JP7425525B1 - ばねロック機構、テーブル及びアームレスト - Google Patents

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JP7425525B1 JP2023570339A JP2023570339A JP7425525B1 JP 7425525 B1 JP7425525 B1 JP 7425525B1 JP 2023570339 A JP2023570339 A JP 2023570339A JP 2023570339 A JP2023570339 A JP 2023570339A JP 7425525 B1 JP7425525 B1 JP 7425525B1
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靖 谷口
徳三 小林
慶倫 谷口
現 清水
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Abstract

【課題】回動対象を逆転方向で規制するだけでなく、正転方向でも規制することができるばねロック機構を提供する。【解決手段】ロックドラム10と回動部材30とロックばね40とを備え、回動部材30を正転方向に回動させる際には、回動部材30の正転が許容されたロック解除状態となり、回動部材30の逆転に対しては、回動部材30の逆転が規制されたロック状態となるばねロック機構において、ロックドラム10に設けたロック解除カム11及びロック復帰カム12と、回動部材30に設けたロック解除保持部31とで、ロックのON-OFF切替機構を構成し、ロックばね40の一端側を、回動部材30に固定された固定端Aとし、ロックばね40の他端側を、外向きに折り曲げられて伸ばした延長部41とし、その先端を固定端Bとするとともに、延長部41を弾性変形内で撓ませることで、ロックばねのコイル部分をロックドラム10に押し付け、その弾性力に伴う抵抗力を回動部材30の正転規制のトルクとし、ロック状態にある回動部材30が正転及び逆転するいずれの場合においても、抵抗トルクが付加されるようにした。【選択図】 図1

