したITOを基材の表面に堆積させた。これによって、基材の表面を覆うITO膜を形成した。
次に、基材の裏面(ITO膜とは反対側の面)にプラズマCVD(chemical vapor deposition)により炭素膜を形成した。このプラズマCVDでは、基材をプラズマCVD装置内の成膜台上に、裏面が露出する向きで設置した。次に、チャンバ内を排気して真空化し、チャンパ内の温度を約300℃に制御した。次に、チャンバ内に水素ガスを60sccm、アルゴンガスを60sccmの流量で導入し、チャンバ内のガス圧を約533Paに制御した。次に、チャンバ内のステンレス鋼製の陽極板と基材の間に350Vの直流電圧を印加して放電を開始することにより、陽極板と基材の間にプラズマを発生させた。その後、チャンバ内に反応ガスとしてベンゼンガスを20ccm導入し、基材の裏面に炭素膜を成長させた。
以上のように、基材の表面にITO膜が形成され、基材の裏面に炭素膜が形成された試験体(すなわち、セパレータ)を形成した。次に、試験体をエチレングリコールと水を混合した50℃の溶液に浸漬し、その状態を1週間維持した。このように試験体をエチレングリコールを含む溶液に浸漬することで、炭素膜が冷媒(冷媒流路34内の冷媒)に曝されている状態を再現することができる。これによって、炭素膜の酸化による劣化を評価することができる。なお、溶液への浸漬では、ITO膜はほとんど劣化しない。
次に、溶液から試験体を取り出し、ITO膜の面抵抗R1と炭素膜の面抵抗R2を測定した。これらの面抵抗は、以下のようにして測定した。まず、試験体をGDLに相当するカーボンペーパ(厚さ0.5mm)に接触させて加圧した。この状態で、試験体とカーボンペーパの間に1Aの電流を流し、これらの間に印加される電圧を測定した。測定した電圧と電流、及び、接触面積から、面抵抗R1、R2を算出した。
図3の横軸は、ITO膜と基材の界面における酸化チタンの濃度C(atm%)を示している。なお、基材がチタンを含んでいるため、ITO膜を形成する際に、ITO膜と基材の界面に酸化チタンが形成される。図3の縦軸は、ITO膜に対してX線回折を行った場合に得られるX線回折ピークの半値幅W(°)を示している。図3のグラフ中のプロット点の形状は、ITO膜の面抵抗R1(より詳細には、ITO膜と基材の間の面抵抗)を示している。ドット形状のプロット点は、面抵抗R1が基準値Rref1以下であることを意味する。X形状のプロット点は、面抵抗R1が基準値Rref1よりも高いことを意味する。燃料電池スタック10の出力電圧Vを基準電圧Vref以上とするためには、面抵抗R1を基準値Rref1以下とする必要がある。
酸化チタンの濃度Cは、以下のように測定した。まず、オージェ電子分光分析装置(FE-AES装置)を用いたアルゴンイオンエッチングによって、試験体のITO膜を除去して基材を露出させた。アルゴンイオンエッチングの条件は、加速電圧2kV、フィラメント電流23mAとした。次に、露出させた基材の表面で、オージェ電子分光分析(AES分析)により酸化チタンの濃度Cを測定した。AES分析の条件は、加速電圧10kV、照射電流150nA、ビーム径100μmとした。
ITO膜のX線回折ピークの半値幅Wは、以下のように測定した。ITO膜に対してX線回折を行い、ITO膜の(2 2 2)面の回折ピーク(最強回折ピーク)の半値幅Wを測定した。Cu管球を使用し、測定条件は、電圧45kV、電流200mAとした。この測定条件では、ITO膜の(2 2 2)面の回折ピークは30.6°に現れた。
図3に示すように、面抵抗R1が基準値Rref1以下となるプロット点(ドット形状のプロット点)と面抵抗R1が基準値Rref1よりも高くなるプロット点(X形状のプロット点)の境界として、W=0.55-0.07・Cの関係式が得られた。すなわち、W<0.55-0.07・Cの関係を満たす場合に、面抵抗R1が基準値Rref1以下となる。図3の結果から、ITO膜と基材の界面における酸化チタンの濃度Cが低いほど面抵抗R1が低くなり、X線回折の半値幅Wが狭いほど面抵抗R1が低くなることが分かった。この結果は、以下のように考えられる。酸化チタンは絶縁性を有するので、ITO膜と基材の界面における酸化チタンの濃度Cが低いほど、面抵抗R1が低くなると考えられる。また、半値幅Wが狭いことはITO膜の結晶性が高いことを意味する。したがって、ITO膜の結晶性が高いほど(すなわち、半値幅Wが狭いほど)、面抵抗R1が低くなると考えられる。酸化チタンの濃度Cと面抵抗R1の関係と半値幅Wと面抵抗R1の関係が組み合わさることで、W<0.55-0.07・Cの場合に面抵抗R1が基準値Rref1以下となるものと考えられる。
以上に説明したように、W<0.55-0.07・Cの関係を満たすようにITO膜を形成することで、ITO膜の面抵抗R1を基準値Rref1以下とすることができる。すなわち、車幅によって燃料電池12の積層数が制限される場合であっても、W<0.55-0.07・Cの関係を満たすようにITO膜を形成することで、燃料電池スタック10の出力電圧Vを基準電圧Vref以上とすることができ、車両を好適に走行させることができる。
