JP7380368B2 - スロットル制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのスロットルバルブの開度を制御するスロットル制御装置に関する。
車載等のエンジンでは、スロットルバルブの開度(以下、スロットル開度と記載する)の制御を通じて、燃焼毎に気筒に流入する空気量であるシリンダ流入吸気量を調整している。スロットルバルブの開度制御は、アクセルペダル操作量からスロットルバルブ通過後の吸気の圧力であるスロットル下流圧の要求値である要求下流圧PM*を求めるとともに、その要求下流圧PM*から目標開度TA*を決定することで行われている。
スロットル開度が大きい大開度領域では、スロットルバルブを通過する吸気の流量のスロットル開度に対する感度が低くなることから、シリンダ流入吸気量の変更に必要なスロットル開度の変更量が増加する。そのため、大開度領域では、スロットル開度の大幅な変更が頻繁に行われる、いわゆるスロットルハンチングが発生し易くなる。
これに対して、従来、特許文献1には、要求下流圧PM*が既定の圧力P1以上の場合には、式(1)に従って目標開度TA*演算するスロットル制御装置が提案されている。式(1)における「TAwot」は、スロットル下流圧を「P1」とするために必要なスロットル開度を表している。また、式(1)における「ΔTC」は、式(2)により求められる補正開度である。なお、式(2)における「CD」は、エンジン回転数NEに応じて決定される係数であり、スロットル開度の変化に対するスロットル下流圧の変化の割合がスロットルハンチングを抑制可能な範囲の下限値となるようにその値が定められている。
特開2006-118373号公報
上記従来のスロットル制御装置において、要求下流圧PM*が圧力P1以上の場合に演算される目標開度TA*の値は、スロットル下流圧を実際に要求下流圧PM*とするスロットル開度からずれた値となる。そうした目標開度TA*のずれが最大開度近傍のスロットル開度だけで生じる分には、そのずれがエンジンのトルク制御に与える影響は僅かなものとなる。しかしながら、エンジンの構成によっては、比較的小さいスロットル開度からスロットルハンチングが発生する可能性がある。そうしたエンジンにおけるスロットルハンチングを抑制可能に「P1」や「CD」の値を設定すると、大開度領域での目標開度TA*のずれが大きくなり、エンジンのトルクを適切に制御できなくなる虞がある。
上記課題を解決するスロットル制御装置は、エンジンの吸気通路に設置されたスロットルバルブの開度を制御する装置として構成されている。ここで、スロットルバルブの開度であるスロットル開度TAの制御目標値を目標開度TA*とし、スロットル開度TAの制御範囲の最大値を最大開度TAmaxとし、スロットルバルブの通過前の吸気圧に対する同スロットルバルブの通過後の吸気圧の比をスロットル前後圧力比RPとする。また、「N」を3以上の整数とし、「i」を1からNまでの任意の整数とする。さらに、ここでは、目標開度TA*の演算方式を切替えるスロットル前後圧力比RPである切替点圧力比RPwotからスロットル前後圧力比RPの最大値である「1」までの同スロットル前後圧力比RPの範囲全体を(N-1)個の区間に区分けするものとする。この場合にそれぞれの区間の境界点となるN個のスロットル前後圧力比RPの値を小さい順に並べたときにi番目となるスロットル前後圧力比RPの値を境界点圧力比RPB[i]と記載する。なお、このときの境界点圧力RP[1]の値は切替点圧力比RPwotとなり、境界点圧力比RPB[N]の値は「1」となる。
上記スロットル制御装置は、エンジンの負荷率の要求値である要求負荷率KL*を演算する要求負荷率演算処理と、要求負荷率KL*の値分の前記負荷率KLが得られる前記スロットル前後圧力比RPを要求圧力比RP*の値として演算する要求圧力比演算処理と、を行う。また、上記スロットル制御装置は、スロットル前後圧力比RPが境界点圧力比RPB[i]となる負荷率KLを境界点負荷率KLB[i]の値として演算する境界点負荷率演算処理と、スロットル前後圧力比RPを境界点圧力比RPB[i]とするために必要なスロットル開度TAを境界点開度TAB[i]の値として演算する境界点開度演算処理と、を行う。なお、吸気流路を絞ることで吸気流量を調整するスロットルバルブは、スロットル開度TAが最大開度TAmaxのときに全開となる。このときには、スロットルバルブの前後に差圧が生じないため、スロットル前後圧力比RPの値は「1」となる。よって、値が「1」の境界点圧力比RPB[N]の実現に必要なスロットル開度TAである境界点開度TAB[N]の値は、最大開度TAmaxとなる。
さらに、上記スロットル制御装置は、目標開度演算処理において、下記の態様で目標開度TA*の値を演算する。まず、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwot以下の場合には、スロットル前後圧力比RPが前記要求圧力比RP*となるスロットル開度TAを前記目標開度TA*の値として演算する。一方、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwotを超える場合には、式(3)の関係を満たす値を目標開度TA*の値として演算する。式(3)における「M」は、要求負荷率KL*が境界点負荷率KLB[M]を超え、かつ境界点負荷率KLB[M+1]以下の値となる整数値を示している。
上記スロットル制御装置での目標開度演算処理では、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwot以下の場合には、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるスロットル開度TAが目標開度TA*の値として演算される。要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwotを超える場合にも、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるスロットル開度TAを目標開度TA*の値として演算すると、目標開度TA*が最大開度TAmaxに近づくにつれて、要求負荷率KL*に対する目標開度TA*の感度が高くなる。そのため、大開度領域では、要求負荷率KL*の僅かな変化に対して目標開度TA*の値が大きく変化することになり、スロットルハンチングが発生してしまう。
これに対して上記スロットル制御装置では、大開度領域全体を複数の区間に区分けしている。そして、スロットル前後圧力比RPが切替点圧力比RPwotを超える場合の目標開度演算処理では、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られるスロットル前後圧力比RPである要求圧力比RP*が位置する区間の各境界点の負荷率及びスロットル開度の値に対する線形補完により、要求負荷率KL*に対応した目標開度TA*の値が演算される。この場合にも、それぞれの区間では、要求負荷率KL*に対する目標開度TA*の変化率が一定となることから、最大開度TAmaxの近傍でも同変化率が一定となる。そのため、大開度領域でのスロットルハンチングが生じ難くなる。また、大開度領域全体を単一の線形補間区間として目標開度TA*を演算する場合に比べて、要求負荷率KL*に対する負荷率KLのずれが小さくなる。そのため、要求負荷率KL*に対する負荷率KLのずれを抑えつつ、大開度領域でのスロットルハンチングを抑制できる。したがって、上記スロットル制御装置によれば、大開度領域でのスロットル開度TAの制御性を向上できる。
