以下の説明における画像形成装置の例としては、複写機、プリンタ、複合機、商業印刷装置等が挙げられる。外部のコンピュータから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録媒体に画像を形成する。記録媒体としては、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、コート紙、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布等の、様々な材質及び形状のシート材が用いられる。
実施例1に係る画像形成装置について説明する。図1は、本実施例に係る画像形成装置IFの断面構成を示す概略図であり、図2は感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの概略図である。図1に示すように、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCは画像形成装置IFの装置本体Aに装着され、記録媒体であるシートPに画像を形成するためのプロセスユニットPUを構成している。装置本体Aとは、画像形成装置IFから感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを除いた部分であり、画像形成装置IFの枠体を構成する金属フレームや筐体の表面を覆う外装カバーを含む。
プロセスユニットPUは、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な本実施例の画像形成ユニットである。また、感光体カートリッジBは本実施例の第1カートリッジであり、現像カートリッジCは本実施例の第2カートリッジである。
<画像形成装置の概略>
図1に示すように、本実施例の画像形成装置IFは、レーザビームを用いて感光ドラム62の表面に静電潜像を形成し、現像剤を用いて現像した画像をシートPに転写する電子写真式のレーザビームプリンタである。装置本体Aには、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの他に、露光手段としてのレーザスキャナ3、定着手段としての定着装置9、シート積載部としてのシートトレイ4が設けられている。また、装置本体Aは、シートトレイ4からシートPが搬送される方向に沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、及び排出トレイ11を有する。
図2に示すように、感光体カートリッジBは、感光ドラム62、帯電手段としての帯電ローラ66、クリーニング手段としてのクリーニング部材77を有する。本実施例の像担持体である感光ドラム62はドラム状の感光体である。現像カートリッジCは、現像剤担持体としての現像ローラ32、現像剤収容部としてのトナー室29、及びトナー供給室28を有する。帯電処理を行う帯電ローラ66、現像処理を行う現像ローラ32、転写処理を行う転写ローラ7、クリーニング処理を行うクリーニング部材77は、いずれも、電子写真プロセスにおいて感光体に働きかけるプロセス手段の例である。
画像形成装置IFがシートPに対する画像形成を開始する指令(プリントスタート信号)を受け取ると、感光ドラム62は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。バイアス電圧が印加された帯電ローラ66は、感光ドラム62の外周面に接触し、ドラム表面を一様かつ均一に帯電させる。レーザスキャナ3は、画像情報に基づいて変調されたレーザ光Lを(図1参照)、感光体カートリッジBに設けられたレーザ開口71bを介して感光ドラム62に照射し、ドラム表面に静電潜像を書き込む。
図2に示すように、現像カートリッジCにおいてトナー室29に収容されている現像剤は、順次、トナー供給室28へ送り込まれる。トナー供給室28において、現像ローラ32の内側に配置されたマグネットローラ34の磁力により、トナーTは現像ローラ32の表面に担持される。現像ローラ32と感光ドラム62とが対向する現像領域に到達したトナーTは、感光ドラム62の表面の電位分布に応じて現像ローラ32からドラム表面に転移する。これにより、ドラム表面の静電潜像がトナー像として可視像化される。
このようなプロセスに並行して、レーザスキャナ3による露光動作に同期したタイミングでシートPの給送が行われる。図1に示すピックアップローラ5aは、シートトレイ4に積載されたシート束の最上位のシートPに当接し、シートPをシートトレイ4から送り出す。給送ローラ対5bは、ピックアップローラ5aからシートPを受け取って1枚ずつ分離しながら搬送ローラ対5cへ搬送する。搬送ローラ対5cは、転写ガイド6を経由して、感光ドラム62と転写ローラ7との間の転写部にシートPを搬送する。転写ローラ7にバイアス電圧が加えられることにより、感光ドラム62に担持されたトナー像は転写部においてシートPに転写される。
トナー像が転写されたシートPは、感光ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bからなる回転体対と、加熱ローラ9aを介してシートPを加熱する熱源(例えば、ハロゲンランプ)を有し、シートPを挟持して搬送しながらシート上のトナー像に熱及び圧力を加える。これにより、トナー粒子が溶融し、その後固着することで、シートPに画像が定着する。画像の定着処理を受けたシートPは、排出ローラ対10によって装置本体Aの上部に設けられた排出トレイ11に排出される。
クリーニング部材77は、転写部においてシートPに転写されずに感光ドラム62に残った残留トナー等の異物を除去する。これにより、感光ドラム62の表面が清掃されて再び画像形成プロセスに使用可能な状態となる。
<プロセスユニットのカートリッジ構成>
次に、プロセスユニットPUの構成について説明する。なお、以下の説明において、感光ドラム62の回転軸線の方向(軸方向)及びこれに平行な現像ローラ32の軸方向を、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの基準軸方向(或いは長手方向)とする。基準軸方向において、装置本体Aから感光体カートリッジB及び現像カートリッジCが駆動力を受け取るためのカップリングが設けられている側を感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの駆動側とし、その反対側を非駆動側とする。
図2に示すように、感光体カートリッジBの筐体は、クリーニング枠体71と、クリーニング枠体71に溶着等の方法で固定された蓋部材72とによって構成される。クリーニング枠体71は、自身の開口部に配置された感光ドラム62を支持し、かつ、感光ドラム62の外周面に接触した状態の帯電ローラ66及びクリーニング部材77を支持している。クリーニング枠体71には上述のレーザ開口71bが設けられている(図18も参照)。また、蓋部材72はクリーニング枠体71の下側を覆う部材であり、クリーニング枠体71と共に、クリーニング部材77によって感光ドラム62から除去された廃棄物を収容する空間81を形成している。クリーニング部材77が回収する廃棄物の主な成分は、転写部においてシートに転写されなかった廃トナーであり、その他にシートPから感光ドラム62に付着した紙粉等も回収される。
感光ドラム62は、基準軸方向における両端部をクリーニング枠体71によって回転可能に支持され、装置本体Aに設けられた駆動源である駆動モータ(不図示)から駆動力を供給されて図中矢印R方向に回転駆動されるように構成されている。具体的に、図21に示すように、基準軸方向の駆動側においては、感光ドラム62の端部に設けられたボス部63がクリーニング枠体71に固定されているドラム軸受73の穴部73aに回転可能に嵌合している。一方、非駆動側においては、図19に示すように、クリーニング枠体71に設けられた穴部71cに圧入されたドラム軸78が、感光ドラム62の非駆動側の端部64に設けられた穴部に嵌合して感光ドラム62を回転可能に支持している。
クリーニング部材77は、ゴム等の弾性材料で形成されたブレード状の部材であるクリーニングブレード77aと、ブレードを支持する支持部材77bと、を有する。クリーニングブレード77aは、感光ドラム62の回転方向に対してカウンター方向に感光ドラム62に当接している。即ち、クリーニングブレード77aは、その先端部が感光ドラム62の回転軸線に近付くほど感光ドラム62の回転方向における上流側へ向かうように、ドラム表面との接点を通る感光ドラム62の径方向に対して傾斜している。また、感光ドラム62が配置されているクリーニング枠体71の開口部の縁部には、クリーニング枠体71から廃トナーが漏れることを防止するためのドラム当接シート65が、感光ドラム62に当接するように配置されている。
