JP7386282B2 - 切断部材処理装置及び切断システム - Google Patents
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Description
切断部材の長さを測定する測長装置は、切断装置とは別体であり、切断部材を切断装置から測長装置へ移動させる時間と、測長装置における切断部材の測長時間との合計時間が、切断装置の動作時間とは別に必要である。
そのため、マークを付す切断部材の測長に要する時間を短縮して、マークが付された切断部材の生産性を向上することができる切断部材処理装置及び切断システムが望まれている。
1) 切断装置によって金属の長尺ワークから切り出された切断部材を載置し昇降するテーブル本体と、
前記切断部材の切断面が前記テーブル本体の上方の第1の高さ位置にあるときに前記切断面にマークを付与するマーキング装置と、
前記切断部材の製品長を測長し記憶する製品長取得部と、
を備え、
前記製品長取得部は、前記製品長を、前記切断面が前記第1の高さ位置に達するまでの前記テーブル本体の上昇距離に基づいて測長する第1測定部、及び、前記切断面が前記第1の高さ位置とは異なる第2の高さ位置にあるときに、下方に延びて前記切断面に当接する計測子の延出距離に基づいて測長する第2測定部の少なくとも一方を有し、
前記マーキング装置は、前記製品長取得部によって前記製品長を測長後、前記切断面に前記マークを付与する切断部材処理装置である。
2) 金属の長尺ワークから切断部材を切り出す切断装置と、
1)に記載の切断部材処理装置と、
前記切断装置で切り出された前記切断部材を前記切断部材処理装置に搬入するロボットハンド装置と、を備えた切断システムである。
図1は、本発明の実施の形態に係る切断システムの実施例の切断システム93を含む切断システム群STの図である。説明の便宜上、前後左右の各方向を図1に示された矢印の方向で規定する。上方向は紙面手前方向であり下方向は紙面裏方向である。
棚装置91は、長尺のワークを多数格納可能で、概略、左右長が約40mで前後長及び高さがそれぞれ約10mあり、建物内の床に設置される。
棚装置91は、架台1,一対の走行レール2,クレーン装置3,支持棚4,フィーダ5を有する。
支持棚4は、金属製の長尺のワークWを、前後方向を長手とする姿勢で支持する棚である。支持棚4は、上下方向に複数段のワーク支持腕を有する。ワークWは、各ワーク支持腕に載置されて支持棚4に格納される。
クレーン装置3は、左右方向の範囲AR1を移動する第1クレーン装置31と、範囲AR2を移動する第2クレーン装置32とを有する。
第1クレーン装置31及び第2クレーン装置32は、それぞれ支持棚4の任意の位置に載置されたワークWをピックアップしてフィーダ5が有する第1フィーダ51及び第2フィーダ52に搬送する。
第1フィーダ51と第2フィーダとは、左右方向に離隔して棚装置91の下部に設けられている。
第2クレーン装置32によって第2フィーダ52に搬送されたワークW2は、前方に設置された第2切断システム93に向けて第2中継コンベア62を介して送り出される(矢印DR2参照)。
第1切断システム92及び第2切断システム93は、それぞれ第1フィーダ51及び第2フィーダ52から供給された長尺ワークW1及びワークW2を、切断装置で所定の長さに切断しマークを付す。
棚装置91の動作は、棚制御部11によって制御される。
丸鋸盤931は、第2中継コンベア62を介して棚装置91側から供給された長尺のワークW2を、所定の長さで切断する。これにより切断部材P1が得られる。切断部材P1は後述のマークMを付与することで製品P2となる部材なので、以下、中間製品P1とも称する。
搬出スライダ935は、ベース935a及びクランパ935bを有する。ベース935aは、矢印DR3に示されるように、丸鋸盤931に対し前後方向に出入りする。搬出スライダ935は、丸鋸盤931で切断された中間製品P1をクランパ935bで把持し、前方に移動する。
ベース部81は、前後方向に延びる案内部材であり、内部に駆動部(不図示)を有する。基体部82は、ベース部81に支持され駆動部の動作によって前後方向に移動する(矢印DR4参照)。
基体部82からは上方に腕部83が延出している。腕部83は複数の関節を有する多自由度のロボットハンドである。腕部83の先端には、中間製品P1を把持可能な把持部84が取り付けられている。
ベース部81の右前方には、長尺製品ストッカ933が配置されている。
制御装置94は、図5に示されるように、中央処理装置(CPU)941,製品長取得部942,合否判定部943,記憶部944,及びマーキング制御部945を有する。
一対のスライダ741は既述のように、ベース部73の一対のガイドレール部731にそれぞれ係合し、テーブル水平駆動部732の動作によって矢印DR6のように左右方向に同期して移動する。テーブル水平駆動部732の動作は、制御装置94によって制御される(図5参照)。
