JP7381066B2 - レンズ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮影レンズの一部又は全部を光軸方向へ移動させることにより焦点調節を行うことが可能なレンズ装置に関する。特に、撮影レンズの一部又は全部をフォーカシングレンズ群とし、フォーカシングレンズ群を保持する可動部材を光軸方向へ常に付勢する付勢機構を備えるレンズ装置に関する。
従来より、レンズ装置では、撮影レンズの一部又は全部を光軸方向へ移動させることにより焦点調節を行うことができる。焦点調節の際に光軸方向へ移動する撮影レンズの一部又は全部であるレンズ群をフォーカシングレンズ群とする。レンズ装置において焦点調節の際に固定である固定部材に対して移動可能である部材を可動部材とする。フォーカシングレンズ群はレンズ保持枠などの可動部材に保持される。
フォーカシングレンズ群を保持する可動部材は駆動モータを駆動源とするAF駆動機構により光軸方向へ移動される。駆動モータにはステッピングモータなどが用いられる。駆動モータの出力軸にはリードスクリューが設けられており、リードスクリューは撮影レンズの光軸と平行となるように配置されている。リードスクリューは駆動モータの正回転又は逆回転の駆動制御により回転される。
リードスクリューにはナットが螺合されており、ナットはリードスクリューの回転によりリードスクリューの回転軸の方向へ移動する。さらに、ナットは可動部材の一部に当接しており、ナットの移動に従って可動部材は移動する。可動部材が移動することによりフォーカシングレンズ群が光軸方向へ移動してレンズ装置の焦点調節を行うことが可能となる。
このようなAF駆動機構の駆動時において、ナットの移動による可動部材の移動の応答性を確保するためにナットと可動部材は常に接するようにしておく必要がある。また、停止時においても、可動部材の停止位置の位置決めが不安定とならないようにするためにリードスクリューとナットとの螺合関係によるねじ山のガタを常に詰めておく必要がある。
そこで、フォーカシングレンズ群を保持する可動部材を常に光軸方向へ付勢するための付勢機構が用いられる。付勢機構において付勢力を発生させるためには付勢ばねが用いられる。付勢ばねの復元力は付勢ばねの自然長からの変位量が大きくなるほど大きくなる。
一方、付勢ばねは可動部材を常に光軸方向へ付勢しているので、AF駆動機構により可動部材を移動させるには付勢ばねの復元力を超える駆動モータのトルクが必要となる。したがって、AF駆動機構の駆動モータのトルクは付勢ばねの復元力も考慮して設定される必要がある。
すなわち、AF駆動機構の駆動モータのトルクは付勢機構の付勢ばねの復元力が大きくなるほど大きくなるように設定されなければならない。大きなトルクを発生させることができる駆動モータは大型となり消費電力も大きくなる。したがって、小型軽量で消費電力の小さいレンズ装置を達成するためには、レンズ装置に必要な駆動モータの発生するトルクを小さくすることが好ましい。
レンズ装置において、AF駆動機構に必要な駆動モータのトルクを小さくして駆動モータの大きさや消費電力を必要最小限とするためには、付勢ばねの復元力を最適化する必要がある。付勢ばねの復元力は自然長からの変位量が大きくなるほど大きくなるので、付勢ばねの復元力を小さくするには付勢ばねの自然長からの変位量を小さくするとよい。そこで、付勢機構に滑車を追加することが考えられる。
例えば、特許文献1には、レンズ群(光学素子群)を保持するレンズ保持枠の付勢機構に滑車(プーリー)を用いたレンズ装置が開示されている。特許文献1に開示されたレンズ装置では、付勢ばね(弾性部材)と滑車を組み合わせることによりレンズ群の付勢方向の自由度を高めている。
特開2016-200725号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたレンズ装置では、付勢機構に滑車を用いることにより発生するおそれのある次の課題が考慮されていない。
