JP7430090B2 - 分散化した結晶セルロース及びその製造方法 - Google Patents

分散化した結晶セルロース及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7430090B2
JP7430090B2 JP2020053557A JP2020053557A JP7430090B2 JP 7430090 B2 JP7430090 B2 JP 7430090B2 JP 2020053557 A JP2020053557 A JP 2020053557A JP 2020053557 A JP2020053557 A JP 2020053557A JP 7430090 B2 JP7430090 B2 JP 7430090B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystalline cellulose
dispersed
animal
cellulose
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020053557A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021151214A (ja
Inventor
匠 奥田
講平 山内
大河 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Foods Holdings Co Ltd
Original Assignee
Nissin Foods Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Foods Holdings Co Ltd filed Critical Nissin Foods Holdings Co Ltd
Priority to JP2020053557A priority Critical patent/JP7430090B2/ja
Publication of JP2021151214A publication Critical patent/JP2021151214A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7430090B2 publication Critical patent/JP7430090B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Description

本発明は分散化した結晶セルロース及びその製造方法に関する。
現在、市場には多くの食品が流通している。食品の中には、時間経過とともに、成分が分離しやすいものがある。特に、水分と油分の混合物である乳化物は時間経過とともに分離しやすい。そこで、乳化物については、乳化剤を用いたり、さらに機械的に強制乳化を行ったりしている。乳化剤や強制乳化を行うことによって、分離しづらく、しかも乳化状態を安定化させることができる。また、乳化状態をより安定的に保つために、セルロースを用いることもある。
ここで、セルロースは植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分であり、分子式(C10 で表される炭水化物(多糖類)である。セルロースは、食品添加物として認可されており、増粘、ゲル化、気泡安定化、加熱調理時の型崩れ防止、食品の安定剤、医薬用のフィルムコーティング、顆粒のバインダー(結合剤)、有効成分の持続性放出用基剤等として用いられている。
食品・医薬分野において用いられているセルロースには様々な種類のものが存在している。例えば、環状セルロース、発酵セルロース、結晶セルロース等がある。このうち、結晶セルロースは、粉体グレードやコロイダルグレード等といった形状がある。粉体グレードは、結晶セルロース単独からなる微細な空隙を有する素材で、被添加物に対して粘着性のない保水性・保油性を付与する機能を備える。一方、コロイダルグレードは、セルロースをより細かく分解したものと水溶性高分子との混合物である。比較的分子量が小さく、溶液中で強く撹拌することで結晶セルロース分子がコロイド状に分散することが知られている。また、粘度が低く、食感への影響もほとんどない。さらに、溶液中に分散した結晶セルロースが乳脂の分離を抑制することも知られている(特許文献1参照)。これは溶液中にコロイド状に分散した結晶セルロースが網目状構造を形成しているためではないかと考えられる。
特開平9-313145号公報
ところで、結晶セルロースが溶液中で網目状構造を形成するためには、凝集している結晶セルロースを溶液中で分散化させる必要がある。結晶セルロースを分散化させるためには、溶液に添加し、かつ、激しく攪拌することが必要となる。そのため、溶液に結晶セルロースを添加しただけでは網目状構造を得ることはできない。また、結晶セルロースを一度分散させた溶液を乾燥しても、分散化した結晶セルロースとはならず、再び凝集してしまう。そのため、事前に結晶セルロースを分散させた溶液形態でないと使用できず、非常に使い勝手が悪いという問題が存在する。
