JP7427721B2 - クロマトグラフィーデータ解析のための方法およびシステム - Google Patents

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Description

本開示の態様は概して、クロマトグラフィーシステムおよび方法に関し、特に、例えばクロマトグラフィーシステムのインプロセス監視および制御を目的としたクロマトグラフィーデータ解析のための方法およびシステムの実施形態に関する。
充填床クロマトグラフィープロセスは生物学的薬剤製品の製造において重要な役割を果たしている。タンパク質のような多くの活性生物製剤は、薬剤製品に使用するために充填床クロマトグラフィーを用いて精製される。従って、クロマトグラフィーカラム操作は、製造重要プロセスパラメータ(manufacturing critical process parameters:CPP)および重要品質特性(critical quality attributes:CQA)に有意な影響を有し得る。さらに、生物製剤の複雑さおよび大きさは、例えば小分子と比べて、生物学的品質および純度の解析を相対的により困難にし得る。よって、インプロセス制御によるクロマトグラフィープロセスおよび装置の品質、一貫性、および完全性の監視は、製品品質が何らかの適用可能な規格(例えば政府規制)を満たすことを保証するために重要である。
一般に、カラムの完全性は、カラムの固定相(例えば樹脂)を通る移動相の均一な栓流によって判定することができる。カラムの完全性の喪失の例としては、例えば、チャネリング、ヘッドスペース、流れの汚染領域などの兆候が挙げられ得る。チャネリングはとりわけ、移動相が固定相と接触することなく、カラム入口からカラムの出口に向かって若干の距離を移動することができる場合に生じ得る。ヘッドスペースはとりわけ、移動相の非栓流を可能にする側方区域がカラム中に形成される場合を指し得る。流れの汚染領域は、入口または出口のフリット面上または樹脂細孔上の汚れまたは他の残渣を含み得る。
クロマトグラフィーカラムの性能および完全性を監視するためのいくつかの技術が存在する。理論段相当高さ(height equivalent of a theoretical plate:HETP)を測定するためのパルスインジェクション法のようないくつかの技術は、特別の調製が必要な緩衝液を要する。パルスインジェクション技術は一般に、通常プロセスの他にクロマトグラフィー装置およびカラムの操作を必要とし、プロセス時間および労働の増大をもたらす。他の技術としては、通常の生産の一部としての重要パラメータ(例えばステップ収率、プレプール量、およびロード中の最高光学濃度)の監視が挙げられる。しかしながら、これらのパラメータに対して警報限界を設定することは困難かつ不正確であり、誤報または過度に広い限界を生じてしまうことがある。
正確かつ精密であってプロセスへの支障を最小限にした、カラムの性能および完全性を測定および管理するための方法、システム、およびプロセスが必要とされている。さらにクロマトグラフィーカラム間、クロマトグラフィーカラムサイクル間、および/またはクロマトグラフィーを受ける所与の生成物の生産ロット間における本質的な差異のために、特定の1つ以上のカラム、特定の1つ以上のサイクル、および/または特定の1つ以上の生成物のロットに対するカラムの性能および完全性の解析をカスタマイズするための方法、システム、およびプロセスが必要とされている。最後に、最小限の廃棄物および費用でカラムの完全性および性能に関する問題を早期に特定して修正することができるように、そのような解析を用いる正確なインプロセス制御、並びにそのような制御からの逸脱に応答する方法およびシステムが必要とされている。
本開示の実施形態はプロセス制御方法に関し得る。前記方法は、複数の信号を含んだクロマトグラフィー生データを受け取るステップであって、前記複数の信号の各々が複数のブロックのうちの1つに関連付けられている、ステップと、前記クロマトグラフィー生データから第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを選択することによりデータサブセットを得るステップと、前記データサブセットにノイズ低減技術を適用することにより、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するステップと、前記処理済みのクロマトグラフィーデータに対して遷移解析を実施することにより遷移データを生成するステップと、前記遷移データに基づいて動作を実施するステップとを含む。
いくつかの実施形態において、前記方法は、クロマトグラフィーカラムの運転を行うステップをさらに含んでもよく、前記クロマトグラフィー生データは前記クロマトグラフィーカラムの運転から受け取られ得る。他の実施形態において、前記クロマトグラフィー生データはクロマトグラフィープロセススキッドから受け取られてもよい。さらにさらなる実施形態において、前記複数のブロックの各々はクロマトグラフィープロセスにおける1つの工程に対応してもよい。さらなる実施形態において、選択された前記組み合わせは、第1のブロックと、第1の信号と、前記複数の信号のうちの第2の信号とを含み得る。
さらにさらなる実施形態において、前記方法はまた、複数の選択基準を定義するプロファイルに従って、前記第1のブロックおよび前記第1の信号の組み合わせを選択するステップも含み得る。いくつかの実施形態において、前記複数の選択基準は、複数のブロックが規則的なクロマトグラフィーサイクル間隔で生じるかどうか、前記複数の信号のうちの1つが検出器を飽和させる程度、前記複数の信号が明確なレベルで定常期(stationary phase)に近づく程度、前記複数の信号における変化の大きさ、および/または遷移期の間に前記複数の信号によって示される変曲点の数を含み得る。
いくつかの実施形態において、前記第1のブロックおよび前記第1の信号の組み合わせを選択するステップは、第一位のブロックおよび信号の組み合わせを選択することを含んでもよく、また前記方法は、第二位のブロックおよび信号の組み合わせを選択するステップをさらに含んでもよい。さらなる実施形態において、前記ノイズ低減技術は、所定の設定値を用いて解析するために前記データサブセットのうちの一部分を選択することと、マグニチュード偏差(magnitude bias)を防止するために前記一部分を正規化することと、前記一部分に対して少なくとも1つの平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することと、前記一部分を動的信号エラーについて解析することとを含み得る。さらにさらなる実施形態において、前記方法は、クロマトグラム遷移(chromatogram transition)の特徴に適合する平滑化データを選択するステップをさらに含み、前記特徴は、誘導時間(derivative duration)、最大強度、開始からの継続時間、または予想されるバックグラウンドセンサーノイズのうちの1つを含む。さらにさらなる実施形態において、前記遷移解析は、前記処理済みのクロマトグラフィーデータを用いて曲線を生成することと、前記曲線を解析して性能パラメータを生成することとを含み得る。
いくつかの実施形態において、前記方法は、前記遷移データに基づいて個別管理図(Individual chart)、移動範囲管理図(Moving Range chart)、または範囲管理図(Range chart)を生成するステップと、前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用することにより性能データを生成するステップとをさらに含んでもよく、前記遷移データに基づいて動作を実施するステップは、前記性能データに基づいて動作を実施することを含み得る。いくつかの実施形態において、統計的プロセス制御を適用するステップは、多変量データ解析または主成分解析のうちの一方を実施することを含み得る。いくつかの実施形態において、前記性能データに基づいて動作を実施するステップは、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または逸脱通知フォームを生成することを含み得る。本開示のいくつかの実施形態は、クロマトグラフィーカラムの運転中に前記プロセス制御方法を実施することを含むクロマトグラフィー方法を含み得る。
本開示のいくつかの態様はプロセス制御方法に関係してもよく、前記方法は、クロマトグラフィー生データの選りすぐり(selection)を受け取るステップと、クロマトグラフィー生データの前記選りすぐりにノイズ低減技術を適用することにより平滑化データを生成するステップと、クロマトグラム遷移の特徴に適合する平滑化データを選択することにより、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するステップと、前記処理済みのクロマトグラフィーデータに基づいて動作を実施するステップとを含む。前記ノイズ低減技術は、所定の設定値を用いて解析するために前記平滑化データのうちの一部分を選択することと、マグニチュード偏差を防止するために前記一部分のデータを正規化することと、前記一部分のデータに対して少なくとも1つの平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することと、前記一部分のデータを動的信号エラーについて解析することとを含み得る。
いくつかの実施形態において、前記クロマトグラフィー生データの選りすぐりを受け取るステップは、複数の信号および複数のブロックを含んだクロマトグラフィー生データを受け取ること、ただし前記複数の信号の各々が1つのブロックに関連付けられ得ることと、前記クロマトグラフィー生データから第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを選択することとを含み得る。
いくつかの実施形態において、前記方法は、前記処理済みのクロマトグラフィーデータを用いて、個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図のうちの1つを生成するステップと、多変量データ解析を実施するか、あるいは主成分解析を実施することにより、前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用することによって性能データを生成するステップとをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、前記処理済みのクロマトグラフィーデータに基づいて動作を実施するステップは、前記性能データに基づいて動作を実施することを含み得る。いくつかの実施形態において、前記動作は、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または逸脱通知フォームを生成することを含み得る。
本開示のいくつかの態様はプロセス制御方法を含み得る。前記方法は、第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを含んだ処理済みのクロマトグラフィーデータを受け取るステップと、前記処理済みのクロマトグラフィーデータについて遷移解析を実施するステップと、前記遷移解析に基づいて個別-移動範囲-範囲(I-MR-R)管理図のうちの1つを生成するステップと、前記I-MR-R管理図に多変量統計解析法を適用することにより性能データを生成するステップと、前記性能データに基づいて動作を実施するステップとを含む。前記動作は、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または逸脱通知フォームを生成することのうちの1つを含み得る。
いくつかの実施形態において、前記処理済みのクロマトグラフィーデータは、ノイズ低減技術が適用されたクロマトグラフィー生データの選りすぐりを含み得る。いくつかの実施形態において、前記クロマトグラフィー生データの選りすぐりはクロマトグラフィープロセススキッドから受け取られてもよい。
この明細書の一部に組み込まれ、かつそれを構成する添付図面は、開示される実施形態を示し、かつ記載とともに開示された実施形態の原理を説明するのに役立つ。
本開示の様々な実施形態が実現され得る例示的なクロマトグラフィーシステムを示す概略図。 例示的なクロマトグラムを示す図。 クロマトグラフィーの逓増遷移の例示的な正規化プロットを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、3ロットについての平衡伝導率ブロックのクロマトグラフィーの逓増遷移のプロットを示す図。 本開示のいくつかの態様に従って、クロマトグラフィーデータを解析し、プロセス制御を実施する例示的なプロセスを示す図。 本開示のいくつかの態様に従って、クロマトグラフィーデータを解析し、プロセス制御を実施するさらに例示的なプロセスを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、例示的なデータファイルを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った多変量モデルの例示的なローディングプロットを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、例示的なデータ平滑化プロセスを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、例示的なデータ平滑化プロセスを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、27ロットからの主成分における各変数のローディングプロットを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、27ロットからの例示的なスコアプロットを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、多変量モデルの例示的なローディングプロットを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、例示的なスコアプロットを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、所与のクロマトグラフィーユニット操作における歪度についての個別管理図。 本開示のいくつかの態様に従った、所与のクロマトグラフィーユニット操作における歪度についての移動範囲管理図。 本開示のいくつかの態様に従った、所与のクロマトグラフィーユニット操作における歪度についての範囲管理図。 本開示のいくつかの態様に従った、非ガウスHETP(NG-HETP)についての個別管理図。 本開示のいくつかの態様に従った、NG-HETPについての移動範囲管理図。 本開示のいくつかの態様に従った、NG-HETPについての範囲管理図。 本開示のいくつかの態様に従った、NG-HETPについての別の個別管理図。 本開示のいくつかの態様に従った、NG-HETPについてのさらに別の個別管理図。 本開示の態様が実現され得る例示的なシステムを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、例示的なユーザーインターフェースを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、例示的なレポートを示す図。 本開示のいくつかの態様に従った、例示的なレポートを示す図。
