JP7419917B2 - 熱電変換素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱を電気に変換する熱電変換素子の製造方法に関するものである。
例えば、工場の排熱等の高温部の熱を有効に利用するため、熱を電気に変換する熱電変換モジュールの検討が進められている。熱電変換モジュールは、多数の熱電変換素子からなる。熱電変換素子は、高温側と低温側との温度差に応じた起電力を発生し、N型およびP型の熱電変換素子を直列に接続し、一方の面を高温側として、他方の側を低温側として配置することで、熱を電気に変換することができる。
近年、電気的な特性(性能指数ZT)の高い熱電変換材料として、スクッテルダイト構造を有し、Sbを含む、Sb系熱電変換材料が注目されている。このスクッテルダイト系の熱電変換素子を用いれば、例えば、高温部が300℃~500℃程度となる場合において、効率よく熱を電気に変換することができる。
このような熱電変換素子は、熱電変換モジュールとして使用される際に、高温側と低温側とにそれぞれ電極が接合される。しかし、特に高温側においては、電極と熱電変換素子との間で固相拡散が進行し、熱電変換素子の一部が劣化するおそれがある。これにより生成した化合物の種類によっては、クラックなどが生じやすく、電気抵抗の増大などを引き起こし、電気的な性能の低下の要因となる。
そこで、拡散を防止するために、特許文献1では、Tiを50重量%以上100重量%未満、Al、Ga、In、またはSnの少なくとも一種を0重量%を超え、50重量%以下の合金層を設けることを開示している。
また、特許文献2ではTi粉末とAl粉末からなる拡散防止層を形成することを開示している。
さらに、特許文献3では、Sbを含む合金からなる熱電変換材料と、前記熱電変換材料に積層され、TiおよびAlを含む合金からなる拡散防止層と、を含む焼結体からなり、前記拡散防止層を構成する焼結体のネック部がTi-Al合金化しており、焼結体の各部におけるAl濃度が50at%以下である熱電変換素子を開示している。これにより、主にAlとSbからなる、周囲に比べて脆いAl濃化部(Al-Sb)を抑制し、当該部位を起点としたクラックを低減することで、電気的な特性を維持できる信頼性の高い熱電変換素子を提供できるとしている。
国際公開公報2009/093455号 特開2011-249442号公報 特開2019-169534号公報
特許文献1から特許文献3に開示された拡散防止層は、いずれも反応を阻害するための元素としてTiを含む。Tiは、熱電変換素子の使用条件などによりTi-Sbの反応層が生成することがある。そのうえ、焼結性を向上させるための元素としてAlを含むことで、生成したTi-Sb中にAl-Sbが分散した反応層を形成することがあった。このとき、Al-Sbを起点として、クラックが発生する可能性があった。
本発明の目的は、Ti-Sbの生成と、それに伴うAl-Sbが分散した反応層を抑制することでクラック等が生じる可能性を低減することを目的とする。
本発明の熱電変換素子の製造方法は、Co及びSbを含む粉末または圧粉体の熱電変換材料、及び、Niを含む材料を、Al箔に接触させて配置し、Alの融点以上720℃以下の温度、15MPa以上68MPa以下の加圧、で一体焼結し、Al-(Co,Ni)系の合金を含む拡散防止層を有する焼結体を得る工程、を含み、前記拡散防止層はB2型の結晶構造であることを特徴とする。
さらに、Al箔の一方の面に、前記Co及びSbを含む熱電変換材料を接触させて配置し、前記Al箔のもう一方の面に、前記Niを含む材料として、Ni箔を接触させて配置することが好ましい。
本発明によれば、Ti-Sbの生成と、それに伴うAl-Sbが分散した反応層を抑制することでクラック等が生じる可能性を低減する熱電変換素子の製造方法を提供できる。
