JP7384089B2 - スロットル制御装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンのスロットルバルブの開度を制御するスロットル制御装置に関する。
車載等のエンジンでは、スロットルバルブの開度制御を通じて、燃焼毎に気筒に流入する空気量であるシリンダ流入吸気量を調整している。スロットルバルブの開度制御は、アクセルペダル操作量からスロットルバルブ通過後の吸気の圧力の、すなわちスロットル下流圧の要求値である要求スロットル下流圧PM*を求めるとともに、その要求スロットル下流圧PM*から目標開度TA*を決定することで行われている。
スロットル開度が大きい大開度領域では、スロットルバルブを通過する吸気の流量のスロットル開度に対する感度が低くなることから、シリンダ流入吸気量の変更に必要なスロットル開度の変更量が増加する。そのため、大開度領域では、スロットル開度の大幅な変更が頻繁に行われる、いわゆるスロットルハンチングが発生し易くなる。
これに対して、従来、特許文献1には、要求スロットル下流圧PM*が規定の圧力P1以上の場合には、式(1)に従って目標開度TA*を演算するスロットル制御装置が提案されている。式(1)における「TAwot」は、スロットル下流圧を上記規定の圧力P1とするために必要なスロットル開度を表している。また、式(1)における「ΔTC」は、式(2)により求められる補正開度である。なお、式(2)における「CD」は、エンジン回転数NEに応じて決定される係数であり、スロットル開度の変化に対するスロットル下流圧の変化の割合がスロットルハンチングを抑制可能な範囲の下限値となるようにその値が定められている。
特開2006-118373号公報
ところで、法規制や税制区分などの事情により、エンジンの軸出力を一定の値以下の範囲に制限する場合がある。こうした軸出力の制限を、スロットル開度の制御で行うことを考える。例えば、エンジンの運転状況に拘らず、軸出力が制限値以下となるスロットル開度の範囲の上限値を求め、その上限値を超えないようにスロットル開度の上限ガードを施せば、軸出力を制限値以下に制限できる。ただし、スロットル開度とシリンダ流入吸気量との関係は、エンジン回転数等により変化するため、軸出力が制限値に達するスロットル開度もエンジン回転数等により変化する値となる。そのため、単にスロットル開度の上限ガードだけでは、軸出力が不要に制限される虞がある。
上記課題を解決するスロットル制御装置は、エンジンの吸気通路に設置されたスロットルバルブの開度であるスロットル開度を制御する装置であって、アクセルペダル操作量とエンジン回転数とに基づきエンジンの要求負荷率を演算する要求負荷率演算処理と、エンジン回転数に基づき、エンジンの軸出力が既定の出力制限値となるエンジンの負荷率を負荷率制限値の値として演算する負荷率制限値演算処理と、要求負荷率が負荷率制限値以下の値となる場合には要求負荷率の値を指令負荷率の値として設定するとともに、要求負荷率が負荷率制限値を超える値となる場合には同負荷率制限値の値を指令負荷率の値として設定する指令負荷率設定処理と、指令負荷率の値分の負荷率が得られるスロットル開度を目標開度の値として演算する目標開度演算処理と、スロットル開度を目標開度とすべくスロットルバルブを駆動するスロットル駆動処理と、を行っている。
上記スロットル制御装置では、負荷率制限値以下の値となるように設定された指令負荷率に基づき、目標開度が演算される。負荷率制限値の値は、現在のエンジン回転数において軸出力が出力制限値となるエンジンの負荷率を示す値として演算される。そのため、現在のエンジン回転数において軸出力が出力制限値となる開度までは、要求負荷率の値分の負荷率が得られる開度が目標開度として設定されることになり、軸出力が不要に制限され難くなる。したがって、上記スロットル制御装置によれば、スロットル開度の制御を通じて、エンジンの出力を精度良く制限できる。
上記スロットル制御装置における指令負荷率設定処理は、要求負荷率の値分の負荷率が得られるようにスロットル開度を制御した場合のエンジントルクである実現トルクと、軸出力を出力制限値とした場合のエンジントルクであるトルク制限値と、を演算するとともに、実現トルクがトルク制限値以下の値となる場合を要求負荷率が負荷率制限値以下の値となる場合とする一方、実現トルクがトルク制限値を超える値となる場合を要求負荷率が負荷率制限値を超える値となる場合とするように構成するとよい。こうした場合の実現トルクやトルク制限値の演算に際して、点火時期やバルブタイミング等の軸出力に影響するエンジンの状態量を参照すれば、エンジンの出力制限を更に精度良く実施できる。
ここで、スロットル開度の制御範囲の最大値を最大開度TAmaxとし、エンジンの現在の制御状態における負荷率の最大値を最大負荷率KLmaxとし、スロットルバルブの通過前の吸気圧に対する同スロットルバルブの通過後の吸気圧の比をスロットル前後圧力比RPとし、負荷率を指令負荷率KLcとするために必要なスロットル前後圧力比RPを要求圧力比RP*とし、スロットル前後圧力比RPが既定値RPwotとなるときのスロットル開度を切替点開度TAwotとし、スロットル前後圧力比RPが前記既定値RPwotとなるときの負荷率を切替点負荷率KLwotとする。このとき、上記スロットル制御装置における目標開度演算処理は、要求圧力比RP*が既定値RPwot以下の値となる場合にはスロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるスロットル開度を目標開度の値として演算するとともに、要求圧力比RP*が既定値RPwotを超える値となる場合には式(3)の関係を満たす値「TA*」を目標開度の値として演算する処理とするとよい。
