JP7391524B2 - 海島型複合繊維束及びそれからなる表面凹凸繊維束 - Google Patents

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本発明は、繊維の表面に斑のないフィブリル調の風合いを有する表面凹凸繊維束及びその製造方法に関する。
従来、織編物表面に毛羽状外観を付与する方法として、有機スルホン酸金属塩などを添加配合したポリエステルからなる繊維を織編物となし、織編物表面にアルカリ水溶液による加水分解処理を施してバッフィング処理を行うか、若しくはバッフィング処理を施した後アルカリ加水分解処理を行うことにより、ポリエステル繊維をミクロフィブリル化して織編物表面に毛羽を形成せしめる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ポリエステルに非相溶である有機スルホン酸金属塩やポリアルキレングリコール類などをブレンドして得られるポリエステル繊維では、有機スルホン酸金属塩などのポリエステル繊維内での分散状態をコントロールすることが難しく、織編物を構成する繊維間でフィブリル化の程度に斑が生じ、織編物の表面に筋状の斑が発生し、織物品位が劣化するという問題があった。そこでフィブリル調を有する斑の少ない繊維が求められていた。
特開2004-156172号公報
本発明の目的は、均一な表面凹凸を有するフィブリル調を有する表面凹凸繊維束及びその製造方法に関する。
上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に達した。すなわち、本発明によれば、
1.海島型複合繊維において、島成分を易溶解ポリマーとし、海成分を難溶解ポリマーとした海島複合繊維で、島成分直径をrとすると、海島型複合繊維の外周と最外層の島成分の間隔dが0≦d<0.5rとなる海島型複合繊維束、
2.前記1記載の海島型複合繊維束で、島成分直径rが50~5000nmとなる海島型複合繊維束、そして、
3.前記1、または2記載の海島型複合繊維束をアルカリ溶液で減量加工した際に、繊維横断面方向において、最外層の海ポリマーが欠損しることによって形成された凹凸を有する表面凹凸繊維束で、その欠損数が最外周の島数をnとした際にn/2以上である凹凸を有する表面凹凸繊維束、
4.前記3記載の凹凸を有する表面凹凸繊維束において、凹凸部の高さhが0.5r<h<rとなる凹凸部を有する表面凹凸繊維束
5.繊維横断面方向において、更に表面から内部にかけて複数の中空を有する前記3、または4記載の表面凹凸繊維束であり、
さらには、
6.前記1、または2記載の海島型複合繊維束の製造方法であって、口金の外周と最外層の島成分の間隔は海島型複合繊維束の島成分を吐出する最外周孔と中心までの距離xと海島型複合繊維を集合させる孔と中心までの距離Xの差が-2r<X-x<4rである口金を用いて紡糸することを特徴とする海島型複合繊維束の製造方法、である。
繊維表面の凹凸が均一な繊維束を製造でき、それを含む布帛は、斑が少なく品位の高いフィブリル調の風合いを呈することができる。更には、海島型複合繊維の島成分を更に内部方向にも設けて減量することで、表面凹凸と多孔中空部を兼備する軽量かつソフトな風合いを布帛に賦与する表面凹凸多孔中空繊維束を提供することができる。
本発明の海島型複合繊維の紡糸で用いた紡糸口金の孔部の断面構造(吐出方向)の一例を示す。 本発明の海島型複合繊維の繊維方向に対して垂直の単糸断面形状の一例を示す。 本発明の減量後の表面凹凸繊維断面図の一例を示す。 本発明の海島型複合繊維口金の一例を示す。 本発明の海島型複合繊維口金の他の態様の一例を示す。 本発明の減量後の表面凹凸繊維断面図の他の態様の一例を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の海島型複合繊維束は、溶解性の異なる2種類のポリマーからなり、繊維横断面において易溶解ポリマーを島成分、難溶解ポリマーを海成分として複合化した海島型複合繊維束からなる。以下、島成分を構成する易溶解ポリマーを島成分ポリマー、海成分を構成する難溶解ポリマーを海成分ポリマーと称することがある。ここで、繊維束とは、織編物などの布帛は、数本の単糸からなるマルチフィラメントの形で使用されるため、マルチフィラメントの意味として、単糸と区別するために用いている。