Description

本発明は、2つの部材の相対的な回動を規制するためのばねロック機構と、このばねロック機構を用いたテーブル及びアームレストとに関する。
乗り物(自動車や列車や航空機等)の座席には、テーブルが取り付けられることがある。この種のテーブルは、1つ前の座席の背もたれの背面に対して回動可能な状態で取り付けられる。これにより、テーブルの使用時には、そのテーブルを、背もたれの背面から後ろ向きに突出した使用位置としながらも、テーブルの不使用時には、そのテーブルを、背もたれの背面に沿わせた格納位置とすることができる。また、1つ前の座席の背もたれの角度が変わっても、テーブルを水平に調節することもできる。
乗り物の座席には、アームレストが取り付けられることもある。この種のアームレストは、背もたれの側方に回動可能な状態で取り付けられる。これにより、使用者の姿勢や背もたれの角度に応じた適切な高さにアームレストを調節することができる。
テーブルやアームレスト等の回動角度(高さ)を調節する機構としては、ばねロック機構が知られている。ばねロック機構は、特許文献1の図1に示されるように、ロックドラム(同文献の「固定胴6」)に外嵌されたロックばね(同文献の「コイルバネ7」)と、同文献の図4に示されるように、ロックばね6の自由端(同文献の「フリー端7a」)を操作するカム機構(同文献の「第1傾斜カム6b」及び「第2傾斜カム6d」)とで構成される。同文献のばねロック機構は、回動対象(同文献の「アームレスト3」)の、正転側限界位置(同文献の「格納位置」)と逆転側限界位置(同文献の「初期位置」)との間における正転(同文献の「上方回動」)又は逆転(同文献の「下方回動」)を許容又は規制するものとなっている。
具体的には、回動対象(アームレスト)を逆転側限界位置(初期位置)から正転(上方回動)させるときには、ロックばねがロックドラムの外周部を緩めることで、回動対象(アームレスト)の正転(上方回動)を許容しながらも逆転(下方回動)を規制するロック状態が発現する。また、回動対象(アームレスト)を調整範囲まで正転(上方回動)させると、ロックばねの自由端がロック解除カム(同文献の「第1傾斜カム6b」)によって操作されてロック解除保持部(同文献の「横溝8b」)に保持されることで、ロックばねがロックドラムに対して緩み、アームレストの正転(上方回動)及び逆転(下方回動)が許容されたロック解除状態が発現する。さらに、ロック解除状態にある回動対象(アームレスト)を、逆転側限界位置(初期位置)まで逆転(下方回動)させると、ロックばねの自由端がロック復帰カム(同文献の「第2傾斜カム6d」)によって操作されてロック解除保持部から外れ、ロック状態に復帰する。
ばねロック機構としては、特許文献1のように、ロックばねでロックドラムの外周部を締め付けることでロック状態を発現させる締付式のもののほか、特許文献2のように、ロックドラムに内嵌したロックばねをロックドラム内で拡径させて張った状態とすることでロック状態を発現させる外張式のものもある。これらのばねロック機構は、回動対象の角度を無段階で調節することができるという利点を有している。
特開2006-055258号公報 特許第6618582号公報
ところで、ばねロック機構を用いた従来のテーブルやアームレストでは、テーブルやアームレストがロック状態にあるときには、逆転方向(下方回動する方向)には回動が規制されるものの、正転方向(上方回動する方向)には回動が規制されていない。このため、乗り物に慣性力が生じると、その慣性力によってテーブルやアームレストが正転(上方回動)し、テーブルやアームレストの高さが変わってしまうおそれがある。例えば、自動車が悪路を走行するときの振動や、航空機がエアポケットに突入したときの振動等で、テーブルやアームレストの高さが変わるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、回動対象(テーブルやアームレスト)を逆転方向で規制するだけでなく、正転方向でも規制することができるばねロック機構を提供するものである。また、このばねロック機構を用いたテーブル(天板の角度(高さ)を無段階で調節できるようにした高さ調節式のテーブル)や、アームレスト(腕支え部の角度(高さ)を無段階で調節できるようにした高さ調節式のアームレスト)や、ヘッドレスト(頭部の前後位置を無段階で調節できるようにした前後位置調節式のヘッドレスト)等を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
円筒状を為すロックドラムと、
ロックドラムに対して正転及び逆転可能な状態で軸支された回動部材と、
ロックドラムに外嵌又は内嵌され、一端を回動部材に固定したコイルばねからなるロックばねと
を備え、
回動部材を、正転方向に回動させる際には、ロックばねがロックドラムに対して緩んで、回動部材の正転が許容されたロック解除状態となり、
回動部材の逆転に対しては、ロックばねの内周部又は外周部がロックドラムに密着し、その摩擦力によって回動部材の逆転が規制されたロック状態となる
ばねロック機構であって、
ロックドラムに設けたロック解除カム及びロック復帰カムと、回動部材に設けたロック解除保持部とで、ロックのON-OFF切替機構を構成し、
ロックばねの一端側を、外向き又は内向きに折り曲げて回動部材に固定された固定端Aとし、
ロックばねの他端側を、外向きに折り曲げて伸ばした延長部としてその先端を固定端Bとし、当該延長部を弾性変形内で撓ませることで、ロックばねのコイル部分をロックドラムに押し付け、その弾性力に伴う抵抗力を回動部材の正転規制の抵抗トルクとし、
ロック状態にある回動部材が正転及び逆転するいずれの場合においても、抵抗トルクが付加されるようにした
ことを特徴とするばねロック機構
を提供することによって解決される。
本発明のばねロック機構において、テーブルの天板やアームレストの腕支え部等の回動対象は、回動部材に対して一体的に固定される。このばねロック機構では、ロックばねの他端側(固定端B側)における延長部が、ロックばねのコイル部分をロックドラムに押し付ける方向に弾性的に変位されているため、ロック状態にあるときの回動部材は、逆転方向だけでなく、正転方向にも回動が規制(抵抗トルクが付加)された状態となる。このため、自動車が悪路を走行したり、航空機がエアポケットに突入したりすることによって、乗り物に慣性力が生じた場合でも、回動対象が正転方向に変位しないようにできる。したがって、使用時の回動対象(テーブルの天板やアームレストの腕支え部等)を適切な高さから変位しないようにすることができる。延長部は、ON-OFF切替機構に伴う撓み量を加算したものとされ、当該機構によって変位されても、弾性変形で収まる長さ(塑性変形しない長さ)とされる。
本発明のばねロック機構において、正転方向の抵抗トルクは、ロックばねの有効巻数を増やす(例えば、従来の1.2~1.5倍にする)ことによって、多少上昇させることが可能である。なお、正転方向の抵抗トルクは、逆転方向の抵抗トルク(ロック力)の20~40%程度に設定する、又は、10N・m程度に設定することが好ましい。ただし、ロックばねの有効巻数を増やした程度では、正転方向において所望の抵抗トルクを生じさせるには不十分である。この点、本発明のロック機構では、ロックばねに設けた延長部の弾性力によって、ロックばねのコイル部分をロックドラムに押し付けるようにしている。
その具体的な評価方法について説明する。
延長部(線材。以下同じ。)の曲げモーメントをMとし、応力値をσとし、断面係数をZとすると、延長部の根元にかかる曲げモーメントMは、下記式1で表される。

