JP7424323B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本開示は、燃料電池に関する。
燃料電池は、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んだ構造体を単セルとして複数備える。また、燃料電池は、ガス(水素、酸素等)の流路となる溝が形成されたセパレータ(バイポーラプレートとも呼ばれる)を介して前記単セルを複数個重ね合わせた積層体として構成される。燃料電池は、積層体あたりの単セルの数を増やすことで、出力を高くすることができる。
燃料電池セパレータは、発生した電流を冷却水が流れる面を介して隣のセルに流す役割も担っているため、高い導電性、すなわち低い接触抵抗が要求される。
このような要求を満たすべく、例えば、特許文献1には、セパレータを発電体の両面に配置した単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックであって、前記セパレータが、当該セパレータの一面側に形成された窒化チタン層と、当該窒化チタン層上に形成された導電性の炭素層と、を介して前記発電体と当接していると共に、当該セパレータの他面側に形成された窒化チタン層を介して、隣接する他の前記セパレータの他面側と当接している、ことを特徴とする燃料電池スタックが開示されている。
特開2016-201205号公報
ここで、燃料電池には、燃料電池の発電性能を高めるために、上述のように、使用するセパレータには、低い接触抵抗が求められているとともに、この低い接触抵抗が長期に亘って維持されるように優れた耐久性を有することも求められている。具体的には、燃料電池内には、使用時、塩化物イオンやフッ化物イオンを含む低pHの生成水(腐食性液)が発生するため、燃料電池に使用するセパレータには、低い初期接触抵抗に加えて、燃料電池の使用環境下でも接触抵抗の増加が可能な限り抑制されることが求められる。
しかしながら、上述の特許文献1に記載のセパレータにおいて、さらに低い接触抵抗を実現させようとして、炭素材料の含有量を多くすると、樹脂の含有量の低下に繋がり、膜の強度が低下して耐久性が低下してしまう。一方で、膜の強度を増加させようとして、樹脂の含有量を多くすると、今度は炭素材料の含有量の低下に繋がり、接触抵抗が増加してしまう。そのため、特許文献1に記載の技術では、優れた耐久性を確保しつつ、接触抵抗をさらに低減させることが困難であった。
そこで、本開示の目的は、優れた接触抵抗及び耐久性を併せ持つ燃料電池を提供することである。
本実施形態の態様例は以下の通りである。
(1)発電部及び該発電部の両面に配置されるセパレータから構成される単セルの積層体を備える燃料電池であって、
セパレータは、
金属基材と、
金属基材の発電部側の第一の面上に形成された、炭素からなるカーボン層と、
金属基材の第一の面と反対側の第二の面上に形成された、窒化チタンからなる窒化チタン層と、
を含む、燃料電池。
本実施形態により、優れた接触抵抗及び耐久性を併せ持つ燃料電池を提供することができる。具体的には、本実施形態において、セパレータの発電部側の第一の面上に、炭素からなるカーボン層が形成される。炭素からなるカーボン層は、膜強度が高いため優れた耐久性を有し、また、優れた導電性を有するためセパレータの接触抵抗を低減することができる。また、本実施形態に係る燃料電池において、セパレータの第一の面と反対側の第二の面(すなわち、隣接するセパレータ側の面)上に、窒化チタンからなる窒化チタン層が形成される。セパレータの表面に窒化チタン層を形成することにより、セパレータの表面を酸化し難くして酸化被膜の発生を抑制することができ、セパレータの接触抵抗の経時的な増大を抑制することができる。その結果、燃料電池の内部抵抗の経時的な増大を抑制することができる。
(2)金属基材とカーボン層との間に、チタンからなるチタン層を含む、(1)に記載の燃料電池。
金属基材(例えばステンレス基材)とチタン層の密着性及びチタン層とカーボン層の密着性は、それぞれ良好であるため、チタン層がカーボン層をステンレス基材により強固に結合することができ、その結果、カーボン層の膜強度のさらなる向上に繋がり、セパレータの接触抵抗の低減に寄与し得る。さらに、チタン層の有する耐食性が付加されることで、セパレータの耐食性を格段に向上させることができる。
(3)金属基材が、ステンレス基材である、(1)又は(2)に記載の燃料電池。