前記の海成分ポリマーは、島成分ポリマーよりアルカリ水溶液に対する減量速度が1/200倍、好ましくは1/300倍と十分に遅い条件を満たしていれば何を用いてもよい。好ましく用いられる海ポリマーの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等に代表されるポリアルキレンテレフタレートまたはポリアルキレンナフタレートおよびそれらに第3成分を共重合したポリエステル系ポリマー、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610などの脂肪族ポリアミド、脂環族ポリアミド、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリスチレン等のポリオレフィンらが挙げられる。
更には、後述する、繊維内部にも多孔中空を形成させ、軽量性やソフトな風合いを付与する表面凹凸多孔中空繊維とするには、海成分に、公定水分率が3%以上のポリマーを選択することが好ましい。ここで「公定水分率」とは、JIS L 0105:2006で定義された通常の状態で繊維が有する繊維質量と絶乾時の繊維質量の差を通常の状態で繊維が有する繊維質量で割った値である。海成分ポリマーの公定水分率が3%未満のポリマーである場合、海島型複合繊維束をアルカリ水溶液でアルカリ減量処理して表面凹凸多孔中空繊維束を製造するにあたり、複合繊維の中心付近の島成分ポリマーを溶解除去することが困難となり、結果として、中空率や中空孔の数が減少することとなる。
また、海成分ポリマーは、海島型複合繊維束のアルカリ水溶液処理時の海成分ポリマーの劣化、損傷を回避するために、耐アルカリ性はなるべく高いことが好ましい。前記の海成分ポリマーの、耐アルカリ性の要件とは、100℃、濃度40g/l、処理時間1時間の条件での水酸化ナトリウム水溶液による減量率が10%以下であるポリマーが好ましい。
前記の公定水分率が3%以上である耐アルカリ性ポリマーとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等の脂肪族ポリアミド、ビニロン、エチレンビニルアルコ-ル系共重合体等が好適である。また、これらの海成分ポリマーの重合度は、一般衣料用に用いられる範囲内であり、繊維形成が可能な範囲であればよい。なお、これらの海成分ポリマーには酸化チタン等の艶消剤、顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の通常の繊維用添加剤を加えて用いてもよい。
前記の島成分ポリマーは、アルカリ水溶液への溶解性および良好な島形状成型性を有する必要がある。好ましい例としては、ポリエチレングリコール系化合物と5-ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステル等を用いることができる。具体的には、5-ナトリウムスルホイソフタル酸6~12モル%と分子量4000~12000のポリエチレングリコールを2~10質量%共重合させた、固有粘度が0.3~0.6dL/gのポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。ここで、5-ナトリウムスルホイソフタル酸は親水性とアルカリ減量性(島成分溶解除去速度)向上に寄与し、ポリエチレングリコール(PEG)は親水性を向上させ、かつ樹脂粘度を低下する作用がある。
5-ナトリウムスルホイソフタル酸が6モル%未満であると島成分ポリマーの溶解速度が遅くなるため好ましくない。また一方12モル%を超えると、固有粘度が低下し、紡糸性が悪くなるので好ましくない。また、PEG共重合量が2質量%未満であると島海成分ポリマーの溶解速度が遅くなり、かつポリマーの粘度が高くなることで、海島型複合繊維の形成ができなくなる。一方、10質量%を超えると、溶融粘度の低下作用が著しくなり、繊維成型が困難となる。
前記の海島型複合繊維を構成する海成分ポリマーの質量比率は、目的に応じて選定されるが、図5記載の口金を用いて紡糸され、図6記載のような表面のみに凹凸を出すことを目的とした海島型複合繊維の場合は99.5~80質量%が好ましい。より好ましくは99~85質量%、更に好ましくは98~90質量%である。図5記載のように表面のみにアルカリ減量によって溶解除去されうる島成分が1列~数列存在すれば、フィブリル調の表面凹凸を得ることが可能であるから、島成分の質量比率は小さくてもよい。なお、フィブリル調を得るために必要な島数は10~2000であり、好ましくは15~1000、更に好ましくは20~800である。また、島成分直径(r)については、50~5000nmの範囲であり、好ましくは100~3000nm、更に好ましくは150~1500nmである。このrの範囲を外れると、いずれも品位のよいフィブリル調外観が得られない。