第1に、特許文献1に開示されたレンズ装置では、滑車にねじれが生じることについての課題が考慮されていない。付勢機構に滑車を用いる場合において、滑車に生じたねじれが可動部材の停止位置の位置決めに悪影響を与えるおそれがある。特に可動部材に保持されたレンズ群がフォーカシングレンズ群である場合には、滑車に生じたねじれによりフォーカシングレンズ群の光軸方向の停止位置の位置決めが不安定となり、撮影レンズの合焦性能や光学性能が悪化するおそれがある。
第2に、特許文献1に開示されたレンズ装置では、付勢ばねを配置するスペースについての課題が考慮されていない。付勢機構に滑車を追加する場合において、滑車を追加する分だけ当然に付勢ばねを配置するスペースは制限される。そのため、付勢機構に十分な自然長の付勢ばねを配置することができなくなってしまう。また、制限されたスペースに付勢ばねを配置するために付勢ばね自体の自然長を短くしてしまうと付勢ばねの復元力は大きくなってしまう。付勢ばねの復元力が大きくなるとAF駆動機構に必要な駆動モータのトルクが大きくなってしまう。
上記課題を解決するため、第1の発明のレンズ装置は、撮影レンズの一部又は全部を光軸方向へ移動させることにより焦点調節を行うことが可能なレンズ装置であって、焦点調節の際に移動しない固定部材と、光軸方向へ移動するフォーカシングレンズ群と、前記フォーカシングレンズ群を保持する可動部材と、前記可動部材を移動させるための駆動源となる駆動モータと、前記駆動モータの出力軸に設けられたリードスクリューと、前記リードスクリューに螺合して前記可動部材を移動させるナットと、複数の滑車と前記複数の滑車を回転可能に支持する滑車軸とを含んで構成された動滑車と、前記滑車軸を光軸方向へ常に付勢する付勢ばねと、両端がそれぞれ前記固定部材と前記可動部材に固定される屈曲部材とを備え、前記屈曲部材は複数の帯状形状部または複数の紐状形状部を有し、前記複数の滑車はすべて同一の前記滑車軸で支持されており、前記屈曲部材の一端は前記固定部材に固定されており、前記屈曲部材の他端は前記可動部材に固定されており、前記屈曲部材の前記複数の帯状形状部または前記複数の紐状形状部は前記複数の滑車のうち少なくとも前記滑車軸の軸方向で対称に位置する両端の滑車に掛けられており、前記付勢ばねの一端は前記固定部材に掛けられており、前記付勢ばねの他端は前記滑車軸の中心に掛けられていることを特徴とする。
さらに、第の発明のレンズ装置は、前記固定部材と前記可動部材にそれぞれ形成された向かい合う平行平面の間に前記複数の滑車を配置することを特徴とする。
さらに、第の発明のレンズ装置は、前記固定部材に固定された固定パーツと可動部材にそれぞれ形成された向かい合う平行平面の間に前記複数の滑車を配置することを特徴とする。
さらに、第の発明のレンズ装置は、前記複数の滑車の断面形状における対角線の長さは前記平行平面の間隔より長いことを特徴とする。
さらに、第の発明のレンズ装置は、前記可動部材又は前記固定部材に前記複数の滑車が沿って移動するためのレール形状が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、付勢機構に滑車を用いた場合においても滑車のねじれが生じることを防止することができ、可動部材の停止位置の位置決めを安定させることができる。これにより撮影レンズの合焦性能や光学性能を確保することができる。
また、本発明によれば、付勢機構に滑車を追加した場合においても十分な自然長の付勢ばねを配置することができる。また、制限されたスペースに付勢ばねを配置するために付勢ばね自体の自然長を短くする必要がなく、付勢ばね自体の復元力が増大することを防止することができる。これによりAF駆動機構に必要な駆動モータのトルクが大きくなってしまうことを防止することができる。
本実施例のレンズ装置が含まれるカメラシステムを示す模式図である。 レンズ装置の付勢機構を示す斜視図である。 付勢機構の複数の滑車の分解斜視図である。 付勢機構の帯状部材の屈曲部材の展開図である。 付勢機構の屈曲部材に紐状形状の屈曲部材を用いた変形例を示す斜視図である。 付勢機構における滑車の有無について付勢ばねの変位量を比較して示す図である。 付勢機構の複数の滑車を示す図である。