熱電変換モジュールの全体構造を示す斜視図。 熱電変換モジュールの断面拡大図。 拡散防止層のX線回折結果を示す図。 (a)拡散防止層近傍の断面のSEM写真、及び(b)一部を拡大したSEM写真。 拡散防止層近傍の断面のSEM-EDXライン分析結果。 拡散防止層付き熱電変換材料の製造プロセスフロー図。 実施例1の拡散防止層近傍のSEM-EDX分析結果。 実施例3の拡散防止層近傍のSEM-EDX分析結果。 実施例4の拡散防止層近傍のSEM-EDX分析結果。 実施例5の拡散防止層近傍のSEM-EDX分析結果。 比較例の拡散防止層近傍のSEM-EDX分析結果。
以下、図面に沿って本発明の実施の形態を説明する。図1は本実施形態の熱電変換モジュール10の全体構造を示す斜視図である。熱電変換モジュール10はP型熱電変換素子21、N型熱電変換素子22、電極30、セラミックス配線基板40で構成される。隣り合うP型熱電変換素子21とN型熱電変換素子22は千鳥格子状に配列されている。P型熱電変換素子21とN型熱電変換素子22は、電極30とセラミックス配線基板40を介して電気的に直列となるように接続される。熱電変換素子はCo及びSbを含む熱電変換材料で、特にスクッテルダイト構造を有するものが好ましい。例えば、N型熱電変換素子22はYbCoSb12などが好適である。Co及びSbを含む熱電変換材料は他の元素が含まれていてもよい。スクッテルダイト構造の熱電変換材料は300~500℃の温度域で発電性能が高く、大きな温度差を得ることで高い出力を得ることが可能である。Co及びSbを含む熱電変換材料をXRDにより同定し、スクッテルダイト構造の単一相であるとき、熱電変換材料はCo及びSbを含む合金からなる、と言える。
電極30は300~500℃の温度域でも通電可能な部材であればよい。さらにP型熱電変換素子21およびN型熱電変換素子22と熱膨張率の近い部材であればよく、単一層の純金属や合金または複数層の純金属や合金からなる構造を有してもよい。特にCo及びSbを含む熱電変換材料の場合は、Cuや、CuとMoとを混合(粒状で複合化、層状に複合化など)して熱膨張を調整した複合材であることが好ましい。
セラミックス配線基板40は絶縁性を有していればよく、例えばアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等のセラミックス材料を使用することで、低温から高温まで広い温度範囲で利用できるため好ましい。
図2は熱電変換モジュールの一部を拡大した断面図を示している。セラミックス配線基板40の両面には第一の導電部材41と第二の導電部材42が形成される。第一の導電部材41および第二の導電部材42は電極30と同様にCu等の部材であればよい。第一の導電部材41は接合層60に対して接合性を向上させる目的でNi等の金属膜(図示せず)を形成してもよい。
接合層60は、はんだや、ろう材、または金属ナノ粒子焼結層などを用いればよい。接合層60として、金属ナノ粒子ペーストを用いた焼結層を形成する場合は、接合温度よりも高い温度で熱電変換モジュールが動作した場合も溶融が生じず、信頼性が高いため望ましい。第一の導電部材41がCuの場合、接合層60はCuの焼結層であることがより好ましい。すなわち、Cuが含まれる金属ナノ粒子ペーストを用いることでCuの焼結層を形成する。
金属層51は、接合層60を介してセラミックス配線基板とP型熱電変換素子21およびN型熱電変換素子22を接合しやすくする役割を持つ。金属層51は接合層60との接合性を考慮して種々の選択が可能であり、接合層60をCuの焼結層とする場合はNiが特に好ましい。Cuは、平衡状態図からも明らかなように、Niと全率固溶する。そのため、ネックが形成されやすく、強固に接合できるため好ましい。
金属層51の形成方法は後述する拡散防止層50の有無に合わせて適宜選択すればよい。例えば、拡散防止層50は少なくとも電極30側の一方に形成されていればよい。すなわち、セラミックス配線基板側の拡散防止層50は形成せずともよく、その場合はP型熱電変換素子21とN型熱電変換素子22の一方の面に金属層51を形成すればよい。P型熱電変換素子21およびN型熱電変換素子22の面に金属層51を形成する場合はめっき法等を適用することができる。拡散防止層50を形成する場合は、熱電変換材料と拡散防止層50の接合と同時に金属層51としてNiを接合すればよい。
