JP7413927B2 - ウレタンプレポリマー組成物 - Google Patents

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Description

本開示は、ウレタンプレポリマー組成物に関する。
片末端に不飽和基を有する副生モノオール(以下、不飽和モノオールと記す)を多量に含むポリアルキレンオキシドやそれを用いたウレタンプレポリマーが、ポリウレタンの原料として用いられている。しかしながら、このような不飽和モノオールを多量に含むポリアルキレンオキシドやそれを用いたウレタンプレポリマーはイソシアネート化合物との反応に伴う硬化(固化)に時間を要して生産性が損なわれるという問題が生じる。
更に、このような不飽和モノオールを多量に含むポリアルキレンオキシドから得られるポリウレタンは、高分子量になりづらく、引張破断伸びが小さく、引張破断強度も小さい。
一方、不飽和モノオールは1官能性のため、不飽和モノオールが多量に含まれた従来のポリアルキレンオキシドやそれを用いて得られるウレタンプレポリマーは、イソシアネート化合物とのウレタン化反応が進行しても分子量が大きくなりにくいため、それらの組成物からポリウレタンを得るために塗工機などで塗工した際には成形性がよく塗工しやすいという利点はあるが、透明性や硬化性が低い課題がある。
ここで、特許文献1は、イミノホスファゼニウム塩と、ルイス酸と、を触媒として用いることで、不飽和モノオールが少ないポリアルキレンオキシドが得られることを開示している。これらのポリアルキレンオキシドを用いることで不飽和モノオールを多量に含むポリアルキレンオキシドが抱える硬化性の課題が改善し、引張破断伸びや引張破断強度が大きくなる。しかしながら、不飽和モノオールが少ないポリアルキレンオキシドやそれを用いて得られるウレタンプレポリマーのみでは、硬化性や引張強度が十分ではなく、更なる生産性(硬化性)の改善と得られるポリウレタンの引張破断強度の更なる向上が望まれていた。
これに対して、生産性の改善と引張破断強度を増加させるため、不飽和モノオールが少ないポリアルキレンオキシドに加えて、高反応性のポリオキシテトラメチレングリコールや、高官能基数の糖残基を有するポリオール、高反応性で高官能基数の芳香族アミン残基を有するポリオール、といったポリオールをウレタンプレポリマーへ導入すると、イソシアネート化合物とのウレタン化反応が進行した際に即座に分子量が大きくなりやすく、イソシアネート化合物との混合後に時間を要した際に増粘しやすく、それらの組成物からポリウレタンを得るために塗工機などで塗工した際には、更に塗工がしにくいという課題がある。
すなわち、不飽和モノオールが少ないポリアルキレンオキシドに加えて、ポリオキシテトラメチレングリコールや、高官能基数の糖残基を有するポリオール、芳香族アミン残基を有するポリオール、といったポリオールを用いて得られるウレタンプレポリマーを用いても、イソシアネート化合物と混合後初期の増粘が顕著に遅く可使時間が顕著に良好で、更には透明性や、高い引張破断強度を発現するポリウレタンが得られるウレタンプレポリマー組成物が求められていた。
特開2017-25274号公報
本発明の一態様は、引張破断強度の大きなポリウレタンの形成に資するウレタンプレポリマーを含み、可使時間が長く塗工安定性に優れ、高い生産性を有するウレタンプレポリマー組成物、および、該ウレタンプレポリマー組成物を含むウレタンプレポリマー組成物溶液を提供することに向けられている。
本発明の他の態様は、該ウレタンプレポリマー組成物を用いて得られるポリウレタンを提供することに向けられている。
本発明の更に他の態様は、該ポリウレタンからなるポリウレタンシートを提供することに向けられている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組成のプレポリマーと特定の性状の低分子量ポリオールを組み合わせることによって、驚くべきことに高い透明性と高い引張破断強度を発現しつつ、硬化性、成形性が良好であり、顕著に長い可使時間を有して生産性の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の各態様は以下に示す[1]~[13]である。
[1]ウレタンプレポリマー(F)、金属成分を含むウレタン化触媒(C)、および分子量62~700の範囲である低分子量ポリオール(D)、を含むウレタンプレポリマー組成物(G)であって、
前記ウレタンプレポリマー(F)が、少なくともポリオール(A)とポリイソシアネート(B)の反応物であり、
1分子中に少なくとも一つの水酸基を有し、
重量平均分子量が3000以上であって、
炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基、および0.010meq/g以下の不飽和基、を構成成分として含み、
更に、テトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れか1種以上の残基を構成成分として含む、
ウレタンプレポリマー組成物(G)。
[2]ウレタンプレポリマー(F)が、少なくともポリオール(A)とイソシアネート基の平均官能基数が2.0以上であるポリイソシアネート(B)の反応物であり、
前記ウレタンプレポリマー(F)を形成する、ポリオール(A)の有する水酸基の総和(MOH)に対する前記イソシアネート(B)の有するNCO基の総和(MNCO)のモル比率(MNCO/MOH)が1.0未満であって、
ポリオール(A)が1分子中に炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基および2つ以上の水酸基を有するポリアルキレンオキシド(A1)とテトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れか1種以上の残基を有するポリオール(A2)を含み、
前記ポリアルキレンオキシド(A1)は、
不飽和度が、0.010meq/g以下であり、
数平均分子量が、800以上である、
[1]に記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
[3]低分子量ポリオール(D)が、分子量62~300の範囲であることを特徴とする[1]または[2]に記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
[4]低分子量ポリオール(D)が、プロピレンオキシド残基、エチレンオキシド残基の何れか1種以上を含むことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
[5]低分子量ポリオール(D)が、2~4個の水酸基を含むことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
[6]ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が、0.03~0.30の範囲であることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
[7]金属成分を含むウレタン化触媒(C)が、Fe、Zr、Ti、Alのいずれか一つ以上の金属を含む有機金属化合物であることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
[8]さらに、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンのいずれか1種以上のケトエノール互変異性化合物(E)を含むことを特徴とする、[1]乃至[7]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
[9][1]乃至[8]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)と有機溶媒を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H)であって、
該ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)中のウレタンプレポリマー組成物(G)の濃度が10質量%以上95質量%以下であることを特徴とするウレタンプレポリマー組成物溶液(H)。
[10][1]乃至[8]のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)とイソシアネート化合物(I)とを含むウレタン形成性組成物(J)。
[11][9]に記載のウレタンプレポリマー組成物溶液(H)とイソシアネート化合物(I)とを含むウレタン形成性組成物溶液(K)。
[12][10]に記載のウレタン形成性組成物(J)、[11]に記載のウレタン形成性組成物溶液(K)中のウレタン形成性組成物(J)の反応物であるポリウレタン(L)
[13][12]に記載のポリウレタン(L)からなるポリウレタンシート。
本発明のウレタンプレポリマー組成物は、ポリウレタンを得るために、塗工機などで塗工する際に顕著に優れた可使時間と塗工性を有する上に、ウレタン化触媒を多量に用いることなく、イソシアネート化合物との反応に伴う硬化(固化)を進めることでの高い生産性を有し、更に、高透明で引張破断強度が大きいポリウレタンを得ることができる。
また、本発明のウレタンプレポリマー組成物を用いることで得られたポリウレタンは、シーリング材、塗料、粘着剤、接着剤など幅広い用途に好適に使用できる。
以下に本発明を実施するための例示的な態様を詳細に説明する。
本発明の一態様であるウレタンプレポリマー組成物(G)は、ウレタンプレポリマー(F)、金属成分を含むウレタン化触媒(C)、分子量62~700の範囲である低分子量ポリオール(D)、を含む。前記ウレタンプレポリマー(F)は、1分子中に少なくとも一つの水酸基を有し、重量平均分子量が3000以上であって、炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基、0.010meq/g以下の不飽和基、を構成成分として含み、
更に、テトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れか1種以上の残基を構成成分として含む。
<ポリオール(A)>
ポリオール(A)は、ポリアルキレンオキシド(A1)とポリオール(A2)を含むことが好ましい。 ポリアルキレンオキシド(A1)は、不飽和度が0.010meq/g以下であり、且つポリオール(A2)が芳香族アミン残基、炭素数6以上の糖残基又はテトラメチレン-エーテル残基のいずれか1種以上の残基を含むポリオールである、
さらにポリオール(A)は、ポリアルキレンオキシド(A3)を含んでいても良い。ポリアルキレンオキシド(A3)は、1分子中に1つの水酸基およびエチレンオキシド残基を含むポリオールである。
<ポリアルキレンオキシド(A1)>
ポリアルキレンオキシド(A1)の不飽和度は、好ましくは0.010meq/g以下であり、更に好ましくは0.007meq/g以下であり、最も好ましくは0.004meq/g以下である。
ポリアルキレンオキシド(A1)の不飽和度が0.010meq/g以下であれば、それを用いて得られるウレタンプレポリマー(F)と、イソシアネート化合物(I)との反応に伴う硬化(固化)が速くなりやすく、得られるポリウレタンは直鎖状に高分子量化して引張破断伸びと引張破断強度は大きくなりやすいため、好ましい。
ここで、ポリアルキレンオキシド(A1)の「不飽和度(meq/g)」とは、ポリアルキレンオキシド1g当たりに含まれる不飽和基の量であり、ポリアルキレンオキシドに含まれる不飽和モノオールの数に対応する。すなわち、不飽和度が高ければ不飽和モノオールが多く、不飽和度が低ければ不飽和モノオールは少ない。
なお、本態様では、高分子論文集1993,50,2,121-126に記載のNMR法に準拠してポリアルキレンオキシドの不飽和度を測定した。本態様では、不飽和モノオールが少ないポリアルキレンオキシドを測定の対象とするので、測定精度を高めるために、NMR測定におけるスキャン回数は500回以上とした。
ポリアルキレンオキシド(A1)は、好ましくは数平均分子量が800以上であり、更に好ましくは2000以上30000以下であり、最も好ましくは4500以上9000以下である。ポリアルキレンオキシド(A1)の数平均分子量が上記範囲であれば、ポリオール(A)と、イソシアネート化合物(B)との反応によって得られるウレタンプレポリマー(F)とイソシアネート化合物(I)との反応の際に成形性と硬化性を両立しやすく、得られるポリウレタンは、引張破断伸びと引張破断強度が大きくなりやすいため、好ましい。
なお、ポリアルキレンオキシド(A1)の数平均分子量は、JIS K-1557-1に記載の方法により算出したポリアルキレンオキシド(A1)の水酸基価と、ポリアルキレンオキシド(A1)1分子中の水酸基数と、から算出することができる。
ポリアルキレンオキシド(A1)は、分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn);Mw/Mn)が1.1以下であることが好ましい。Mw/Mnが1.1以下であると、汚染の原因となる低分子量物が少なくなることで優れた耐汚染性を有することになるため、好ましい。
分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography+;GPC)法より測定することができる。
ポリアルキレンオキシド(A1)は、1分子中に炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基を含むことが好ましい。炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基として特に限定されず、例えば、炭素数3~20のアルキレンオキシド残基を挙げることができる。具体的には、プロピレンオキシド残基、1,2-ブチレンオキシド残基、2,3-ブチレンオキシド残基、イソブチレンオキシド残基、ブタジエンモノオキシド残基、ペンテンオキシド残基、スチレンオキシド残基、シクロヘキセンオキシド残基等が挙げられる。これらのアルキレンオキシド残基の中でも、ポリアルキレンオキシド(A1)を得るための原料の入手が容易で、得られるポリアルキレンオキシド(A1)の工業的価値が高いことから、プロピレンオキシド残基が好ましい。