テーブル本体742の上面742cには、製品クランパ79及びボールトランスファ群78G(図4A参照)がそれぞれ複数設けられている。ボールトランスファ群78Gは、複数のボールトランスファ78が一列に並べて配置された群である。
図4A及び図4Bに示されるように、テーブル本体742の中央部には、テーブルセンサ742dが設置されている。テーブルセンサ742dは、ボールトランスファ群78Gの上に物体が載せられているか否かを示す載置検出情報Jtを制御装置94に向け出力する。
図3において、テーブル部74は、搬出入位置R1及び処理位置R2に位置した状態がそれぞれ実線で示されている。
テーブル昇降駆動部743は、テーブル本体742の上下方向の移動量を、上下移動情報Jevとして制御装置94に向け出力する昇降エンコーダ743aを備えている。
図4A及び図4Bに示されるように、テーブル本体742の上面742cには、中心を通る角度ピッチ90°の放射線上にボールトランスファ群78Gが合計で4群配置されている。ボールトランスファ群78Gそれぞれは、放射状に上向きで整列した例えば5個のボールトランスファ78を有する。
図4Bに示されるようにボールトランスファ78の上方の先端点78aは、水平の同一高さである基準高さ位置HR1に位置している。
ガイド溝742bには、上下方向を回転軸として回転自由なローラを有する製品クランパ79が係合している。製品クランパ79は、クランプ駆動部742aによってガイド溝742b内を径方向に移動する(矢印DR8参照)。
テーブルセンサ742dは、テーブル本体742に物体(中間製品P1)が載置されたことを示す載置検出情報Jtを制御装置94に向け出力する(図5参照)。制御装置94のCPU941は、クランプ駆動部742aを動作させて4つの製品クランパ79をテーブル本体742の中心に向け移動させることで、中間製品P1をクランプする。
光ビームLnは、テーブル部74が処理位置R2にあるときにテーブル本体742に載置された中間製品P1の真上に位置する。換言するならば、光ビームLnは、中間製品P1が載置されたテーブル本体742が上昇したときに中間製品P1によって遮断され得る位置、すなわち、光ビームLnが遮光されている位置にある。
記憶部944には、テーブル本体742の昇降の最下位置における最下高さ位置である基準高さ位置HR1と、光ビームLnの高さ位置h3との間の上下方向の距離が基準高さ距離Ha1として記憶されている。
レーザ出力ヘッド722は、テーブル部74が処理位置R2にあるときの中間製品P1の上方に、前後方向へ移動可能に設置されている。
レーザ出力ヘッド722は、下方に向けレーザビームLsを射出する。レーザビームLsは、光ビームLnの高さ位置でフォーカスするよう調整されている。
切断部材処理装置7は、中間製品P1の切断面P1tに対しレーザビームLsによってマークMを付与可能であり、中間製品P1の軸方向長さである製品長も同時に測長できる。
以下、切断部材処理装置7の動作について、図8,図9A及び図9Bも参照して詳述する。
図8は、切断部材処理装置7における第1の測長動作における光センサ装置75の動作を説明するための図である。図9Aは、切断部材処理装置7の動作の前段を示すフロー図である。図9Bは、切断部材処理装置7の動作の後段を示すフロー図である。
その後、把持部84が搬出入口711aを退避させたら、開閉扉711を閉じる。カバー71内は実質的に密閉状態となる。
次いで、制御装置94は、テーブル昇降駆動部743を動作させてテーブル本体742を時刻t0から第1の速度V1で上昇させる(図8:時刻t0<t<t1)(S3)。
制御装置94は、光センサ情報JpがON(S4:No)(光ビームLnの受光状態)と判定したら、(S3)に戻り、テーブル本体742の上昇を継続する。
図8に示されるように、テーブル本体742が時刻t0の位置からある程度の距離を上昇すると、時刻t1で中間製品P1が光ビームLnを遮り、光センサ情報JpがOFFになる(S4:Yes)(光ビームLnの遮光状態)。つまり、光センサ装置75の光ビームLnが受光状態から遮光状態に遷移するときの切断面P1tの高さ位置をh3aとし、テーブル本体742の最下高さ位置である基準高さ位置HR1からの移動距離Hbaを算出できる。
制御装置94は、光センサ情報JpがOFF(S6:No)(光ビームLnの遮光状態)と判定したら(S5)へ戻り、テーブル本体742の下降を継続し、ON(光ビームLnの受光状態)になった(S6:Yes)と判定したら、直ちにテーブル本体742の下降を停止しその位置を維持する(S7)。