Al-(Co,Ni)系の合金を含む拡散防止層50は、Co及びNiと、Alとを主としたB2型の結晶構造を含む。Co及びNiは、原子番号が近い。そのため、Alとの合金において、XRD測定でピークの位置や、強度、算出される格子定数などが近い数値となる。図3に本実施形態の拡散防止層50のX線回折結果の一例を示す。測定用のサンプルは、焼結にて拡散防止層付き熱電変換素子を作製後に、熱電変換素子部を機械加工で除去して、拡散防止層50の表面を露出させたものを使用した。X線分析はリガク製のSmartLabにて実施し、平行ビーム法にて薄膜サンプルの回折パターンを得た。拡散防止層の回折ピークは、B2型の結晶構造を有するAlCo0.5Ni0.5、AlCo、AlNi、を同定した。さらに、L12型の結晶構造を有するAlNi、また、面心立方格子構造を有するNiも含むことが分かった。他の結晶構造に比べて、B2型に由来する(100)面、(110)面、(200)面、(211)面のピークが大きいことが分かった。
図4は、Al-(Co,Ni)系の合金を含む拡散防止層50を有するN型熱電変換素子22の接合断面のSEM(Scanning Electron Microscope)像を示す。図4(b)は(a)の視野の一部を拡大したSEM像である。SEM像はBSE(Back Scattered Electron)像で示している。金属層51はNiであり、金属層51とN型熱電変換素子22の間に拡散防止層50が形成されており、クラックは生じていない。また拡散防止層50はAl-(Co,Ni)系の合金501を含んで形成されている。Al-(Co,Ni)系の合金501は図4において黒色が強い部分である。
図5は拡散防止層近傍をSEM-EDX(Energy Dispersive X-ray Spectrometry)でライン分析した結果を示している。図5中の(a)はN型熱電変換素子22に拡散防止層50を形成後の結果であり、(b)はさらに400℃1000h熱処理をした後の結果を示している。400℃1000h熱処理後も拡散防止層50内にクラックは生じていない。図5(a)、(b)の結果から、Al-(Co,Ni)系の合金501は、Alの濃度がおよそ30at%以上50at%以下であり、Coの濃度がおよそ5at%以上50at%以下であり、Niの濃度がおよそ5at%以上50at%以下である。さらに、Al-(Co,Ni)系の合金501の、Coの濃度は、金属層51側からN型熱電変換素子22側に向かって、増加している。一方、Niの濃度は、金属層51側からN型熱電変換素子22側に向かって、減少している。すなわち、N型熱電変換素子22に近接する箇所のAl-(Co,Ni)系の合金501はAlとCoの濃度が高く、金属層51に近接する箇所のAl-(Co,Ni)系の合金501はAlとNiの濃度が高くなっている。
このAl-(Co,Ni)系の合金501が、B2型の結晶構造を有する。この実施形態では、前記Al箔の一方の面に、前記Co及びSbを含む熱電変換材料を接触させて配置し、前記Al箔のもう一方の面に、前記Ni含む材料として、Ni箔を接触させて配置していることから、組成が一方の面からもう一方の面に向かって、徐々に変化しているが、結晶構造はB2型である。本実施形態で記載する主とする成分とは、組成比の順に元素を並べた際に、上位の元素を主とする成分とする。
Al-(Co,Ni)系のB2型の金属間化合物は組成比の変化によって固相線温度が変化するが,概ね1200℃~1600℃の固相線温度を有しているため,熱電変換モジュールが500℃程度で動作する場合も液相は生じない。加えて、Al-(Co,Ni)系のB2型の金属間化合物は、共有結合しているため、高温においても安定している。従って、Al-(Co,Ni)系のB2型の金属間化合物を構成する元素は、空孔拡散等によって他の元素と入れ替わり難い。すなわちAl-(Co,Ni)系のB2型の金属間化合物は拡散防止性に優れる。さらにAl-Co-Niの三元系平衡状態図や図3で示したX線回折からもわかるようにAlとCoとNiとが含まれる場合は、いずれもB2型の結晶構造を維持することが可能である。