以下、本発明に係るレンズ装置の実施例について図を用いて説明する。
図1は、本実施例のレンズ装置である交換レンズが含まれるカメラシステムを示す模式図である。
図1において、100はボディ、200は交換レンズを示す。図1のボディ100において、101はボディCPU、102はレリーズスイッチ、103はボディ側通信接点を示す。図1の交換レンズ200において、201はレンズCPU、202はレンズ側通信接点、203は固定部材、204はフォーカシングレンズ群、205は可動部材、206は駆動モータ、207はリードスクリュー、208はナット、209はモータドライバ、210は付勢機構を示す。
本実施例のカメラシステムは、ボディ100と交換レンズ200からなる。交換レンズ200はマウント機構によりボディ100にメカ的に装着される。また、ボディ100のマウント機構と仕様が共通する種々の交換レンズが装着可能である。
ボディCPU101は、レンズCPU201とのデータ通信やボディ100の内部の各種制御を行う。レリーズスイッチ102は、使用者の操作によりボディ100に対して撮影に関する動作の開始を指示する。レリーズスイッチ102は、2段階で押下状態を変化させることが可能であり、半押し状態で焦点調節動作を指示し、全押し状態で撮影動作を指示する。レリーズスイッチ102の押下状態はボディCPU101に伝達される。ボディ側通信接点103は、ボディ100のマウント機構の近傍に配置される。交換レンズ200がボディ100に装着完了となったときに、ボディCPU101はボディ側通信接点103を介してレンズCPU201とデータ通信を行う。
レンズCPU201は、ボディCPU101とのデータ通信や交換レンズ200の内部の各種制御を行う。レンズ側通信接点202は、交換レンズ200のマウント機構の近傍に配置される。交換レンズ200がボディ100に装着完了となった場合に、レンズCPU201はレンズ側通信接点202を介してボディCPU101とデータ通信を行う。
フォーカシングレンズ群204は、光軸方向へ移動して焦点調節を行う。交換レンズ200を構成する部材について、焦点調節の際に固定である部材を固定部材203とし、これに対して移動可能である部材を可動部材205とする。フォーカシングレンズ群204はレンズ保持枠などの可動部材205により保持されている。可動部材205は、AF駆動機構により光軸方向へ移動される。AF駆動機構については後述する。また、可動部材205は付勢機構210により光軸方向へ常に付勢されている。付勢機構210については後述する。
ボディ100のレリーズスイッチ102が使用者により半押し状態に操作されると、ボディCPU101は焦点調節動作の指示を検出する。そして、ボディCPU101はレンズCPU201に対して焦点調節動作のコマンドを送信する。レンズCPU201はボディCPU101から焦点調節動作のコマンドを受信すると、AF駆動機構を駆動制御してフォーカシングレンズ群204を保持する可動部材205を光軸方向へ移動させる。
次に交換レンズ200のAF駆動機構について説明する。AF駆動機構は、駆動モータ206、リードスクリュー207、ナット208からなる。
駆動モータ206は、AF駆動機構の駆動源である。本実施例において駆動モータ206はステッピングモータである。本発明のレンズ装置の駆動モータ206は、ステッピングモータに限られず、超音波モータやDCモータなどでもかまわない。
リードスクリュー207は、駆動モータ206の出力軸に設けられている。駆動モータ206の回転に従ってリードスクリュー207は回転する。また、リードスクリュー207は撮影レンズの光軸と平行となるように配置されている。
ナット208は、リードスクリュー207に螺合されている。ナット208はリードスクリュー207の回転に従って光軸方向と平行な方向へ移動する。
