JP7421542B2 - 植物含有組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安定性に優れた植物含有組成物を容易に製造する製造方法に関する。
近年、植物の有する香味や機能性成分などに着目して、様々な食品に植物由来物を添加することが浸透しつつある。例えば、抹茶はかぶせ香や碾炉香と呼ばれる特有の香りやアミノ酸が豊富なことに由来する味わいが好まれ、更に鮮やかな若草色の色合いも広く好まれている。また、緑茶は特有の香味や色合いだけでなく、葉に含まれるカテキンなどの機能性を有する成分を摂取する天然素材としての需要もあり、嗜好性と機能性とを兼ね備えた食品の原料として、菓子、パン類等の様々な食品の製造において利用されている。
しかしながら、植物をそのまま食品へ添加した場合、植物の持つ香味は十分に感じられず、機能性成分の摂取も非効率である。そのため、植物片を粉砕して食品に添加することが行われており、植物粉砕物の劣化を抑制するために油脂と混合して粉砕する技術が知られている。
例えば特許文献1においては、殺青後の茶葉を液状の状態にある油脂の存在下で粉砕することが提案され、特許文献2においては、所定の粒子径以下の天然物を有機媒質中で超微粉砕機を用いて粉砕することが提案されている。
特許文献1に開示された発明によれば、殺青後の茶葉を油脂の存在下で粉砕することにより茶葉の緑色を保つことができるが、粉砕に供する茶葉の含水率が5乃至70%と高いため得られた茶含有組成物は水分を多く含む場合があり、茶含有組成物に含まれる水の影響で茶が劣化し品質が大きく低下する場合があった。また、茶葉の含水率が高いため十分に粉砕できず、保管中に大きな茶葉が分離する可能性があった。
一方で特許文献2に開示された発明によれば、乾燥した茶葉を用いることによりこれらの課題が解決されるが、求める粒度に粉砕するためには植物の最大粒子径を5000μm以下に調整する工程を別途設けなければならず、製造効率が悪かった。
特開2017-123790号公報 特開2003-144949号公報
そこで本発明の目的は、安定性に優れた植物含有組成物を容易に製造する方法を提供することである。
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、乾燥植物を液状媒質と助剤の存在下で粉砕することで、効率よく乾燥植物を粉砕でき、かつ安定性に優れた植物含有組成物を製造することができることを見出した。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)乾燥植物と液状媒質とを混合し、乾燥植物を液状媒質と助剤の存在下で粉砕する工程を含み、
前記助剤の圧壊強度が10~200Nである、
植物含有組成物の製造方法。
(2)前記乾燥植物の含水率が10.0質量%以下であることを特徴とする(1)に記載の植物含有組成物の製造方法。
(3)前記液状媒質が食料油脂成分であることを特徴とする(1)または(2)に記載の植物含有組成物の製造方法。
(4)前記助剤が前記液状媒質の存在下で固体であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の植物含有組成物の製造方法。
(5)前記助剤が植物由来であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の植物含有組成物の製造方法。
(6)前記助剤が糖であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の植物含有組成物の製造方法。
(7)前記乾燥植物が、殺青後に乾燥させた茶であることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の植物含有組成物の製造方法。
(8)前記乾燥植物0.5~25質量%、前記液状媒質30~99.4質量%、および前記助剤0.1~65質量%となるように、前記乾燥植物と前記液状媒質とを混合し、前記助剤を用いることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載の植物含有組成物の製造方法。
(9)(1)乃至(8)のいずれかの方法で製造された植物含有組成物を含有することを特徴とする植物含有組成物含有食品。
(10)乾燥植物と液状媒質とを混合し、乾燥植物を液状媒質と助剤の存在下で粉砕することを含み、
前記助剤の圧壊強度が10~200Nである、
乾燥植物の粉砕方法。
本発明は、上記構成を具備することによって、安定性に優れた植物含有組成物を容易に製造する方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明が下記実施形態に限定されるものではない。
(乾燥植物)