帯電ローラ66は、基準軸方向の両端部において、帯電ローラ軸受67を介してクリーニング枠体71によって回転可能に支持されている。また、帯電ローラ66は、帯電ローラ軸受67が付勢部材68により感光ドラム62に向けて加圧されることで、感光ドラム62に圧接されている。帯電ローラ66は、感光ドラム62に追従して回転する。なお、感光体カートリッジBから感光ドラム62及び帯電ローラ66を除いた部分(71,72,77)は、感光ドラム62のクリーニングを主な機能とするクリーニングユニット60を構成している。
現像カートリッジCは、現像ローラ32と、マグネットローラ34と、現像容器23と、現像ブレード42と、ローラ当接シート33とを有する。マグネットローラ34はマグネットローラ34の内側に配置され、現像容器23に対して固定されている。現像ブレード42及びローラ当接シート33は、現像ローラ32が配置されている現像容器23の開口部に配置されている。現像ブレード42は、現像ローラ32に担持されて現像領域へ向かうトナーTの層厚を規制すると共に、トナーTを摩擦帯電させる。ローラ当接シート33は、トナー供給室28のトナーTが現像カートリッジCの外部に漏れ出ることを防ぐ。
上述のトナー室29及びトナー供給室28は、現像容器23の内部に形成されている。トナー室29には第1搬送部材43、第2搬送部材44及び第3搬送部材50が配置されており、各搬送部材43,44,50は回転することでトナーTを撹拌する撹拌部材として機能し、トナーTを撹拌しながらトナー供給室28へ向けて搬送する。現像容器23は、基準軸方向の駆動側に固定される駆動側サイド部材26(図18参照)と共に、現像カートリッジCの筐体20を構成している。
現像ローラ32は、基準軸方向における両端部を、現像容器23に固定された軸受部材27,37(図18参照)により回転可能に支持されている。また、現像ローラ32の両端部には、現像ローラ32の外径に比べて若干大きな外径を有する間隔保持部材38(図18参照)が取り付けられている。間隔保持部材38が感光ドラム62の外周面に当接することで、現像領域における現像ローラ32と感光ドラム62との間に所定の微小な隙間が維持される。
図2に示すように、現像容器23にはトナー室29とトナー供給室28とを連通する開口部29a(破線で示す部位)が設けられている。装置本体Aに装着された現像カートリッジCが最初に使用されるまでは、この開口部29aがシール部材45によって封止され、トナーTがトナー室29に封入された状態となっている。シール部材45はポリエチレンなどの材料からなるシート状の部材で、一端側が開口部29aの周囲において現像容器23に溶着されており、他端側は第1搬送部材43に固定されている。そして、現像カートリッジCが最初に使用されるときに第1搬送部材43が回転すると、シール部材45は現像容器23との溶着部分が剥がされながら第1搬送部材43に巻き取られる。これによって開口部29aが開放されるため、トナーTがトナー供給室28に流入して現像ローラ32がトナーTを担持可能な状態となる。
<カートリッジの着脱>
次に、装置本体Aに対して感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを着脱するための構成について説明する。図3は、感光体カートリッジBと現像カートリッジCを着脱するために開閉扉13を開いた装置本体Aの斜視図である。開閉扉13は、装置本体Aの1つの側面に回動可能に設けられ、開閉扉13を開くことでカートリッジ挿入口17が開いた状態となる。本実施例の感光体カートリッジB及び現像カートリッジCは、共通の開口部であるカートリッジ挿入口17を介して矢印「D」の方向に挿入されることで装置本体Aに装着され、その反対方向に引き抜かれることで装置本体Aから取り外される。以下、図2における矢印「D」の方向を指してカートリッジの挿入方向Dとする。なお、本実施例では、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCが、装置本体Aに対して、基準軸方向Xに垂直な略同一の方向(図1における左右方向)に着脱されるものとして説明するが、着脱方向は適宜変更可能である。
装置本体Aは、装着状態の感光体カートリッジB及び現像カートリッジCに対して基準軸方向Xの駆動側から対向する駆動側板15と、非駆動側から対向する非駆動側板16とを有する。駆動側板15及び非駆動側板16には、感光体カートリッジBの着脱を補助するための後述のガイド部材が取り付けられている。また、現像カートリッジCの着脱を補助するためのトレイ18が、カートリッジ挿入口17を介して装置本体Aから引き出し可能に配置されている。
まず、感光体カートリッジBの着脱構成について説明する。図2で示すように、現像カートリッジCには、カートリッジの挿入方向Dに見て感光体カートリッジBに重なる部分23pが設けられている。この部分23pは、挿入方向Dにおいて感光体カートリッジBよりも上流側において、現像容器23の上面が上方に突出した形状であり、平面位置が異なるところで鉛直方向における位置が感光体カートリッジBと重なっている。これにより、感光体カートリッジBは、現像カートリッジCが装置本体Aに装着されている状態では着脱されず、図4で示すように現像カートリッジCが装着されていない状態で装置本体Aに装着可能となる。また、上記部分23pにより、挿入方向Dに視て感光体カートリッジBと重なる空間を利用して現像容器23の容積を増やすことができ、新品の状態においてトナー室29に封入されるトナー量及び/又は後述の廃トナー室30の容量を大きな値に設定できる。
図5は装置本体Aに対する感光体カートリッジBの挿入をガイドするガイド構成を示す斜視図である。装置本体Aには、本実施例の案内手段であるガイド部材19a,19bが設けられている(図3も参照)。感光体カートリッジBには、ガイド部材19a,19bによって案内される第1被ガイド部73e,71h及び第2被ガイド部71a,71gが設けられている。第1被ガイド部73e,71hは基準軸方向Xにおけるカートリッジの両側に設けられ、第2被ガイド部71a,71gも基準軸方向Xにおけるカートリッジの両側に設けられている。また、挿入方向Dに関して、第1被ガイド部73e,71hは第2被ガイド部71a,71gよりも下流に位置する。本実施例におけるこれらの被ガイド部は、いずれもカートリッジの側面から基準軸方向Xに突出する軸部材(ボス形状)である。
図6(a)~(c)は感光体カートリッジBを装置本体Aに装着する際のガイド部材19a,19bの作用を表している。なお、駆動側のガイド部材19a及びこれに対応する被ガイド部73e,71aの図示は省略するが、以下で説明する非駆動側の動作と同様の動作が行われる。まず、作業者(ユーザ又保守担当者)は第1被ガイド部73e,71hがガイド部材19a,19bの上面に接するように感光体カートリッジBを挿入方向Dに挿し込む(図6(a))。さらにガイド部材19bに沿って感光体カートリッジBを挿し込むと、第1被ガイド部71h及び第2被ガイド部71gの両方がガイド部材19bに接触して挿入方向Dにガイドされる(図6(b))。
さらに感光体カートリッジBが挿し込まれ、第1被ガイド部71hはガイド部材19bから離脱する。これと略同時に、駆動側の第1被ガイド部73eはガイド部材19aから離脱する。第1被ガイド部73e,71hがガイド部材19a,19bから離脱することで、感光体カートリッジBは、ガイド部材19a,19bに支持されている第2被ガイド部71a,71gを中心にして自重によって下方に揺動する。
なお、装置本体Aには、後述するように感光体カートリッジBの駆動側の端部を支持する駆動軸支持部材1、及び感光体カートリッジBの被駆動側の端部を支持する非駆動側支持部材12が設けられている。そして、挿入方向Dにおける感光体カートリッジBの位置に関して、ガイド部材19a,19bが第1被ガイド部73e,71hを支持可能な範囲は、駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12が感光体カートリッジBを支持可能な範囲と一部重複する。駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12が感光体カートリッジBを支持可能な範囲とは、具体的には図15、図16において各支持部材(1,12)の第2支持部1b,12bが感光体カートリッジBの被支持部(73d,71f)を支持可能な範囲を指す。駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12については後に詳しく説明する。
