(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施形態の電気掃除機1の説明図である。また、図2は、図1に示す電気掃除機1の機能ブロック図である。以下、図1及び図2を参照して電気掃除機1の構成を説明する。
本実施形態に係る電気掃除機1は、掃除手段2と操作手段3とを備え、掃除手段2と操作手段3とは無線通信可能である。
掃除手段2は、ユーザが把持部9を把持して掃除動作を行うためのスティック型の掃除手段2である。なお、本実施形態では、掃除手段2としてスティック型のものを示しているが、これに限られるものではなく、キャニスタ型やアップライト型、ハンディ型の掃除手段や、自律走行式のロボットクリーナ等であってもよい。
操作手段3は、ユーザが掃除手段2を、ユーザ所望の使用態様や性能に応じた設定を可能とする操作手段3である。操作手段3によるユーザの設定内容は無線通信により掃除手段2に送られ、掃除手段2の設定が変更される。本実施形態において、操作手段3は、スマートフォン等の無線通信端末に所定のプログラムをインストールしたものである。なお、操作手段3は、図1の例に限られるものではなく、携帯電話やタブレットPC等の無線通信端末や、掃除手段2と無線通信可能なノートPCやデスクトップPC等も用いることができる。また、操作手段3は、掃除手段2に固設されていてもよいし、掃除手段2に着脱可能に設けられていてもよい。この場合、操作手段3として別途スマートフォン等の外部装置を用いる必要がない。
掃除手段2は、掃除機本体5を備えている。掃除機本体5には、吸込風路を形成する風路体6が着脱可能に接続されている。風路体6は、延長管7、及び、吸込口体8を備えている。また、掃除手段2は、ユーザが把持操作するための把持部9を備えている。把持部9には、掃除手段2の起動及び停止を設定する手元操作部10が配置されている。本実施形態において、把持部9及び手元操作部10は、掃除機本体5に備えられているが、これに限られず、風路体6に備えられていてもよい。なお、風路体6は、掃除手段2がキャニスタ型やアップライト型、ハンディ型の場合にはそれぞれの態様に対応する構成とすればよく、掃除手段2がロボットクリーナである場合には不要である。
また、掃除機本体5には、吸込口12と、排気口13と、が形成されている。吸込口12には風路体6が接続される。また、掃除機本体5には、電動送風機14が配置されている。また、掃除機本体5には、電動送風機14や吸込口体8に設けられるブラシモータ等の各部に電源を供給する二次電池16が配置されている。さらに、掃除機本体5には、電動送風機14の駆動により吸い込まれた含塵空気から塵埃を捕集する集塵部17が設けられる。
また、掃除機本体5は、掃除機本体5による掃除動作を制御する制御手段としての制御部15と、所定のプログラム、パラメータ、設定内容等を記憶する記憶部18と、を備えている。
制御部15は、各制御部や通信部11等を制御して掃除手段2全体を制御する主制御部21と、電動送風機14の駆動を制御する駆動制御部20と、二次電池16を制御する電源制御部23と、を備えている。
主制御部21は、例えば、中央処理装置としてのCPUや、一時記憶装置としてのRAM、記憶装置としてのEEPROM、ROMや、入出力インタフェース等がバスを介して接続されたマイクロコンピュータである。
駆動制御部20は、主制御部21により制御され、例えば、オンオフの時間比であるデューティ比に応じて二次電池16から電動送風機14への通電時間又は通電量を制御することで、電動送風機14の電流や回転数等の電動送風機14の駆動を制御する。
電源制御部23は、主制御部21により制御され、二次電池16から各部への給電を制御する。
また、掃除手段2は、通信部11を有しており、操作手段3の通信部30との間で無線通信により所定の信号、情報の送受信が可能となっている。通信部11及び通信部30のインタフェースは特に限られるものではないが、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の公知の技術を適用することができる。また、通信部11及び通信部30は有線接続されるものであってもよい。この場合のインタフェースも特に限られるものではないが、例えば、USB等の公知の技術を適用することができる。
操作手段3は、この操作手段3の筐体としての本体部27を備え、本体部27には、表示入力部28、主制御部29、通信部30、表示制御部31、記憶部32が設けられる。また、記憶部32には、対応情報33が記憶されている。
表示入力部28は、タッチパネル機能を有するディスプレイであって、電動送風機14の動作に関する第一要素E1と、該第一要素E1とトレードオフの関係にある第二要素E2と、を表示するとともに、第一要素E1及び第二要素E2の少なくとも一方の値を変化させる入力を受け付ける。
表示制御部31は、表示入力部28への表示を制御するとともに、表示入力部28から入力された入力情報を主制御部29へ渡す処理を行う。
主制御部29は、例えば、中央処理装置としてのCPUや、一時記憶装置としてのRAM、記憶装置としてのEEPROM、ROMや、入出力インタフェース等がバスを介して接続されたマイクロコンピュータであって、ユーザが表示入力部28から操作する要素E1,E2のうち一方の変化後の値に応じた他方の値を求める演算を行う演算部として機能する。
