以下、本開示に係る空気調和システムの実施の形態について図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の実施の形態およびその変形例に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和システムの構成を示した概略ブロック図である。図1に示すように、空気調和システムは、リモートコントローラ1と、温度検出装置2と、送風装置3と、室内ユニット4と、室外ユニット5とを備えている。空気調和システムは、対象となる室内空間の空調を行う。なお、室内空間は、例えば、飲食店の店内である。
リモートコントローラ1は、室内ユニット4に、通信配線7aを介して電気的に接続されている。リモートコントローラ1には、ユーザから、室内空間に対する設定温度、風向、風速、および、運転モードなどの設定情報が入力される。ここで、当該ユーザは、例えば、飲食店の店員である。また、運転モードには、少なくとも冷房運転と暖房運転との運転モードが含まれる。リモートコントローラ1は、当該設定情報に基づいて第1の制御信号を生成して、当該第1の制御信号を通信配線7aを介して室内ユニット4に送信する。リモートコントローラ1と室内ユニット4との間の通信は、通信配線7aを使用する有線通信である。また、室内ユニット4は、室外ユニット5に、通信配線7bを介して電気的に接続されている。リモートコントローラ1に入力された第1の制御信号の少なくとも一部分は、室内ユニット4および通信配線7bを介して、室外ユニット5に送信される。室内ユニット4と室外ユニット5との間の通信は、通信配線7bを使用する有線通信である。なお、室内ユニット4と室外ユニット5との間の通信は、この場合に限らず、無線通信でもよい。
温度検出装置2は、室内空間の空気の温度を検出する。室内空間は、後述する図4に示すように、複数のエリアA、BおよびCを有している。温度検出装置2は、複数のエリアA、BおよびCのそれぞれの温度を検出する。温度検出装置2は、室内空間のエリアごとの室温が検出できる温度センサであればよく、例えば、デジタル温度センサである。温度検出装置2がデジタル温度センサの場合は、複数のエリアA、BおよびCのそれぞれに温度検出装置2を設置する。従って、温度検出装置2の個数は複数である。また、温度検出装置2として、サーモパイルセンサなどの赤外線センサを用いてもよい。その場合には、温度検出装置2が、室内空間全体をモニタすることができるので、1つの温度検出装置2で複数のエリアA、BおよびCのそれぞれの温度を検出することが可能である。この場合、リモートコントローラ1が、赤外線センサで撮影した2次元画像データ内の色に基づいて、複数のエリアA、BおよびCの温度を検出する。このように、温度検出装置2の個数は、1個でもよく、複数個でもよい。また、複数のエリアA、BおよびCは、壁などによって仕切られておらず、互いに連通している。複数のエリアA、BおよびCは、例えば、温度検出装置2の温度検出可能範囲に基づいて、予め設定される。温度検出装置2が温度を検出するエリアの個数は、2以上であればよい。すなわち、室内空間の広さおよび構造などに応じて、当該エリアの個数を適宜決定すればよい。温度検出装置2は、検出した各エリアA、BおよびCの温度を、無線通信路6aを介して、リモートコントローラ1に送信する。温度検出装置2とリモートコントローラ1との間の通信は、無線通信である。当該無線通信の通信方式は、例えば、BlueTooth(登録商標)、BLE(BlueTooth(登録商標) Low Energy)、または、Wi-Fiなどである。
送風装置3は、複数のエリアA、BおよびCのそれぞれに対して、送風を行う。送風装置3は、例えば、プロペラファンとモータとから構成された軸流ファンである。送風装置3は、軸方向に平行な向きに空気を送り出す。送風装置3は、各エリアA、BおよびCの内側に設置されていてもよく、外側に設置されていてもよい。また、送風装置3は、室内空間の壁面に設置される壁掛け型でもよく、室内空間の床面に設置される床置き型のものでもよい。送風装置3は、リモートコントローラ1により制御される。送風装置3には、無線通信路6bを介して、リモートコントローラ1から、第2の制御信号が送信される。送風装置3は、第2の制御信号に応じて、稼働/停止の切り替えが行われる。さらに、送風装置3は、第2の制御信号により、風向または風量などが制御されてもよい。送風装置3とリモートコントローラ1との間の通信は、無線通信である。当該無線通信の通信方式は、例えば、BlueTooth(登録商標)、BLE、または、Wi-Fiなどである。
室内ユニット4は室内空間に設置される。室外ユニット5は屋外に設置される。図2は、実施の形態1に係る空気調和システムの室内ユニット4と室外ユニット5との構成を示した冷媒回路図である。室内ユニット4は、図2に示すように、冷媒配管60により、室外ユニット5に接続される。
図2に示すように、室内ユニット4は、室内側熱交換器41を備えている。室内側熱交換器41は、内部を流通する冷媒と室内空間の空気との間の熱交換を行う。室内側熱交換器41は、例えばフィンアンドチューブ型熱交換器である。室内側熱交換器41は、空気調和システムが暖房運転時には凝縮器として機能し、冷房運転時には蒸発器として機能する。
また、図2に示すように、室外ユニット5は、室外側熱交換器51と、圧縮機52と、流路切替装置53と、膨張弁54と、制御部55とを備えている。室外ユニット5は、さらに、アキュムレータなどの他の構成部品を備えていてもよい。
室外側熱交換器51は、内部を流通する冷媒と屋外の空気との間の熱交換を行う。室外側熱交換器51は、例えば、フィンアンドチューブ型熱交換器である。室外側熱交換器51は、空気調和システムが冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する。
圧縮機52は、低圧のガス冷媒を吸入して圧縮し、高圧のガス冷媒として吐出する。圧縮機52としては、例えば、インバータ回路などの制御により単位時間あたりに送り出す冷媒の量を変化させることができるインバータ圧縮機を用いてもよい。その場合、インバータ回路は、例えば制御部55に搭載されるか、あるいは、制御部55と通信可能に接続され、制御部55によって制御される。
膨張弁54は、凝縮器で液化した冷媒を蒸発器で蒸発しやすいように、流入された液冷媒を絞り作用により減圧させて流出する。また、膨張弁54は、蒸発器の負荷に応じた適切な冷媒量を維持するように、冷媒量を調整する。膨張弁54は、例えば、電子膨張弁から構成される。膨張弁54の開度は、制御部55により制御される。膨張弁54は、図2に示すように、室外側熱交換器51と室内側熱交換器41との間に冷媒配管60により接続されている。
流路切替装置53は、冷媒の流れる方向を切り替えるための弁である。流路切替装置53は、例えば四方弁から構成される。流路切替装置53は、制御部55の制御により、空気調和システムが冷房運転の場合と暖房運転の場合とで切り替えられる。空気調和システムが冷房運転時には、流路切替装置53は、図2の実線で示される状態になり、圧縮機52から吐出された冷媒が室外側熱交換器51に流入する。暖房運転時には、流路切替装置53は、図2の破線で示される状態になり、圧縮機52から吐出された冷媒が室内ユニット4の室内側熱交換器41に流入する。