レンズCPU201は、ボディCPU101から焦点調節動作のコマンドを受信すると、モータドライバ209を介してAF駆動機構の駆動モータ206の駆動制御を指示する。駆動モータ206の回転方向はモータドライバ209により駆動制御される。駆動モータ206の回転方向に従って駆動モータ206の出力軸に設けられたリードスクリュー207の回転方向も駆動制御される。さらに、リードスクリュー207の回転方向に従ってリードスクリュー207に螺合されたナット208の移動方向も駆動制御される。駆動モータ206の正回転・逆回転に従って、リードスクリュー207が正回転・逆回転し、リードスクリュー207の正回転・逆回転に従って、ナット208が撮影レンズの光軸方向において物体側・像側へ移動する。
ナット208は付勢機構210により常に光軸方向へ付勢された可動部材205の一部に当接している。したがって、駆動モータ206が駆動制御されてナット208が移動することにより、可動部材205は光軸方向へ移動する。これにより、可動部材205に保持されたフォーカシングレンズ群204が光軸方向へ移動して焦点調節が可能となる。
次に交換レンズ200の付勢機構210について説明する。
可動部材205は付勢機構210の付勢力によりナット208へ向かって常に光軸方向へ付勢されている。すなわち、ナット208は光軸方向において可動部材205の一部に常に当接している。これにより、ナット208の移動による可動部材205の移動の応答性が確保され、迅速な焦点調節が可能となる。
また、ナット208がリードスクリュー207の回転によりスムーズに光軸方向へ移動できるようにするため、ナット208とリードスクリュー207の螺合関係にはガタが設定されている。他方で、可動部材205に加えられた付勢機構210の付勢力は可動部材205に当接するナット208を介してリードスクリュー207にも影響しているので、このガタは常に詰められた状態となる。これにより、フォーカシングレンズ群204を保持する可動部材205の停止位置の位置決めを安定させることができる。
図2は交換レンズ200の付勢機構210を示す斜視図である。
図2において、203は固定部材、205は可動部材、211は付勢ばね、212は滑車A、213は滑車B、214は滑車軸、215は軸止め、216は屈曲部材を示す。
本実施例の滑車A212及び滑車B213をあわせて本発明の複数の滑車とする。本発明の複数の滑車は滑車A212及び滑車B213の2個の滑車から構成されることに限られない。複数の滑車は3個以上の滑車から構成されることとしてもよい。
図3を用いて複数の滑車の構成について説明する。図3は付勢機構210の複数の滑車の分解斜視図である。複数の滑車を構成する滑車A212及び滑車B213は同一の滑車軸214により回転可能に支持されている。滑車軸214の両端には軸止め215がはめられており、滑車A212及び滑車B213が滑車軸214から脱落しないように構成されている。これにより、滑車A212及び滑車B213から構成される複数の滑車は滑車軸214により一体化されている。また、滑車軸214の中央部には付勢ばね211の一端を掛けるための掛止部214aが確保されている。
付勢ばね211は、撮影レンズの光軸と略平行となるように配置されている。付勢ばね211の一端は固定部材203の一部である掛止部203aに掛けられている。付勢ばね211の他端は滑車軸214の中央部である掛止部214aに掛けられている。これにより、複数の滑車は固定部材203に対して移動可能であるので、滑車軸214を含んで一体化された複数の滑車は付勢ばね211により光軸方向において固定部材203へ向かって付勢される。
複数の滑車には帯状形状の屈曲部材216の中央部が掛けられている。屈曲部材216の一端は固定部材203に固定されている。屈曲部材216の他端は可動部材205に固定されている。滑車軸214を含んで一体化された複数の滑車は付勢ばね211により光軸方向において固定部材203へ向かって付勢されているので、複数の滑車に掛けられた屈曲部材216の中央部も固定部材へ向かって付勢される。
図4は付勢機構210の帯状形状の屈曲部材216の展開図である。