こうした場合の目標開度演算処理では、要求圧力比RP*が既定値RPwot以下の場合には、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるスロットル開度TAが目標開度TA*の値として演算される。要求圧力比RP*が既定値RPwotを超える場合にも、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるスロットル開度TAが目標開度TA*の値として演算すると、目標開度TA*が最大開度TAmaxに近づくにつれて、負荷率KLに対する目標開度TA*の感度が高くなる。そのため、大開度領域では、要求負荷率KL*の僅かな変化に対して目標開度TA*の値が大きく変化することになり、スロットルハンチングが発生してしまう。
これに対して上記目標開度演算処理では、要求圧力比RP*が既定値RPwotを超える大開度領域では、要求負荷率KL*に対して線形関係となるように目標開度TA*の値が演算される。こうした場合、要求圧力比RP*が既定値RPwotを超える領域では、要求負荷率KL*に対する目標開度TA*の変化率は一定となるため、スロットルハンチングが発生し難くなる。
しかも、要求負荷率KL*が最大負荷率KLmaxの場合には最大開度TAmaxとなるように目標開度TA*が演算されるため、本来発生可能な最大値までエンジントルクを高められる。また、大開度領域においても要求負荷率KL*に連動して変化する値として目標開度TA*が演算されるため、再循環排気や燃料蒸気、ブローバイガスなどの新気以外のガスが燃焼室に流入する状況でも、要求負荷率KL*の変化に追従して負荷率KLが変化するようにスロットル開度TAを制御することが可能となる。そのため、大開度領域におけるスロットルバルブの制御性を向上できる。
第1実施形態のスロットル制御装置の構成の模式図。 同スロットル制御装置が実行するスロットル開度制御に係る処理の流れを示す制御ブロック図。 スロットル前後圧力比、スロットル開度とスロットル通過流量との関係を示すグラフ。 スロットル前後圧力比とΦ値との関係を示すグラフ。 スロットル開度と飽和流量との関係を示すグラフ。 第2実施形態のスロットル制御装置が実行する出力制限ルーチンのフローチャート。 同スロットル制御装置が実行する目標開度演算ルーチンのフローチャート。 スロットル開度とスロットル前後圧力比との関係を示すグラフ。 エンジン回転数と最大負荷率との関係を示すグラフ。 目標開度演算ルーチンにおける大開度領域での目標開度の演算態様を示す図。
以下、スロットル制御装置の一実施形態を、図1~図5を参照して詳細に説明する。本実施形態のエンジン制御装置は、車両に搭載された自然吸気式のエンジンに適用されている。
図1に示すように、本実施形態の適用対象となるエンジン10には、燃焼室11に流入する吸気が流れる吸気通路12と、燃焼室11から排出された排気が流れる排気通路13と、が設けられている。また、エンジン10には、開弁/閉弁に応じて吸気通路12を燃焼室11に連通/遮断する吸気弁14と、開弁/閉弁に応じて排気通路13を燃焼室11に連通/遮断する排気弁15と、が設けられている。また、エンジン10には、吸気弁14のバルブタイミングを可変とするバルブタイミング可変機構16が設置されている。
吸気通路12には、吸気中の塵等を濾過するエアクリーナ17と、吸気通路12を流れる吸気の流量(吸気流量GA)を検出するエアフローメータ18と、が設けられている。また、吸気通路12におけるエアフローメータ18よりも下流側の部分には、スロットルバルブ19が設置されている。スロットルバルブ19は、回転可能に軸支された状態で吸気通路12内に設置されており、スロットルモータ20により回転駆動される。さらに、吸気通路12におけるスロットルバルブ19よりも下流側の部分には、同部分の吸気の圧力であるスロットル下流圧PMを検出する吸気圧センサ21と、吸気中に燃料を噴射するインジェクタ22と、が設置されている。そして、燃焼室11には、吸気通路12を通じて流入した吸気とインジェクタ22が噴射した燃料との混合気に着火する点火装置23が設置されている。
こうしたエンジン10においてスロットルバルブ19は、吸気通路12内での回転位置に応じて開口面積を変化させることで、同スロットルバルブ19を通過する吸気の流量(スロットル通過流量)を調整する弁となっている。以下の説明におけるスロットル開度TAは、開口面積が0となる回転位置(全閉位置)からのスロットルバルブ19の回転角を表している。
