JP7416442B2 - 二重容器 - Google Patents
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Description
二重容器に関する技術としては、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1は、内容物を収容する内容器と、該内容器を収納した外容器と、を備えた二重容器であって、該外容器の首筒部には、容器体ネジ部が設けられ、該容器体ネジ部を断続ネジ構造とすることにより該首筒部の外周面にネジ欠部が設けられており、該内容器には、外鍔状のフランジ部の端縁から環状周壁部が垂下設され、更に略矩形の板片の掴み部が延長垂下設されており、該掴み部は、外面に該容器体ネジ部と連続する形態で、該容器体ネジ部と同じネジ形状のスベリ止めを設けている二重容器の構成を開示する。
ところが、内容器の内壁は平坦であり、人差し指が内容器の内壁上を滑りやすく、確実に内容器をつまんで引き上げることができないことが多かった。
レフィル容器であれば、机の上に置いておく際に傾いて自立できない虞があった。加えて、同文献の図5に示すように、外容器の上端とレフィル容器の上端との間に、レフィル容器を傾けるための隙間があり、高級な化粧品などが充填される容器として採用した場合、見た目が悪く、高級感を出し難いものとなっていた。
すなわち、本発明の二重容器は、有底筒状に形成され且つ内容物が充填される内容器と、筒状に形成され且つ前記内容器が内部に収容可能とされた外容器とを備えた二重容器において、前記内容器と外容器との間には空間部が形成されており、使用者が前記内容器をつまんで引き上げるべく、前記内容器を前記空間部へ押し込むことで当該内容器を傾けて浮かせた状態とする押圧位置の目印が、前記内容器の内壁に形成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記押圧位置の目印は、前記内容器の内壁の周方向の全周乃至は一部に形成されているとよい。
好ましくは、前記空間部は前記外容器の高さ方向の全て乃至は下部に設けられており、設けられた空間部に対応する内容器の内壁に、前記押圧位置の目印が配設されているとよい。
なお、以下の説明においては、化粧料を内容物とする化粧品容器に用いられる二重容器を例に挙げて説明する。
[第1実施形態]
図1などに示すように、本実施形態の二重容器1は、有底筒状に形成された内容器2(レフィル容器2と呼ぶこともある)と、そのレフィル容器2が内部に収納される外容器3と、レフィル容器2の上部に形成された開口及び外容器3の上部に形成された開口を覆って密閉する蓋体4(キャップ4と呼ぶこともある)とから構成されている。
詳しくは、外容器3は、レフィル容器2を内部に収容する有底円筒状の胴部5Sと、胴部5Sの上部に設けられた係合部8と、を有している。胴部5Sは、板状(円板状、多角板状、楕円板状など)とされた底部7Aと、その底部7Aを取り囲むように設けられた外
筒部7Bを有している。外筒部7Bの上部は開口となっており、この開口を取り巻くように係合部8が形成されている。
レフィル係合部12は、蓋係合部9よりも外径が径小とされたものとなっており、当然、外筒部7Bよりも外径が径小とされている。しかしながら、外筒部7Bと蓋係合部9とレフィル係合部12の内壁は面一となっていて、当該内壁の径はすべて同径であり、レフィル容器2の内筒部13Bの外径よりは径大なものとなっている。
このような構成のため、レフィル容器2を外容器3の開口から下方に向かって嵌め入れた場合、レフィル容器2の内筒部13Bの外壁と外容器3の外筒部7Bの内壁とは、接触することはなく、内筒部13Bの外壁と外筒部7Bの内壁との間には、空間が存在するものとなる。この空間は、レフィル容器2の傾斜を許容する傾斜許容空間部30(詳細は後述)となる。
図1を参照するに、内容器2すなわちレフィル容器2は、半固形状乃至はペースト状の化粧料などを収容し、取替え可能なものとなっている。レフィル容器2は、化粧料などを収容する有底円筒状の胴部5Nを有している。胴部5Nは、板状(円板状、多角板状、楕円板状など)とされた底部13Aとその底部13Aを取り囲むように設けられた内筒部13Bが一体に成形されてなり、化粧料などを所定量収容するため一定の深さを有する。
外容器3の内部空間の上下寸法と同寸であっても良い。
さて、図1や図6に示すように、本実施形態では外容器3に螺合することで、外容器3及びレフィル容器2の上方の開口を閉塞するためのキャップ4(蓋体4)が設けられている。
なお、キャップ4による密閉をより強固なものとするために、キャップ4の天壁部16の下面にはパッキン18が配置されており、パッキン18が少なくともレフィル容器2の上端(鍔部14の上面)と接することで、レフィル容器2が密封される。
本実施形態の二重容器1では、化粧料を使い切った際に、レフィル容器2をつまんで引き上げて取り出し、化粧料が充填された新しいレフィル容器2と入れ替えるようにしている。従来であれば、多くの場合においてレフィル容器2がつまみにくい又は引き上げにくい状況が発生し、使用者は無意識に、図2(a)の如く人差し指Fをレフィル容器2の内側に入れ、親指Bをレフィル容器2のフランジの外縁(鍔部14又は垂下壁15)に当て、レフィル容器2をつまむようにして上に引き上げることになる。ところが、レフィル容器2の内壁においては、指Fが滑りやすく、確実にレフィル容器2をつまんで引き上げることができないことが多かった。