冷媒配管60は、図2に示すように、圧縮機52、流路切替装置53、室外側熱交換器51、膨張弁54、および、室内側熱交換器41を接続して、冷媒回路を構成している。
図1の説明に戻る。図1に示すように、リモートコントローラ1は、第1制御部11と、第1無線通信部12と、第1有線通信部13と、第1記憶部14と、第1操作部15と、第1表示部16とを備えている。
第1無線通信部12は、温度検出装置2から、無線通信路6aを介して、温度検出装置2で検出された温度を受信する。また、第1無線通信部12は、第1制御部11で生成される後述の第2の制御信号を、無線通信路6bを介して、送風装置3に送信する。第1無線通信部12は、例えば、送受信アンテナと、送信信号および受信信号を処理する信号処理回路とから構成される。
第1操作部15は、ユーザによって操作され、室内空間に対する設定温度、風向、風量、および、運転モードなどの設定情報が入力される。第1操作部15は、例えばリモートコントローラ1の表面に設けられた複数の機械式のボタンおよびスイッチから構成される。第1操作部15は、この場合に限らず、ユーザからの指示を受け付けることが可能なユーザインターフェースであれば、いずれのものも適用可能である。
第1表示部16は、第1操作部15に入力された設定情報を表示する。また、第1表示部16は、温度検出装置2が検出した各エリアの温度を表示してもよい。第1表示部16は、例えば液晶画面から構成される。なお、第1操作部15を構成する複数のボタンおよびスイッチを、第1表示部16の画面に表示する仮想ボタンから構成するようにしてもよい。その場合には、第1操作部15および第1表示部16が一体化され、例えばタッチパネルで構成される。
第1制御部11は、リモートコントローラ1全体の動作の制御を行う。第1制御部11は、第1操作部15に入力された設定情報に基づいて、室内ユニット4および室外ユニット5を制御するための第1の制御信号を生成する。あるいは、第1制御部11は、第1無線通信部12が温度検出装置2から受信した温度に基づいて、当該第1の制御信号を生成する。また、第1制御部11は、第1無線通信部12が温度検出装置2から受信した温度に基づいて、送風装置3を制御するための第2の制御信号を生成する。
ここで、第1制御部11のハードウェア構成について簡単に説明する。第1制御部11は、処理回路により実現される。処理回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの専用のハードウェア、または、第1記憶部14を構成するメモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサなどの演算装置、もしくは、その両方で構成される。
第1有線通信部13は、第1制御部11が生成した第1の制御信号を、通信配線7aを介して、室内ユニット4に送信する。なお、第1の制御信号の一部分は、室内ユニット4から、通信配線7bを介して、室外ユニット5に送信される。第1有線通信部13は、例えば、送信信号を処理する信号処理回路と、通信配線7aに接続されたインターフェース回路とから構成される。なお、第1有線通信部13は、室内ユニット4または室外ユニット5からの故障情報または屋外気温などの各種信号を受信する受信機能を有していてもよい。
第1記憶部14は、第1制御部11の演算結果を記憶する。演算結果には、第1の制御信号および第2の制御信号などの制御情報が含まれる。また、第1記憶部14は、第1無線通信部12が温度検出装置2から受信した各エリアの温度を記憶する。記憶される温度は、時系列データであってもよく、あるいは、最新の温度のみでもよい。さらに、第1記憶部14は、第1操作部15に入力された設定情報を記憶する。第1記憶部14は、メモリから構成される。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスクなどから構成される。
図1に示すように、温度検出装置2は、第2制御部21と、温度検出部22と、第2無線通信部23とを備えている。
第2制御部21は、温度検出装置2全体の動作の制御を行う。第2制御部21は、温度検出部22と第2無線通信部23との動作を制御する。
温度検出部22は、室内空間の各エリアの温度を検出する。温度検出装置2が赤外線センサの場合、温度検出部22は、対象物の温度を非接触で測定する赤外線受光素子などのセンサ素子を有する。しかしながら、温度検出部22は、その場合に限定されない。例えば、温度検出装置2がデジタル温度計の場合、温度検出部22は、温度変化により抵抗値が変化するサーミスタなどの半導体素子、あるいは、温度変化により起電力が変化する熱電対などを有していてもよい。
第2無線通信部23は、温度検出部22が検出した温度を、無線通信路6aを介して、リモートコントローラ1の第1無線通信部12に送信する。第2無線通信部23は、例えば、送受信アンテナと、送信信号および受信信号を処理する信号処理回路とから構成される。
図1に示すように、送風装置3は、第3制御部31と、送風部32と、第3無線通信部33とを備えている。
第3無線通信部33は、リモートコントローラ1の第1無線通信部12から、第2の制御信号を受信する。第3無線通信部33は、受信した第2の制御信号を、第3制御部31に送信する。第3無線通信部33は、例えば、送受信アンテナと、送信信号および受信信号を処理する信号処理回路とから構成される。
送風部32は、ファンとモータとを有している。モータが稼働することにより、ファンが回転する。モータは、第3制御部31によって回転速度が制御される。
第3制御部31は、送風装置3全体の動作の制御を行う。第3制御部31は、送風部32と第3無線通信部33との動作の制御を行う。第3制御部31は、リモートコントローラ1から受信した第2の制御信号に基づいて、送風装置3の稼働/停止の切り替えを行う。また、第3制御部31は、リモートコントローラ1から受信した第2の制御信号に基づいて、送風部32のモータの回転速度を制御する。
図3は、実施の形態1に係る空気調和システム全体の構成を示した構成図である。図4は、実施の形態1に係る空調調和システムが設置された室内空間の様子の一例を模式的に示した図である。図4は、室内空間を側面視している。
図3に示されるように、空気調和システムは、複数の送風装置3と、複数の温度検出装置2とを有している。複数の送風装置3のそれぞれを区別するために、図3および図4では、複数の送風装置3のそれぞれを、送風装置3a、送風装置3b、および、送風装置3cと表記している。また、複数の温度検出装置のそれぞれを区別するために、図3および図4では、複数の温度検出装置2のそれぞれを、温度検出装置2a、温度検出装置2b、および、温度検出装置2cと表記している。
また、図3に示すように、温度検出装置2a、温度検出装置2b、および、温度検出装置2cは、それぞれ、無線通信路6aを介して、リモートコントローラ1と無線通信を行う。送風装置3a、送風装置3b、および、送風装置3cは、それぞれ、無線通信路6bを介して、リモートコントローラ1と無線通信を行う。
図4に示されるように、室内空間が箱型の場合、室内空間は、天井と、床面と、天井と床面との間に配置された4つの壁面とによって区画された空間である。室内空間には、上述したように、複数のエリアA、BおよびCが予め設定されている。
