JP7413725B2 - 硬化物粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化物粒子に関する。
従来、熱硬化性樹脂は、耐熱性、耐久性、電気性能、機械特性に優れ、自動車部品、電子・電気部品、機械部品などに幅広く利用されている。さらに、熱硬化性樹脂の硬化物を粒子とし、これを成形材料の充填材として利用する研究が行われている。
例えば、特許文献1には、球状フェノール樹脂を用いた充填材が開示されている。
特開2001-114852号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来の技術では、耐衝撃性において、十分ではなかった。
本発明者らは、熱硬化性樹脂を用いた充填材における耐衝撃性を向上させる観点から、鋭意検討を行った結果、熱可塑性樹脂をフェノール樹脂中に分散させるとともに、その分散の程度として、条件aを指標とすることが有効であることを知見し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
フェノール樹脂と、前記フェノール樹脂中に分散した熱可塑性樹脂と、を含む硬化物粒子であり、
当該硬化物粒子が以下の条件aを満たす、硬化物粒子が提供される。
(条件a)
以下の炭化条件bで示す方法で当該硬化物粒子を炭化物粒子とし、当該炭化物粒子について以下の測定条件cで示す方法で測定した重量減少率が、20%以上80%以下である。
(炭化条件b)
JIS K-6910 固定炭素分の測定に準じた方法で炭化物を作成することで炭化物粒子とする。
(測定条件c)
前記硬化物粒子の平均粒子径に対して50~90%の範囲に入る大きさの目開きの金網を備える篩に前記炭化物粒子を入れてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い5分間篩分けしたあとの質量をAとし、次いで、前記篩にさらに粒径3mmのセラミックビーズ100gを加えてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い3分間篩分けした後の質量をBとしたとき、下記式(1)で算出される。
重量減少率(%)=(A-B)/A×100 (1)
また、本発明によれば、
上記の硬化物粒子を用いた充填材が提供される。
また、本発明によれば、
上記の硬化物粒子を用いたブラスト材が提供される。
本発明によれば、耐衝撃性に優れた硬化物粒子を提供できる。
本実施形態に係る硬化物粒子と、炭化物粒子との断面を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
[硬化物粒子]
図1に示すように、硬化物粒子10は、フェノール樹脂1と、フェノール樹脂1中に分散した熱可塑性樹脂2と、を含み、以下の条件aを満たすものである。
(条件a)以下の炭化条件bで示す方法で硬化物粒子10を炭化物粒子40とし、炭化物粒子40について以下の測定条件cで示す方法で測定した重量減少率が、20%以上80%以下である。
(炭化条件b)
JIS K-6910 固定炭素分の測定に準じた方法で炭化物を作成することで炭化物粒子とする。
(測定条件c)
硬化物粒子10の平均粒子径に対して50~90%の範囲に入る大きさの目開きの金網を備える篩に炭化物粒子40を入れてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い5分間篩分けしたあとの質量をAとし、次いで、前記篩にさらに粒径3mmのセラミックビーズ100gを加えてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い3分間篩分けした後の質量をBとしたとき、下記式(1)で算出される。重量減少率(%)=(A-B)/A×100 (1)
硬化物粒子10は、条件aを満たすことにより、優れた耐衝撃性が得られる。条件aとは、硬化物粒子10を、炭化条件bにしたがって、炭化して、炭化物粒子とした後に、測定条件cにしたがって篩にかけた際の重量減少率を、20%以上80%以下に特定するものである。すなわち、まず、炭化条件bにしたがって、硬化物粒子10を炭化することにより、硬化物粒子10のフェノール樹脂1中に分散した熱可塑性樹脂2が消失するため、のちに得られる炭化物粒子40中には、フェノール樹脂1が炭化した炭化物20の内部に熱可塑性樹脂2が存在していた領域に応じた空隙30(空洞・空孔)が形成されることになる(図1参照)。次に、測定条件cは、炭化物粒子40を篩にかけて粒径を整えた後、セラミックビーズ100gを加えて篩にかけることで、セラミックビーズとの衝突で一部が崩壊したり、破損した炭化物粒子40が篩い落とされ、これにより残った炭化物粒子40の割合を測定するものである。いいかえると、セラミックビーズによって、容易に崩壊したり、破損した炭化物粒子40は、空隙30(空洞・空孔)が多かったり大きかったり分散していることを意図し、空隙30(空洞・空孔)の状態を特定することは、硬化物粒子10のフェノール樹脂1中に分散した熱可塑性樹脂2の状態を特定すると考えられる。
重量減少率(%)は、耐衝撃性を向上させる観点から、好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%以上である。一方、重量減少率(%)は、良好な耐衝撃性を得つつ、充填材の機械的強度を得る観点から、好ましくは70%以下であり、より好ましくは60%以下であり、さらに好ましくは50%以下である。