本実施形態において、植物とは、食経験のある植物組織及び植物体を指し、その可食部位は特に限定されるものではなく、葉、葉柄、茎、根、花、果実(果菜を含む)、種実、種子、豆類、芋類、きのこ、藻類、香辛料、薬草木などいずれであっても良い。その対象植物種としては、人参、牛蒡、玉葱、長葱、トマト、ほうれん草などの野菜類、リンゴ、パイナップル、モモ、マンゴ、イチゴ、メロン、カキ、杏などの果実類、穀物類、いも類、でんぷん類、豆類、種実類、きのこ類、藻類などの乾燥植物としてなじむ植物全般を言う。具体的植物名としては、セリ科植物(パセリ、セロリ、セリ、ミツバ、セルリアック、ニンジン、キンサイ、アシタバ等)、アブラナ科植物(キャベツ、ダイコン、ハクサイ、ブロッコリー、カラシナ、カリフラワー、タカナ、キョウナ、クレソン、コマツナ、タイサイ、チンゲンサイ、カブ、ワサビ、ナバナ等)、キク科植物(アーティチョーク、シュンギク、レタス、フキ、ヨメナ、ヨモギ、ゴボウ等)、ユリ科植物(アスパラガス、ニラ、ネギ、リーキ、タマネギ、ニンニク、ユリ、ラッキョウ等)、ウコギ科植物(ウド、タラノキ等)、シナノキ科植物(モロヘイヤ等)、ミカン科植物(サンショウ、柑橘類等)、イネ科植物(大麦、タケノコ、ハトムギ等)、ツルナ科植物(ツルナ等)、アカザ科植物(ホウレンソウ、ビート等)、ミョウガ科植物(ミョウガ等)、シソ科植物(シソ等)、ナス科植物(ナス、トマト、トウガラシ、ピーマン、パプリカ等)、アオイ科植物(オクラ等)、ウリ科植物(キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、その他ウリ類等)、コショウ科植物(コショウ等)、ツバキ科植物(チャ)、バラ科植物(イチゴ、リンゴ等)、マメ科植物(ダイズ、インゲン、エンドウ等)、アカネ科植物(コーヒー等)、スイレン科植物(レンコン等)、ショウガ科植物(ショウガ等)等である。
本実施形態において、乾燥植物とは上記植物を乾燥させたものであればよく、植物体をそのまま乾燥させたものでも良いし、保管、運搬などの観点から乾燥後に切断などで整形されたものであっても良い。ただし、香味、色、機能性成分を保持する観点から、D50が3mm以上であることが好ましく、更には5mm以上であることが好ましく、特に粉砕していないものが好ましい。乾燥植物の最大径は、粉砕する機器に投入可能であれば特に限定されないが、例えば、100mm以下とすることができ、あるいは50mm以下とすることができる。
上記植物の乾燥法は、植物中の水分含量を低下させる一般的な処理であればよく、例えば熱風乾燥、フリーズドライ、マイクロ波乾燥、赤外線乾燥、減圧乾燥、減圧膨化乾燥、真空乾燥、真空凍結乾燥などの各種乾燥法を挙げることができ、またこれらを組み合わせて行ってもよい。いずれの乾燥方法においても、0.1質量%~10.0質量%の含水率の乾燥植物を得られるように乾燥条件を設定するのが好ましく、更には含水率を0.4質量%~7.0質量%とすることが好ましく、特に含水率を1.0質量%~5.0質量%とすることが好ましい。含水率をこの範囲に設定することで、植物に由来する香味や機能性成分を付加できる程度に乾燥植物を使用した場合であっても、植物含有組成物中に存在する水分を最小限にすることができ、植物含有組成物を長期間保管した場合であっても水の分離や植物含有組成物の劣化を抑えることができる。
また、植物の含水率をこの範囲とすることで、予備粉砕をすること無く、容易に植物を粉砕することができるようになり、植物粉砕物の粒度を小さくすることができる。
(茶)
本実施形態において、茶とは、ツバキ科の多年性常緑樹であるチャ(学名:Camellia sinensis)、若しくは、チャから摘採した茶葉(複数の葉と芯を有する)、若しくはその加工品、特に緑茶葉をいう。また乾燥茶葉とは、摘採された生葉を蒸す又は炒ることによって酵素を失活させる工程(殺青工程)の後、揉捻工程を経ないまま乾燥させる碾茶、前記殺青工程後に揉捻工程を経た荒茶、更に火入工程を経た所謂製茶のいずれの形態であってもよい。
また、必要に応じ、殺青前に発酵又は萎凋させる発酵茶や不発酵茶をも含む概念である。
上記乾燥植物として茶を用いる場合は、殺青後に乾燥させた茶を用いることが好ましい。
食品に求められる呈味に応じ、これら乾燥茶葉を単独又は2種以上をブレンドすることも可能である。
また、液状媒質と乾燥茶葉との馴染みやすさの観点から、乾燥茶葉のゆるみかさ密度は100ml/100g~1200ml/100gが好ましく、150ml/100g~1100ml/100gがより好ましく、200ml/100g~1000ml/100gが更に好ましい。なお、本明細書でのゆるみかさ密度とは当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができ、例えば、乾燥茶葉を100g正確に取り、2000mLのメスシリンダーに自然落下させ、容量を測定し、算出することができる。なお、ゆるみかさ密度は、原料の種類、切断方法、含まれる部位の割合で調整することができる。但し、この方法に限定するものではない。