また、図4記載の口金を用いて図3記載のような表面凹凸と繊維内部に多孔中空部を有する繊維を得ることを目的とした図2記載のような海島型複合繊維の場合は、海成分ポリマーの質量比率は、20~80質量%が好ましい。好ましくは25~75質量%、更に好ましくは30~70質量%である。海成分の割合が20質量%より小さくなると、海成分を溶解後に中空部がつぶれてしまい、軽量性や吸水性、柔軟性が失われることから好ましくない。一方、海成分の割合が80質量%より大きい場合は、中空部が小さく、望ましい軽量性や吸水性、柔軟性が得られない。
前記の島成分ポリマーと海成分ポリマーを用いた海島型複合繊維の、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度は島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。かかる関係にある場合には、島成分の複合質量比率が80質量%以上となっても、島成分同士が接合したり、島成分の大部分が接合して海島型複合繊維とは異なるものになり難い。
好ましい溶融粘度比(海/島)は、0.1~6.0、より好ましくは0.2~4.0の範囲である。この比が0.1倍未満の場合も6.0倍を越える場合も、粘度差が大きすぎるために溶融紡糸時に海と島の形成が不安定になるので、紡糸調子が低下しやすい。
なお、表面凹凸と内部多孔中空構造を併せ持つ場合に、適度な島数の範囲は50~10000であることが好ましく、より好ましくは70~9000、更に好ましくは90~8000である。ここで、島数50未満の場合は、口金の島成分挿入の配置にもよるが、望ましいフィブリル調の表面凹凸や内部多孔中空による軽量性、吸水性、ソフトな風合いを得ることが難くなる。また、島数が多くなりすぎると紡糸口金の製造コストが高くなる、繊維束の総繊度が大きくなり、布帛のソフトさが劣る、等といったデメリットが生じる。
また、島成分直径(r)については、50~5000nmの範囲であり、好ましくは100~3000nm、更に好ましくは150~1500nmである。このrの範囲を外れると、いずれも品位のよいフィブリル調外観が得られず、また、内部多孔中空による軽量性、吸水性、柔軟性が中空のないものに比べての差が小さくなる。
なお、島成分の形状は何ら限定されず、円形でも楕円形でもその他の異形形状でもよい。また、島成分直径をrとすると、海島型複合繊維の外周と最外層の島成分の間隔dが0≦d<0.5rであり、好ましくは0≦d≦0.35r、より好ましくは0≦d≦0.2rとすることが好ましい。(図2参照)
海島型複合繊維の外周と最外層の島成分の間隔がd≧0.5rとなった場合、海島型複合繊維外径の欠損による凸凹が生じることが困難となり、均一なフィブリル調風合いを得ることが難しい。
この海島型複合繊維の外周と最外層の島成分の間隔は、海島型複合繊維の島成分を吐出する最外周孔と中心までの距離xと海島型複合繊維を集合させる孔と中心までの距離Xの差によって制御することができ、-2r<X-x<4rの範囲とすることが好ましい。(図1参照)
X-xが-2r以下となると、最外周の島成分ポリマー同士が融着し、凹凸を生じず柔らかなフィブリル調の風合いを得ることができない。またX-xが4r以上となる場合、海島型複合繊維の外周と最外層の島成分の間隔が大きくなり、海島型複合繊維外径の欠損による凸凹が生じることがなく、ソフトなフィブリル調風合いを得ることが難しい。
加えて、海島型複合繊維の単糸繊度は0.3~5dtexとすることが望ましい。単糸繊度が0.3dtexより小さいと、糸切れせず巻き取ることが難しく安定した生産が困難である。また、単糸繊度が5dtexを超える場合、アルカリ減量をして中空繊維束を作製しても、ソフトな風合いを有する布帛とならず、好ましくない。
また、本発明の表面凹凸繊維束は、アルカリ減量前の海島型複合繊維の最外周の島数をnとした際にその欠損数がn/2以上となることが好ましい。欠損数がn/2未満であればフィブリル調に斑や分布が生じ、品位や風合いが損なわれる。ここで、欠損とは海島型複合繊維を減量後、島成分の最外周部分が減量された際、最外周島成分を取り囲む海成分がなくなることで海島型複合繊維の表面に凹凸を生じることである。このときの減量後の海島型複合繊維の糸断面の例として図3があげられる。