ところで、エンジンに適用される装置として、燃料タンク内で発生した燃料蒸気を吸気中に放出して、燃焼室内で燃焼させることで処理する燃料蒸気処理装置がある。自然吸気式のエンジンに適用される燃料蒸気処理装置では、吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側の部分に形成される負圧により燃料蒸気を引き込むことで、吸気中に燃料蒸気を放出している。これに対して、過給式のエンジンでは、過給運転中には上記負圧が形成されないことから、エゼクタやエアポンプなどを用いて、吸気通路におけるスロットルバルブよりも上流側の部分に燃料蒸気を放出する燃料蒸気処理装置を採用することがある。スロットル開度TAやエンジン回転数に変わりがなくても、吸気通路におけるスロットルバルブよりも上流側の部分に燃料蒸気が放出されると、その放出された燃料蒸気の流量分、スロットルバルブを通過する空気の流量が減少してしまう。そのため、そうした燃料蒸気処理装置を備えるエンジンでは、燃料蒸気処理装置により吸気通路におけるスロットルバルブよりも上流側の部分に放出される燃料蒸気の流量が多いときには同流量が少ないときよりも目標開度TA*を大きい開度とする上流パージ補正処理を行うことがある。こうした場合、要求負荷率KL*の変化に加えて、燃料蒸気処理装置により放出される燃料蒸気の流量によってもスロットル開度TAが変化することから、スロットルハンチングが発生し易くなる。そのため、上流パージ補正処理を行う場合には、同処理を行わない場合よりも小さい値を切替点圧力比RPwotの値として設定することが望ましい。そして、上述のように、スロットル前後圧力比RPが切替点圧力比RPwotを超える大開度領域全体を単一の線形補完区間として目標開度TA*を演算する場合の大開度領域での要求負荷率KL*に対する負荷率KLのずれは、切替点圧力比RPwotとして小さい値が設定されており、線形補完区間が長くなるほど、大きくなる。
そのため、上記スロットル制御装置は、吸気通路におけるスロットルバルブよりも上流側の部分において吸気を圧縮する過給機と、燃料タンク内で発生した燃料蒸気を吸気通路におけるスロットルバルブよりも上流側の部分に放出する燃料蒸気処理装置と、を備えるエンジンに適用され、かつ、当該スロットル制御装置が、燃料蒸気処理装置により吸気通路におけるスロットルバルブよりも上流側の部分に放出される燃料蒸気の流量が多いときには同流量が少ないときよりも目標開度TA*を大きい開度とする上流パージ補正処理を行う場合に、特に有効である。
スロットル制御装置の一実施形態の構成を模式的に示す図。 スロットル前後圧力比、スロットル開度とスロットル通過流量との関係を示すグラフ。 スロットル前後圧力比とΦ値との関係を示すグラフ。 スロットル開度と飽和流量との関係を示すグラフ。 スロットル開度とスロットル前後圧力比との関係を示すグラフ。 PmFULL制御方式における大開度領域での目標開度の演算態様を示す図。 切替点圧力比として大小2つの値を設定した場合のそれぞれにおける要求負荷率と目標開度との関係を対比して示すグラフ。 上記実施形態のスロットル制御装置が実行するスロットル開度制御ルーチンのフローチャート。 最大負荷率演算マップにおける最大負荷率とエンジン回転数との関係を示すグラフ。 同実施形態のスロットル制御装置における大開度領域での要求負荷率と目標開度との関係を示すグラフ。
以下、スロットル制御装置の一実施形態を、図1~図10を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の適用対象となるエンジン10には、混合気の燃焼が行われる燃焼室11と、燃焼室11への吸気の導入路である吸気通路12と、燃焼室11からの排気の排出路である排気通路13と、が設けられている。また、エンジン10には、開弁/閉弁に応じて吸気通路12を燃焼室11に連通/遮断する吸気弁14と、開弁/閉弁に応じて排気通路13を燃焼室11に連通/遮断する排気弁15と、が設けられている。さらに、エンジン10には、吸気弁14のバルブタイミングVTを可変とするバルブタイミング可変機構16が設けられている。
吸気通路12には、吸気中の塵等を濾過するエアクリーナ17と、吸気通路12を流れる吸気の流量である吸気流量GAを検出するエアフローメータ43と、が設けられている。また、吸気通路12におけるエアフローメータ43よりも下流側の部分には、スロットルバルブ18が設置されている。スロットルバルブ18は、回転可能に軸支された状態で吸気通路12内に設置されている。そして、スロットルバルブ18は、スロットルモータ19により回転駆動されるようになっている。さらに、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも下流側の部分には、吸気中に燃料を噴射するインジェクタ20が設置されている。
燃焼室11には、吸気通路12を通じて流入した吸気とインジェクタ20が噴射した燃料との混合気を着火する点火装置21が設置されている。また、排気通路13には、燃焼室11から排出された排気を浄化する触媒装置22が設置されている。
こうしたエンジン10においてスロットルバルブ18は、吸気通路12内での回転位置に応じて開口面積を変化させることで、同スロットルバルブ18を通過する吸気の流量であるスロットル通過流量を調整する弁となっている。以下の説明におけるスロットル開度TAは、開口面積が0となる回転位置である全閉位置からのスロットルバルブ18の回転角を表している。
また、エンジン10には、排気タービン式の過給機23が設けられている。過給機23は、吸気通路12におけるエアクリーナ17よりも下流側、かつスロットルバルブ18よりも上流側の部分に設置されたコンプレッサ24と、排気通路13における触媒装置22よりも上流側の部分に設置されたタービン25と、を備えている。コンプレッサ24は、連動して回転するようにタービン25と連結されている。こうした過給機23では、排気の流勢を受けてタービン25の回転に応じてコンプレッサ24が回転することで、吸気を圧縮して燃焼室11に送る過給動作が行われる。なお、過給機23には、開弁に応じてタービン25を迂回して排気を流すウェイストゲートバルブ26が設置されている。
さらに、エンジン10には、燃料タンク27内で発生した燃料蒸気を吸気中に放出する燃料蒸気処理装置28が設けられている。燃料蒸気処理装置28は、燃料タンク27内で発生した燃料蒸気を捕集するキャニスタ29を備えている。また、燃料蒸気処理装置28は、キャニスタ29と吸気通路12とを繋ぐパージ通路30と、そのパージ通路30に設置された電磁式の開閉弁であるパージバルブ31と、を備えている。一方、吸気通路12には、コンプレッサ24を迂回して吸気を流す吸気バイパス路32が設けられている。吸気バイパス路32は、吸気通路12におけるエアクリーナ17よりも下流側、かつコンプレッサ24よりも上流側の部分と、同吸気通路12におけるコンプレッサ24よりも下流側、かつスロットルバルブ18よりも上流側の部分とを連通するように設けられている。また、吸気バイパス路32には、エゼクタ33が設けられている。燃料蒸気処理装置28のパージ通路30におけるパージバルブ31よりも吸気通路12側の部分は、上流パージ通路34と下流パージ通路35とに分岐されている。そして、上流パージ通路34は吸気バイパス路32のエゼクタ33に、下流パージ通路35は吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも下流側の部分に、それぞれ接続されている。エゼクタ33は、吸気バイパス路32を流れる吸気の流勢により負圧を形成するとともに、その負圧により上流パージ通路34から燃料蒸気を引き込んで、吸気バイパス路32を流れる吸気中に合流させる。こうした燃料蒸気処理装置28では、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも下流側の部分が負圧となるときには、その負圧により下流パージ通路35から燃料蒸気を引き込むことで、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも下流側の部分に燃料蒸気を放出する。一方、エンジン10の過給運転中は、吸気通路12におけるコンプレッサ24の下流側の圧力が同コンプレッサ24の上流側の圧力よりも高くなり、吸気バイパス路32を通って吸気が逆流する。このときのエゼクタ33が形成する負圧により、上流パージ通路34から吸気バイパス路32を流れる吸気中に燃料蒸気が引き込まれる。これにより、エンジン10の過給運転中の燃料蒸気処理装置28は、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも上流側の部分に燃料蒸気を放出する。