(液状媒質)
本実施形態において、液状媒質とは、植物含有組成物の安定性を高めるものであり、乾燥植物を粉砕することができ、粉砕時に発生する熱による雰囲気温度の上昇を抑えることができればよい。そして、液状媒質は含水率が10.0質量%以下であることが好ましく、更に0.1質量%~5.0質量%であることが好ましく、特に水を含まないことが好ましい。この範囲に調整することで、植物粉砕物が水の影響で変質することを抑え植物含有組成物の安定性を高めることができる。また、液状媒質は少なくとも85℃で液状であることが好ましく、更には70℃以下で液状であることが好ましく、特に55℃以下で液状であることが好ましい。このような液状媒質を用いることで、粉砕時の熱により乾燥植物の香味、色合いが低減されることを抑えることができる。
(食料油脂成分)
本実施形態で、液状媒質は食料油脂成分であることが好ましい。本実施形態において、食料油脂成分とは、脂質を含む食料品の原材料として使用できるものであれば特に限定されず、具体的には、ショートニング、サラダ油、大豆油、菜種油、コーン油、胡麻油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、落下生油、米胚芽油、小麦胚芽油、玄米胚芽油、ハトムギ油、ガーリックオイル、椿油、パーム油、オリーブ油、ホホバ油、マカダミアンナッツ油、アボガド油、ひまし油、亜麻仁油、紫蘇油、ユーカリ油、ココナッツ油、カカオバター、豚脂、牛脂、馬油、魚油、卵油等の固形又は液状の食用油脂が挙げられ、更に植物性油脂が好ましく、特にカカオバター、サラダ油、コーン油であることが好ましい。また、このようなものから適宜選択して単独又は2種以上を組み合わせて使用可能であり、常温で固形状のものは液体状になるまで温めてから用いることが可能である。
乾燥植物や植物粉砕物は水分を吸収することで酸化が著しく進行しやすい状態となり、香味、色、機能性成分の劣化が生じやすくなるため、食料油脂成分は含水率が低いものが好ましい。また、保管時の安定性を向上させる観点から、水分の浸入を防ぐ油脂膜で植物含有組成物全体を被覆するために脂質含有率が高いものが好ましく、含水率が低いものが好ましい。より詳細に述べれば、他物質が植物粉砕物に吸収される又は作用する前に油脂膜を形成し、香味、色、機能性成分の劣化を効果的に抑制し安定性を高める観点から、食料油脂成分中の脂質含有率は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。また、水分の吸収防止目的及び、脂質分を多く含む他の原料との混ざりやすさ、水分が最終製品の見た目や味などの安定性に影響を与える観点から、食料油脂成分中の含水率は10.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましく、更に水分を実質的に含まないことが好ましい。
(助剤)
本実施形態において、助剤とは、粉砕時に乾燥植物と共に液状媒質内に拡散し、乾燥植物に作用することで乾燥植物を粉砕することができればよい。そして、助剤はそのまま食用に供することができるものが好ましく、粉砕時に乾燥植物へ摩擦力、せん断力を与えることができるものが好ましく、具体的には、糖、セルロース、デキストリンのほか、炭酸水素ナトリウム(重曹)、ミョウバン、塩化ナトリウム、クエン酸やアスコルビン酸又はこれらの食品として許容可能な塩などの結晶性物質;コーヒー豆、番茶、茎茶、はと麦、大豆、米等の飲料原料のほか、カカオ豆、アーモンド、クルミ、ココナッツ等のナッツ類などの一定程度硬質な植物由来の原料;などが挙げられる。これらの中でも結晶性物質が好ましく、特に糖であることが好ましい。また、このようなものから適宜選択して単独又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
また、効果的に乾燥植物を粉砕するために、助剤の圧壊強度は、10N以上であることが好ましく、15N以上であることがより好ましく、30N以上であることがさらに好ましく、70N以上であることが特に好ましい。また、助剤の圧壊強度は、200N以下であることが好ましく、150N以下であることがさらに好ましく、120N以下であることが特に好ましい。これらの範囲とすることで、乾燥植物を効果的に粉砕しながら助剤も粉砕されるため、植物含有組成物中に乾燥植物や助剤由来の大きな粒子が残りにくくなる。これにより、保管中に乾燥植物や助剤由来の大きな粒子が沈殿しにくくなるほか、摂食した際にザラザラとした舌触りを感じにくくすることができ、滑らかな舌触りを得ることができる。なお、圧壊強度は、JIS Z8841-1993に準じた圧壊強度試験にて測定される値であり、サンプルが破壊されるまでの荷重の最大値(単位:N)である。