また、ポリアルキレンオキシド(A1)は、炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基として、単一のアルキレンオキシド残基のみを含んでいてもよく、2種類以上のアルキレンオキシド残基を含んでいてもよい。なお、2種以上をアルキレンオキシド残基が含まれる場合は、例えば、1種のアルキレンオキシド残基が連鎖的に繋がったものに、それ以外のアルキレンオキシド残基が連鎖的に繋がったものであってもよく、2種以上のアルキレンオキシド残基がランダムに繋がったものでもよい。さらに、ポリアルキレンオキシド(A1)は、炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基を含んでいればよく、これに加えて、炭素数2のエチレンオキシド残基を含んでいてもよい。ポリアルキレンオキシド(A1)中のエチレンオキシド残基の含有率としては低温で固化しにくく成形性に優れやすいため50質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは15質量%以下であり、最も好ましくは含まないことである。
ポリアルキレンオキシド(A1)は、1分子中に2つ以上の水酸基を有するものが好ましく、水酸基数の上限は特には限定されないが、1分子中の水酸基数が6以下であることが更に好ましく、最も好ましくは1分子中の水酸基数が3以下である。ポリアルキレンオキシド(A1)の1分子中の水酸基数が6以下であると、ポリアルキレンオキシド(A1)の分子量が低い場合であっても、それを用いて得られるウレタンプレポリマー(F)と、イソシアネート化合物(I)との反応によって得られるポリウレタンの架橋構造が密になり難く、引張破断伸びと引張破断強度が更に大きくなるため、好ましい。
ここで、1分子中に炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基および2つ以上の水酸基を有するポリアルキレンオキシド(A1)は、例えば、ホスファゼン化合物及びルイス酸を含むアルキレンオキシド重合触媒の存在下で、活性水素含有化合物を開始剤として、アルキレンオキシドを開環重合することによって得られる。したがって、ポリアルキレンオキシド(A1)はアルキレンオキシド残基を有することになる。
ホスファゼン化合物としては、例えば、下記一般式(1)で示されるホスファゼニウム塩を挙げることができる。
(上記一般式(1)中、
及びRは、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
とRとが互いに結合した環構造、または、
同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表す;
は、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す;
Yは、炭素原子またはリン原子を表す;
aは、
Yが炭素原子のとき2であり、
Yがリン原子のとき3である。)
炭素数1~20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等を挙げることができる。
及びRとしては、触媒活性に優れるアルキレンオキシド重合触媒となり、原料の入手が容易という点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
また、上記ホスファゼニウム塩におけるXは、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンである。
炭素数1~4のアルコキシアニオンとしては、例えば、メトキシアニオン、エトキシアニオン、n-プロポキシアニオン、イソプロポキシアニオン、n-ブトキシアニオン、イソブトキシアニオン、t-ブトキシアニオン等が挙げられる。
炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオンとしては、例えば、アセトキシアニオン、エチルカルボキシアニオン、n-プロピルカルボキシアニオン、イソプロピルカルボキシアニオン、n-ブチルカルボキシアニオン、イソブチルカルボキシアニオン、t-ブチルカルボキシアニオン等が挙げられる。
これらの中で、Xとしては、触媒活性に優れるアルキレンオキシド重合触媒となることから、ヒドロキシアニオン、炭酸水素アニオンが好ましい。
ホスファゼン化合物としては、例えば、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドを挙げることができる。
ルイス酸としては、例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、ホウ素化合物等を挙げることができる。
アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルモノイソブチルアルミニウム、モノフェニルジイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウムや、例えば、メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチルーイソブチルアルミノキサン等のアルミノキサンを挙げることができる。
亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等の有機亜鉛;塩化亜鉛、酸化亜鉛等の無機亜鉛を挙げることができる。
ホウ素化合物としては、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフルオロボラン等を挙げることができる。
そして、これらの中でも、触媒性能に優れるアルキレンオキシド重合触媒となることから、有機アルミニウム、アルミノキサン、有機亜鉛が好ましく、有機アルミニウムが特に好ましい。
アルキレンオキシド重合触媒における、ホスファゼン化合物とルイス酸との割合は、アルキレンオキシド重合触媒としての作用が発現する限りにおいて任意であり、特に限定されるものではないが、その中でも特に触媒性能に優れる重合触媒となることから、ホスファゼン化合物:ルイス酸=1:0.002~1:500(モル比)であることが好ましい。
活性水素含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、ヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、水酸基を有するポリエーテルポリオール等が挙げられる。
水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば分子量200以上3000以下のポリエーテルポリオール等が挙げられる。
そして、これら活性水素含有化合物は、単独で用いてもよいし、数種類を混合して用いてもよい。
<ポリオール(A2)>
ポリオール(A2)は、テトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れか1種以上の残基を有するポリオールである。ポリオール(A2)に、テトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れかの残基を有すると、得られるポリウレタンの硬度や引張強度が高いため好ましい。なかでも良好な流動性を発現して成形性に優れやすく、また硬度や引張強度が高くなってウレタン物性に優れやすいため炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れかの残基を有することが好ましい。同一ポリオール内に上記残基を2種以上含んでもよく、ポリオール(A2)を2種以上用いてもよい。
ポリオール(A2)が1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有する場合、特に限定されないが、1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有し、アルキレンオキシド残基および4つ以上の水酸基を有するポリオールが好ましく、炭素数6以上の糖に1種のアルキレンオキシドが連鎖的に繋がったもの、炭素数6以上の糖に複数のアルキレンオキシドが連鎖的に繋がったものやランダムで繋がったもの、何れでもよい。
なかでも、工業的にアルキレンオキシドの入手がしやすく、合成が簡便となりやすいため、炭素数6以上の糖にプロピレンオキシドのみが連鎖的に繋がったもの、炭素数6以上の糖にエチレンオキシドのみが連鎖的に繋がったもの、炭素数6以上の糖にプロピレンオキシドとエチレンオキシドが連鎖的に繋がったものまたはランダムで繋がったものであることが好ましい。
ポリオール(A2)が1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有する場合、ポリオール(A2)は更に1分子中に4つ以上の水酸基を有することが好ましく、更に好ましくは1分子中の水酸基数が4以上12以下であり、最も好ましくは5以上8以下である。
1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有するポリオール(A2)の1分子中の水酸基数が4以上12以下であると、ポリオール(A2)の分子量が低い場合であっても、それを用いて得られるウレタンプレポリマー(F)と、イソシアネート化合物(I)との反応によって得られるポリウレタンの架橋構造が均一になり易く、引張破断強度が更に大きくなるため、好ましい。
1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有するポリオール(A2)の数平均分子量は特に限定されず、用途により適宜選択されるが、好ましくは100以上3000以下であり、さらに好ましくは500以上2000以下である。1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有するポリオール(A2)の数平均分子量が3000以下であると、炭素数6以上の糖残基を多く含み、引張破断強度が向上しやすいため好ましい。
なお、ポリオール(A2)の数平均分子量は、JIS K-1557-1に記載の方法により算出したポリオール(A2)の水酸基価と、ポリオール(A2)1分子中の水酸基数と、から算出することができる。
1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有するポリオール(A2)は、糖残基の構造は特には限定されないが、好ましくは1分子中の炭素数が6以上20以下の糖残基であり、さらに好ましくは6以上12以下の糖残基である。ポリオール(A2)に炭素数6以上の糖残基を含まない場合、引張破断強度が不足しやすく、テトラメチレン-エーテル残基または芳香族アミン残基の何れかを含むポリオールを用いることが好ましい。
このような糖残基としては、例えば、マルチトール残基、マルトース残基、グルコース残基、フルクトース残基、シュークローズ残基、ソルビトール残基などが挙げられ、好ましくは原料の入手が容易であり良好な硬化性、引張破断強度を発現しやすいシュークローズ残基又はソルビトール残基である。なかでも、環状構造を有し、さらに高い引張破断強度を発現しやすいためシュークローズ残基を含むことが最も好ましい。
1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有するポリオール(A2)は、一般にシュークローズやソルビトールなどの炭素数6以上の糖を開始剤としてアルキレンオキシドを開環重合することにより得られるが、ジエチレントリアミン、トリエタノールアミン、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等の炭素数6以上の糖残基を含まない低粘度の活性水素化合物を開始剤に併用して合成されることがあり、上記残基を有する成分を含んでいてもよい。
例えば、通常、ソルビトールの水酸基数は6、シュークローズの水酸基数は8であるが、シュークローズ残基又はソルビトール残基を含まない開始剤の併用や末端の封止等により水酸基数が低下することがある。
市販のシュークローズ残基を含むポリアルキレンオキシドとしては、ハンツマン製JEFFOLSA-499(公称官能基数4.3、水酸基価495)、JEFFOLSD-361(公称官能基数4.4、水酸基価360)、JEFFOLSG-522(公称官能基数5.0、水酸基価520)、東邦化学工業製トーホーポリオールO-850(公称官能基数8、水酸基価380)、ソルビトール残基を含むポリアルキレンオキシドとしては、ハンツマン社製JEFFOLS-490(公称官能基数4.7、水酸基価490)などが挙げられ、好適に使用できる。
ポリオール(A2)がテトラメチレン-エーテル残基を含有する場合、特に限定されないが、1分子中にテトラメチレン-エーテルを含み、2つ以上の水酸基を有することが好ましく、テトラメチレン-エーテルの連続重合体でも、テトラメチレン-エーテルを含むブロック、グラフト、ランダム共重合体でもよい。
テトラメチレン-エーテル残基を含有するポリオール(A2)の数平均分子量は特に限定されず、用途により適宜選択されるが、好ましくは100以上3000以下であり、さらに好ましくは500以上2000以下である。テトラメチレン-エーテル残基を含有するポリオール(A2)の数平均分子量が3000以下であると、引張破断強度が向上しやすいため好ましい。
テトラメチレン-エーテル残基を含有するポリオール(A2)中のテトラメチレン-エーテル残基の含有量は特に限定されず、用途により適宜選択されるが、好ましくは70~100%の範囲であり、さらに好ましくは90~100%の範囲である。テトラメチレン-エーテル残基の含有量が70%以上であれば、所望の引張破断強度が発現やすいため好ましい。
ポリオール(A2)が芳香族アミン残基を含有する場合、特に限定されないが、1分子中に芳香族アミン残基を含み、アルキレンオキシド残基および2つ以上の水酸基を有するポリオールが好ましく、芳香族アミンに1種のアルキレンオキシドが連鎖的に繋がったもの、芳香族アミンに複数のアルキレンオキシドが連鎖的に繋がったものやランダムで繋がったもの、何れでもよい。
なかでも、工業的にアルキレンオキシドの入手がしやすく、合成が簡便となりやすいため、芳香族アミンにプロピレンオキシドのみが連鎖的に繋がったもの、芳香族アミンにエチレンオキシドのみが連鎖的に繋がったもの、芳香族アミンにプロピレンオキシドとエチレンオキシドが連鎖的に繋がったものまたはランダムで繋がったものであることが好ましい。
ポリオール(A2)が芳香族アミン残基を含有する場合、ポリオール(A2)は1分子中に2つ以上の水酸基を有することが好ましく、更に好ましくは1分子中の水酸基数が3以上12以下であり、最も好ましくは4以上6以下である。
1分子中に芳香族アミン残基を含有するポリオール(A2)の1分子中の水酸基数が3以上12以下であると、ポリアルキレンオキシド(A1)の分子量が低い場合であっても、それを用いて得られるウレタンプレポリマー(F)と、イソシアネート化合物(I)との反応によって得られるポリウレタンの架橋構造が均一になり易く、引張破断強度が更に大きくなるため、好ましい。