以上のように構成されたエンジン10は、エンジン制御ユニット40により制御されている。エンジン制御ユニット40は、エンジン制御に係る各種の演算処理を実行する演算処理装置41と、制御用のプログラムやデータが記憶された記憶装置42と、を備える電子制御システムとして構成されている。
一方、エンジン10には、その運転状況を確認するための各種センサが設けられている。例えばエンジン10の吸気通路12には、吸気流量GAを検出するエアフローメータ43、過給圧PBを検出する過給圧センサ44、及びインマニ圧PINを検出するインマニ圧センサ45が設置されている。過給圧PBは、吸気通路12におけるコンプレッサ24よりも下流側、かつスロットルバルブ18よりも上流側の部分の吸気の圧力であり、インマニ圧PINは、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも下流側の部分の吸気の圧力である。また、エンジン10の排気通路13には、燃焼室11で燃焼した混合気の空燃比ABYFを検出する空燃比センサ46が検出されている。さらに、エンジン10には、出力軸であるクランク軸47の回転角であるクランク角CAを検出するクランク角センサ48が設けられている。エンジン制御ユニット40には、これらセンサの検出結果が入力されている。また、エンジン制御ユニット40には、運転者のアクセルペダル49の踏込み量であるアクセルペダル操作量ACCを検出するアクセルペダルセンサ50の検出結果も入力されている。なお、エンジン制御ユニット40は、クランク角CAの検出結果からエンジン回転数NEを演算している。
そして、エンジン制御ユニット40は、それらセンサの検出結果に基づき、スロットルバルブ18の開度であるスロットル開度TAやインジェクタ20の燃料噴射量QINJ、点火装置21の点火時期SAなどの制御を実行している。また、エンジン制御ユニット40は、過給機23の過給動作を制御するためのウェイストゲートバルブ26の制御や、燃料蒸気処理装置28による燃料蒸気の放出を制御するためのパージバルブ31の制御も行っている。なお、本実施形態では、エンジン制御の一環としてスロットル開度TAの制御を行うエンジン制御ユニット40がスロットル制御装置に相当する構成となっている。
続いて、エンジン制御ユニット40が行うスロットル開度TAの制御について説明する。
本実施形態におけるエンジン制御ユニット40が実行するスロットル開度TAの制御方式は、後述するΦ制御方式、及びPmFULL制御方式がベースとなっている。いずれの制御方式においても、スロットル開度TAの制御に係るエンジン制御ユニット40の基本的な処理手順は次の通りとなっている。すなわち、エンジン制御ユニット40は、スロットル開度TAの制御に際してまず、アクセルペダル操作量ACCやエンジン回転数NEなどに基づき、運転者が要求する車両の駆動力を得るために必要なエンジントルクを要求トルクTE*の値として演算する要求トルク演算処理を行う。そして、エンジン制御ユニット40は、要求トルクTE*及びエンジン回転数NEに基づき、要求トルクTE*の値分のエンジントルクの発生に必要なエンジン10の負荷率KLを要求負荷率KL*の値として演算する要求負荷率演算処理を行う。なお、負荷率KLは、燃焼室11に流入する吸気の質量であるシリンダ流入空気量を、シリンダの行程容積を占める標準大気状態、すなわち標準大気圧:1013hPa、標準気温:20℃、標準相対湿度:60%の吸気の質量に対する比率で表したものである。すなわち、負荷率KLは、燃焼室11の吸気の充填効率ηcを表している。その後、エンジン制御ユニット40は、要求負荷率KL*の値分の負荷率KLが得られるスロットル開度TAを、同スロットル開度TAの制御目標値である目標開度TA*の値として演算する目標開度演算処理を行う。そして、エンジン制御ユニット40は、スロットル開度TAを目標開度TA*とすべくスロットルバルブ18を駆動するスロットル駆動処理を行うことで、スロットル開度TAの制御を行っている。なお、スロットル駆動処理は、例えば目標開度TA*に対するスロットル開度TAの偏差に応じてスロットルモータ19の駆動電流をフィードバック調整することで行われる。
Φ制御方式、PmFULL制御方式、及び本実施形態が採用するスロットル開度TAの制御方式は、上記一連の処理手順における目標開度演算処理での目標開度TA*の演算態様が相違したものとなっている。
(Φ制御方式での目標開度の演算)
Φ制御方式における目標開度TA*の演算ロジックを説明する。
シリンダ流入吸気量は、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも下流側の部分の吸気の圧力であるスロットル下流圧PMとエンジン回転数NEとにより決まる値となる。よって、要求負荷率KL*とエンジン回転数NEとに基づくことで、要求負荷率KL*分の負荷率KLを得るために必要なスロットル下流圧PMの値を求めることができる。以下の説明では、要求負荷率KL*分の負荷率KLを得るために必要なスロットル下流圧PMを、要求下流圧PM*と記載する。
ここで、スロットルバルブ18を通過し、エンジン10の各気筒の燃焼室11に分配供給される吸気の質量流量を吸気弁通過流量とする。なお、燃焼室11への吸気の流入は吸気弁14の開閉に応じて間欠的に行われるため、実際の吸気弁通過流量はエンジン10の回転に応じて変動する値となるが、ここではそうした変動分を均した値をバルブ通過流量として用いる。エンジン10が1回転する間に同エンジン10において行われる吸気行程の回数は、エンジン10の気筒数により定まった回数となる。よって、単位時間当たりのエンジン10の回転数であるエンジン回転数NEは、エンジン10において単位時間に行われる吸気行程の回数に比例した値となり、そのエンジン回転数NEに要求負荷率KL*を乗算した積(=NE×KL*)は、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られる吸気弁通過流量に比例する値となる。なお、目標開度TA*の演算に用いる吸気の流量の単位として[rpm・%]を用いた場合には、吸気弁通過流量[rpm・%]は、エンジン回転数NE[rpm]に要求負荷率KL*[%]を乗算した積と一致する値となる。
スロットル開度TA及びエンジン回転数NEが一定に保持された定常状態における吸気弁通過流量は、スロットル通過流量と等しい流量となる。したがって、スロットル下流圧PMが要求下流圧PM*となり、且つスロットル通過流量がエンジン回転数NEと要求負荷率KL*の積となるスロットル開度TAをスロットルバルブ18の目標開度TA*に設定すれば、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られるようになる。