図4に示すように、室内空間には、リモートコントローラ1が配置されている。図4においては、リモートコントローラ1は、室内空間の壁面に配置されている。なお、リモートコントローラ1と室内ユニット4との間の通信を無線通信にして、リモートコントローラ1を、室内の壁面に対して着脱可能にしてもよい。また、室内空間の天井には、室内ユニット4が取り付けられている。
また、室内空間の床面には、複数のテーブル8a、8bおよび8cが設置されている。テーブル8aが設置されている領域がエリアAである。テーブル8bが設置されている領域がエリアBである。テーブル8cが設置されている領域がエリアCである。
また、図4の例では、テーブル8aに在室者9aが居て、テーブル8cに在室者9cが居る。在室者9aおよび9cは、飲食店の客である。
また、エリアAに対しては温度検出装置2aが配置され、エリアBに対しては温度検出装置2bが配置され、エリアCに対しては温度検出装置2cが配置されている。温度検出装置2a、温度検出装置2b、および、温度検出装置2cは、テーブル8a、テーブル8bおよびテーブル8cのそれぞれの机上に配置されていてもよい。あるいは、温度検出装置2a、温度検出装置2b、および、温度検出装置2cは、テーブル8a、テーブル8bおよびテーブル8cのそれぞれの側面に配置されていてもよい。温度検出装置2aはエリアAの空気の温度を検出し、温度検出装置2bはエリアBの空気の温度を検出し、および、温度検出装置2cはエリアCの空気の温度を検出する。
エリアA、エリアB、および、エリアCに対して、送風装置3a、送風装置3bおよび送風装置3cがそれぞれ配置されている。送風装置3a、送風装置3bおよび送風装置3cは、テーブル8a、テーブル8bおよびテーブル8cの机上に配置されてもよく、あるいは、テーブル8a、テーブル8bおよびテーブル8cの外周の一部分に対向するように配置されていてもよい。送風装置3aはエリアAに対して送風を行い、送風装置3bはエリアBに対して送風を行い、送風装置3cはエリアCに対して送風を行う。
次に、実施の形態1に係る空気調和システムの動作について説明する。上記のように構成された空気調和システムは、通常運転時は、ユーザがリモートコントローラ1に入力した設定情報に基づいて動作する。
例えば、図4に示す室内空間において、3つの温度検出装置2a、2bおよび2cのうちの少なくとも1つの検出温度が予め設定された第1閾値を超えていた場合について説明する。
以下の説明においては、検出温度が第1閾値を超えている温度検出装置を、「閾値超え温度検出装置」と呼ぶこととする。ここで、第1閾値は、固定値であり、例えば26℃である。但し、第1閾値は、この値に限定されず、季節あるいは屋外の気温などによって適宜変更してもよい。
さらに、第1閾値を可変にしてもよい。具体的には、第1閾値を、室内ユニット4の設定温度に基づいて更新するようにしてもよい。その場合、例えば、室内ユニット4の設定温度よりも一定温度だけ高い値を、第1閾値とする。設定温度が24℃で、一定温度が2℃であるとすると、第1閾値は26℃となる。この場合には、温度検出装置2の検出温度が設定温度に対して一定温度(2℃)以上離れている場合に、第1制御部11が送風装置3を駆動させる。
図5は、実施の形態1に係る空気調和システムにおいて、3つの温度検出装置2a、2bおよび2cのうちの少なくとも1つの検出温度が第1閾値を超えていた場合を示した側面図である。図5の例では、温度検出装置2cが検出した、エリアCの空気の温度が第1閾値を超えている場合を示している。すなわち、温度検出装置2cが「閾値超え温度検出装置」である。一方、温度検出装置2aおよび温度検出装置2bが検出したエリアAおよびBの空気の温度は第1閾値以下である。従って、温度検出装置2aおよび2bは「閾値超え温度検出装置」でない。このとき、リモートコントローラ1の第1制御部11は、温度検出装置2a、2bおよび2cが検出した温度を取得して、それらの温度に基づいて、「閾値超え温度検出装置」の有無を判定する。ここでは、温度検出装置2cが「閾値超え温度検出装置」である。第1制御部11は、図6に示す関係テーブル100を参照して、温度検出装置2cに対応する送風装置3cに対する第2の制御信号を生成する。これにより、送風装置3cが稼働を開始する。図6は、実施の形態1に係る空気調和システムにおける温度検出装置と送風装置との対応関係を定義した関係テーブル100の一例を示す図である。図6に示すように、関係テーブル100は、エリアA、BおよびCごとに、温度検出装置2a、2bおよび2cの第1識別情報と送風装置3a、3bおよび3cの第2識別情報との対応関係が予め登録されている。関係テーブル100は、リモートコントローラ1の第1記憶部14に予め記憶されている。なお、第1識別情報は、温度検出装置2a、2bおよび2cのそれぞれを識別する固有の識別情報であり、第2識別情報は、送風装置3a、3bおよび3cのそれぞれを識別する固有の識別情報である。
リモートコントローラ1の第1制御部11は、「閾値超え温度検出装置」に対応する送風装置3cの稼働を開始した時点から、時間をカウントする。そして、第1制御部11は、第1時間の間、連続して、温度検出装置2a、2bおよび2cが検出した温度がすべて第1閾値以下の場合、送風装置3cの稼働を停止させるための第2の制御信号を生成する。これにより、送風装置3cは動作を停止する。なお、第1時間は、例えば、5分間である。但し、第1時間は、5分に限らず、適宜、決定してよい。なお、以下の説明においては、説明を簡略化させるために、第1時間を5分にした場合を例に挙げて説明する。
図7は、実施の形態1に係る空気調和システムのリモートコントローラ1の処理の流れを示したフローチャートである。
図7に示すように、ステップS1では、リモートコントローラ1の第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cのそれぞれが検出した温度を取得する。
次に、ステップS2では、第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cのそれぞれが検出した温度に基づいて、「閾値超え温度検出装置」が有るか判定する。「閾値超え温度検出装置」が有った場合は、ステップS3に進む。ここでは、温度検出装置2cが「閾値超え温度検出装置」であると仮定する。一方、「閾値超え温度検出装置」が無かった場合は、ステップS4に進む。
ステップS3では、第1制御部11が、図6に示す関係テーブル100から、温度検出装置2cに対応する送風装置3cを抽出する。第1制御部11は、送風装置3cに対して、第2の制御信号を送信して、送風装置3cを稼働させる。その後、ステップS1の処理に戻る。
ステップS4では、送風装置3a、3bおよび3cのうち、動作中の送風装置があるか判定する。動作中の送風装置が無ければ、ステップS7に進む。一方、動作中の送風装置があれば、ステップS5に進む。
ステップS5では、第1制御部11が、ステップS3で送風装置3cの稼働を開始した時点から、5分経過したか否かを判定する。5分経過していた場合は、ステップS6に進む。一方、5分経過していなかった場合、ステップS1の処理に戻る。