1分子中に芳香族アミン残基を含有するポリオール(A2)の数平均分子量は特に限定されず、用途により適宜選択されるが、好ましくは100以上3000以下であり、さらに好ましくは300以上2000以下である。1分子中に炭素数6以上の糖残基を含有するポリオール(A2)の数平均分子量が3000以下であると、芳香族アミン残基を多く含み、引張破断強度が向上しやすいため好ましい。
なお、ポリオール(A2)の数平均分子量は、JIS K-1557-1に記載の方法により算出したポリオール(A2)の水酸基価と、ポリオール(A2)1分子中の水酸基数と、から算出することができる。
1分子中に芳香族アミン残基を含有するポリオール(A2)の、芳香族アミン残基の構造は特には限定されないが、好ましくは1分子中の芳香環数が1以上20以下の芳香族アミン残基であり、さらに好ましくは1以上3以下の芳香族アミン残基である。ポリオール(A2)に芳香族アミン残基を含まない場合、引張破断強度が不足しやすく、テトラメチレン-エーテル残基または炭素数6以上の糖残基の何れかを含むポリオールを用いることが好ましい。
このような芳香族アミン残基としては、例えば、アニリン残基、2,4-トリレンジアミン残基、2,6-トリレンジアミン残基、2,4’-ジフェニルメタンジアミン残基、4,4’-ジフェニルメタンジアミン残基、ポリフェニレンポリアミン残基、1,5-ナフタレンジアミン残基、トリジンジアミン残基、キシリレンジアミン残基、1,3-フェニレンジアミン残基、1,4-フェニレンジアミン残基、ならびに、これらの2種以上の混合残基などが挙げられ、好ましくは原料の入手が容易であり良好な硬化性、引張破断強度を発現しやすい2,4-トリレンジアミン残基、2,6-トリレンジアミン残基、ならびにこれらの2種以上の混合残基である。
1分子中に芳香族アミン残基を含有するポリオール(A2)は、一般にトリレンジアミンやジフェニルメタンジアミンなどの芳香族アミンを開始剤としてアルキレンオキシドを開環重合することにより得られるが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエタノールアミン、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等の芳香族アミン残基を含まない低粘度の活性水素化合物を開始剤に併用して合成されることがあり、上記残基を有する成分を含んでいてもよい。
例えば、通常、トリレンジアミン開始ポリオールの水酸基数は4、アニリン開始ポリオールの水酸基数は2であるが、トリレンジアミン残基又はアニリン残基を含まない開始剤の併用やアルキレンオキシドが付加しなかったアミノ基の残存等により水酸基数が低下することがある。
市販の芳香族アミン残基を含むポリオール(A2)としては、ハンツマン製JEFFOLAD-310(公称官能基数3.2、水酸基価310)、JEFFOLAD-500(公称官能基数3.2、水酸基価360)、東邦化学工業製トーホーポリオールAB-250(公称官能基数2.0、水酸基価440)、東邦化学工業社製AR-2589(公称官能基数4.0、水酸基価360)、東邦化学工業社製AR-750(公称官能基数4.0、水酸基価300)などが挙げられ、好適に使用できる。
ポリオール(A2)は、2種類以上組み合わせて用いてもよく、特に限定されない。例えば、テトラメチレン-エーテル残基を有するポリオールと炭素数6以上の糖残基を含有するポリオールの組み合わせ、テトラメチレン-エーテル残基を有するポリオールと芳香族アミン残基を有するポリオールの組み合わせ、炭素数6以上の糖残基を含有するポリオールと芳香族アミン残基を有するポリオールの組み合わせなどが挙げられ、上記3種以上を組み合わせてもよい。
<ポリアルキレンオキシド(A3)>
ウレタンプレポリマー(F)を含むウレタン形成性組成物(J)を塗工機などで塗工する際の塗工性が優れやすいため、特に限定されないがポリアルキレンオキシド(A1)、ポリオール(A2)に加えて、1分子中に1つの水酸基およびエチレンオキシド残基を含むポリアルキレンオキシド(A3)を含むことが好ましい。
そのようなポリアルキレンオキシド(A3)としては、ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールモノアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールモノフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、なかでも水酸基価より算出した数平均分子量が250~1300の範囲のポリオキシエチレングリコールモノアルキルエーテルであることが更に好ましい。
ポリアルキレンオキシド(A3)を含む場合、機械物性が良好となりやすいためポリオール(A1)と(A2)の総量100重量部に対して0.1~5重量部の範囲であることが好ましい。
<イソシアネート化合物(B)>
イソシアネート化合物(B)は、イソシアネート基の平均官能基数が2.0以上であれば好ましいが、特に限定されるものではない。イソシアネート化合物(B)としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、および、これらとポリアルキレンオキシドとが反応することで得られる変性イソシアネート、ならびに、これらの2種以上の混合物が挙げられる。更に、これらのイソシアネートにウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基又はオキサゾリドン基を含む変性物やポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等の縮合体が挙げられる。
これらの中でも、高透明で着色の少ないウレタンプレポリマー組成物(G)を得やすいために、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、または、これらの変性体が好ましい。1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、脂肪族イソシアネート含有のプレポリマー、脂環式イソシアネートの含有プレポリマー、または、これらのイソシアネートのウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、アミド基、イミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基もしくはオキサゾリドン基含有変性物がより好ましい。これらのイソシアネートは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
<ウレタンプレポリマー(F)>
ウレタンプレポリマー(F)は少なくともポリオール(A)とポリイソシアネート(B)の反応物であり、1分子中に少なくとも一つの水酸基を有する。
ウレタンプレポリマー(F)を形成する、ポリオール(A)の有する水酸基の総和(MOH)に対する前記イソシアネート(B)の有するNCO基の総和(MNCO)のモル比率(MNCO/MOH)は1.0未満であることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(F)は、炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基、0.010meq/g以下の不飽和基、を構成成分として含み、更に、テトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れか1種以上の残基を構成成分として含むことを特徴とする。
ウレタンプレポリマー中に0.010meq/gを超える不飽和基を含有するとイソシアネート化合物との混合後に硬化性が低下し、それらの組成物からポリウレタンを得るために塗工機などで塗工した際の成形性も悪化しやすく、得られるポリウレタンの透明性や引張破断強度が低くなるため、使用が困難である。
ウレタンプレポリマー中に炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基を構成成分として含まない場合、イソシアネート化合物との混合後に塗工機などで塗工する際の塗工性が悪く実製造が困難であり、得られるポリウレタンも所望の引張破断強度を発現しないため使用が困難である。
更にテトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れか1種以上の残基を構成成分として含まない場合、イソシアネート化合物との混合後に時間を要した際にも低い粘度を維持しやすく、それらの組成物からポリウレタンを得るために塗工機などで塗工した際には、可使時間が長く塗工しやすいが、得られるポリウレタンが所望の引張破断強度を発現しないため、使用が困難である。
ウレタンプレポリマー(F)中のテトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れかの残基の含有量としては、好ましくは1質量%~50質量%の範囲であり、更に好ましくは5質量%~30質量%の範囲である。含有量が1質量%未満では得られるポリウレタンが所望の引張破断強度を発現しにくい場合があり、50質量%を超えるとゲル化しやすく、また相溶性に劣り沈殿等が発生する場合がある。
ウレタンプレポリマー(F)中の不飽和基の含有量としては0.010meq/g以下であれば特に限定されないが、得られるポリウレタンの引張破断強度が高くなりやすいため0.007meq/g以下であることが好ましく、0.003meq/g以下であることが更に好ましく、0.0001~0.0015meq/gの範囲であることが最も好ましい。本態様では不飽和基の含有量はポリアルキレンオキシド(A)と同様の方法にて測定した。
ウレタンプレポリマー(F)は、適度な粘度を有し成形性が良好となり、塗膜外観が良好となるため重量平均分子量が3000以上であることを特徴とする。なかでも流動性が良好で成形性に優れやすい重量平均分子量が5000~1000000の範囲であることが好ましく、更に好ましくは重量平均分子量が8000~100000の範囲であり、最も好ましくは10000~40000の範囲である。また粘度によらず液の弾性が低く流動性に優れやすくなって成形性に優れやすいため、ウレタンプレポリマー(F)の分子量分布は6.0未満であることが好ましく、更に好ましくは1.05~4.0未満であることが好ましく、最も好ましくは1.1~1.5未満の範囲である。
なお、ウレタンプレポリマー(F)の重量平均分子量、分子量分布は、ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC)法を用い、常法に従って測定することができる。
なかでも、ウレタンプレポリマー(F)は、少なくともポリアルキレンオキシド(A1)と、ポリオール(A2)と、イソシアネート化合物(B)とを反応させることで得られる反応物であって、1分子中に少なくとも1つの水酸基を有するポリウレタンであることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(F)を形成する、ポリオール(A)の有する水酸基の総和(MOH)に対する前記イソシアネート(B)の有するNCO基の総和(MNCO)のモル比率(MNCO/MOH)は1.0未満であることが好ましい。好ましくは0.10以上0.95以下であり、さらに好ましくは、0.15以上0.80以下である。なお、比(MNCO/MOH)はモル比を表す。比(MNCO/MOH)が1.0未満であればウレタンプレポリマー組成物の保存安定性が良く安定的に塗膜外観に優れるウレタンを形成することができる。
なかでも、ポリオール(A2)に芳香族アミン残基または炭素数6以上の糖残基を有する場合、ウレタンプレポリマー形成時のゲル化を抑制するため、MNCO/MOH=0.15以上0.65以下、さらに好ましくは0.20以上0.55以下とすることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(F)を製造する際のポリアルキレンオキシド(A1)とポリオール(A2)の含有比率は特に限定されないが、質量比(ポリアルキレンオキシド(A1)/ポリオール(A2))で、99.9/0.1~40/60の範囲であることが好ましく、99/1~50/50の範囲であることが更に好ましく、95/5~60/40の範囲であることが最も好ましい。質量比がこの範囲内であるウレタンプレポリマー(F)から得たポリウレタンは、引張破断強度が大きく、透明性が良好になりやすいので、好ましい。
またウレタンプレポリマー(F)を製造する際にポリアルキレンオキシド(A3)を用いる場合、ポリアルキレンオキシド(A1)とポリオール(A2)を合わせた質量とポリアルキレンオキシド(A3)との質量比率も特に限定されないが、質量比[ポリアルキレンオキシド(A1)+ポリオール(A2)]/ポリアルキレンオキシド(A3)で、99.9/0.1~60/40の範囲であることが好ましく、99.5/0.5~80/20の範囲であることが更に好ましく、99/1~90/10の範囲であることが最も好ましい。質量比がこの範囲内であるウレタンプレポリマー(F)は、不飽和モノオールが少ないポリアルキレンオキシド(A1)を含むものの、塗工機などで塗工する際に良好な塗工性を示すため好ましい。
またポリアルキレンオキシド(A1)とポリオール(A2)とポリアルキレンオキシド(A3)の混合物の平均官能基数は、特に限定されないが1.9以上であることが好ましく、2以上6以下であることが更に好ましい。なかでも、ポリオール(A2)に芳香族アミン残基や炭素数6以上の糖残基を有する場合、可使時間と機械物性のバランスに優れやすいことから平均官能基数は2.5以上5以下であることが好ましい。各官能基数とモル比より算出した平均官能基数が1.9以上であるウレタン形成性組成物(J)は反応に伴う硬化によってポリウレタン(L)を得る際に、その硬化(固化)性に優れ、ポリウレタンがさらに良好な機械物性を有することになるため好ましい。
ウレタンプレポリマー(F)を製造する際のポリアルキレンオキシド(A1)、ポリオール(A2)、必要に応じてポリアルキレンオキシド(A3)、及び、イソシアネート化合物(B)は、真空加熱等で脱水して使用することが好ましいが、作業が煩雑となる場合は脱水せずに使用してもよい。
<低分子量ポリオール(D)>
本発明の一態様であるウレタンプレポリマー組成物(G)は、分子量62~700の範囲である低分子量ポリオール(D)を含有することを特徴とする。
分子量62~700の範囲である低分子量ポリオール(D)を含まない場合、架橋剤混合後の経時での増粘が大きく塗工安定性に劣るとともに可使時間が短くなるため、生産使用が困難である。