図4を用いて帯状形状の屈曲部材216の形状について説明する。屈曲部材216の中央部にはスリット216aが形成されている。スリット216aの両側は複数の滑車を構成する滑車A212及び滑車B213にそれぞれ掛けられるように形成されている。スリット216aは付勢ばね211の一端が掛けられる滑車軸214の中央部である掛止部214aが屈曲部材216により覆われないようするために形成されている。また、屈曲部材216の両端には、屈曲部材216を固定部材に固定するための貫通穴216bと可動部材に固定するための貫通穴216cが形成されている。なお、複数の滑車を構成する滑車A212及び滑車B213それぞれに別個の屈曲部材の中央部を掛けるように構成してもよい。
また、複数の滑車のうち少なくとも両端の滑車に屈曲部材216の中央部が掛けられていることが好ましい。これにより、複数の滑車において両端の滑車に屈曲部材216からそれぞれ同等の力が作用することとなり、滑車軸214の中央部を中心とするモーメントの釣り合いがとれ、複数の滑車に対し光軸方向に垂直な方向を中心としたねじれが生じてしまうことを防止することができる。
また、複数の滑車において屈曲部材216の中央部を掛ける部分は滑車軸214の軸方向で対称に位置していることが好ましい。さらに、滑車軸214の軸方向において対称に位置する部分の中心部に付勢ばね211の一端を掛けることが好ましい。これにより、複数の滑車において、屈曲部材216の中央部を掛ける部分にかかる力と滑車軸214の中央部である掛止部214aにかかる付勢ばね211の引張力とのバランスがとれ、複数の滑車にねじれが生じてしまうことをより効果的に防止できる。
また、図5に示す屈曲部材216の変形例のように、図5の帯状形状の屈曲部材216に替えて紐状形状の屈曲部材216を用いてもよい。図5において、その他の図5と同じ部材については同じ符号を付している。付勢機構における紐状形状の屈曲部材216の配置の方法は帯状形状の屈曲部材216と同様である。
次に付勢機構に滑車を用いることによる作用効果について説明する。
図6は付勢機構における滑車の有無について付勢ばねの変位量を比較して示す図である。
図6において、(a)は滑車を用いない付勢機構において付勢ばねが自然長であるときの状態を示し、(b)は滑車を用いない付勢機構において付勢ばねが自然長から変位したときの状態を示し、(c)は滑車を用いた付勢機構において付勢ばねが自然長であるときの状態を示し、(d)は滑車を用いた付勢機構において付勢ばねが自然長から変位したときの状態を示す。図6の(a)乃至(d)において、付勢ばねの自然長は同じ条件とし、可動部材の移動量は同じ条件とする。
図6(a)及び図6(c)は付勢機構において付勢ばねが自然長であるときの状態を示す図である。付勢ばねの発生する復元力そのものをできるだけ小さくするには付勢ばねの自然長をできるだけ長くするほうがよい。そのためには移動量がないときの可動部材の光軸方向における先端部分に付勢ばねの一端を掛けるようにして付勢ばねの自然長を設定することが好ましい(図6(a))。滑車を用いる付勢機構においては、移動量がないときの可動部材の光軸方向における先端部分に滑車を配置し、滑車軸に付勢ばねの一端を掛けるようにして付勢ばねの自然長を設定することが好ましい(図6(c))。
図6(b)及び図6(d)は付勢機構において付勢ばねが自然長から変位したときの状態を示す図である。このときの可動部材の移動量をyとする。同じ可動部材の移動量yに対して滑車の有無による付勢ばねの変位量を比較する。
滑車を用いない付勢機構において、付勢ばねの一端は可動部材の光軸方向における先端部分に直接掛けられているので、可動部材の移動量yと付勢ばねの変位量2xは同じになる(図6(b))。滑車を用いる付勢機構において、付勢ばねの一端は滑車軸に掛けられているので、滑車の原理により、可動部材の移動量yの1/2が付勢ばねの変位量xになる(図6(d))。したがって、同じ付勢ばねを用いる場合、滑車を用いる付勢機構における付勢ばねの変位量は滑車を用いない付勢機構に比べて1/2とすることができる。