上記助剤において、JIS Z8801-1:2006に規定する目開き106μmの篩を通過しない粒径を有する粒子の割合は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。助剤の粒度をこの範囲に調整することで、乾燥植物に効果的に作用して粉砕効率を高めることができる。
また、JIS Z8801-1:2006に規定する目開き5.6mmの篩を通過する粒径を有する粒子の割合は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。助剤の粒度をこの範囲に調整することで、助剤由来の大きな粒子が残りにくくなる。
さらに、助剤の平均粒子径は0.1mm~10.0mmであることが好ましく、更に0.15mm~5.0mmであることが好ましく、特に0.2mm~3.5mmであることが好ましい。助剤の平均粒子径をこの範囲に調整することで、乾燥植物に効果的に作用して粉砕効率を高めつつ、助剤由来の大きな粒子が残りにくくなる。
本実施形態では、助剤は粉砕中の液状媒質の存在下、さらに雰囲気温度で固体であれば特に限定されないが、結晶性物質が好ましく、その中でも糖を用いることが好ましく、具体的には、スクロース(ショ糖)を主体とするグラニュー糖、上白糖、三温糖、黒糖のほか、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖等が挙げられ、中でもスクロースを主体とする糖を用いることが望ましく、特にグラニュー糖を用いることが好ましい。精製糖を使用すると糖が結晶構造を持つため効率的な粉砕が可能になる。なお、これら糖のうち単独又は2種以上をブレンドすることも可能である。
(植物含有組成物)
本実施形態において、植物含有組成物とは、乾燥植物と液状媒質とを混合し、乾燥植物を液状媒質と助剤の存在下で粉砕して得られるものである。かかる植物含有組成物は、構成比が乾燥植物0.5質量%~25質量%、食料油脂成分などの液状媒質30質量%~99.4質量%、助剤0.1質量%~65質量%の割合となるように調製し、助剤の存在下で乾燥植物を粉砕することが好ましい。助剤は、助剤の存在下で乾燥植物を粉砕できればその添加のタイミングは適宜調整でき、例えば、乾燥植物に液状媒質を添加する前に乾燥植物に添加しても良いし、乾燥植物を液状媒質に添加した後に添加しても良いし、乾燥植物を食料油脂成分と混合した後に添加しても良い。
液状媒質の構成比が30質量%未満であると、乾燥植物全体に液状媒質が行き渡らず、その後の製造工程や最終製品での保管時に劣化が起こりやすくなる。更には、液状媒質のほとんどが乾燥植物に吸収される場合、乾燥植物がふやける場合などは、乾燥植物同士が絡まりあうため、植物粉砕物を所定の粒径に調整することが困難となる場合がある。一方で液状媒質の構成比が99.4質量%を超えると、粉砕処理は容易、且つ、スムーズに行われるが、乾燥植物由来の色や香味が弱くなるおそれがある。そのため、液状媒質の構成比は30質量%~99.4質量%であることが好ましく、更に32質量%~98.5質量%であることが好ましく、特に35質量%~97.5質量%であることが好ましい。
また、乾燥植物の構成比が0.5質量%未満であると、乾燥植物由来の色や香味が弱くなるおそれがあり、乾燥植物の構成比が25質量%を超えると、乾燥植物を十分に粉砕できなくなる可能性があるほか、乾燥植物全体に液状媒質が行き渡らず、保管時に劣化が起こりやすくなるおそれがある。そのため、乾燥植物の構成比は0.5質量%~25質量%であることが好ましく、更に1質量%~20質量%であることが好ましく、特に1.5質量%~15質量%であることが好ましい。
また、助剤の構成比が0.1質量%未満であると、粉砕時に助剤が乾燥植物に作用する機会が減り、乾燥植物を十分に粉砕できなくなる可能性がある。そのため、助剤の構成比は少なくとも0.1質量%~65質量%であることが好ましく、更には0.5質量%~55質量%であることが好ましく、特に1質量%~50質量%であることが好ましい。助剤の構成比をこの範囲に設定することで、乾燥植物を効率的に粉砕することができ、且つ味覚のバランスがよいものが製造可能になる。
なお、乾燥植物、液状媒質、助剤の割合は、植物含有組成物を添加する加工食品や添加する目的に沿って適宜調整することができる。
(粉砕)
本実施形態において、粉砕は一般的な湿式粉砕の手法を用いればよく、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、リファイナーなどを用いることができるが、特にロールミルが好適である。ロールミルはビーズミルなどと異なり、乾燥植物にせん断力や摩擦力を加える粉砕メディア(ビーズやボールなど)が無いため、助剤を加えることで乾燥植物の粉砕効率を一層高めることができる。