本開示は、薬剤製品の製造および実験室プロセスにおける改善、並びに薬剤製品の製造および実験室プロセスに関連するコンピュータの機能性における改善に関連する。具体的には、本開示の態様は、クロマトグラフィー方法およびクロマトグラフィーシステム、並びに、例えばクロマトグラフィープロセスおよびクロマトグラフィーシステムの監視および制御を目的としたクロマトグラフィーデータ解析のための方法およびシステムに関連する。
別段の定めがない限り、本願において用いられる技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する業における当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および実施例は例示に過ぎず、また限定を意図するものではない。当業者には、開示された材料、方法および実施例における通常の変形例は過度の実験を行うことなく可能であることが分かるであろう。本願において言及される刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリおよび他の参考文献はすべて参照によりその全容を援用される。矛盾する場合には、定義を含めて本明細書が支配する。
本願において用いられる場合、「備える(comprises)」「備えている(comprising)」という用語またはそれらの他の変形物は、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品または装置がそれらの要素のみを含むのではなく、明らかに列記されていないか、またはそのようなプロセス、方法、物品または装置に固有の他の要素を含んでもよいように、非排他的な包含に及ぶことが意図される。「例示的」という用語は、「理想」ではなく、「例」という意味に用いられる。そのような用語、並びに「例えば」および「~のような」という用語およびそれらの文法上の等価物について、別段に明記されていない限り、「これ(ら)に限定されるものではない(and without limitation)」という句が続くものと理解される。本願において、「約」という用語および、「~」という記号内容は、実験誤差による変動を考慮することを目的としている。本願において報告される測定値はすべて、別段に明記されていない限り、「約」という用語により、該用語が明示的に用いられているか否かにかかわらず、修飾されるものと理解される。本願において、単数形「a」「an」および「the」は、文脈が明らかに他に示していない限り、複数の指示対象を含む。さらに、特許請求の範囲において、値、限度、および/または他の範囲は、値、限度、および/または範囲の+/-10%を意味する。
本願において、「抗体」という用語は、完全抗体分子(full antibody molecules)の抗原結合性分子並びに抗原結合性フラグメントを含む。抗体の「抗原結合性部分」、抗体の「抗原結合性フラグメント」などの用語は、本願では、抗原を特異的に結合して複合体を形成するあらゆる天然起源の、酵素で得られる、合成の、または遺伝子的に操作された、ポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合性フラグメントは、例えば完全抗体分子から、抗体の可変ドメインおよび任意で定常ドメインをコードするDNAの操作および発現を含むタンパク質消化または組み換え遺伝子工学技術(recombinant genetic engineering techniques)のような任意の適当な標準技術を用いて誘導されてもよい。そのようなDNAは、公知であり、かつ/または、例えば、商業的供給源、DNAライブラリ(例えばファージ抗体ライブラリを含む)から容易に入手可能であるか、または合成することができる。DNAは、例えば1つ以上の可変ドメインおよび/または定常ドメインを適当な形態に構成するため、またはコードンを導入するか、システイン残基を形成するか、またはアミノ酸を修飾、付加もしくは削除する等のために、化学的に、または分子生物学的技術を用いることによって配列および操作されてもよい。
抗原結合性フラグメントの限定されない例としては、(i)Fabフラグメント、(ii)F(ab’)2フラグメント、(iii)Fdフラグメント、(iv)Fvフラグメント、(v)単鎖Fv(scFv)分子、(vi)dAbフラグメント、および(vii)抗体の超可変領域(例えばCDR3ペプチドのような単離された相補性決定領域(complementarity determining region:CDR))または拘束性(constrained)FR3-CDR3-FR4ペプチドを模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位が挙げられる。他の操作された分子、例えば、ドメイン特異抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン欠失抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば一価ナノボディ、二価ナノボディなど)、小モジュラー免疫薬(SMIP)、サメ可変IgNARドメイン(shark variable IgNAR domains)なども、本願において用いる「抗原結合性フラグメント」という表現に包含される。
本願において、「生物製剤(biologic)」という用語は、細胞のような生物系内において形成された巨大分子(例えば30kDaより大きなサイズを有する)を指し得る。生物製剤はタンパク質(例えば抗体)、核酸、大糖類(large sugars)などを含み得る。明確に定義された化学構造を有し得る小分子とは異なり、生物製剤は、実験室的方法によって容易に定量化できない高度に複雑な構造を有することがある。よって、特に医療用を目的とする場合には、生物製剤の製造において生物学的品質を保証するための純度、一貫性および品質を達成することが望ましい。
本願において、「クロマトグラフィー」という用語は任意の予備的クロマトグラフィー法または分析クロマトグラフィー法を指し得る。本開示の多くは生物製剤の精製のための予備的な充填床クロマトグラフィーの状況において提供されているが、本願に開示するシステムおよび方法は、多種多様なクロマトグラフィープロセスに適用され得ることが考えられる。
本願において、「薬剤製品」という用語は、包装、輸送、供給、および/または患者への投与のために一次包装要素に分配された一定量の調剤された医薬物質を指し得る。薬剤製品は、例えば生物製剤を含んだ有効成分を含有し得る。
本願において、「原料」という用語は、クロマトグラフィープロセスによる分離または精製に適した1つ以上の生物製剤を含有する混合物を指し得る。
本願において、「クロマトグラフィー生データ」という用語は、最初に収集されるような、そのネイティブデータ状態にあるクロマトグラフィーデータを指し得る。例えば、クロマトグラフィー生データは、.RESファイル形式もしくは他の種類の生ファイル形式であってもよいし、または測定器から直接得られた値を含むデータベース内に存在してもよい。
本願において、「抽出クロマトグラフィーデータ」という用語は、いかなる変換も行うことなく生データから移動されたクロマトグラフィーデータを指し得る。これは、Excel(登録商標)または.CSVファイル形式であることもできるし、またはクロマトグラフィーシステムまたはコンピュータシステム内に位置するデータベース内に存在することもできる。
本願において、「ノイズ低減データ」という用語は、正規化され、平滑化され、導出され、かつ/またはピーク選択された遷移データのようなクロマトグラフィーデータを指し得る。
上記で検討したように、クロマトグラフィーカラムおよびプロセス品質を、例えば、複数のクロマトグラフィーの運転にわたって、複数のロットにわたって、および運転の最中および運転間の双方において経時的に監視し維持する必要がある。本願に開示されるシステムおよび方法は、クロマトグラフィー遷移データの解析(「遷移解析」としても公知)、およびクロマトグラフィー性能の監視、クロマトグラフィー性能における変化の特定、およびそのような解析およびプロセスに基づいたクロマトグラフィーシステムに関する動作の実施におけるそのような解析の使用を可能にし得る。さらに、本願において開示されるシステムおよび方法は、いくつかの態様では、1つ以上のインプロセス製造または精製制御の一部であってもよいし、かつ/または標準クロマトグラフィープロセスにおいて収集したデータを用いたインプロセス制御を可能にしてもよく、よって別個のプロセス制御を実施するために必要とされる費用および作業の増大を最小限にする。
ここで、以下に記載され、添付図面に示された本開示の例示的な実施形態について詳細に述べる。同一または同様の部分を参照するためには、可能な限り、図面の全体にわたって同一の参考番号を用いる。
図1は、本開示の様々な実施形態が実現され得る例示的なクロマトグラフィーシステム100を概略図で示している。システム100は、移動相液体供給システム102、材料注入システム104、カラム106、プロセス制御装置108、コンピューティング装置110および検出器112を備える。
システム100は、クロマトグラフィーカラム106を含むクロマトグラフィーシステムのすべてであってもよいし、またはその一部であってもよい。いくつかの場合において、システム100はクロマトグラフィースキッドであってもよい。システム100は、クロマトグラフィーカラムを運転するのに必要な任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでいてもよい。システム100は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、逆相クロマトグラフィー、ミックスモードクロマトグラフィー(mixed-mode chromatography)または親和性クロマトグラフィーのような様々な種類のクロマトグラフィーのうちのいずれを実施するように構成されてもよい。システム100は、例えば、原料混合物中の生物製剤を分離するため、単一種の生物製剤を単離および/または精製するため、かつ/または混合物から汚染物質を排除するために用いられ得る。いくつかの場合において、システム100は、抗体のような生物製剤を含有する薬剤製品を製造するためのシステムのような薬剤製品製造システムの一部であってもよい。
移動相液体供給システム102は、カラム106の入口に移動相を供給するのに適したいかなるシステムであってもよい。移動相液体供給システム102は、材料注入システム104によって注入された原料をカラム106に通して駆動するために用いられる移動相液体を保持するために1つ以上の貯蔵器を備えてもよい。移動相液体システム102は、移動相液体に圧力を与えるように構成された1つ以上のポンプを備えてもよい。いくつかの実施形態において、移動相液体供給システム102のポンプは、組み合わせた溶液をカラム106の入口に供給する前に、2つ以上の溶媒を(例えば2つ以上の貯蔵器から)所望の比率で混合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、移動相液体供給システム102は、第1移動相をカラム106の入口に供給し、所望量の第1移動相が供給された後に、次いで第2移動相をカラム106の入口に供給するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、移動相液体供給システムは、プロセス制御装置108によって制御されてもよいし、または人的相互作用によって制御されてもよい。
材料注入システム104は、カラム106における分離および/または精製を必要とする原料の供給に適したいかなるシステムであってもよい。いくつかの実施形態において、例えば、材料注入システム104は、原料を保持するために1つ以上の貯蔵器を備えていてもよい。そのような原料としては、1つ以上の生物製剤、汚染物質、溶媒または他の材料が挙げられ得る。
カラム106は、材料注入システム104から注入された原料を分離し精製するのに適したいかなるカラムであってもよい。当業者には、カラム106が広範なサイズ(例えば、約30cm~約1500cmに及ぶ直径)のうちのいずれを有してもよく、また多種多様な固定相のうちのいずれで充填されていてもよいことが分かるであろう。カラム106のサイズ、形状、および充填は、カラム106における分離を必要とする原料を考慮して選択され得る。
プロセス制御装置108および/またはコンピューティング装置110は、クロマトグラフィーの運転中にシステム100の態様を制御するのに適し得る。プロセス制御装置108は、移動相液体供給システム102、材料注入システム104、カラム106、コンピューティング装置110および検出器112を含むシステム100の1つ以上の要素に接続され得る。いくつかの実施形態において、プロセス制御装置108は、所望の手順に従ってシステム100の要素を制御するようにプログラムされたコンピュータであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、プロセス制御装置は、移動相液体供給システム102のポンプのスイッチを入切し、かつ検出器112を作動および停止させるようにプログラムされていてもよい。いくつかの実施形態において、プロセス制御装置108は、例えば人間オペレータによって、コマンドが入力され得る表示装置および/または他のユーザーインターフェース要素(例えば、ボタン、マウス、キーボード、タッチスクリーンなど)を有してもよい。他の実施形態では、プロセス制御装置108は、例えばコンピューティング装置110を用いてプログラムされてもよい。
コンピューティング装置110は、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータ、ラップトップ、タブレット、または個人用携帯機器(例えばスマートフォン)のようないかなるコンピュータであってもよい。いくつかの実施形態において、コンピューティング装置110は、例えば操作者によって、コマンドが入力され得る表示装置および/または他のユーザーインターフェース要素(例えばボタン、マウス、キーボード、タッチスクリーンなど)を有してもよい。コンピューティング装置110はまた、プロセス制御装置108および/または検出器112のようなシステム100の他の要素からデータを収集し得る。コンピューティング装置110は、そのようなデータを、例えば、スクリーンに、ハードディスクに、またはインターネット接続を介して遠隔地に、表示または出力するように構成された1つ以上のプログラムを含み得る。コンピューティング装置110自体が、システム100の他の態様に有線接続を介して接続されてもよいし、またはシステム100の他の態様(例えばプロセス制御装置108)に無線で接続されてもよい。いくつかの実施形態において、コンピューティング装置110は、システム100に対して遠隔に位置してもよい。いくつかの実施形態において、コンピューティング装置110は、1つ以上のユーザーインターフェースまたはレポートを表示するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセス制御装置108およびコンピューティング装置110は単一の装置であってもよい。
検出器112は、カラム106の出口において1つ以上の特性を検出するのに適したいかなる種類の検出器であってもよい。図1には単一の検出器112が示されているが、システム100は、カラム106の出口において様々な特性を検出するように構成された2つ以上のそのような検出器を備えてもよい。そのような特性としては、例えば、カラム出口伝導率、pH、光学濃度および他の特性が挙げられ得る。いくつかの実施形態において、検出器112は、例えば、電気伝導率検出器、紫外線(UV)検出器、蛍光検出器、屈折検出器、pH検出器、圧力計または任意の他の種類の検出器であってもよい。