記憶部32には、予め実験等により求められた第一要素E1と第二要素E2との対応関係を規定したテーブルデータとしての対応情報33が記憶されており、主制御部29は、要素E1,E2のうち一方の値の変化が表示入力部28から表示制御部31を介して入力されると、対応情報33を参照して、この変化後の値に対応する他方の値を出力する。なお、本実施形態では、主制御部29は記憶部32に予め記憶されている対応情報33を参照して他方の値を求めているが、これに限られるものではなく、主制御部29は第一要素E1と第二要素E2との関係を規定する関数等を用いて他方の値を算出するものであってもよい。この関数は記憶部32に予め記憶されているものであればよい。
操作手段3は、通信部30を有しており、掃除手段2の通信部11との間で無線通信により所定の信号、情報の送受信が可能となっている。
なお、操作手段3は、二次電池等の電源により駆動するが、掃除手段2と操作手段3が有線接続される場合や、操作手段3が掃除手段2に設けられる場合は、掃除手段2の二次電池16から給電されるものであってもよい。
図3は、表示入力部28に表示される機能設定画面の一例を示す模式図である。図3の例では、表示入力部28に電動送風機14の動作に関する第一要素E1として、電動送風機14の駆動力としての「吸引力」が表示されるとともに、第二要素E2として、二次電池16の駆動時間としての掃除手段2の「運転時間」が表示されている。ここで、「吸引力」を上げることは単位時間当たりの二次電池16から電動送風機14への給電量を上げることであり、「吸引力」を上げるほど「運転時間」は短くなり、「吸引力」を下げるほど「運転時間」は長くなる。すなわち、第一要素E1である「吸引力」と第二要素E2である「運転時間」との間には、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないというトレードオフの関係が成立しており、第二要素E2は、電動送風機14の動作に関する第一要素E1とトレードオフの関係にあるといえる。
ユーザは、表示入力部28の「運転時間」のスライダをスライド操作することで「運転時間」の設定が可能となっている。すなわち、ユーザは、掃除開始前に長い時間掃除するのか、短い時間掃除するのかの設定を行うことができる。スライダの部分に運転時間の予測値(分)を併せて表示しておくものであってもよい。デフォルト表示では、スライダが中央部分に設定されている。そして、ユーザにより、表示入力部28において、例えば「運転時間」の値が「長」側にスライド操作されると、主制御部29は変化後の「運転時間」の値で対応情報33から「吸引力」の値を読み出し、表示制御部31は表示入力部28に表示されている「吸引力」を小さい側にスライド表示させる。逆に、ユーザにより、表示入力部28において、「運転時間」の値が例えば「短」側にスライド操作されると、主制御部29は変化後の「運転時間」の値で対応情報33から「吸引力」の値を読み出し、表示制御部31は表示入力部28に表示されている「吸引力」を大きい側にスライド表示させる。これにより、ユーザは「運転時間」のスライダをスライド操作して変化させることに応じて、リアルタイムに「吸引力」がどのように変化するのかを認識することが可能となっている。
また、表示入力部28には、ユーザがタッチ操作により設定した第一要素E1又は第二要素E2を決定するための決定用オブジェクトB1と、機能設定画面を終了するための終了用オブジェクトB2が表示される。ユーザにより決定用オブジェクトB1が押下されると、その時点での第一要素E1の「吸引力」の値に対応する電動送風機14の駆動のためのパラメータが通信部30を介して、操作手段3から掃除手段2に送られる。なお、このパラメータは、設定された第一要素E1である「吸引力」となるように電動送風機14を駆動させるためのパラメータであり、必ずしも1の要素についてのパラメータを意味するものではなく、必要な値の組み合わせから成るものであればよい。また、ユーザは決定用オブジェクトB1を押下するまでの任意の段階で掃除手段2の電源を入れておけばよい。また、決定用オブジェクトB1を押下する際に、ユーザに掃除手段2の電源をオンとするように促す表示を出力することも好ましい。
また、掃除手段2は、操作手段3との通信及びパラメータの設定が可能であるが電動送風機14がオフとなっている設定モードを備え、操作手段3での機能設定画面の操作時は掃除手段2が設定モードとなっていることも好ましい。また、操作手段3からの通信を受けると、掃除手段2が設定モードで起動するようにすることも好ましい。
そして、掃除手段2は、通信部11を介してパラメータを受け、駆動制御部20は受けたパラメータに応じて電動送風機14が駆動可能となるよう制御する。駆動制御部20は、ユーザが手元操作部10により電気掃除機1を起動させる指令を入力すると、操作手段3を用いたユーザの操作に従って設定されたパラメータに応じて、二次電池16を放電させるとともに、設定されたパラメータの放電終止電圧で二次電池16の放電を停止させるように制御素子のオンオフを切り替える等の制御により、電動送風機14を制御する。駆動制御部20が電動送風機14を駆動させると、電気掃除機1は、風路体6を介して吸込口12から集塵部17へと空気とともに塵埃を吸い込み、塵埃を集塵部17に集積して、吸い込んだ空気により電動送風機14を冷却した後、排気口13から排気する。