M=σZ ・・・式1

ここで、断面係数Zは、線材の直径をdとすると、下記式2で表すことができる。

Z=πd/32 ・・・式2

また、延長部の先端に加える荷重をPとし、延長部の長さをLとすると、Mは、下記式3で表される。

M=PL ・・・式3

さらに、線材のヤング率をEとし、断面二次モーメントをIとすると、たわみδは、下記式4で表すことができる。

δ=PL/3EI ・・・式4

上記式1~4から、弾性変形内に収まる妥当な数値を算出することができる。
例えば、d=3.5mm、Z=4.2mm、I=7.4mm、σ=1570N/mm、E=205GPa、L=100mm、P=30Nとした場合、式4より、δ=6.6mmとなる。それにロック解除動作における解除ストローク量3mmを加算したときの撓み量δは、6.6+3.0=9.6mmとなる。δ=9.6mmにおいては、式4より、P=43.5Nとなり、式3より、M=43.5×100=4350N・mmとなり、式1より、σ=4350÷4.2=1035N/mmとなる。安全率σ/σは、1570÷1035=1.5となり、上記の条件が、弾性変形内で強度の限界を超えない妥当な数値であることが分かる。
また、本発明のばねロック機構においては、逆転側限界位置に達した回動部材がそれ以上逆転しないようにするための逆転限度ストッパを設けることができる。例えば、ばねロック機構を用いた従来のアームレストでは、逆転側のロック力が、腕支え部の先端で300~500N程度とされており、所定値を超える荷重がかかったときに、ロックばねがスリップすることで機構部品の破損を防いでいる。この点、逆転限度ストッパを設けることで、1000N程度まで保持することが可能になる。
以上のように、本発明によって、回動対象(テーブルやアームレスト)を逆転方向で規制するだけでなく、正転方向でも規制することができるばねロック機構を提供することが可能になる。また、このばねロック機構を用いたテーブルやアームレストや、ヘッドレスト等を提供することも可能になる。
ばねロック機構を組み込んだ座席用テーブルを、側方から見た状態を示した図である。 ばねロック機構を組み込んだ座席用テーブルを、上方から見た状態を示した図である。 ロックばねの延長部の弾性変形内での変形による抵抗トルクの発現を説明する図である。 ロックばねの被操作部の動作を説明する図である。 ばねロック機構を組み込んだアームレストを、側方から見た状態を示した図である。 ばねロック機構を組み込んだアームレストを、上方から見た状態を示した図である。 ばねロック機構を組み込んだヘッドレストを、側方から見た状態を示した図である。
本発明のばねロック機構の実施形態について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、3つの実施形態(第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態)を例に挙げて、本発明のばねロック機構を説明する。しかし、これらの実施形態は、飽くまで好適な実施形態であり、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態に限定されない。本発明のばねロック機構には、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
1.第一実施形態のばねロック機構
まず、第一実施形態のばねロック機構について説明する。第一実施形態のばねロック機構は、乗り物の座席に据え付けられるテーブル(座席用テーブル)に組み込むものとなっている。自動車等の乗り物の座席には、背もたれの背面に、後部座席用のテーブル(座席用テーブル)が据え付けられることがあるところ、この座席用テーブルに、ばねロック機構を組み込むことによって、テーブル(天板)の位置を、背もたれの背面から後ろ向きに突出した使用位置と、背もたれの背面に沿わせた格納位置との間で切り替えるだけでなく、テーブル(天板)の上下位置(高さ)を、使用位置と調整限界位置(天板の上下位置を調節できる上側の限界位置。第一実施形態のばねロック機構においては、この調整限界位置を、格納位置(正転側限界位置)よりも低い位置に設定している。)との間で、無段階で調節することが可能になる。このため、背もたれ(その座席用テーブルが据え付けられている背もたれ)の角度が変わっても、テーブル(天板)を水平にして使用することができる。
図1及び図2は、ばねロック機構を組み込んだ座席用テーブルを示した図であって、図1は、座席用テーブルを側方から見た状態を、図2は、座席用テーブルを上方から見た状態をそれぞれ示している。第一実施形態のばねロック機構は、図1及び図2に示すように、ロックドラム10と、ドラム軸20と、回動部材30と、ロックばね40とを備えている。
ロックドラム10は、円筒状を為す部材であり、ドラム軸20を介して座席の背もたれに対して動かない状態で固定される。このロックドラム10には、ロック解除カム11及びロック復帰カム12が一体的に形成されている。回動部材30は、ロックドラム10に対して正転(第一実施形態のばねロック機構では上方回動)及び逆転(第一実施形態のばねロック機構では下方回動)可能な状態で軸支されている。回動部材30には、ロック解除保持部31が一体的に形成されている。テーブルの天板100は、この回動部材30に対して一体的に固定される。このため、天板100を正転(上方回動)させると、回動部材30も正転(上方回動)し、天板100を逆転(下方回動)させると、回動部材30も逆転(下方回動)する。