ステップS6では、第1制御部11が、動作中の送風装置3cを停止させる。その後、ステップS7に進む。
ステップS7では、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、通常運転に移行する。
以上のように、実施の形態1では、リモートコントローラ1の第1制御部11が、温度検出装置2a、2b、および、2cが検出した温度に基づいて、検出温度が第1閾値を超えているエリアがあるか判定する。判定の結果、エリアCの温度が第1閾値を超えていたとすると、第1制御部11は、エリアCに設置されている送風装置3cを駆動させる。その後、再び、第1制御部11は、温度検出装置2a、2b、および、2cが検出した温度を取得する。すべてのエリアA、BおよびCの温度が第1閾値以下の状態が連続して5分続いた場合に、第1制御部11は、すべての送風装置3a、3b、および、3cを停止状態にする。これにより、室内空間の温度のムラが解消される。その結果、局所的に暑いエリアまたは局所的に寒いエリアがなくなるので、室内空間の在室者全員に対して、快適性を与えることができる。
また、実施の形態1では、第1制御部11の制御により、送風装置3cを自動的に稼働させることができる。そのため、各エリアA、BおよびCの在室者9a、9cが、リモートコントローラ1および送風装置3a、3bおよび3cを操作することなく、エリアCに対して送風を行うことができる。従って、在室者9a、9cの作業負荷はない。
このように、実施の形態1では、温度が第1閾値を超えている閾値超え温度検出装置が少なくとも1つあった場合に、当該閾値超え温度検出装置に対応するエリアに対して、送風装置から送風を行う。これにより、当該エリアの温度が下がる。その結果、すべてのエリアの温度を第1閾値以下にすることができる。従って、室内空間における温度ムラが解消される。
また、閾値超え温度検出装置に対応するエリアに対して送風装置から送風を行うことで、室内空間に対流が発生する。これにより、温度の高い空気と温度の低い空気とが強制的に混ざるので、室内空間における温度ムラが迅速に解消される。その結果、室内空間の温度が設定温度に迅速に到達されるので、効率よく冷房または暖房を行うことができる。そのため、空気調和システムが消費する電力を低減させることができ、省エネルギー効果が得られる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1においては、「閾値超え温度検出装置」が有った場合に、第1制御部11が、「閾値超え温度検出装置」に対応する送風装置3a、3bおよび3cを稼働させる実施形態について説明した。なお、以下では、図7に示した実施の形態1の処理フローを、「送風装置運転処理フロー」と呼ぶこととする。実施の形態2においては、「閾値超え温度検出装置」が有った場合に、第1制御部11が、送風装置3a、3bおよび3cを稼働させると共に、室内ユニット4の制御も行う。以下では、後述する図9に示す実施の形態2の処理フローを、「送風装置+室内ユニット運転処理フロー」と呼ぶこととする。
図8は、実施の形態2に係る空気調和システムにおいて、3つの温度検出装置2a、2bおよび2cのうちの少なくとも1つの検出温度が第1閾値を超えていた場合を示した側面図である。図8の例では、温度検出装置2aおよび2cが検出した、エリアAおよびエリアCの空気の温度が第1閾値を超えている場合を示している。
すなわち、図8の例では、室内空間において、温度検出装置2aおよび2cが「閾値超え温度検出装置」である。この場合、リモートコントローラ1の第1制御部11は、図6の関係テーブル100を参照して、温度検出装置2aおよび2cに対応する送風装置3aおよび3cを稼働させる。
さらに、実施の形態2では、「閾値超え温度検出装置」の割合が、全体の50%以上だった場合に、リモートコントローラ1の第1制御部11が、室内ユニット4を制御する。具体的には、リモートコントローラ1の第1制御部11は、室内ユニット4の設定温度を予め設定された一定値だけ低下させる指令を、第1の制御信号として生成する。室内ユニット4は、当該第1の制御信号に応じて、室内ユニット4の設定温度を予め設定された一定値だけ低下させる。なお、当該一定値は、例えば、0.5℃、あるいは、1℃のように予め決定され、予め、室内ユニット4またはリモートコントローラ1のいずれかに設定されている。
図8の例では、温度検出装置2aおよび2cが「閾値超え温度検出装置」である。すなわち、「閾値超え温度検出装置」の個数は2個である。温度検出装置2の全体の個数は3個である。そのため、現在、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合は、全体の50%以上である。そのため、リモートコントローラ1の第1制御部11は、室内ユニット4の設定温度を一定値だけ低下させる第1の制御信号を生成する。
その後、温度検出装置2a、2bおよび2cが検出する温度が、5分間、第1閾値を下回っていれば、リモートコントローラ1の第1制御部11は、室内ユニット4の設定温度を元に戻す。さらに、リモートコントローラ1の第1制御部11は、送風装置3aおよび3cを停止させる。
図9は、実施の形態2に係る空気調和システムのリモートコントローラ1の処理の流れを示したフローチャートである。
図9に示すように、ステップS10では、リモートコントローラ1の第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cのそれぞれが検出した温度を取得する。
次に、ステップS11では、第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cの中に「閾値超え温度検出装置」が有るか否かを判定する。「閾値超え温度検出装置」が有った場合は、ステップS12に進む。ここでは、温度検出装置2aおよび2cが「閾値超え温度検出装置」であると仮定する。一方、「閾値超え温度検出装置」が無かった場合は、ステップS16に進む。
ステップS12では、第1制御部11が、図6に示す関係テーブル100から、温度検出装置2aおよび2cに対応する送風装置3aおよび3cを抽出する。第1制御部11は、送風装置3aおよび3cに対して、第2の制御信号を送信して、送風装置3aおよび3cを稼働させる。その後、ステップS13の処理に進む。
ステップS13では、第1制御部11が、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が全体の50%以上か否かを判定する。当該割合が50%以上の場合は、ステップS14に進む。一方、当該割合が50%未満の場合は、ステップS15に進む。
ステップS14では、第1制御部11が、室内ユニット4の設定温度を、予め設定された一定値だけ下げる。その後、ステップS10に戻る。
ステップS15では、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、実施の形態1で示した図7の送風装置運転フローに移行する。このとき、ステップS14で室内ユニット4の設定温度を低下させていた場合には、第1制御部11は、室内ユニット4の設定温度を元に戻す。
ステップS16では、送風装置3a、3bおよび3cのうち、動作中の送風装置3があるか判定する。動作中の送風装置3が無ければ、ステップS20に進む。一方、動作中の送風装置3が有れば、ステップS17に進む。