クロマトグラフィーサイクル、例えばシステム100を用いた運転は、典型的には一連のステップを含み得る。そのようなステップとしては、例えば、定置洗浄ステップ、平衡ステップ、ローディングステップ、洗浄ステップ、溶出ステップ、ストリップステップおよび再生ステップが挙げられ得る。クロマトグラフィーサイクルは、クロマトグラフィーカラムの出口にある検出器(例えば106カラムの出口にある検出器112)から収集されたデータを用いて追跡および/または記録され得る。例えばUV検出およびUVクロマトグラムは、例えば、洗浄ステップ、溶出ステップ、収集ステップ、およびストリップステップを通じてクロマトグラフィープロセスを追跡するために用いられ得る。図2は、単一タンパク質の収集のための典型的なプロファイルを有する例示的なUVクロマトグラムを示す。カラムを通過した液体の体積(X軸により図示)として、UV検出器は、溶出ステップの開始付近に単一ピークを有する吸光度の極めて一定した上昇を検出する。小さな溶出ピークの後に収集が開始され得、収集の間には被検体の大部分がUV検出器を通過するので吸光度は急上昇する。
クロマトグラフィー(またはクロマトグラフィック)遷移は、1つの移動相が別のものと交換される際の、カラムの入口におけるステップの変化(例えば洗浄ステップから溶出ステップへの変化、または溶出ステップからストリップステップへの変化)に対するカラム(例えば106カラム)の出口における応答である。カラムの出口において(例えば検出器112の1つ以上によって)どのパラメータが検出されているかに依って、遷移は1つ以上のパラメータの増大(逓増遷移)または減少(逓減遷移)として検出され得、遷移が生じた後にはそのパラメータのプラトーが続く。例えば、図3は、三相に分割されたクロマトグラフィーの逓増遷移の例示的な正規化プロットを示す。遷移の前に、検出器はパラメータのベースライン値を検出する。遷移の間、パラメータは「逓増する(steps up)」か、または増大し、次いで遷移後に水平状態に達する。一部の場合には、逓増遷移後のプラトーは検出器飽和によるものである。遷移中に導出されるデータは、カラムの性能の微妙な変化に対して定量的であり、かつ敏感である。
遷移の間に変化する測定可能なパラメータの例としては、伝導率、pH、塩濃度、光吸収、適当な波長の光による励起後の蛍光、屈折率、電気化学的応答、および質量分光分析によって生成されたデータが挙げられ得る。しかしながら、当業者であれば、遷移の間に変化し得る任意の他の測定可能なパラメータが本開示に従った遷移解析に有用であり得ることが分かるであろう。
クロマトグラフィーカラムおよび/またはプロセスの品質および/または完全性を判定するのに遷移解析を実施するためには、クロマトグラフィーデータは複数のブロックに分割され得る。各ブロックはクロマトグラフィープロセスにおける1つの工程に対応する(例えば定置洗浄ブロック、平衡ブロック、ローディングブロック、洗浄ブロック、溶出ブロック、ストリップブロック、再生ブロック、保管ブロックなど)。各ブロックは、そのブロック中に1つ以上の検出器によって提供される複数の信号を含む。遷移解析を実施するために、1つ~8つのブロック(例えば1つのブロック、2つのブロック、3つのブロック、4つのブロック、または5つのブロック)、および約1つ~8つの信号(例えば1つの信号、2つの信号、3つの信号、4つの信号、5つの信号、6つの信号、または7つの信号)のような任意の数または組み合わせのブロックおよび信号を用いることができる。より多数のブロックおよび/または信号もまた用いられてもよい。
図4は、3回のクロマトグラフィーの運転についての平衡ブロックでの逓増遷移の間における、体積の関数としての検出された伝導率の例示的なプロットを示す。各運転は、同一タンパク質の単離を含む、同一のカラムにおける同一の原料に対する同一のクロマトグラフィープロセスを含んでいたが、異なるロットの原料が用いられた。第1スパイクは(3回の運転のすべてにおいて)、システムの初期(prime)を表わす。スパイクが生じた後、見て分かるように、3回の運転は遷移相においてばらつきを示す。最短破線は、遷移が最も「垂直である」(すなわち、最短の体積に対して起こる)ため、理想的な遷移相に最も近いものを示している。長破線は、カラム不良、すなわち遷移相への早期の開始、および先細りの終結を表すいくつかの特性を示している。全体として、この遷移はより大きな体積にわたって生じる。実線は、遷移相が非常に早期に開始し、飽和に達するのに過度の時間がかかるため、より強いカラム不良の特性を示している。これらの相違は視覚的に明らかであるが、それらは容易に定量化できないか、または互いに比較可能ではない状況にあり得る。本開示は、これらのデータを用いて解析を実施し、そのような解析を用いてプロセス制御を確実に実施するためのシステムおよび方法を提供する。
図5および図6は、本開示のいくつかの態様に従ってクロマトグラフィーデータを解析し、そのような解析を用いてプロセス制御を実施する例示的なプロセスを示す。図5は例示的なプロセスをより一般的なレベルの詳細さで示し、図6は例示的なプロセスのより詳細を示す。それらは以下で別々に記載されているが、図6のプロセスの詳細および特性は図5のプロセスに適用可能であり得、逆もまた同様である。
図5は、本開示のいくつかの態様に従って、クロマトグラフィーデータを解析し、プロセス制御を実施する例示的な一般プロセス500を示す。ステップ510によれば、クロマトグラフィー生データが処理され得る。ステップ520によれば、クロマトグラフィー生データからデータが取得され得る。ステップ530によれば、取得されたデータは処理され得る。ステップ540によれば、処理されたデータは解析(例えば遷移解析)され得る。ステップ550によれば、1つ以上の統計プロセス制御が実施され得る。ステップ560によれば、データが報告され得る。
ステップ510によれば、クロマトグラフィー生データが処理され得る。クロマトグラフィー生データは、1つ以上のクロマトグラフィーサイクルを実行し、1つ以上の検出器(例えば、カラム106の検出器112)から信号を得ることにより取得され得る。それらの信号は、例えば、UV信号、伝導率信号、圧力信号、pH信号、および/または他の信号を含み得る。データは、例えば、プロセス制御装置108および/またはコンピューティング装置110において得られてもよく、また例えば、データベース、または.RESファイル内に格納され得る。データは、例えば、一連の信号値、およびそれらの信号値が測定された対応する体積を含み得る。データはまた、クロマトグラフィーサイクルにおける各ブロック/ステップの開始および終了の指標も含み得る。
データの処理は、例えばコンピューティング装置110などのコンピューティング装置においてデータを抽出し、データをデータファイルに体系化することを含み得る。例示的なデータファイルとしては、例えばスプレッドシート、テキストファイル、データベース、およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。抽出されたクロマトグラフィーデータを含むデータファイルは様々なメタデータを割り当てられて、一貫した格納および処理を可能にし得る。メタデータとしては、例えば、名称、名称、日付、カラム運転時間、カラム運転体積、カラム移動相、原料混合物の識別子(identification)、カラムが用いられた製造プロセスの識別子、および/またはデータファイルの一貫した自動処理または手動処理を可能にし得る他のデータが挙げられ得る。
ステップ520によれば、解析のためにデータファイルからデータが取得され得る。いくつかの実施形態において、自動ソフトウェアプログラム(例えばクロン(Cron)、ジョバー(Jobber)、マクロ、または他の自動化ソフトウェアもしくはスケジューリングソフトウェアなど)は、1つ以上のプロファイルに適合する1つ以上のデータファイルについて、1つ以上の可能なデータファイル格納位置を監視し得る。データファイルは、例えばデータファイルに関連付けられたメタデータに基づいてプロファイルを割り当てられ得る。プロファイルは、例えば遷移解析を実施するのに適した1つ以上のブロックおよび信号の組み合わせを選択するための事前に作成された一連の選択基準であり得る。プロファイルは、例えば、運転されているカラムの種類、移動相の特性、運転されている移動相の体積、カラム運転時間またはデータファイルの他の特性に基づいて割り当てられ得る。
解析のためのデータの取得は、割り当てられたプロファイルに基づいて1つ以上のブロックおよび信号の組み合わせを選択することを含み得る。その場合、ブロックはクロマトグラフィープロセスにおける1つの工程に対応し、信号は収集されているデータの種類(例えばUVデータ、伝導率、pHなど)に対応する。いくつかの実施形態において、第一位のブロックおよび信号の組み合わせが選択され得る。さらなる実施形態では、第一位のブロックおよび信号の組み合わせと、1つ以上の第二位のブロックおよび信号の組み合わせとが選択され得る。遷移解析は、最初に第一位のブロックおよび信号の組み合わせによって実施され、任意で次に1つ以上の第二位のブロックおよび信号の組み合わせによって実施され得る。プロファイル、選択基準、並びにブロックおよび信号の組み合わせについては、プロセス600に関してさらに詳細に説明する。
ステップ530によれば、取得したデータは、ノイズ低減データを得るためにもう一度処理され得る。取得したデータの処理は、第一位のブロックおよび信号の組み合わせに関連付けられたデータ、および任意で第二位のブロックおよび信号の組み合わせに関連付けられたデータのような取得したデータ内のデータセットに対して、1つ以上の平滑化および/またはノイズ低減技術を適用することを含み得る。いくつかの実施形態において、データの処理は、データセットのサイズを標準化して、平滑化ウィンドウの一貫した影響を可能にすることを含み得る。いくつかの実施形態において、データの処理は、遷移の大きさ(magnitude)に基づく変動を排除するために、データを正規化することを含み得る。この変動は、ベースライン相または飽和相の最終値において固有変動性(inherent variability)を含む移動相緩衝液の独特の調製によるものであり得る。
ノイズ低減技術は、測定ツール(例えばシステム100中の検出器112)によって導入された陰的誤差、および(例えば方法500の早期のステップ中に)データが収集されるときにバッチプロセスによって導入されたランダム誤差の除去を含み得る。ノイズ低減は、データセットにおける記録の重複排除、異常値の検出および除去、および/またはデータセット内における信号対ノイズ比を増大させるための他の技術を含み得る。ノイズ低減はまたデータ平滑化および信号排除(signal rejection)を含んでもよく、信号排除についてはプロセス600に関して以下でさらに詳細に説明する。
処理されたデータは、例えば、ステップ収率および/または他の移動相パラメータの測定値を含んでもよく、それらは1つ以上のクロマトグラフィーステップ遷移に対応する1つ以上の平滑化された曲線の形であり得る。1つ以上の曲線は正規化された溶質信号データアレイを表わし得る。
ステップ540によれば、ノイズが低減されたデータが処理され得る。そのような解析は遷移解析であってもよい。遷移解析は、処理されたデータにおいて1つ以上の数学的方法を実施することを含み得る。例えば、1つ以上の曲線は、例えば、曲線の一次導関数をとって、ピークによって特徴付けられる別の曲線を生成することにより、処理されたデータから生成され得る。この曲線を解析して、例えば、いくつかの変曲点、最大変化率、破過容量(breakthrough volume)、累積誤差、NG-HETP、曲線非対称性、およびガウスHETPのような性能パラメータを生成することができる。これらの性能パラメータは、単独でまたは過去のデータと組み合わせて、カラム完全性の判定を支援し得る。
例えば、いくつかの変曲点の数の増大は、完全性の侵害(integrity breach)に関連し得る、遷移溶液の若干量の早期破過が生じていることを示すことがある。複数のカラムの使用における最大変化率の低下は、遷移がより大きな量に対して起こっていることを示すことがあり、これは完全性の侵害の徴候であり得る。破過容量の減少は、同様に完全性の侵害を特徴付け得る。NG-HETPまたはガウスHETPのいずれかの増大は、カラム完全性の低下を示し得る。他の遷移の特性は、データセット変動、歪度、尖度、ピーク非対称性、破過容量またはウォッシュアウト容量(wash-out volume)、および全エラーの変更に基づいて生成され得る。遷移解析については以下でさらに詳細に説明する。遷移解析を実施するシステムおよび方法はまた、例えばラルソン(Larson)ら、Use of Process Data To Assess Chromatographic Performance in Production-Scale Protein Purification Columns, Biotechnol. Prog., 2003年、第19巻、第485~492頁にも記載されており、該文献は参照により本願においてその全容を援用される。
遷移解析の結果は、例えば、他のデータとともに、コンピューティング装置110のメモリ素子内、または別のコンピューティング装置内に格納され得る。例えば、生データ、初期データセット、平滑化データセットおよび遷移解析データはすべて格納され得る。
ステップ550によれば、遷移解析の結果を用いて1つ以上の統計プロセス制御が実施され得る。いくつかの実施形態において、統計的プロセス制御は、1)非従来的管理図解析(例えば、個別管理図、移動範囲管理図、および/または範囲管理図解析)、2)多変量解析(multivariate analysis:MVA)、または3)非従来的管理図解析およびMVAの組み合わせを含むいくつかのカテゴリーのうちの1つにおける技術を実施することを含む。これらのプロセスは、例えば、以前のクロマトグラフィーの運転、例えば同一の生産サイクル内における運転、同一の生成物ロットの運転、または同一の原料混合物の運転からの遷移解析結果を含む、より大きなデータのセットの一部として遷移解析の結果を解析することを含み得る。これらのプロセスについては、プロセス600に関して、さらに特に以下で説明する。
1つ以上の統計プロセス制御を実施した結果は性能評価データと称され得る。性能評価データは、遷移解析結果を含む、プロセスの再現性および成功を評価する場合に意味をもつ任意のプロセスデータを指し得る。
ステップ560によれば、データが報告され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のレポートが生成され得る。例えば、開示する方法およびシステムは、所与のプロファイルを用いて解析された任意の結果の表形式のレポートを生成することができる。レポートは、特定の時間枠について、特定の運転について、および/また特定のロットについて、所望の数の以前のクロマトグラフィーの運転に基づいて生成され得る。レポートの例を図24-1及び図24-2に示し、以下でさらに詳細に説明する。
図6は、本開示のいくつかの態様に従って、クロマトグラフィーデータを解析し、プロセス制御を実施する例示的なプロセス600を図5よりさらに詳細に示す。ステップ610によれば、クロマトグラフィー生データが受け取られ得る。ステップ620によれば、クロマトグラフィー生データがプロファイルに従って処理され得る。ステップ630によれば、ノイズ低減技術が適用され得る。ステップ640によれば、処理済みのクロマトグラフィーデータに対して遷移解析が実施されて、カラムの完全性を表わす遷移データを生成し得る。ステップ650によれば、遷移データに基づいて、個別(I)管理図、移動範囲(MR)管理図または範囲(R)管理図のうちの少なくとも1つが生成され得る。ステップ660によれば、I管理図、MR管理図またはR管理図のうちの少なくとも1つに対して、1つ以上の多変量統計解析法が適用されて、性能データを生成し得る。ステップ660によれば、その性能データに基づいて動作が実施され得る。