また、本実施形態において、粉砕の雰囲気温度は20℃~90℃であることが好ましく、更には30℃~70℃であることが好ましく、特に30℃~55℃であることが好ましい。このような雰囲気温度で粉砕することで、粉砕時の熱により植物の香味、色合いが低減されることを抑えることができる。
また、植物粉砕物である粉砕後の乾燥植物の粒径は、安定性と舌触りの観点から、液状媒質含浸時の平均粒子径は1μm~420μmが好ましく、5μm~177μmがより好ましく、10μm~50μmが更に好ましい。1μm未満の場合は、乾燥植物の香味や色においては好ましいが、微細なために粉砕工程に特殊な機器や、長い粉砕時間が必要となる。5μm以上であれば、特殊な機器を使用せずとも粉砕可能である。また10μm~50μmの範囲内であれば、特に滑らかな触感を得ることができる。なお、平均粒子径は、粉砕に用いる手法、粉砕時間の長さ、用いる乾燥植物の種類や大きさなどによって調整することができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る植物含有組成物には、消費者の嗜好などに合せて各種添加物などの添加を排除するものではない。特に、飲食料品が通常含有し得る成分、例えば、調味料、着色料、増粘剤、乳化剤、安定剤などを適宜加えることを排除するものではない。また、植物含有組成物を原材料として用いる加工食品に合わせて、粉乳、粉糖、小麦粉、でん粉などを適宜加え、その存在下で粉砕を行うことを排除するものではない。
更に、前記以外の成分を、本実施形態の効果を阻害するものでない限りにおいて添加することができる。例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料;酸化防止剤;炭酸水素ナトリウム(重曹)等のpH調整剤;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナイアシン、パントテン酸等の強化剤を含有していてもよい。
(植物含有組成物含有食品)
本実施形態において、植物含有組成物含有食品とは、以上のようにして得られた植物含有組成物を含有する食品であれば特に制限されないが、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、パン、アイスクリーム、ホイップクリーム、チョコレート等の油脂成分を含むものは特に好適な態様である。植物含有組成物の食品への含有形態も製造工程中の生地への混練、製品への被覆、フィリングとしての使用等特に制限はない。また、植物含有組成物以外の原料においても一般的に飲食品に用いるものであれば特に制限はない。更に、含有には植物含有組成物自体が植物含有組成物含有食品となりうる意味を含む。
本実施形態にあっては、上記植物含有組成物含有食品として、チョコレートは特に好ましい一態様であり、その中でも茶葉の色がそのまま最終製品に反映されるホワイトチョコレートが最も好ましい。本実施形態の植物含有組成物含有食品としてチョコレートを採用するには、例えば、液状媒質としてカカオバターを用いればよい。
チョコレートや準チョコレートは「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」にて、カカオ分や水分量が定義されており、市場に多く出回っている茶ペーストや茶葉成分を含有する食用油をチョコレートに配合するタイプのものを、チョコレート及び準チョコレート規格の製品に仕上げる場合は、茶ペーストや茶葉成分を含有する食用油の配合量が制限されるだけでなく、茶葉の配合量も制限される。しかし、本発明は、茶葉以外に添加物等の原料を追加せずに茶葉含有チョコレートを製造することができるため、茶葉の含有量を今までにないほど高めたものが製造可能となり、添加物が与える香味への影響も考慮せずにすむという利点がある。更に、チョコレートの製造工程であれば、グラインダーやレファイナーなどの原料の磨砕や微粒化を担う機器に、カカオバター含浸後の乾燥茶葉を入れるだけで茶葉含有チョコレートが製造可能であるため、新たな機器の使用なく簡易的且つ効率化な製造を実現できる。
(語句の説明)
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下に、本発明の実施の態様について実施例をあげて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
<実施例1>
表1に示すように下記の方法で試料を作成した。
(実施例試料1)