ステップS17では、第1制御部11が、ステップS12で送風装置3の稼働を開始した時点から、5分経過したか否かを判定する。5分経過していた場合は、ステップS18に進む。一方、5分経過していなかった場合、ステップS10の処理に戻る。
ステップS18では、第1制御部11が、室内ユニット4の設定温度を元に戻す。その後、ステップS19に進む。
ステップS19では、第1制御部11が、動作中の送風装置3cを停止させる。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、通常運転に移行する。
以上のように、実施の形態2においては、実施の形態1と同様に、「閾値超え温度検出装置」が有った場合に、第1制御部11が、当該「閾値超え温度検出装置」に対応する送風装置3a、3bおよび3cを稼働させる。そのため、実施の形態1と同様の効果が得られる。
さらに、実施の形態2においては、第1制御部11は、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が全体の50%以上だった場合に、送風装置3a、3bおよび3cを稼働させるだけでなく、室内ユニット4の設定温度も制御する。そのため、室内空間の温度ムラが解消されるとともに、室内空間の温度をユーザが希望する設定温度に早く到達させることができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、上記の実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせた実施形態について説明する。図10は、実施の形態3に係る空気調和システムの状態遷移を示した状態遷移図である。
図10に示すように、空気調和システムは、通常運転状態70と、送風装置運転状態71と、送風装置+室内ユニット運転状態72との3つの状態を有し、それらの状態間を遷移する。
通常運転状態70は、空気調和システムが、通常運転を行っている状態である。通常運転状態70においては、空気調和システムは、ユーザがリモートコントローラ1に入力した設定情報に基づいて動作する。
送風装置運転状態71は、空気調和システムが、図7に示す実施の形態1で示した送風装置運転フローに従って動作する状態である。
送風装置+室内ユニット運転状態72は、空気調和システムが、図9に示す実施の形態2で示した送風装置+室内ユニット運転フローに従って動作する状態である。
空気調和システムは、通常時は、通常運転状態70である。
空気調和システムが通常運転状態70のときに、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が全体の50%以上だった場合、空気調和システムは、送風装置+室内ユニット運転状態72に移行する。
また、空気調和システムが通常運転状態70のときに、「閾値超え温度検出装置」が少なくとも1つ有って、当該「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が全体の50%未満だった場合、空気調和システムは、送風装置運転状態71に移行する。
また、空気調和システムが送風装置運転状態71のときに、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が全体の50%以上だった場合、空気調和システムは、送風装置+室内ユニット運転状態72に移行する。
また、空気調和システムが送風装置運転状態71のときに、「閾値超え温度検出装置」が無かった場合、空気調和システムは、通常運転状態70に移行する。
また、空気調和システムが送風装置+室内ユニット運転状態72のときに、「閾値超え温度検出装置」が無かった場合、空気調和システムは、通常運転状態70に移行する。
図11は、実施の形態3に係る空気調和システムのリモートコントローラ1の処理の流れを示したフローチャートである。以下では、図11に示した実施の形態3の処理フローを、「通常運転処理フロー」と呼ぶこととする。
図11に示すように、ステップS21で、リモートコントローラ1の第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cのそれぞれが検出した温度を取得する。
次に、ステップS22では、第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cの中に「閾値超え温度検出装置」が有るか否かを判定する。「閾値超え温度検出装置」が有った場合は、ステップS23に進む。ここでは、温度検出装置2aの検出温度が第1閾値を超えていたと仮定する。一方、「閾値超え温度検出装置」が無かった場合は、ステップS28に進む。
ステップS23では、第1制御部11が、図6に示す関係テーブル100から、温度検出装置2aに対応する送風装置3aを抽出する。第1制御部11は、送風装置3aに対して、第2の制御信号を送信して、送風装置3aを稼働させる。その後、ステップS24の処理に進む。
ステップS24では、第1制御部11が、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が50%以上か否かを判定する。当該割合が50%以上の場合は、ステップS25に進む。一方、当該割合が50%未満の場合は、ステップS27に進む。
ステップS25では、第1制御部11が、室内ユニット4の設定温度を、予め設定された一定値だけ下げる。その後、ステップS26に進む。
ステップS26では、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、図9の送風装置+室内ユニット運転処理フローに移行する。但し、図9の処理フローに移行した場合、ステップS25で室内ユニット4の設定温度を既に下げているため、初回のみ、ステップS14の処理を行わないようにしてもよい。
ステップS27では、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、図7の送風装置運転処理フローに移行する。
ステップS28では、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、空気昭和システムが通常運転を行うように制御する。通常運転時は、空気調和システムは、ユーザがリモートコントローラ1に入力した設定情報に基づいて動作する。
以上のように、実施の形態3においては、図10に示すように、空気調和システムが、状況に応じて、通常運転状態70、送風装置運転状態71、および、送風装置+室内ユニット運転状態72のいずれかの状態に移行する。これにより、第1制御部11が、送風装置3だけを制御することもでき、あるいは、送風装置3と室内ユニット4との両方を制御することもできる。そのため、必要な処理のみを行うことができるので、消費エネルギーを抑えながら、室内空間の温度ムラを早く解消することができる。
また、実施の形態3においては、実施の形態1で示した図7の送風装置運転処理フロー、および、実施の形態2で示した図9の送風装置+室内ユニット運転処理フローを行う。そのため、上記の実施の形態1の効果および上記の実施の形態2の効果も得ることができる。
実施の形態4.