これらの動作を、図4に示すシーケンスチャートも参照して説明する。ステップS1において、ユーザが操作手段3の表示入力部28にて第一要素E1又は第二要素E2をスライド操作すると、ステップS2において、操作手段3では、入力された操作に応じて表示制御部31が記憶部32に記憶された対応情報33を読み出すとともに、読み出した値に応じて第一要素E1及び第二要素E2の表示を変えるように表示入力部28を制御する。また、ステップS3において、ユーザが操作手段3の表示入力部28にて決定用オブジェクトB1を押下して決定操作すると、ステップS4において、操作手段3では、その時点で表示入力部28に表示された設定に対応するパラメータを通信部30により掃除手段2に送信する。次いで、ステップS5において、掃除手段2では、送信されたパラメータが通信部11により受信されると、このパラメータに応じて駆動制御部20が電動送風機14を駆動可能となるように設定する。その後、ステップS6において、ユーザが手元操作部10により起動操作を入力すると、ステップS7において、掃除手段2では、設定されたパラメータに基づき駆動制御部20が電動送風機14の駆動を開始させる。また、ステップS1~S5の処理は、駆動中(ステップS7以後)であっても可能である。所定のモードで起動した後に、ステップS1~S5の処理が実行されるものであってもよい。
なお、図3の例では、ユーザが「運転時間」を操作することで、「吸引力」が変動表示される例を説明したが、ユーザが「吸引力」を操作することで、「運転時間」が変動表示されるものであってもよい。また、ユーザに「運転時間」及び「吸引力」双方の操作を可能に表示し、その都度、操作された要素について、他方の要素を変動表示させるものであってもよい。
また、図3の例では、「運転時間」は、ユーザがスライド操作可能なスライダとして表示される例を示したが、GUIは特に限られるものではく、例えば、スピンボックスやノブ等でもよいし、掃除手段2の運転時間と電動送風機14の吸引力とを直交軸としたグラフ等として表示されてもよい。
また、掃除手段2の「運転時間」は、連続的に変化させることができるようになっていてもよいし、ラジオボタン等で予め決められた複数の「運転時間」からユーザがいずれかを選択可能となっており、選択された「運転時間」に応じた「吸引力」が表示されるものであってもよい。
また、表示入力部28には、ユーザが変化させた第一要素E1及び第二要素E2を初期状態にリセットする機能を有するリセットボタン等を表示するようにしてもよい。
以上説明した第1の実施形態の電気掃除機1によれば、電動送風機14の動作に関する第一要素E1と、該第一要素E1とトレードオフの関係にある第二要素E2と、を操作手段3に表示させて、ユーザにより第一要素E1又は第二要素E2の値を変化させる入力を行われることで、他方の値の変化を表示するとともに、変化後の電動送風機14の動作に関する第一要素E1の値に応じて電気掃除機1を駆動させることができる。すなわち、ユーザは、トレードオフの関係にある2つの要素E1,E2について、一方を変化させたときに他方がどのように変化するかを認識可能となる。従って、ユーザは、これから使用する電気掃除機1を運転時間との兼ね合いでどのような性能で駆動させることができるかを認識することができ、ユーザ所望の設定で電気掃除機1を駆動させることができる。これにより電気掃除機1の利便性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図5を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
図5は、表示入力部28に表示される機能設定画面の他の例を示す模式図である。図5の例では、表示入力部28に電動送風機14の動作に関する第一要素E1として電動送風機14の駆動力としての「吸引力」が表示されるとともに、第二要素E2として、掃除手段2により「掃除する領域」の広さが表示されている。ここで、掃除動作を同じ加減で行えば、「掃除する領域」の広さが大きい場合は運転時間が長いことを意味し、「掃除する領域」の広さが小さい場合は運転時間が短いことを意味するので、「吸引力」を上げるほど「掃除する領域」(掃除可能な範囲)は小さくなり、「吸引力」を下げるほど「掃除する領域」は大きくなる。すなわち、第一要素E1である「吸引力」と第二要素E2である「掃除する領域」との間には、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないというトレードオフの関係が成立しており、第二要素E2は、電動送風機14の動作に関する第一要素E1とトレードオフの関係にあるといえる。
ユーザは、表示入力部28の「掃除する領域」のスライダをスライド操作することで「掃除する領域」の設定が可能となっている。ユーザは、広い範囲を掃除するのか狭い範囲を掃除するのかの設定を行う。スライダの部分に「掃除する領域」の予測値(m2、畳数等)を併せて表示しておくものであってもよい。デフォルト表示では、スライダが中央部分に設定されている。そして、ユーザにより、表示入力部28において、例えば「掃除する領域」の値が「広」側にスライド操作されると、主制御部29は変化後の「掃除する領域」の値で対応情報33から「吸引力」の値を読み出し、表示制御部31は表示入力部28に表示されている「吸引力」を小さい側にスライド表示させる。逆に、ユーザにより、表示入力部28において、「掃除する領域」の値が例えば「狭」側にスライド操作されると、主制御部29は変化後の「掃除する領域」の値で対応情報33から「吸引力」の値を読み出し、表示制御部31は表示入力部28に表示されている「吸引力」を大きい側にスライド表示させる。これにより、ユーザは「掃除する領域」のスライダをスライド操作して変化させることに応じて、リアルタイムに「吸引力」がどのように変化するのかを認識することが可能となっている。
そして、ユーザにより決定用オブジェクトB1が押下されると、その時点での「吸引力」の値に対応する電動送風機14の駆動のためのパラメータが通信部30を介して、操作手段3から掃除手段2に送られる。
そして、掃除手段2は、通信部11を介してこのパラメータを受けて、駆動制御部20はこのパラメータに応じて電動送風機14が駆動するよう制御する。