なお、以下の説明では、吸気通路12におけるスロットルバルブ18の上流側の部分の吸気の圧力をスロットル上流圧PACと記載する。上記エンジン10の場合、過給圧センサ44が検出する過給圧PBがスロットル上流圧PACに対応する。また、以下の説明では、スロットル上流圧PACに対するスロットル下流圧PMの比をスロットル前後圧力比RPと記載する。ちなみに、スロットル前後圧力比RPの値が取り得る範囲は、0から1までの範囲となる。
さて、スロットル通過流量は、スロットルバルブを通過する吸気の速度と同スロットルバルブの開口面積との積となる。また、スロットルバルブの開口面積は、スロットル開度TAの関数となる。さらに、スロットルバルブを通過する吸気の速度は、スロットル前後圧力比RPにより決まる。よって、スロットル開度TA、スロットル前後圧力比RP、スロットル通過流量の3つの値のうち、2つの値が定まれば、残りの一つの値も自ずと定まることになる。
図2に、スロットル開度TA及びスロットル前後圧力比RPとスロットル通過流量との関係を示す。なお、スロットルバルブを通過する吸気の速度は、スロットル前後圧力比RPが1のときには0となり、スロットル前後圧力比RPが一定の値α以下のときには音速となる。そして、スロットル前後圧力比RPをαから1まで次第に増加させていったときのスロットルバルブを通過する吸気の速度は、スロットル前後圧力比RPがαのときの値である音速からスロットル前後圧力比RPが1のときの値である0まで次第に低下する。また、スロットル通過流量は、スロットルバルブ18を通過する吸気の速度とスロットルバルブの開口面積との積となる。そのため、スロットル前後圧力比RPが一定の状態ではスロットル開度TAが大きいほど、スロットル通過流量が多くなる。よって、スロットル開度TA及びスロットル前後圧力比RPに対するスロットル通過流量の変化傾向は図2に示す通りとなる。
ここで、スロットル前後圧力比RPがα以下の区間、すなわちスロットルバルブ18を通過する吸気の速度が音速となる音速域におけるスロットル通過流量を飽和流量BPMとする。飽和流量BPMは、スロットルバルブの開口面積と音速との積となり、その値はスロットル開度TAの関数となる。こうした飽和流量BPMに対するスロットル通過流量の比をΦ値とする。スロットルバルブを通過する吸気の速度は、スロットル前後圧力比RPにより決まるため、Φ値はスロットル前後圧力比RPの関数となる。なお、Φ値は、スロットルバルブを通過する吸気の速度の、音速に対する比を表してもいる。
図3に、Φ値とスロットル前後圧力比RPとの関係を示す。同図に示すように、スロットル前後圧力比RPがα以下の音速域でのΦ値は1となる。また、スロットル前後圧力比RPが1のときのΦ値は0となる。そして、スロットル前後圧力比RPをαから1へと次第に増加させていったときのΦ値は、スロットル前後圧力比RPがαのときの値である1からスロットル前後圧力比RPが1のときの値である0へと次第に減少していく値となる。
図4に、飽和流量BPMとスロットル開度TAとの関係を示す。上述のように飽和流量BPMは、スロットルバルブの開口面積に比例する。そして、スロットル開度TAと開口面積との関係は、吸気通路12及びスロットルバルブの寸法形状により決まるため、飽和流量BPMとスロットル開度TAとの関係はそれらの設計仕様により定まるものとなっている。
スロットル通過流量は、現在のスロットル開度TAにおける飽和流量BPMに、現在のスロットル前後圧力比RPにおけるΦ値を乗算した積として求めることができる。一方、上述のように、要求下流圧PM*は、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られるスロットル下流圧PMの値として求められている。よって、現在のスロットル上流圧PACが既知となれば、そのスロットル上流圧PACに対する要求下流圧PM*の比として、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られるスロットル前後圧力比RPの値を求められる。以下の説明では、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られるスロットル前後圧力比RPを要求圧力比RP*と記載する。
さらに、上述のように、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られる吸気弁通過流量は、要求負荷率KL*にエンジン回転数NEを乗算した積となる。また、定常状態では、吸気弁通過流量とスロットル通過流量とは等しい流量となる。よって、次の手順により、要求負荷率KL*分の負荷率KLを得るために必要な目標開度TA*の値を演算することができる。
上記のように要求下流圧PM*は、吸気弁通過流量が、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られる流量となるときのスロットル下流圧PMを表している。よって、スロットル上流圧PACに対する要求下流圧PM*の比である要求圧力比RP*の値は、吸気弁通過流量が、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られる流量となるときのスロットル前後圧力比RPを表すことになる。そこで、図3の関係に基づいて、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*であるときのΦ値の値を求め、その求めたΦ値の値により、要求負荷率KL*分の負荷率KLを得るために必要な吸気弁通過流量を除算した商を演算する。この商の値は、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られるスロットル開度TA、すなわち目標開度TA*における飽和流量を表す。そこで、図4の関係に基づき、その商の値が飽和流量BPMとなるスロットル開度TAを目標開度TA*の値として求めれば、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られるスロットル開度TAを目標開度TA*の値として演算することができる。
以上を踏まえて、Φ制御方式では、以下の手順で目標開度TA*を演算している。すなわち、Φ制御方式での目標開度TA*の演算に際してはまず、要求負荷率KL*、エンジン回転数NE、及びスロットル上流圧PACのそれぞれの現在の値を取得する。続いて、要求負荷率KL*とエンジン回転数NEとに基づき、要求下流圧PM*を演算する。そして、要求下流圧PM*をスロットル上流圧PACで割った商を、要求圧力比RP*の値として演算する(RP*←PM*/PAC)。
続いて、図3に示すような、予め実験等で求めておいた当該エンジンにおけるΦ値とスロットル前後圧力比RPとの関係に基づき、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるΦ値の値を求める。そして、その求めた値を要求Φ値PHY*の値として演算する。さらに、要求負荷率KL*及びエンジン回転数NEの積を要求Φ値PHY*で割った商を、要求飽和流量BPM*の値として演算する(BPM*←(KL*×NE)/PHY*)。続いて、図4に示すような、予め実験等で求めておいた当該エンジンにおける飽和流量BPMとスロットル開度TAとの関係に基づき、飽和流量BPMが要求飽和流量BPM*となるスロットル開度TAを求める。そして、その求めた値を目標開度TA*として演算する。