従って、第1被ガイド部73e,71hがガイド部材19a,19bから離脱すると、感光体カートリッジBは、挿入方向Dの下流側において駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12によって支持された状態となる。このとき、挿入方向Dの上流側においては第2被ガイド部71a,71gがガイド部材19a,19bによって支持されている。そして、感光体カートリッジBがさらに挿し込まれることで装置本体Aに対する所定の装着位置に到達すると、感光体カートリッジBは装置本体Aに対して位置決めされ、かつ、装置本体Aの駆動源に連結された状態となる(図6(c))。感光体カートリッジBの位置決め構成及び駆動伝達構成については後述する。
次に、現像カートリッジCの着脱構成について説明する。図7(a)、(b)に示すように、現像カートリッジCの着脱はトレイ18に支持された状態で行われる。本実施例の引き出し部材であるトレイ18は、装置本体Aに設けられたレールによって挿入及び引き出し可能に支持されている。トレイ18は、現像カートリッジCに設けられた被支持面20aを支持する支持面18a,18eと、トレイ18に対する現像カートリッジCの位置を規制する位置規制部18b,18fを有している。本実施例における位置規制部18b,18fは、支持面18a,18eから鉛直方向下方に凹んだ略矩形状の凹形状である。現像カートリッジCの底面における駆動側の端部には、図7(b)に示すように位置規制部18bに嵌合する被規制部20bが、被支持面20aに対して下方に突出した位置に設けられている。また、現像カートリッジの被駆動側の端部には、図7(a)に示すように位置規制部18fに嵌合する被規制部20fが、被支持面20aに連続する板状に形成され、かつ、被支持面20aから基準軸方向Xに突出するように設けられている。
図8に示すように、トレイ18の支持面18aは、トレイ18の挿入方向D1(本実施例では現像カートリッジCの挿入方向Dに同じ)の下流に延びるほど鉛直方向下方に向かうように水平面に対して傾斜している。位置規制部18bは、被規制部20bの引き出し方向D2(挿入方向D1の反対方向)へのトレイ18に対する相対移動を規制する第1規制面18cと、被規制部20bの挿入方向D1へのトレイ18に対する相対移動を規制する第2規制面18dとを有する。また、略鉛直方向に延びる第1規制面18cと支持面18aとは、面取り部である斜面18gによって接続されている。
なお、ここでは駆動側の構成を説明したが、非駆動側の支持面18e、位置規制部18fも同様の構成を備えている。即ち、図7(b)に示すように、位置規制部18fは、現像カートリッジCの被規制部20fの引き出し方向D2へのトレイ18に対する相対移動を規制する第1規制面18hを有する。また、位置規制部18fは、被規制部20bの挿入方向D1へのトレイ18に対する相対移動を規制する第2規制面18iを有する。また、略鉛直方向に延びる第1規制面18hと支持面18eとは、面取り部である斜面18jによって接続されている。
作業者がトレイ18を挿入方向D1に移動させるとき、現像カートリッジCは装置本体Aに設けられた部材から引き出し方向D2の力を受けることがある。このような場合でも、トレイ18の第1規制面18c,18hが現像カートリッジCの被規制部20b,20fを押圧することで、現像カートリッジCはトレイ18と一体的に挿入方向D1に向かって移動する。また、作業者がトレイ18を引き出し方向D2に移動させるとき、現像カートリッジCは装置本体Aに設けられた部材から挿入方向D1の力を受けることがある。このような場合でも、トレイ18の第2規制面18d,18iが現像カートリッジCの被規制部20b,20fを押圧することで、現像カートリッジCはトレイ18と一体的に引き出し方向D2に向かって移動する。
なお、本実施形態では被規制部20b,20fを凸形状とし、位置規制部18b,18fを被規制部20b,20fに嵌合する凹形状とする構成例を説明したが、他の形状によってトレイ18に対する現像カートリッジCの相対移動を規制してもよい。例えば、トレイ18の底面から上方に突出する1つ以上の凸部を設け、現像カートリッジCにこの凸部に嵌合する凹部を設けてもよい。この場合も、凸部と凹部が嵌合することで、現像カートリッジCのトレイ18に対する挿入方向D1及び引き出し方向D2への相対移動が規制された状態となり、トレイ18の挿入又は引き出しに伴って現像カートリッジCを移動させることができる。またトレイ18の平面座標において、図示された位置とは異なる任意の位置に、位置規制部18f,18f、被規制部20b,20fに相当する構成を設けるようにしても良い。これでも同様の作用を得ることができる。
図8~図12は、現像カートリッジCをトレイ18に支持させる動作を基準軸方向Xにおける駆動側から見た様子を表している。以下の説明では駆動側の動作について説明するが、非駆動側においても同様の動作が行われる。
図8に示すように、現像カートリッジCは、装置本体Aから現像カートリッジCの着脱が可能な所定の位置まで引き出された状態のトレイ18に対して上方からセットされる。作業者は、現像カートリッジCの把持部を把持した状態でカートリッジをトレイ18の上方から下方に向けて降ろす(矢印E)。すると、図9に示すように、被規制部20bの底面20eがトレイ18の支持面18aに当接する。支持面18aは傾斜しているため、現像カートリッジCを矢印G方向にスライドさせることで、作業者は被規制部20bが位置規制部18bに嵌合する位置まで現像カートリッジCを容易に移動させることができる。
図10に示すように、被規制部20bが位置規制部18bに近付くと、被規制部20bの底面20eが支持面18aから離脱して斜面18gに接する。斜面18gの傾斜は支持面18aよりも大きいため、現像カートリッジCの自重によって被規制部20bが斜面18gに沿って矢印H方向に滑落し、さらに斜面18gから離脱して矢印E方向に落下する。その結果、図11に示すように、現像カートリッジCの被規制部20bが位置規制部18bに嵌合し、かつ、被支持面20aが支持面18aに支持された状態となり、トレイ18へのセットが完了する。図11の状態では、現像カートリッジCの重量はトレイ18を介して装置本体Aに支持され、かつ、トレイ18に対する現像カートリッジCの水平方向の移動が規制されている。
この後、現像カートリッジCは、トレイ18に載せられた状態で挿入方向D1に挿入されることで装置本体Aに装着される。上述した通り、感光体カートリッジBは現像カートリッジCが装着されていない状態で装置本体Aに着脱されるように構成されている。従って、現像カートリッジCの装着動作は、通常、感光体カートリッジBが装置本体Aに装着されている状態で行われる。
<カートリッジの支持構成>
次に、装置本体Aに装着された状態における感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの支持構成について説明する。装置本体Aに装着された状態において、感光体カートリッジBは装置本体Aの駆動側板15及び非駆動側板16(図3)によって支持される。
図15に示すように、駆動側板15には、駆動軸支持部材1と、上述のガイド部材19aとが設けられている。駆動軸支持部材1は、第1支持部1a、第2支持部1b、ガイド溝1c、切欠き部1dが一体的に形成された部材であり、後述の第1駆動軸14を回転可能に支持している。感光体カートリッジBのドラム軸受73には、第1支持部1aに支持される第1被支持部73b、第2支持部1bに支持される第2被支持部73dが設けられている。基準軸方向Xにおける駆動側において、装着状態の感光体カートリッジBは、第1被支持部73b、第2被支持部73d及び第2被ガイド部71aがそれぞれ第1支持部1a、第2支持部1b及びガイド部材19aに当接した状態で、装置本体Aに支持される。駆動軸支持部材1のガイド溝1c及び切り欠き部1dについては後述する。
また、図16に示すように、非駆動側板16には、非駆動側支持部材12と、ガイド部材19bとが設けられている。非駆動側支持部材12は、第1支持部12a及び第2支持部12bを備えている。感光体カートリッジBのクリーニング枠体71には、第1支持部12a及び第2支持部12bに支持される突起71fが設けられている。基準軸方向Xにおける非駆動側において、装着状態の感光体カートリッジBは、突起71fが第1支持部12a及び第2支持部12bに当接し、第2被ガイド部71gがガイド部材19aに当接した状態で、装置本体Aに支持される。
次に、現像カートリッジCの支持構成について説明する。図18、図20に示すように、現像カートリッジCの基準軸方向Xにおける両端部には、第1支持穴23a及び第2支持穴23bが設けられている。本実施例の被係合部である第1支持穴23a及び第2支持穴23bはカートリッジの挿入方向Dに延びる溝形状であり、現像容器23に設けられている。