以上のように構成されたエンジン10は、エンジン制御ユニット30により制御されている。エンジン制御ユニット30は、エンジン制御に係る各種の演算処理を実行する演算処理装置31と、プログラムやデータが記憶された記憶装置32と、を備えている。エンジン制御ユニット30には、上述のエアフローメータ18から吸気流量GAの検出信号が、吸気圧センサ21からスロットル下流圧PMの検出信号が、クランク角センサ25からエンジン回転数NEの検出信号が、それぞれ入力されている。また、エンジン制御ユニット30には、アクセルペダルセンサ27からアクセルペダル26の踏み込み量であるアクセルペダル操作量ACCの検出信号が、大気圧センサ28から大気圧PAの検出信号が、スロットルモータ20に設置されたスロットルセンサ29からスロットル開度TAの検出信号が、それぞれ入力されている。エンジン制御ユニット30は、それらの検出信号に基づき、スロットル開度TAや燃料噴射量QI、点火時期SA、吸気弁14のバルブタイミングVT等の制御指令値を決定している。そして、エンジン制御ユニット30は、決定した制御指令値に基づき、スロットルモータ20やインジェクタ22、点火装置23、バルブタイミング可変機構16等を操作することで、エンジン10の運転状態を制御している。
ところで、車載用のエンジンでは、法規制や税制区分などの事情により、既定の出力制限値を超えることがないようにエンジンの軸出力を制限することがある。本実施形態では、エンジンの軸出力の制限をスロットル開度TAの制御を通じて行っている。
図2に、スロットル開度TAの制御に係るエンジン制御ユニット30の処理の流れを示す。スロットル開度TAの制御は、要求負荷率演算処理F1、負荷率制限値演算処理F2、指令負荷率設定処理F3、目標開度演算処理F4、及びスロットル駆動処理F5を通じて行われる。
要求負荷率演算処理F1では、アクセルペダル操作量ACCとエンジン回転数NEとに基づき、負荷率KLの要求値である要求負荷率KL*が演算される。負荷率KLは、燃焼室11に流入する吸気の質量(シリンダ流入空気量)を、シリンダの行程容積を占める標準大気状態(標準大気圧:1013hPa、標準気温:20℃、標準相対湿度:60%)の吸気の質量に対する比率で表したものである。すなわち、負荷率KLは、燃焼室11の吸気の充填効率ηcを表している。
また、負荷率制限値演算処理F2では、エンジン回転数NEに基づき、現在のエンジン回転数NEにおいてエンジン10の軸出力が出力制限値となる負荷率KLが負荷率制限値KLrの値として演算される。そして、指令負荷率設定処理F3では、要求負荷率KL*及び負荷率制限値KLrのうち、より小さい方の値が指令負荷率KLcの値として設定される。すなわち、指令負荷率設定処理F3では、要求負荷率KL*が負荷率制限値KLr以下の値となる場合には要求負荷率KL*が、要求負荷率KL*が負荷率制限値KLrを超える値となる場合には負荷率制限値KLrが、それぞれ指令負荷率KLcの値として設定される。
さらに目標開度演算処理F4では、指令負荷率KLc分の負荷率KLを得るために必要なスロットル開度TAが目標開度TA*の値として演算される。そして、スロットル駆動処理F5では、スロットル開度TAを目標開度TA*とすべくスロットルバルブ19の駆動制御が行われる。スロットルバルブ19の駆動制御は、例えば目標開度TA*に対するスロットル開度TAの偏差に応じてスロットルモータ20の駆動電流をフィードバック調整することで行われる。なお、本実施形態では、こうしたスロットル開度TAの制御を行うエンジン制御ユニット30がスロットル制御装置に相当する構成となっている。
なお、エンジン10の軸出力は、エンジン回転数NE、負荷率KLに加え、点火時期SAや吸気弁14のバルブタイミングVT等によっても変化する。そのため、負荷率制限値演算処理F2での負荷率制限値KLrの演算に用いる出力制限値には、超過を許容できない軸出力の上限値よりも若干小さい値が設定されている。
続いて、目標開度演算処理F4における目標開度TA*の詳細な演算態様を説明する。
エンジン10のシリンダ流入吸気量は、吸気通路12におけるスロットルバルブ19よりも下流側の部分の吸気の圧力(以下、スロットル下流圧PMと記載する)とエンジン回転数NEとにより決まる値となる。よって、指令負荷率KLcとエンジン回転数NEとに基づくことで、指令負荷率KLc分の負荷率KLを得るために必要なスロットル下流圧PMの値を求めることができる。そこで、エンジン制御ユニット30は、指令負荷率KLcとエンジン回転数NEとに基づき、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られるスロットル下流圧PMを要求スロットル下流圧PM*の値として演算している。
ここで、スロットルバルブ19を通過し、エンジン10の各気筒の燃焼室11に分配供給される吸気の質量流量を吸気弁通過流量とする。なお、燃焼室11への吸気の流入は吸気弁14の開閉に応じて間欠的に行われるため、実際の吸気弁通過流量はエンジン10の回転に応じて変動する値となるが、ここではそうした変動分を均した値をバルブ通過流量として用いる。エンジン10が1回転する間に同エンジン10において行われる吸気行程の回数は、エンジン10の気筒数により定まった回数となる。よって、単位時間当たりのエンジン10の回転数であるエンジン回転数NEは、エンジン10において単位時間に行われる吸気行程の回数に比例した値となり、そのエンジン回転数NEに指令負荷率KLcを乗算した積(=NE×KLc)は、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られる吸気弁通過流量に比例する値となる。
なお、本実施形態では、[rpm・%]を目標開度TA*の演算に用いる吸気の流量の単位として用いている。同単位を用いた場合の吸気弁通過流量[rpm・%]は、エンジン回転数NE[rpm]に指令負荷率KLc[%]を乗算した積と一致する値となる。