この凸状突起部は、凸状であるため、使用者の指(例えば、人差し指F)が引っかかることで、レフィル容器2を容易に且つ確実につまんで引き上げる作用も奏することになる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について述べる。
すなわち、図4に示す如く、外容器3は、レフィル容器2を内側に収容する有底円筒状の胴部5Sを有している。胴部5Sは、平面視で円形とされた底部7Aと、その底部7Aを取り囲むように立設された外筒部7Bを有している。外筒部7Bの上部は開口となっており、この開口を取り巻くように係合部8が形成されている。
係合部8の上部側は、レフィル容器2と係合するレフィル係合部12とされている。第2実施形態のレフィル係合部12も第1実施形態のものと略同様の構成を有している。
これら蓋係合部9とレフィル係合部12と外筒部7Bの上部の内壁は面一であり、その内径はすべて同径である。しかしながら、第2実施形態の外筒部7Bの下部の内径はレフィル係合部12の内径より径が大きいものとされている。すなわち、外容器3の外筒部7Bの下部においては、レフィル容器2の内筒部13Bより外筒部7Bの内壁が径大とされ、第1実施形態よりも広い(径方向に長い)傾斜許容空間部30が形成されることになる。この広い傾斜許容空間部30を実現するために、第2実施形態の外容器3は、上下方向の中央より下端において、内壁が径方向外側に切り欠かれ、断面視で凹状とされた内壁となっている。
そこで、指(例えば、人差し指F)を押圧目印部32に当て、この押圧目印部32を外側に押すことで、レフィル容器2が支点部31を支点として斜めに傾いた状態となる。そのため、レフィル容器2の上端(鍔部14や垂下壁15)が外容器3から浮き上がった状態となるため、レフィル容器2を容易に且つ確実につまんで引き上げることができるようになる。第2実施形態の場合、外容器3の下部に対応する内壁が径方向外側に削り取られ、断面視で径外方向外側へ凹状とされていて、レフィル容器2の内筒部13Bの外壁と外筒部7Bの内壁との間には広大な傾斜許容空間部30が存在するため、レフィル容器2を大きく傾斜させることができ、レフィル容器2の上端(鍔部14や垂下壁15)が外容器3から大きく浮き上がった状態となるため、レフィル容器2を容易に且つ確実につまんで引き上げることができるようになる。
この変形例においては、押圧目印部32は、内容器2の内壁に形成された凸状突起部21であり、レフィル容器2の内筒部13Bの内壁の周方向全周に亘って形成されている点が大きな特徴となっている。押圧目印部32は、レフィル容器2の下部であって外容器3の空間に対応する位置に形成されている。
なお繰り返しにはなるが、第1実施形態、第2実施形態のいずれにおいても、化粧料を使い切った後にレフィル容器2を交換するに際しては、以下の作業(特に取り外し方法)を行うと良い。
以上、本発明の二重容器1は、有底筒状に形成され且つ内容物が充填される内容器2と、有底筒状に形成され且つ内容器2が内部に収容可能とされた外容器3と、内容器2を収容した外容器3の上部に形成された開口を封止する蓋体4とを備えており、内容器2と外容器3との間には空間部30が形成されており、使用者が内容器2をつまんで引き上げることを容易にすべく、内容器2を空間部30へ押し込むことで当該内容器2を傾けて浮かせた状態とする押圧位置の目印32が、内容器2の内壁に形成されている構造を有するため、内容物を使い切った後、内容器2を交換する際に、容易且つ確実に内容器2をつまんで引き上げることができるようになる。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
2 内容器(レフィル容器)
3 外容器
4 蓋体(キャップ)
5N 内容器の胴部
5S 外容器の胴部
7A 外容器の底部
7B 外筒部
8 係合部
9 蓋係合部
10 雄ネジ部
11 雌ネジ部
12 レフィル係合部
13A 内容器の底部
13B 内筒部
14 鍔部
15 垂下壁
16 天壁部
17 周壁部
18 パッキン
20 引っ掛り部
21 凸状突起部
22 凹状条部
23 菱形突起部
30 傾斜許容空間部
31 支点部
32 押圧目印部
33 位置決め突起
F 指(人差し指)
B 親指
Claims (4)
- 有底筒状に形成され且つ内容物が充填される内容器と、筒状に形成され且つ前記内容器が内部に収容可能とされた外容器とを備えた二重容器において、
前記内容器と外容器との間には空間部が形成されており、
使用者が前記内容器をつまんで引き上げるべく、前記内容器を前記空間部へ押し込むことで当該内容器を傾けて浮かせた状態とする押圧位置の目印が、前記内容器の内壁に形成されていることを特徴とする二重容器。 - 前記押圧位置の目印は、前記内容器の内壁に形成された凸状部又は凹状部であることを特徴とする請求項1に記載の二重容器。
- 前記押圧位置の目印は、前記内容器の内壁の周方向の全周乃至は一部に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二重容器。
- 前記空間部は前記外容器の高さ方向の全て乃至は下部に設けられており、
設けられた空間部に対応する内容器の内壁に、前記押圧位置の目印が配設されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の二重容器。
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