このようにΦ制御方式では、スロットルバルブを通過する吸気の流れの物理モデルに従って演算した要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られるスロットル開度TAを目標開度TA*の値として設定している。ただし、こうしたΦ制御方式によりスロットル開度TAを制御する場合には、次の問題が生じる虞がある。
図5に、スロットル上流圧PAC及びエンジン回転数NEが一定の状態においてスロットル開度TAを変化させたときのスロットル前後圧力比RPの変化を示す。スロットル開度TAを0から最大開度TAmaxへと増加させていったときにスロットル前後圧力比RPは、スロットル開度TAが0のときの値である0からスロットル開度TAが最大開度TAmaxのときの値である1へと増加していく。ただし、スロットル開度TAが最大開度TAmaxに近づくと、スロットル開度TAに対するスロットル前後圧力比RPの変化率、すなわちスロットル開度TAの変化量に対するスロットル前後圧力比RPの変化量の比率は次第に小さくなる。そのため、スロットル前後圧力比RPが1に近い大開度領域では、スロットル開度TAに対するスロットル前後圧力比RPの感度が低くなる。すなわち、要求負荷率KL*の僅かな変化に対して目標開度TA*の値が大きく変化することになる。そしてその結果、大開度領域では、スロットル開度TAの大幅な変更が頻繁に行われる、いわゆるスロットルハンチングが発生して、スロットルモータ等に多大な負荷をかける虞がある。PmFULL制御方式は、このような大開度領域でのスロットルハンチングを抑制すべく、Φ制御方式に改良を加えたスロットル開度TAの制御方式となっている。
(PmFULL制御方式)
続いて、PmFULL制御方式での目標開度TA*の演算ロジックを説明する。以下の説明では、Φ制御方式でスロットル開度TAを制御した場合にもスロットルハンチングが問題とならないスロットル前後圧力比RPの上限値を、切替点圧力比RPwotと記載する。PmFULL制御方式でも、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwot以下となる場合には、Φ制御方式と同様に目標開度TA*を演算する。
これに対して、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwotを超える場合には、PmFULL制御方式では、下記の態様で目標開度TA*を演算している。
すなわち、この場合には、まず、図3に示すような当該エンジンにおけるΦ値とスロットル前後圧力比RPとの関係に基づき、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*となるΦ値を切替点Φ値PHYwotの値として演算する。また、要求負荷率KL*とエンジン回転数NEとの積を切替点Φ値PHYwotで割った商を切替点飽和流量BPMwotの値として演算する(BPMwot←(KL*×NE)/PHYwot)。そして、図4に示すような当該エンジンにおける飽和流量BPMとスロットル開度TAの関係に基づき、飽和流量BPMが切替点飽和流量BPMwotとなるスロットル開度TAを切替点開度TAwotの値として演算する。
さらに、現在のスロットル上流圧PACのもとで、スロットル前後圧力比RPを切替点圧力比RPwotとするために必要なスロットル下流圧PMを、切替点スロットル下流圧PMwotの値として演算する。切替点スロットル下流圧PMwotの値は、現在のスロットル上流圧PACに切替点圧力比RPwotを乗算した積として演算することができる。そして、予め実験等で求めておいた当該エンジンにおけるスロットル下流圧PM、エンジン回転数NE、及び負荷率KLの関係に基づき、現在のエンジン回転数NEにおいてスロットル下流圧PMを切替点スロットル下流圧PMwotとした場合の負荷率KLを求める。そして、その求めた値を切替点負荷率KLwotの値として設定する。
また、この場合の目標開度TA*の演算に際しては、現在のエンジン回転数NEにおける負荷率KLの最大値である最大負荷率KLmaxを求めている。そして、要求負荷率KL*、切替点負荷率KLwot、切替点開度TAwot、最大負荷率KLmax、及び最大開度TAmaxに基づき、式(4)の関係を満たす値が、目標開度TA*の値として演算される。
図6に、スロットル開度TA及び負荷率KLを座標軸とした直交座標系に式(4)の各パラメータをプロットしたものを示す。同図に示す線分LABは、スロットル開度TAが切替点開度TAwotであり、かつ負荷率KLが切替点負荷率KLwotである座標点Aと、スロットル開度TAが最大開度TAmaxであり、かつ負荷率KLが最大負荷率KLmaxである座標点Bと、を繋ぐ線分である。式(4)は、線分LAB上において、負荷率KLが要求負荷率KL*となる座標点Cのスロットル開度TAの値を目標開度TA*の値として演算する式、すなわち、座標点A、B間の線形補間を通じて目標開度TA*を演算する式となっている。
図6には、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwotを超える大開度領域においても、Φ制御方式により目標開度TA*を演算した場合の要求負荷率KL*と目標開度TA*との関係が二点鎖線で示されている。Φ制御方式では、目標開度TA*が最大開度TAmaxに近づくにつれて、要求負荷率KL*の変化量に対する目標開度TA*の変化量の比率が大きくなっていく。そのため、大開度領域では、要求負荷率KL*の僅かな変化に対して目標開度TA*の値が大きく変化することになり、スロットルハンチングが発生してしまう。一方、PmFULL制御方式では、切替点開度TAwotを超える大開度領域での目標開度TA*が、要求負荷率KL*に対して線形関係となる値として演算される。その結果、大開度領域での要求負荷率KL*に対する目標開度TA*の変化率が一定となるため、スロットルハンチングが発生し難くなる。なお、PmFULL制御方式を採用した場合にも、要求負荷率KL*が最大負荷率KLmaxとなるときの目標開度TA*は最大開度TAmaxとなるため、本来発生可能な最大値までエンジントルクを高められる。また、大開度領域においても要求負荷率KL*に連動して変化する値として目標開度TA*が演算される。そのため、再循環排気や燃料蒸気、ブローバイガスなどの新気以外のガスが燃焼室に流入する状況でも、要求負荷率KL*の変化に追従して負荷率KLが変化するようにスロットル開度TAを制御することが可能となる。
しかしながら、本実施形態が適用されるエンジン10において、こうしたPmFULL制御方式によるスロットル開度TAの制御を採用した場合には、次の問題が発生する。
上述のようにエンジン10が備える燃料蒸気処理装置28は、過給運転中に燃料蒸気の放出を過給運転中に行う場合には、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも上流側の部分に燃料蒸気を放出している。以下の説明では、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも上流側の部分への燃料蒸気の放出を、上流パージと記載する。上流パージが行われているときには、空気と燃料蒸気とを含んだガスがスロットルバルブ18を通過する。よって、スロットルバルブ18を空気のみが通過するものとして目標開度TA*を演算すると、燃料蒸気の分、実際に燃焼室11に流入する空気量が少なくなり、要求負荷率KL*に対して負荷率KLが不足してしまう。