スロットル開度TA及びエンジン回転数NEが一定に保持された定常状態における吸気弁通過流量は、スロットルバルブ19を通過する吸気の流量(以下、スロットル通過流量)と等しい流量となる。したがって、スロットル下流圧PMが要求スロットル下流圧PM*となり、且つスロットル通過流量がエンジン回転数NEと指令負荷率KLcの積となるスロットル開度TAをスロットルバルブ19の目標開度TA*に設定すれば、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られるようになる。
スロットル通過流量は、スロットルバルブ19を通過する吸気の速度と同スロットルバルブ19の開口面積との積となる。また、スロットルバルブ19の開口面積は、スロットル開度TAの関数となる。さらに、スロットルバルブ19を通過する吸気の速度は、吸気通路12におけるスロットルバルブ19の上流側の部分の吸気の圧力(スロットル上流圧PAC)に対するスロットル下流圧PMの比(以下、スロットル前後圧力比RP)により決まる。なお、スロットル前後圧力比RPの値が取り得る範囲は、0から1までの範囲となる。よって、スロットル開度TA、スロットル前後圧力比RP、スロットル通過流量の3つの値のうち、2つの値が定まれば、残りの一つの値も自ずと定まることになる。
図3に、スロットル開度TA及びスロットル前後圧力比RPとスロットル通過流量との関係を示す。なお、スロットルバルブ19を通過する吸気の速度は、スロットル前後圧力比RPが「1」のときには「0」となり、スロットル前後圧力比RPが一定の値α以下のときには音速となる。そして、スロットル前後圧力比RPを「α」から「1」まで次第に増加させていったときのスロットルバルブ19を通過する吸気の速度は、スロットル前後圧力比RPがαのときの値である音速からスロットル前後圧力比RPが「1」のときの値である「0」まで次第に低下する。また、スロットル通過流量は、スロットルバルブ19を通過する吸気の速度とスロットルバルブ19の開口面積との積となる。そのため、スロットル前後圧力比RPが一定の状態ではスロットル開度TAが大きいほど、スロットル通過流量が多くなる。よって、スロットル開度TA及びスロットル前後圧力比RPに対するスロットル通過流量の変化傾向は図3に示す通りとなる。
ここで、スロットル前後圧力比RPがα以下の領域(音速域)におけるスロットル通過流量を飽和流量とする。飽和流量は、スロットルバルブ19の開口面積と音速との積となり、その値はスロットル開度TAの関数となる。こうした飽和流量に対するスロットル通過流量の比をΦ値とする。スロットルバルブ19を通過する吸気の速度は、スロットル前後圧力比RPにより決まるため、Φ値はスロットル前後圧力比RPの関数となる。なお、Φ値は、スロットルバルブ19を通過する吸気の速度の、音速に対する比を表してもいる。
図4に、Φ値とスロットル前後圧力比RPとの関係を示す。同図に示すように、スロットル前後圧力比RPがα以下の音速域でのΦ値は「1」となる。また、スロットル前後圧力比RPが「1」のときのΦ値は「0」となる。そして、スロットル前後圧力比RPを「α」から「1」へと次第に増加させていったときのΦ値は、スロットル前後圧力比RPが「α」のときの値である「1」からスロットル前後圧力比RPが「1」のときの値である「0」へと次第に減少していく値となる。エンジン制御ユニット30の記憶装置32には、こうしたΦ値とスロットル前後圧力比RPとの関係が、Φ値演算マップMAP1として記憶されている。
図5に、飽和流量とスロットル開度TAとの関係を示す。上述のように飽和流量は、スロットルバルブ19の開口面積に比例する。そして、スロットル開度TAと開口面積との関係は、吸気通路12及びスロットルバルブ19の寸法形状により決まるため、飽和流量とスロットル開度TAとの関係はそれらの設計仕様から求められるものとなっている。エンジン制御ユニット30の記憶装置32には、こうした飽和流量とスロットル開度TAとの関係が、開度演算マップMAP2として記憶されている。
スロットル通過流量は、現在のスロットル開度TAにおける飽和流量に、現在のスロットル前後圧力比RPにおけるΦ値を乗算した積として求めることができる。一方、上述のように、要求スロットル下流圧PM*は、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られるスロットル下流圧PMの値として求められている。よって、現在のスロットル上流圧PACが既知となれば、そのスロットル上流圧PACに対する要求スロットル下流圧PM*の比として、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られるスロットル前後圧力比RP(以下、要求圧力比RP*と記載する)の値を求められる。ちなみに、自然吸気式のエンジン10では、スロットル上流圧PACは大気圧PAと同じ圧力であると見做せる。そこで本実施形態では、要求スロットル下流圧PM*を大気圧PAで除算した商(=PM*/PA)を要求圧力比RP*の値として求めている。