以上説明した第2の実施形態の電気掃除機1によれば、ユーザは、これから使用する電気掃除機1を、掃除する領域の広さとの兼ね合いでどのような性能で駆動させることができるかを認識することができ、ユーザ所望の設定で電気掃除機1を駆動させることができる。これにより電気掃除機1の利便性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図6を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
図6は、表示入力部28に表示される機能設定画面の他の例を示す模式図である。図6の例では、表示入力部28に電動送風機14の動作に関する第一要素E1として電動送風機14の駆動力としての「吸引力」が表示されるとともに、第二要素E2として、電動送風機14の「駆動音」が表示されている。
ここで、ユーザは掃除動作の際の電動送風機14の動作に伴う「駆動音」が小さいことを望むが、「吸引力」を大きくするほど、電動送風機14の「駆動音」は大きくなってしまい、「駆動音」を抑えようとすると、「吸引力」は小さくならざるを得ない。すなわち、第一要素E1である「吸引力」と、第二要素である「駆動音」との間には、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないというトレードオフの関係が成立しており、第二要素E2は、電動送風機14の動作に関する第一要素E1とトレードオフの関係にあるといえる。
ユーザは、表示入力部28の「駆動音」のスライダをスライド操作することで「駆動音」の設定が可能となっている。ユーザは、許容できる「駆動音」の設定を行う。スライダの部分に「駆動音」の予測値(dB等)を併せて表示しておくものであってもよい。デフォルト表示では、スライダが中央部分に設定されている。そして、ユーザにより、表示入力部28において、例えば「駆動音」の値が「小」側にスライド操作されると、主制御部29は変化後の「駆動音」の値で対応情報33から「吸引力」の値を読み出し、表示制御部31は表示入力部28に表示されている「吸引力」を小さい側にスライド表示させる。逆に、ユーザにより、表示入力部28において、「駆動音」の値が例えば「大」側にスライド操作されると、主制御部29は変化後の「駆動音」の値で対応情報33から「吸引力」の値を読み出し、表示制御部31は表示入力部28に表示されている「吸引力」を大きい側にスライド表示させる。これにより、ユーザは「駆動音」のスライダをスライド操作して変化させることに応じて、リアルタイムに「吸引力」がどのように変化するのかを認識することが可能となっている。
そして、ユーザにより決定用オブジェクトB1が押下されると、その時点での「吸引力」の値に対応する電動送風機14の駆動のためのパラメータが通信部30を介して、操作手段3から掃除手段2に送られる。
そして、掃除手段2は、通信部11を介してこのパラメータを受けて、駆動制御部20はこのパラメータに応じて電動送風機14が駆動するよう制御する。
以上説明した第3の実施形態の電気掃除機1によれば、ユーザは、これから使用する電気掃除機1を、掃除手段の駆動音との兼ね合いでどのような性能で駆動させることができるかを認識することができ、ユーザ所望の設定で電気掃除機1を駆動させることができる。これにより電気掃除機1の利便性を向上させることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図7及び図8を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
図7は、第4の実施形態に係る電気掃除機1の機能ブロック図である。本実施形態の掃除手段2には、二次電池16の残量を検知する残量検知部35と、二次電池16の温度を検知する温度検知部36と、対応情報33と充放電情報34とを記憶した記憶部18と、を備え、主制御部21が演算部として機能する。
残量検知部35は、二次電池16の残量を検知する。二次電池16の残量検知は、例えば、電圧測定方式等の公知または新規の手法によるものであればよく、特に限られるものではない。また、温度検知部36は、二次電池16の温度を検知する。ここでいう二次電池16の温度には、二次電池16の近傍の所定位置での温度も含む。すなわち、温度検知部36での温度検知とは、二次電池16の温度と所定の関係を有する温度を検知することを含む。残量検知部35と温度検知部36の検知結果は制御部21に送られる。また、電源制御部23は、二次電池16の充電回数と放電回数(充放電サイクルの回数)や充放電レート等の充放電に関する履歴情報を主制御部21に送り、これは充放電情報34として記憶部18に記憶される。なお、本実施形態では、掃除手段2が残量検知手段35及び温度検知部36を備える例を示しているが、少なくともいずれかを備えるものであればよい。
また、図8は、表示入力部28に表示される機能設定画面の他の例を示す模式図である。図8の例では、表示入力部28に電動送風機14の動作に関する第一要素E1として電動送風機14の駆動力としての「吸引力」が表示されるとともに、第二要素E2として、二次電池16の寿命(「電池の寿命」)が表示されている。ここで、二次電池16の寿命とは、例えば二次電池16の充放電サイクルの上限回数である。
ここで、ユーザは二次電池16の「電池の寿命」が長いことを望むが、「吸引力」を大きくするほど、二次電池16への負荷が大きくなるため二次電池16の「電池の寿命」は短くなってしまう。すなわち、第一要素E1である「吸引力」と第二要素E2である「電池の寿命」との間には、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないというトレードオフの関係が成立しており、第二要素E2は、電動送風機14の動作に関する第一要素E1とトレードオフの関係にあるといえる。