低分子量ポリオール(D)の構造は、特に限定されないが、連鎖的に反応してドメイン構造を作りにくく、適度な反応性を有し可使時間が長くなりやすいためアルキレンオキシド残基を有することが好ましく、例えば好ましい構造として一般式(2)に示す構造が挙げられる。

[上記一般式(2)中、Rは水酸基または活性水素化合物(R[-H]m)からm個の活性水素を除いたm価の基であり、nは0~10の整数、mは1~10の整数を表す。またmが2以上でnが複数ある場合、同一でも異なっていてもよい。R、R、RおよびRは、各々独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基または炭素数3~10のシクロアルキルを表す。また、R~Rのいずれか2つが結合してシクロアルキル基を形成してもよい。]
の活性水素化合物(R[-H]m)からm個の活性水素を除いたm価の基としては、特に限定されないが、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール等の2官能のジオール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類等の2個の活性水素基を有する化合物から2個の活性水素基を除いた残基(上記一般式(1)中のmが2)が挙げられる。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、といったトリオールから3個の活性水素基を除いた残基(上記一般式(1)中のmが3)、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等のテトラオールから4個の活性水素基を除いた残基(上記一般式(1)中のmが4)、ヘキソール、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等の3個以上の活性水素基を有する化合物から3個以上の活性水素基を除いた残基(上記一般式(1)中のmが3以上)が挙げられる。
上記一般式(1)中のmは1~10の整数を表し、なかでも反応初期に架橋度が上がりにくく増粘抑制効果が高くなりやすいため、mが1~3の整数であることが好ましく、更に好ましくはm=1~2の整数である。
上記一般式(1)中のnは0~10の整数を表し、なかでも適度な反応性を有して増粘抑制効果が高くなりやすいため、nが0~3の整数であることが好ましく、更に好ましく1~3の整数であり、最も好ましくは1~2の整数である。
なかでも、エチレンオキシド残基、プロピレンオキシド残基の何れか1種以上の構造を含むことが好ましい。例えば、上記一般式(2)中のR~Rが各々独立して、R~Rがいずれも水素原子のエチレンオキシド残基、またはR~R中に水素基が3つとメチル基が1つであるプロピレンオキシド残基である、以下の構造のいずれかを1つ以上含むことが好ましい。
更に好ましくはエチレンオキシド残基、プロピレンオキシド残基から選択される1種または2種以上の構造を2つ以上含むことであり、例えば、上記一般式(1)中のRが水酸基で且つnが2以上である構造、またはRが活性水素化合物(R[-H]m)からm個の活性水素を除いたm価の基且つnが各分岐鎖合わせて2以上である構造が挙げられる。
最も好ましくはエチレングリコール残基のユニットを2~4個連鎖した構造を有することであり、例えば、上記一般式(1)中のRが水酸基且つnが2~4且つR~Rがいずれも水素原子、またはRが活性水素化合物(R[-H]m)からm個の活性水素を除いたm価の基且つnが各分岐鎖合わせて2~4且つR~Rがいずれも水素原子である構造が挙げられる。
低分子量ポリオール(D)の分子量は62~700の範囲であることが好ましい。なかでも、初期の増粘抑制効果が高く、安定的に高い機械物性が保持しやすいため、分子量62~300の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは分子量80~250の範囲であり、最も好ましくは分子量100~200の範囲である。分子量が62を下回ると、水酸基のイソシアネート架橋剤等との反応性が高くなりすぎて、初期の増粘抑制効果は高いものの早期に低分子量ポリオールが反応消費して架橋剤と混合後の可使時間延長効果が小さくなるとともに乾燥・硬化時に揮発して組成が安定しにくいため使用が困難であり、分子量が700を超えると、水酸基の反応性が低下して増粘抑制効果が小さく、ウレタン物性への影響も大きいため使用が困難となる。低分子量ポリオール(D)の分子量は、単独の化合物の場合は分子構造、分子量分布を有する場合は水酸基価と公称の官能基数等により算出することができる。
低分子量ポリオール(D)の水酸基数は、増粘抑制効果が高くなりやすいため、2~4個の範囲であることが好ましく、更に好ましくは2~3個の範囲であり、最も好ましくは水酸基を2個有するジオールであり、上記一般式(2)中のRが水酸基で且つmが1である構造、またRが活性水素化合物(R[-H]m)からm個の活性水素を除いたm価の基で且つmが2~4の範囲である構造が好ましく、更に好ましくはmが2~3の範囲であり、最も好ましくはmが2である構造が挙げられる。ジエタノールアミンやジチオエリトリトール等のようにアミノ基やチオール基等の水酸基と異なる活性水素基を有してもよいが、反応性が高くなりすぎて増粘抑制効果が小さくなったり臭気が発生しやすいため、水酸基以外の活性水素基を含まないことが好ましい。
低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の1級比率は特に限定されないが、分子量が高いと反応性が低下し増粘抑制効果が小さくなりやすいため1級比率が高い方が好ましく、分子量が低いと反応性が高くなりすぎて早期に反応消費し増粘抑制期間が短くなりやすいため水酸基の1級比率が低い方が好ましい。そのため、以下の低分子量ポリオール(D)の水酸基の1級比率と分子量の関係を満たすことが好ましい。
(分子量/500-1.0)×100≦1級比率≦(分子量/40-1.0)×100
(但し、1級比率は0%~100%の範囲)
なかでも、可使時間延長効果がより長くなりやすいため、低分子量ポリオール(D)の水酸基の1級比率と分子量の関係が以下の式を満たすことが更に好ましい。
(分子量/350-1.0)×100≦1級比率≦(分子量/45-1.0)×100
(但し、1級比率は0%~100%の範囲)
最も好ましくは以下の式を満たすことである。
(分子量/200-1.0)×100≦1級比率≦(分子量/50-1.0)×100
(但し、1級比率は0%~100%の範囲)
低分子量ポリオール(D)の沸点は、特に限定されないが、乾燥条件等によらず揮発しにくく組成比が安定し、得られるウレタンが安定的に高い機械物性を示しやすいため、180℃以上であることが好ましく、更に好ましくは揮発しにくく且つ運動性が高く高反応性で残存しにくく汚染や物性が良好となりやすいため沸点が210℃以上350℃以下の範囲であり、最も好ましくは240℃以上300℃以下の範囲である。
低分子量ポリオール(D)の含有量は、可使時間延長効果が高くなりやすいため、ウレタンプレポリマー組成物(G)中のウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.03~0.30の範囲で含むことが好ましい。なかでも、良好な硬化性を維持しつつ顕著に長い可使時間を発現しやすいため、DOH/FOHが0.05~0.25の範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.08~0.20の範囲である。
ウレタンプレポリマー組成物(G)中の低分子量ポリオール(D)の含有重量としては、特に限定されないが、透明性や機械物性への影響が小さく、可使時間を延長しやすいため、プレポリマー(F)100重量部に対して0.1~3.0重量部の範囲であることが好ましい。なかでも、高い透明性を維持しやすいため0.3~2.5重量部の範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.5~2.0重量部の範囲であり、最も好ましくは0.8~1.5重量部の範囲である。
分子量62~700の範囲である低分子量ポリオール(D)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、これら低分子量ポリオールやエチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなどの活性水素化合物にエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを1種または2種以上を付加した分子量700以下のポリオキシアルキレンポリオール等が挙げられる。
なかでも、顕著に長い可使時間と硬化性を両立しやすいため、好ましくは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量300以下のポリオキシアルキレンポリオール、分子量700以下のトリレンジミンにアルキレンオキシドを付加したポリオールのいずれか1種または2種以上であることが好ましく、最も好ましくは少量で可使時間が顕著に長くなりやすい、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールのいずれか1種または2種以上である。
<金属成分を含むウレタン化触媒(C)>
本発明のウレタンプレポリマー組成物(G)は、金属成分を含むウレタン化触媒(C)を含む。
アミン触媒など金属成分を含まないウレタン化触媒のみを用いた場合や無触媒系など、金属成分を含むウレタン化触媒(C)を含まない場合、硬化性に劣り生産性が悪化するとともに空気中の水分とイソシアネートの反応が進行しやすく、低分子量ポリオール(D)を添加しても可使時間の延長効果が小さくなって所望の可使時間を得られず使用が困難であり、安定的に透明性が高く、気泡のない良好な塗膜外観のウレタンの形成が困難である。更には得られるウレタンの引張強度や伸びなどの機械物性が悪化しやすく、物性上も使用困難となりやすい。
ポリウレタンプレポリマー組成物(G)中の金属成分を含むウレタン化触媒(C)の含有量は、特に限定されないが適度な硬化性と成形性を発現し、可使時間を延長しやすいため、プレポリマー(F)100重量部に対して0.001~0.5重量部の範囲であることが好ましい。なかでも、硬化性と顕著に長い可使時間を両立しやすいため、金属成分を含むウレタン化触媒(C)の含有量は0.001~0.1重量部の範囲であることが更に好ましく、最も好ましくは0.005~0.07重量部の範囲である。
金属成分を含むウレタン化触媒(C)としては、金属成分を含みウレタン化活性を示す化合物であれば特に限定されないが、各種添加剤により触媒活性を調整し成形可能時間を延長しやすいため、、Fe、Zr、Ti、Alのいずれか一つ以上の金属を含む有機金属化合物であることが好ましい。なかでも、可使時間を延長しやすく硬化性を両立しやすく成形性が良好となりやすいため、Feキレート触媒、Zrキレート触媒、Tiキレート触媒、Alキレート触媒等の金属キレート触媒の1種または2種以上であることが好ましく、更に好ましくは顕著に長い可使時間を発現しやすいFeキレート触媒である。
特に限定されないが、例えば、Feキレート触媒としてはトリスアセチルアセトネート鉄等、Zrキレート触媒としてはジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセテート等、Tiキレート触媒としては、チタンアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート等、Alキレート触媒としてはアルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
<ケトエノール互変異性化合物(E)>
ウレタンプレポリマー組成物(G)は、液中での金属成分を含むウレタン化触媒(C)の触媒活性を低減し、相乗的に可使時間を延長しやすいため、低分子量ポリオール(D)に加えて、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンのいずれか1種以上のケトエノール互変異性化合物(E)を含むことが好ましい。
低分子量ポリオール(D)とケトエノール互変異性化合物(E)を併用する場合の比率としては、より長い可使時間を発現しやすいため、ケトエノール互変異性化合物(E)に対する低分子量ポリオール(D)の重量比率(低分子量ポリオール(D)/ケトエノール互変異性化合物(E))が0.03~0.95の範囲であることが好ましく、更に好ましくは低分子量ポリオール(D)/ケトエノール互変異性化合物(E)が0.05~0.60の範囲であり、最も好ましくは0.10~0.40の範囲である。
ケトエノール互変異性化合物(E)を含む場合の含有量としては、より可使時間が長くなりやすいため金属成分を含むウレタン化触媒(C)に対するモル比率(ケトエノール互変異性化合物/金属触媒)が10倍以上であることが好ましく、更に好ましくは50倍~5000倍の範囲であり、ウレタンプレポリマー組成物(G)中の含有量としては、ウレタンプレポリマー(F)100重量部に対して0.01~20重量部の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.5~10重量部の範囲である。
<その他添加剤>
ウレタンプレポリマー組成物(G)は、酸遅延剤、帯電防止剤、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤、その他の添加剤等を含んでもよい。
酸遅延剤としては、特に限定されないがpKa5.0以下の酸を含むことが好ましい。そのようなpKa5.0以下の酸としては、塩酸、硝酸、リン酸やエチルアシッドホスフェートや2-エチルヘキシルアシッドホスフェート等の炭素数2~20の酸性リン酸エステル等のリン系酸遅延剤などが挙げられ、なかでも、反応性と物性のバランスが良好となりやすいためリン系酸遅延剤を用いることが好ましい。酸遅延剤を用いるときのウレタンプレポリマー組成物(G)中の含有量としては、ウレタンプレポリマー(F)100重量部に対して0.001~1重量部の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.005~0.1重量部の範囲である。また、酸遅延剤を用いるときのウレタンプレポリマー組成物(G)、当該組成物を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H)のpHとしては硬化性が高くなりやすく低腐食性の良好な液性となりやすいためpH4~9の範囲となる量であることが好ましい。ウレタンプレポリマー組成物(G)、当該組成物を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H)のpHは、水とIPAを重量比5:3で混合した液に固形分7質量%で分散し、pH計にて測定した値を指す。