さらに、上述のように、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られる吸気弁通過流量は、指令負荷率KLcにエンジン回転数NEを乗算した積となる。また、定常状態では、吸気弁通過流量とスロットル通過流量とは等しい流量となる。よって、次の手順により、指令負荷率KLc分の負荷率KLを得るために必要な目標開度TA*の値を演算することができる。
上記のように要求スロットル下流圧PM*は、吸気弁通過流量が、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られる流量となるときのスロットル下流圧PMを表している。よって、スロットル上流圧PAC(本実施形態では大気圧PAを使用)に対する要求スロットル下流圧PM*の比である要求圧力比RP*の値は、吸気弁通過流量が、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られる流量となるときのスロットル前後圧力比RPを表すことになる。そこで、図3の関係に基づいて、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*であるときのΦ値の値を求め、その求めたΦ値の値により、指令負荷率KLc分の負荷率KLを得るために必要な吸気弁通過流量を除算した商を演算する。この商の値は、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られるスロットル開度TA、すなわち目標開度TA*における飽和流量を表す。そこで、図5の関係に基づき、その商の値が飽和流量となるスロットル開度TAを目標開度TA*の値として求めれば、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られるスロットル開度TAを目標開度TA*の値として演算することができる。
本実施形態の作用及び効果を説明する。
本実施形態のスロットル制御装置では、要求負荷率演算処理F1において、アクセルペダル操作量ACC等に基づき、運転者の加減速要求に応じたエンジン10の負荷率KLが要求負荷率KL*の値として演算される。また、負荷率制限値演算処理F2において、エンジン10の軸出力が出力制限値となる負荷率KLが負荷率制限値KLrの値として演算される。そして、指令負荷率設定処理F3において、要求負荷率KL*、及び負荷率制限値KLrの2つの値のうち、より小さい方の値が指令負荷率KLcの値として設定される。さらに、目標開度演算処理F4では、吸気弁通過流量が、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られる流量となるスロットル前後圧力比RPを、要求圧力比RP*の値として演算している。そして、スロットル前後圧力比RPを要求圧力比RP*とするために必要なスロットル開度TAを目標開度TA*の値として演算している。よって、軸出力が出力制限値以下となる範囲では、要求負荷率KL*の値分の負荷率KLが得られるスロットル開度TAが目標開度TA*として設定されることになり、エンジン10の軸出力が不要に制限されることが殆ど生じないようになる。したがって、スロットル開度TAの制御を通じて、エンジン10の出力制限を精度良く実施できる。
(第2実施形態)
続いて、スロットル制御装置の第2実施形態を、図6~図10を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図6に、本実施形態のスロットル制御装置が指令負荷率KLcを設定するために実行する出力制限ルーチンのフローチャートを示す。本実施形態におけるエンジン制御ユニット30は、エンジン10の運転中に本ルーチンの処理を既定の制御周期毎に繰り返し実行している。なお、本実施形態では、要求負荷率演算処理、負荷率制限値演算処理、及び指令負荷率設定処理のそれぞれに対応する処理が、本ルーチンにおいて行われる。
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS100において、エンジン回転数NE、アクセルペダル操作量ACC、点火時期SA、吸気弁14のバルブタイミングVT、スロットル下流圧PM、大気圧PA等のエンジン10の状態量が読み込まれる。そして、続くステップS110において、エンジン回転数NEとアクセルペダル操作量ACCとに基づき、要求負荷率KL*が演算される。
次のステップS120では、要求負荷率KL*、エンジン回転数NE、点火時期SA、及び吸気弁14のバルブタイミングVTに基づき、実現トルクTR*の値が演算される。実現トルクTR*は、現在のエンジン回転数NE、点火時期SA、バルブタイミングVTのもとで、エンジン10の負荷率KLだけを要求負荷率KL*に変更したときのエンジントルクを示している。さらに、続くステップS130では、エンジン回転数NEに基づき、トルク制限値TRrの値が演算される。トルク制限値TRrは、現在のエンジン回転数NEにおいてエンジン10の軸出力を出力制限値とするために必要なエンジントルクを示している。
そして、次のステップS140では、実現トルクTR*がトルク制限値TRrを超えているか否かが判定される。実現トルクTR*がトルク制限値TRr以下の場合(NO)には、ステップS150において、要求負荷率KL*の値がそのまま指令負荷率KLcの値として設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