ロックばね40は、ロックドラム10に外嵌されたコイルばねとなっている。ロックばね40の一端は、外向きに折り曲げて回動部材30に固定した固定端Aとなっており、ロックばね40の他端は、外向きに折り曲げて伸ばした延長部41を介して回動部材30に固定(係止)した固定端Bとなっている。延長部41は、弾性変形内で撓ませられており、その弾性力によって、ロックばね40(コイル部分)の内周部がロックドラム10に押し付けられた状態となっている。延長部41の付け根付近は、被操作部42となっている。
このばねロック機構では、それがロック状態にあるときに、天板100の高さ調節を行うようになっているところ、このロック状態において、回動部材30を正転(上方回動)する際には、ロックばね40がロックドラム10に対して緩んで、回動部材30の正転(上方回動)が許容されたロック解除状態となり、回動部材30の逆転(下方回動)に対しては、ロックばね40の内周部がロックドラム10に密着し、その摩擦力によって回動部材30の逆転(下方回動)が規制されたロック状態となる。
ただし、上記の延長部41の弾性力によって、ロックばね40(コイル部分)の内周部がロックドラム10に押し付けられた状態となっているため、その弾性力に伴う抵抗力が、回動部材30の正転(上方回動)規制の抵抗トルクとして発現するようになっている。図3は、この抵抗トルクの発現を説明する図である。すなわち、図3に示すように、自然状態においては破線で示した位置にある延長部41(固定端B)を弾性的に変形させて、実線で示した位置に変位させれば、その弾性力によって、ロックばね40のコイル部分は、固定端B側(巻き増し方向)に引っ張られる。ロックばね40がロックドラム10を締め付けることによる摩擦抵抗力F(延長部41を弾性変形させない場合の値)は、摩擦係数をμ、ロックばね40の内周部がロックドラム10の外周部に加える垂直抗力をNとすると、F=μNとなるところ、これに、追加の抵抗Fを加えることが可能になる。この追加の抵抗Fは、延長部41の突出量Lと、延長部41の先端に加えた追加の負荷Pとを用いて、F=P×Lと表すことができる。
以上のように、延長部41を弾性変形した状態で固定することによって、ロック状態にあるときには、回動部材30が逆転(下方回動)する場合だけでなく、正転(上方回動)する場合においても、抵抗トルクが付加されるようになる。このため、自動車が悪路を走行したり、航空機がエアポケットに突入したりすることによって、乗り物に慣性力が生じた場合でも、天板100が、その慣性力程度では、正転方向(上方回動する向き)に変位しないようになる。したがって、テーブル使用時の天板100を適切な高さから動かないようにすることができる。
ところで、ロック状態にあるときには、被操作部42がロック解除保持部31から外れた状態となっている。一方、ロック解除状態にあるときには、被操作部42がロック解除保持部31に保持された状態となっている。ロック状態とロック解除状態との切り替えは、上記の被操作部42を、ロック解除カム11又はロック復帰カム12が操作することによって行われる。図4は、被操作部42の動作を説明する図である。
すなわち、ロック解除状態(ロック解除保持部31に被操作部42が保持されている状態)にある回動部材30を逆転側限界位置(下側限界位置(使用時最下方位置))まで逆転(下方回動)させたときに、ロック復帰カム12が被操作部42に当接し、被操作部42がロック解除保持部31から外れることで、ロック状態に切り替わる。また、ロック状態(ロック解除保持部31に被操作部42が保持されていない状態)にある回動部材30を調整限界位置まで逆転させたときに、ロック解除カム11が被操作部42に当接し、被操作部42がロック解除保持部31に保持されることで、ロック解除状態に切り替わる。
上記のように、延長部41が弾性変形内で撓んでいるため、ロック復帰カム12やロック解除カム11による被操作部42の変位(操作変位)は、通常の変位(例えば3mm程度)に、延長部の弾性的な変形による被操作部の変位(例えば3mm程度)を加算した値(例えば3mm+3mm=6mm)とされる。延長部41は、ロックばね40における被操作部42よりも外側区間に設けているため、ロック解除状態にあるときのロックばね40のコイル部分には、延長部41における弾性的な変位の影響が及ばず、ロックばね40は、ロックドラム10に対して緩んだ状態を維持することができる。
ところで、第一実施形態のばねロック機構においては、逆転限度ストッパ13,33及び正転限度ストッパ14,34を設けている。逆転側限度ストッパ13,33は、回動部材30が逆転側限界位置(下側限界位置)に達したとき(天板100が使用時最下方位置に達したとき)に、回動部材30がそれ以上逆転(下方回動)しないようにするためのものである。回動部材30に設けた当接部33が、ロックドラム10に設けた被当接部13に当接することによって、回動部材30の下方回動が規制される。一方、正転側限度ストッパ14,34は、回動部材30が正転側限界位置(上側限界位置)に達したとき(天板100が格納位置に達したとき)に、回動部材30がそれ以上正転(上方回動)しないようにするためのものである。回動部材30に設けた当接部34が、ロックドラム10に設けた被当接部14に当接することによって、回動部材30の上方回動が規制される。
第一実施形態のばねロック機構のように、座席用テーブルにばねロック機構を組み込む場合には、天板100の操作トルクは、5N・m以下とすることが好ましい。天板100の重心位置から回転中心までの距離を70mm、天板100の重量を300g(2.94N)としたとき、その天板100の正転(上方回動)を抑えるのに必要な最低トルクは、2.94×70÷1000=0.2N・mとなる。これにより、正転(上方回動)時に必要な抵抗力を確保することができる。ところで、天板100を操作するのは、天板100の先端部であるため、天板100の操作力は、天板100の重心で計算した値よりも小さくなる(重心での操作力の1/2程度になる。)。