ステップ610によれば、クロマトグラフィー生データが受信され得る。プロセス500と同様に、クロマトグラフィー生データは、例えばシステム100のようなクロマトグラフィーシステムから得られてもよい。クロマトグラフィー生データは複数のブロックに関連付けられた複数の信号を含み得る。クロマトグラフィー生データの受信は、1つ以上の検出器(例えばシステム100の検出器112)から、またはコンピューティング装置(例えばコンピューティング装置110)から、クロマトグラフィー生データを直接読み出すことを含んでもよく、かつ/またはクロマトグラフィー生データファイルのためのネットワーク位置を監視することを含んでもよい。クロマトグラフィー生データは、いくつかの実施形態では、プロセス500のステップ510に関して上述したように処理されてもよい。
図7に、抽出されたクロマトグラフィーデータの例示的なデータファイル1000を示す。データファイル1000は、例えば、自動システムによるデータファイルの識別を支援し得るデータファイル名を含んでもよい。示したように、データファイル1000内の抽出されたクロマトグラフィーデータは、スプレッドシート形式(例えば、マイクロソフトExcel(登録商標))であってもよい。データファイル1000は、第1列1002にクロマトグラフィーシステムを通過した全体積の定期測定値に対応し得る体積測定値を含み得る。第2列1004は、列1002の体積測定値の各々に対応する信号測定値(例えばUV、伝導率、pHなど)を含み得る。この場合、第2列1004はmS/cmで表わされた伝導率データを含む。他の列は付加的なデータを提供し得る。ここでは、例えば、第3列1006は、第4列1008のログブックエントリに対応する体積測定値を含み得る。これは、ブロック/ステップの開始点および終点(CG002_START、CG002_END、CG003_START)、流量、およびクロマトグラフィーシステムの態様が開始された時点(例えば、Pump1は、例えば、移動相液体供給システム102に関連付けられたポンプが作動される時間に対応し得る)のようなクロマトグラフィーの運転の諸特性の識別を可能にし得る。当業者であれば、データファイル1000に対する多くの変形例が可能であることが分かるであろう。例えば、データファイル1000ではクロマトグラフィーの運転における進渉のマーカーとして体積測定値が示されているが、時間のような他の測定値が用いられてもよい。他の信号データのための付加的な列が含まれてもよく、また付加的なログブックデータ(例えば、移動相の識別、被検体の識別など)が含まれてもよい。
図6に戻って参照すると、ステップ620によれば、クロマトグラフィーデータはプロファイルに従って処理され得る。ステップ520に関して簡潔に記載したように、プロファイルは、クロマトグラフィーデータファイルに対して、そのファイル内のクロマトグラフィーデータの特性に従って選択され得る。例えば、プロファイルは、所与のタイプのクロマトグラフィーの運転、所与のクロマトグラフィーカラム、および/または所与の被検体に対して予め作成されていてもよい。そのようなプロファイルは、このように適当な運転、カラム、および/または被検体についてのクロマトグラフィーデータファイルと適合し得る。
いくつかの態様において、プロファイルは使用者によって作成されてもよい。プロファイルは特定の薬剤または薬剤製品に関連付けられていてもよい。一態様において、薬剤は小分子である。他の態様では、薬剤はペプチドまたはポリペプチドである。
いくつかの態様において、薬剤は血管内皮増殖因子(VEGF)誘導体である。他の態様では、薬剤は、米国特許番号第7,070,959号、同第7,303,746号、同第7,303,747号、同第7,306,799号、同第7,374,757号、同第7,374,758号、同第7,531,173号、同第7,608,261号、同第7,972,598号、同第8,029,791号、同第8,092,803号、同第8,343,737号および同第8,647,842号の1つ以上に記載されているアフリベルセプトである。上記文献の各々は参照によりその全容を本願において援用される。
他の態様では、薬剤は抗原結合性分子である。いくつかの態様において、抗原結合性分子は、抗体または抗原結合性フラグメントである。いくつかの態様において、薬剤は米国特許出願公開番号第2014/0356371号および同第2014/035670号に記載されているアリロクマブであり、上記文献の各々は参照によりその全容を援用される。別の態様において、薬剤は、米国特許出願公開番号第2016/0152717号、同第2014/0302053号および同第2013/0149310号に記載されているサリルマブであり、上記文献の各々は参照によりその全容を援用される。別の態様において、薬剤は、米国特許出願公開番号第2014/0356372号に記載されているデュピルマブであり、上記文献は参照によりその全容を本願において援用される。別の態様において、薬剤は、エボロクマブ、ベバシズマブ、ラニビズマブ、トシリズマブ、セルトリズマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、アバタセプト、インフリキシマブ、リツキシマブ、アナキンラ、トラスツズマブ、ペグフィルグラスチム、インターフェロンベータ-1a、インスリングラルギン[rDNA由来]注射液、エポエチンアルファ、ダーベポエチン、フィリグラスチムおよびゴリムマブのうちから選択される。
いくつかの実施形態において、プロファイルは、クロマトグラフィーデータファイルのための指定されたネットワーク位置を周期的にスキャンするように監視ソフトウェアプログラム(sentinel software program)(例えばマクロ、ジョバー、クロンまたは他のスケジューリングソフトウェア)に指示するように構成されてもよい。プロファイルは、ファイル名がプロファイル内のファイル名識別子と一致する場合に、ファイルからのデータ収集を指示し得る。
一旦、プロファイルが、データファイルを選択したか、データファイルに対して選択されたか、もしくはデータファイルと適合すると、そのデータファイルは走査され得る。例えば、図7の例示的なデータファイル1000に関して、ログブックエントリを含む第4列1008は、ブロック開始時刻、終了時刻、流量などの指標について走査され得る。例えばデータファイル1000に関して、「CG002_START」および「CG002_END」に対応する体積測定値は、目的のクロマトグラフィー操作および信号遷移に対応する体積測定値をひとまとめにする。第1列1002および第2列1004は、次にその操作についての信号および体積測定値の完全なデータセットを抽出するために用いられ得る。
プロファイル内の値はまた、遷移解析を実施するためのクロマトグラフィーデータファイル内のブロックおよび/または信号の1つ以上の組み合わせを選択するための1つ以上の選択基準を定義し得る。したがって、プロファイルは、クロマトグラフィーデータファイルから望ましいデータのサブセットを取得するためのツールであり得る。プロファイル内の選択基準は、例えば、観察のみによる経験(empirical experience)、構造化された最適化、および/またはプロセスドキュメンテーションから予め決定され得る。そのような選択基準は、より精密、正確、または他の場合にはより有用な解析を可能にし得るブロックおよび信号の組み合わせの識別を可能にし得る。そのような選択基準は、例えば、遷移物質(transition materials)が容易に利用可能であるかどうかを含み得る。これは、生成物溶液へ遷移するブロック、または生成物溶液から遷移するブロックを含む。これは、所望により、製造作業間において付加的なカラム評価を可能にする。そのような選択基準は、同様に、または代わりに、複数のブロックが規則的なサイクル間隔で生じるかどうかを含み得る。これは、製造ロットの最終収集サイクルの終結後には実施されないブロックを含む。そのような選択基準は、同様に、または代わりに、信号が遷移前または遷移後に検出器飽和に達するかどうかを含み得る。そのような選択基準は、同様にまたは代わりに、信号が明確で識別可能なレベルで定常期に近づき、継続的にドリフトしないかどうかを含み得る。そのような選択基準は、同様に、または代わりに、所与のブロックにおける信号が最小値と最大値との間に大きな差を有するかどうかを含み得る。そのような選択基準は、同様に、または代わりに、遷移の間に信号が多くの変曲点を有するかどうかを含み得る。変曲点が少数であるほど、より信頼できるデータ収集を示し得る。
いくつかの場合において、以前のクロマトグラフィーの運転は、将来のクロマトグラフィーの運転においてブロックおよび信号の組み合わせを選択するのに適した選択基準を識別するのを支援し得る。図8は、例えば、6つの異なるクロマトグラフィーロット(ロットA~F)に対する、2つの異なるブロックおよび信号の組み合わせ(溶出ステップ-UV信号の組み合わせ、および再平衡ステップ-伝導率信号の組み合わせ)のNG-HETP計算のプロットを示す。参考として、各セットに対して3標準偏差を表わす実線のバーを提供する。このプロットから分かるように、溶出ステップ-UV信号の組み合わせに対するNG-HETP計算は、再平衡ステップ-伝導率信号の組み合わせに対するものよりも遥かに大きな変動を示している。トレンドの尺度および標準偏差の双方が異なることが理解され得る。性能におけるシフトを監視する場合、典型的であると考えられるロット間における変動が少ないことが望ましいことがある。これは、性能における変化を監視する場合の感度の増大を可能にする。したがって、ロットA~Fに類似したロットのクロマトグラフィーの運転のための選択基準は、溶出ステップおよびUV信号の組み合わせに対する再平衡ステップおよび伝導率信号の組み合わせの優先傾向(preference)を含み得る。当業者であれば、同様なクロマトグラフィーの運転前の解析が他の潜在的なブロックおよび信号の組み合わせの選択基準を明らかにし得ることが分かるであろう。
いくつかの実施形態において、プロファイルは、関連するクロマトグラフィーデータを有するデータファイルに1つ以上の選択基準を適用するための命令を含み得る。よって、プロファイルに従ったクロマトグラフィーデータの処理は、遷移解析のための好ましい(例えば第一位の)ブロックおよび信号の組み合わせ、および/または遷移解析のための1つ以上の付加的な(例えば第二位の)ブロックおよび信号の組み合わせを識別および抽出することを含み得る。いくつかの実施形態において、第一位のブロックおよび信号の組み合わせは、クロマトグラフィーデータファイル内のすべての可能なブロックおよび信号の組み合わせのうち、プロファイル中の選択基準を最も多く満たすであろう。いくつかの実施形態において、第二位のブロックおよび信号の組み合わせは、クロマトグラフィーデータファイル内のすべてのブロックおよび信号の組み合わせのうち、プロファイル内の選択基準を二番目に多く満たすであろう。第一位のブロックおよび信号の組み合わせは、カラムおよびプロセスの完全性を評価するために有益な遷移解析を提供する可能性が最も高いデータを含み得るが、第二位のブロックおよび信号組み合わせはカラム完全性の二次測定およびクロスチェックを提供することができる。
いくつかの実施形態において、ステップ620に従ったプロファイルは、それ自体としては、関連するメタデータを有するクロマトグラフィーデータファイルから特定のデータを抽出するため、または関連するメタデータを有するクロマトグラフィーデータファイルを変更するための命令を含み得るデータファイルであってもよい。いくつかの実施形態において、プロファイル内のそのような命令はコンピュータプログラムによって実行可能であり得る。
図6を参照すると、プロファイルに従ってクロマトグラフィーデータが処理された後、ステップ630に従って、処理されたデータにノイズ低減技術が適用され得る。プロセス500のステップ530と同様に、このステップは処理されたデータ(例えば選択されたブロックおよび信号の組み合わせに関連付けられたデータ)に1つ以上の平滑化技術および/またはノイズ低減技術を適用することを含み得る。いくつかの実施形態において、このステップは、データセットのサイズを標準化して、平滑化ウィンドウの一貫した影響を可能にすることを含み得る。いくつかの実施形態において、このステップは、遷移の大きさに基づく変動を排除するために、データを正規化することを含み得る。この変動は、ベースライン相または飽和相の最終値において固有の変動性を含む移動相緩衝液の独特の調製によるものであり得る。
ノイズ低減技術は、測定ツール(例えばシステム100中の検出器112)によって導入された陰的誤差および(例えば方法500の早期のステップにおいて)データが収集されるときにバッチプロセスによって導入されたランダム誤差の除去を含み得る。ノイズ低減は、データセットにおける記録の重複排除、異常値検出および除去、および/またはデータセット内における信号対ノイズ比を増大させるための他の技術を含み得る。
ノイズ低減は、同様にまたは代わりに、データ平滑化および信号エラー排除(signal error-rejection)アルゴリズムの適用を含んでもよい。図9-1及び図9-2は、この点に関して例示的なアルゴリズム900をフローチャート形式で示している。アルゴリズム900のステップ902,904によれば、アルゴリズムが開始し、関連する信号データ(例えばステップ620に従って処理されたデータ)が読み出される。ステップ906によれば、読み出されたデータはマグニチュード偏差を除去するために正規化され得る。
次に、多段階平滑化アルゴリズム950が適用され得る。これは所望の平滑化フィルタ設定値(909,911)に従って1つ以上の初期平滑化フィルタを適用すること(ステップ908,910)を含み得る。ステップ912によれば、任意で微分(derivation)が行われてもよい。その後、付加的な所望の平滑化フィルタ設定値(913,915)に従って付加的な1つ以上の平滑化フィルタが適用され得る(ステップ914,916)。適用される平滑化フィルタ(ステップ908,910,914,916)の数、並びに設定値909,911,913,915の数および特性は、例えばデータ条件、予期される結果、信号種別、および他の要因に依って変化し得る。データに対して微分が行われるかどうかもこれらの要因に依る場合がある。
プロセスは次に動的信号エラー排除アルゴリズム980を続け得る。このアルゴリズムは、読み出されたデータからクロマトグラフィー遷移によるものではないデータを除去するように構成され得る。例えば、有意の遷移解析を可能にするために除去されるべきエラーとしては、警報、装置の停止(machine arrest)、スキッドセンサーの機能不良、またはデータの欠落が挙げられる。これは、誘導時間、最大強度、開始からの継続時間、および予想されるバックグラウンドノイズのようなクロマトグラム遷移の予想される特徴を識別することにより達成され得る。例えば、初期点の排除918は、予想される遷移位置919に基づいてなされてもよく、初期デッドバンドの排除920は、予想されるバックグラウンドノイズレベル921に基づいてなされてもよく、微分高さおよび幅の排除(derivative height and width rejection)は、予想される信号エラー特性に基づいてなされてもよく、最終デッドバンドの排除は、予想されるバックグラウンドノイズレベル925に基づいてなされてもよい。予想される遷移特徴は、例えば、以前の蓄積された遷移データに基づいて生成されてもよい。ステップ990に従って、アルゴリズム900が完了すると、データは遷移解析に用いられる準備が整い得る。