ステンレス基材は耐食性に優れる材料であるため、ステンレス基材を用いることで、セパレータの耐食性を格段に向上させることができる。また、ステンレス基材は強度が高いため、膜剥離が抑制され、その結果、金属溶出が抑制される。特に、ステンレス基材自体が有する耐食性に加えて、チタン層の有する耐食性が付加されることで、セパレータの耐食性を格段に向上させることができる。
(4)窒化チタン層の膜厚が、10nm~5μmである、(3)に記載の燃料電池。
窒化チタン層の膜厚が10nm~5μmの範囲内である場合、ステンレス基材の露出を抑制しつつ、窒化チタン層の膜剥離を低減することができ、また、抵抗が低いセパレータを得ることができる。
(5)窒化チタン層の膜厚が、10nm~3μmである、(4)に記載の燃料電池。
窒化チタン層の膜厚が10nm~3μmの範囲内である場合、ステンレス基材の露出を抑制しつつ、窒化チタン層の膜剥離を低減することができ、また、抵抗がさらに低いセパレータを得ることができる。
(6)カーボン層が、発電部と当接している、(1)~(5)のいずれか1つに記載の燃料電池。
カーボン層が発電部と当接していることにより、電流を効果的に流すことができる。
本開示により、優れた接触抵抗及び耐久性を併せ持つ燃料電池を提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池の構成例を説明するための模式的断面図である。 本実施形態に係る燃料電池に用いるセパレータの構成例を説明するための模式的断面図である。 本実施形態に係る燃料電池に用いるセパレータの構成例を説明するための模式的断面図である。 参考例における結果を示すグラフである。
本実施形態は、発電部及び該発電部の両面に配置されるセパレータから構成される単セルの積層体を備える燃料電池であって、セパレータは、金属基材と、金属基材の発電部側の第一の面上に形成された、炭素からなるカーボン層と、金属基材の第一の面と反対側の第二の面上に形成された、窒化チタンからなる窒化チタン層と、を含む、燃料電池である。
上述の通り、本実施形態により、優れた接触抵抗及び耐久性を併せ持つ燃料電池を提供することができる。具体的には、本実施形態において、セパレータの発電部側の第一の面上に炭素からなるカーボン層が形成される。炭素からなるカーボン層は、膜強度が高いため優れた耐久性を有し、また、優れた導電性を有するためセパレータの接触抵抗を低減することができる。また、本実施形態に係る燃料電池において、セパレータの第一の面と反対側の第二の面(すなわち、隣接するセパレータ側の面)上に、窒化チタンからなる窒化チタン層が形成される。セパレータの表面に窒化チタン層を形成することにより、セパレータの表面を酸化し難くして酸化被膜の発生を抑制することができ、セパレータの接触抵抗の経時的な増大を抑制することができる。その結果、燃料電池の内部抵抗の経時的な増大を抑制することができる。
以下、適宜図面を参照して、本実施形態に係る燃料電池について詳細に説明する。
本実施形態に係る燃料電池は、発電体と該発電体の両面に配置されるセパレータから構成される単セルの積層体を備える。複数の単セルは、積層方向に積層され、各単セルは電気的に直列に接続される。
図1は、本実施形態に係る燃料電池の構成例を説明するための模式的断面図であり、例示としての燃料電池100の要部の断面図である。図1に示すように、燃料電池100には、基本単位である単セル1が複数積層されている。各単セル1は、酸化剤ガス(例えば空気)と燃料ガス(例えば水素)との電気化学反応により起電力を発生する固体高分子型燃料電池である。単セル1は、ガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)7が両側に配置された膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)2と、MEGA2を区画するように、MEGA2に接触するセパレータ3とを備えている。なお、本実施形態では、MEGA2は、一対のセパレータ3、3により挟持されている。
MEGA2は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)4と、この両面に配置されたガス拡散層7、7とを含む。膜電極接合体4は、電解質膜5と、電解質膜5を挟むように接合された一対の電極6、6とから構成される。電解質膜5は、例えば、固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。電極6は、例えば、白金等の触媒を担持した多孔質のカーボン素材により形成される。電解質膜5の一方側に配置された電極6がアノードとして機能し、他方側の電極6がカソードとして機能する。ガス拡散層7は、ガス透過性を有する導電性部材によって形成される。ガス透過性を有する導電性部材としては、例えば、カーボンペーパ若しくはカーボンクロス等のカーボン多孔質体、又は金属メッシュ若しくは発泡金属等の金属多孔質体等が挙げられる。