帯電防止剤としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩やイオン液体等が挙げられ、例えば、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド等のリチウム塩や4級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ホスホニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
可塑剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸エステルや脂環式エステル、ポリエーテルエステル等が挙げられ、例えばエポキシ化脂肪酸エステル、ミリスチン酸エステル、ポリアルキレングリコールの末端エステル変性化合物等が挙げられる。
<ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)>
ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)は、ウレタンプレポリマー組成物(G)、及び、有機溶媒、を含む溶液である。当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)中のウレタンプレポリマー組成物(G)の濃度は、10質量%以上95質量%以下であり、好ましくは50質量%以上90質量%以下である。濃度がこの範囲であると、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)をイソシアネート化合物(J)と混合し、ウレタン形成性組成物溶液(L)を形成する際に均一に混合しやすく、また脱泡操作も容易となりやすくハンドリング性に優れ、塗工機などで塗工する際に良好な塗工性が得られるなど取り扱いを容易なものにすることができる。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド、トリエチレングリコールジメチルエーテルやジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。溶解性、有機溶媒の沸点等の点から、特に、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンまたはこれらの混合溶媒が好ましい。なお、これらの溶媒は、任意の段階で添加することができる。
また、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)の25℃における粘度は特に限定されないが、0.001~100Pa・sの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.2~30Pa・sの範囲である。また液状であり、液のチキソトロピーインデックスが低く流動性が高いことが好ましい。
粘度がこの範囲であると、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)をイソシアネート化合物(I)と混合し、ウレタン形成性組成物溶液(K)を形成する際に均一に混合しやすく、また脱泡操作も容易となりやすくハンドリング性に優れ、塗工機などで塗工する際に良好な塗工性が得られるなど取り扱いを容易なものにすることができる。
<ウレタン形成性組成物(J)、ウレタン形成性組成物溶液(K)>
ウレタン形成性組成物(J)は、上記ウレタンプレポリマー組成物(G)とイソシアネート化合物(I)を含む、組成物である。ウレタン形成性組成物溶液(K)は、前記ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)とイソシアネート化合物(I)を含む組成物である。
イソシアネート化合物(I)としては、特に限定されるものではないが、イソシアネート化合物(B)と同じものを挙げることができ、好ましいイソシアネートも同じものが挙げられる。イソシアネート化合物(I)と、イソシアネート化合物(B)とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
ここで、ウレタン形成性組成物溶液(K)中のウレタン形成性組成物(J)は、ウレタンプレポリマー組成物(G)、とイソシアネート化合物(I)を含む組成物であればよい。ウレタン形成性組成物溶液(K)は、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)とイソシアネート化合物(I)を含む組成物であればよい。したがって、ウレタン形成性組成物(J)及びウレタン形成性組成物溶液(K)中のイソシアネート化合物(I)の含有率については特に限定されないが、ウレタンプレポリマー(F)に由来する水酸基と低分子量ポリオール(D)に由来する水酸基の総量(MOH)に対するイソシアネート化合物(I)に由来するイソシアネート基の量(MNCO)の比(MNCO/MOH)が、モル比率で0.5以上、4.0未満であることが好ましい。またウレタンプレポリマー(F)および低分子量ポリオール(D)とイソシアネート化合物(I)の質量比((F)と(D)の質量/(I)の質量)は99/1~70/30の範囲であることが好ましい。
イソシアネート化合物(I)の含有率が上記の範囲であれば、ウレタン形成性組成物(J)の反応に伴う硬化によってポリウレタンを得る際に、その硬化(固化)性に優れ、ポリウレタンが良好な機械物性を有することになるため好ましい。
ウレタン形成性組成物溶液(K)、ウレタン形成性組成物(J)の調製には、プレポリマーや原料を均一に分散することができる方法であれば特に限定されるものではなく、従来公知の様々な撹拌方法を用いて撹拌する方法が挙げられる。撹拌機としては、例えば、汎用撹拌機、自転公転ミキサー、ディスパー分散機、ディゾルバー、ニーダー、ミキサー、ラボプラストミル、プラネタリーミキサー等を挙げることができる。ウレタン形成性組成物(J)、または、前記ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)およびイソシアネート化合物(I)がいずれも撹拌する温度で液状の場合は、汎用撹拌機、自転公転ミキサー、ディスパー分散機、ディゾルバーが好適に用いられる。
なお、ウレタン形成性組成物(J)、ウレタン形成性組成物溶液(K)の25℃における粘度は特に限定されないが、通常は0.001Pa・s以上100Pa・s以下であり、好ましくは0.2Pa・s以上30Pa・s以下であり、更に好ましくは0.3Pa・s以上10Pa・s以下である。ウレタン形成性組成物(J)、ウレタン形成性組成物溶液(K)の25℃における粘度がこの範囲であると、調製するために各種撹拌機で撹拌する場合や、を塗工機などで塗工する際の前段作業として撹拌を行う場合に、ウレタン形成性組成物(J)、ウレタン形成性組成物溶液(K)の撹拌や取り扱いが容易になるため好ましい。
また、ウレタン形成性組成物溶液(K)に用いる有機溶媒としては特に限定されず、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)に用いる有機溶媒にて例示した有機溶媒等が挙げられる。好ましい濃度範囲や溶液粘度もウレタンプレポリマー組成物溶液(H)の好ましい濃度範囲や溶液粘度と同等である。濃度範囲や溶液粘度がこの範囲であると、ウレタン形成性組成物溶液(K)を塗工機などで塗工する際に良好な塗工性が得られるなど取り扱いを容易なものにすることができる。
<ポリウレタン(L)>
ポリウレタン(L)は、ウレタン形成性組成物(J)の反応物であって、ウレタン形成性組成物(J)中のウレタンプレポリマー(F)や低分子量ポリオール(D)等の活性水素化合物とイソシアネート化合物(I)の反応物である。
ポリウレタン(L)は、ウレタン形成性組成物(J)を種々の方法によって反応させ、硬化(固化)することで得られる。それらのポリウレタン(L)の製造方法としては特に限定されない。例えば、ウレタン形成性組成物(J)やウレタン形成性組成物溶液(K)を、必要に応じて、ウレタン化触媒、酸化防止剤、安定剤、充填剤、架橋剤、その他添加剤等の存在下、常温または150℃以下の高温でウレタン化反応、ウレア化反応を進めることによって製造することができる。
また、良好な硬化性を発現するため、必要に応じて高温で賦活化する工程や溶剤を除去する工程を含んでもよい。
PETフィルムやCOPフィルム等のベース基材に前記ポリウレタン(L)の塗膜を種々の方法により形成、必要に応じて離型PETや離型紙等の別基材との貼り合わせや成形することでポリウレタンシートを形成できる。
ここで、ウレタン形成性組成物(J)、およびウレタン形成性組成物溶液(K)は、塗工機等で塗工する際の塗工性が顕著に優れることから、厚みが薄くて、均一な厚みのポリウレタン(K)の塗膜やポリウレタンのシートが得られる。
ポリウレタン(L)の塗膜においては、その厚みは特に制限されないが、塗膜の外観が特に良好になることから、塗膜の厚みは0.1μm以上1000μm以下であることが好ましく、20μm以上300μm以下であることが更に好ましい。
ポリウレタン(L)の用途は、特に限定されるものでなく、通常のポリウレタンが使用される何れの用途にも使用できるが、機械物性や粘・接着特性などが要求される用途に特に好適に使用できる。具体的には、建築・土木用シーリング材、建築用弾性接着剤等の接着剤、ガムテープや表面保護フィルム、光学用に代表される各種粘着剤、塗料、エラストマー、塗膜防水材、床材、可塑剤、軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム等の用途が例示され、好適に使用できる。
その中でも、ポリウレタンに対して、機械物性や粘・接着特性の要求が強く、施工性や塗工性が求められることから、シーリング材、塗料、粘着剤、接着剤として用いることが特に好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例により限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用した原料、及び評価方法は以下に示すとおりである。
(原料1)実施例及び比較例に用いたポリアルキレンオキシド(A1またはAC1)
実施例及び比較例に用いたポリアルキレンオキシドの性状は、以下の方法で求めた。
<ポリアルキレンオキシドの不飽和度>
ポリアルキレンオキシドの不飽和度は、高分子論文集1993,50,2,121-126に記載のNMR法に準拠し、スキャン回数800回で測定した。
<ポリアルキレンオキシドの水酸基価と数平均分子量>
ポリアルキレンオキシドの水酸基価は、JIS-K1557-1に記載の方法に準拠して測定した。また、ポリアルキレンオキシドの水酸基価とポリアルキレンオキシド1分子中の水酸基数から、ポリアルキレンオキシドの数平均分子量を算出した。
(原料1-1)実施例に用いたポリアルキレンオキシド(A1)、比較例に用いたポリアルキレンオキシド(AC1)
ポリアルキレンオキシド(A1-1)と(A1-2)と(A1-3)は、イミノ基含有ホスファゼニウム塩(以下、IPZ触媒と記す)とトリイソプロポキシアルミニウムを併用し、脱水・脱溶媒を十分に行い、2官能で、分子量が400のポリオキシプロピレングリコールに、十分に水分の少ないプロピレンオキシドを付加することで得た。(A1-1)と(A1-2)と(A1-3)は、アルキレンオキシド基としてプロピレンオキシド基のみを有し、1分子中に2つの水酸基を有するポリオキシプロピレングリコール(ジオール)である。(A1-1)と(A1-2)と(A1-3)の性状を表1に示すが、(A1-1)と(A1-2)と(A1-3)は、不飽和モノオール量が極めて少なく(不飽和度が極めて低く)、分子量分布が狭いものである。
ポリアルキレンオキシド(AC1-1)は、IPZ触媒のみを使用し、脱水・脱溶媒を十分に行い、2官能で、分子量が400のポリオキシプロピレングリコールに、十分に水分の少ないプロピレンオキシドを付加することで得た。(AC1-1)は、アルキレンオキシド基としてプロピレンオキシド基のみを有し、1分子中に2つの水酸基を有するポリオキシプロピレングリコール(ジオール)である。(AC1)の性状を表1に示すが、(AC1)は、不飽和度が0.010meq/g以下の範囲を満たしていないものである。
なお、実施例に用いたポリアルキレンオキシド(A1-1)から(A1-3)、ならびに、比較例に用いたポリアルキレンオキシド(AC1-1)は、いずれも、加熱・真空脱水した後に使用した。また、IPZ触媒を使用、または併用して作製したポリアルキレンオキシドについては、触媒を除去した上で使用した。

(原料1-2)実施例に用いたポリオール(A2)
ポリオール(A2-1)は、市販されているトリレンジアミン系ポリオールであり、公称官能基数は4.0、水酸基価360mgKOH/g、分子量620の東邦化学工業社製AR-2589を使用した。
ポリオール(A2-2)は、市販されているシュークローズ系ポリオールであり、公称官能基数は8.0、水酸基価377mgKOH/g、分子量1190の東邦化学工業製O-855Wを使用した。
ポリオール(A2-3)は、市販されているポリテトラメチレングリコールであり、水酸基価112mgKOH/g、分子量1000の保土谷化学工業(株)製PTG-1000SNを使用した。
(原料1-3)ポリアルキレンオキシド(A3)
ポリアルキレンオキシド(A3-1)は水酸基価80mgKOH/g、分子量700ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを使用した。
(原料2)実施例及び比較例に用いたイソシアネート化合物(B)、(I)
イソシアネート化合物(B1)は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とHDI系の変性イソシアヌレートである東ソー(株)製アクアネート105を重量比8:2で混合したHDI系イソシアネートで、イソシアネート基の平均官能基数は2.1である。
イソシアネート化合物(I1)は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系の変性イソシアネートである東ソー(株)製のコロネートHXLVで、(J1)におけるイソシアネート基の平均官能基数は3.2である。
(原料3)実施例及び比較例に用いたウレタン化触媒(C)
ウレタン化触媒C1:トリスアセチルアセトネート鉄
(原料4)実施例及び比較例に用いた低分子量ポリオール(D)、活性水素化合物(DC)