アルゴリズム900は平滑化および信号エラー排除アルゴリズムの1つの例示的なモデルであるが、当業者であれば、このアルゴリズムに対する変形例が可能であることが分かるであろう。例えば、平滑化アルゴリズム950のみが実施されてもよいし、または信号エラー排除アルゴリズム980のみが実施されてもよい。加えて、またはこれに代わって、より多数またはより少数の平滑化フィルタが適用されてもよく、かつ/または、より多数またはより少数の点が排除されてもよい。
ノイズ低減技術および/または平滑化技術をデータに適用した後、それらのデータは、例えば、ステップ収率およびステップ遷移に対応する破過曲線またはウォッシュアウト曲線の形態にある他の移動相パラメータの測定値を含み得る。
図6に戻って参照すると、ステップ640によれば、カラムの完全性を表わす遷移データを生成するために、処理済みのクロマトグラフィーデータに対して遷移解析が実施され得る。遷移解析は、ステップ遷移から分散パラメータを推測するために、処理されたデータにおいて1つ以上の数学的方法を実施することを含み得る。例えば、曲線の一次導関数をとって、ピークによって特徴付けられる別の曲線を生成することにより、処理されたデータから、例えば、1つ以上の曲線が生成され得る。この曲線は、例えば、いくつかの変曲点、最大変化率、破過容量、累積誤差、NG-HETP、曲線非対称性、およびガウスHETPのような性能パラメータを生成するために用いられ得る。ステップ540に関して記載したように、これらのパラメータは、(例えば、以前の代表的なクロマトグラフィーデータの遷移解析パラメータと照合される場合に)カラム完全性の指標またはカラム完全性の欠如の指標として用いられてもよい。
例えば、いくつかの変曲点の増大は、完全性の侵害に関連し得る遷移溶液の若干量の早期破過が生じていることを示し得る。合計体積データに対する微分曲線をプロットすると、いくつかの変曲点はいくつかのピークから判定され得る。
別の例として、複数のカラムの使用にわたる最大変化率の低下は、遷移がより大きな体積に対して起こっていることを示すことがあり、これは完全性の侵害の徴候であり得る。最大変化率は微分曲線の最大値に等しい。
別の例として、破過容量の減少は、同様に完全性の侵害を特徴付け得る。破過容量は、信号が(高から低への遷移について)その最高値の95%未満であるか、または(低から高の遷移について)その最低値の5%超である最初の容量値を見つけることによって決定され得る。
別の例として、NG-HETPまたはガウスHETPのいずれかの増大はカラム完全性の低下を示し得る。遷移の他の特性は、データセット変動、歪度、尖度、ピーク非対称性、破過容量またはウォッシュアウト容量、および全エラーの変化(modification)に基づいて生成され得る。遷移解析を実施するシステムおよび方法はまた、例えばラルソン(Larson)ら、Use of Process Data To Assess Chromatographic Performance in Production-Scale Protein Purification Columns, Biotechnol. Prog., 2003年、第19巻、第485~492頁に記載されており、該文献は参照によりその全容を本願において援用される。
遷移解析の結果は、例えば、他のデータとともに、コンピューティング装置110のメモリ素子内、または別のコンピューティング装置内に格納され得る。例えば、生データ、初期データセット、平滑化データセットおよび遷移解析データはすべて格納され得る。
図6に戻って参照すると、ステップ650によれば、遷移データに基づいて、個別(I)管理図、移動範囲(MR)管理図または範囲(R)管理図のうちの少なくとも1つが生成され得る。簡潔にするために、この開示はそれらをまとめてI-MR-R管理図と称するが、「I-MR-R管理図」は、I管理図のみ、MR管理図のみ、R管理図のみ、または任意の組み合わせおよび数のそのような管理図を指すことが理解されるべきである。I-MR-R管理図は、遷移解析出力の個別の視覚化をもたらし、かつNG-HETP、歪度、尖度または他のパラメータの形にある複数のカラムの運転またはロットにわたる遷移解析データにおけるトレンドの解釈を支援し得る。I-MR-R管理図の利点は、データが迅速に視認可能であり、視覚的な見地から容易に解釈可能であり得るということである。これは僅かなトレンドまたは即時のデータシフトを初期段階において認識可能にする。
I管理図は、例えば、解析された各ロットについての値(例えば歪度)をプロットし得る。MR管理図は、解析された各ロットの値と予め解析されたロットの値との差をプロットし得る。R管理図は、ロット内の値間(例えば、1つのロットにおいて第一位のブロックおよび信号の組み合わせおよび第二位のブロックおよび信号の組み合わせについて行われた2つの遷移解析の歪度)の差の値をプロットし得る。各管理図は、平均線(mean line)、上方管理限界(UCL)および下方管理限界(LCL)を含んでもよく、上方管理限界および下方管理限界は、典型的なプロセスを表すと判定された利用可能なデータを用いて計算することができ、かつ各管理図において平均線から等距離に配置される。
いくつかのパラメータは、遷移解析のNG-HETPおよび歪度のようなI-MR-R管理図上にプロットされる場合、特定の限界の寿命に対して有意な動態を示し得る。そのような場合、短期基準を用いて推定された管理限界を有するI-MR-R管理図を用いることにより、カラムの再充填により管理図をリセットした後でさえ、過剰なトレンド異常信号(out-of-trend signals)を生じ得る。この問題の1つの解は、新たなカラムパックの開始に起因する特別の変動を考慮する「代表的な」カラムロットからの長期標準偏差の計算を用いるレヴェイ・ジェニングス管理図(Levey Jennings control chart)の使用である。データが代表的であると考えられるかどうかは、ロットの様々な性能評価データセットについて異常な読み取り値を有さないことにより決定され得る。これらのセットは、時に+/-3の標準偏差(SD)線に特に注目して、標準偏差を計算するために用いられてもよい。あるカラムに対していくつかのロットを運転して、そのカラムの大部分または全ての有効寿命が「典型的」であったかどうかを判定してもよい。一態様において、実現可能なカラム動態の完全なモデル化をレヴェイ・ジェニングス管理図について実施することができ、これはカラムの再充填の特別な原因の変動を説明する回帰モデルを生じる。しかしながら、レヴェイ・ジェニングス管理図は、より長期間のデータを必要とし、よって、その使用はデータ集約率によって制限されるであろう。
加えて、遷移解析はカラム再充填事象による変動を有することが知られているため、I-MR-R管理図は充填およびカラムの充填および再充填を考慮に入れることができ、例えば、カラムが再充填された後の第1ロットの運転は、カラムが再充填される前の最後のロットの運転からの変化に基づくMR値を有さないであろう。いくつかの態様において、管理方策は、トレンド逸脱(trending excursions)について監視する場合に、再充填事象による既知の変動を除外した特定の違反のみを考慮するように構成され得る。
I-MR-R管理図の生成は、例えばコンピューティング装置110内の解析モジュール、または他の場所の別の解析モジュールによって実行され得る。
I-MR-R管理図の生成はまた、コンピューティング装置110において、例えば管理図モジュールによって実施されてもよい。例えば、図14~図21は、21~100ロットのクロマトグラフィーロットのついてのI-MR-Rデータを示し、さらに以下で検討される。
図6に戻って参照すると、ステップ660によれば、1つ以上の多変量統計解析法はまたI-MR-Rデータに適用されてもよい。これに代わって、1つ以上の多変量統計解析法は遷移解析データに適用されてもよい。このステップは、ステップ650に加えて、またはステップ650の代替として、かつステップ650に従った管理図の生成のように、実施されてもよく、以前のクロマトグラフィーデータの遷移解析を考慮に入れる。多変量解析は多数の変数をとり、それらを成分ベクトルに単純化する。これは、大きなデータのセットの全体論的観察を可能にする。利点としては、複数の実施にわたる複数の微妙な変化は、単数のデータセットを考察する場合には明白ではないが、それらの成分ベクトルを図表で表した場合には明白になり得ることが挙げられる。このデータのばらつき(Fluctuations)は、材料、機器、周囲大気条件などの相違によって生じ、また操作者またはヒト観察者の知覚からすると小さい可能性がある。多変量統計解析法の例としては、主成分解析(Principal Component Analysis:PCA)、部分最小二乗法(Partial Least Squares:PLS)、直交部分最小二乗法(Orthogonal Partial Least Squares:OPLS)、多変量回帰、正準相関、因子解析、クラスタ解析、図解法(Graphical Procedures)などが挙げられ得る。そのような多変量統計解析は、例えば特殊なコンピュータソフトウェアを用いて実施されてもよい。
多変量解析を用いる一般的な目的は、大量のデータを解釈可能な情報に変換することにある。多次元変数間における相関およびパターンの検索および大量の生データからの統計的に有意な値の抽出を可能にすることにより、多変量解析は、例えば、同様のロットのクロマトグラフィーデータの遷移解析間における変動に対する任意の有意性の解釈を可能にする。
例えば、PCAは、多数の変数を含むデータセット(例えばいくつかのパラメータを含む遷移解析)が、スコア(t)と呼ばれる少数の変数に低減される多変量統計法である。例えば、多数の変数を含むデータセットは、各観測値(例えば各遷移解析)が2つのt-スコアによって表わされるデータセットに低減され得る。t-スコアは、データセット内の各変数の変動およびデータセット内の他のすべての変数に対する各変数の相関性についての情報を含む。従って、t-スコアは、データセット内の他の各観測値に対するデータセット内の各観測値(例えば各遷移解析)の変動および相関構造を記述する。PCAのグラフ式の出力は一般にPCAプロットである。PCAプロットは、各観測値について1つのt-スコアの別のt-スコアに対するプロットである。一般に、PCAプロットは、変動および相関構造がデータセット内の観測値のすべてについてどのように比較されるかを示す分散である。プロットは、このように類似した観測値をともにクラスタ化するように機能し得る。
別の例として、PLS回帰解析は、独立変数および応答変数のシステムの解析のための技術である。PLSは、変数が多重共線性を示す場合であっても多くの独立変数を扱うことができる予測技法である。PLSはまた、独立変数のセットを複数の従属(応答)変数のセットに関連付け得る。多くの場合、PLSでは、顕在的独立変数のセットに対して1つの潜在的変数のセットが抽出され、かつ顕在的応答(または従属)変数のセットに対しては別の潜在的変数のセットが抽出され得る。この抽出プロセスは、独立変数および応答変数の双方を含む外積行列の分解に基づき得る。潜在的独立変数のスコア、すなわちx値は、潜在的応答変数のスコア、すなわちy値を予測するために用いられる。次に、予測されたy値は付加的な顕在的応答変数を予測するために用いられる。xスコアおよびyスコアは、x変数およびy変数の連続対の関係ができるだけ強くなるように選択される。PLSの利点としては、複数の独立変数および従属変数をモデル化できること、独立変数間における多重共線性を処理できること、データノイズおよび(用いられるソフトウェアに依っては)欠測データを物ともしない頑健さ、および応答変数を含む外積に基づいて独立潜在変数を直接生成して、より強い予測をもたらすことが挙げられる。
いくつかの実施形態において、多変量統計解析は、I-MR-R管理図に示される変動のさらなる統計的有意差を判定するために、I-MR-R管理図上において実施され得る。
上述した解析に加えて、遷移解析におけるトレンドは、緩慢な変動は管理限界内にとどまることを許容するが、カラム性能に対する極端なシフトはトレンドから外れる可能性としてフラグを立てられ得る非定常範囲を計算することによって生成することができる。管理限界を定義する基本的な方法としては、移動平均、加重移動平均、および様々な程度の指数平滑法が挙げられる。トレンド限界(trending limits)を計算するそのような1つの方法は、ホルト・ウィンターズ法または三重指数平滑法として知られ、高い有効性に対して用いられ得る。ホルト・ウィンターズ法は、クロマトグラフィーの監視に直接適用するために個別のカラム充填事象として定義される適当な限界の予測のために季節変動(seasonality)を用いる。(例えば、レヴェイ・ジェニングス管理図において用いられる)回帰モデリングは、トレンド限界を確立するための付加的な方法を構成する。十分な経験的データが得られたならば、カラム完全性の回帰モデル化を累積的なカラムパックの使用に関して実施することができる。これは、そのモデルに含まれる過去のカラム性能に基づいたカラム性能の正確な適正範囲を提供し得る。
図6に戻って参照すると、ステップ670によれば、性能データに基づいて動作が実施され得る。いくつかの実施形態において、これはインプロセス制御(IPC)として識別された遷移解析を有するためであり得る。一般に、ステップ670に従った動作としては、レポートの生成、操作者または表示装置、例えばコンピューティング装置110の表示装置への警告の生成および/もしくは送信、またはクロマトグラフィープロセスの終結が挙げられ得る。ステップ660に従った動作は、例えば、さらなる解析のために、本願に開示するシステムおよび方法の間に取得したデータのすべてをデータベース内に格納することも含み得る。
遷移データについて多変量解析および/またはI-MR-R管理図解析を実施した結果は、性能評価データと称することができる。性能評価データは、プロセス(例えばクロマトグラフィープロセス)の再現性および成功を評価する場合に意味をもち得る、遷移解析の結果を含む任意のプロセスデータを指すことができる。
一態様において、ステップ670は1つ以上のレポートを生成することを含み得る。例えば、開示する方法およびシステムは、所与のプロファイルを用いて解析された任意の結果の表形式のレポートを生成することができる。レポートは、所望の数の以前のロットに基づいて、特定の時間枠について、および/また特定のロットについて生成され得る。データセットは、複数の形式に完全に抽出可能であり、さらなる解析が所望される場合には外部アプリケーションに入力することができる。
図24-1及び図24-2は、本開示のいくつかの態様に従った例示的なレポート2400を示す。例示的なレポート2400は、1つの製造ロットからの4つのクロマトグラフィーサイクルの結果を含むレポートピボットテーブルを含む。4つのサイクルの各々は、そのロットおよびサイクル番号によって記載されており、それが実行された日時の項目を含む。遷移解析の結果は、NG-HETP、ガウスHETP、歪度、非対称性、尖度、非ガウスNおよびガウスNを含む欄内に報告されている。データがもたらされたクロマトグラフィーシステムの名称、それが記録されたログブック、およびデータが取得されたブロックを示すデータソースのスナップショットも提供される。サイクルの各々のデータの下方には、解析結果の各々についてのトレンドデータ(trending data)が報告されている。このレポートは例示的なレポートであり、多くの変形例が可能であることが理解されるべきである。例えば、所望の数のクロマトグラフィーサイクルが記載されてもよく、かつ/またはトレンドデータの1つ以上のプロットに含まれてもよい。