そのため、エンジン制御ユニット40は、吸気通路12におけるスロットルバルブよりも上流側の部分に放出された燃料蒸気の流量である上流ベーパ流量QVを求めるとともに、その上流ベーパ流量QVに応じて目標開度TA*を補正する上流パージ補正処理を行っている。具体的には、上流パージの実施中のエンジン制御ユニット40は、パージバルブ31の開度や過給圧PB等に基づく演算により、燃料蒸気処理装置28のキャニスタ29から吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも上流側の部分に放出されるパージガスの流量である上流パージガス流量QPGUを求めている。なお、パージガスには、燃料蒸気と空気とが含まれている。また、パージガス中の燃料蒸気の比率、すなわちベーパ濃度CVは、キャニスタ29に捕集されている燃料蒸気の量等により変化する。そこで、エンジン制御ユニット40は、上流パージ流量QPが変化したときの空燃比センサ46による空燃比ABYFの検出値の変化からベーパ濃度CVを求め、上流パージ流量QPにそのベーパ濃度CVを乗算した積を上流ベーパ流量QVの値として求めている。さらに、エンジン制御ユニット40は、上流ベーパ流量QVの値分、スロットル通過流量を増加させるために必要なスロットル開度TAの増加量を上流パージ補正開度ΔTHの値として演算している。そして、エンジン制御ユニット40は、補正前の値に上流パージ補正開度ΔTHを加えた和が補正後の値となるように、目標開度TA*を補正することで、上流パージ補正処理を行っている。こうした上流パージ補正処理によれば、上流ベーパ流量QVが多いときには同上流ベーパ流量QVが少ないときよりも目標開度TA*が大きい開度とされることになる。
こうした上流パージ補正処理が行われる場合の目標開度TA*は、要求負荷率KL*の変化に加えて、上流ベーパ流量QVの変化によっても変化する。そのため、上流パージ補正処理が行われる場合には、大開度領域でのスロットル開度TAの変動が大きくなる。よって、上流パージ補正処理を行う場合には、自然吸気式のエンジンなどの上流パージ補正処理を行わずにスロットル開度TAの制御を行うエンジンに比べて、スロットルハンチングが問題とならないスロットル前後圧力比RPの上限値である切替点圧力比RPwotとして小さい値が設定されている。
図7には、RP1、及びそのRP1よりも小さい値であるRP2をそれぞれ切替点圧力比RPwotとして設定してPmFULL制御方式によりスロットル開度TAを制御した場合のそれぞれにおける大開度領域での要求負荷率KL*と目標開度TA*との関係を示す。なお、同図における実線L1は切替点圧力比RPwotとしてRP1を設定した場合を、実線L2は切替点圧力比RPwotとしてRP1を設定した場合を、それぞれ示している。さらに、同図における破線L3は、要求負荷率KL*分の負荷率KLが実際に得られるスロットル開度TAを示している。
他の条件が同じであれば、切替点負荷率KLwotは、切替点圧力比RPwotとして大きい値が設定されている場合よりも小さい値が設定されている場合の方が小さい値となる。よって、切替点圧力比RPwotとしてより小さい値RP2が設定されているときの切替点負荷率KLwotの値KL2は、より大きい値RP1が設定されているときの値KL1よりも小さい値となる。そして、PmFULL制御方式では、切替点負荷率KLwotを超える要求負荷率KL*の範囲では、線形補完により目標開度TA*を演算している。そうして演算される目標開度TA*は、要求負荷率KL*分の負荷率KLが実際に得られるスロットル開度TAからずれた値となるため、負荷率KLが要求負荷率KL*からずれてしまう。そうした負荷率KLのずれは、線形補完により目標開度TA*を演算するスロットル前後圧力比RPの区間が長いほど、すなわち切替点圧力比RPwotの値が小さいほど、大きくなる。そのため、上流パージ補正処理によるスロットル開度TAの変動量の増加に対応して、小さい値を切替点圧力比RPwotとして設定した場合には、PmFULL制御を採用した場合の大開度領域での要求負荷率KL*に対する負荷率KLのずれが大きくなる。これに対して、本実施形態のスロットル制御装置では、大開度領域におけるスロットルハンチングを抑制しつつも、要求負荷率KL*に対する負荷率KLのずれを抑えるべく、PmFULL制御方式を改良したスロットル開度TAの制御方式を採用している。
(本実施形態のスロットル開度制御)
以下、図8~10を参照して、本実施形態が採用するスロットル開度TAの制御方式について説明する。
図8は、本実施形態のスロットル制御装置におけるエンジン制御ユニット40が、スロットル開度TAの制御のために実行するスロットル開度制御ルーチンのフローチャートを示している。エンジン制御ユニット40は、エンジン10の運転中、既定の制御周期毎に本ルーチンの処理を繰り返し実行している。
さて、本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS100において、アクセルペダル操作量ACCとエンジン回転数NEとに基づいて要求トルクTE*が演算される。続くステップS110では、要求トルクTE*とエンジン回転数NE、点火時期SA、吸気弁14のバルブタイミングVT等に基づき、要求トルクTE*分のエンジントルクの発生に必要な負荷率KLが要求負荷率KL*の値として演算される。
続いて、ステップS120において、要求負荷率KL*、エンジン回転数NE、バルブタイミングVT等に基づき、負荷率KLを要求負荷率KL*とするために必要なスロットル下流圧PMの値が要求下流圧PM*の値として演算される。そして、続くステップS130において、要求下流圧PM*をスロットル上流圧PACで割った商が要求圧力比RP*の値として演算される。なお、本実施形態では、過給圧センサ44による過給圧PBの検出値をスロットル上流圧PACの値として用いている。
次のステップS140では、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwotを超える値であるか否かが判定される。そして、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwot以下の値である場合(NO)にはステップS150に、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwotを超える値である場合(YES)にはステップS200に、それぞれ処理が進められる。
要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwot以下の値であって(S140:NO)、ステップS150に処理が進められた場合には、そのステップS150において、エンジン制御ユニット40の記憶装置42に予め記憶されたΦ値演算マップMAP1を用いて、スロットル前後圧力比RPが要求圧力比RP*であるときのΦ値の値が要求Φ値PHY*の値として演算される。Φ値演算マップMAP1には、予め実験等により求められたエンジン10におけるスロットル前後圧力比RPとΦ値との関係を示す情報が格納されている。さらに続くステップS160では、要求負荷率KL*とエンジン回転数NEとの積を要求Φ値PHY*で除算した商が、要求飽和流量BPM*の値として演算される。また、次のステップS170では、エンジン制御ユニット40の記憶装置42に予め記憶された開度演算マップMAP2を用いて、飽和流量BPMが要求飽和流量BPM*となるスロットル開度TAが目標開度TA*の値として演算される。なお、開度演算マップMAP2には、予め実験等で求められたエンジン10における飽和流量BPMとスロットル開度TAとの関係を示す情報が格納されている。