本発明の実施形態の熱電変換素子の製造方法を説明するため、図6にAl-(Co,Ni)系の合金を含む拡散防止層付き熱電変換材料の製造プロセスの一例を示す。図2に示したような熱電変換素子の両面に拡散防止層を形成する場合は、Co及びSbを含む熱電変換材料を焼結するための金型の底面から順にNiを含む材料、Al箔、熱電変換材料、Al箔、Niを含む材料を積層、すなわち接触させて配置すればよい。Co及びSbを含む熱電変換材料は、所定量を粉末として金型の中に直接充填してもよいし、事前にプレス成型して、圧粉体の状態で金型の中に積層させてもよい。また、本実施形態における製造プロセスでは、Co及びSbを含む熱電変換材料の構成によって種々の選択が可能である。以降、説明を簡素にするために熱電変換材料の一方に拡散防止を形成する場合で説明する。Niを含む材料は、前述したように、金属ナノ粒子ペースト等を用いて熱電変換素子とセラミックス配線基板を接合する場合は、熱電変換材料にNiの金属層を形成することがよい。
ここで、本発明における、Al箔と、Niを含む材料について説明する。Al箔とは、例えば、純度99%以上のAlを含むことが望ましい。Al箔の厚さは、一体焼結時のCoやNiの反応や拡散防止層として使用時の温度などを考慮したほうが良い。Niを含む材料については、金属層としての役割を満たすように箔、膜、板などの一様な層形状であることが望ましく、例えば、Ni箔などを用いてもよい。この時、Niの純度としては99%以上が望ましい。
積層した部材はホットプレス等を用いて加圧焼結する。焼結は、例えばAr等の不活性ガス中で660℃以上であればよく、Al箔が溶融する融点以上の温度が望ましい。Al箔が溶融することで、液相焼結になるため、拡散防止層50を形成しやすい。さらにAlとCoが優先的に反応するため、Al-Sb等のクラック発生要因となる反応層を生成し難い。焼結温度が高い場合、熱電変換材料が割れやすくなるため、焼結の上限温度は720℃以下が好ましい。保持温度は60分で拡散防止層を形成することが可能である。焼結時の加圧は、熱電変換材料の粉末間同士を焼結しつつ、熱電変換材料と拡散防止層とを一体焼結しやすいことを考慮して、15MPa以上68MPa以下が好ましい。この工程を経ることにより、Al-(Co,Ni)系の合金を含む拡散防止層を有する焼結体、すなわち拡散防止層付き熱電変換材料を得られる。
以上の方法で拡散防止層付き熱電変換材料を製造することが可能である。拡散防止層付き熱電変換材料は、そのまま熱電変換素子としてもよく、任意の素子形状に加工してもよい。例えばワイヤーソー等によって、拡散防止層付き熱電変換材料を、図1および図2中に示すP型熱電変換素子21やN型熱電変換素子22の形状に切り出す。切り出し後は治具等を用いて、セラミックス配線基板40、接合材、熱電変換素子、接合材、電極の順に配置し、加圧しながら加熱することによって電気的に直列となるように接続され、図1に示す熱電変換モジュール10を得ることができる。
(実施例1)
熱電変換材料はYb0.3CoSb12の粉末を21MPaの圧力で圧粉体成型したものを用いた。黒鉛金型の中に純度99at%以上のNi箔、厚さ10μmで純度99at%のAl箔、Yb0.3CoSb12の圧粉体、厚さ10μmで純度99at%のAl箔、純度99at%以上のNi箔の順で積層し、加圧焼結を行った。加圧焼結の条件は、Ar雰囲気中で、700℃60分保持、圧力を68MPaとした。
図7に実施例1のSEM-EDXマッピング分析結果を示す。マッピング分析結果は、元素の存在比を相対的にグレースケールで表示している。図7(a)は焼結後の観察結果であり、図7(b)は焼結後にさらに400℃の温度で1000時間熱処理した後の観察結果を示している。拡散防止層50は、AlとCoとNiとを含む層で形成されており、クラックの発生はみられなかった。また、拡散防止層50内でAlとSbのマップは重なっておらず、クラック発生原因となるAl-Sbは確認されなかった。
(実施例2)