本実施形態の硬化物粒子10において、条件aは、以下のような因子を制御することにより、適切な範囲とすることができる。
(i)フェノール樹脂1と熱可塑性樹脂2の組み合わせと含有量
(ii)硬化物粒子10の製造方法
たとえば、フェノール樹脂1に対して分散性のよい熱可塑性樹脂を組み合わせ、フェノール類とアルデヒド類をフラスコ等に仕込み反応させたときに懸濁粒子が析出する前に熱可塑性樹脂2を添加することが重要となる。すなわち、フェノール樹脂1を合成しながら、熱可塑性樹脂2の微粒子を粒子内に混ぜ込む。これにより、硬化物粒子10中に熱可塑性樹脂2を取り込めるようになる。また良好な分散性を得るため、適切な乳化剤、触媒を用いることが挙げられる。
硬化物粒子10の平均粒径は、耐衝撃性と充填性を得る観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。一方、硬化物粒子10の平均粒径は、良好な充填性を得る観点から、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは1mm以下である。硬化物粒子10の平均粒径は、測定は、レーザー回折粒度分布測定装置(HORIBA製:LA-950V2)を用いて行うことができる。
フェノール樹脂1としては、熱可塑性樹脂2を分散するマトリックス樹脂として作用する。フェノール樹脂1は、フェノール類と、ホルムアルデヒド類を原料とし、これらを反応させることにより得ることができる。フェノール樹脂1としては、特に限定されないが、例えば、レゾール型フェノール樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂2は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、オクチル、シクロヘキシル、ヒドロキシエチル等のエステル類の(共)重合体である(メタ)アクリル系樹脂;エチレン、プロピレン、ブテン等のα-オレフィン類の(共)重合体であるオレフィン系樹脂;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の(共)重合体であるスチレン系樹脂;酢酸ビニルの(共)重合体である酢酸ビニル系樹脂;ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエステル等の飽和ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して使用できる。
なかでも、フェノール樹脂1中に良好に分散し、耐衝撃性を向上しやすくなる観点から、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、及び飽和ポリエステル系樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル系樹脂であることがより好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂2は架橋タイプの微粒子であることが好ましい。架橋タイプの微粒子を用いることで、フェノール樹脂1マトリックス中に熱可塑性樹脂2が分散した硬化物粒子10を得ることができる。
熱可塑性樹脂2の含有量は、耐衝撃性を得る観点から、硬化物粒子10の100質量部に対して、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは、7質量部以上である。一方、熱可塑性樹脂の含有量は、充填材としての強度および耐衝撃性を両立する観点から、硬化物粒子10の100質量部に対して、好ましくは50質量部以下であり、より好ましくは40質量部以下である。
[硬化物粒子10の製造方法]
つぎに、本実施形態の硬化物粒子10の製造方法について説明する。
工程1(準備工程):まず、フェノール類と、アルデヒド類と、親水性高分子と、親水性溶媒とを含む混合液を作製する。以下、混合液の各成分について詳細を説明する。
<フェノール類>
上記のフェノール類としては限定されず、具体的には、フェノール;o-ジヒドロキシベンゼン(すなわち、カテコール)、m-ジヒドロキシベンゼン(すなわち、レゾルシノール、すなわち、レゾルシン)、p-ジヒドロキシベンゼン(すなわち、ヒドロキノン)などのジヒドロキシベンゼン;1,2,3-トリヒドロキシベンゼン(すなわち、ピロガロール)などのトリヒドロキシベンゼン;o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、オキソクレゾールなどのクレゾール;エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのアルキルフェノール;キシレノール;3-ペンタデシルフェノール、3-ペンタデシルフェノールモノエン、3-ペンタデシルフェノールジエン、3-ペンタデシルフェノールトリエンなどのカシューオイルの含有成分;1,3-ジヒドロキシ-5-ペンタデシルベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-5-ペンタデシルベンゼンモノエン、1,3-ジヒドロキシ-5-ペンタデシルベンゼンジエン、1,3-ジヒドロキシ-5-ペンタデシルベンゼントリエンといったカルドールの含有成分;2-メチル-1,3-ジヒドロキシ-5-ペンタデシルベンゼン、2-メチル-1,3-ジヒドロキシ-5-ペンタデシルベンゼンモノエン、2-メチル-1,3-ジヒドロキシ-5-ペンタデシルベンゼンジエン、2-メチル-1,3-ジヒドロキシ-5-ペンタデシルベンゼントリエンといったメチルカルドールの含有成分;ウルシオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSといったビスフェノール類;p-フェニルフェノール;スチレン化フェノールなどが挙げられる。