図19、図21に示すように、感光体カートリッジBの基準軸方向Xにおける両端部には、第1吊り穴71i,71i及び第2吊り穴71j,71jが設けられ、この第1吊り穴71i及び第2吊り穴71jにそれぞれ結合ピン69,69が圧入固定されている。ただし、図19は図18の円で示した部分を下側から見た斜視図であり、図21は図20の円で示した部分を下側から見た斜視図である。各結合ピン69は、基準軸方向Xに延びる軸状部材である。結合ピン69,69は、いずれも、第1支持穴23a及び第2支持穴23bに係合する本実施例の係合部である。
図12~図14は、現像カートリッジCが装置本体Aに挿入される過程で現像カートリッジCと感光体カートリッジBとが係合する様子を表している。以下、基準軸方向Xにおける駆動側から見た動作を説明するが、非駆動側においても第2支持穴23b及び結合ピン69によって同様の動作が実現される。
上述した通り、現像カートリッジCは、トレイ18に載置された状態で、トレイ18と共に挿入方向Dに向かって装置本体Aに挿入される。図12に示すように、第1支持穴23aの開口部には斜面23cが設けられており、現像カートリッジCが挿入される際には感光体カートリッジBの結合ピン69に対して斜面23cが最初に当接する。
斜面23cは、挿入方向Dの下流に向かって鉛直方向の上方へ向かうように水平面に対して傾斜している。従って、斜面23cが結合ピン69に当接した後、現像カートリッジCがさらに挿入されると、斜面23cが結合ピン69に乗り上げるようにして現像カートリッジCが上方に持ち上がる。そして、図13に示すように、第1支持穴23aが結合ピン69に係合した状態(斜面23cより溝形状の底部に近い領域が結合ピン69に当接した状態)となる。これに平行して、基準軸方向Xにおける反対側では、第2支持穴23bが斜面23cにおいて結合ピン69に当接した後、結合ピン69に係合する。
第1支持穴23a及び第2支持穴23bが結合ピン69に係合した状態では、現像カートリッジCの重量の少なくとも一部が結合ピン69を介して感光体カートリッジBに支持された状態となる。また、現像カートリッジCは結合ピン69を支点として現像ローラ32が感光ドラム62に接近及び離間する方向に揺動可能である。図14に示すように、トレイ18に設けた付勢部材100が現像カートリッジCの現像容器23の底面(底部)を上方に押圧することで、現像ローラ32は結合ピン69を中心としてI方向の付勢力を受ける。これにより、上述の間隔保持部材38が感光ドラム62に当接し、現像ローラ32が感光ドラム62に対して位置決めされる。本実施例の付勢手段である付勢部材100は、例えばトレイ18の底部に設置されたバネ部材である。
ここで、第1支持穴23a及び第2支持穴23bの斜面23cが結合ピン69に乗り上げるように現像カートリッジCが移動するとき、結合ピン69が斜面23cを押し返すことで、現像カートリッジCには挿入方向Dとは反対方向の力が作用する。しかし、上述したように、トレイ18に設けられた位置規制部18b,18fの第1規制面18c,18hが現像カートリッジCの被規制部20b,20fを挿入方向Dに押圧するため、現像カートリッジCはトレイ18と共に挿入方向Dへ移動できる。第1規制面18c,18hと被規制部20b,20fの上下方向における嵌合長さは、斜面23cが結合ピン69に乗り上げた状態でも第1規制面18c,18hと被規制部20b,20fとの当接が維持されるように設定される。
また、トレイ18を引き出す場合、第1支持穴23a及び第2支持穴23bから結合ピン69を離脱させる際に現像カートリッジCには引き出し方向とは反対の挿入方向Dの力が作用する。しかし、上述したように、トレイ18に設けられた位置規制部18b,18fの第2規制面18d,18iが現像カートリッジCの被規制部20b,20fを引き出し方向に押圧するため、現像カートリッジCはトレイ18と共に引き出し方向へ移動できる。第2規制面18d,18iと被規制部20b,20fの上下方向における嵌合長さは、結合ピン69が第1支持穴23a及び第2支持穴23bから抜け出る過程を通して第2規制面18d,18iと被規制部20b,20fとの当接が維持されるように設定される。
このように、本実施例では、感光体カートリッジBの着脱がガイド部材19a,19bによって案内され、現像カートリッジCの着脱がトレイ18に支持された状態で行われる。そして、現像カートリッジCを支持しているトレイ18を基準軸方向Xに交差する方向(挿入方向D)に挿入する動作により、装置本体Aに装着されている感光体カートリッジBと現像カートリッジCとが係合する。従って、画像形成ユニットが複数のカートリッジからなる構成において、カートリッジの交換作業を容易なものとし、ユーザビリティの高い画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することができる。
なお、本実施例では付勢部材100がトレイ18に設けられているが、付勢部材は現像ローラを感光ドラムに当接させる方向に力を働かせるように配置されていれば他の場所に設けてもよい。また、第1支持穴23a及び第2支持穴23bの溝形状は、本実施例のように挿入方向Dの上流に延びるほど鉛直方向上方に向かうように水平面に対して若干傾斜させておくと好適である。これにより、結合ピン69に係合した各支持穴が結合ピン69から離脱することを防ぐことができる。さらに、第1支持穴23a及び第2支持穴23bが結合ピン69に係合した状態における現像カートリッジCの姿勢を、現像カートリッジCに作用する重力により、第1支持穴23aが結合ピン69を付勢するようにすることでより一層離脱を防止できる。
また、付勢部材100は、トレイ18の挿入方向Dにおける上流側の端部に丸みを持たせた形状とすると好適である。これにより、トレイ18を装置本体Aに挿入する動作に伴って、現像カートリッジCを容易に付勢部材100の上に乗り上げることが可能となる。
また、本実施例では、トレイ18の挿入動作に伴って現像カートリッジCが付勢部材100に乗り上げるものとして説明したが、別の形態として、トレイ18の挿入動作後に所定の操作を行うことで付勢部材が現像カートリッジCを付勢するようにしてもよい。例えば、トレイ18の底面に付勢部材100が通過可能な開口部を形成すると共に、付勢部材100が開閉扉13(図3)の開閉に連動して移動するようにしておく。そして、トレイ18を挿入した後、開閉扉13を閉じることで付勢部材100がトレイ18の開口部を介して現像カートリッジCに当接する位置まで移動するようにする。また、開閉扉13を開くことで付勢部材100がトレイ18の開口部を介してトレイ18及び現像カートリッジCの引き出しを妨げない位置まで退避するようにすればよい。
<カートリッジへの駆動入力>
次に、装置本体Aから感光体カートリッジBへ駆動を入力する構成について説明する。図15に示すように、感光体カートリッジBと現像カートリッジCの基準軸方向Xにおける駆動側の側面には、装置本体Aから駆動力を受けるためのドラムカップリング70及び現像カップリング21が設けられている。ドラムカップリング70は、第1軸部材である装置本体Aの第1駆動軸14と連結される第1連結部を構成し、現像カップリング21は、第2軸部材である装置本体Aの第2駆動軸99と連結される第2連結部を構成する。なお、本実施形態のドラムカップリング70は感光ドラム62と同軸上に配置され(図21参照)、ドラムカップリング70及び感光ドラム62が一体回転するドラムユニットとして、ドラム軸受73によって回転可能に支持されている。
ドラムカップリング70及び現像カップリング21は、いずれも感光体カートリッジBと現像カートリッジCに対して傾斜可能(つまり、カップリング部材の回転軸線が基準軸方向Xに対して傾斜可能)な構成となっている。以下で説明するように、ドラムカップリング70及び現像カップリング21は、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを装置本体Aに挿入及び引き抜きする動作に伴って第1駆動軸14及び第2駆動軸99に係合及び離脱するように構成されている。
図23(a)に示すように、感光体カートリッジBが装置本体Aに装着されていないとき、ドラムカップリング70は第1の付勢部材であるねじりコイルばね24によって先端が挿入方向Dの下流側を向くように付勢されている。図23(b)に示すように、感光体カートリッジBが装置本体Aに挿入されるとき、感光体カートリッジBが装着位置に到達する前にドラムカップリング70が第1駆動軸14に係合する。つまり、第1駆動軸14に設けられたキー14aがドラムカップリング70のキー溝70aに嵌合し、第1駆動軸14の回転に伴ってドラムカップリング70が回転する状態となる。そして、ねじりコイルバネ24の付勢力に抗してドラムカップリング70が第1駆動軸14に押圧されることで、感光体カートリッジBが装着位置に到達したときはドラムカップリング70が概ね基準軸方向Xに延びている状態となる。