原料として、鹿児島県産の緑茶(2017年産、一番茶煎茶)を使用した。この緑茶を3.5メッシュ(目開き5660μm)の篩でふるい分けし、篩の上に残った乾燥茶葉を使用した。この篩の上に残った乾燥茶葉の含水率は2.4質量%、ゆるみかさ密度340ml/100gであった。なお、含水率は赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所社製,製品名:FD-620)を用いてウェットベースで測定した。また、ゆるみかさ密度は篩の上に残った乾燥茶葉を100g正確に取り、2000mLのメスシリンダーに自然落下させ、容量を測定し、ゆるみかさ密度を算出した。以下、同じである。
この乾燥茶葉28.0gに、40℃に加温して液状にしたカカオバター(大東カカオ株式会社製)602.0gを添加し、更にグラニュー糖(フジ日本精糖株式会社製)70.0gを添加した。そして、ブレンダー(DBL247-WH、デロンギ・ジャパン株式会社製)で15分間粉砕し、20メッシュの篩でろ過し、サンプルを得た。
(実施例試料2)
実施例試料1のカカオバターを、食用油(日清オイリオグループ株式会社製)に変更した以外、実施例試料1と同様に処理してサンプルを得た。
(比較例試料1)
実施例試料1のグラニュー糖を添加せず、その見合い量でカカオバターを増やした以外、実施例試料1と同様に処理してサンプルを得た。
(比較例試料2)
比較例試料1のカカオバターを、食用油(日清オイリオグループ株式会社製)に変更した以外、比較例試料1と同様に処理してサンプルを得た。
(比較例試料3)
比較例試料1の乾燥茶葉に変えて、乾燥茶葉をブレンダー(DBL247-WH、デロンギ・ジャパン株式会社製)で5分間、室温で粉砕し、20メッシュ(目開き850μm)の篩でふるい分け、篩をパスした粉末緑茶を使用した。乾燥茶葉を粉末緑茶に変更した以外、比較例試料1と同様に処理してサンプルを得た。
(比較例試料4)
実施例試料2の乾燥茶葉に変えて、静岡県産の緑茶(2017年産、一番茶)の製茶工程途中、具体的には中揉後の茶葉を使用した。茶葉の含水率は25.3質量%であった。乾燥茶葉を中揉後の茶葉に変更した以外、実施例試料2と同様に処理してサンプルを得た。
Figure 0007421542000001
(粒度分布)
表2に示す篩を用い、グラニュー糖のふるい分け試験を行った。なお、本明細書で用いた篩は全てJIS Z8801-1:2006に規定するものを用いた。
また、実施例試料1、実施例試料2、比較例試料4で用いたグラニュー糖は、このふるい分け試験にて目開き850μmの篩を通過し目開き106μmまでの各篩上に残ったグラニュー糖を合わせ、助剤として用いたものである。
(粉砕効率)
60メッシュ(目開き250μm)の篩を用いたろ過で篩上に残った残留物を、熱湯で洗ってグラニュー糖を除き、その後ヘキサンで洗って食用油脂成分を除き、得られた茶葉を乾燥させてその質量を計測した。これにより60メッシュの篩をパスした試料中の植物粉砕物の質量を計算して求めた。なお、予め茶葉を粉砕した比較例試料3は評価しなかった。
(安定性)
食用油を用いて作成した実施例試料2、比較例試料2、比較例試料4について20℃で1か月保管し、その状態を目視と官能で確認した。
(有効成分)
実施例試料1、比較例試料1、比較例試料3について、タンニンとカテキン類の含有量を測定した。ここでカテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味であり、カテキン類の含有量とは8種類のカテキン濃度の合計値の意味である。
具体的には、次の手法を取った。まず、得られたサンプルを50℃に昇温し、10分間保持した。その後、実施例試料1と純水を1:1の体積比で混合し、振とう機(SCIENTIFIC INDUSTRIES,INC.製)を用いてレベル10で3分間振とうを行った。そして、遠心分離機(トミー工業株式会社製)を用いて1500rpmで水層を分離し、水層に含まれるタンニンを酒石酸法、カテキン類の合計量をHPLCにて測定した。比較例試料1、比較例試料3も同様に調整し、測定した。
カテキン類(カテキン8種合計)の含有量は、Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。
カラム: wakosil 3C18HG φ3.0×100mm(和光純薬工業株式会社製)
カラム温度:35℃
移動相:A相 5%アセトニトリル(リン酸0.1%含有)
:B相 50%アセトニトリル(リン酸0.1%含有)
流速:0.43mL/min
注入量:5μL
検出器 :Waters 2475マルチ波長蛍光検出器
検出波長: UV272nm
グラジエントプログラム:
[分析開始~4.67分(A相:B相=96:4)]→
[16.67分(A相:B相=83:17)]→
[20.67分~25.37分(A相:B相=72:28)]→
[25.47分~28.29分(A相:B相=10:90 流速0.60mL/min)]→