つまり、光センサ装置75の光ビームLnが遮光状態から受光状態へ遷移するときの切断面の高さ位置をh3bとし、テーブル本体742の基準高さ位置HR1からの移動距離Hbbを算出できる。これにより、テーブル本体742の移動距離である距離Hbを算出できる。
下降の第2の速度V2を上昇の第1の速度V1よりも遅く(小さく)することで、テーブル本体742の移動した距離Hbを、より高精度に得られる。
距離Hbは、テーブル本体742の速度V1での上昇中に得られた移動距離Hbaを用いても算出できるが、移動距離Hbaよりも小さい速度V2で下降中に得られた移動距離Hbbを用いることで、テーブル本体742の停止時の駄走距離も短くなり、同じ制御周期での測定値の精度が向上する。
次いで、制御装置94の合否判定部943は、製品長HaPを、図5に示されるように記憶部944に予め記憶されている合格製品長範囲HaPAと比較し、製品長HaPの合否を判定する(S9)。
合格製品長範囲HaPAは、予め設定された、中間製品P1の製品長HaPの合格範囲である。
例えば、光センサ情報Jpが、常に遮光状態又は常に受光状態だった場合や、光センサ装置75の作動が停止した場合である。
これらの場合、図示はしないが、最大製品長の中間製品P1をテーブル本体742に載置してテーブル本体742を上昇させると、光センサ装置75の光ビームLnやシリンダ計測部76に干渉しない位置でテーブル本体742の上昇は停止するようになっており、切断面P1tの高さ位置h3aと切断面P1tの高さ位置h3bは不定である。
シリンダ計測部76は、計測子762の下降距離に応じたシリンダ測距情報Jmを計測結果として出力するので、製品長取得部942は、予め記憶部944に記憶しておいた、計測子762の上昇端位置h4と高さ位置h3とシリンダ測距情報Jmと基準高さ距離Ha1との関係に基づいて、中間製品P1の製品長を予備製品長HaP2として求める。
レーザビームLsは、既述のように、焦点位置が光ビームLnの高さ位置となるように調整されている。(S7)において下降が停止して維持された中間製品P1は、その上面である切断面P1tがレーザビームLsの焦点位置の高さにある。
つまり、マーキング制御部945は、製品長を合否判定部943が(S9)で合格(YES)と判断した場合は、改めてテーブル本体742を昇降することなくマーキング動作することができる。マーキング制御部945は、製品長を合否判定部943が(S9)で不合格(NO)と判断した場合であっても、マーキング動作可能な切断面P1tの位置決めができているので、そのタイミングでマーキング動作することもできる。言い換えれば、マーキング制御部945は(S7)完了時にマーキング動作可能である。
これにより、レーザビームLsによって切断面P1tにマークMを付与できる。
マーキング制御部945は、中間製品P1に紐づけされたマークMを記憶部944から取得し、マークMを、レーザ出力ヘッド722の不図示の光学系による左右方向の偏向動作及びレーザ出力ヘッド722の前後方向の移動によって切断面P1tに付与する。
切断面P1tにマークMが付与されて、中間製品P1は完成した切断製品である製品P2となる。
そして、制御装置94は、製品クランパ79を外方へ移動して製品P1のクランプを解除する(S13)。これにより、ロボットハンド装置8による製品P1の外部への搬出が可能となる。
切断部材処理装置7で処理し得ない長尺の製品は、丸鋸盤931からそのまま長尺製品ストッカ933に収容される。
つまり、切断部材処理装置7は、予備の第2の測長動作を行わない通常動作時〔合否判定部943が(S9)で不合格(NO)と判断しない通常の動作時〕において、改めてテーブル本体742を昇降することなくマーキング動作をすることができる。これにより、切断部材処理装置7は、測長工程及びマーキング位置決め工程それぞれの測長時間及びマーキング位置決め時間を共有化して製品P2の生産時間を短縮できる。
71 カバー
711 開閉扉
711a 搬出入口
72 レーザマーカ装置(マーキング装置)
721 レーザ発振器
722 レーザ出力ヘッド
723 プロセスファイバ
73 ベース部
731 ガイドレール部
732 テーブル水平駆動部
74 テーブル部
741 スライダ
742 テーブル本体
742a クランプ駆動部
742b ガイド溝
742c 上面
742d テーブルセンサ
743 テーブル昇降駆動部
743a 昇降エンコーダ
75 光センサ装置
75a 発光部
75b 受光部
76 シリンダ計測部(計測装置)
761 本体部
762 計測子
77 質量センサ
78 ボールトランスファ
78a 先端点
78G ボールトランスファ群
79 製品クランパ
8 ロボットハンド装置
91 棚装置
92 第1切断システム
93 第2切断システム
931 丸鋸盤
932 搬出部
933 長尺製品ストッカ
934 短尺製品ストッカ
935 搬出スライダ