フェノール類としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。フェノール類としては、上記具体例のうち例えば、フェノール、クレゾール及びアルキルフェノールからなる群から選択される1種以上を用いることが好ましく、フェノールを用いることがより好ましい。これにより、硬化の程度を制御しやすくなり、また、好ましい空孔の数、大きさを実現できる。
<アルデヒド類>
アルデヒド類としては限定されず、具体的には、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、サリチルアルデヒド、フルフラール、グリオキザールなどが挙げられる。アルデヒド類としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ヘキサメチレンテトラミンといったアルデヒド化合物の発生源となる化合物を用いてもよい。アルデヒド類としては、上記具体例のうち例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドからなる群から選択される1種以上を用いることが好ましく、ホルムアルデヒドを用いることがより好ましい。これにより、硬化の程度を制御しやすくなる。
混合液中のフェノール類と、アルデヒド類との仕込み量としては、例えば、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)が0.8以上4.0以下となるようにすることができる。これにより、フェノール類と、アルデヒド類とが反応することで、レゾール型フェノール樹脂、さらに、一部がレゾール型フェノール樹脂の架橋体となり、混合液中で、粒子状に分散できる。
<親水性高分子>
本実施形態に係る硬化物粒子の製造方法は湿式法である。親水性高分子は、フェノール類及びアルデヒド類の表面に付着し、フェノール類及びアルデヒド類を親水性溶媒中の中で球状に分散させ、あたかも、フェノール類及びアルデヒド類と、親水性溶媒とをO/Wエマルションのように分散させるために必要である。これにより、所望の形状の懸濁粒子を作製することができる。
親水性高分子としては限定されず、具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースカチオン化物などの水溶性セルロース誘導体;ポリビニルアルコール;アルギン酸;グアガム:アラビアガムなどを挙げることができる。親水性高分子としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。親水性高分子としては、上記具体例のうち例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、グアガム及びアラビアガムからなる群より選択される1種以上を用いることが好ましく、ヒドロキシエチルセルロースを用いることがより好ましい。これにより、硬化物粒子の粒径を所望の数値範囲内とすることができる。
<親水性溶媒>
親水性溶媒としては、フェノール類及びアルデヒド類と、親水性溶媒とがO/Wエマルションのように分散すれば限定されず、具体的には、水;メチルアルコール、エチルアルコールといった単官能アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールといった多官能アルコール;アセトンといったケトン;テトラヒドロフランといったエーテル;N-メチルピロリドンといったラクタムなどが挙げられる。親水性溶媒としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
工程2(反応工程):次に、混合液を撹拌し、フェノール類と、アルデヒド類とを反応させ、懸濁粒子が析出する前に熱可塑性樹脂を添加して懸濁粒子内に熱可塑性樹脂を取り込んだ懸濁粒子を形成する。
フェノール類と、アルデヒド類とを反応させ、懸濁粒子を形成する方法としては、混合液を撹拌することによって行うことができる。
フェノール類と、アルデヒド類との反応は、例えば、塩基性触媒下で行う。反応工程では、フェノール類と、アルデヒド類とが反応してレゾール型フェノール樹脂となり、さらに、レゾール型フェノール樹脂の一部が互いに架橋し架橋体となる。反応工程では架橋は完全には進行せず、後述する硬化工程においてさらに架橋が進行し、硬化する。すなわち、懸濁粒子は、例えば、レゾール型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂の架橋体とを含む。
工程3(洗浄工程):親水性高分子、未反応フェノール、ホルムアルデヒド、残留触媒を除去するため、静置し、分離した水を除去した後、水を加え、常温ないしは加温して撹拌した後、静置して、分離水を除去する。所望の不純物レベルになるまで必要に応じて、洗浄工程を繰り返す。