これに対して、実現トルクTR*がトルク制限値TRrを超えている場合(YES)には、ステップS160に処理が進められ、そのステップS160において、エンジン10の軸出力が出力制限値となる負荷率KLが負荷率制限値KLrの値として演算される。そして、続くステップS170において負荷率制限値KLrの値が指令負荷率KLcの値として演算された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
図7に、本実施形態のスロットル制御装置が目標開度TA*を演算するために実行する目標開度演算ルーチンのフローチャートを示す。エンジン制御ユニット30は、指令負荷率設定ルーチンの処理に引き続き、本ルーチンの処理を実行している。
本ルーチンの処理が開始されるとまずステップS200において、アクセルペダル操作量ACC、エンジン回転数NE、大気圧PAの各検出値、及び上述の出力制限ルーチンにおいて設定された指令負荷率KLcの値が取得される。続いて、ステップS210において、エンジン回転数NE、及び指令負荷率KLcに基づき、要求スロットル下流圧PM*が演算される。さらに続くステップS220では、スロットル上流圧PAC(本実施形態では大気圧PAを使用)により要求スロットル下流圧PM*を除算した商が要求圧力比RP*の値として演算される。なお、過給式のエンジンに適用する場合には過給圧の検出値又は推定値をスロットル上流圧PACの値として用いるようにするとよい。
続いて、ステップS230において要求圧力比RP*が既定値RPwotよりも大きい値であるか否かが判定される。このときの要求圧力比RP*が既定値RPwot以下の値である場合には(S230:NO)、ステップS250に処理が進められる。これに対して、要求圧力比RP*が既定値RPwotよりも大きい値である場合(YES)には、ステップS270に処理が進められる。
図8に示すように、スロットル開度TAが最大開度TAmaxに近づくと、スロットル開度TAに対するスロットル前後圧力比RPの変化率(スロットル開度TAの変化量に対するスロットル前後圧力比RPの変化量の比率)は次第に小さくなる。そのため、スロットル前後圧力比RPが1に近い大開度領域では、スロットル開度TAに対するスロットル前後圧力比RPの感度が低くなる。すなわち、要求負荷率KL*の僅かな変化に対して目標開度TA*の値が大きく変化することになる。そしてその結果、大開度領域では、スロットル開度TAの大幅な変更が頻繁に行われる、いわゆるスロットルハンチングが発生して、スロットルモータ20等に多大な負荷をかける虞がある。上記既定値RPwotの値としては、スロットルハンチングが発生する虞があるスロットル前後圧力の範囲の下限値よりも小さい値が設定されている。
さて、要求圧力比RP*が既定値RPwot以下の値であってステップS250に処理が進められると、そのステップS250において、上述のΦ値演算マップMAP1を用いて、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*であるときのΦ値の値が、要求Φ値PHY*の値として求められる。そして、さらに同ステップS250において、要求負荷率KL*とエンジン回転数NEとの積を要求Φ値PHY*で除算した商が、要求飽和流量BPM*の値として演算される。続いて、ステップS260において、開度演算マップMAP2を用いて飽和流量が要求飽和流量BPM*となるスロットル開度TAが目標開度TA*の値として演算された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、要求圧力比RP*が既定値RPwotよりも大きい値であってステップS270に処理が進められた場合にはそのステップS270において次の2つの値が演算される。まず、Φ値演算マップMAP1を用いて、スロットル前後圧力比RPが既定値RPwotであるときのΦ値の値が、切替点Φ値PHYwotの値として演算される。また、指令負荷率KLcにエンジン回転数NEを乗算した積を切替点Φ値PHYwotで除算した商が、切替点飽和流量BPMwotの値として演算される。
続いて、ステップS280において、開度演算マップMAP2を用いて、飽和流量が切替点飽和流量BPMwotとなるスロットル開度TAが切替点開度TAwotの値として演算される。
さらに続くステップS290では、スロットル前後圧力比RPが既定値RPwotとなる負荷率KLの値が切替点負荷率KLwotの値として演算される。切替点負荷率KLwotの演算に際してはまず、スロットル上流圧PAC(本実施形態では大気圧PAを使用)に既定値RPwotを乗算した積が、切替点スロットル下流圧PMwotの値として求められる。一方、エンジン制御ユニット30のメモリには、スロットル下流圧PM及びエンジン回転数NEと負荷率KLとの関係が、負荷率演算マップMAP3として記憶されている。切替点負荷率KLwotの値は、この負荷率演算マップMAP3を用いて、現在のエンジン回転数NEにおいてスロットル下流圧PMが切替点スロットル下流圧PMwotとなる負荷率KLを求めることで、演算されている。なお、こうして演算された切替点負荷率KLwotの値は、スロットル開度TA以外のエンジン10の制御状態を変えずに、スロットル開度TAを切替点開度TAwotとした場合の負荷率KLを示している。