図12は、実施の形態4に係る空調調和システムが設置された室内の様子の一例を模式的に示した側面図である。
上記の実施の形態1~3においては、在室者9aおよび9cの有無については考慮していなかったが、実施の形態4では、リモートコントローラ1の第1制御部11が、在室者9aおよび9cの有無についても考慮する。すなわち、実施の形態4では、第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cの検出温度、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合、および、在室者の有無に基づいて、空気調和システムの状態を移行する。当該状態には、通常運転状態70、送風装置運転状態71、および、送風装置+室内ユニット運転状態72が含まれる。
実施の形態4においては、図12に示すように、各エリアA、BおよびCに対して、人検出装置10が設けられている。人検出装置10は、複数のエリアA、BおよびCのそれぞれの在室者を検出する。人検出装置10は、例えば、人感センサである。複数の人検出装置10を区別するために、図12では、複数の人検出装置10のそれぞれを、人検出装置10a、人検出装置10b、および、人検出装置10cと表記している。人検出装置10aは、エリアAに存在する在室者を検出する。人検出装置10bは、エリアBに存在する在室者を検出する。人検出装置10cは、エリアCに存在する在室者を検出する。人検出装置10a、10bおよび10cは、例えば、サーモパイルセンサなどの赤外線センサから構成してもよい。この場合は、第1制御部11が、赤外線センサで撮影された2次元画像を画像処理することによって、画像内の物体の色、大きさ、形、特徴などによって、在室者の有無を判定する。また、この場合には、1つの赤外線センサが室内空間全体をモニタすることができるので、1つの人検出装置10で、複数のエリアA、BおよびCのそれぞれの在室者を検出することが可能である。従って、人検出装置10の個数は、1個でも、複数個でもよい。人検出装置10a、10bおよび10cは、この場合に限らず、例えばCCD(Charge Coupled Device)、または、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などのイメージセンサであってもよい。この場合は、第1制御部11が、イメージセンサで撮影された2次元画像を画像処理することによって、画像内の物体の大きさ、形、特徴などによって、在室者の有無を判定する。また、この場合には、1つのイメージセンサが室内空間全体をモニタすることができるので、1つの人検出装置10で、複数のエリアA、BおよびCのそれぞれの在室者を検出することが可能である。従って、人検出装置10の個数は、1個でも、複数個でもよい。
図13は、実施の形態4に係る空気調和システムにおける温度検出装置2と送風装置3と人検出装置10との対応関係を定義した第2関係テーブル100Aの一例を示す図である。図13に示すように、第2関係テーブル100Aは、エリアごとに、温度検出装置2a、2bおよび2cの第1識別情報と、送風装置3a、3bおよび3cの第2識別情報とが対応付けられて、予め登録されている。さらに、図13に示すように、第2関係テーブル100Aは、エリアごとに、温度検出装置2a、2bおよび2cの第1識別情報と、人検出装置10a、10bおよび10cの第3識別情報とが対応付けられて、予め登録されている。第2関係テーブル100Aは、リモートコントローラ1の第1記憶部14に予め記憶されている。なお、第1識別情報は、温度検出装置2a、2bおよび2cのそれぞれを識別する識別情報であり、第2識別情報は、送風装置3a、3bおよび3cのそれぞれを識別する識別情報である。また、第3識別情報は、人検出装置10a、10bおよび10cのそれぞれを識別する識別情報である。
以下、具体的な例を挙げて、実施の形態4について説明する。例えば、図12に示す室内空間においては、3つの温度検出装置2a、2bおよび2cのすべてが、「閾値超え温度検出装置」である。また、人検出装置10aが、エリアA内の在室者9aを検出し、人検出装置10cが、エリアC内の在室者9cを検出している。
この場合、第1制御部11は、まず、「閾値超え温度検出装置」に対応する人検出装置10a、10bおよび10cの検出結果を取得する。第1制御部11は、当該検出結果から、人検出装置10aおよび10cが在室者9aおよび9cを検出していると判定する。第1制御部11は、第2関係テーブル100Aを参照して、それらの人検出装置10aおよび10cに対応する送風装置3aおよび3cを稼働させる。
さらに、第1制御部11は、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が、全体の50%以上か否かを判定する。第1制御部11は、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が50%以上だった場合に、室内ユニット4の設定温度を一定値だけ低下させる指令を第1の制御信号として生成し、室内ユニット4に送信する。
この後、温度検出装置2a、2bおよび2cの検出温度が、5分間連続して第1閾値を下回っていれば、第1制御部11は、室内ユニット4の設定温度を元に戻す。さらに、第1制御部11は、送風装置3aおよび3cを停止させる。
図14は、実施の形態4に係る空気調和システムの状態遷移を示した状態遷移図である。
図14に示すように、空気調和システムは、通常運転状態70と、送風装置運転状態71と、送風装置+室内ユニット運転状態72との3つの状態を有し、それらの状態間を遷移する。これらの状態については、実施の形態3で説明したため、ここでは、その説明を省略する。
実施の形態4においても、上記の実施の形態1~3と同様に、空気調和システムは、通常時は、通常運転状態70である。
空気調和システムが通常運転状態70のときに、「閾値超え温度検出装置」の個数が、全体の50%以上で、且つ、当該「閾値超え温度検出装置」に対応するエリアに在室者9aおよび9cがいる場合、空気調和システムは、送風装置+室内ユニット運転状態72に移行する。
また、空気調和システムが通常運転状態70のときに、温度検出装置2a、2bおよび2cのうちの少なくとも1つが「閾値超え温度検出装置」で、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が50%未満であるとする。このとき、当該「閾値超え温度検出装置」に対応するエリアに在室者9aおよび9cが存在する場合には、空気調和システムは、送風装置運転状態71に移行する。
また、空気調和システムが送風装置運転状態71のときに、「閾値超え温度検出装置」の個数が、全体の50%以上で、且つ、当該「閾値超え温度検出装置」に対応するエリアに在室者9aおよび9cが存在する場合、空気調和システムは、送風装置+室内ユニット運転状態72に移行する。
また、空気調和システムが送風装置運転状態71のときに、「閾値超え温度検出装置」が無かった場合、空気調和システムは、通常運転状態70に移行する。
また、空気調和システムが送風装置+室内ユニット運転状態72のときに、「閾値超え温度検出装置」が無かった場合、空気調和システムは、通常運転状態70に移行する。
図15は、実施の形態4に係る空気調和システムのリモートコントローラ1の処理の流れを示したフローチャートである。以下では、図15に示した実施の形態4の処理フローを、「第2の通常運転処理フロー」と呼ぶこととする。
図15に示すように、ステップS30で、リモートコントローラ1の第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cのそれぞれが検出した温度を取得する。
次に、ステップS31では、第1制御部11が、温度検出装置2a、2bおよび2cの中で「閾値超え温度検出装置」が有るか否かを判定する。「閾値超え温度検出装置」が有った場合は、ステップS32に進む。ここでは、温度検出装置2a、2bおよび2cの検出温度が第1閾値を超えていたと仮定する。一方、「閾値超え温度検出装置」が無かった場合は、ステップS39に進む。