同様に、図23(c)に示すように、現像カートリッジCが装置本体Aに装着されていないとき、現像カップリング21は第2の付勢部材であるねじりコイルばね25によって先端が挿入方向Dの下流側を向くように付勢されている。図23(d)に示すように、現像カートリッジCが装置本体Aに挿入されるとき、現像カートリッジCが装着位置に到達する前に現像カップリング21が第2駆動軸99に係合する。つまり、第2駆動軸99に設けられたキー99aが現像カップリング21のキー溝21aに嵌合し、第2駆動軸99の回転に伴って現像カップリング21が回転する状態となる。そして、ねじりコイルバネ25の付勢力に抗して現像カップリング21が第2駆動軸99に押圧されることで、現像カートリッジCが装着位置に到達したときは現像カップリング21が概ね基準軸方向Xに延びている状態となる。
図23(d)に示す状態では、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCがそれぞれドラムカップリング70及び現像カップリング21を介して装置本体Aから駆動力を受け取ることが可能である。以上説明した通り、基準軸方向Xに対して傾斜可能なカップリング部材を配置したことで、カートリッジを装置本体に対して挿入及び引き抜きする動作によって、カートリッジと装置本体との駆動伝達を円滑に連結及び解除することが可能となる。
<感光ドラムの軸方向の位置決め>
次に、基準軸方向Xに関して感光体カートリッジBを位置決めするための構成を説明する。図15及び図22に示すように、装置本体Aの第1駆動軸14は、駆動側板15に設けられた駆動軸支持部材1によって回転可能に支持されている。駆動軸支持部材1には、感光体カートリッジBを装置本体に装着する際に基準軸方向Xにおけるカートリッジの位置を規制する規制部として、前述のガイド溝1cが設けられている。本実施例のガイド溝1cは、駆動軸支持部材1の第2支持部1bの上面から下方に凹み、かつ、カートリッジの挿入方向Dに延びる溝形状である。ガイド溝1cに対して挿入方向Dの下流側には前述の切欠き部1dが設けられている。
また、装置本体Aには、規制溝2aを有する規制部材2が設けられている。規制溝2aは、感光体カートリッジBが装置本体Aに装着されている状態で基準軸方向Xにおけるカートリッジの位置を規制するために装置本体に設けられた規制部として働く。規制溝2aは、略鉛直方向に延び、かつ、カートリッジの挿入方向Dの上流に向かって開放された溝形状である。
図21に示すように、感光体カートリッジBのドラム軸受73には、ガイド溝1cに嵌合する凸部74と、規制溝2aに嵌合する被規制部61とが設けられている。凸部74は、ドラム軸受73が駆動軸支持部材1の第2支持部1bに支持される第2被支持部73dから下方に突出している。また、被規制部61は、挿入方向Dにおけるドラム軸受73の端面(装着状態において規制部材2に対向する面)から挿入方向Dの下流に向かって突出している。
図24及び図25は、感光体カートリッジBを装置本体Aに装着する際の上述の位置決め構成の作用を説明するための図であり、図24(a)、(b)は基準軸方向Xから見た様子、図25(a)、(b)は上方から見た様子を表す。図24(a)及び図25(a)に示すように、感光体カートリッジBが挿入方向Dに挿入されていくと、ドラム軸受73の凸部74が駆動軸支持部材1のガイド溝1cに入り込む。これにより、基準軸方向Xにおける感光体カートリッジBの位置が規制されるため、ドラムカップリング70が感光体カートリッジBの挿入に伴って第1駆動軸14と円滑に連結される。
さらに感光体カートリッジBが挿入方向Dに移動すると、図24(b)及び図25(b)に示すように、ドラム軸受73の凸部74は駆動軸支持部材1の切欠き部1dに到達してガイド溝1cから離脱する。従って、凸部74とガイド溝1cとの嵌合による感光体カートリッジBの位置規制は解除される。一方、感光体カートリッジBが装着位置に到達するまでの間に、ドラム軸受73に設けられた被規制部61が装置本体Aに設けられた規制溝2aに嵌合する。これにより、感光体カートリッジBが装置本体Aに装着された状態においては、被規制部61と規制溝2aとの嵌合によって基準軸方向Xにおける感光体カートリッジBの位置決めがなされる。基準軸方向Xは画像形成プロセスにおける感光ドラム62の主走査方向であるため、このような位置決め構成で感光ドラム62の位置決めを高い精度で行うことで、画像品質の向上に貢献する。
なお、ガイド溝1c及び凸部74の基準軸方向Xのクリアランスは、必ずしも規制溝2a及び被規制部61の基準軸方向Xのクリアランスと一致させる必要はない。例えば、前者の値を後者の値より小さく設定して画像形成動作を行う際の感光ドラム62の位置決め精度を高めてもよい。また、本実施例ではカートリッジの装着時に位置決めを行う部分(ガイド溝1c及び凸部74)と、カートリッジが装着された状態で位置決めを行う部分(規制溝2a及び被規制部61)が別個に設けられているが、これらをまとめて配置しても構わない。例えば、ガイド溝1cを本実施例の切欠き部1dの範囲まで延長して、カートリッジが装着された状態でも凸部74がガイド溝1cに係合するようにしてもよい。
<カートリッジの取り外し>
感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを装置本体Aから取り外す場合は、以上で説明した装着動作の過程を逆にたどって取り外し作業を行えばよい。現像カートリッジCを取り外す場合、作業者は装置本体Aの開閉扉13を開いた状態でトレイ18を挿入方向Dの反対側に引き出す。すると、第1支持穴23a及び第2支持穴23bが結合ピン69,69から離脱して現像カートリッジCと感光体カートリッジBの係合が解除される。また、現像カップリング21は装置本体Aの第2駆動軸99から離脱する。トレイ18を所定の位置まで引き出した状態で現像カートリッジCをトレイ18から上方に持ち上げることで、現像カートリッジCの取り外しが完了する。その後、作業者はさらに感光体カートリッジBを取り外してもよく、新しい現像カートリッジCをトレイ18にセットして現像カートリッジCのみを交換してもよい。
本実施例では、感光体カートリッジBの耐用期間が、新品の現像カートリッジCに封入されているトナーが消費されるまでの平均期間に比べて長い構成となっている。従って、感光体カートリッジBを交換する必要がない場合は現像カートリッジCのみを交換することが可能である。
感光体カートリッジBを取り外す場合、作業者は、現像カートリッジCが取り外された状態で感光体カートリッジBを挿入方向Dの反対側に引き出す。すると、感光体カートリッジBは装置本体Aの駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12から離脱し、ドラムカップリング70は第1駆動軸14から離脱する。その後、ガイド部材19a,19bに沿ってカートリッジをさらに引き出すことで、感光体カートリッジBの装置本体Aからの取り外しが完了する。
<廃トナー搬送>
次に、クリーニング部材によって感光ドラムから回収される廃トナーを搬送するための構成について説明する。図17(a)は、感光体カートリッジBの内部構成を説明するために、図17(b)の切断線G-Gで切断した断面図である。図17(a)に示すように、クリーニング部材77(図2参照)によって感光ドラム62の表面から除去された廃トナーは、感光体カートリッジBの内部に配置された第1スクリュー86及び第2スクリュー87によって搬送される。第1スクリュー86及び第2スクリュー87は、本実施例において感光体からの廃棄物を搬送する搬送手段である。
第1スクリュー86は、感光ドラム62及びクリーニング部材77の近傍に、回転軸線が基準軸方向Xを向くように配置され(図2参照)、廃トナーを基準軸方向Xの駆動側に搬送する。第2スクリュー87は、感光体カートリッジBの内部において、第1スクリュー86の搬送方向における下流側の端部に、第1スクリュー86に対して交差する向きで配置されている。第1スクリュー86は上述のドラムカップリング70から駆動力を受け取って回転し、第2スクリュー87は第1スクリュー86から駆動力を受け取って回転する。なお、実施例3で詳しく説明するように、第1スクリュー86及び/又は第2スクリュー87が、現像カップリング21から駆動力を受け取って回転するようにしてもよい。
蓋部材72には、現像カートリッジCへ向けて廃トナーを排出可能な第1開口部としての廃トナー排出口72aが設けられている。廃トナー排出口72aは、第2スクリュー87の搬送方向において、第2スクリュー87の下流部分に対向する位置に設けられている。クリーニング部材77によって感光ドラム62から除去された廃トナーは、まず、第1スクリュー86によって基準軸方向Xに沿って搬送され、次に第2スクリュー87によって廃トナー排出口72aに搬送され、感光体カートリッジBの外部に排出される。