MEGA2は、燃料電池100の発電部であり、セパレータ3は、MEGA2のガス拡散層7に接触している。また、ガス拡散層7が存在しない場合には、膜電極接合体4が発電部であり、この場合には、セパレータ3は、膜電極接合体4に接触している。したがって、燃料電池100の発電部は、膜電極接合体4を含むものであり、セパレータ3に接触する。
セパレータ3は、基材として金属基材(例えばステンレス基材)を有する板状の部材である。金属基材は、導電性やガス不透過性等に優れている。図1において、セパレータ3の発電部側の面(第一の面)がMEGA2のガス拡散層7と当接し、他方の面(第一の面と反対側の面)が隣接する他のセパレータ3と当接している。
図1において、各セパレータ3は、波形に形成されている。セパレータ3の形状は、波の形状が等脚台形をなし、かつ波の頂部が平坦で、この頂部の両端が等しい角度をなして角張っている。つまり、各セパレータ3は、表側から見ても裏側から見ても、ほぼ同じ形状である。MEGA2の一方のガス拡散層7には、セパレータ3の頂部が面接触し、MEGA2の他方のガス拡散層7には、セパレータ3の頂部が面接触している。
一方の電極(すなわちアノード)6側のガス拡散層7とセパレータ3との間に画成されるガス流路21は、燃料ガスが流通する流路であり、他方の電極(すなわちカソード)6側のガス拡散層7とセパレータ3との間に画成されるガス流路22は、酸化剤ガスが流通する流路である。セル1を介して対向する一方のガス流路21に燃料ガスが供給され、ガス流路22に酸化剤ガスが供給されると、セル1内で電気化学反応が生じて起電力が生じる。
さらに、あるセル1と、それに隣接するもう一つのセル1とは、アノードとなる電極6とカソードとなる電極6とを向き合わせて配置されている。また、あるセル1のアノードとなる電極6に沿って配置されたセパレータ3の背面側の頂部と、もう一つのセル1のカソードとなる電極6に沿って配置されたセパレータ3の背面側の頂部とが、面接触している。隣接する2つのセル1間で面接触するセパレータ3、3の間に画成される空間(冷却剤流路)23には、セル1を冷却する冷媒(例えば水)が流通する。
図2は、セパレータ1000の構成を説明するためのセパレータの一部を拡大して示す模式的断面図である。セパレータ1000において、金属基材としてのステンレス基材110の第一の面(すなわち発電部側の面)10a上に炭素からなるカーボン層112が形成されている。また、セパレータ1000の第一の面10aと反対側の第二の面(すなわち、隣接するセパレータ側の面)10b上に、窒化チタンからなる窒化チタン層113が形成されている。
図3は、セパレータ2000の構成を説明するためのセパレータの一部を拡大して示す模式的断面図である。セパレータ2000において、金属基材としてのステンレス基材210の第一の面(すなわち発電部側の面)10a上にチタンからなるチタン層211が形成されており、チタン層211の上に炭素からなるカーボン層212が形成されている。また、セパレータ2000の第一の面10aと反対側の第二の面(すなわち、隣接するセパレータ側の面)10b上に、窒化チタンからなる窒化チタン層213が形成されている。
図3に示すように、本実施形態において、上述の通り、セパレータの発電部側の第一の面上にチタンからなるチタン層を形成してもよい。チタン層は、カーボン層及び金属基材に接して形成されることが好ましい。金属基材(例えばステンレス基材)とチタン層の密着性及びチタン層とカーボン層の密着性は、それぞれ良好であるため、チタン層がカーボン層を金属基材(例えばステンレス基材)により強固に結合することができ、その結果、カーボン層の膜強度のさらなる向上に繋がり、セパレータの接触抵抗の低減に寄与し得る。さらに、金属基材(例えばステンレス基材)自体が有する耐食性に加えて、チタン層の有する耐食性が付加されることで、セパレータの耐食性を格段に向上させることができる。
本実施形態において、発電部はガス拡散層を含むことが好ましく、また、セパレータのカーボン層は、発電部としてのMEGAのガス拡散層に接触していることが好ましい。