付勢機構において、付勢ばねの変位量が小さくすることができると、付勢ばねの復元力を小さくすることができる。付勢ばねの復元力を小さくすることができると、付勢ばねの復元力に逆らって可動部材を移動させるためのAF駆動機構に必要な駆動モータのトルクを小さくできる。さらに、駆動モータのトルクを小さくできることにより、駆動モータの大きさを抑えることができ、消費電力を小さくすることができる。
上記のとおり、付勢機構に滑車を用いることにより付勢ばねの復元力を小さくできるという作用効果がある。その一方で付勢機構に滑車を用いる場合には次の課題がある。
第1に、付勢機構に滑車が追加されたことにより付勢ばねを配置するスペースが限られるという課題がある。付勢機構に滑車を追加する分だけ付勢ばねを配置するスペースは制限される。制限されたスペースに付勢ばねを配置しようとすると十分な自然長の付勢ばねを配置することが困難となる。付勢ばねの自然長が十分でなくなると付勢ばね自体の復元力が大きくなってしまう。
第2に、滑車のねじれにより可動部材の停止位置の位置決めが不安定になるおそれがあるという課題がある。滑車は、一方が屈曲部材の中央部に掛けられており、他方が付勢ばねの引張力により付勢されている。この場合、滑車は光軸方向の移動については安定しているが、ねじれについては不安定である。そのため、可動部材の停止時において姿勢変化や衝撃等により滑車にねじれが生じるおそれがある。滑車にねじれが生じると可動部材の停止位置の位置決めが不安定となる。
上記の課題を解決するため、本発明では付勢機構に複数の滑車を用いることとした。
図7は本実施例の付勢機構210に用いられる複数の滑車を示す図である。
図7において、複数の滑車について、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を示し、(c)は側面図を示す。
図7(a)及び図7(c)を用いて複数の滑車の平面図及び側面図について説明する。複数の滑車は同一の滑車軸214により回転可能に支持されており、滑車軸214の中央部は付勢ばね211の一端が掛けられている。付勢ばね211の一端は、連結部材等を別途設けることなく、複数の滑車の回転中心に当たる滑車軸214の中央部である掛止部214aに掛けられている。これにより付勢ばね211を配置するスペースを付勢ばね211の変位方向に長く確保することができる。したがって、十分な自然長の付勢ばね211を付勢機構に配置することができ、付勢ばね211自体の復元力を小さくすることができる。
図7(b)を用いて複数の滑車の正面図について説明する。複数の滑車は向かい合う平行平面の間隔に配置される。本実施例の向かい合う平行平面について、片方の平行平面は固定部材203に形成され、他方の平行平面は可動部材205に形成される。向かい合う平行平面同士の間隔の距離は複数の滑車が移動する全範囲で同じである。また、本実施例において、可動部材205に形成された平行平面には複数の滑車の縁が沿って移動するためのレールを形成してもよい。また、向かい合う平行平面のうち固定部材203に形成された平行平面は、固定部材203に別途取り付けられた固定パーツに形成された平行平面としてもよい。
次に複数の滑車の寸法設定について説明する。図7(b)に示す複数の滑車の正面図において、複数の滑車の幅Lと高さHからなる長方形の対角線の長さをZとする。また、向かい合う平行平面の間隔の距離をWとする。このとき、本実施例において、複数の滑車について、Z>Wとなるように寸法設定することとする。これにより向かい合う平行平面の間隔に配置された複数の滑車にねじれが生じることを防止することができる。
仮に、本実施例のように寸法設定された複数の滑車に対してねじれが生じるための力が加わったとする。この場合、例えば、一方の滑車A212の平行平面に当たる縁を支点として複数の滑車にねじれが生じる。また同時に、複数の滑車のうち支点となっていない他方の滑車B213は平行平面から離れて浮き上がろうとする。このとき、複数の滑車について対角線の長さZは向かい合う平行平面の間隔の距離Wよりも長くなるように寸法設定されているので、平行平面から浮き上がろうとする他方の滑車B213は対向する平行平面により押さえつけられることとなる。これにより本実施例の複数の滑車に光軸方向と平行な方向を中心としてねじれが生じることを防止することができる。