ちなみに、吸気弁14のバルブタイミングVTを可変とするバルブタイミング可変機構16が設置されたエンジン10では、スロットル下流圧PM及びエンジン回転数NEに加えてバルブタイミングVTによっても、負荷率KLが変化する。こうしたバルブタイミングVTによる負荷率KLの変化が大きい場合には、スロットル下流圧PM、エンジン回転数NE、及びバルブタイミングVTと負荷率KLとの関係を記憶するように負荷率演算マップMAP3を構成する。そして、その負荷率演算マップMAP3を用いて、現在のエンジン回転数NE、バルブタイミングVT、及び切替点スロットル下流圧PMwotから切替点負荷率KLwotを演算するとよい。
続いてステップS300において、現在のエンジン回転数NEにおける負荷率KLの最大値である最大負荷率KLmaxの演算が行われる。ここでの最大負荷率KLmaxの演算は、図9に示すようなエンジン10におけるエンジン回転数NEと最大負荷率KLmaxとの関係が記憶された最大負荷率演算マップMAP4を用いて行われる。なお、こうして演算した最大負荷率KLmaxの値は、エンジン10の現在の運転状態において、スロットル開度TA以外の制御状態を変えずに、スロットル開度TAを最大開度TAmaxとした場合の負荷率KLを示している。
さらに、続くステップS310では、式(4)の関係を満たす値が目標開度TA*の値として演算される。そして、その演算後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
図10に、スロットル開度TA及び負荷率KLを座標軸とした直交座標系に式(4)の各パラメータをプロットしたものを示す。同図に示す線分LABは、スロットル開度TAが切替点開度TAwotであり、且つ負荷率KLが切替点負荷率KLwotである座標点Aと、スロットル開度TAが最大開度TAmaxであり、且つ負荷率KLが最大負荷率KLmaxである座標点Bと、を繋ぐ線分である。ステップS310では、線分LAB上において、負荷率KLが指令負荷率KLcとなる座標点Cのスロットル開度TAの値が、目標開度TA*の値として演算される。すなわち、式(4)は、座標点A、B間の線形補間を通じて目標開度TA*を演算する式となっている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態のスロットル制御装置での目標開度演算処理F4は、アクセルペダル操作量ACC及びエンジン回転数NEから求められた要求負荷率KL*分の負荷率KLを実現するために必要なスロットル開度TAを目標開度TA*の値として演算するために行われる。そして、目標開度TA*の演算に際しては、指令負荷率KLc分の負荷率KLが得られるスロットル前後圧力比RPが、要求圧力比RP*の値として演算される。そして、要求圧力比RP*が既定値RPwot以下の場合には、スロットル前後圧力比RPとスロットル開度TAとの関係に基づき、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるスロットル開度TAを目標開度TA*の値として演算している。
図10には、要求圧力比RP*が既定値RPwotを超える場合にも、要求圧力比RP*が既定値RPwot以下の場合と同様に、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるスロットル開度TAを目標開度TA*の値として演算した場合の指令負荷率KLcと目標開度TA*との関係が二点鎖線により示されている。同図に示すように、こうした場合には、目標開度TA*が最大開度TAmaxに近づくにつれて、負荷率KLに対する目標開度TA*の感度が高くなる。そのため、大開度領域では、指令負荷率KLcの僅かな変化に対して目標開度TA*の値が大きく変化することになり、スロットルハンチングが発生してしまう。
これに対して、本実施形態では、要求圧力比RP*が既定値RPwotを超える場合には、次の態様で目標開度TA*を演算している。すなわち、この場合の目標開度TA*の演算に際しては、スロットル前後圧力比RPが既定値RPwotとなるスロットル開度TAである切替点開度TAwotが求められる。また、スロットル開度TAを切替点開度TAwotとした場合の負荷率KLが切替点負荷率KLwotの値として、スロットル開度TAを最大開度TAmaxとした場合の負荷率KLが最大負荷率KLmaxの値としてそれぞれ求められる。こうした場合、スロットル開度TAが切替点開度TAwot以上となる大開度領域では、指令負荷率KLcに対して線形関係となる値として目標開度TA*が演算される。その結果、大開度領域での指令負荷率KLcに対する目標開度TA*の変化率が一定となるため、スロットルハンチングが発生し難くなる。
さらに、指令負荷率KLcが最大負荷率KLmaxとなるときの目標開度TA*が最大開度TAmaxとなるため、本来発生可能な最大値までエンジントルクを高められる。また、大開度領域においても指令負荷率KLcに連動して変化する値として目標開度TA*が演算される。そのため、再循環排気や燃料蒸気、ブローバイガスなどの新気以外のガスが燃焼室11に流入する状況でも、指令負荷率KLcの変化に追従して負荷率KLが変化するようにスロットル開度TAを制御することが可能となる。