その後、ステップS180において、目標開度TA*に対して上述の上流パージ補正処理が実施される。そして、続くステップS190において、スロットル開度TAを目標開度TA*とすべく、スロットルバルブ18を駆動するスロットル駆動処理が実施された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。このように、本実施形態においても、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwot以下の場合には、Φ制御方式により目標開度TA*が演算される。
一方、要求圧力比RP*が切替点圧力比RPwotを超える値であって(S140:YES)、ステップS200に処理が進められた場合には、そのステップS200において、エンジン制御ユニット40の記憶装置42に記憶された最大負荷率演算マップMAP3を用いて、現在のエンジン回転数NEにおける最大負荷率KLmaxが演算される。最大負荷率演算マップMAP3には、予め実験等で求められた、図9に示すようなエンジン回転数NEと最大負荷率KLmaxとの関係を示す情報が格納されている。
なお、本実施形態では、大開度領域での目標開度TA*の演算のための区分として、切替点圧力比RPwotからスロットル前後圧力比RPの最大値である「1」までのスロットル前後圧力比RPの範囲全体を、第1区間、第2区間、及び第3区間の3つの区間に区分けしている。以下の説明では、これら3つの区間のそれぞれの境界点となる4つのスロットル前後圧力比RPの値を小さい順に並べたときにi番目となるスロットル前後圧力比RPの値を境界点圧力比RPB[i]と記載する。ここでの「i」は、1から4までのいずれかの整数値を示している。このときの境界点圧力比RPB[1]の値は切替点圧力比RPwotとなり、境界点圧力比RPB[4]の値は「1」となる。
なお、以下の説明では、すべての境界点圧力比RPB[1],RPB[2],RPB[3],RPB[4]の集合を、境界点圧力比RPB[1…N]と記載する。Nは境界点の個数であり、本実施形態の場合のNの値は4である。また、以下の説明では、上記区間の各境界点におけるΦ値PHY、飽和流量BPM、負荷率KL、スロットル下流圧PM、及びスロットル開度TAをそれぞれ表すパラメータとして、境界点Φ値PHYB、境界点飽和流量BPMB、境界点負荷率KLB、境界点下流圧PMB、及び境界点開度TABが登場する。これらについても境界点圧力比の場合と同様の記載ルールを適用する。さらに、以下の説明では、記述を簡単とするため、例えば「スロットル前後圧力比RPがそれぞれ境界点圧力比RPB[1]、RPB[2]、RPB[3]、RPB[4]となるΦ値PHYの値をそれぞれ境界点Φ値PHYB[1]、PHYB[2]、PHYB[3]、PHYB[4]の値として演算する」ことを述べる場合には、「スロットル前後圧力比RPが各境界点圧力比[1…N]となるΦ値PHYの値を各境界点Φ値PHYB[1…N]の値として演算する」といったように記載する。
さて、上記ステップS200に続くステップS210では、上述のΦ値演算マップMAP1を用いて、スロットル前後圧力比RPが各境界点圧力比RPB[1…N]となるときのΦ値の値が各境界点Φ値PHYB[1…N]の値として演算される。続くステップS220では、要求負荷率KL*とエンジン回転数NEとの積を各境界点Φ値PHYB[1…N]で除算した商が、各境界点飽和流量BPMB[1…N]の値としてそれぞれ演算される。さらに、ステップS230において、上述の開度演算マップMAP2を用いて、飽和流量BPMが各境界点飽和流量BPMB[1…N]となるスロットル開度TAである各境界点開度TAB[1…N]の値がそれぞれ演算される。
また、続くステップS240では、各境界点圧力比RPB[1…N]にスロットル上流圧PACを乗算した積が各境界点下流圧PMB[1…N]の値として演算される。境界点下流圧PMB[1…N]の値は、現在のスロットル上流圧PACにおいてスロットル前後圧力比RPが各境界点圧力比RPB[1…N]となるスロットル下流圧PMの値を示している。次のステップS250では、エンジン制御ユニット40の記憶装置42に予め記憶された負荷率演算マップMAP4を用いて、現在のエンジン回転数NEにおいてスロットル下流圧PMを各境界点下流圧PMB[1…N]としたときのそれぞれの負荷率KLである境界点負荷率KLB[1…N]の値がそれぞれ演算される。負荷率演算マップMAP4には、予め実験等で求められたエンジン10におけるスロットル下流圧PM、エンジン回転数NE、及び負荷率KLの関係を示す情報が格納されている。なお、境界点負荷率KLB[4]の値には、最大負荷率KLmaxが設定される。
次に、ステップS260において、要求負荷率KL*が境界点負荷率KLB[M]を超え、かつ境界点負荷率KLB[M+1]以下の値となる整数値Mの探索が行われる。すなわち、この探索では、切替点圧力比RPwotを超えるスロットル前後圧力比RPの範囲に設定された上記3つの区間の中のいずれの区間に要求圧力比RP*が位置しているかが求められる。
そして、続くステップS270では、探索した整数値Mに対して式(5)の関係を満たす値が目標開度TA*の値として演算される。その後、上述のステップS180に処理が進められ、そのステップS180において上流パージ補正処理が、続くステップS190においてスロットル駆動処理が、それぞれ実施された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
図10に、本実施形態のスロットル制御装置における大開度領域での要求負荷率KL*と目標開度TA*との関係を示す。上述のように本実施形態では、切替点圧力比RPwotを超えるスロットル前後圧力比RPの範囲全体を、3つの区間に区分けしている。以下の説明では、それら区間におけるスロットル前後圧力比RPの値が小さい側の境界点を始点側の境界点、スロットル前後圧力比RPの値が大きい側の境界点を終点側の境界点、とそれぞれ記載する。また、現在の要求圧力比RP*の値が位置する区間を、現区間と記載する。
式(5)における境界点負荷率KLB[M]は、スロットル前後圧力比RPを現区間の始点側の境界点の値である境界点圧力比RPB[M]とした場合の負荷率KLの値を表している。また、式(5)における境界点負荷率KLB[M+1]は、スロットル前後圧力比RPを現区間の終点側の境界点の値である境界点圧力比RPB[M+1]とした場合の負荷率KLの値を表している。一方、式(5)における境界点開度TAB[M]は、スロットル前後圧力比RPを現区間の始点側の境界点の値である境界点圧力比RPB[M]とするために必要なスロットル開度TAの値を表している。さらに、式(5)における境界点開度TAB[M+1]は、スロットル前後圧力比RPを現区間の終点側の境界点の値である境界点圧力比RPB[M+1]とするために必要なスロットル開度TAの値を表している。すなわち、式(5)は、現区間の始点側、終点側のそれぞれの境界点における負荷率KL及びスロットル開度TAの値に対する線形補間を通じて要求負荷率KL*に対応した目標開度TA*の値を演算する式となっている。よって、本実施形態では、スロットル前後圧力比RPが切替点圧力比RPwotを超える大開度領域を複数の区間に区分けするとともに、それぞれの区間における線形補間により大開度領域の目標開度TA*を演算していることになる。
なお、図10には、要求負荷率KL*分の負荷率KLが得られる実際のスロットル開度TAが一点鎖線で示されている。また、図10には、大開度領域全体を単一の線形補完区間として目標開度TA*を演算するPmFULL制御方式を採用した場合の要求負荷率KL*と目標開度TA*との関係が破線で示されている。この場合に比べて本実施形態の場合には、線形補完の区間が短い分、大開度領域での要求負荷率KL*に対する負荷率KLのずれは小さくなる。