2.第二実施形態のばねロック機構
続いて、第二実施形態のばねロック機構について説明する。第二実施形態のばねロック機構は、乗り物の座席に据え付けられるアームレストに組み込むものとなっている。アームレストに、ばねロック機構を組み込むことによって、アームレストの位置を、前方に突出した使用位置と、上向きにした格納位置との間で切り替えるだけでなく、その上下位置(高さ)を、使用位置と調整限界位置との間で、無段階で調節することが可能になる。このため、使用者の体格や、背もたれのリクライニング角度等にかかわらず、最適な高さでアームレストを使用することができ、幅広タイプのアームレストには最適である。
第二実施形態のばねロック機構では、主に、第一実施形態のばねロック機構と異なる構成に絞って説明する。第二実施形態のばねロック機構で言及しない構成は、第一実施形態のばねロック機構で述べたものと同様の構成を採用することができる。図5及び図6は、ばねロック機構を組み込んだアームレストを示した図であって、図5は、アームレスト200を側方から見た状態を、図6は、アームレストを上方から見た状態をそれぞれ示している。
第二実施形態のばねロック機構において、ロックドラム10は、ドラム軸20及び固定部材50を介して、背もたれのシートフレームに対して動かない状態で固定される。上述した第一実施形態のばねロック機構では、ロックばね40がロックドラム10に外篏されており、ロックばね40が縮径して、ロックばね40の内周部でロックドラム10の外周部を締め付けることによって、ロック力が発現するようになっていた。これに対し、第二実施形態のばねロック機構では、ロックばね40がロックドラム10に内篏されており、ロックばね40が拡径して、ロックばね40の外周部がロックドラム10の内周部に押し付けられることによって、ロック力が発現するようになっている。
このように、第二実施形態のばねロック機構では、ロックばね40が拡径するときにロック力が発現するようにしたため、ロックばね40の延長部41は、ロックばね40の外周部がロックドラム10の内周部に押し付けられる向きに弾性変形される。これに伴い、延長部41の形態等を、第一実施形態のばねロック機構とは変えている。また、固定端Aを、外向きではなく、内向きに折り曲げている。
第二実施形態のばねロック機構のように、アームレスト200にばねロック機構を組み込む場合には、アームレスト200の正転時(上方回動時)の操作トルクは、アームレスト200の先端部を操作する場合で約10N・m以下とすることが好ましい。アームレストの重心位置から回転中心までの距離を140mm(全長の1/2)、アームレストの重量を350gとすると、重心にかかる荷重は、3.43Nとなる。その正転(上方回動)を抑えるのに必要な最低トルクは、3.43×140÷1000=0.48N・mとなる。これにより、正転(上方回動)時に必要な抵抗力を確保することができる。
3.第三実施形態のばねロック機構
最後に、第三実施形態のばねロック機構について説明する。第三実施形態のばねロック機構は、乗り物の座席に据え付けられるヘッドレストに組み込むものとなっている。ヘッドレストに、ばねロック機構を組み込むことによって、ヘッドレストの前後位置を無段階で調節することが可能になる。このため、使用者の体格や、背もたれのリクライニング角度等に応じた適切な前後位置でヘッドレストを使用することが可能になる。
図7は、ばねロック機構を組み込んだヘッドレスト300を、側方から見た状態を示した図である。第三実施形態のばねロック機構において、ロックドラム10は、ヘッドレストステー310に対して動かない状態で固定される。ヘッドレストステー310は、座席の背もたれに対して昇降可能(高さ調節可能)な状態で取り付けられる。ヘッドレスト300の下端部を掴み、ヘッドレスト300を前方回動させると、ヘッドレスト300が前方に移動し、ヘッドレスト300を後方回動させると、ヘッドレスト300が後方に移動する。
第三実施形態のばねロック機構においては、第一実施形態のばねロック機構と同様、ロックばね40がロックドラム10に外篏されており、ロックばね40が縮径して、ロックばね40の内周部でロックドラム10の外周部を締め付けることによって、ロック力が発現するようになっている。ただし、ヘッドレスト300(回動部材30)の前方回動が正転で、ヘッドレスト(回動部材30)の後方回動が逆転となっている。第三実施形態のばねロック機構で言及しない構成は、第一実施形態のばねロック機構で述べたものと同様の構成を採用することができる。
第三実施形態のばねロック機構のように、ヘッドレスト300にばねロック機構を組み込む場合には、慣性力で動かない程度の重さに設定することが好ましい。ヘッドレスト300の重心位置から回転中心までの距離を40mm、ヘッドレスト300の重量を1000gとした場合において、急停止したときの慣性力Fは 19.6Nとなる。その正転方向を抑えるのに必要な最低トルクTは、T=19.6×40÷1000=0.8N・mとなる。これにより、正転(前方方向)時に必要な抵抗力を確保することができる。
10 ロックドラム
11 ロック解除カム
12 ロック復帰カム
13 被当接部(逆転側限度ストッパ)
14 被当接部(正転側限度ストッパ)
20 ドラム軸
30 回動部材
31 ロック解除保持部
33 当接部(逆転側限度ストッパ)
34 当接部(正転側限度ストッパ)
40 ロックばね
41 延長部
42 被操作部
50 固定部材
100 天板
200 アームレスト
300 ヘッドレスト
310 ヘッドレストステー