また、本実施形態においても、スロットル開度TAの制御を通じて、軸出力が出力制限値以下となるようにエンジン10の出力制限が行われる。本実施形態では、そうした出力制限に際して、要求負荷率KL*、エンジン回転数NE、点火時期SA、及び吸気弁14のバルブタイミングVTに基づき、負荷率KLを要求負荷率KL*とした場合のエンジントルクである実現トルクTR*を演算している。また、エンジン回転数NE、点火時期SA、及び吸気弁14のバルブタイミングVTに基づき、エンジン10の軸出力を出力制限値とした場合のエンジントルクであるトルク制限値TRrを演算している。そして、実現トルクTR*がトルク制限値TRrを超える場合に、軸出力が出力制限値となる負荷率KLである負荷率制限値KLrを指令負荷率KLcの値として設定して目標開度TA*を演算することで、エンジン10の出力制限を行っている。その結果、点火時期SAやバルブタイミングVTによる軸出力の変化を反映して、エンジン10の軸出力を出力制限値以下とするための目標開度TA*の演算が行われる。したがって、本実施形態のスロットル制御装置では、第1実施形態の場合よりも精度良くエンジン10の出力制限を実施できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第2実施形態での実現トルクTR*、及びトルク制限値TRrの演算に際して、点火時期SA、バルブタイミングVTに加え、軸出力に影響する他の状態量を参照するようにしてもよい。例えば、排気の一部を吸気中に再循環する排気再循環システムを備えるエンジンでは、同システムによる排気再循環量が軸出力に影響する状態量となる。
・第1実施形態での指令負荷率KLcの設定を、第2実施形態の態様で行うようにしてもよい。また、第2実施形態での指令負荷率KLcに基づく目標開度TA*の演算を、第1実施形態の態様で行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、スロットル制御装置を自然吸気式のエンジン10に適用した場合について説明したが、大気圧PAの代わりに過給圧をスロットル上流圧PACとして用いるようにすれば、過給式のエンジンにも適用できる。
10…エンジン
11…燃焼室
12…吸気通路
13…排気通路
14…吸気弁
15…排気弁
16…バルブタイミング可変機構
17…エアクリーナ
18…エアフローメータ
19…スロットルバルブ
20…スロットルモータ
21…吸気圧センサ
22…インジェクタ
23…点火プラグ
24…クランクシャフト
25…クランク角センサ
26…アクセルペダル
27…アクセルペダルセンサ
28…大気圧センサ
29…スロットルセンサ
30…エンジン制御ユニット
31…演算処理装置
32…記憶装置

Claims (3)

  1. エンジンの吸気通路に設置されたスロットルバルブの開度であるスロットル開度を制御するスロットル制御装置であって、
    アクセルペダル操作量とエンジン回転数とに基づき前記エンジンの要求負荷率を演算する要求負荷率演算処理と、
    前記エンジン回転数に基づき、前記エンジンの軸出力が既定の出力制限値となる前記エンジンの負荷率を負荷率制限値の値として演算する負荷率制限値演算処理と、
    前記要求負荷率が前記負荷率制限値以下の値となる場合には前記要求負荷率の値を指令負荷率の値として設定するとともに、前記要求負荷率が前記負荷率制限値を超える値となる場合には同負荷率制限値の値を前記指令負荷率の値として設定する指令負荷率設定処理と、
    前記指令負荷率の値分の負荷率が得られる前記スロットル開度を目標開度の値として演算する目標開度演算処理と、
    前記スロットル開度を前記目標開度とすべく前記スロットルバルブを駆動するスロットル駆動処理と、
    を行うスロットル制御装置。
  2. 前記指令負荷率設定処理は、前記要求負荷率の値分の負荷率が得られるように前記スロットル開度を制御した場合のエンジントルクである実現トルクと、前記軸出力を前記出力制限値とした場合のエンジントルクであるトルク制限値と、を演算するとともに、前記実現トルクが前記トルク制限値以下の値となる場合を前記要求負荷率が前記負荷率制限値以下の値となる場合とする一方、前記実現トルクが前記トルク制限値を超える値となる場合を前記要求負荷率が前記負荷率制限値を超える値となる場合とする請求項1に記載のスロットル制御装置。
  3. 前記スロットル開度の制御範囲の最大値を最大開度TAmaxとし、エンジンの現在の制御状態における負荷率の最大値を最大負荷率KLmaxとし、前記スロットルバルブの通過前の吸気圧に対する同スロットルバルブの通過後の吸気圧の比をスロットル前後圧力比RPとし、負荷率を前記指令負荷率KLcとするために必要なスロットル前後圧力比RPを要求圧力比RP*とし、前記スロットル前後圧力比RPが既定値RPwotとなるときのスロットル開度を切替点開度TAwotとし、前記スロットル前後圧力比RPが前記既定値RPwotとなるときの負荷率を切替点負荷率KLwotとしたとき、
    前記目標開度演算処理は、前記要求圧力比RP*が前記既定値RPwot以下の値となる場合には前記スロットル前後圧力比RPが前記要求圧力比RP*となるスロットル開度を前記目標開度の値として演算するとともに、前記要求圧力比RP*が前記既定値RPwotを超える値となる場合には下式の関係を満たす値「TA*」を前記目標開度の値として演算する処理である
    請求項1又は請求項2に記載のスロットル制御装置。
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