以上説明した本実施形態のスロットル制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、スロットル前後圧力比RPが切替点圧力比RPwotを超える大開度領域を複数の区間に区分けするとともに、現区間の始点側、終点側のそれぞれ境界点の負荷率KL、スロットル開度TAに対する線形補完により、要求負荷率KL*に対応した目標開度TA*の値を演算している。この場合にも、それぞれの区間では、要求負荷率KL*に対する目標開度TA*の変化率が一定となり、それは最大開度TAmaxの近傍でも同様であるため、Φ制御方式の場合よりもスロットルハンチングが生じ難くなる。また、大開度領域全体を単一の線形補間区間として目標開度TA*を演算するPmFULL制御方式の場合に比べて、個々の線形補完の区間が短い分、大開度領域での要求負荷率KL*に対する負荷率KLのずれは小さくなる。このように、本実施形態では、要求負荷率KL*に対する負荷率KLのずれを抑えつつ、大開度領域でのスロットルハンチングを抑制できる。したがって、本実施形態のスロットル制御装置によれば、大開度領域でのスロットル開度TAの制御性を向上できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、切替点圧力比RPwotからスロットル前後圧力比RPの最大値である「1」までのスロットル前後圧力比RPの範囲を、第1区間、第2区間、及び第3区間の3つの区間に区分けしていたが、2つの区間、或いは4つ以上の区間に区分けするようにしてもよい。
・上記実施形態では、スロットル開度制御ルーチンのステップS270において演算された目標開度TA*の値を上流ベーパ流量QVに応じて補正することで、上流パージ補正処理を行っていた。ステップS270での目標開度TA*の演算に用いる要求負荷率KL*を上流ベーパ流量QVに応じて補正することで上流パージ補正処理を行うようにしてもよい。
・上記実施形態のエンジン10に設けられた燃料蒸気処理装置28は、エゼクタ33を用いて上流パージを実施していた。エアポンプによりキャニスタ29から吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも上流側の部分に燃料蒸気を強制的に送り込む等、エゼクタ33以外の手段で上流パージを行うように燃料蒸気処理装置28を構成してもよい。
・上記実施形態のスロットル制御装置が適用されたエンジン10は、排気タービン式の過給機23を備えていた。クランク軸47の回転を受けて過給を行う機械式の過給機を備えるエンジンでも、過給運転中は、吸気通路12におけるスロットルバルブ18よりも下流側の部分に負圧が形成されないため、上流パージにより燃料蒸気の処理を行う場合がある。そうした場合にも、排気タービン式の過給機23の場合と同様に、スロットル開度TAの制御に際して上流パージ補正処理を実施することがあり、その結果として大開度領域でのスロットルハンチングが増大することがある。よって、上記実施形態におけるスロットル開度TAの制御方式は、機械式の過給機を備えるエンジンにおいても採用が好適なものとなっている。
・上記実施形態のスロットル開度TAの制御方式は、自然吸気式のエンジンや、過給式のエンジンでも上流パージを実施しないエンジンのような、上流パージ補正処理を行わないエンジンにも適用可能である。ちなみに、上流パージを実施しないエンジンでも、スロットルバルブ等の構成によっては、Φ制御方式でスロットル開度TAを制御した場合に、スロットルハンチングを抑制可能なスロットル前後圧力比RPの上限値が比較的小さい値となることがある。
10…エンジン
11…燃焼室
12…吸気通路
13…排気通路
14…吸気弁
15…排気弁
16…バルブタイミング可変機構
17…エアクリーナ
18…スロットルバルブ
19…スロットルモータ
20…インジェクタ
21…点火装置
22…触媒装置
23…過給機
24…コンプレッサ
25…タービン
26…ウェイストゲートバルブ
27…燃料タンク
28…燃料蒸気処理装置
29…キャニスタ
30…パージ通路
31…パージバルブ
32…吸気バイパス路
33…エゼクタ
34…上流パージ通路
35…下流パージ通路
40…エンジン制御ユニット
41…演算処理装置
42…記憶装置
43…エアフローメータ
44…過給圧センサ
45…インマニ圧センサ
46…空燃比センサ
47…クランク軸
48…クランク角センサ
49…アクセルペダル
50…アクセルペダルセンサ

Claims (2)

  1. エンジンの吸気通路に設置されたスロットルバルブの開度を制御するスロットル制御装置において、
    前記スロットルバルブの開度であるスロットル開度TAの制御目標値を目標開度TA*とし、
    前記スロットル開度TAの制御範囲の最大値を最大開度TAmaxとし、
    前記スロットルバルブの通過前の吸気圧に対する同スロットルバルブの通過後の吸気圧の比をスロットル前後圧力比RPとし、
    「N」を3以上の整数とし、
    「i」を1からNまでの任意の整数とし、
    前記目標開度TA*の演算方式を切替える前記スロットル前後圧力比RPである切替点圧力比RPwotから前記スロットル前後圧力比RPの最大値である「1」までの同スロットル前後圧力比RPの範囲全体を(N-1)個の区間に区分けした場合にそれぞれの区間の境界点となるN個の前記スロットル前後圧力比RPの値を小さい順に並べたときにi番目となる前記スロットル前後圧力比RPの値を境界点圧力比RPB[i]としたとき、
    前記エンジンの負荷率の要求値である要求負荷率KL*を演算する要求負荷率演算処理と、
    前記要求負荷率KL*の値分の前記負荷率KLが得られる前記スロットル前後圧力比RPを要求圧力比RP*の値として演算する要求圧力比演算処理と、
    前記スロットル前後圧力比RPが前記境界点圧力比RPB[i]となる前記負荷率KLを境界点負荷率KLB[i]の値として演算する境界点負荷率演算処理と、
    前記スロットル前後圧力比RPを前記境界点圧力比RPB[i]とするために必要な前記スロットル開度TAを境界点開度TAB[i]の値として演算する境界点開度演算処理と、
    前記要求圧力比RP*が前記切替点圧力比RPwot以下の場合には、前記スロットル前後圧力比RPが前記要求圧力比RP*となる前記スロットル開度TAを前記目標開度TA*の値として演算する一方で、前記要求圧力比RP*が前記切替点圧力比RPwotを超える場合には、前記要求負荷率KL*が前記境界点負荷率KLB[M]を超え、かつ前記境界点負荷率KLB[M+1]以下の値となる整数値Mに対して下式の関係を満たす値を前記目標開度TA*の値として演算する目標開度演算処理と、
    前記スロットル開度TAを前記目標開度TA*とすべく前記スロットルバルブを駆動するスロットル駆動処理と、
    を行うスロットル制御装置。
  2. 前記エンジンは、吸気通路における前記スロットルバルブよりも上流側の部分において吸気を圧縮する過給機と、燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記吸気通路における前記スロットルバルブよりも上流側の部分に放出する燃料蒸気処理装置と、を備えるものであり、
    かつ、当該スロットル制御装置は、前記燃料蒸気処理装置により前記吸気通路における前記スロットルバルブよりも上流側の部分に放出される前記燃料蒸気の流量が多いときには同流量が少ないときよりも前記目標開度TA*を大きい開度とする上流パージ補正処理を行うものである
    請求項1に記載のスロットル制御装置。
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