工程4(乾燥工程):続けて、懸濁粒子を、温度60℃以上200℃以下で熱処理することで、懸濁粒子から親水性溶媒を取り除く。
熱処理する方法としては限定されず、大気圧下で気体中、または、減圧下で行う方法であれば、従来公知の方法で行うことができる。
乾燥工程における熱処理の温度の下限値としては、60℃以上であり、例えば、65℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。これにより、硬化物粒子10中の親水性溶媒を除去できる。
また、乾燥工程における熱処理の温度の上限値としては、200℃以下であり、例えば、180℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。これにより、硬化物粒子10の耐衝撃性を向上しやすくなる。
乾燥工程における熱処理は、懸濁粒子中の含水率が、例えば、5%以下になるまで行うことが好ましく、4%以下になるまで行うことがより好ましく、3%以下になるまで行うことがさらに好ましく、2%以下になるまで行うことが一層好ましい。
また、乾燥工程における熱処理は、懸濁粒子中の含水率が、例えば、0.1%以上となるまで行ってもよい。
なお、本実施形態において、懸濁粒子中の含水率は、懸濁粒子を温度135℃で1時間熱処理する時の、該熱処理前の懸濁粒子の質量に対する、該熱処理後の懸濁粒子の質量の百分率をX%としたとき、100-X%で求めることができる。
工程5(硬化工程):懸濁粒子を、温度100℃を越え200℃未満で熱処理することで、懸濁粒子を硬化して硬化物粒子を得る。
具体的には、熱処理によって、懸濁粒子中のフェノール樹脂をさらに架橋し、架橋体とすることで硬化させる。すなわち、フェノール樹脂粒子は、例えば、レゾール型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂の架橋体とを含むことが好ましい。
熱処理する方法としては限定されず、大気圧下、気体中で行う方法であれば、従来公知の方法で行うことができる。
硬化工程における熱処理の温度の上限値としては、200℃未満であり、例えば、170℃未満であることが好ましく、150℃以下であることが好ましく、135℃以下であることがより好ましく、130℃以下であることが更に好ましい。これにより、硬化物粒子10の酸化を抑制できる。また、硬化物粒子10中の熱可塑性樹脂2同士が架橋し、硬化しすぎることを抑制できる。これにより、適度な柔軟性を有する硬化物粒子10を得ることができる。
また、硬化工程における熱処理の温度の下限値としては、100℃を越えるものであり、例えば、105℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましい。
硬化工程における熱処理の時間の上限値としては、例えば、10時間以下であり、7時間以下であることが好ましく、5時間以下であることが更に好ましく、3時間以下であることが一層好ましい。硬化工程における熱処理時間の下限値としては、例えば、30分間以上であり、1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましい。
本実施形態に係る硬化物粒子10の製造方法では、乾燥工程と、硬化工程とを、大気下、気体中または減圧下で連続して行う。これにより、条件(a)を満たす硬化物粒子10が得られるようになる。
上述したように乾燥工程、硬化工程は、連続して大気下で気体中、または、減圧下で行われる限り従来公知の方法を採用することができる。乾燥工程、硬化工程を連続して行う観点から、乾燥工程、硬化工程を行う方法としては、例えば、熱風乾燥機、減圧撹拌乾燥装置を用いることが好ましい。
なお、本実施形態において、連続とは、乾燥工程、硬化工程の間に、例えば、液体中の加熱工程といった他の加熱工程を含まないことを示す。例えば、乾燥工程の後篩分けをし、次いで硬化工程を行った場合でも、本実施形態において、乾燥工程、硬化工程を連続で行うことを示す。
[硬化物粒子10の用途]
本実施形態に係る硬化物粒子10は、例えば、充填材、ブラスト材として用いられる。
以上、実施形態に基づき、本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
フェノール樹脂と、前記フェノール樹脂中に分散した熱可塑性樹脂と、を含む硬化物粒子であり、
当該硬化物粒子が以下の条件aを満たす、硬化物粒子。
(条件a)
以下の炭化条件bで示す方法で当該硬化物粒子を炭化物粒子とし、当該炭化物粒子について以下の測定条件cで示す方法で測定した重量減少率が、20%以上80%以下である。
(炭化条件b)
JIS K-6910 固定炭素分の測定に準じた方法で炭化物を作成することで炭化物粒子とする。
(測定条件c)
前記硬化物粒子の平均粒子径に対して50~90%の範囲に入る大きさの目開きの金網を備える篩に前記炭化物粒子を入れてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い5分間篩分けしたあとの質量をAとし、次いで、前記篩にさらに粒径3mmのセラミックビーズ100gを加えてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い3分間篩分けした後の質量をBとしたとき、下記式(1)で算出される。
重量減少率(%)=(A-B)/A×100 (1)
2.