焼結時の保持温度を680℃とした以外は実施例1と同様とした。SEM-EDXマッピング分析の結果、拡散防止層50はAlとCoとNiが含まれる層で形成されており、クラックの発生はみられなかった。また、拡散防止層50内でAlとSbのマップは重なっておらず、クラック発生原因となるAl-Sbは確認されなかった。
(実施例3)
焼結時の保持温度を720℃とした以外は実施例1と同様とした。図8に実施例3のSEM-EDXマッピング分析結果を示す。拡散防止層50はAlとCoとNiが含まれる層で形成されており、クラックの発生はみられなかった。また、拡散防止層50内でAlとSbのマップは重なっておらず、クラック発生原因となるAl-Sbは確認されなかった。
(実施例4)
焼結時の圧力を40MPaとした以外は実施例1と同様とした。図9に実施例4のSEM-EDXマッピング分析結果を示す。拡散防止層50はAlとCoとNiが含まれる層で形成されており、クラックの発生はみられなかった。また、拡散防止層50内でAlとSbのマップは重なっておらず、クラック発生原因となるAl-Sbは確認されなかった。
(実施例5)
焼結時の圧力を15MPaとした以外は実施例1と同様とした。図10に実施例5のSEM-EDXマッピング分析結果を示す。拡散防止層50はAlとCoとNiが含まれる層で形成されており、クラックの発生はみられなかった。また、拡散防止層50内でAlとSbのマップは重なっておらず、クラック発生原因となるAl-Sbは確認されなかった。
(比較例)
目開き45μm以下の篩通しされたTi粉末と目開き30μm以下の篩通しされたAl粉末とを、Ti粉末66mass%、Al粉末34mass%の比率で混合し、900℃2時間保持した。得られた粉末を解砕してTi-Al合金粉末を得た。得られたTi-Al合金粉末とYb0.3CoSb12の粉末を35mass%の比率で混合し、21MPaの圧力をかけて熱電変換材料の成分を含んだTi-Al合金の圧粉体を成型した。実施例1と同じ熱電変換材料を用いて、黒鉛金型の中に純度99at%以上のNi箔、熱電変換材料の成分を含んだTi-Al合金の圧粉体、熱電変換材料の圧粉体、熱電変換材料の成分を含んだTi-Al合金の圧粉体、純度99at%以上のNi箔の順で積層した。加圧焼結の条件は、Ar雰囲気中で、700℃60分保持、圧力を68MPaとした。図11に比較例のSEM観察結果を示す。Ti-Al合金粉末からなる拡散防止層50とN型熱電変換素子22の界面にはTiSb反応層503およびAl-Sb反応層504が生成した。さらにAl-Sb反応層504を起点にクラックが発生することを確認した。
本発明を実施例を用いて説明した結果を表1にまとめて示す。本発明はこれらに限定されるものではなく、種々組み合わせた場合でも効果を十分発揮することができる。
10…熱電変換モジュール
21…P型熱電変換素子
22…N型熱電変換素子
30…電極
40…セラミックス配線基板
41…第一の導電部材
42…第二の導電部材
50…拡散防止層
501…Al-(Co,Ni)系の合金
503…TiSb反応層
504…Al-Sb反応層
51…金属層
60…接合層

Claims (2)

  1. Co及びSbを含む粉末または圧粉体の熱電変換材料、及び、Niを含む材料を、Al箔に接触させて配置し、Alの融点以上720℃以下の温度、15MPa以上68MPa以下の加圧、で一体焼結し、Al-(Co,Ni)系の合金を含む拡散防止層を有する焼結体を得る工程、を含み、
    前記拡散防止層はB2型の結晶構造である
    ことを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  2. 前記Al箔の一方の面に、前記Co及びSbを含む熱電変換材料を接触させて配置し、前記Al箔のもう一方の面に、前記Niを含む材料として、Ni箔を接触させて配置することを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子の製造方法。
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