金属基材は、導電性やガス不透過性等に優れている。金属基材としては、ステンレス基材が好ましい。ステンレス基材としては、特に制限されるものではないが、例えば、オーステナイト系、フェライト系、オーステナイト・フェライト二相系、マルテンサイト系、又は析出硬化系等が挙げられる。
金属基材の厚さは、加工容易性、機械的強度、並びにセパレータの薄膜化による電池エネルギー密度の向上等の観点を考慮して適宜選択されるが、例えば、0.05mm~1mmである。厚さがこの範囲であると、セパレータの軽量化及び薄型化の要求を満足し易く、基材としての強度及びハンドリング性を備える。そのため、基材をセパレータの形状にプレス加工することが比較的容易となる。基材の形状は、コイル状に巻かれた長尺帯状であってもよく、所定の寸法に切断された枚葉紙状であってもよい。
上述の通り、セパレータの発電部側の第一の面上にチタンからなるチタン層を形成してもよい。チタン層は、チタンからなる中間層である。チタン層は、金属基材(例えばステンレス基材)上に直接的に、すなわち、金属基材と接して形成されていることが好ましい。
チタン層の膜厚は、特に制限されるものではないが、例えば、1nm~5μmであり、好ましくは3nm~3μm、好ましくは5nm~1μm、好ましくは10nm~500nmであり、好ましくは30nm~300nmである。これらの数値範囲の上限値及び/又は下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
チタン層は、実質的に純チタンから構成されることが好ましい。チタンは、金属(例えばステンレス)や炭素と強固に結合することができ、また、優れた耐食性を有する。
カーボン層は、炭素からなり、結晶構造及び/又はアモルファス構造から構成され、多結晶グラファイト構造を含み得る。カーボン層は、金属基材又はチタン層の上に、直接的に、すなわち、金属基材又はチタン層と接して形成されていることが好ましい。カーボン層は、セパレータの最上層であることが好ましい。カーボン層は、樹脂等の他の材料を実質的に含まない。
カーボン層の膜厚は、特に制限されるものではないが、例えば、1nm~5μmであり、好ましくは5nm~3μmであり、好ましくは10nm~1μmであり、好ましくは15nm~500nmであり、好ましくは20nm~200nmである。これらの数値範囲の上限値及び/又は下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
本実施形態に係る燃料電池において、上述の通り、セパレータの第一の面と反対側の第二の面(すなわち、隣接するセパレータ側の面)上に、窒化チタンからなる窒化チタン層が形成される。セパレータの表面に窒化チタン層を形成することにより、金属基材(例えばステンレス基材)からの鉄等の金属イオンの溶出を抑制することができる。また、セパレータの表面に窒化チタン層を形成することにより、セパレータの表面を酸化し難くして酸化被膜の発生を抑制することができ、セパレータの接触抵抗の経時的な増大を抑制することができる。その結果、燃料電池の内部抵抗の経時的な増大を抑制することができる。
窒化チタン層の膜厚は、特に制限されるものではない。窒化チタン層の膜厚は、好ましくは10nm~5μmであり、好ましくは10nm~3μmであり、好ましくは10nm~1μmであり、好ましくは15nm~500nmであり、好ましくは20nm~400nmであり、好ましくは30nm~300nmである。これらの数値範囲の上限値及び/又は下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
本実施形態において、隣接するセパレータ同士がそれぞれの第二の面上に形成された窒化チタン層を介して当接していることが好ましい。
窒化チタン層と金属基材(例えばステンレス基材)との間に中間層としてチタン層を形成してもよい。チタン層を中間層として形成することにより、窒化チタン層を金属基材(例えばステンレス基材)により強固に結合させることができ、その結果、セパレータの耐久性をより向上することができる。