図26は感光体カートリッジBと現像カートリッジCとの位置関係を示す斜視図であり、図27(b)は、図27(a)に示すプロセスユニットPUを切断線J-Jで切断した断面図である。図26及び図27(b)に示すように、現像容器23の上面において廃トナー排出口72aと対向する位置には、廃トナーを受け入れるための第2開口部としての廃トナー受入口23dが設けられている。また、現像容器23には、カートリッジの挿入方向Dにおいてトナー室29に対して上流側(現像ローラ32から遠い側の端部)に、廃トナーを収容する収容部である廃トナー室30が設けられている。廃トナー排出口72aから排出された廃トナーは、廃トナー受入口23dを通って現像カートリッジCの廃トナー室30に流入する。
図28(a)は、現像カートリッジCを図28(b)に示す切断線K-Kで切断した断面図である。図27及び図28に示すように、廃トナー室30には第3スクリュー88が設けられている。第3スクリュー88は、基準軸方向Xに延びる廃トナー室30の内部に、軸線方向が基準軸方向Xを向くように(つまり、第1スクリュー86と略平行に)配置されている。また、第3スクリュー88は不図示のギア列を介して、現像カップリング21から駆動力を伝達されて回転する。以上の構成により、感光体カートリッジBから廃トナー受入口23dを通って現像カートリッジCの廃トナー室30に流入する廃トナーは、第3スクリュー88によって基準軸方向Xに適宜搬送されて廃トナー室30に充填される。
なお、感光体カートリッジBの廃トナー排出口72a及び現像カートリッジCの廃トナー受入口23dには、それぞれ不図示のシャッターが設けられている。感光体カートリッジB及び現像カートリッジCが装置本体Aに装着されている状態ではこれらのシャッターが開いた状態となり、廃トナー排出口72aと廃トナー受入口23dとが連通する。現像カートリッジCが装置本体Aから取り外された場合等、感光体カートリッジBと現像カートリッジCとが分離された状態では、それぞれのシャッターが閉まった状態となり、廃トナーが外に漏れるのを防止する。
このようなシャッター機構の具体的な構成例としては、次のものが挙げられる。各カートリッジの筐体に対して挿入方向Dにスライド可能なシャッター部材を配置すると共に、開口部を閉じる位置へ向けて各シャッターを付勢する付勢部材を配置する。そして、現像カートリッジCの挿入動作に伴って、現像カートリッジCの一部が感光体カートリッジBのシャッターを挿入方向Dにスライドさせて廃トナー排出口72aを開くようにする。また、これに並行して感光体カートリッジBの一部が現像カートリッジCのシャッターを挿入方向Dとは反対側にスライドさせて廃トナー受入口23dを開くようにすればよい。なお、例えば上方を向いている現像カートリッジCの廃トナー受入口23dについてはシャッターを設けずに開放状態としてもよい。
次に、実施例3に係る画像形成装置について説明する。実施例1、2と同様の構成については、実施例1、2と共通の符号を付して説明を省略する。
まず、図33及び図34を用いて、本実施例に係る第1カートリッジとしての感光体カートリッジB及び第2カートリッジとしての現像カートリッジCにおける駆動伝達について説明する。図33は、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの側面図である。ただし、駆動伝達に関する構成を可視化するために、現像カートリッジCの駆動側サイド部材26(図18)及び感光体カートリッジBのドラム軸受73(図18)の図示を省略している。図34は、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの断面図である。
前述のように、プロセスユニットPUは、装置本体Aに着脱可能であり、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを有する。感光体カートリッジB及び現像カートリッジCは、装置本体Aに挿入される。
また、装置本体Aからの駆動力は、第1駆動軸14(図22、図23参照)を介してドラムカップリング(第1の入力部に相当する)70に伝達され、第2駆動軸99を介して現像カップリング(入力部、又は第2の入力部に相当する)21に伝達される。これにより、現像ローラ32、感光ドラム62がそれぞれ回転する。言い換えれば、ドラムカップリング70と現像カップリング21は、装置本体Aから駆動を受けるように構成されている。
現像カートリッジCは、現像カップリング21と一体的に回転する現像カップリングギア310を有している。現像カップリングギア310は、現像カップリング21が第2駆動軸99と係合した状態で、現像カップリング21と同軸となるように構成されている。
現像ローラ32には現像ローラギア311が取り付けられている。第1搬送部材43には第1搬送ギア315が取り付けられている。第2搬送部材44には第2搬送ギア316取り付けられている。第3搬送部材50には、第3搬送ギア318が取り付けられている。第3スクリュー88には第3スクリューギア320が取り付けられている。
さらに、現像カートリッジCは、現像カップリングギア310とかみ合う第1アイドラギア(本実施例の駆動伝達部)312、第1アイドラギア312とかみ合う第2アイドラギア313、第2アイドラギア313とかみ合う第3アイドラギア314を有する。第3アイドラギア314は、第1搬送ギア315及び第2搬送ギア316とかみ合っている。また、現像カートリッジCは、第2搬送ギア316及び第3搬送ギア318にかみ合う第4アイドラギア317と、第3搬送ギア318及び第3スクリューギア320にかみ合う第5アイドラギア319を有する。第1アイドラギア312は、回転軸線(第2回転軸線)の周りに回転可能である。また、各ギアの回転軸線方向は平行である。
一方、感光体カートリッジBにおいて、第1スクリュー86には第1スクリューギア323が取り付けられている。また、感光体カートリッジBは、第1アイドラギア312とかみ合う被駆動ギア(本実施例の被駆動部)321、被駆動ギア321及び第1スクリューギア323とかみ合う中間ギア322を有する。被駆動ギア321は、回転軸線(第1回転軸線)の周りに回転可能である。
ドラムカップリング70は、装置本体Aからの駆動を受け、感光ドラム62と共に、矢印R方向に回転する。感光ドラム62は、装置本体Aの転写ローラ7(図1参照)に駆動を伝達するように構成されている。
また、現像カップリング21が装置本体Aからの駆動を受けて回転することで、現像カップリングギア310が、現像カップリング21と同じ回転方向である図34の矢印SS方向に回転する。現像カップリングギア310が回転することで、現像カートリッジCに設置された第1アイドラギア312、現像ローラギア311が回転する。現像ローラギア311が回転することで、現像ローラ32は現像ローラギア311と同じ方向に回転する。
第1アイドラギア312からの駆動を受け、第2アイドラギア313、第3アイドラギア314へと駆動が伝達される。第3アイドラギア314の回転によって、第1搬送ギア315及び第2搬送ギア316が回転する。第2搬送ギア316から、第4アイドラギア317、第3搬送ギア318、第5アイドラギア319及び第3スクリューギア320に駆動が伝達される。こうして、装置本体Aから現像ローラギア311、第1搬送部材43、第2搬送部材44、第3搬送部材50、第3スクリュー88に駆動が伝達される。
ここで、前述のように、現像カートリッジCは、感光体カートリッジBから分離可能に構成されている。また、装置本体Aに感光体カートリッジBが装着された状態で、現像カートリッジCが装置本体Aに着脱可能である。より具体的には、現像カートリッジCの第1支持穴23a、第2支持穴23bが、クリーニング枠体71に設置された結合ピン69と係合する。これにより、現像カートリッジCは、感光体カートリッジBに結合される。
装置本体Aに感光体カートリッジBと現像カートリッジCが装着された状態で、第1アイドラギア312は、感光体カートリッジBに設置された被駆動ギア321と直接かみ合う。第1アイドラギア312は、現像カップリング21が装置本体Aから受けた駆動力を、被駆動ギア321へと伝達する。
被駆動ギア321に伝達された駆動は、中間ギア322を回転させ、中間ギア322を介して第1スクリューギア323へと伝達される。そして、第1スクリューギア323と第1スクリュー86が回転する。
つまり、本実施例においては、回転体の一例である第1スクリュー86は、現像カップリング21に伝達された駆動で回転される。