ステップS32では、第1制御部11が、図13に示す第2関係テーブル100Aから、温度検出装置2a、2bおよび2cに対応する人検出装置10a、10bおよび10cを抽出する。また、第1制御部11は、それらの人検出装置10a、10bおよび10cの検出結果を取得する。その後、ステップS33に進む。
ステップS33では、第1制御部11は、人検出装置10a、10bおよび10cの検出結果に基づいて、人検出装置10a、10bおよび10cの中から、在室者9aおよび9cを検出している人検出装置10aおよび10cを選択する。
ステップS34では、第1制御部11は、図13に示す第2関係テーブル100Aを参照して、選択した人検出装置10aおよび10cに対応する送風装置3aおよび3cを稼働させる。その後、ステップS35に進む。
ステップS35では、第1制御部11が、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が50%以上か否かを判定する。当該割合が50%以上の場合は、ステップS36に進む。一方、当該割合が50%未満の場合は、ステップS38に進む。
ステップS36では、第1制御部11が、室内ユニット4の設定温度を、予め設定された一定値だけ下げる。その後、ステップS37に進む。
ステップS37では、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、図9の送風装置+室内ユニット運転処理フローに移行する。但し、図9の処理フローに移行した場合、ステップS36で室内ユニット4の設定温度を既に下げているため、初回のみ、ステップS14の処理を行わないようにしてもよい。
ステップS38では、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、図7の送風装置運転処理フローに移行する。
ステップS39では、第1制御部11が、第1制御部11が、空気調和システムの状態変更を行って、空気昭和システムが通常運転を行うように制御する。通常運転時は、空気調和システムは、ユーザがリモートコントローラ1に入力した設定情報に基づいて動作する。
以上のように、実施の形態4においても、実施の形態1~3と同様に、「閾値超え温度検出装置」が有った場合に、当該「閾値超え温度検出装置」に対応する送風装置3を稼働させる。そのため、実施の形態1~3と同様の効果が得られる。
さらに、「閾値超え温度検出装置」の個数の割合が、全体の50%以上の場合は、送風装置3を稼働させるとともに、室内ユニット4の設定温度を一定値だけ低下させる。これにより、室内空間の温度ムラが解消されるとともに、室内空間の温度をユーザが希望する設定温度に早く到達させることができる。
また、実施の形態4においては、各エリアA、BおよびCに対して、人検出装置10a、10bおよび10cを設けている。第1制御部11は、人検出装置10a、10bおよび10cの検出結果に基づいて、在室者9aおよび9cがいないと判定した場合は、送風装置3を稼働させないため、省エネルギーになる。
なお、上記の実施の形態1~4の説明では、室内空間が飲食店の店内である場合を例にしたが、それに限らない。室内空間は、例えば、オフィス、工場の生産ライン、教室、会議室、ホールなどでよく、上記の実施の形態1~4に係る空気調和システムが、他の環境にも利用できることは言うまでもない。
また、上記の実施の形態1~4の説明では、送風装置3が、プロペラファンである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、その場合に限らず、送風装置3を、遠心ファンから構成するようにしてもよい。また、送風装置3を、天井設置型のサーキュレータから構成してもよく、あるいは、床置き型のサーキュレータから構成してもよい。
また、上記の実施の形態1~4においては、送風装置3の風向が固定であるとして説明した。しかしながら、その場合に限らず、送風装置3の風向を可変にしてもよい。その場合には、例えば、人検出装置10a、10bおよび10cの検出結果に基づいて、送風装置3の風向を変更してもよい。具体的には、在室者9aおよび9cが存在する場合には、送風装置3aおよび3cが、在室者9aおよび9cに向けて送風を行う。また、在室者9aおよび9cがいない場合には、送風装置3a、3bおよび3cが、エリアA、BおよびCのそれぞれの全体に向けて送風できるように、送風装置3a、3bおよび3cの風向を左右にスイングさせてもよい。あるいは、送風装置3a、3bおよび3cの風向を上下にスイングさせてもよい。なお、この場合、上下とは、例えば鉛直方向であり、左右とは、例えば鉛直方向に垂直な水平方向である。
また、上記の実施の形態1~4において、さらに、温度検出装置2の検出温度と室内ユニット4の設定温度との差に対して、複数のレベルを設けておいてもよい。その場合には、当該レベルに応じて、送風装置3の送風モードおよび風量を変更するようにしてもよい。送風モードには、風あて、風よけなどが含まれる。風あてとは、在室者に風を当てるように風向を調整するモードであり、風よけとは、在室者に直接風が当たらないように風向を調整するモードである。
上記の複数のレベルを設ける場合の例について説明する。例えば、レベルを5段階としたとき、温度検出装置2の検出温度と室内ユニット4の設定温度との差が5℃の場合をレベル5とする。また、当該差が4℃の場合をレベル4とし、当該差が3℃の場合をレベル3とし、当該差が2℃の場合をレベル2とし、当該差が1℃の場合をレベル1とする。検出温度と設定温度との差がレベル5またはレベル4の場合、第1制御部11は、送風装置3の送風モードを風あてにし、且つ、風量を大に設定する。一方、検出温度と設定温度との差がレベル2または1の場合、第1制御部11は、送風装置3の送風モードを風よけにし、風量を小にする。また、検出温度と設定温度との差がレベル3の場合、第1制御部11は、送風装置3の送風モードを風あてで、且つ、風量を中に設定する。
また、レベル5の温度検出装置2が1つだけで、他の温度検出装置2がレベル1またはレベル2であった場合、レベル5の温度検出装置2に対応するエリアに向かってのみ送風できるように、室内ユニット4の風向を変更してもよい。あるいは、温度検出装置2の中で、複数の温度検出装置2がレベル5であった場合、第1制御部11は、その中で、在室者が存在するエリアに向かってのみ送風できるように、室内ユニット4の風向を変更してもよい。
また、上記の実施の形態1~4において、人検出装置10で、1つのエリア内で複数の在室者9を検出した場合には、第1制御部11は、送風装置3からの送風をスイングさせてもよい。それにより、エリア内のすべての在室者9を、送風装置3からの送風の対象とすることができる。
また、上記の実施の形態1~4において、人検出装置10がサーモパイルセンサなどの赤外線センサの場合、人検出装置10は、在室者9の有無を検出するとともに、在室者9の表面温度も検出することができる。その場合、第1制御部11は、検出した表面温度に基づいて、送風装置3の稼働状態を変更してもよい。すなわち、第1制御部11は、送風装置3の風向を、表面温度が高い在室者9に向けるように調整する。また、人検出装置10が、在室者9の性別、体型などが検出できる場合には、第1制御部11が、それらの情報を、送風装置3または室内ユニット4の制御に反映させてもよい。さらには、人検出装置10が、室内空間の日照状態を検出できる場合には、第1制御部11が、日照状態の情報を、送風装置3または室内ユニット4の制御に反映させてもよい。なお、日照状態の情報は、日当たりが良いか悪いか示す情報である。