チタン層、カーボン層、及び窒化チタン層の成膜方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、スパッタリング法若しくはイオンプレーティング法等の物理気相成長(PVD)法、又はフィルタードカソーディックバキュームアーク(FCVA)法等のイオンビーム蒸着法等が挙げられる。なかでも、スパッタリング法又はイオンプレーティング法を用いることが好ましい。スパッタリング法としては、マグネトロンスパッタリング法、アンバランスドマグネトロンスパッタリング(UBMS)法、デュアルマグネトロンスパッタ法、又はECRスパッタリング法等が挙げられる。また、イオンプレーティング法としては、アークイオンプレーティング法等が挙げられる。特にカーボン層の成膜には、イオンプレーティング法を用いることが好ましく、アークイオンプレーティング法を用いることが好ましい。これらの手法によれば、水素含有量の少ないカーボン層を形成することができる。その結果、炭素原子同士の結合(sp2混成炭素)の割合を増加させることができ、優れた導電性が達成され得る。
また、スパッタリング法において、バイアス電圧等を制御することで得られる膜質を制御することもできる。スパッタリング法により層を成膜する場合、スパッタリング時に基材に対して負のバイアス電圧を印加してもよい。これにより、層を緻密に形成でき、耐腐食性を高めることができる。カーボン層の成膜時に印加される負のバイアス電圧の大きさは、特に制限されるものではないが、例えば、5~75Vであり、10~50V、又は15~40Vである。
本実施形態に係る燃料電池に用いるセパレータは、チタン層、カーボン層、及び窒化チタン層をすべて物理気相成長(PVD)法により成膜することができる。各層をすべてPVD法により成膜することにより、製造工程を簡略化することができる。また、PVD法で形成したカーボン層は強固であり、膜破壊や膜剥離が発生し難いという利点も有する。
燃料電池における電解質膜として、例えば、フッ素系電解質樹脂を含む固体電解質膜が挙げられる。フッ素系電解質樹脂としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系ポリマー等が挙げられ、具体的には、ナフィオン(商品名、デュポン社製)、フレミオン(商品名、旭硝子社製)、アシプレックス(商品名、旭化成社製)等を挙げることができる。これらのなかでも、プロトン導電性に優れるため、ナフィオン(商品名、デュポン社製)を好適に用いることができる。
燃料電池は、特に制限されるものではないが、例えば、燃料電池車に搭載される電池として応用することができる。
以下に、本実施形態について実施例を用いて説明する。
[実施例1]
基材として、流路形状が形成されたステンレス基材(SUS304)を用意した。そして、PVD成膜装置を使用し、ステンレス基材の第一の面上にチタン層及びカーボン層を順次形成した。具体的には、まず、ステンレス基材を装置の反応容器内に配置した後、反応容器内を真空にし、内部ヒーターにて昇温させた(チャンバ内温度:150℃)。次に、プラズマ化したArガスでスパッタに使用する純Tiカソードターゲットをエッチング(クリーニング)した。また、ステンレス基材の表面に存在する不動態を除去するために、プラズマ化したArガスでステンレス基材をエッチングした。次に、上述の純Tiカソードターゲットを用い、チタン層をアンバランスドマグネトロンスパッタリング(UBMS)法により成膜した(膜厚:100nm)。次に、高純度ta-C原料を用いて、カーボン層をアークイオンプレーティング(AIP)法により成膜した(膜厚:50nm)。
次に、PVD成膜装置を使用し、ステンレス基材の第二の面上に窒化チタン層を形成した。具体的には、基材を装置の反応容器内に配置した後、反応容器内を真空にし、内部ヒーターにて昇温させた。次に、プラズマ化したArガスでスパッタに使用するTiNカソードターゲットをエッチング(クリーニング)した。また、ステンレス基材の表面に存在する不動態を除去するために、プラズマ化したArガスでステンレス基材をエッチングした。次に、上述のTiNカソードターゲットを用い、窒化チタン層をアンバランスドマグネトロンスパッタリング(UBMS)法により成膜した(膜厚:100nm)。
以上の工程により、第一の面上にチタン層及びカーボン層、第二の面上に窒化チタン層を有するセパレータE1を得た。
セパレータE1のカーボン層と発電部との界面における接触抵抗の試験は、セパレータE1のカーボン層上にガス拡散層としてのカーボンペーパを載せて積層方向に1MPaの一定の圧縮荷重を加えた状態で、1Aの電流を流したときのカーボンペーパ及びセパレータの間に印加される電圧を測定することで行った。その結果、セパレータE1のカーボン層と発電部との界面における接触抵抗は、1.2mΩ・cmであった。この値は、特許文献1の実施例で記載される接触抵抗の結果(4~5mΩ・cm)よりも低く、それゆえ、本実施形態のセパレータは優れた導電性を有することが確認された。