[28.39分~32.06分(A相:B相=96:4 流速0.60mL/min)]→
[32.14分~33.69分(A相:B相=96:4)]
(色の評価)
色調は分光式色差計(日本電色工業製SE6000)を用いてL*、a*、b*を測定し、色相角を求めた。色相角については、鮮やかな緑色が120°付近であることが知られている。
Figure 0007421542000002
Figure 0007421542000003
Figure 0007421542000004
Figure 0007421542000005
Figure 0007421542000006
(考察)
粉砕効率は、表3に示す通りカカオバターを用い助剤としてのグラニュー糖を添加して粉砕した実施例試料1は、グラニュー糖を添加しなかった比較例試料1よりも粉砕効率が高かった。また、食用油を用い助剤としてのグラニュー糖を添加して粉砕した実施例試料2は、グラニュー糖を添加しなかった比較例試料2よりも粉砕効率が高かった。また、茶葉の含水率が高い比較例試料4は、多くの茶葉が粉砕されなかった。
安定性は、表4に示す通り、粉砕効率が2割以下であった比較例試料2は比較的大きな粒子の沈殿が発生していた。また、比較例試料4は茶葉に含まれる水分が離水していたほか、その水分の影響で茶葉が酸化し、食品として適さない味になっていた。
有効成分は、表5に示す通り実施例試料1の方が比較例試料1よりもタンニン、カテキン類とも多いことが分かった。その理由は定かではないが、粉砕効率が向上したことにより粒度が細かくなり、茶葉に含まれる成分の溶出が高まったと考えられる。この結果によれば、助剤を加えることで、機能性成分の吸収を容易に高めることができると考えられる。
また、予め茶葉を粉砕した比較例試料3は、粉砕時に酸素に触れるなどの理由で成分の酸化が生じたと考えられる。この結果によれば、乾燥植物のまま食用油脂成分存在下で粉砕を行うことで、乾燥植物に含まれる成分の劣化を抑えることができると考えられ、更に助剤を加えて粉砕することで効率的に細かく粉砕でき、成分の溶出を高めて容易に摂取できるようになると考えられる。
色調は、表6に示す通りカカオバターを用い助剤としてのグラニュー糖を添加して粉砕した実施例試料1は、グラニュー糖を添加しなかった比較例試料1よりも色相角が120°に近かった。また、食用油を用い助剤としてのグラニュー糖を添加して粉砕した実施例試料2は、グラニュー糖を添加しなかった比較例試料2よりも色相角が120°に近かった。なお、それぞれ色相角の差は1°未満であるが、当業者であれば0.1°の差も視覚で認識でき、仕入価格に大きな差が生じる。
これらの結果から、比較的大きな乾燥植物である乾燥茶葉であっても、液状媒質内で助剤とともに粉砕することで容易に粉砕することができる。また粉砕粒度が小さくなることによる安定性の向上と、含水率が低い乾燥植物を用いることによる水の影響を低減することによる安定性の向上を実現することができる。
<実施例2>
表7に示すように下記の方法で試料を作成した。
(実施例試料3)
原料として、京都府産の碾茶(2017年産、一番茶)を粉砕することなく、そのまま使用した。碾茶の含水率は3.1質量%、ゆるみかさ密度は436ml/100gであった。この碾茶30.0gに、40℃に加温して液状にしたカカオバター(大東カカオ株式会社製)250.0gを添加し、更にグラニュー糖(フジ日本精糖株式会社製,上記実施例試料1で用いたものと同じ粒度分布を有する)300.0gを添加した。その他、副原料として粉乳50.0g(株式会社明治製)、乳化剤(レシチン、株式会社J-オイルミルズ社製)2.0gを添加した。そして、3軸ロールミル(BR-100V、アイメックス株式会社製)で粉砕し、サンプルを得た。
(実施例試料4)
実施例試料3の碾茶を国産の碾茶(2016年産、二番茶)で含水率が2.8質量%、ゆるみかさ密度が850ml/100gのものに変更した。また、グラニュー糖の添加量を200gに減らし、その見合い量でカカオバターを100g増やして350gを用いた。それ以外、実施例試料3と同様に処理して実施例試料4を得た。
(実施例試料5)
実施例試料3の碾茶を国産の碾茶(2016年産、二番茶)で含水率が3.6質量%、ゆるみかさ密度が920ml/100gのものに変更した。また、グラニュー糖の添加量を100gに減らし、その見合い量でカカオバターを200g増やして450gを用いた。それ以外、実施例試料3と同様に処理して実施例試料5を得た。
(比較例試料5)
実施例試料3のグラニュー糖を添加せず、その見合い量でカカオバターを増やした以外、実施例試料3と同様に処理してサンプルを得た。
Figure 0007421542000007
助剤としてのグラニュー糖を添加して粉砕した実施例試料3、実施例試料4、実施例試料5では、目視で確認できないほど茶葉が細かく粉砕された。一方で、グラニュー糖を添加しなかった比較例試料5は、碾茶を粉砕できずロールミル入り口部分に碾茶が残った。