また、上記の実施の形態1~4において、夏期に、屋外の気温が一定温度よりも高い場合で、且つ、人検出装置10が、一定期間の間、在室者9を検出しなかった場合に、人検出装置10が、新たに、在室者9を検出した場合の変形例について説明する。この場合、第1制御部11は、検出された在室者9は屋外から来た人であると認識する。第1制御部11は、送風装置3の送風モードを風あてにし、且つ、風量を大に設定して、当該在室者9に対する送風を行う。また、当該送風は、一定時間、連続して行う。これにより、当該在室者9の表面温度は低下する。この場合、温度検出装置2の検出温度と室内ユニット4の設定温度との差に関係なく、第1制御部11が、当該送風を行うようにしてもよい。あるいは、上記レベルの設定とは別に、夏期専用のレベルを設定しておいてもよい。その場合、温度検出装置2の検出温度と室内ユニット4の設定温度との差が小さくても、第1制御部11が、送風装置3の送風モードを風あてにし、且つ、風量を大に設定して、当該在室者9に対する送風を行う。すなわち、夏期専用のレベルは、例えば、レベルを5段階としたとき、温度検出装置2の検出温度と室内ユニット4の設定温度との差が2℃の場合をレベル5とする。また、当該差が1.5℃の場合をレベル4とし、当該差が1℃の場合をレベル3とし、当該差が0.5℃の場合をレベル2とし、当該差が0℃の場合をレベル1とする。なお、当該変形例は、夏期において、屋外の気温が一定温度よりも高い場合で、且つ、人検出装置10が検出した在室者の表面温度が一定値よりも高い場合にも適用可能である。
上記の実施の形態1~4では、空気調和システムが冷房運転を行う場合について説明した。しかしながら、実施の形態1~4に係る空気調和システムは、暖房運転を行う場合にも適用可能である。但し、その場合には、図7のステップS2において、第1制御部11が、検出温度が第1閾値を下回る温度検出装置があるか否かを判定する。図9のステップS11、図11のステップS22、および、図15のステップS31においても同様である。従って、実施の形態1~4の説明を、「閾値超え温度検出装置」を、「閾値を下回る温度検出装置」と読み替えて参照する。さらに、実施の形態1~4に係る空気調和システムを暖房運転を行う場合に適用する場合には、送風装置3にヒータを内蔵しておく。第1制御部11は、送風装置3からの送風を行う際に、当該ヒータの電源をONにして、送風装置3から温風を各エリアA、BおよびCに送る。送風装置3は、温風を供給する温風機から構成してもよい。他の構成および動作については、冷房時と同じであるため、説明を省略する。
また、上記の実施の形態1~4において、冬期に、屋外の気温が一定温度よりも低い場合で、且つ、人検出装置10が、一定期間の間、在室者9を検出しなかった場合に、人検出装置10が、新たに、在室者9を検出した場合の変形例について説明する。この場合、第1制御部11は、検出された在室者9は屋外から来た人であると認識する。第1制御部11は、送風装置3のヒータの電源をONにし、送風モードを風あてにし、且つ、風量を大に設定して、当該在室者9に対する温風の送風を行う。また、当該送風は、一定時間、連続して行う。これにより、当該在室者9の表面温度は上昇する。この場合、温度検出装置2の検出温度と室内ユニット4の設定温度との差に関係なく、第1制御部11が、当該送風を行うようにしてもよい。あるいは、上記レベルの設定とは別に、冬期専用のレベルを設定しておいてもよい。その場合、温度検出装置2の検出温度と室内ユニット4の設定温度との差が小さくても、第1制御部11が、送風装置3の送風モードを風あてにし、且つ、風量を大に設定して、当該在室者9に対する温風の送風を行う。すなわち、冬期専用のレベルは、例えば、レベルを5段階としたとき、温度検出装置2の検出温度と室内ユニット4の設定温度との差が2℃の場合をレベル5とする。また、当該差が1.5℃の場合をレベル4とし、当該差が1℃の場合をレベル3とし、当該差が0.5℃の場合をレベル2とし、当該差が0℃の場合をレベル1とする。なお、当該変形例は、冬期において、屋外の気温が一定温度よりも低い場合で、且つ、人検出装置10が検出した在室者9の表面温度が一定値よりも低い場合にも適用可能である。
なお、室内空間が飲食店の店内の場合、在室者9がテーブル8a、8bおよび8cに着席した途端に、第1制御部11が、送風装置3からの送風を急に開始すると、当該在室者9が違和感を覚える、あるいは、在室者9が警戒する場合が想定される。そのため、図16に示すように、各テーブル8a、8bおよび8cのそれぞれに、タブレット80a、80bおよび80cを設置して、メッセージを表示するようにしてもよい。図16は、実施の形態1~4の変形例に係る空調調和システムが設置された室内の様子の一例を模式的に示した側面図である。当該メッセージの例としては、夏期の場合は、例えば「温度が高いため、冷風を送っています。温度が低下すれば自動で停止します。」とし、冬期の場合は、例えば「温度が低いため、温風を送っています。温度が低下すれば自動で停止します。」とする。
さらに、第1制御部11が、送風装置3からの送風を行うときに、タブレット80a、80bおよび80cの画面に、「暑い」、「寒い」、「風あて」、「風よけ」、「停止」などの操作メニューを表示させてもよい。その場合、在室者9は、操作メニューを用いて、送風装置3の駆動方式を微調整することができる。この場合、第1制御部11は、在室者9が、当該操作メニューを用いて、タブレット80a、80bおよび80cに入力した情報に基づいて、送風装置3または室内ユニット4を制御する。
また、タブレット80a、80bおよび80cを設置する代わりに、各テーブル8a、8bおよび8cに、「暑い」、「寒い」、「風あて」、「風よけ」、「停止」等のボタンまたはスイッチを設けるようにしてもよい。この場合、第1制御部11は、在室者9が、当該ボタンまたはスイッチを用いて入力した情報に基づいて、送風装置3または室内ユニット4を制御する。
さらに、各テーブル8a、8bおよび8cに、図16に示すマイク81a、81bおよび81cを設けるようにしてもよい。その場合、第1制御部11は、音声認識などを用いて、マイク81a、81bおよび81cで集音した音の情報に基づいて、送風装置3の動作を制御する。当該動作には、送風装置3の稼働/停止の切り替え、風向、風量などが含まれる。第1制御部11が音声認識を行う場合、第1制御部11は、第1記憶部14に予め音声のパターンを記憶させておく。第1制御部11は、当該パターンを用いてマイク81a、81bおよび81cで集音した音の分析を行う。例えば、マイク81a、81bおよび81cが、在室者9が室温を寒いと感じたときに発する音を集音した場合、第1制御部11は、室内ユニット4の設定温度を上げる、あるいは、送風装置3の送風モードを風よけにする、あるいは、送風装置3の風量を小にする。在室者9が室温を寒いと感じたときに発する音の例としては、例えば、在室者9が体をさする音、鼻をすする音、「寒い」という声などが挙げられる。また、マイク81a、81bおよび81cが、在室者9が室温を暑いと感じたときに発する音を集音した場合、第1制御部11は、室内ユニット4の設定温度を下げる、あるいは、送風装置3の送風モードを風あてにする、あるいは、送風装置3の風量を大にする。在室者9が室温を暑いと感じたときに発する音の例としては、例えば、在室者9がコップの水を飲む音、「暑い」という声などが挙げられる。なお、図16においては、各テーブル8a、8bおよび8cに、タブレット80とマイク81との両方が設置されている。しかしながら、この場合に限らず、タブレット80とマイク81のいずれか一方を設置するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態1~4では、送風装置3の稼働開始から第1時間経過した場合に、送風装置3を停止させる場合について説明した。しかしながら、この場合に限らず、温度検出装置2が検出する温度に基づいて、送風装置3を停止させるようにしてもよい。その場合には、例えば、第制御部11が、すべての温度検出装置2が検出した温度が第1閾値未満で、且つ、動作中の送風装置3が有った場合に、当該送風装置3を停止させる。具体的な処理の流れは、図7の処理フローのステップS5を削除した処理フローとなり、同様に、図9の処理フローのステップS17を削除した処理フローとなる。