JP7426836B2 - 低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低沸点有機物を溶媒とした低含水量の水酸化第4級アンモニウム溶液の新規な製造方法に関し、不純物金属の含量をも低減することが可能な、低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の製造方法に関する。
水酸化第4級アンモニウムは、相関移動触媒をはじめとして、非水溶媒滴定における塩基の標準液、有機系アルカリ剤等の有機の強塩基として有用であるとともに、LSIの製造における半導体基板の洗浄、食刻、ポジ型レジストの現像液に利用されている。かかる半導体関係の処理剤としての用途においては、半導体装置の集積化が進むにつれ、金属イオン、有機物などの不純物を含まない高純度品質が求められている。
一方で、非水溶媒を用いた低含水の水酸化第4級アンモニウム溶液は、腐食防止やレジスト等への浸み込みによる膨潤を抑える効果が期待でき、液晶、半導体デバイス製造におけるレジスト剥離、特に金属配線等を含む処理において有用である。更に、無水のアルカリ源として添加剤に用いられる。
従来、低含水の水酸化第4級アンモニウム溶液の製造方法としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム水和物をアルコールに溶解して減圧蒸留により脱水を行う方法や同溶液をモレキュラシーブなどの吸水剤で脱水する方法が知られている。しかし、両手法ともに、水酸化テトラメチルアンモニウム水和物の固形物を得るまでの工程が煩雑であるうえに、減圧蒸留は水より沸点の低いアルコールの場合、水は蒸発しにくいため低含水のアルコール溶液を得ることはできず、かつ、共沸組成以上の低含水物は得られないという欠点があった。また、吸水剤による脱水方法は不純物が混入し易い欠点があった。
上記減圧蒸留を改善した手法として、水酸化第4級アンモニウム水溶液をグリコールエーテル類、グリコール類、およびトリオール類からなる群から選択される水溶性有機溶剤と混合し、その混合液を減圧下で薄膜蒸留する方法が提案されているが、この方法では溶媒が高沸点溶媒に限定され、低沸点溶媒の溶液を得ることはできない(特許文献1)。
一方で、簡便に低含水の水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を製造する方法として、テトラメチルアンモニウム塩のアルカリ分解法が知られている。例えば、トリメチルアミンとメチルクロライドを反応させて得られたテトラメチルアンモニウムクロライドをメタノールに溶解させた水酸化カリウムで分解し、析出した塩化カリウムを除去することにより水酸化テトラメチルアンモニウムメタノール溶液を得ることができる。しかし、塩化カリウムの溶解度分は除去できないため、金属イオン濃度の低い高純度な水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を得ることができない。
一方で、第4級アンモニウム塩をアルコール溶媒に溶解させイオン交換樹脂でイオン成分を除去することにより効率的に高濃度かつ高純度の水酸化第4級アンモニウム溶液を製造する方法が提案されているが、十分な低含水物は得られず、また、不純物イオン濃度もまだ高いという問題があった(特許文献2)。
WO2010/073430公報 特開2004-315375公報
本発明の目的は、低沸点有機物を溶媒とする水酸化第4級アンモニウム溶液であって、低含水で、特に、金属イオン濃度が極めて低い高純度な水酸化第4級アンモニウム溶液を製造することが可能な方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、水酸化第4級アンモニウム水溶液に低沸点有機物を添加した混合溶液を、水選択透過性浸透気化膜を用いた浸透気化法で処理することにより、効率的に低含水溶液を得ることができることを見出した。更に、イオン交換基を有する浸透気化膜を用いることにより、不純物イオン成分が高度に除去された、低沸点有機物を溶媒とする低含水かつ高純度な水酸化第4級アンモニウム溶液が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、水より沸点が低いアルコールを溶媒とし、溶質として水酸化第4級アンモニウムを含み、且つ、水を2.0質量%以上含む高含水水酸化第4級アンモニウム溶液を、水選択透過性浸透気化膜を用いて浸透気化法により脱水することを特徴とする低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の製造方法が提供される。