図4の横軸は、上述した実験において試験体を浸漬した溶液中におけるエチレングリコール濃度D(wt%)を示している。図4の縦軸は、炭素膜の面抵抗R2を示している。また、図5、6は、図4と同じ実験結果を示している。図5は、図4の横軸を、溶液中の溶存酸素濃度E(mg/l)に置き換えたグラフである。溶液中の溶存酸素濃度Eは、有機溶媒対応型の溶存酸素濃度メータを用いて測定した。図6は、図4の横軸を、溶液の粘度F(mPa・s)に置き換えたグラフである。溶液の粘度Fは、EMS(electro-magnetically spinning sphere)粘度計を用いて測定した。また、図4~6において、基準値Rref2は、面抵抗R2に対する基準値である。上述したように、実験において、炭素膜は溶液により酸化されて劣化する。図4~6の面抵抗R2は、劣化後の炭素膜の面抵抗である。燃料電池スタック10の出力電圧Vを基準電圧Vref以上とするためには、劣化後の炭素膜の面抵抗R2を基準値Rref2以下とする必要がある。
図4に示すように、エチレングリコール濃度Dが50wt%において炭素膜の面抵抗R2が最小となった。また、エチレングリコール濃度Dが40~60wt%の範囲内では面抵抗R2が基準値Rref2以下となった。
図4に示すように、エチレングリコール濃度Dが50wt%よりも高い範囲では、エチレングリコール濃度Dが高いほど面抵抗R2が高くなる。この結果は、以下のように考えられる。炭素膜がエチレングリコールを含む溶液(すなわち、冷媒流路34内の冷媒)に曝されると、炭素膜が酸化により劣化し、面抵抗R2が高くなる。図4、5に示すように、エチレングリコール濃度Dが高いほど、溶液中の溶存酸素濃度Eが高くなる。このため、エチレングリコール濃度Dが高いほど、炭素膜が速く酸化されると考えられる。この理由で、エチレングリコール濃度Dが50wt%よりも高い範囲では、エチレングリコール濃度Dが高いほど面抵抗R2が高くなると考えられる。図5に示すように、溶液(すなわち、冷媒流路34中の冷媒)の溶存酸素濃度Eが28mg/lを超えると、炭素膜の面抵抗R2が基準値Rref2を超える。
図4に示すように、エチレングリコール濃度Dが50wt%よりも低い範囲では、エチレングリコール濃度Dが低いほど面抵抗R2が高くなる。この結果は、以下のように考えられる。図4、6に示すように、エチレングリコール濃度Dが低いほど、溶液の粘度Fが低くなる。溶液の粘度Fが低いほど、溶液中で酸素原子が移動し易くなる。溶液中で酸素原子が移動し易くなるほど、炭素膜に供給される酸素原子が多くなり、炭素膜が速く酸化されると考えられる。この理由で、エチレングリコール濃度Dが50wt%よりも低い範囲では、エチレングリコール濃度Dが低いほど面抵抗R2が高くなると考えられる。図6に示すように、溶液(すなわち、冷媒流路34中の冷媒)の粘度Fが3mPa・sを下回ると、炭素膜の面抵抗R2が基準値Rref2を超える。
以上に説明したように、冷媒の溶存酸素濃度Eを28mg/l以下とし、冷媒の粘度Fを3mPa・s以上とすることで、炭素膜の酸化が抑制され、面抵抗R2を基準値Rref2以下に維持することができる。すなわち、車幅によって燃料電池12の積層数が制限される場合であっても、上記の条件を満たすことで、燃料電池スタック10の出力電圧Vを基準電圧Vref以上とすることができ、車両を好適に走行させることができる。
なお、上述した実施形態では、ITO膜の抵抗を低減する技術と、炭素膜の酸化を抑制する技術の両方を適用した電池スタックについて説明した。しかしながら、他の実施形態においては、ITO膜の抵抗を低減する技術と、炭素膜の酸化を抑制する技術のいずれか一方のみを採用してもよい。なお、炭素膜の酸化を抑制する技術のみを採用する場合には、基材はチタンを含まなくてもよい。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10 :燃料電池スタック
12 :燃料電池
21、22 :セパレータ
21a、22a:基材
21b、22b:ITO膜
21c、22c:炭素膜
24 :膜電極接合体
30 :燃料ガス流路
32 :酸化剤ガス流路
34 :冷媒流路

Claims (1)

  1. 燃料電池用のセパレータであって、
    チタンを含む金属によって構成されており、膜電極接合体側に配置される第1表面を有する基材と、
    前記第1表面を覆う酸化インジウムスズ膜と、
    を有し、
    前記基材と前記酸化インジウムスズ膜との界面に酸化チタンが形成されており、
    前記酸化インジウムスズ膜のX線回折における最強回折ピークの半値幅W(°)と、前記酸化チタンの濃度C(atm%)とが、
    W<0.55-0.07・C
    の関係を満たし、
    前記酸化チタンの濃度Cが、前記酸化インジウムスズ膜を除去して露出させた前記基材の表面で、オージェ電子分光分析により、加速電圧10kV、照射電流150nA、ビーム径100μmの条件で測定される濃度である、
    セパレータ。
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