ユーザは、表示入力部28の「電池の寿命」のスライダをスライド操作することで「電池の寿命」の設定が可能となっている。ユーザは、所望の「電池の寿命」の設定を行う。スライダの部分に「電池の寿命」の予測値(充放電回数等)を併せて表示しておくものであってもよい。デフォルト表示では、スライダが中央部分に設定されている。そして、ユーザにより、入力表示部28において、例えば「電池の寿命」の値が「短」側にスライド操作されると、この情報が操作手段3から掃除手段2に送られ、主制御部21は変化後の「電池の寿命」の値で対応情報33から「吸引力」の値を読み出して、操作手段3に送る。操作手段3は、この情報に基づいて、表示入力部28に表示されている「吸引力」を大きい側にスライド表示させる。逆に、ユーザにより、入力表示部28において、「電池の寿命」の値が例えば「長」側にスライド操作されると、表示制御部31は表示入力部28に表示されている「吸引力」を小さい側にスライド表示させる。これにより、ユーザは「電池の寿命」のスライダをスライド操作して変化させることに応じて、リアルタイムに「吸引力」がどのように変化するのかを認識することが可能となっている。
そして、ユーザにより決定用オブジェクトB1が押下されると、その時点での「吸引力」の値に対応する電動送風機14の駆動のためのパラメータに基づいて、駆動制御部20は電動送風機14が駆動するよう制御する。
以上説明した第4の実施形態の電気掃除機1によれば、ユーザは、これから使用する電気掃除機1を、二次電池の寿命との兼ね合いでどのような性能で駆動させることができるかを認識することができ、ユーザ所望の設定で電気掃除機1を駆動させることができる。これにより電気掃除機1の利便性を向上させることができる。
ところで、二次電池16の寿命は、二次電池16の残量が少ない状態で使用を繰り返されるほど短く、二次電池16の残量が多い状態で使用を繰り返されるほど長くなる。また、二次電池16の寿命は、二次電池16の温度が高い状態で使用を繰り返されるほど短く、二次電池16の温度が低い状態で使用を繰り返されるほど長くなる。
そこで、主制御部21は、表示入力部28に表示させる電池の寿命を、残量検知部35で検知した二次電池16の残量と、温度検知部36で検知した二次電池16の温度に基づいて予測して、表示させるようことが好ましい。
また、主制御部21は、二次電池16の寿命予測において、記憶部18の充放電情報34を参照して求めることも好ましい。二次電池16の充放電履歴を考慮した二次電池16の寿命予測により、二次電池16の寿命の予測精度を向上することができる。
このように、表示入力部28に表示させる電池の寿命を、二次電池16の残量や、温度、充放電履歴等に基づいて予測した値を表示させ、これと吸引力との関係をユーザに設定可能とすることにより、ユーザは、これから使用する電気掃除機1を、二次電池16の寿命との兼ね合いでどのような性能で駆動させることができるかを認識することができ、ユーザ所望の設定で電気掃除機1を駆動させることができる。これにより電気掃除機1の利便性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態においては、表示入力部28に、電動送風機14の動作に関する第一要素E1と、そのトレードオフの関係にある第二要素E2とを一対一で表示する例を示し、要素E1,E2の少なくともいずれかをユーザが設定可能としたが、電動送風機14の動作に関する第一要素E1に対して、上述したトレードオフの関係にある第二要素E2を複数表示し、それらの少なくともいずれかをユーザが設定可能とし、複数の第二要素E2が連動して変化するように表示させるようにしてもよい。
このとき、対応情報33として、第一要素E1と複数の第二要素E2との対応関係をそれぞれ有していて、第二要素E2の値に応じて、第一要素E1と他の第二要素E2の値が変動するものであればよい。
また、上記各実施形態では、表示入力部28に、電動送風機14の動作に関する第一要素E1と、そのトレードオフの関係にある第二要素E2とを一対一で表示する例を示し、要素E1,E2の少なくともいずれかをユーザが設定可能としたが、さらに、図9に示す第5の実施形態のように、表示入力部28に、電動送風機14の動作についての第三要素E3が表示され、第三要素E3の値を設定可能としてもよい。第三要素E3として、図9の例では、電動送風機14の吸引動作を緩急させるファジィ制御の有無をラジオボタンにより選択することで設定可能となっているが、第三要素E3はこれに限られるものではない。
このとき、対応情報33として、ファジィ制御有りの場合と無しの場合の第一要素E1と第二要素E2の対応関係をそれぞれ有していて、ファジィ制御の設定有無に応じて、第一要素E1の値に応じて電動送風機14を制御するものであればよい。
このように、電動送風機14の動作についての第三要素E3を設定可能とすることで、掃除手段2の動作性能をより細かくに設定することができる。
また、上記各実施形態では、表示入力部28がタッチパネル機能を有するディスプレイである場合を例に説明したが、表示機能を有するディスプレイと、入力機能を有するボタンやキーボード、ポインティングデバイス等とを備える構成としてもよい。