上記方法において、上記低沸点有機物は、アルコールであることが好ましい。
また、上記方法において、水選択透過性浸透気化膜がイオン交換基を有する高分子膜であることが、イオン性成分がより低減された低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を得ることができ好ましい。
また、本発明によれば、上記製造方法により得ることができる、水より沸点が低いアルコールを溶媒とし、溶質として水酸化第4級アンモニウムを1~30質量%の濃度で含み、且つ、水含量が2.0質量%未満であることを特徴とする低含水水酸化第4級アンモニウム溶液をも提供される。


上記低沸点有機物が、アルコールであることが好ましい。
また、前記イオン交換基を有する高分子膜を水選択透過性浸透気化膜として使用することにより、上記低水含量に加え、ハロゲン含量が、100ppb以下であり、かつ、Na、Mg、Al、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、及びZnの不純物金属の総量が50ppb以下、個々の不純物金属の含量が5ppb以下である低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、従来から製造が困難であった、低沸点有機物を溶媒とし、溶質として水酸化第4級アンモニウムを含む水酸化第4級アンモニウム溶液において、水含量を著しく低下させた低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を得ることが可能である。
更には、ハロゲンの含量、金属不純物含量も高度に抑制された上記低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を得ることもできる。
本発明において、低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の製造方法は、低沸点有機物を溶媒とし、溶質として水酸化第4級アンモニウムを含み、且つ、水を2.0質量%以上含む高含水水酸化第4級アンモニウム溶液を、水選択透過性浸透気化膜を用いて浸透気化法により脱水することを最大の特徴とする。
本発明において、溶媒として使用する低沸点有機物としては、水より沸点が低く、水酸化第4級アンモニウムが溶解する有機物であれば特に制限されないが、低沸点のアルコールであるメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、2-メチル-2-プロパノールなどが好適に用いられる。また、低沸点有機溶媒は単体でもよく、複数種類の混合体でもかまわない。
本発明において使用される水酸化第4級アンモニウムとしては、有機物に溶解すれば特に制限されない。例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムなどが挙げられ、特に水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムが好適に用いられる。また、水酸化第4級アンモニウムは1種でもよく、複数種類の混合体でもかまわない。
本発明において、高含水水酸化第4級アンモニウム溶液は、水含量が2.0質量%以上のものであれば特に制限されないが、後で詳述する水選択透過性浸透気化膜を使用して得られる低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の純度をより向上させるためには、ある程度の水を含有していることが好ましく、前記水含量は、10質量%以上、特に、20~50質量%、更には、25~40質量%であることが好ましい。
本発明において、上記高含水水酸化第4級アンモニウム溶液は、従来の方法により得られ、水含量が十分低減されていない水酸化第4級アンモニウム溶液を対象とすることもできるが、好ましい調製方法を例示すれば、水酸化第4級アンモニウム水溶液と低沸点有機物とを混合する方法が挙げられる。
上記混合に使用される水酸化テトラ第4級アンモニウム水溶液は、高純度かつ高濃度のものが好ましく、例えば、WO98-003466公報などに示されるようなイオン交換膜を用いた電解透析法や有機酸第4級アンモニウム塩水溶液の電気分解法で製造された水酸化第4級アンモニウム水溶液を使うことが好ましい。上記方法においては、一般的に、水酸化第4級アンモニウム濃度10~30質量%、Na、Mg、Al、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、及びZnの不純物金属の総量金属イオン濃度100ppb以下、ハロゲン含量10ppm以下の水溶液を得ることが可能であり、かかる水酸化第4級アンモニウム水溶液は、本発明において好適に使用することができる。