さらに、繊維表面の凹凸部の高さhが0.5r<h<rとなることが望ましい。(図3参照)
hが0.5r以下の場合は柔らかなフィブリル調の風合いを得ることができない。また表面凹凸部の高さは海島型複合繊維の島成分直径に依存することからr以上に大きくすることは難しい。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。各評価項目は下記の方法で測定した。
(1)公定水分率
JIS L 0105:2006に従い、通常の状態で繊維が有する繊維質量と絶乾時の繊維質量の差を通常の状態で繊維が有する繊維質量で割った値から算出した。
(2)島成分直径(r)
海島型複合繊維を繊維長方向と垂直の方向に繊維断面を切断し、繊維断面を30,000倍でTEM観察により、1本の複合繊維内の中空孔直径を測定し、その30点平均から島成分直径を測定した。
(3)海島型複合繊維の外周と最外層の島成分の間隔(d)
海島型複合繊維を繊維長方向と垂直の方向に繊維断面を切断し、繊維断面を30,000倍でTEM観察により、1本の複合繊維内の繊維外周と最外層島成分の間隔を測定し、その30点平均から島成分直径を測定した。この時0≦d<0.5rとなる場合が良好とした。
(4)表面凹凸高さ(h)
海島型複合繊維をアルカリ減量して得た表面凹凸繊維束を繊維長方向と垂直の方向に繊維断面を切断し、繊維断面を30,000倍でTEM観察により、1本の複合繊維内の凹部高さh(nm)を測定し、全数~最大30点平均から平均凹部高さ(h)を測定した。このとき、0.5r<h<rとなる場合が良好とした。
(5)表面凹凸の欠損率
海島型複合繊維をアルカリ溶液で減量加工した際に、繊維横断面方向において、最外層の海ポリマーが欠損することによって形成された、凹凸を有する表面凹凸繊維束で、その欠損数が最外周の島数をnとした際にn/2(50%)以上となれば良好とした。
(6)フィブリル調官能試験
実施例、比較例で得られた表面凹凸(多孔中空)繊維束を400回/mの撚りを掛け、経緯使いの平織り組織で製織し、80℃で精錬・リラックス処理、160℃・45秒でプレセット乾熱処理を行った。ついで120℃・30分で染色を行い、自然乾燥した後、160℃・45秒でファイナルセットを行い、フィブリル調を有するかどうか5人の検査員により官能検査を行った。4人以上の検査員がフィブリル調を有するとした場合〇、3人以下の人がフィブリル調を有するとした場合は×とした。
[実施例1]
海成分に公定水分率4.5%、Tg47℃のポリアミド6(Ny6)を用い、島成分に平均分子量4000のポリエチレングリコール(PEG)を3質量%、5-ナトリウムスルホイソフタル酸(SIP)を9mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET共重合1)を用いて、島数90/1フィラメント、最外周の島成分数は30島、24フィラメント、X-x=2rとなる海島型紡糸口金(図4参照)を用いて溶融紡糸し、1000m/minで巻取りを行い3倍に延伸を行った。この時、島成分と海成分ポリマーの質量吐出比は50:50であった。得られた海島型複合繊維束の外周と最外層の島成分の間隔(d)は200nmであり、島成分の直径は1200nm、海島型複合繊維束の総繊度は56dtex/24フィラメント(単糸繊度2.3dtex)であった。その後3.5質量%、80℃の水酸化ナトリウム水溶液へ40分間浸漬し、島成分ポリマーを溶解した。得られた表面凹凸多孔中空繊維束は中空率50%であり、中空孔径は1200nm、表面に高さ1000nmの凹凸を有していた。また表面凹凸多孔中空繊維束の欠損率は80%であった。5人の検査員がフィブリル調を有していると判定した。詳細は表1に示す。
[実施例2]
X-x=rとなる、島数30/1フィラメント、最外周の島成分数は30島、24フィラメントを用いた以外は海島型紡糸口金(図5参照)を用いて溶融紡糸し、実施例1と同様の方法で海島複合繊維束を作製した。海島型複合繊維束の外周と最外層の島成分の間隔(d)は100nmであり、島成分の直径は2000nm、海島型複合繊維束の総繊度は56dtex/24フィラメント(単糸繊度2.3dtex)であった。結果、得られた表面凹凸繊維束の中空率0%であり、表面に高さ1500nmの凹凸を有しており、欠損率は90%であった。5人の検査員がフィブリル調を有していると判定した。詳細は表1に示す。
[比較例1]