また、上記第1~第3の実施形態においては、操作手段3の主制御部29が要素E1,E2のうち一方の変化に応じた他方の値を求める演算を行う場合を例に説明したが、上記第1~第3の実施形態において、第4の実施形態のように掃除手段2の主制御部21で演算を行うようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態の電気掃除機1により、図10ないし図15に示す第6の実施形態のように、ネットワークNを介してサーバSVと通信可能な電気掃除システムSを構築してもよい。
ネットワークNは、インターネット等の外部ネットワークである。ネットワークNは、ホームゲートウェイ等の中継手段を介して電気掃除機1と有線又は無線により接続可能となっている。本実施形態において、ネットワークNは、掃除手段2の通信部11と、操作手段3の通信部30と、の少なくともいずれかと無線接続可能となっている。サーバSVは、ネットワークNに接続され、ネットワークNを介してデータを送受信可能であるとともに、データを蓄積及び出力可能となっている。
そして、本実施形態に係る電気掃除システムSでは、少なくとも表示入力部28で受け付けた値と関連を有する値を、ネットワークNを介してサーバSVに蓄積させることが可能となっている。
表示入力部28で受け付けた値と関連を有する値とは、表示入力部28でユーザが入力した第一要素E1又は第二要素E2と所定の関係を有する値である。つまり、表示入力部28で受け付けた値と関連を有する値とは、表示入力部28に表示される第一要素E1又は第二要素E2そのものの値でもよいし、その値に対応する単数又は複数のパラメータ等でもよい。サーバSVには、基本的に第一要素E1と関連を有する値と、第二要素E2と関連を有する値と、がそれぞれ蓄積されることが好ましいが、少なくともこれらの値の一方が蓄積されれば、他方はサーバSVや操作手段3の主制御部29等によって演算可能であるため、他方が蓄積されることは必須としない。また、サーバSVには、第三要素E3と関連を有する値が別途蓄積されてもよい。
表示入力部28で受け付けた値と関連を有する値がサーバSVに蓄積されるタイミングは、任意に設定可能である。例えば、表示入力部28に表示される要素を掃除手段2に設定したときでもよいし、要素の設定とは別個の操作をしたときでもよい。すなわち、サーバSVへの値の蓄積は、ユーザが掃除手段2への要素の設定を行うことに連動して行われてもよいし、ユーザが意図的に行うシーケンスや設定画面が別個に設定されていてもよい。
図11は、表示入力部28に表示される機能設定画面の一例を示す模式図である。図11の例では、第1の実施形態と同様に、表示入力部28に電動送風機14の動作に関する第一要素E1として、電動送風機14の駆動力としての「吸引力」が表示されるとともに、第二要素E2として、二次電池16の駆動時間としての掃除手段2の「運転時間」が表示されているが、第一要素E1と第二要素E2とは、第2ないし第5の実施形態と同様に任意に設定してよいし、第三要素E3がさらに表示されていてもよい。図11の例の場合、表示入力部28には、ユーザがタッチ操作により設定した第一要素E1又は第二要素E2をサーバSVに蓄積することを決定するための蓄積決定用オブジェクトB3が、決定用オブジェクトB1、終了用オブジェクトB2とは別個に表示される。ユーザにより蓄積決定用オブジェクトB3が押下されると、その時点での第一要素E1及び/又は第二要素E2の値と関連を有する値が通信部30を介してネットワークNからサーバSVに送られ、サーバSVに蓄積される。第一要素E1及び/又は第二要素E2を設定したり変更したりした後に蓄積決定用オブジェクトB3が押下されることなく終了用オブジェクトB2が押下された場合には、値をサーバSVに蓄積するか否かを確認する表示を出力することも好ましい。
蓄積決定用オブジェクトB3に代えて、決定用オブジェクトB1が蓄積決定用オブジェクトを兼ねるようにしてもよい。つまり、ユーザが決定用オブジェクトB1を押下してその時点での第一要素E1又は第二要素E2の値に対応するパラメータが通信部30を介して、操作手段3から掃除手段2に送られるときに、その値又は対応するパラメータが通信部30を介してネットワークNからサーバSVに送られ、サーバSVに蓄積されてもよい。この場合、操作手段3から掃除手段2に送られる値と、ネットワークNを介してサーバSVに送られる値とは、同一でもよいし、異なっていてもよい。
なお、サーバSVに値を蓄積する際には、通信部30から値を送る前に、ユーザに値をサーバSVに蓄積してよいか否かを確認する表示を出力することが好ましい。
また、サーバSVには、ユーザの属性情報と、掃除する領域に関する情報と、の少なくともいずれかがさらに蓄積されてもよい。この場合、サーバSVにおいて、表示入力部28で受け付けた値と関連を有する値について、ユーザの属性情報と、掃除する領域に関する情報と、のいずれかが関連付けられて蓄積されることが好ましい。
ユーザの属性情報とは、任意に設定してよいが、例えばユーザの性別、年齢、家族構成、ペットの有無、一人住まいであるか否か等の情報である。サーバSVに蓄積されるユーザの属性情報は、一種類でも複数種類でもよい。
また、掃除する領域に関する情報とは、任意に設定してよいが、例えば掃除手段2により掃除する床面の種類、マンションであるか戸建てであるか等のユーザの住宅の種類、掃除手段2により掃除する領域が、台所、リビング、寝室等のいずれの部屋であるか等の掃除する部屋の種類、また、ユーザの住所等の情報である。サーバSVに蓄積される掃除する領域に関する情報は、一種類でも複数種類でもよい。
これらユーザの属性情報や掃除する領域に関する情報は、操作手段3を介してユーザにより入力されてもよいし、掃除手段2の記憶部18や操作手段3の記憶部32等に、掃除する領域に関するマップ情報やユーザの属性情報等が記憶されている場合には、その情報の少なくとも一部を利用してもよい。