以上に説明した本実施例のレンズ装置によれば、以下の効果が得られる。
付勢機構に滑車を用いることにより付勢ばねの変位量を小さくして復元力を小さくすることができる。付勢ばねの復元力を小さくすることにより駆動モータに必要なトルクを小さくすることができる。駆動モータに必要なトルクを小さくすることにより駆動モータの大きさを小さくでき、消費電力を小さくすることができる
付勢機構に滑車を用いる場合に、複数の滑車を用いることとし、複数の滑車を回転可能に支持する滑車軸の中央部に付勢ばねの一端を掛けることにより、十分な自然長の付勢ばねを配置するスペースを付勢ばねの変位方向に確保することができる。これにより付勢ばね自体の復元力が大きくなることを抑えることができる。
複数の滑車の寸法設定を適切にし、複数の滑車のうち少なくとも両端の滑車に屈曲部材の中央部を掛けることにより、滑車にねじれが生じてしまうことを防止することができる。これにより可動部材の停止位置の位置決めが不安定となることを防止することができる。
100 ボディ
200 交換レンズ
101 ボディCPU
102 レリーズスイッチ
103 ボディ側通信接点
201 レンズCPU
202 レンズ側通信接点
203 固定部材
204 フォーカシングレンズ群
205 可動部材
206 駆動モータ
207 リードスクリュー
208 ナット
209 モータドライバ
210 付勢機構
211 付勢ばね
212 滑車A
213 滑車B
214 滑車軸
215 軸止め
216 屈曲部材

Claims (5)

  1. 撮影レンズの一部又は全部を光軸方向へ移動させることにより焦点調節を行うことが可能なレンズ装置であって、
    焦点調節の際に移動しない固定部材と、光軸方向へ移動するフォーカシングレンズ群と、前記フォーカシングレンズ群を保持する可動部材と、前記可動部材を移動させるための駆動源となる駆動モータと、前記駆動モータの出力軸に設けられたリードスクリューと、前記リードスクリューに螺合して前記可動部材を移動させるナットと、複数の滑車と前記複数の滑車を回転可能に支持する滑車軸とを含んで構成された動滑車と、前記滑車軸を光軸方向へ常に付勢する付勢ばねと、両端がそれぞれ前記固定部材と前記可動部材に固定される屈曲部材とを備え、
    前記屈曲部材は複数の帯状形状部または複数の紐状形状部を有し、
    前記複数の滑車はすべて同一の前記滑車軸で支持されており、
    前記屈曲部材の一端は前記固定部材に固定されており、前記屈曲部材の他端は前記可動部材に固定されており、前記屈曲部材の前記複数の帯状形状部または前記複数の紐状形状部は前記複数の滑車のうち少なくとも前記滑車軸の軸方向で対称に位置する両端の滑車に掛けられており、
    前記付勢ばねの一端は前記固定部材に掛けられており、前記付勢ばねの他端は前記滑車軸の中心に掛けられていることを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記固定部材と前記可動部材にそれぞれ形成された向かい合う平行平面の間に前記複数の滑車を配置することを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記固定部材に固定された固定パーツと可動部材にそれぞれ形成された向かい合う平行平面の間に前記複数の滑車を配置することを特徴とする請求項に記載のレンズ装置。
  4. 前記複数の滑車の断面形状における対角線の長さは前記平行平面の間隔より長いことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のレンズ装置。
  5. 前記可動部材又は前記固定部材に前記複数の滑車が沿って移動するためのレール形状が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のレンズ装置。
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