低分子量ポリオール(D1)~(D6)は何れも水酸基を2つ以上有し、分子量が62~700のポリオールであり、なかでも(D1)~(D2)は、最も好ましい構造を有する低分子量ポリオールである。
また(DC1)~(DC3)は、分子量が62~700の範囲で水酸基を2つ以上有する低分子量ポリオール(D)とは異なる活性水素化合物である。各活性水素化合物の性状は表2に記載する。

D5として三洋化成工業(株)製サンニックスGP250、D6として、東邦化学工業(株)製トーホーポリオールAR2589を用いた。
(原料5)ケトエノール互変異性化合物(E)
ケトエノール互変異性化合物E1:アセチルアセトン
(ウレタンプレポリマー組成物(G)、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)の作製)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた四つ口ナスフラスコに、ポリアルキレンオキシド(A)を所定量加え、100℃条件にて2時間真空脱水を行った。
イソシアネート化合物(B)、ウレタン化触媒(C)、必要に応じて溶媒としてメチルエチルケトンを所定量加え、70℃まで昇温して反応を行った。反応器内容物のNCO基量を赤外分光光度計を用いて追跡、反応完結を確認しウレタンプレポリマー(F)の形成を確認した。冷却後、必要に応じて減圧濃縮やケトエノール互変異性化合物(E)、低分子量ポリオール(D)の添加を行い、混合してウレタンプレポリマー組成物(G)またはウレタンプレポリマー組成物溶液(H)とした。
ウレタンプレポリマーの重量平均分子量、分子量分布は溶媒にテトラヒドロフラン、標準物質にポリスチレンを用い、添加剤投入前にGPC法により算出した。
(ウレタン形成性組成物(J)、ウレタン形成性組成物溶液(K)の作製)
実施例及び比較例では、所定量の各原料(ウレタンプレポリマー組成物(G)、イソシアネート(I)、必要に応じて溶媒)を50mlのサンプル瓶にいれ、ペンシルミキサーを用いて、常温で、撹拌脱泡することでウレタン形成性組成物(J)、ウレタン形成性組成物溶液(K)を得た。
(性能評価)
ウレタン形成性組成物(J)またはウレタン形成性組成物溶液(K)を、厚さ38μmのPETフィルム上に、乾燥後の厚みが80μmとなるようにベーカー式アプリケーターを用いて塗工した。その後、オーブン内温度が100℃になるよう設定した防爆オーブンに5分間保持して溶剤等を揮発させ、23℃、相対湿度50%の環境で1週間静置することでポリウレタンシートを得た。
更に、ポリウレタンシートの引張破断強度については、前記のように塗工し、硬化した厚さ約80μmのポリウレタンシートからASTM1822号のダンベル試験片を取り出し(打ち抜き)、株式会社オリエンテック社製の引張試験機RTG-1210を用いて、引張試験機のチャック間距離30mm、引張速度50mm/分で引張試験を行い、試験片が破断した際の応力を引張破断強度とした。
その工程においてウレタンプレポリマー組成物(J)の性能の指標として、以下の評価基準にて評価した。
<可使時間(塗工安定性、可使時間共に良好)>
◎(可使時間合格):硬化剤を混合後、6時間後の粘度上昇率が3.0%以下であり、且つ24時間後の粘度上昇率が30%以下
〇(可使時間合格):硬化剤を混合後、6時間後の粘度上昇率が3.0%以下であり、且つ24時間後の粘度上昇率が100%以下
×(塗工安定性不合格):硬化剤を混合後、6時間後の粘度上昇率が3.0~10%であり
且つ24時間後の粘度上昇率が100%以下
××(可使時間不合格):硬化剤を混合後、6時間後の粘度上昇率が10%超、または24時間後の粘度上昇率が100%超
なお、可使時間を判定するための粘度はB型粘度計にて25℃で測定した。
<液の貯蔵安定性>
◎(貯蔵安定性合格):架橋剤混合前の液を24時間静置後、相分離が見られない
×(貯蔵安定性不合格):架橋剤混合前の液を24時間静置後、相分離が見られる
<硬化性>
◎(硬化性合格):23℃、相対湿度50%の環境で1日静置することで、べたつき感は凡そ消失し、3日保持以降はべたつき感が経時で変化しない場合。
○(硬化性合格):23℃、相対湿度50%の環境で1~3日静置することで、べたつき感は凡そ消失し、7日保持以降はべたつき感が経時で変化しない場合。
××(硬化性不合格):23℃、相対湿度50%の環境で3日静置以降もべたつき感があり(硬化が不十分)、または、7日保持以降もべたつき感が残り、経時で変化する場合(硬化が著しく遅い)。
<透明性>
◎(透明性合格):得られたウレタンシートのHazeが5%未満で目視上透明な場合。
○(透明性合格):得られたウレタンシートのHazeが5~15%未満で白濁が僅かな場合。
×(透明性不合格):得られたウレタンシートのHazeが15%以上で目視上明確な白濁が見られる、または不透明な場合。
なおウレタンシートのHazeは、日本電色工業社製NDH5000にて測定した。
<引張破断強度>
◎(強度合格):23℃、相対湿度50%の環境で3日静置後の引張破断強度が7MPa以上
〇(強度合格):23℃、相対湿度50%の環境で3日静置後の引張破断強度が3MPa以上7MPa未満
××(強度不合格):23℃、相対湿度50%の環境で3日静置後の引張破断強度が3M
Pa未満
何れの評価項目も合格のものは、架橋剤混合後の初期の増粘性が低く安定的に塗工が可能となる可使時間が顕著に長く且つ良好な硬化性を示し、透明性や引張破断強度の良好なポリウレタンの形成に資するウレタンプレポリマー組成物であると判断した。
<合成例と性状>
合成例1はポリアルキレンオキシド(A1-1)80重量部とポリオール(A2-1)20重量部を混合し100℃で2時間減圧脱水したポリオール混合物、及び、イソシアネート化合物(B1)と金属を含むウレタン化触媒(C1)を固形分100重量部に対して0.02重量部、合成溶剤としてメチルエチルケトン100重量部を含み、(A1-1)と(A2-1)に由来する水酸基の量(MOH)と(B1)に由来するイソシアネート基の量(MNCO)が、モル比率で、(B1)のMNCO/((A1-1)と(A2-1)MOH)=0.35で70℃まで昇温して反応を行った。
反応器内容物のNCO基量を赤外分光光度計を用いて追跡、反応完結を確認しウレタンプレポリマー(F1)の形成を確認した。
冷却後、減圧濃縮により固形分濃度90%(プレポリマー100重量部に対しメチルエチルケトン11.1重量部)へ調整し、添加剤添加前のプレポリマー組成物(G1)を含む溶液を合成した。当該ウレタンプレポリマー(F1)の重量平均分子量は5000超で分子量分布も4.0未満と狭いため高い流動性を有し、不飽和度も0.0014meq/gとモノオール由来のダングリング鎖が少ないプレポリマーであった。
合成例2~12も各種原料ポリオール等を変更して、合成例4、12は無溶剤、合成例7は濃縮しなかった以外は合成例1と同様にプレポリマーの合成、性状評価を行い、所定のプレポリマーを得た。
なお本合成例2~7において、芳香族アミン構造を有するポリオール(A2-1)、糖残基を有するポリオール(A2-2)を用いたウレタンプレポリマー(F)は何れも分子量分布が1.1~4.0未満の範囲、且つ、重量平均分子量が5000超~40000の範囲であり、特に顕著に流動性に優れた。また合成例2~7はいずれも不飽和基量も少なくモノオール由来のダングリング鎖が少ないプレポリマーであった。
以下、表3に合成したプレポリマーの原料組成と性状を示す。

<実施例、比較例>
実施例1は、合成例1で合成したプレポリマー(F1)100重量部、ウレタン化触媒(C1)をプレポリマー(F1)100重量部に対して0.02重量部、メチルエチルケトンを含む組成物に、ケトエノール互変異性化合物(E1)4.0重量部、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.10となる、即ちプレポリマー(F)に由来する水酸基の量(FOH)に対して10モル%の水酸基が増加するよう低分子量ポリオール(D1)を混合することでウレタンプレポリマー組成物(G1)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H1)作製した。
イソシアネート架橋剤(I1)を(F1)と(D1)に由来する水酸基の量(MOH)と(I1)に由来するイソシアネート基の量(MNCO)が、モル比率で、(I1)のMNCO/(F1)と(D1)のMOH=1.7となるようイソシアネート化合物(I1)を混合したウレタン形成性組成物(J1)を作製した。
表4に実施例1の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G1)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H1)は架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K1)から得たポリウレタン(L1)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例2は、実施例1に対してプレポリマー(F1)から(F2)、低分子量ポリオール(D1)から(D2)に変更し、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.10から0.20となるよう添加量を変更することでウレタンプレポリマー組成物溶液(H2)、ウレタン形成性組成物溶液(K2)を作製した。
表4に実施例2の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G2)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H2)は架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K2)から得たポリウレタン(L2)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例3は、実施例1に対してプレポリマー(F1)から(F3)に変更し、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.10から0.15となるよう添加量を変更することでウレタンプレポリマー組成物溶液(H3)、ウレタン形成性組成物溶液(K3)を作製した。
表4に実施例3の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G3)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H3)は架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K3)から得たポリウレタン(L3)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例4は、実施例2に対してプレポリマー(F2)から(F4)に変更し、メチルエチルケトン等の溶媒を含まず、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.20から0.08となるよう添加量を変更することで、ウレタンプレポリマー組成物(G4)、ウレタン形成性組成物(K4)を作製した。
表4に実施例4の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G4)は架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を用いたウレタン形成性組成物(K4)から得たポリウレタン(L4)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例5は、実施例1に対して芳香族アミン残基を含むプレポリマー(F1)から炭素数6以上の糖残基を有するプレポリマー(F5)に変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H5)、ウレタン形成性組成物溶液(K5)を作製した。
表4に実施例5の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G5)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H5)は架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K5)から得たポリウレタン(L5)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例6は、実施例5に対して、プレポリマー(F5)から(F6)、低分子量ポリオール(D1)から(D2)に変更し、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.10から0.20となるよう添加量を変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H6)、ウレタン形成性組成物溶液(K6)を作製した。
表4に実施例6の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G6)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H6)は架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K6)から得たポリウレタン(L6)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例7は、実施例1に対して芳香族アミン残基を含むプレポリマー(F1)からテトラメチレン-エーテル残基を有するプレポリマー(F7)に変更し、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.10から0.25となるよう添加量を変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H7)、ウレタン形成性組成物溶液(K7)を作製した。
表4に実施例7の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G7)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H7)は架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K7)から得たポリウレタン(L7)の塗膜は実施例1には劣るものの高透明で、高い引張強度を発現し概ね塗膜物性に優れるものであった。