X-x=5rとなる、島数90/1フィラメント、最外周の島成分数は30島、24フィラメントを用いた以外は実施例1と同様の方法で海島型複合繊維束を作製した。海島型複合繊維束の外周と最外層の島成分の間隔(d)は1000nmであり、島成分の直径は1200nm、海島型複合繊維束の総繊度は56dtex/24フィラメント(単糸繊度2.3dtex)であった。結果、得られた表面凹凸多孔中空繊維束は中空率50%であり、中空孔径は1200nmであったが、表面に凹凸を有しておらず、欠損率は0%であり、5人の検査員がフィブリル調を有していないと判定した。詳細は表1に示す。
[比較例2]
X-x=2rとなる、島数90/1フィラメント、最外周の島成分数は30島、24フィラメントを用い、海成分ポリマーに公定水分率4.5%、Tg47℃のポリアミド6(Ny6)を用い、島成分に公定水分率0.4%のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で海島複合繊維束を作製した。海島型複合繊維束の外周と最外層の島成分の間隔(d)は200nmであり、島成分の直径は1200nm、海島型複合繊維束の総繊度は56dtex/24フィラメント(単糸繊度2.3dtex)であった。その後、海島型複合繊維束を3.5質量%、80℃の水酸化ナトリウム水溶液へ40分間浸漬し、島成分ポリマーを溶解しようとしたが、質量減少は5%にとどまり、凹凸を有しておらず、欠損率は0%であり、5人の検査員がフィブリル調を有していないと判定した。詳細は表1に示す。
[実施例3]
X-x=rとなる、島数90/1フィラメント、最外周の島成分数は30島、24フィラメントを用い、海成分ポリマーに公定水分率0.4%、Tg70℃のポリエチレンテレフタレートを用いた以外は実施例1と同様の方法で海島複合繊維束を作製した。海島型複合繊維束の外周と最外層の島成分の間隔(d)は100nmであり、島成分の直径は1200nm、海島型複合繊維束の総繊度は56dtex/24フィラメント(単糸繊度2.3dtex)であった。結果、得られた表面凹凸多孔中空繊維束は中空率50%であり、中空孔径は1200nm、表面に高さ900nmの凹凸を有していた。また表面凹凸多孔中空繊維束の欠損率は70%であった。5人の検査員がフィブリル調を有していると判定した。詳細は表1に示す。
[実施例4]
X-x=0.5rとなる、島数836/1フィラメント、最外周の島成分数は32島、10フィラメントの図4に示す種類の口金を用い、海成分ポリマーの比率を30質量%とした以外は実施例1と同様の方法で海島複合繊維束を作製した。海島型複合繊維束の外周と最外層の島成分の間隔(d)は50nmであり、島成分の直径は700nm、海島型複合繊維束の総繊度は56dtex/10フィラメント(単糸繊度5.6dtex)であった。結果、得られた表面凹凸繊維束は中空率70%であり、中空孔径は700nm、表面に高さ400nmの凹凸を有していた。また表面凹凸多孔中空繊維束の欠損率は100%であり、5人の検査員がフィブリル調を有していると判定した。詳細は表1に示す。
Figure 0007391524000001
本発明の海島型複合繊維束の易溶解ポリマーからなる島成分をアルカリ水溶液によって溶解除去して得られる表面凹凸繊維は、布帛にした際、均一なフィブリル調の品位の高い外観を呈する。更には、繊維内部にも多孔中空部を付与することで、軽量感と柔軟な風合いを有する布帛や繊維構造体及びそれを用いた繊維製品を提供することができる。
X:島型複合繊維を集合させる孔と中心までの距離
x:海島型複合繊維の島成分を吐出する最外周孔と中心までの距離
d:海島複合繊維の外周と最外層の島成分の間隔
r:島成分直径

Claims (1)

  1. 海島型複合繊維において、島成分を易溶解ポリマーとし、海成分を難溶解ポリマーとした海島複合繊維で、島成分直径をrとすると、rが50~5000nmであり、海島型複合繊維の外周と最外層の島成分の間隔dが0≦d<0.5rとなる海島型複合繊維束を、アルカリ溶液で減量加工した際に、繊維横断面方向において、最外層の海ポリマーが欠損することによって形成された凹凸を有する表面凹凸繊維束で、その欠損数が最外周の島数をnとした際にn/2以上である凹凸を有し、更に繊維横断面方向において、表面から内部にかけて複数の中空を有することを特徴とする表面凹凸繊維束。
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