一方、第1スクリュー86と同じく感光体カートリッジBに設けられる感光ドラム62は、上述した通り、ドラムカップリング70に伝達された駆動で回転される。言い換えると、本実施例の第1カートリッジには、第1の入力部を介した駆動伝達によって回転する部材(感光ドラム62)と、第2カートリッジに設けられた第2の入力部を介した駆動伝達によって回転する部材(第1スクリュー86)との両方が存在する。
なお、前述のように、第2スクリュー87は第1スクリュー86から駆動力を受け取って回転する。クリーニング部材77によって感光ドラム62から除去された廃トナーは、まず、第1スクリュー86によって基準軸方向Xに沿って搬送され、次に第2スクリュー87によって廃トナー排出口72aに搬送され、感光体カートリッジBの外部に排出される。
<被駆動ギアと第1アイドラギアの係合方法>
次に、図35(a)、図35(b)を用いて、感光体カートリッジBの被駆動ギア321と、現像カートリッジCの第1アイドラギア312との係合方法について説明する。
図35は、第1アイドラギア312と被駆動ギア321の係合を説明するための図である。図35(a)は第1アイドラギア312と被駆動ギア321の係合を説明するための部分図であり、図35(b)は第1アイドラギア312と被駆動ギア321の係合を説明するための拡大図である。
実施例1で説明したように、現像カートリッジCは、矢印D方向に移動して装置本体Aに挿入される。現像カートリッジCは、感光体カートリッジBを介して、装置本体Aに支持される。より具体的には、現像カートリッジCの挿入方向(装着方向)Dは、第1アイドラギア312の回転軸線に交差する方向である。本実施例においては、現像カートリッジCの挿入方向は、第1アイドラギア312の回転軸線に直交する方向である。また、感光体カートリッジBの装着方向(挿入方向)は、被駆動ギア321の回転軸線に交差する方向である。本実施例においては、感光体カートリッジBの装着方向は、被駆動ギア321の回転軸線に直交する方向である。また、第1アイドラギア312の回転軸線と被駆動ギア321の回転軸線は平行である。さらに、第1アイドラギア312の回転軸線の方向は、現像ローラ32の回転軸線の方向と平行である。また、第1アイドラギア312の回転軸線の方向は、後述する現像カートリッジCの回動軸の方向と平行である。
前述のように、現像カートリッジCが装置本体Aに挿入されると、現像カートリッジCの第1支持穴23a、第2支持穴23bが、クリーニング枠体71に設置された結合ピン69と係合し、現像カートリッジCは、感光体カートリッジBに結合される。現像カートリッジCは、感光体カートリッジBにより、矢印CD方向に回動可能に支持される。さらに、現像カートリッジCが結合ピン69を中心に矢印CD方向へと回動すると、現像ローラ32に設置されている間隔保持部材38(図19、図34参照)が感光ドラム62に当接する。
これにより、第1アイドラギア312の回転軸線の方向に直交する方向について、感光体カートリッジBに対する現像カートリッジCの位置が規制される。
このとき、図35(a)、図35(b)に示すように、現像カートリッジCに設置された第1アイドラギア312は、感光体カートリッジBに設置された被駆動ギア321と係合する位置へと位置決めされる。こうして、第1アイドラギア312の歯312aが、被駆動ギア321の歯321aと係合することとなる。
ここで、現像カートリッジCが矢印D方向に装着されることで、現像カートリッジCの第1アイドラギア312は、被駆動ギア321と係合する。本実施例においては、被駆動ギア321の少なくとも一部は、現像カートリッジCの挿入方向D(装着方向)について、上流側に向けて感光体カートリッジBから露出されている。また、第1アイドラギア312の少なくとも一部は、現像カートリッジCの挿入方向Dについて、下流側に向けて現像カートリッジCから露出されている。さらに、現像カートリッジCの挿入方向Dについて、被駆動ギア321の回転中心(回転軸線)は、第1アイドラギア312の回転中心(回転軸線)の下流側に位置する。これにより、現像カートリッジCが矢印D方向に挿入されることで、現像カートリッジCの第1アイドラギア312は、被駆動ギア321とスムーズに係合することができる。
図35(a)に示すように、第1アイドラギア312は、現像カップリングギア310からの駆動力を受けて矢印R1方向に回転し、被駆動ギア321に駆動力を伝達する。そして、第1アイドラギア312は、被駆動ギア321から、圧力角方向に反作用としての力FDを受ける。
矢印CD方向(現像ローラ32が感光ドラム62に近づく方向)について、力FDの向きは、力FDの作用部と結合ピン69の中心とを結んだ線FPの下流側に向かう方向であることが望ましい。ただし、力FDの作用部とは、第1アイドラギア312の歯面312bと被駆動ギア321の歯面321bが接触する部分を表す。力FDの向きが上記の関係を満たしていれば、第1アイドラギア312が被駆動ギア321を回転させるときに歯面312b,321bの押し合いによって生じる力FDは、現像カートリッジCに対して矢印CD方向のモーメントを作用させる。従って、現像カートリッジCの間隔保持部材38を、より確実に感光ドラム62へと突き当てることができる。なお、実施例1と同様に、現像カートリッジCは、トレイ18に配置される付勢部材100(図14)によって矢印CD方向に付勢される構成とすることが可能である。この場合、第1アイドラギア312が被駆動ギア321を回転させている状態では、付勢部材100の付勢力とギアのかみ合いによる力FDとの両方が、現像カートリッジCの間隔保持部材38を感光ドラム62へと突き当てる力として作用する。
図35(b)に示すように、第1アイドラギア312の歯312aの歯先面312dと、被駆動ギア321の歯底面321cの間には、隙間(バックラッシ)がとられていることが望ましい。同様に、被駆動ギア321の歯321aの歯先面321dと、第1アイドラギア312の歯底面312cの間には、隙間(バックラッシ)がとられていることが望ましい。つまり、第1アイドラギア312の回転軸線の方向(被駆動ギア321の回転軸線の方向と平行)に見て、第1アイドラギア312の歯先円と、被駆動ギア321の歯底円の間には、隙間がある。また、第1アイドラギア312の歯底円と、被駆動ギア321の歯先円の間には、隙間がある。
第1アイドラギア312の回転軸線の方向に直交する方向について、現像カートリッジCの位置は、第1支持穴23a、第2支持穴23bが、結合ピン69と係合し、かつ間隔保持部材38が感光ドラム62に当接することで定められる。言い換えれば、現像カートリッジCは、第1アイドラギア312の回転軸線の方向に直交する方向についての被位置決め部(第1支持穴23a、第2支持穴23b、間隔保持部材38)を有する。また、感光体カートリッジBは、第1アイドラギア312の回転軸線の方向に直交する方向についての位置決め部(結合ピン69、感光ドラム62)を有する。
第1アイドラギア312の回転軸線の方向に直交する方向において、現像カートリッジCが位置決めされた状態で、上記のように、第1アイドラギア312の歯312aの歯先面312dと、被駆動ギア321の歯底面321cの間に隙間がある。同様に、被駆動ギア321の歯321aの歯先面321dと、第1アイドラギア312の歯底面312cの間に隙間がある。
言い換えれば、本実施例におけるプロセスユニットPUは、第1アイドラギア312の回転軸線に直交する方向について、現像カートリッジCの移動を規制する規制部(結合ピン69、感光ドラム62)を有する。規制部は、現像カートリッジCの被規制部(第1支持穴23a、第2支持穴23b、間隔保持部材38)と当接して、現像カートリッジCの移動を規制する。より具体的には、規制部は、第1アイドラギア312の回転軸線の方向に見たとき、第1アイドラギア312の歯312aの歯先円と、被駆動ギア321の歯底円の間に隙間が形成されるように、現像カートリッジCの移動を規制する。さらに、第1アイドラギア312の回転軸線の方向に見たとき、規制部は、第1アイドラギア312の歯底円と、被駆動ギア321の歯先円の間に隙間が形成されるように、現像カートリッジCの移動を規制する。
また、第1アイドラギア312の回転軸線に直交する方向について、第1アイドラギア312と被駆動ギア321は、第1の規制部(結合ピン69)と第2の規制部(感光ドラム62)の間に位置する。第1アイドラギア312と被駆動ギア321は、第1の被規制部(第1支持穴23a、第2支持穴23b)と第2の被規制部(間隔保持部材38)の間に位置する。
これにより、被駆動ギア321と第1アイドラギア312を安定してかみ合わせることができる。同時に、感光体カートリッジBと現像カートリッジCのお互いに対する位置を、高精度に位置決めできる。また、感光ドラム62に対する間隔保持部材38を安定して当接させることができる。