いくつかの態様において、本願に開示するシステムおよび方法は、カラムおよびプロセス完全性の継続監視に用いられてもよい。従って、本願に開示するシステムおよび方法は、特定のカラムおよび/またはプロセスに関してデータを解析することができる。一態様において、そのデータ解析に基づいて、1つ以上の警告を生成することができる。別の態様では、上記データ解析に基づいて、クロマトグラフィープロセスを終了することができる。例えば、1つ以上の通知(例えば事象の通知、事象の評価、または逸脱通知フォーム)を操作者に提供または表示して、是正処置をとることができる。例えば、1つ以上のスクリーンオーバーレイを、例えば、コンピューティング装置110の画面上に表示することができ、かつ/または解析完了時に操作者にメッセージを送信して、クロマトグラフィープロセスを継続するか、または停止するかについて助言してもよい。
態様において、開示する方法およびシステムからの結果は、製造時にカラムを使用する前にカラムの充填品質を評価する際に、現在のトレンドの情報を与えるためにトレンド解析され得る。別の態様において、開示する方法およびシステムからの結果は、カラム性能をリアルタイム(またはオフライン)で評価するために用いられることができ、(例えば、トレンドチャートにおける許容範囲および管理限界が確立される場合には)次の生成物使用サイクルの前にそのカラム完全性を確認することができる。
さらなる態様では、結果を統計情報とともに用いて、高価で時間のかかる検査および試験の前に、多変量統計解析を用いたプロセスモデリングに基づいてプロセス成果を予測することができる。
特に統計解析プロットの1つの評価基準は、例えば、PCAを用いてデータセットに対するスコアプロットを生成する際に、平均からの標準偏差の閾値数を超えているロットはカラムの完全性の問題として識別され、ロット変動に関する警告または命令の生成をもたらし得ることを含んでもよい。
とりわけI-MR-R管理図の1つの評価基準は、1つまたは複数の管理図タイプの上方または下方管理限界の外側の任意の点が警告の根拠となり得ることを含み得る。よって、ステップ670に従って実施される動作は、ロットが管理限界の外側の点を示す場合には、例えばコンピューティング装置110から、警告を発することであってもよい。そのような警告としては、例えば、操作者またはデータベースに提供される事象の通知、事象の評価、および/または逸脱通知フォームが挙げられ得る。
いくつかの態様において、本願に開示するシステムおよび方法は、安全要件に対する一貫性および順守を保証するために組織の品質システムの枠組み内で動作し得るインプロセス制御システムの一部として実現されてもよい。そのようなプログラムの一部として、本願に開示するシステムおよび方法からのデータは、インプロセス制御プログラム内において監視されるべき重要プロセスパラメータ(CPP)および重要品質特性(CQA)を判定するために用いられ得る。加えて、そのようなプログラムの一部として、信号遷移およびカラム完全性のシフトは、(例えば、カラムの運転中に、またはカラムの運転と同時に)リアルタイムまたはほとんどリアルタイムで検知され得、性能データに応答して予防的処置および是正処置をとることを可能にする。
図23は、本開示のいくつかの態様に従った例示的なユーザーインターフェース2300を示す。ユーザーインターフェース2300は、使用者が新たな遷移解析プロファイルを生成または編集し得る遷移解析プロファイル作成/編集スクリーンを示している。プロファイルの生成中に選択されたパラメータは、クロマトグラフィープロセスの特有の特性に基づいて遷移解析を調整するため、並びに各カラムおよびプログラムに対する出力の頑健性を最適化するために用いられ得る。例示的なユーザーインターフェース2300に列記されるパラメータとしては、例えば、プロファイル名称、コメント、履歴データおよび/または試験場所、ファイルパターン、最終値、重要指標、ハードリセット、移動平均のためのウィンドサイズ、第1フィルタ(例えばSGフィルタ)の値、第2フィルタの値、最初にそれを下回るとその信号はゼロとして登録されるべきであるVmaxのパーセンテージ、ピークを保持するための最大幅のパーセンテージ、クロマトグラフィーカラムの高さ、開始日、終了日、並びにデータベース名が挙げられる。
本願に開示する方法およびシステムは、カラム完全性の比較的連続した監視に用いられてもよい。例えば、本願に開示する方法およびシステムは、クロマトグラフィーシステム上で診断を実施するために通常のクロマトグラフィープロセスの中断を必要とすることなく、カラム完全性を監視し得る。さらに、本願に開示する方法およびシステムは、特定のカラムおよび特定のプロセスに関するデータを解析することができる。検討したように、経時的なデータ解析に基づいて、1つ以上の警告を生成してもよい。別の態様では、上記データ解析に基づいて、クロマトグラフィープロセスを終了させてもよい。例えば、カラム完全性が損なわれていると判明した場合に是正処置をとるために、1つ以上の通知を操作者に対して表示することができる。例えば、1つ以上のスクリーンオーバーレイを表示し、解析完了時に操作者に対してメッセージウィンドを表示して、クロマトグラフィープロセスを継続するか、もしくは停止するかについて助言するか、または他の動作について助言することができる。
いくつか態様において、開示する方法およびシステムからの結果は、製造時にカラムを使用する前にカラムの充填品質を評価する際に現在のトレンドについての情報を与えるためにトレンド解析され得る。別の態様では、開示する方法およびシステムからの結果は、カラム性能をリアルタイム(またはオフライン)で評価するために用いられることができ、(例えば、トレンドチャートにおける許容範囲および管理限界が確立される場合には)次の生成物使用サイクルの前にそのカラム完全性を確認することができる。いくつかの態様において、結果を統計情報とともに用いて、高価で時間のかかる検査および試験の前にMVAを用いたプロセスモデリングに基づいてプロセス成果を予測することができる。
実施例1
第一位のブロックおよび信号の組み合わせは、以下のように親和性捕捉クロマトグラフィー(affinity capture chromatography)データから選択される。親和性捕捉データは、8つのブロックおよび各ブロックにつき2つの信号(UVおよび伝導率)の合計16の可能なブロックおよび信号の組み合わせの選択肢を含む。一連のブロックおよび信号の選択基準を含むプロファイルがデータに割り当てられ、それらの選択基準は、第一位のブロックおよび信号の組み合わせを選択するために以下の順序で適用される。
・ブロックは製造バッチサイクル間において規則正しい間隔で生じなければならないという選択基準を考慮することにより、2つのブロックおよびそれらの各信号を排除することができ、12の可能な組合せの選択肢を残す。
・信号はUV吸光度メーター飽和に達しなければならないという選択基準を考慮することにより、3つのブロックのUV信号を候補として除去することができ、9つの可能な組み合わせの選択肢を残す。
・信号は明確で識別可能なレベルで定常期に近づくという選択基準を考慮することにより、3つのブロックのUV信号を候補として除去することができ、6つの可能な組合せの選択肢(すべて信号の選択肢として伝導率を有する)を残す。
・信号は所与のブロックにおいて最小値と最大値との間に大きな差を有するべきであるという選択基準を考慮することにより、4つのブロックの伝導率を除去することができ、2つの可能な組み合わせの選択肢を残す。
・最小数の変曲点を表す信号が好ましいという選択基準を考慮することにより、1つのブロックの伝導率を除去することができ、残りの唯一のブロックおよび信号の組み合わせの選択肢を残す。
最終的に残っているブロックおよび伝導率信号の選択肢が、遷移解析が実施され得る第一位のブロックおよび信号の組み合わせである。排除されるべき最後のブロックおよび信号の組み合わせは、第二位のブロックおよび信号の組み合わせになる。
実施例2
I-MR-Rトレンド歪度(trending skewness)およびNG-HETPデータを、下記のように所与のクロマトグラフィー「プログラムB」において、100ロットのクロマトグラフィーロットについてプロットした。図14~図16は、歪度を表すI管理図、MR管理図およびR管理図をそれぞれ示している。図17~図19は、NG-HETPを表すI管理図、MR管理図およびR管理図をそれぞれ示している。UCLおよびLCLは、予め認められたデータによって決定される3標準偏差を示す。平均、UCLおよびLCLの線の切れ目はカラムの再充填を示す。これらの線における途切れていないシフトは、限界が再計算された点を示す。
図14は、プログラムBにおいて生成された100ロットすべてについての歪度を示す。第1および第2のカラムパックがそれらの使用の間に異なる挙動を示すことが分かり得る。示したように、パック1は第1の4ロット後に限界のシフトを経験し、0.055~0.855の歪度値を維持する。パック2はトレンドから外れており、しかしながら、ロット番号67において最終的に定常状態(stead state)に達する。これは、新たなカラムパックのシフト(shifting)および安定化はパック1におけるよりも時間が掛かるためであり得る。
図15は、プログラムBにおいて生成されたすべてのロットについての歪度のMR管理図を示す。個々の値に基づくロット間における大きなシフトを示す異常値をパック2について観測することができる。
図16は、プログラムBにおいて生成されたすべてのロットについての歪度のR管理図を示す。パック1では、いくつかの異常値が示されている。これは、パック2の限界を増大させた。管理図上には3つのパックが存在し、ロットは、パック1が最も左側の実線であり、パック3は最も右側の実線となるように、連続的に図表化されている。パック1の後半の間にトレンド点(trending points)が外れていることに留意されたい。これは、カラムがそのロットのサイクル内において変動を経験していたことを示し得る。
図17は、プログラムBにおいて生成されたすべてのロットについてのNG-HETPのI管理図を示す。パック1は、カラム挙動を向上することを表すNG-HETPの低下を経験する。パック2は、カラムの有効性の低下と相関し得るNG-HETPの連続的な増大を経験した。
図18は、プログラムBにおいて生成されたすべてのロットについてのNG-HETPの移動範囲管理図を示す。パック1およびパック2の双方において異常値を認めることができる。これは、個々の値によって劇的なシフトを示すいくつかの点を特定した。
図19は、プログラムBにおいて生成されたすべてのロットについてのNG-HETPのR管理図を示す。パック2は一貫して上昇する範囲値を示し、それらの範囲値は調査され、ロットの第3サイクル内において流れの向きを変化させる根本的原因を有すると判定された。これにより第3サイクルは他のサイクルとは異なる値を示した。
実施例3
個別(I)管理図は、所与の「プログラムA」に対する2つの群のクロマトグラフィーロットの遷移解析についてプロットされた。
図20は、プログラムAにおいて生成された46ロットについてのNG-HETPのI管理図を示す。データは、カラムがプロセスの一貫性について確立された限界内において実施されることを示す。
図21は、プログラムAにおいて生成された21ロットの付加的なロットについてのNG-HETPのI管理図を示す。データは、2つのロット(ロット56,58)が上方管理限界を超えたことを示している。
実施例4
図4に示した3ロットを含む27ロットのクロマトグラフィーロットからの遷移解析データを用いて多変量解析を実施した。図4に示した3ロットを含む27ロットから7つのパラメータについてローディング値を計算した。7つのパラメータは、上記ロットのI管理図、MR管理図およびR管理図の各々についてのNG-HETP、上記ロットのI管理図、MR管理図、およびR管理図の各々についての歪度、およびI管理図についての尖度を含む。図10は、各々の7つのパラメータのローディングチャートを示す。バーの各々の大きさはパラメータの主成分に対する効果に対応する。エラーバーは、ローディング値における相対誤差を示す。
図11は、上記27ロットの例示的なスコアプロットを示す。スコアプロットは、図4に示したそれらのロットについて計算されたローディング値(主成分1)並びに主成分2を含む27ロットからの7つのパラメータについて計算された。類似したパラメータ値を有するロットをクラスタ化した。大多数のプロット点のまわりの楕円は95%の信頼度で異常値を除外する。
実施例5
46ロットのクロマトグラフィーロットの遷移解析のためにI-MR-Rデータにおいて多変量解析を実施した。上記46ロットの各々についてI-MR-Rデータを収集した。I-MR-Rデータに基づいて異常または不適当であると思われたロットを解析から除去し、残りのロットについてのデータを下記の表1に収集した。複数の遷移の値を含むロットを平均して個々の測定値として報告した。範囲値は、ロット内における遷移の最大値から最小値を引いたものとして計算した。
表1からのデータを用いて、主成分を各入力パラメータの係数を示すローディングプロットを作成することにより計算した。データの各行を単一値に変換した。モデル精度および物理システムへの関連性の評価はPCAモデルのR値およびQ値によって示した。ここで、Rはデータのテストセットがどれだけ適合回帰線に近いかの統計的尺度であり、かつQはデータのテストセットがどれだけ回帰線に近いであろうかの統計的尺度である。RおよびQはともにそのモデルが解析中のシステムについてどれくらい良好に記述しているかを示しており、1は完全なモデル化であり、0は相関性の完全な欠如を表わす。
図12は、上記モデルのローディングプロットを示す。モデルのR値は0.798であり、かつQ値は0.591であった。これは、該モデルは使用に許容可能であり、すべて入力値はそれらが中心線の近くに位置しないためにモデル主成分における影響を有したことを示す。図12において、各点のy座標の大きさは主成分におけるパラメータの影響(例えば、平均NG-HETP、NG-HETPの範囲、歪度範囲、および平均歪度の影響)に対応する。各点のy座標は1点当たりの入力数に対応する。
主成分値は対応するロットに関してトレンド解析され、線形的にグラフ表示された。図13は、データセットのスコアプロットを示す。スコアプロットは、用いられた各ロットに対するPC1値(値は最も高い変動の方向に寄与した)を示す。図13では、1つのロット(ロット6)が3標準偏差限界の外側に存在し、いくつかの点は2標準偏差を超える寸前であることが分かり、これはシステムがそれらのロットにおける変動を経験していたことを示す。
当業者には分かるように、本願に開示する方法およびシステムは、完全にハードウェア実施形態、完全にソフトウェア実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとってもよい。更に、本開示に従ったシステムおよび方法は、記憶媒体内で具体化されるコンピュータ可読命令(例えばコンピュータソフトウェア)を有するコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形をとってもよい。適当なコンピュータ可読記憶媒体としては、ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置または磁気記憶装置が挙げられ得る。より具体的には、本方法およびシステムは、ウェブ上で実行される(web-implemented)コンピュータソフトウェアの形をとってもよい。
本開示の実施形態は、方法、システム、装置およびコンピュータプログラム製品のブロック図およびフローチャート図に関連して記載されている。ブロック図およびフローチャート図の1つ以上のブロックは、それぞれコンピュータプログラム命令によって実行され得ることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行するそれらの命令が1つ以上のフローチャートブロックにおいて規定された機能を実現するための手段を生成するようなマシンを生成してもよい。