各種情報は、好ましくは表示入力部28に表示される情報設定画面からユーザが入力可能となっている。表示入力部28に表示される情報設定画面は、機能設定画面と相互に遷移可能となるように表示制御部31により制御されることが好ましい。ユーザの属性情報と掃除する領域に関する情報とは、少なくともいずれか一方が入力可能となっていればよいが、本実施形態では、それぞれが入力可能な例を挙げて説明する。
図12は、表示入力部28に表示される情報設定画面の一例を示す模式図である。図12の例は、ユーザの属性情報を入力するものである。図12の例では、表示入力部28に、「性別」、「年齢」、「家族構成」、「ペットの有無」、「一人住まいであるか否か」が、ユーザの属性情報Ia1~Ia5として表示される。また、表示入力部28には、ユーザが設定したユーザの属性情報Ia1~Ia5を決定しサーバSVに蓄積するための蓄積用オブジェクトB4と、掃除する領域の情報を入力する情報設定画面に遷移するための遷移用オブジェクトB5と、情報設定画面を終了し機能設定画面へと遷移するための終了用オブジェクトB6と、が表示される。ユーザにより蓄積用オブジェクトB4が押下されると、その時点での各情報Ia1~Ia5と関連を有する値が通信部30を介して、操作手段3からネットワークNに送られ、サーバSVに蓄積される。また、ユーザにより遷移用オブジェクトB5又は終了用オブジェクトB6が押下されると、それぞれの内容に応じた画面を表示するように表示制御部31が表示入力部28を制御する。なお、図12に例を示す情報設定画面から他の画面に遷移する際には、遷移する前にユーザの属性情報Ia1~Ia5をサーバSVに蓄積するか否かを確認する表示を出力することが好ましい。
また、図13は、表示入力部28に表示される情報設定画面の他の例を示す模式図である。図13の例は、掃除する領域に関する情報を入力するものである。図13の例では、表示入力部28に、「床面の種類」、「住宅の種類」、「部屋の種類」、「住所」が、掃除する領域に関する情報Ib1~Ib4として表示される。また、表示入力部28には、ユーザが設定した掃除する領域に関する情報Ib1~Ib4を決定しサーバSVに蓄積するための蓄積用オブジェクトB7と、ユーザの属性情報を入力する情報設定画面に遷移するための遷移用オブジェクトB8と、情報設定画面を終了し機能設定画面へと遷移するための終了用オブジェクトB9と、が表示される。ユーザにより蓄積用オブジェクトB7が押下されると、その時点での各情報Ib1~Ib4と関連を有する値が通信部30を介して、操作手段3からネットワークNに送られ、サーバSVに蓄積される。また、ユーザにより遷移用オブジェクトB8又は終了用オブジェクトB9が押下されると、それぞれの内容に応じた画面を表示するように表示制御部31が表示入力部28を制御する。なお、図13に例を示す情報設定画面から他の画面に遷移する際には、遷移する前に掃除する領域に関する情報Ib1~Ib4をサーバSVに蓄積するか否かを確認する表示を出力することが好ましい。
図12および図13に示す情報設定画面の例は、遷移用オブジェクトB5,B8を介して互いに遷移するように別個に設定されていてもよいし、一つの画面内に設定されていてもよい。また、表示入力部28に表示可能な領域に対して入力する情報が多い場合等、表示入力部28にすべてを表示入力部28の一画面分に表示することが困難な場合には、画面を上下や左右にスクロールして全体を表示可能とするようにしてもよい。
図14にサーバSVに蓄積される情報の一例を示す。図14に示す例では、サーバSVには第一要素E1と関連を有する値と、第二要素E2と関連を有する値と、それらの値を入力したユーザの属性情報と、掃除する領域の情報と、がユーザ毎にデータテーブルとして蓄積される。
また、サーバSVに蓄積された値や情報は、ユーザによって操作手段3の表示入力部28で閲覧可能としてもよい。操作手段3の表示制御部31は、サーバSVに蓄積された値から得られた値を、第一要素E1と第二要素E2との少なくともいずれかのデフォルト値として表示入力部28に表示させてもよい。サーバSVに蓄積された値から得られた値とは、他のユーザによりサーバSVに蓄積された第一要素E1及び/又は第二要素E2と関連を有する値でもよいし、他のユーザが複数いる場合には、それら他のユーザのうち、最も多くのユーザにより蓄積された第一要素E1及び/又は第二要素E2と関連を有する値や、他のユーザにより蓄積された第一要素E1及び/又は第二要素E2と関連を有する値の平均値等でもよい。この平均値等は、サーバSVが演算して出力してもよいし、サーバSVから出力された値から操作手段3の主制御部29等で演算して求めてもよい。
さらに好ましくは、表示制御部31は、サーバSVに蓄積された値に、その値に関連してサーバSVに蓄積されたユーザの属性情報と掃除する領域に関する情報との少なくともいずれかを加味して得られた値を、第一要素E1と第二要素E2との少なくともいずれかのデフォルト値として表示入力部28に表示させてもよい。つまり、ユーザが属性情報と掃除する領域に関する情報との少なくともいずれかを入力した場合には、サーバSVに蓄積された値のうち、それら入力された情報とともに蓄積された値と関連を有する値が、サーバSVから出力されてもよい。入力された情報とともに蓄積された値と関連を有する値とは、ユーザにより入力されたユーザの属性情報や掃除する領域に関する情報と同一又は類似する情報を有する他のユーザによりサーバSVに蓄積された第一要素E1及び/又は第二要素E2と関連を有する値でもよいし、同一又は類似する情報を有する他のユーザが複数いる場合には、それら他のユーザのうち、最も多くのユーザにより蓄積された第一要素E1及び/又は第二要素E2と関連を有する値や、他のユーザにより蓄積された第一要素E1及び/又は第二要素E2と関連を有する値の平均値等でもよい。この平均値等は、サーバSVが演算して出力してもよいし、サーバSVから出力された値から操作手段3の主制御部29等で演算して求めてもよい。さらに、表示入力部28に表示される値そのものがサーバSVから出力されてもよいし、サーバSVから出力された値を、通信部30により受信した後、主制御部29により演算した値を表示入力部28に表示させてもよい。