また、一方で、第1アイドラギア312の回転軸線と被駆動ギア321の回転軸線とを結んだ線GGと、線FPのなす角(狭角)は、0°よりも大きく、90°未満であることが好ましい。線GGと線FPが平行に近いほうが、被駆動ギア321の歯底面321cの間の隙間をより確実に確保できる。また、線GGと線FPが直交するほうが、現像カートリッジCの挿入時に、被駆動ギア321と第1アイドラギア312をスムーズにかみ合わせることができる。本実施例においては、線GGと、線FPのなす角(狭角)は45°よりも大きく設定される。
また、第1アイドラギア312が回転するために必要な力は、被駆動ギア321が回転するために必要な力よりも大きい。現像カートリッジCの挿入時に、被駆動ギア321と第1アイドラギア312が当接した場合には、被駆動ギア321が回転する。その結果、現像ローラ32が回転することを防ぐことができる。
<廃トナー搬送>
ここで、第1スクリュー86と第2スクリュー87による廃トナーの搬送について、図36を用いて説明する。図36は、感光体カートリッジBに設けられた廃トナー流路330の断面図である。
感光体カートリッジBは、クリーニング枠体71とスクリュー蓋325を有する。クリーニング枠体71とスクリュー蓋325によって、感光ドラム62から除去された廃トナーが通過する、廃トナー流路330が形成される。廃トナー流路330には、第1スクリュー86と第2スクリュー87が配置される。
第1スクリュー86の端部はスクリュー蓋325に設けられた穴を通って、廃トナー流路330の外部に突出している。第1スクリューの端部には、Dカット面86dが形成されている。Dカット面86dには、第1スクリューギア323が取りけられる。なお、第1スクリュー86とスクリュー蓋325の穴の隙間には、スポンジ状のシール部材(不図示)が配置されており、廃トナー流路330から外部へのトナー漏れを防止している。
第1スクリュー86は、伝達部86aを有する。第2スクリュー87は、被伝達部87aを有する。伝達部86aと被伝達部87aは、廃トナー流路330の内部で係合している。第1スクリュー86が回転すると、伝達部86aは被伝達部87aを回転させる。これにより、第1スクリュー86から第2スクリュー87に駆動が伝達される。伝達部86a及び被伝達部87aは、例えばピン歯車やかさ歯歯車によって構成することが可能である。
図36に示すように、第1スクリュー86は、軸部と、軸部の周りに巻かれた螺旋状の搬送部86cを有する。感光ドラム62からクリーニング部材77によって除去された廃トナーは、第1スクリュー86が回転軸線86bの周りに回転することで、搬送部86cによって、回転軸線86bの方向に沿って矢印M方向へと搬送される。また、伝達部86aは、第2スクリュー87に駆動を伝えると共に、第2スクリュー87に廃トナーを受け渡す。
一方、第2スクリュー87は、軸部と、軸部の周りに巻かれた螺旋状の搬送部87cを有する。なお、クリーニング枠体71は軸受部71oを有し、スクリュー蓋325は軸受部325aを有する。第2スクリュー87は、回転軸線87bと直交する方向の位置を、軸受部71oと軸受部325aによって規制される。第2スクリュー87へと受け渡された廃トナーは、第2スクリュー87が回転軸線87bの周りに回転することで、搬送部87cによって、回転軸線87bの方向に沿って、矢印N方向へと搬送される。第2スクリュー87によって搬送された廃トナーは、蓋部材72に設置された廃トナー排出口72aより排出される(図26、図27参照)。
<現像カートリッジから感光体カートリッジへの駆動の伝達>
上述の構成によれば、感光体カートリッジBから現像カートリッジCが分離可能とされている構成において、現像カートリッジCから感光体カートリッジBに駆動を伝達し、被駆動ギア321、第1スクリュー86、第2スクリュー87を駆動することができる。
これにより、ドラムカップリング70を駆動するための力を、小さくすることができる。
さらに、感光体カートリッジBにおいて、ドラムカップリング70から、被駆動ギア321や第1スクリュー86、第2スクリュー87に駆動を伝達するための部材を設ける必要がない。
ここで、一般的に、感光体カートリッジBによって印刷できる記録媒体の数は、現像カートリッジCによって印刷できる記録媒体の数よりも多い。本実施例においては、感光体カートリッジBによって印刷できる記録媒体の数は、現像カートリッジCによって印刷できる記録媒体の数の数倍である。つまり、感光体カートリッジBは現像カートリッジCよりも長く使用できる。言い換えれば、現像カートリッジCの交換頻度は、感光体カートリッジBの交換頻度よりも高い。
現像カートリッジCは、トナーがなくなると、新しい現像カートリッジCに交換しなければならない。これに対し、感光体カートリッジBは、自身の部品の中で寿命のもの(例えば感光ドラム62や帯電ローラ66)が消耗するまで使用し続けることが可能である。現像カートリッジCのトナーTを増やすには、現像カートリッジを大型化する必要がある。一方で、感光ドラム62や帯電ローラ66の寿命は、材質を変更すること等により、感光体カートリッジBを大型化することなく、伸ばすことができる。さらに、前述のように、現像カートリッジCに廃トナー室30を設けて、現像カートリッジCの交換時に廃トナーを回収することで、より長い期間、感光体カートリッジBを使用することができる。
一方、感光ドラム62は、記録媒体に接触するように構成されている。従って、第1スクリュー86や第2スクリュー87は、廃トナーや紙粉に接触しながら回転する。一般的に、廃トナーや紙粉が存在する状態では、部材同士の摺動部や、シール部の摩耗が増加する傾向にある。このため、特に耐用期間の長い感光体カートリッジBを採用する場合には、廃トナー搬送手段の例である第1スクリュー86や第2スクリュー87の回転を少なくすることが望ましい。
現像ローラ32が回転する前に、感光ドラム62を帯電させるために、感光ドラム62が回転する場合がある。本実施例の構成によれば、感光ドラム62が現像ローラ32よりも前に回転する場合でも、廃トナー搬送手段が回転することを防ぐことができる。
また、前述したように、感光体カートリッジBの廃トナー排出口72a及び現像カートリッジCの廃トナー受入口23dには、それぞれシャッターが設けられている。感光体カートリッジBと現像カートリッジCとが分離された状態では、それぞれのシャッターが閉まった状態となり、廃トナーが外に漏れるのを防止する。
仮に、感光体カートリッジBのみが装置本体Aに装着された状態で、第1スクリュー86、第2スクリュー87の回転が許容される場合、廃トナー排出口72aがシャッターで閉じられた状態で、廃トナー排出口72aに向けて廃トナーが搬送される。しかし、本実施例の構成においては、現像カートリッジCからの駆動力によって、第1スクリュー86と第2スクリュー87が回転する。このため、第1スクリュー86と第2スクリュー87は、感光体カートリッジBと現像カートリッジCとが結合された状態でなければ駆動しない。従って、廃トナー排出口72aが確実に開かれた状態で、廃トナー排出口72aに向けて廃トナーを搬送することができる。
(変形例)
上記の実施例3では駆動伝達部及び被駆動部として互いに直接かみ合うギアを例示したが、他の駆動伝達機構を用いてもよい。例えば、駆動伝達部及び被駆動部を互いにかみ合うドッグクラッチとしてもよい。
また、実施例3では、第1カートリッジ(感光体カートリッジB)のうち、第2カートリッジ(現像カートリッジC)を介して第1カートリッジに伝達される駆動によって駆動される部材の例として、廃トナーを搬送する第1スクリュー86を例示した。これに限らず、感光体カートリッジBの他の部材(例えば図2の帯電ローラ66)が現像カートリッジCを介して伝達される駆動によって回転するようにしてもよい。
<他の実施形態>
以上の実施例で説明した形態は例示に過ぎず、本技術の技術思想を逸脱しない範囲で実施の形態を変形することが可能である。例えば、画像形成ユニットが感光体カートリッジB及び現像カートリッジC以外のカートリッジ(例えば、現像カートリッジCに対して着脱可能なトナーカートリッジ)を含む構成であってもよい。
また、結合ピン69並びに第1支持穴23a及び第2支持穴23bは、それぞれ係合部、被係合部の一例に過ぎない。上述の実施例で説明した構成に代えて、例えば軸状部材を現像カートリッジCに配置し、これに係合する溝形状を感光体カートリッジBに設けてもよい。また、実施例1,2では結合ピン69,69が基準軸方向Xにおける感光体カートリッジBの両端部に配置され、第1支持穴23a及び第2支持穴23bが基準軸方向Xにおける現像カートリッジCの両端部に配置されていが、配置はこれに限らない。係合部及び被係合部を1組だけ配置してもよく、3組以上配置してもよい。ただし、係合部及び被係合部が係合する1つ又は複数の位置を、基準軸方向Xに関して対称に配置することが好ましい。