また、低沸点有機物も、蒸留等により不純物金属が十分除去され、精製されたものを使用することが好ましい。
本発明において、前記方法により得られた高含水水酸化第4級アンモニウム溶液を浸透気化法に供して脱水することにより本発明の低含水水酸化第4級アンモニウム溶液が得られる。
本発明において、浸透気化法は、分離膜として水選択透過性浸透気化膜を使用し、上記水選択透過性浸透気化膜によって仕切られた少なくとも一対の室を構成し、かかる室の一方(処理液室)に高含水水酸化第4級アンモニウム溶液を供給し、他方の室(透過室)を真空又は減圧にして、選択的に水を膜透過させて脱水する方法が一般的である。透過した水は気化した状態で回収してもよいが、通常冷却装置で、冷却凝縮され液体として回収される。
前記水選択透過性浸透気化膜の分離特性を表す一般的パラメーターは、透過係数Qと分離係数α(A/B)である。透過係数Qは、単位時間当り、単位膜面積当りに膜透過する液量で透過速度を示し、単位はg/(m・h)で与えられる。また、分離係数α(A/B)は、処理液室側の液体成分A、Bの濃度を[A]、[B]とし、浸透気化操作により膜透過した後の透過室側の各成分濃度を[A]’、[B]’とすると、分離係数α(A/B)は、α(A/B)=([A]’/[B]’)/([A]/[B])で表される。この場合、水選択透過性浸透気化膜がB成分よりA成分を透過させ易い時には、α(A/B)>1となる。従って、分離効率を良好にするためには、透過係数Qと分離係数α(A/B)ができるだけ大きな値の水選択透過性浸透気化膜を選択することが重要である。浸透気化法を用いると水と低沸点有機物の分離原理は、浸透気化膜内に選択的に水が取り込まれ圧力差を駆動力として水が膜内移動して起こるため、蒸留と異なり共沸組成以上の脱水が可能となる。
本発明に用いる水選択透過性浸透気化膜は、低沸点有機物成分Bに対する水Aの分離係数αが、α(A/B)>1である水選択透過性の膜であればよく、高分子膜、無機膜、高分子/無機複合膜などの何れの膜も適用できる。好ましくは、水と親和性の高いイオン交換基を有する水選択透過性浸透気化膜を用いると、水選択透過性を高めることができる。イオン交換基はイオン交換能を有する官能基であって、それ自体公知のものであり、例えばカチオン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基が代表的であり、アニオン交換基としては、2級或いは3級アミノ基、4級アンモニウム基が代表的である。これらのイオン交換基の中でもカチオン交換基としては、強酸性基であるスルホン酸基が好ましく、アニオン交換基としては、強塩基性基である第4級アンモニウム基が好ましい。
一方で、耐久性の観点から、水酸化第4級アンモニウムは強塩基性なので、第4級アンモニウム塩基などのアニオン交換基はホフマン分解によるイオン交換基の脱離が懸念されるため、カチオン交換基を有する浸透気化膜を用いることが長期安定運転を確保する上で、好適である。
上記水選択透過性浸透気化膜として、イオン交換基を有するものを使用することにより、不純物量は、著しく低減する理由としては、浸透気化膜のイオン交換基と水酸化第4級アンモニウム溶液中のイオン性不純物との親和性が高く、イオン性不純物が膜内に取り込まれるためと考えられる。従って、不純物金属を少なくするためにはカチオン交換基を有する水選択透過性浸透気化膜を使うとより効果的である。
また、本発明に用いる膜の形態は、平膜状、筒状、スパイラル状、中空糸状等用いる装置の形状に応じて適宜選択すればよい。
本発明において、浸透気化法の操作条件は特に限定されないが、処理液室の圧力は、0.1~1MPaの範囲がよく、好ましくは大気圧かその近傍の圧力がよい。一方透過室の圧力は、大気圧以下がよく、好ましくは0.01MPa以下の真空が好ましい。即ち、浸透気化法においては、透過側の膜面で、膜透過してきた液体成分を蒸発させ、蒸気の状態で取り出すことが必要なので、透過側の圧力は膜透過する物質の蒸気圧より低い圧力にすることが好ましい。また、本発明において、処理液室の高含水水酸化第4級アンモニウム溶液の温度は、特に限定されないが透過係数からみると高い温度が好ましい。しかし、高温すぎると膜の耐久性に悪影響を及ぼすので、一般的には10~100℃望ましくは30~70℃の範囲がよい。
また、処理時間は、処理される高含水水酸化第4級アンモニウム溶液の水含量に応じて適宜設定される。