実施例8は、実施例2に対してエチレンオキシド残基を有し水酸基の1級比率が100%の低分子量ポリオール(D2)から、エチレンオキシド残基を有さず水酸基の1級比率が50%で分子量の低い(D3)へ変更する代わりに、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.20から0.50となるよう添加量を増量することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H8)、ウレタン形成性組成物溶液(K8)を作製した。
表4に実施例8の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G8)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H8)は、水酸基の1級比率が幾分低いものの分子量が低いため架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K8)から得たポリウレタン(L8)の塗膜は低分子量ポリオール(D2)の添加量が多めのため実施例2には劣るものの、概ね高透明で、高い引張強度を発現し概ね塗膜物性に優れるものであった。
実施例9は、実施例1に対してプレポリマー(F1)から(FC4)に変更し、ケトエノール互変異性化合物(E1)を除き、代わりに金属触媒(C1)の量を0.02重量部から0.005重量部に低減してウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.10から0.30となるよう添加量を増量することでウレタンプレポリマー組成物溶液(H9)、ウレタン形成性組成物溶液(K9)を作製した。
表4に実施例9の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G9)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H9)は、ケトエノール互変異性化合物(E1)を含まないため実施例1より架橋剤混合後24時間後の増粘は幾分劣るものの、低分子量ポリオール(D1)を含むため架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、顕著に良好な可使時間を示すものであった。また当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K9)から得たポリウレタン(L9)の塗膜は概ね高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。

比較例1は、実施例1に対して低分子量ポリオール(D1)を含まない組成に調整することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC1)、ウレタン形成性組成物溶液(KC1)を作製した。
表5に比較例1の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC1)、ウレタン形成性組成物溶液(KC1)から得たポリウレタン(LC1)の塗膜は良好な物性を示すものの、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC1)、ウレタン形成性組成物溶液(KC1)に分子量62~700の低分子量ポリオール(D)を含まないため、架橋剤混合後初期より増粘があり可使時間が十分ではないため、塗工安定性に劣り安定的な生産使用が困難な組成物であった。
比較例2は、実施例1に対して低分子量ポリオール(D1)およびケトエノール互変異性化合物(E1)を含まない組成に調整することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC2)、ウレタン形成性組成物溶液(KC2)を作製した。
表5に比較例2の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC2)、ウレタン形成性組成物溶液(KC2)から得たポリウレタン(LC2)の塗膜は良好な物性を示すものの、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC2)、ウレタン形成性組成物溶液(KC2)に分子量62~700の低分子量ポリオール(D)を含まず、更にケトエノール互変異性化合物(E1)も含まないため、架橋剤混合後初期より増粘があり、可使時間も顕著に短いため、生産使用が困難な組成物であった。
比較例3は、実施例1に対して低分子量ポリオール(D1)を含まず、プレポリマー(F1)から(F3)に変更した成に調整することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC3)、ウレタン形成性組成物溶液(KC3)を作製した。
表5に比較例3の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC3)、ウレタン形成性組成物溶液(KC3)から得たポリウレタン(LC3)の塗膜は良好な物性を示すものの、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC3)、ウレタン形成性組成物溶液(KC3)に分子量62~700の低分子量ポリオール(D)を含まないため、架橋剤混合後初期より増粘があり可使時間が十分ではないため、塗工安定性に劣り安定的な生産使用が困難な組成物であった。
比較例4は、炭素数6以上の糖残基を有するプレポリマー(F6)を用い、実施例6に対して低分子量ポリオール(D1)およびケトエノール互変異性化合物(E1)を含まない組成に調整することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC4)、ウレタン形成性組成物溶液(KC4)を作製した。
表5に比較例4の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC4)、ウレタン形成性組成物溶液(KC4)から得たポリウレタン(LC4)の塗膜は良好な物性を示すものの、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC4)、ウレタン形成性組成物溶液(KC4)に分子量62~700の低分子量ポリオール(D)を含まず、更にケトエノール互変異性化合物(E1)も含まないため、架橋剤混合後初期より増粘があり、可使時間も顕著に短いため、生産使用が困難な組成物であった。
比較例5は、テトラメチレン-エーテル残基を有するプレポリマー(F7)を用い、実施例7に対して低分子量ポリオール(D1)を含まない組成に調整することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC5)、ウレタン形成性組成物溶液(KC5)を作製した。
表5に比較例5の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC5)、ウレタン形成性組成物溶液(KC5)から得たポリウレタン(LC5)の塗膜は概ね良好な物性を示すものの、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC5)、ウレタン形成性組成物溶液(KC5)に分子量62~700の低分子量ポリオール(D)を含まないため、架橋剤混合後初期より増粘があり可使時間が十分ではないため、塗工安定性に劣り安定的な生産使用が困難な組成物であった。
比較例6は、実施例1に対して不飽和度の低いモノオールが少ないポリアルキレンオキシド(A1-1)を用いて合成したプレポリマー(F1)から不飽和度が高くモノオールが多いポリアルキレンオキシド(AC1-1)を用いて合成した、モノオール由来の架橋欠陥の指標である不飽和基が0.024meq/gと多いプレポリマー(FC1)に変更した組成に変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC6)、ウレタン形成性組成物溶液(KC6)を作製した。
表5に比較例6の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC6)、ウレタン形成性組成物溶液(KC6)は低分子量ポリオール(D1)を用いているため架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものの、モノオール由来の架橋欠陥の指標である不飽和基が0.024meq/gと多いため、硬化性に劣り、得られるポリウレタン(LC6)も引張強度が低いため、強度や硬度が必要な用途では使用が困難な組成物であった。
比較例7は、実施例7に対してプレポリマー(F7)から芳香族アミン残基や炭素数6以上の糖残基、テトラメチレン-エーテル残基の何れか1種以上の残基を有するポリオール(A2)を用いず合成したプレポリマー(FC2)に変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC7)、ウレタン形成性組成物溶液(KC7)を作製した。
表5に比較例7の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC7)、ウレタン形成性組成物溶液(KC7)は低分子量ポリオール(D1)を用いているため架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものの、プレポリマー(FC2)中に芳香族アミン残基や炭素数6以上の糖残基、テトラメチレン-エーテル残基何れの残基も有さないため、硬化性にやや劣り、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(KC7)から得たポリウレタン(LC7)の塗膜は官能基数や剛直な構造が少ない影響と考えられる引張強度の低下がみられるため、強度や硬度が必要な用途では使用が困難な組成物であった。
比較例8は、実施例1に対してポリアルキレンオキシド(A1-1)と芳香族アミン残基を有するポリオール(A2-1)を用いて合成したプレポリマー(F1)から、ポリアルキレンオキシド(A1-1)を用いず芳香族アミン残基を有するポリオール(A2-1)のみをポリオール成分として合成したプレポリマー(FC3)を用いることで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC8)、ウレタン形成性組成物溶液(KC8)を作製した。
表5に比較例8の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC8)、ウレタン形成性組成物溶液(KC8)は低分子量ポリオール(D1)を用いているものの、プレポリマー(FC3)中に不飽和度の顕著に低いポリアルキレンオキシド(A1)由来の残基を含まず不飽和基量が多く、剛直で触媒活性のある芳香族アミン構造を有するポリオール(A2-1)由来の残基を多く含むため、可使時間が十分ではなく、当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(KC8)から得たポリウレタン(LC8)の塗膜は透明性が低く、引張強度もやや劣るものであり、使用が困難な組成物であった。
比較例9は、実施例1に対して金属成分を含むウレタン化触媒(C1)を含まず、代わりに剛直で触媒活性を示しやすい芳香族アミン残基を有するポリオール(A2)を20部用いたプレポリマー(F1)から芳香族アミン残基を有するポリオール(A2)を48部まで増量したプレポリマー(FC4)へ変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC9)、ウレタン形成性組成物溶液(KC9)を作製した。
表5に比較例9の結果を示すが、当該ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC9)、ウレタン形成性組成物溶液(KC9)は可使時間は長いものの金属成分を含むウレタン化触媒(C)を含まないため、硬化性に劣り、空気中の水分と反応が進行しやすい影響と考えられる得られるポリウレタン(LC9)の塗膜の白濁による透明性低下や引張強度の低下がみられるため、透明性や強度、硬度が必要な用途では使用が困難な組成物であった。
比較例10は、実施例4に対してプレポリマー(F4)から鎖延長に用いるイソシアネート化合物(B1)の添加量を低減し合成した分子量が3000未満のプレポリマー(FC5)に変更することで、ウレタンプレポリマー組成物(GC10)、ウレタン形成性組成物(JC10)を作製した。
表5に比較例10の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(GC10)はプレポリマー分子量が低いため液の貯蔵安定性が悪く、保存時に相分離を起こしやすく安定的な使用が困難であり、ウレタン形成性組成物(JC10)から得られたポリウレタン(LC10)の透明性の悪化があり、安定的に均一なウレタンを成形できず、使用は困難な組成物であった。

実施例10は、実施例2に対して低分子量ポリオール(D2)から(D1)へ変更し、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.20から0.05となるよう添加量を減量することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H10)、ウレタン形成性組成物溶液(K10)を作製した。
表6に実施例10の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G10)は架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、可使時間も顕著に長いものであり、当該組成物を用いたウレタン形成性組成物(K10)から得たポリウレタン(L10)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例11は、テトラメチレン-エーテル残基を有するプレポリマー(F7)を用い、実施例7に対してケトエノール互変異性化合物(E1)を含まない組成に調整することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H11)、ウレタン形成性組成物溶液(K11)を作製した。