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリ内に格納された該命令が1つ以上のフローチャートブロックにおいて規定された機能を実現するためのコンピュータ可読命令を含む製品をもたらすように、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリ内に格納されてもよい。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、一連の操作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実施させて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する該命令が1つ以上のフローチャートブロックにおいて規定される機能を実現するためのステップを提供するようなコンピュータで実行されるプロセス(computer-implemented process)を生成してもよい。
従って、ブロック図およびフローチャート図のブロックは、規定の機能を実施するための手段の組み合わせ、規定の機能を実施するためのステップの組み合わせ、および規定の機能を実施するためのプログラム命令をサポートする。また、ブロック図およびフローチャート図の各ブロック、およびブロック図中およびフローチャート図中のブロックの組み合わせは、規定の機能もしくはステップを実施するハードウェアに基づいたコンピュータシステム、またはハードウェア(例えば、特殊用途のクロマトグラフィーハードウェア)およびコンピュータ命令の組み合わせによって実現できることが理解されるであろう。
図22は、本開示に従ったいくつかのシステムおよび方法が実現され得る動作環境2200を示す。例として、図1のプロセス制御装置108およびコンピュータ装置110(またはそれらの構成要素)は、図22に示すコンピュータ2201であり得る。コンピュータ2201は、1つ以上のプロセッサ2203、システムメモリ2212、および1つ以上のプロセッサ2203を含むコンピュータ2201の様々な構成要素をシステムメモリ2212に接続するバス2213のような1つ以上の構成要素を備えることができる。複数のプロセッサ2203の場合には、システムは並列計算を用いることができる。
バス2213は、メモリバス、メモリコントローラ、周辺バス、アクセラレイティッドグラフィックスポート、および様々なバスアーキテクチャのいずれかを用いたプロセッサバスまたはローカルバスのようないくつかの可能な種類のバス構造のうちの1つ以上を含むことができる。バス2213およびこの説明において規定されるすべてのバスはまた、有線または無線ネットワーク接続上で実現され得る。
コンピュータ2201は、典型的には様々なコンピュータ可読媒体を含む。例示的な可読媒体は、コンピュータ2201によってアクセス可能である任意の入手可能な媒体であり得、例としてこれらに限定するものではないが、揮発性媒体および不揮発性媒体、並びに取り外し可能媒体および取り外し不能媒体の双方を含む。システムメモリ2212は、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリ、および/または読み出し専用メモリ(ROM)のような不揮発性メモリの形態にあるコンピュータ可読媒体を備えることができる。システムメモリ2212は、典型的には、クロマトグラフィーデータ2207のようなデータ、および/または1つ以上のプロセッサ2203にアクセス可能であり、かつ/または1つ以上のプロセッサ2203によって動作するオペレーティングシステム2205およびクロマトグラフィーソフトウェア2206のようなプログラムモジュールを含むことができる。本開示の多くの特徴および利点は詳細な明細書から明らかであり、よって、添付する特許請求の範囲により本開示の真の趣旨および範囲内にある本開示のそのような特徴および利点をすべて包含することが意図される。さらに当業者により多くの修正物および変形物が容易に想到されるため、本開示を図示し説明した厳密な構造および操作に限定することは望ましくなく、従って、すべての適当な修正物および均等物が用いられてもよく、本開示の範囲内にある。
別の態様において、コンピュータ2201は、他の取り外し可能な/取り外し不能な、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体も備えることができる。大容量記憶装置2204は、コンピュータ2201のためのコンピュータコード、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性の格納を提供することができる。例えば、大容量記憶装置2204は、ハードディスク、取り外し可能な磁気ディスク、取り外し可能な光ディスク、磁気カセットまたは他の磁気記憶装置、フラッシュメモリカード、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)などであり得る。
当業者には、この開示が基づく概念を本開示のいくつかの目的を成し遂げるための他の構造、方法およびシステムを設計する基礎として容易に用いることができることが分かるであろう。従って、特許請求の範囲は前述の記載によって限定されると見なされるべきではない。
[付記1]
複数の信号を含んだクロマトグラフィー生データを受け取るステップであって、前記複数の信号の各々が複数のブロックのうちの1つに関連付けられている、ステップと、
前記クロマトグラフィー生データから第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを選択することによりデータサブセットを得るステップと、
前記データサブセットにノイズ低減技術を適用することにより、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するステップであって、前記ノイズ低減技術の適用が、
所定の設定値を用いて解析するために前記データサブセットのうちの一部分を選択することと、
マグニチュード偏差を防止するために前記一部分を正規化することと、
前記一部分に対して少なくとも1つの平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することと、
前記一部分を動的信号エラーについて解析することとを含む、ステップと、
前記処理済みのクロマトグラフィーデータに対して遷移解析を実施することにより遷移データを生成するステップであって、前記遷移解析の実施が、
前記処理済みのクロマトグラフィーデータを用いて曲線を生成することと、
前記曲線を解析して性能パラメータを生成することとを含む、ステップと、
前記遷移データに基づいて動作を実施するステップであって、前記動作の実施が、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または、逸脱通知フォームを生成することを含む、ステップとを含むプロセス制御方法。
[付記2]
前記クロマトグラフィー生データはクロマトグラフィーシステムから受け取られる、付記1に記載の方法。
[付記3]
前記クロマトグラフィー生データは、クロマトグラフィーシステムによって1つ以上のクロマトグラフィーサイクルが実行されたときに前記クロマトグラフィーシステムの検出器から取得される、付記1に記載の方法。
[付記4]
前記複数のブロックの各々はクロマトグラフィープロセスにおける1つの工程に対応する、付記1に記載の方法。
[付記5]
選択された前記組み合わせは、前記第1のブロックと、前記第1の信号と、前記複数の信号のうちの第2の信号とを含む、付記1に記載の方法。
[付記6]
複数の選択基準を定義するプロファイルに従って、前記第1のブロックおよび前記第1の信号の組み合わせを選択するステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
[付記7]
前記複数の選択基準は、
複数のブロックが規則的なクロマトグラフィーサイクル間隔で生じるかどうか、
前記複数の信号のうちの1つが検出器を飽和させる程度、
前記複数の信号が明確なレベルで定常期に近づく程度、
前記複数の信号における変化の大きさ、または、
遷移期の間に前記複数の信号によって示される変曲点の数を含む、付記6に記載の方法。
[付記8]
前記第1のブロックおよび前記第1の信号の組み合わせの選択は、第一位のブロックおよび信号の組み合わせを選択することを含み、前記方法は、第二位のブロックおよび信号の組み合わせを選択するステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
[付記9]
前記方法は、クロマトグラム遷移の特徴に適合する平滑化データを選択するステップをさらに含み、前記特徴は、
誘導時間、
最大強度、
開始からの継続時間、または、
予想されるバックグラウンドセンサーノイズのうちの1つを含む、付記1に記載の方法。
[付記10]
前記方法は、
前記遷移データに基づいて個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図を生成するステップと、
前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用することにより性能データを生成するステップとをさらに含み、
前記遷移データに基づいて動作を実施するステップは、前記性能データに基づいて動作を実施することを含む、付記1に記載の方法。
[付記11]
前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図への統計的プロセス制御の適用は、多変量データ解析または主成分解析のうちの一方を実施することを含む、付記10に記載の方法。
[付記12]
クロマトグラフィーシステムの運転中に付記1に記載の方法を実施することを含むクロマトグラフィー方法。
[付記13]
クロマトグラフィー生データの選りすぐりを受け取るステップと、
クロマトグラフィー生データの前記選りすぐりにノイズ低減技術を適用することにより平滑化データを生成するステップであって、前記ノイズ低減技術が、
所定の設定値を用いて解析するために前記平滑化データのうちの一部分を選択することと、
マグニチュード偏差を防止するために前記一部分のデータを正規化することと、
前記一部分のデータに対して少なくとも1つの平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することと、
前記一部分のデータを動的信号エラーについて解析することとを含む、ステップと、
クロマトグラム遷移の特徴に適合する平滑化データを選択することにより、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するステップであって、前記クロマトグラム遷移の特徴が、
誘導時間、
最大強度、
開始からの継続時間、または、
予想されるバックグラウンドノイズを含む、ステップと、
前記処理済みのクロマトグラフィーデータに基づいて動作を実施するステップであって、前記動作の実施が、
事象の通知を生成すること、
前記事象の評価を生成すること、または、
逸脱通知フォームを生成することを含む、ステップとを含む、プロセス制御方法。
[付記14]
前記クロマトグラフィー生データの選りすぐり受け取るステップは、
複数の信号および複数のブロックを含んだクロマトグラフィー生データを受け取ること、ただし前記複数の信号の各々が1つのブロックに関連付けられていることと、
前記クロマトグラフィー生データから第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを選択することとを含む、付記13に記載の方法。
[付記15]
前記方法は、
前記処理済みのクロマトグラフィーデータを用いて、個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図のうちの1つを生成するステップと、
多変量データ解析を実施するか、あるいは主成分解析を実施することにより、前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用することによって性能データを生成するステップとをさらに含み、前記処理済みのクロマトグラフィーデータに基づいて動作を実施するステップは、前記性能データに基づいて動作を実施することを含む、付記13に記載の方法。
[付記16]
複数の信号を含んだクロマトグラフィー生データを受け取るステップであって、前記複数の信号の各々が複数のブロックのうちの1つに関連付けられている、ステップと、
前記クロマトグラフィー生データから第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを選択することによりデータサブセットを得るステップと、
前記データサブセットにノイズ低減技術を適用することにより、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するステップであって、前記ノイズ低減技術の適用が、
所定の設定値を用いて解析するために前記データサブセットのうちの一部分を選択することと、
マグニチュード偏差を防止するために前記一部分を正規化することと、
前記一部分に対して少なくとも1つの平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することと、
前記一部分を動的信号エラーについて解析することとを含む、ステップと、
遷移解析を実施することにより、カラム完全性を表す遷移データを生成するステップであって、遷移解析の実施が、
最大変化率を含む性能パラメータを生成することと、
前記性能パラメータに基づいて、前記遷移データを生成することとを含む、ステップと、
前記遷移データに基づいて動作を実施するステップであって、前記動作の実施が、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または、逸脱通知フォームを生成することを含む、ステップとを含むプロセス制御方法。
[付記17]
前記方法は、
前記遷移データに基づいて個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図を生成するステップと、
前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用することにより性能データを生成するステップとをさらに含み、
前記遷移データに基づいて動作を実施するステップは、前記性能データに基づいて動作を実施することを含む、付記16に記載の方法。
[付記18]
複数の選択基準を定義するプロファイルに従って、前記第1のブロックおよび前記第1の信号の組み合わせを選択するステップをさらに含み、前記複数の選択基準は、
複数のブロックが規則的なクロマトグラフィーサイクル間隔で生じるかどうか、
前記複数の信号のうちの1つが検出器を飽和させる程度、
前記複数の信号が明確なレベルで定常期に近づく程度、
前記複数の信号における変化の大きさ、または、
遷移期の間に前記複数の信号によって示される変曲点の数を含む、付記16に記載の方法。
[付記19]
前記方法は、
前記遷移データに基づいて個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図を生成するステップと、
前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用することにより性能データを生成するステップとをさらに含み、