前記フェノール樹脂はレゾール型フェノール樹脂である、1.に記載の硬化物粒子。
3.
前記熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される1種以上である、1.または2.に記載の硬化物粒子。
4.
前記熱可塑性樹脂の含有量は、当該硬化物粒子100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下である、1.から3.のいずれか1つに記載の硬化物粒子。
5.
平均粒径が、5μm以上1000μm以下である、1.から4.のいずれか1つに記載の硬化物粒子。
6.
充填材またはブラスト材として用いられる、1.から5.のいずれか1つに記載の硬化物粒子。
7.
1.から5.のいずれか1つに記載の硬化物粒子を用いた充填材。
8.
1.から5.のいずれか1つに記載の硬化物粒子を用いたブラスト材。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
以下に、各実施例の硬化物粒子の製造方法を示す。
(実施例1)
フェノール1000部、37%ホルムアルデヒド1466部、トリエチルアミン30部、純水1825部、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製クラレポバール60-98)140部を含む混合液を作製し、混合液を撹拌してフェノール類と、アルデヒド類とを反応させ、懸濁粒子が析出する前に、アクリル樹脂粒子(綜研化学株式会社製MZ-10HN)200部をフラスコに仕込み、撹拌しながら95℃で6時間反応し、冷却した後、100メッシュの金網で水分を切り、その後純水で10回洗浄した。その後、100℃で10時間乾燥させ、110℃で17時間硬化させて硬化物粒子を得た。
(実施例2)
フェノール1000部、37%ホルムアルデヒド1466部、トリエチルアミン30部、純水2465部、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製クラレポバール60-98)140部を含む混合液を作製し、混合液を撹拌してフェノール類と、アルデヒド類とを反応させ、懸濁粒子が析出する前に、アクリル樹脂粒子(綜研化学株式会社製MZ-10HN)400部をフラスコに仕込み、撹拌しながら95℃で6時間反応し、冷却した後、100メッシュの金網で水分を切り、その後純水で10回洗浄した。その後、100℃で10時間乾燥させ、110℃で17時間硬化させ硬化物粒子を得た。
(実施例3)
フェノール500部、ビスフェノールA500部、37%ホルムアルデヒド947部、トリエチルアミン30部、純水1990部、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製のクラレポバール60-98)60部を含む混合液を作製し、混合液を撹拌してフェノール類と、アルデヒド類とを反応させ、懸濁粒子が析出する前に、アクリル樹脂粒子(綜研化学株式会社製MZ-10HN)200部をフラスコに仕込み、撹拌しながら95℃で6時間反応し、冷却した後、100メッシュの金網で水分を切り、その後純水で10回洗浄した。その後、100℃で10時間乾燥させ、110℃で17時間硬化させて硬化物粒子を得た。
(比較例1)
フェノール1000部、37%ホルムアルデヒド1466部、トリエチルアミン30部、純水1450部、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製クラレポバール28-98)10.5部をフラスコに仕込み、95℃で6時間反応し、冷却した後、100メッシュの金網で水分を切り、その後純水で10回洗浄した。その後、100℃10時間硬化させ、110℃で17時間硬化させ硬化物粒子を得た。
(比較例2)
フェノール1000部、37%ホルマリン973部、予めヒドロキシエチルセルロース10gを溶解した水溶液500部、水75gを仕込み、33%トリエチレンテトラミン水溶液273部を30~40℃で1時間かけて添加し、次いで60℃で1時間、90℃で2時間反応させた。さらにオートクレーブで密封130℃、500rpmで1時間反応した。この時系の圧力は2.5~3.3kg/cmになった。次いで50℃以下に冷却し、水1150部を添加し攪拌した後静置し、上澄液を除去した。更に水2500gを導入し80℃に昇温して10分間攪拌する操作で洗浄した。更に水2500gによる水洗を2回繰り返し、その後、80℃10時間硬化させ、100℃で1時間硬化させ硬化物粒子を得た。
実施例および比較例の硬化物粒子について、以下の評価を行った。