そこで、本発明者等は、溶液以外の形態で、しかも溶液中に添加しただけで網目状構造が得られる方法がないか検討を行った。そして、結晶セルロースを分散させた溶液に動植物性タンパクを添加して噴霧乾燥すると、凝集していない結晶セルロースが得られ、しかも、溶液に添加するだけで網目状構造を形成することを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題解決のため、本発明は、分散化した結晶セルロースの製造方法であって、結晶セルロースを動植物性タンパクとともに水に溶解させる溶解工程と、前記溶解工程で得られた水溶液を噴霧乾燥する乾燥工程と、からなる、分散化した結晶セルロースの製造方法を提供する。
かかる構成によれば、動植物性タンパクとともに溶解した後、噴霧乾燥することで、分散した状態の結晶セルロースを得ることができる。
上記課題解決のため、本発明は、動植物性タンパク質と溶解後、噴霧乾燥させることで得られる、分散化した結晶セルロースを提供する。
かかる構成によれば、固体の状態でも凝集していない、分散化した結晶セルロースを得ることができる。
本発明によれば、溶液以外の形態でも分散化した結晶セルロースを得ることができるため、溶液に添加しただけで結晶セルロースによる網目状構造を形成することができる。また、結晶セルロースが網目状構造を形成することで、強制乳化していなくても、溶液中に含まれる乳化物の分離を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。
本発明における結晶セルロースとは、セルロース分子鎖が緻密かつ規則的に存在する部分を取り出して精製したものであり、特に凝集しやすい結晶セルロースを意味する。なお、セルロース系物質とは、セルロースを含有する天然由来の水不溶性繊維質物質である。原料としては、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等が挙げられる。原料として、これらのうち1種の天然セルロース系物質を使用しても、2種以上を混合したものを使用してもよい。また、必要に応じて、その他の水溶性高分子と混合してもよい。
本実施形態において、動植物性タンパクとは、牛、豚、鶏などの畜肉類、魚類、乳、卵などに由来する動物性タンパク質やその分解ペプチド、動物性エキス、大豆、小麦、トウモロコシ、えんどう豆などに由来する植物性タンパク質やその分解ペプチドを意味する。このうち、動物性原料から抽出した動物性エキスや、植物性タンパク質が好ましい。
さらに、本発明においては、結晶セルロース及び動植物性タンパク以外に、粉末化適性の観点から必要に応じてデキストリンなどを加えてもよい。
<分散化した結晶セルロースの製造方法>
分散化した結晶セルロースの製造方法について説明する。まず、水に対して凝集した結晶セルロースを添加する。添加する結晶セルロースの量は、粘度に応じて適宜設定すればよい。結晶セルロースは水に対して一度に加えてもよいし、複数回に分けて加えてもよい。そして、結晶セルロースが水中に均一に分散するまでブレンダーなどの既存の方法を用いて激しく攪拌する。
次に、動植物性タンパクを添加した。この時、添加する動植物性タンパクの量としては、最終固形分重量に対して25%程度となるように添加することが好ましい。また、動植物性タンパクは水溶液に対して一度に加えてもよいし、複数回に分けて加えてもよい。そして、動植物性タンパクが水溶液中に均一に分散するまで再度攪拌する。
続いて、結晶セルロース及び動植物性タンパクが分散した水溶液を乾燥させる。乾燥方法としては特に制限はなく既存の乾燥方法を用いることができるが、噴霧乾燥が特に好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明の特性は、以下の方法により評価した。
まず、結晶セルロース(商品名『セオラスDX-3』:旭化成社製)30gを90℃の湯160mlに添加し、ブレンダーを使って8,000rpmで5分間よく攪拌した。次に、表1に基づいて動植物性タンパクを固形分換算で10g添加し、再びブレンダーを用いてよく攪拌した。次に、結晶セルロース及び動植物性タンパクを分散させた水溶液をスプレードライヤーにて、乾燥温度170℃、ブロワー65m/min、噴霧圧10×10kPaの条件下で噴霧乾燥を行うことで、各サンプルを得た。なお、動物性タンパク質としてゼラチンとポークエキスを、植物性タンパク質として分離大豆タンパクと醤油を用いた。また、動植物性タンパクを加えず噴霧乾燥した結晶セルロースに対して、動植物性タンパクを後添加したものを参考例とした。さらに、各試験例の塩分量を揃えるため、適宜塩を添加してから噴霧乾燥を行った。
Figure 0007430090000001

<噴霧乾燥後の結晶セルロースを水に添加した場合に、網目状構造を形成しているかの確認>
各サンプルを水に添加した場合に、結晶セルロースが網目状構造を形成するか否かについては、次のようにして確認を行った。噴霧乾燥したサンプルを結晶セルロースが固形分換算で1.0%以上になるようお湯に希釈し、沈殿の有無を確認した。結晶セルロースが網目状構造を形成していない場合、水に添加した結晶セルロースは時間とともに沈殿していく。一方、結晶セルロースが網目構造を形成している場合には、沈殿しない。まず、湯98ml入った容器に対して、いずれかのサンプルを2g添加した。次に、スプーンで攪拌し、各サンプルを水の中で均一分散させた。その後、室温で30分間静置し、水溶液の状況を確認した。結果を表2に示す。
Figure 0007430090000002