また、隣接するセパレータ間の界面における接触抵抗の試験は、それぞれの窒化チタン層が対向するように2枚のセパレータE1を重ね合わせて積層方向に1MPaの一定の圧縮荷重を加えた状態で、1Aの電流を流したときのセパレータ間に印加される電圧を測定することで行った。その結果、隣接するセパレータ間の界面における接触抵抗は、1.8mΩ・cmであった。
[参考例]
PVD成膜装置を使用し、ステンレス基材(SUS304、厚さ:100μm)上に窒化チタン層を形成した。具体的には、ステンレス基材を装置の反応容器内に配置した後、反応容器内を真空にし、内部ヒーターにて昇温させた。次に、プラズマ化したArガスでスパッタに使用するTiNカソードターゲットをエッチング(クリーニング)した。また、ステンレス基材の表面に存在する不動態を除去するために、プラズマ化したArガスでステンレス基材をエッチングした。次に、上述のTiNカソードターゲットを用い、窒化チタン層をアンバランスドマグネトロンスパッタリング(UBMS)法により成膜した(膜厚:100nm)。
なお、その他の条件は以下の通りに設定した。
反応容器内温度:150℃
真空度:0.3Pa
Ar流量:200sccm
基板の負のバイアス電圧:75V
基板のバイアス種:PLS
ターゲットのバイアス種:DC
Tiカソード出力:6kW
UBMコイル電流:2A
公転速度:5rpm
成膜時間を調整し、それぞれ5、10、20、30、70、120、180、1000、3000、5000又は10000nmの膜厚を有する窒化チタン層をステンレス基材上に形成した。なお、本参考例ではTiN固体ターゲットを用いたが、純Tiターゲットを使用して窒素ガスを導入しながら成膜を行う反応性スパッタリング法により窒化チタン層を形成してもよい。
隣接するセパレータ間の界面における接触抵抗の試験は、それぞれの窒化チタン層が対向するように2枚の基材を重ね合わせて積層方向に1MPaの一定の圧縮荷重を加えた状態で、1Aの電流を流したときのセパレータ間に印加される電圧を測定することで行った。結果を表1及び図4に示す。
Figure 0007424323000001
表1及び図4に示されるように、窒化チタン層が10nm~5μm、好ましくは10nm~3μmである場合、さらに低い接触抵抗を得ることができることが理解される。
本明細書中に記載した数値範囲の上限値及び/又は下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。例えば、数値範囲の上限値及び下限値を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができ、数値範囲の上限値同士を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができ、また、数値範囲の下限値同士を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
以上、本実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本開示に含まれるものである。
1:セル
2:MEGA
3:セパレータ
4:膜電極接合体(MEA)
5:電解質膜
6:電極
7:ガス拡散層
21:ガス流路
22:ガス流路
23:冷却剤流路
100:燃料電池
10a:第一の面
10b:第二の面
11:チタン層
12:カーボン層
13:窒化チタン層

Claims (2)

  1. 発電部及び該発電部の両面に配置されるセパレータから構成される単セルの積層体を備える燃料電池であって、
    セパレータは、
    ステンレス基材と、
    ステンレス基材の発電部側の第一の面上に形成された、炭素からなるカーボン層と、
    ステンレス基材の第一の面と反対側の第二の面上に形成された、窒化チタンからなる窒化チタン層と、
    を含
    ステンレス基材とカーボン層との間に、チタンからなるチタン層をさらに含み、
    カーボン層は、多結晶グラファイト構造を含み、
    窒化チタン層の膜厚が、10nm~3μmであり、
    カーボン層が、発電部と当接している、燃料電池。
  2. チタン層が、柱状構造を含まない、請求項1に記載の燃料電池。
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