・重量減少率:以下の炭化条件bで示す方法で当該硬化物粒子を炭化物粒子とし、当該炭化子について以下の測定条件cで示す方法で重量減少率を測定した。
(炭化条件b)
当該硬化物粒子を炭化処理することで炭化物粒子とした。
JIS K-6910 固定炭素分の測定に準じた方法で炭化物を作成することで炭化物粒子とする。
(測定条件c)
目開き212μmの金網を備える篩に上記の炭化物粒子を入れてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い5分間篩分けしたあとの質量をAとし、次いで、前記篩にさらに粒径3mmのセラミックビーズ100gを加えてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い3分間篩分けした後の質量をBとしたとき、下記式(1)で算出した。
重量減少率(%)=(A-B)/A×100 (1)
・平均粒子径
硬化物粒子の平均粒子径を測定した。測定は、レーザー回折粒度分布測定装置(HORIBA製:LA-950V2)を用いて行った。
評価結果を表1に示す。なお、単位はμmである。
・耐衝撃性
目開き300μmの金網を備える篩に球状硬化物(硬化物粒子)を入れて5分間篩分けしたあとの質量をCとし、高速振動試料粉砕機(HEIKO SAMPLE MILL、HEIKOSEISAKUSHO,LTD)に上記の篩分けした後の質量Cの硬化物粒子を入れ、20秒粉砕し、目開き300μmの金網を備える篩で10分間篩分けし、篩上に残った重量Dを測定し、D/C比を算出した。この重量比(D/C)が大きい方が耐衝撃性に優れている。
Figure 0007413725000001
1 フェノール樹脂
2 熱可塑性樹脂
10 硬化物粒子
20 炭化物
30 空隙
40 炭化物粒子

Claims (8)

  1. フェノール樹脂と、前記フェノール樹脂中に分散した熱可塑性樹脂と、を含み、前記フェノール樹脂が硬化された硬化物粒子であり、
    前記熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、及び飽和ポリエステル系樹脂からなる群より選択される1種以上であり、
    当該硬化物粒子が以下の条件aを満たす、硬化物粒子。
    (条件a)
    以下の炭化条件bで示す方法で当該硬化物粒子を炭化物粒子とし、当該炭化物粒子について以下の測定条件cで示す方法で測定した重量減少率が、20%以上80%以下である。
    (炭化条件b)
    JIS K-6910 固定炭素分の測定に準じた方法で炭化物を作成することで炭化物粒子とする。
    (測定条件c)
    前記硬化物粒子の平均粒子径に対して50~90%の範囲に入る大きさの目開きの金網を備える篩に前記炭化物粒子を入れてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い5分間篩分けしたあとの質量をAとし、次いで、前記篩にさらに粒径3mmのセラミックビーズ100gを加えてJIS K-6910 ふるい残 5.9.2ふるい残B法(ロータップ法)の装置・器具に従い3分間篩分けした後の質量をBとしたとき、下記式(1)で算出される。
    重量減少率(%)=(A-B)/A×100 (1)
  2. 前記フェノール樹脂はレゾール型フェノール樹脂である、請求項1に記載の硬化物粒子。
  3. 前記熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される1種以上である、請求項1または2に記載の硬化物粒子。
  4. 前記熱可塑性樹脂の含有量は、当該硬化物粒子100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の硬化物粒子。
  5. 平均粒径が、5μm以上1000μm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の硬化物粒子。
  6. 充填材またはブラスト材として用いられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の硬化物粒子。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の硬化物粒子を用いた充填材。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載の硬化物粒子を用いたブラスト材。
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