Claims (3)

  1. 円筒状を為すロックドラムと、
    ロックドラムに対して正転及び逆転可能な状態で軸支された回動部材と、
    ロックドラムに外嵌又は内嵌され、一端を回動部材に固定したコイルばねからなるロックばねと
    を備え、
    回動部材を、正転方向に回動させる際には、ロックばねがロックドラムに対して緩んで、回動部材の正転が許容されたロック解除状態となり、
    回動部材の逆転に対しては、ロックばねの内周部又は外周部がロックドラムに密着し、その摩擦力によって回動部材の逆転が規制されたロック状態となる
    ばねロック機構であって、
    ロックドラムに設けたロック解除カム及びロック復帰カムと、回動部材に設けたロック解除保持部とで、ロックのON-OFF切替機構を構成し、
    ロックばねの一端側を、外向き又は内向きに折り曲げて回動部材に固定された固定端Aとし、
    ロックばねの他端側を、外向きに折り曲げて伸ばした延長部としてその先端を固定端Bとし、当該延長部を弾性変形内で撓ませることで、ロックばねのコイル部分をロックドラムに押し付け、その弾性力に伴う抵抗力を回動部材の正転規制の抵抗トルクとし、
    ロック状態にある回動部材が正転及び逆転するいずれの場合においても、抵抗トルクが付加されるようにした
    ことを特徴とするばねロック機構。
  2. 請求項1のばねロック機構を用いたことによって、天板の角度を無段階で調節できるようにしたテーブル。
  3. 請求項1のばねロック機構を用いたことによって、腕支え部の角度を無段階で調節できるようにしたアームレスト。
JP2023570339A 2023-11-10 2023-11-10 ばねロック機構、テーブル及びアームレスト Active JP7425525B1 (ja)

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