また、実施例試料3、実施例試料4、実施例試料5を用いてチョコレートを製造したところ、舌触りが滑らかでザラツキが無く茶葉の粒子を感じることが無く、室温で1カ月保管した後も、優れた安定性を示していた。
<実施例3>
(圧壊強度)
表8に示すサンプル(助剤)について、JIS Z8841-1993に準じて圧壊強度を測定した。具体的には、デジタルフォースゲージ(DPX-100TR,株式会社イマダ製)を用いて各サンプルを加圧速度0.2mm/sで圧縮し、サンプルが破壊された時点で圧縮を停止して、破壊までの荷重の最大値(単位:N)を測定した。なお、結晶性物質であるミョウバン結晶、岩塩1、岩塩2および氷砂糖については、サンプルを5mm角の立方体に切り出し、デジタルフォースゲージの円板状アタッチメントが、サンプルの5mm四方の上面に全面で接するようにして圧壊強度を測定した。各サンプルについて独立した測定を5回行い、平均値を求めた。
(実施例試料6)
原料として、鹿児島県産の緑茶(2017年産、一番茶煎茶)を使用した。この緑茶を3.5メッシュ(目開き5660μm)の篩でふるい分けし、篩の上に残った乾燥茶葉を使用した。この篩の上に残った乾燥茶葉の含水率は2.4質量%、ゆるみかさ密度340ml/100gであった。
この乾燥茶葉28.0gに食用油(日清オイリオグループ株式会社製)602.0gを添加し、更にミョウバン結晶70.0gを添加した。そして、ブレンダー(DBL247-WH、デロンギ・ジャパン株式会社製)で15分間粉砕し、20メッシュの篩でろ過し、サンプルを得た。
(実施例試料7)
実施例試料6のミョウバン結晶を、食塩(表8の岩塩1)に変更した以外、実施例試料6と同様に処理してサンプルを得た。
(実施例試料8)
実施例試料6のミョウバン結晶を、砂糖(表8の氷砂糖)に変更した以外、実施例試料6と同様に処理してサンプルを得た。
(比較例試料6)
実施例試料6のミョウバン結晶を添加せず、その見合い量で食用油を増やした以外、実施例試料6と同様に処理してサンプルを得た。
(粉砕効率)
60メッシュ(目開き250μm)の篩を用いたろ過で篩上に残った残留物を、熱湯で洗って助剤を除き、その後ヘキサンで洗って食用油脂成分を除き、得られた茶葉を乾燥させてその質量を計測した。これにより60メッシュの篩をパスした試料中の植物粉砕物(茶葉)の質量を計算して求めた。
Figure 0007421542000008
Figure 0007421542000009
所定の圧壊強度を有する助剤を用いることで、乾燥茶葉の粉砕効率が改善された。特に、圧壊強度が35.3Nである食塩を助剤として用いた実施例試料7、および圧壊強度88.2Nである砂糖を助剤として用いた実施例試料8は、茶葉の粉砕効率が顕著に高かった。
本発明は、安定性に優れた植物含有組成物を容易に製造する方法に好適である。

Claims (6)

  1. 茶葉と液状媒質とを混合し、前記茶葉前記液状媒質と助剤の存在下で粉砕する工程を含み、
    前記茶葉は、含水率が0.1~10.0質量%、D50が3mm以上、ゆるみかさ密度が100~1200mL/100gであり、
    前記液状媒質は、含水率が10.0質量%以下、脂質含有率が80質量%以上の食料油脂成分であり、
    前記助剤は、圧壊強度が10~200Nである、
    茶葉含有組成物の製造方法。
  2. 前記助剤が前記液状媒質の存在下で固体であることを特徴とする請求項1記載の茶葉含有組成物の製造方法。
  3. 前記助剤が糖であることを特徴とする請求項1又は2に記載の茶葉含有組成物の製造方法。
  4. 前記茶葉が、殺青後に乾燥させた茶であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の茶葉含有組成物の製造方法。
  5. 前記茶葉0.5~25質量%、前記液状媒質30~99.4質量%、および前記助剤0.1~65質量%となるように、前記茶葉と前記液状媒質とを混合し、前記助剤を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の茶葉含有組成物の製造方法。
  6. 茶葉と液状媒質とを混合し、前記茶葉前記液状媒質と助剤の存在下で粉砕することを含み、
    前記茶葉は、含水率が0.1~10.0質量%、D50が3mm以上、ゆるみかさ密度が100~1200mL/100gであり、
    前記液状媒質は、含水率が10.0質量%以下、脂質含有率が80質量%以上の食料油脂成分であり、
    前記助剤は、圧壊強度が10~200Nである、
    茶葉の粉砕方法。
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