本発明の製造方法によれば、水酸化第4級アンモニウムの濃度が1~30質量%、水含量が2.0質量%未満の低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を調製することができる。また、水選択透過性浸透気化膜としてイオン交換基を有する高分子膜を使用した場合は、不純物金属等の除去も効果的に実施されるため、Na、Mg、Al、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、及びZnの不純物金属の総量が50ppb以下、個々の不純物金属の含量が5ppb以下、特に、4ppb以下不純物であるハロゲン含量が50ppb以下、特に、40ppb以下の低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を調製することができる。
また、本発明の方法によれば、水含量が、2.0質量%未満、特に、1.5質量%未満、更には1.0質量%未満の低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を得ることが可能であるが、水含量をあまり低く設定し過ぎると水選択透過性浸透気化膜の水の透過係数、分離係数の低下が顕著となり脱水効率が低下する。それ故、得られる低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の含水量は、0.05質量%以上、特に、0.1質量%以上とすることが好ましい。
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(浸透気化に供する高含水水酸化第4級アンモニウム溶液の調製)
WO98-003466公報記載の方法に従って、塩化テトラメチルアンモニウムから電解透析により水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を調製した。得られた水溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム濃度は酸による中和滴定により求めた結果、25質量%であった。
次いで、当該水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液100重量部に対して、メタノールを100重量部混合し、水酸化テトラメチルアンモニウム濃度12.5%、含水量37.5%の高含水水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を調製した。尚、メタノールは、使用前に蒸留精製を行い、不純物金属を予め除去したものを用いた。
このようにして得られた高含水水酸化テトラメチルアンモニウム溶液について、ハロゲン含量はイオンクロマト分析、不純物金属は誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)によって測定した結果、ハロゲン濃度 50ppb、Na、Mg、Al、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、及びZnの中で、最大含量を示した不純物金属の含量は6ppb、および不純物金属の総量は、53ppbであった。
(水選択透過性浸透気化膜の調製)
1.カチオン交換基を有する膜の調製
ポリスルホンを1,2-ジクロロエタンに溶解させ、所定量のクロロスルホン酸を滴下してスルホン化反応を行い、スルホン酸基を導入した。1,2-ジクロロエタンをメタノールと置換し、次いで乾燥させた後、得られた高分子をN-メチル-2-ピロリドンに15質量%濃度で溶解させ、ガラス板上にキャストし、次いで水に浸漬して相変化させることにより膜状物を得た。得られた膜状物は、厚み201μm、膜の片面に10μmの緻密層を有する非対象構造で、スルホン酸基容量は、0.8mmol/g-乾燥膜であった。
(浸透気化法)
有効膜面積40cmの浸透気化膜で処理液室と透過室に区画した浸透気化装置に前述の調製膜の緻密層が処理液室側に向くように組み込み、処理液室側に先に調製した高含水水酸化テトラメチルアンモニウム溶液を膜面流速10cm/s、液温50℃、常圧下で供給した。一方、透過室側は真空ポンプで、0.001MPaになるように減圧にして、浸透気化操作を行なった。実験は、所定時間連続して行い、透過室側の気体状物を蒸気トラップで捕集し、透過係数Q(g/(m・h))と分離係数α(水/有機溶媒)=([透過室側の水質量%]/[透過室側の有機溶媒質量%])/([処理液室側の水質量%]/[処理液室側の有機溶媒質量%])を測定値より求めた。
(低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の分析)