935a ベース
935b クランパ
936 システム制御装置
94 制御装置
941 中央処理装置(CPU)
942 製品長取得部
943 合否判定部
944 記憶部
945 マーキング制御部
95 出力装置
AR1,AR2 範囲
Ha 距離
Ha1 基準高さ距離
HaP 測距製品長
HaP2 予備測距製品長
HaPA 合格製品長範囲
Hb 距離
Hbb,Hba 移動距離
HR1 基準高さ位置(最下高さ位置)
h3,h3a,h3b 高さ位置
h4 上昇端位置
Jt 載置検出情報
Jev 上下移動情報
Jm シリンダ測距情報
Jp 光センサ情報
Jw 質量情報
Ln 光ビーム
Ls レーザビーム
M マーク
P1 中間製品(切断部材)
P1t 切断面
P2 製品
R1 搬出入位置
R2 処理位置
ST 切断システム群
V1 第1の速度
V2 第2の速度
W,W1,W2 ワーク
Claims (8)
- 切断装置によって金属の長尺ワークから切り出された切断部材を載置し昇降するテーブル本体と、
前記切断部材の切断面が前記テーブル本体の上方の第1の高さ位置にあるときに前記切断面にマークを付与するマーキング装置と、
前記切断部材の製品長を測長し記憶する製品長取得部と、
を備え、
前記製品長取得部は、前記製品長を、前記切断面が前記第1の高さ位置に達するまでの前記テーブル本体の上昇距離に基づいて測長する第1測定部、及び、前記切断面が前記第1の高さ位置とは異なる第2の高さ位置にあるときに、下方に延びて前記切断面に当接する計測子の延出距離に基づいて測長する第2測定部の少なくとも一方を有し、
前記マーキング装置は、前記製品長取得部によって前記製品長を測長後、前記切断面に前記マークを付与する切断部材処理装置。 - 前記第1の高さ位置において水平に光ビームの発光及び受光を行う光センサ装置を備え、
前記マーキング装置は、前記第1の高さ位置を焦点位置とするレーザビームを上方から射出して前記第1の高さ位置の前記切断面にマークを付与し、
前記製品長取得部が前記第1測定部を有する場合に、前記切断部材を載置した前記テーブル本体の昇降動作によって前記切断部材が前記光ビームの受光されない状態から受光状態へ遷移する位置で、前記切断部材の製品長を取得する請求項1記載の切断部材処理装置。 - 切断装置によって金属の長尺ワークから切り出された切断部材の切断面にマークを付与するマーキング装置と、
前記切断部材の製品長を測長し記憶する製品長取得部と、
前記切断部材を載置し昇降するテーブル本体と、
前記テーブル本体の上方の所定の高さ位置において水平に光ビームの発光及び受光を行う光センサ装置と、を備え、
前記マーキング装置は、前記所定の高さ位置を焦点位置とするレーザビームを上方から射出して前記所定の高さ位置の前記切断面にマークを付与し、
前記製品長取得部は、前記所定の高さ位置である、前記切断部材が載置された前記テーブル本体の昇降動作によって前記切断部材が前記光ビームの受光されない状態から受光状態へ遷移する位置で、前記切断部材の製品長を取得する切断部材処理装置。 - 前記製品長取得部が取得した製品長と、合格とする製品長の範囲である合格製品長範囲とを比較して合否を判定する合否判定部を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の切断部材処理装置。
- 前記製品長取得部が取得した製品長と、合格とする製品長の範囲である合格製品長範囲とを比較して合否を判定する合否判定部を有し、
前記製品長取得部が前記第1測定部及び前記第2測定部を有する場合に、
前記合否判定部が、前記第1測定部が測長した前記製品長を否と判定したら、前記製品長取得部は、前記第2測定部の計測結果に基づいて前記切断部材の製品長を、予備製品長として測長する請求項1又は請求項2記載の切断部材処理装置。 - 前記製品長取得部が取得した製品長と、合格とする製品長の範囲である合格製品長範囲とを比較して合否を判定する合否判定部を有し、前記合否判定部が前記製品長を否と判定した場合、前記製品長取得部は、前記切断面に計測子を直接接触させる計測装置の計測結果に基づいて前記切断部材の製品長を、予備製品長として測長する請求項3記載の切断部材処理装置。
- 前記切断部材が前記マーキング装置によって前記マークを前記切断面に付与可能な位置にある状態で前記切断部材の質量を測定可能とする質量センサを備えた請求項1~6のいずれか1項に記載の切断部材処理装置。
- 金属の長尺ワークから切断部材を切り出す切断装置と、
請求項1~7のいずれか1項に記載の切断部材処理装置と、
前記切断装置で切り出された前記切断部材を前記切断部材処理装置に搬入するロボットハンド装置と、を備えた切断システム。
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