表2に示すように、試験例1~4は30分間静置しても沈殿が生じなかった。これに対して、比較例と参考例では沈殿が生じていた。このことより、いったん水溶液中に分散させた結晶セルロースに対して動植物性タンパクを添加してから噴霧乾燥を行うことで、本来凝集するはずの結晶セルロースを動植物性タンパクが阻害し、分散した形状にすることができたものと思われる。本発明で得られる分散化した結晶セルロースは、水に加えるだけで、簡単に結晶セルロースに網目状構造をとらせることができる。つまり、粉末スープなどに混ぜて使用することも可能となる。また、分散化した結晶セルロース構造が網目状構造を取ることで、例えばスープなどに含まれる乳化物の分離を防ぐことができる。これにより、乳化物特有の風味を維持することができる。

Claims (1)

  1. 分散化した結晶セルロースの製造方法であって、
    コロイダルグレードの結晶セルロースを動植物性タンパクとともに水に溶解させる溶解工程と、
    前記溶解工程で得られた水溶液を噴霧乾燥する乾燥工程と、
    からなる、スープ用の分散化した結晶セルロースの製造方法。
JP2020053557A 2020-03-25 2020-03-25 分散化した結晶セルロース及びその製造方法 Active JP7430090B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020053557A JP7430090B2 (ja) 2020-03-25 2020-03-25 分散化した結晶セルロース及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020053557A JP7430090B2 (ja) 2020-03-25 2020-03-25 分散化した結晶セルロース及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021151214A JP2021151214A (ja) 2021-09-30
JP7430090B2 true JP7430090B2 (ja) 2024-02-09

Family

ID=77886269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020053557A Active JP7430090B2 (ja) 2020-03-25 2020-03-25 分散化した結晶セルロース及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7430090B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011193880A (ja) 2011-06-10 2011-10-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 易分散安定剤

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3573058A (en) * 1967-01-30 1971-03-30 Swift & Co Microcrystalline cellulose compositions co-dried with hydrocolloids
BR9007399A (pt) * 1989-05-26 1992-04-28 Fmc Corp Composicao,processo para sua preparacao,processo para preparacao de particulas fibrosas e particulas fibrosas
JPH0856608A (ja) * 1994-08-23 1996-03-05 Takeda Shokuhin Kogyo Kk 粉末マヨネーズ様調味料およびその製造法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011193880A (ja) 2011-06-10 2011-10-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 易分散安定剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021151214A (ja) 2021-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cornelia et al. The utilization of extract durian (Durio zibethinus L.) seed gum as an emulsifier in vegan mayonnaise
CN112544776B (zh) 一种绿豆蛋白复合改性及绿豆蛋白基模拟蛋液的制备方法
CN107252082A (zh) 纤维素组合物
JP5955147B2 (ja) ゲル化剤
CN103237454A (zh) 肉制品
CN102960772A (zh) 一种速溶蛋黄粉及其制备方法
CN1852660A (zh) 水包油型乳化组合物
JP4484931B2 (ja) 乳化組成物及びその調製方法
JP2009065836A (ja) 液卵組成物及び卵加工食品
EP3291690B1 (en) Feed composition
JP7430090B2 (ja) 分散化した結晶セルロース及びその製造方法
US5374441A (en) Heat stable fat substitute compositions and process
CN101340820A (zh) 食品及其制备方法
Cai et al. Carboxymethyl cellulose/okara protein influencing microstructure, rheological properties and stability of O/W emulsions
JPH11302448A (ja) セルロース複合体
Moll et al. Solidification of concentrated pea protein–pectin mixtures as potential binder
CN102972798A (zh) 一种速溶蛋黄粉及其制备方法
JP2007267704A (ja) 冷凍卵加工食品
JP6588755B2 (ja) ピックル液
JP2006014629A (ja) 粉末油脂組成物
JP5644211B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品
JP2004041011A (ja) 肉質改良材及びそれを用いた肉質の改良方法
KR101414460B1 (ko) 키토올리고당을 포함하는 마요네즈 및 그 제조방법
JP2001302694A (ja) タンパク質及び/又は糖質の改質方法
JP2016136888A (ja) 固体状または液体状の調味料を含有する肉加工食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230704

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7430090

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150