浸透気化法で脱水した低含水水酸化テトラメチルアンモニウム溶液の水酸化テトラメチルアンモニウム濃度は酸による中和滴定、含水量は、カールフィッシャー滴定法、ハロゲン含量はイオンクロマト分析法、不純物金属は誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)によって測定した。尚、不純物金属は、Na、Mg、Al、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、及びZnを測定し、各不純物金属の中の最大値濃度、および不純物金属の総量の結果を示した。
結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、水選択透過性浸透気化膜を、以下の方法により調製した第4級アンモニウム塩基導入膜に代えた以外は同様にして低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を製造した。その結果を表1に示す。
(水選択透過性浸透気化膜の調製)
ポリスルホンを1,2-ジクロロエタンに溶解させた後、塩化スズを触媒としてクロロメチルメチルエーテルをポリスルホンと反応させてクロロメチル基を導入した。1,2-ジクロロエタンをメタノールと置換し、次いで乾燥させた後、得られた高分子をN-メチル-2-ピロリドンに15質量%濃度で溶解させて、ガラス板上にキャストし、次いで水に浸漬して相変化させることにより膜状物を得た。その膜状物をトリメチルアミン水溶液に浸漬して、第4級アンモニウム塩基を導入した。得られた膜状物は、厚み198μm、膜の片面に11μmの緻密層を有する非対象構造で、第4級アンモニウム塩基容量は、0.8mmol/g-乾燥膜であった。
実施例3
実施例1において、有機溶媒をイソプロパノールとした以外は、同様にして、低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を製造した。尚、イソプロパノールは、使用前に蒸留精製を行い、不純物金属を予め除去したものを用いた。その結果を表1に示す。
実施例4
実施例3おいて、水選択透過性浸透気化膜を実施例2で調製した第4級アンモニウム塩基導入膜に代えた以外は、同様にして、低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を製造した。その結果を表1に示す。
Figure 0007426836000001
実施例5、6
実施例1において、有機溶媒として、メタノール(実施例5)、イソプロパノール(実施例6)を使用し、水選択透過性浸透気化膜として、以下の方法により調整されたイオン交換基が導入されていない膜を用いた以外は、同様にして、低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を製造した。その結果を表2に示す。
(イオン交換基が導入されていない膜の調製)
ポリスルホンをN-メチル-2-ピロリドンに15質量%濃度で溶解させ、ガラス板上にキャストし、次いで水に浸漬して相転換させることにより膜状物を得た。得られた膜状物は、厚み195μm、膜の片面に10μmの緻密層を有する非対象構造膜であった。
Figure 0007426836000002
実施例7、8
実施例1において、浸透気化の処理時間を1.5倍(実施例7)、2倍(実施例8)に変更した以外は、同様にして、低含水水酸化第4級アンモニウム溶液を製造した。その結果を表3に示す。
Figure 0007426836000003

Claims (3)

  1. 水より沸点が低いアルコールを溶媒とし、溶質として水酸化第4級アンモニウムを含み、且つ、水を2.0質量%以上含む高含水水酸化第4級アンモニウム溶液を、水選択透過性浸透気化膜を用いる浸透気化法により脱水することを特徴とする低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の製造方法。
  2. 前記水選択透過性浸透気化膜がイオン交換基を有する高分子膜である請求項1記載の低含水水酸化第4級アンモニウム溶液の製造方法。
  3. 水より沸点が低いアルコールを溶媒とし、溶質として水酸化第4級アンモニウムを1~30質量%の濃度で含み、且つ、水含量が2.0質量%未満であり、ハロゲン含量が、100ppb以下であり、かつ、Na、Mg、Al、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、及びZnの不純物金属の総量が50ppb以下、個々の不純物金属の含量が5ppb以下であることを特徴とする低含水水酸化第4級アンモニウム溶液。
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