表6に実施例11の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G11)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H11)は、ケトエノール互変異性化合物(E1)を含まないため実施例7より架橋剤混合後24時間後の増粘は幾分劣るものの、低分子量ポリオール(D1)を含むため架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、顕著に良好な可使時間を示すものであった。また当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K11)から得たポリウレタン(L11)の塗膜は概ね高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例12は、実施例10に対して、低分子量ポリオール(D)の添加量としてDOH/FOH=0.05の少量を維持しつつ、エチレンオキシド残基を有し水酸基の1級比率が100%の低分子量ポリオール(D1)から、エチレンオキシド残基を有さず水酸基の1級比率が50%で分子量の低い(D3)へ変更することでウレタンプレポリマー組成物溶液(H12)、ウレタン形成性組成物溶液(K12)を作製した。
表6に実施例12の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G12)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H12)は、低分子量ポリオール(D3)の1級比率が(D1)より低く、少量である影響と考えられる経時での増粘が僅かにあり、実施例10より僅かに劣るものの架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、顕著に長い可使時間を有する組成物であった。また当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K12)から得たポリウレタン(L12)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例13は、実施例12に対して、触媒活性を有する芳香族アミン残基を有するプレポリマー(F2)から炭素数6以上の糖残基を有するプレポリマー(F5)に変更し、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.05から0.20となるよう添加量を増量することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H13)、ウレタン形成性組成物溶液(K13)を作製した。
表6に実施例13の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G13)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H13)は、架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、顕著に良好な可使時間を示すものであった。また当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K13)から得たポリウレタン(L13)の塗膜は概ね高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例14は、実施例10に対して、低分子量ポリオール(D)の添加量としてDOH/FOH=0.05の少量を維持しつつ、分子量106.1の低分子量ポリオール(D1)からより低分子量で高反応性と考えられる分子量62.1の低分子量ポリオール(D4)に変更することでウレタンプレポリマー組成物溶液(H14)、ウレタン形成性組成物溶液(K14)を作製した。
表6に実施例14の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G14)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H14)は、低分子量ポリオール(D4)が高反応性で少量である影響と考えられる後半の増粘が僅かにあり、実施例10より僅かに劣るものの架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、顕著に長い可使時間を有する組成物であった。また当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K14)から得たポリウレタン(L14)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例15は、実施例10に対して、低分子量ポリオール(D1)から、3官能で水酸基の1級比率が低い(D5)へ変更する代わりに、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.05から0.20となるよう添加量を増量することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(H15)、ウレタン形成性組成物溶液(K15)を作製した。
表6に実施例15の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G15)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H15)は、低分子量ポリオール(D5)が3官能で1級比率が低く反応性が低い影響と考えられる経時での増粘が僅かにあり、実施例10より僅かに劣るものの架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、顕著に長い可使時間を有する組成物であった。また当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K15)から得たポリウレタン(L15)の塗膜は高透明で、高い引張強度を発現し塗膜物性に優れるものであった。
実施例16は、実施例15に対して低分子量ポリオール(D5)から4官能で分子量が高めの低分子量ポリオール(D6)へ変更することでウレタンプレポリマー組成物溶液(H16)、ウレタン形成性組成物溶液(K16)を作製した。
表6に実施例15の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G16)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H16)は、低分子量ポリオール(D6)が高官能基数で1級比率が低く高分子量で反応性が低い影響と考えられる経時での増粘が僅かにあり、実施例15より僅かに劣るものの架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、顕著に長い可使時間を有する組成物であった。また当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K16)から得たポリウレタン(L16)の塗膜は概ね高透明であり、実施例15に対して低分子量ポリオール(D6)が高官能基数で剛直な構造を有する影響と考えられる顕著に高い引張強度を発現し、塗膜強度に顕著に優れるものであった。
比較例11は、実施例2に対して低分子量ポリオール(D2)から分子量18の活性水素化合物(DC1)である水に変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC11)、ウレタン形成性組成物溶液(KC11)を作製した。
表6に比較例11の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(G11)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H11)は、活性水素化合物(DC1)が分子量が低く極性が高すぎる影響と考えられる液の保存安定性悪化と可使時間悪化があり、使用が困難な組成物であった。当該組成物を含むウレタン形成性組成物溶液(K11)から得たポリウレタン(L11)の塗膜の透明性も低いものであり、安定的な生産性が期待できないものであった。
比較例12は、実施例2に対して低分子量ポリオール(D2)から分子量700を超える活性水素化合物(DC2)に変更し、ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)または(DC)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.20から0.10となるよう添加量を変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC12)、ウレタン形成性組成物溶液(KC12)を作製した。
表6に比較例12の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(GC12)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(HC12)は、実施例2に対して活性水素化合物(DC2)の分子量が高すぎて低反応性である影響と考えられる増粘抑制効果の顕著な低下がみられ、架橋剤混合後の経時での増粘により十分な可使時間を発現しない安定生産が困難な組成物であった。
比較例13は、比較例12に対して、ケトエノール互変異性化合物(E1)を含まず、分子量700を超える活性水素化合物(DC2)から水酸基とアミノ基を有する活性水素化合物(DC3)に変更することで、ウレタンプレポリマー組成物溶液(HC13)、ウレタン形成性組成物溶液(KC13)を作製した。
表6に比較例13の結果を示すが、ウレタンプレポリマー組成物(GC13)を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(HC13)は、アミノ基が水酸基より反応性が高い影響と考えられる増粘抑制効果の顕著な低下がみられ、架橋剤混合後の経時での増粘により可使時間が短い、安定生産が困難な組成物であった。

以上、実施例で示したように、本開発におけるウレタンプレポリマー組成物は、架橋剤混合後の初期の増粘が顕著に遅く、塗工機などで塗工する際の塗工安定性に優れ、可使時間が顕著に長く、更に、イソシアネート化合物との反応で透明で引張破断強度の大きなポリウレタンを得ることができる。その特徴を活かすことにより、ウレタンプレポリマー組成物より得られるポリウレタンは、シーリング材、塗料、粘着剤、接着剤等に好適に使用できることが示された。

Claims (13)

  1. ウレタンプレポリマー(F)、金属成分を含むウレタン化触媒(C)、および分子量62~700の範囲である低分子量ポリオール(D)、を含むウレタンプレポリマー組成物(G)であって、
    前記ウレタンプレポリマー(F)が、少なくともポリオール(A)とポリイソシアネート(B)の反応物であり、
    1分子中に少なくとも一つの水酸基を有し、
    重量平均分子量が3000以上であって、
    炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基、および0.010meq/g以下の不飽和基、を構成成分として含み、
    更に、テトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れか1種以上の残基を構成成分として含む、
    ウレタンプレポリマー組成物(G)。
  2. ウレタンプレポリマー(F)が、少なくともポリオール(A)とイソシアネート基の平均官能基数が2.0以上であるポリイソシアネート(B)の反応物であり、
    前記ウレタンプレポリマー(F)を形成する、ポリオール(A)の有する水酸基の総和(MOH)に対する前記イソシアネート(B)の有するNCO基の総和(MNCO)のモル比率(MNCO/MOH)が1.0未満であって、
    ポリオール(A)が1分子中に炭素数が3以上のアルキレンオキシド残基および2つ以上の水酸基を有するポリアルキレンオキシド(A1)とテトラメチレン-エーテル残基、炭素数6以上の糖残基、芳香族アミン残基の何れか1種以上の残基を有するポリオール(A2)を含み、
    前記ポリアルキレンオキシド(A1)は、
    不飽和度が、0.010meq/g以下であり、
    数平均分子量が、800以上である、
    請求項1に記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
  3. 低分子量ポリオール(D)が、分子量62~300の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
  4. 低分子量ポリオール(D)が、プロピレンオキシド残基、エチレンオキシド残基の何れか1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
  5. 低分子量ポリオール(D)が、2~4個の水酸基を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
  6. ウレタンプレポリマー(F)の有する水酸基の総量(FOH)に対する低分子量ポリオール(D)の有する水酸基の総量(DOH)のモル比率(DOH/FOH)が0.03~0.30の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
  7. 金属成分を含むウレタン化触媒(C)が、Fe、Zr、Ti、Alのいずれか一つ以上の金属を含む有機金属化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
  8. さらに、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンのいずれか1種以上のケトエノール互変異性化合物(E)を含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)と有機溶媒を含むウレタンプレポリマー組成物溶液(H)であって、
    該ウレタンプレポリマー組成物溶液(H)中のウレタンプレポリマー組成物(G)の濃度が10質量%以上95質量%以下であることを特徴とするウレタンプレポリマー組成物溶液(H)。
  10. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のウレタンプレポリマー組成物(G)とイソシアネート化合物(I)とを含むウレタン形成性組成物(J)。
  11. 請求項9に記載のウレタンプレポリマー組成物溶液(H)とイソシアネート化合物(I)とを含むウレタン形成性組成物溶液(K)。
  12. 請求項10に記載のウレタン形成組成物(J)、請求項11に記載のウレタン形成性組成物溶液(K)中のウレタン形成性組成物(J)の反応物であるポリウレタン(L)。
  13. 請求項12に記載のポリウレタン(L)からなるポリウレタンシート。
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