前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図への統計的プロセス制御の適用は、多変量データ解析または主成分解析のうちの一方を実施することを含む、付記16に記載の方法。
[付記20]
前記クロマトグラフィー生データは、クロマトグラフィーシステムによって1つ以上のクロマトグラフィーサイクルが実行されたときに前記クロマトグラフィーシステムの検出器から取得されるか、前記クロマトグラフィーシステムのコンピューティング装置から取得されるか、あるいはその両方から取得される、付記16に記載の方法。
[付記21]
クロマトグラフィーシステムの運転中に付記16に記載の方法を実施することを含むクロマトグラフィー方法。

Claims (30)

  1. 複数の信号および複数のブロックを含んだクロマトグラフィー生データを受け取るステップと、
    前記クロマトグラフィー生データから第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを選択することにより前記クロマトグラフィー生データを処理するステップと、
    処理済みのクロマトグラフィー生データに対して遷移解析を実施するステップであって、前記遷移解析の実施が、
    変曲点の数または最大変化率を含む性能パラメータを生成することと、
    前記性能パラメータに基づいて、遷移データを生成することとを含む、ステップと、
    前記遷移データに基づいて個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図を生成するステップと、
    前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用することによって性能データを生成するステップとを含むプロセス制御方法。
  2. 前記方法は、前記性能データに基づいて動作を実施するステップをさらに含み、前記動作は、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または、逸脱通知フォームを生成することのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法は、クロマトグラフィーシステムによって1つ以上のクロマトグラフィーサイクルが実行されている間に、前記クロマトグラフィーシステムの検出器からクロマトグラフィー生データを取得するステップをさらに含み、
    前記クロマトグラフィー生データは、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するために用いられる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記クロマトグラフィー生データは複数の信号を含み、前記複数の信号の各々が複数のブロックのうちの1つに関連付けられており、
    前記複数のブロックの各々は前記1つ以上のクロマトグラフィーサイクルにおける1つの工程に対応する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法は、前記クロマトグラフィー生データの選りすぐりにノイズ低減技術を適用することにより平滑化データを生成するステップをさらに含み、前記ノイズ低減技術は、前記クロマトグラフィー生データの選りすぐりの信号対ノイズ比を増大させる、請求項3に記載の方法。
  6. 前記方法は、クロマトグラム遷移の特徴に適合する平滑化データを選択することにより、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ノイズ低減技術の実施は、
    所定の設定値を用いて解析するために前記クロマトグラフィー生データのうちの一部分を選択することと、
    選択された前記一部分のデータに対して少なくとも1つの平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することと、
    マグニチュード偏差を防止するために、選択された前記一部分のデータを正規化することと、
    選択された前記一部分のデータを動的信号エラーについて解析することと
    を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記遷移解析は、
    前記処理済みのクロマトグラフィーデータを用いて曲線を生成することと、
    前記曲線を解析して性能パラメータを生成することと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 複数の信号を含んだクロマトグラフィー生データを受け取るステップであって、前記複数の信号の各々が複数のブロックのうちの1つに関連付けられている、ステップと、
    前記クロマトグラフィー生データのサブセットにノイズ低減技術を適用することにより、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するステップであって、前記ノイズ低減技術の適用が、
    所定の設定値を用いて解析するために前記クロマトグラフィー生データのサブセットのうちの一部分を選択することと、
    前記一部分に対して少なくとも1つの平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することとを含む、ステップと、
    変曲点の数または最大変化率を含む性能パラメータを生成するステップと、
    前記性能パラメータに基づいて、遷移データを生成するステップと、
    前記遷移データに基づいて動作を実施するステップであって、前記動作の実施が、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または、逸脱通知フォームを生成することを含む、ステップとを含むプロセス制御方法。
  10. 記クロマトグラフィー生データは、クロマトグラフィーシステムによって1つ以上のクロマトグラフィーサイクルが実行されている間に、前記クロマトグラフィーシステムの検出器から取得される、請求項に記載の方法。
  11. 前記複数のブロックの各々はクロマトグラフィープロセスにおける1つの工程に対応する、請求項に記載の方法。
  12. 前記方法は、複数の選択基準を定義するプロファイルに従って第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを選択するステップをさらに含み、前記複数の選択基準は、
    複数のブロックが規則的なクロマトグラフィーサイクル間隔で生じるかどうか、
    前記複数の信号のうちの1つが検出器を飽和させる程度、
    前記複数の信号が明確なレベルで定常期に近づく程度、
    前記複数の信号における変化の大きさ、または、
    遷移期の間に前記複数の信号によって示される変曲点の数を含み、
    前記サブセットのデータは、前記第1のブロックおよび前記第1の信号の組み合わせから取得される、請求項に記載の方法。
  13. 前記方法は、
    前記遷移データに基づいて個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図を生成するステップと、
    前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用することにより性能データを生成するステップとをさらに含み、
    前記遷移データに基づいて動作を実施するステップは、前記性能データに基づいて動作を実施することを含む、請求項に記載の方法。
  14. クロマトグラフィー生データにノイズ低減技術を適用することにより平滑化データを生成するステップであって、前記ノイズ低減技術が、クロマトグラフィー生データのうちの一部分に対して平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することを含む、ステップと、
    クロマトグラム遷移の特徴に適合する平滑化データを選択することにより、処理済みのクロマトグラフィーデータを生成するステップであって、前記クロマトグラム遷移の特徴は、誘導時間、最大強度、開始からの継続時間、または、予想されるバックグラウンドノイズを含む、ステップと、
    遷移解析を実施して遷移データを生成するステップと、
    前記遷移データに基づいて動作を実施するステップであって、前記動作の実施が、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または、逸脱通知フォームを生成することを含む、ステップとを含むプロセス制御方法。
  15. 前記ノイズ低減技術は、所定の設定値を用いて前記クロマトグラフィー生データの前記一部分を選択することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ノイズ低減技術は、
    クロマトグラフィー生データの前記一部分を、クロマトグラフィー遷移によるものではないデータである動的信号エラーについて解析すること、または、
    マグニチュード偏差を防止するためにクロマトグラフィー生データの前記一部分を正規化すること、または、
    その両方をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記遷移解析の実施は、
    最大変化率、変曲点の数、破過容量、累積誤差、曲線非対称性、またはそれらの組み合わせを含んだ性能パラメータを前記処理済みのクロマトグラフィーデータに基づいて生成することと、
    前記性能パラメータに基づいて遷移データを生成するか、あるいは、履歴データと組み合わせて前記性能パラメータに基づいて遷移データを生成することとを含む、請求項14に記載の方法。
  18. 遷移解析の実施は、
    前記処理済みのクロマトグラフィーデータを用いて曲線を生成することと、
    前記曲線を解析して性能パラメータを生成することと、
    前記性能パラメータに基づいて前記遷移データを生成することとを含む、請求項14に記載の方法。
  19. 複数の信号および複数のブロックを含んだクロマトグラフィー生データを処理して処理済みのクロマトグラフィー生データを生成するステップと、
    前記処理済みのクロマトグラフィー生データに対して遷移解析を実施して遷移データを生成するステップであって、前記遷移解析の実施が、
    前記処理済みのクロマトグラフィーデータを用いて曲線を生成することと、
    前記曲線を解析して性能パラメータを生成することと、
    前記性能パラメータに基づいて前記遷移データを生成することとを含み、前記性能パラメータは、最大変化率、変曲点の数、破過容量、累積誤差、曲線非対称性、及び理論段相当高さのうちの2つ以上を含む、ステップと、
    前記遷移データに基づいて動作を実施するステップであって、前記動作の実施が、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または、逸脱通知フォームを生成することを含む、ステップとを含むプロセス制御方法。
  20. 前記方法は、
    個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図を生成するステップと、
    前記個別管理図、移動範囲管理図、または範囲管理図に統計的プロセス制御を適用して、性能データを生成するステップとをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記遷移データに基づいて動作を実施するステップは、前記遷移データおよび前記性能データに基づいて動作を実施することを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 記複数の信号の各々が複数のブロックのうちの1つに関連付けられており、
    前記複数のブロックの各々は、クロマトグラフィープロセスにおける1つの工程に対応する、請求項19に記載の方法。
  23. クロマトグラフィー生データの処理には、前記クロマトグラフィー生データから第1のブロックおよび第1の信号の組み合わせを選択することが含まれる、請求項19に記載の方法。
  24. 前記第1のブロックおよび前記第1の信号の組み合わせの選択には、複数の選択基準を定義するプロファイルに従って前記組み合わせを選択することが含まれ、前記複数の選択基準は、
    複数のブロックが規則的なクロマトグラフィーサイクル間隔で生じるかどうか、
    前記複数の信号のうちの1つが検出器を飽和させる程度、
    前記複数の信号が明確なレベルで定常期に近づく程度、
    前記複数の信号における変化の大きさ、および、
    遷移期の間に前記複数の信号によって示される変曲点の数
    のうちの一つ又は複数を含む、請求項23に記載の方法。
  25. クロマトグラフィーシステムによって1つ以上のクロマトグラフィーサイクルが実行されている間に、前記クロマトグラフィーシステムの検出器からクロマトグラフィー生データを取得するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  26. 前記遷移データは、前記クロマトグラフィーシステムで使用されるクロマトグラフィーカラムの完全性を示すものである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記方法は、
    前記クロマトグラフィー生データの選りすぐりにノイズ低減技術を適用することにより平滑化データを生成するステップをさらに含み、前記ノイズ低減技術は、前記クロマトグラフィー生データの選りすぐりの信号対ノイズ比を増大させ、
    クロマトグラフィー生データの処理には、前記平滑化データを処理することが含まれる、請求項19に記載の方法。
  28. クロマトグラフィー生データにノイズ低減技術を適用することにより平滑化データを生成するステップであって、前記ノイズ低減技術が、
    所定の設定値を用いてクロマトグラフィー生データのうちの一部分を選択することと
    クロマトグラフィー生データの前記一部分に対して平滑化フィルタを用いて平滑化データを生成することと
    マグニチュード偏差を防止するために、選択された前記一部分のデータを正規化することと、
    選択された前記一部分のデータを、クロマトグラフィー遷移によるものではないデータである動的信号エラーについて解析することと含む、ステップと、
    前記平滑化データに基づいて性能パラメータを生成するステップであって、前記性能パラメータが、最大変化率、変曲点の数、破過容量、累積誤差、曲線非対称性、理論段相当高さ、またはそれらの組み合わせを含む、ステップと、
    前記性能パラメータに基づいて遷移データを生成するステップと、
    前記遷移データに基づいて動作を実施するステップであって、前記動作の実施が、事象の通知を生成すること、前記事象の評価を生成すること、または、逸脱通知フォームを生成することを含む、ステップとを含むプロセス制御方法。
  29. 記クロマトグラフィー生データは、クロマトグラフィーシステムによって1つ以上のクロマトグラフィーサイクルが実行されている間に、前記クロマトグラフィーシステムの検出器から取得され、
    前記遷移データは、前記クロマトグラフィーシステムで使用されるクロマトグラフィーカラムの完全性を示すものである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記性能パラメータの生成には、
    前記平滑化データを用いて曲線を生成することと、
    前記曲線を解析して前記性能パラメータを生成することとが含まれる、請求項28に記載の方法。
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