サーバSVからの値の出力は、ユーザにより属性情報や掃除する領域に関する情報が蓄積されると自動的に行われてもよいし、ユーザが読み出し等の別途の操作を入力することに応じて行われてもよい。
図15は、表示入力部28に表示される機能設定画面の一例を示す模式図である。図15の例では、第1の実施形態と同様に、表示入力部28に電動送風機14の動作に関する第一要素E1として、電動送風機14の駆動力としての「吸引力」が表示されるとともに、第二要素E2として、二次電池16の駆動時間としての掃除手段2の「運転時間」が表示されているが、第一要素E1と第二要素E2とは、第2ないし第5の実施形態と同様に任意に設定してよいし、第三要素E3がさらに表示されていてもよい。図15の例の場合、表示入力部28には、決定用オブジェクトB1、終了用オブジェクトB2、及び、蓄積決定用オブジェクトB3とは別個に、デフォルト値を表示するためのデフォルト表示用オブジェクトB10と、情報設定画面に遷移するための遷移用オブジェクトB11と、が表示される。ユーザによりデフォルト表示用オブジェクトB10が押下されると、操作手段3の通信部30から、ユーザの属性情報及び/又は掃除する領域に関する情報が要求信号とともに出力されて、ネットワークNからサーバSVに送られる。要求信号を受け取ったサーバSVは、要求信号とともに受け取ったユーザの属性情報及び/又は掃除する領域に関する情報を参照し、これら情報に関連する、第一要素E1及び/又は第二要素E2と関連を有する値を出力する。出力された値は、ネットワークNを介して操作手段3に送られる。送られた値を通信部30で受け取った操作手段3は、その値を主制御部29で処理するとともに、その値に応じて表示制御部31が表示入力部28を制御することでデフォルト値が表示入力部28に表示される。表示制御部29は、デフォルト値を、その直前の時点で表示入力部28に表示されていた値に代えて表示入力部28に表示させてもよいし、その直前の時点で表示入力部28に表示されていた値と別個に表示入力部28に表示させて、双方の値をユーザが比較できるようにしてもよい。また、ユーザにより遷移用オブジェクトB11が押下されると、表示制御部31が、ユーザの属性情報及び/又は掃除する領域に関する情報を入力する情報設定画面に遷移するように表示入力部28を制御する。
なお、図13や図14に示す情報設定画面の例においては、オブジェクトB5,B6,B8,B9のいずれかが押下されたときに、サーバSVから、入力された各情報に関連する、第一要素E1及び/又は第二要素E2と関連を有する値が要求信号とともに出力され、ネットワークNを介して操作手段3に送られるようにしてもよい。
表示入力部28で受け付けた値と関連を有する値と各種情報を通信部30からネットワークNを介してサーバSVに送る際には、それぞれ別個に送ってもよいし、一方を送るときに他方も送ってもよい。
また、表示入力部28で受け付けた値と関連を有する値や、各種情報を、操作手段3の通信部30からホームゲートウェイ等を介してネットワークNからサーバSVへと送る例について説明したが、これらの値や各種情報は、操作手段3の通信部30から、掃除手段2の通信部11等を経由して間接的にネットワークNからサーバSVへと送られてもよい。
さらに、サーバSVに蓄積する情報は、一ユーザにつき一群に限られず、一ユーザにつき複数群蓄積されてもよい。その場合には、蓄積された日付等を紐付けてサーバSVに蓄積しておくことで、以前に設定した値や情報を選択的にサーバSVから出力できるようにしてもよい。
図11、図12、図13、及び、図15は、あくまでも表示例を示しているに過ぎず、各画面において表示されるGUIは、これらの形態に特に限られるものではない。
このように、少なくとも表示入力部28で受け付けた値と関連を有する値をサーバSVに蓄積可能とすることで、ユーザの掃除の仕方に関する情報を取得し、有効活用可能となる。
また、サーバSVに蓄積された値から得られた値を、第一要素E1と第二要素E2との少なくともいずれかのデフォルト値として表示入力部28に表示可能とすることで、ユーザは、他のユーザがどのような値を設定しているのかを、デフォルト値によって容易に知ることができる。
サーバSVには、ユーザの属性情報と掃除する領域に関する情報との少なくともいずれかを蓄積可能であるため、ユーザの属性や掃除する領域毎にユーザの掃除の仕方に関する情報を取得できる。
この場合、サーバSVに蓄積された値に、サーバSVに蓄積されたユーザの属性情報と掃除する領域に関する情報との少なくともいずれかを加味して得られた値を、第一要素E1と第二要素E2との少なくともいずれかのデフォルト値として表示入力部28に表示可能とすることで、ユーザと属性が同一又は類似する他のユーザや、ユーザが掃除する領域と同一又は類似する領域を相違する他のユーザがどのような値を設定しているのかを、デフォルト値によって容易に知ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。