JP7380627B2 - 鉄骨梁、柱梁接合構造およびこれを有する構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄骨梁、柱梁接合構造およびこれを有する構造物に関する。
ラーメン構造等の構造物、例えば建築物においては、梁の材軸方向の端部、すなわち柱に接続される部分は、地震時の短期荷重作用時に大きな曲げモーメントを受ける。特に、鉄骨梁の場合には、地震力等の短期荷重作用時に曲げモーメントを受けると、材軸方向の端部のウェブやフランジに局部座屈が発生して、鉄骨梁の耐力や変形能力が急激に低下することがある。
鉄骨梁の梁せいに対する材軸方向の長さの比(シアスパン比)が小さい場合は、構造物に地震力等の短期荷重が作用するときに鉄骨梁の材軸方向の端部に発生する力は、せん断力が支配的となる。そして、図7に示すように、鉄骨梁の材軸方向端部のウェブに大きなせん断変形が発生して、せん断座屈することがある。
また、鉄骨梁の梁せいに対する材軸方向の長さの比(シアスパン比)が大きい場合は、鉄骨梁の材軸方向の端部に発生する力は、曲げモーメントが支配的となる。そして、図8に示すように、鉄骨梁の材軸方向端部のウェブの曲げ圧縮側が面外変形を起こし、局部座屈することがある。
特に近年では、構造物の大型化や大スパン化に伴って梁せいが増大するとともに、鋼材の高強度化に伴って鉄骨梁のウェブやフランジが薄肉化する傾向がある。特に、コストおよび製作性の面から鋼材量の低減を図るべく、剛性への寄与が小さいウェブの肉厚は小さくなる傾向があり、大断面でウェブの肉厚が小さい鉄骨梁が採用される例が増加している。
このような、大断面でウェブの肉厚が小さい鉄骨梁においては、地震力等の短期荷重作用時に曲げモーメントを受ける材軸方向の端部において、局部座屈の発生を抑え、鉄骨梁が十分な塑性変形能力を発揮できるように、スチフナによりウェブやフランジを補剛することが行われている。
例えば、特許文献1~3では、鉄骨梁の材軸方向の端部において、ウェブに対して垂直に円環状や平板状のスチフナを接合して、ウェブを補剛した鉄骨梁が開示されている。
また、特許文献4では、鉄骨梁の材軸方向の端部において、材軸方向に沿って二以上の位置に、ウェブおよびフランジを補剛するスチフナを設けた鉄骨梁が開示されている。
特開2014-43749号公報 特開2014-51822号公報 特開2016-23417号公報 特開2011-208434号公報
しかし、特許文献1~3に開示される鉄骨梁では、円環状や平板状のスチフナは、ウェブのせん断座屈を防止すべくウェブのみを補剛するように設けられており、フランジには接合されていないため、フランジの局部座屈の発生を抑える効果は期待できない。フランジが局部座屈すると、鉄骨梁が最大耐力に到達した後に、十分な塑性変形能力が得られない。
一方、特許文献4に開示される鉄骨梁では、スチフナはウェブとフランジの双方に接合されているので、スチフナによりフランジの局部座屈の発生が抑えられ、鉄骨梁が最大耐力に到達した後の塑性変形能力の向上が期待される。しかし、スチフナの耐力が鉄骨梁のウェブおよびフランジ部分の耐力に対して過大である場合には、鉄骨梁が最大耐力に到達した後に、スチフナの近傍のフランジに大きな応力集中が発生し、フランジが局部座屈して、鉄骨梁の耐力が急激に低下することがあった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、鉄骨梁の材軸方向の端部における局部座屈の発生を抑えるとともに、スチフナにより補剛されるフランジの応力集中を緩和して、鉄骨梁が最大耐力に到達した後の塑性変形能力を向上できる、鉄骨梁、柱梁接合構造およびこれを有する構造物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の鉄骨梁、柱梁接合構造およびこれを有する構造物は以下の特徴を有する。
[1] 上フランジと、下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとを連結するウェブとを有する鉄骨梁であって、前記鉄骨梁の材軸方向の端部には、前記上フランジ、前記下フランジおよび前記ウェブを補剛する複数のスチフナが、前記材軸方向に沿って二以上の位置に均等な間隔で配設され、前記複数のスチフナのうち、前記材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナの水平断面積と降伏強度の積は、前記第一のスチフナと前記材軸方向に隣接する第二のスチフナの水平断面積と降伏強度の積の0.5倍以上0.8倍以下であることを特徴とする鉄骨梁。
ここで、材軸方向の「端部」とは、鉄骨梁の材軸方向の先端が柱に接続されてなる構造物に、地震力等の短期荷重が作用するときの塑性化領域を意味し、例えば、鉄骨梁の材軸方向の先端から材軸方向に梁せいの2倍までの領域を指す。
また、複数のスチフナが配設される「均等な間隔」には、設計・施工上生じうる±10%程度の誤差は、力学的に許容範囲であることから含むものとする。
[2] 前記複数のスチフナのうち、前記第一のスチフナを除く他の全てのスチフナの水平断面積と降伏強度の積は、互いに等しいことを特徴とする[1]に記載の鉄骨梁。
[3] 前記間隔は、梁せいの1/2以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の鉄骨梁。
[4] 前記複数のスチフナは、互いに等しい降伏強度を有し、前記第一のスチフナの水平断面積は、前記第二のスチフナの水平断面積の0.5倍以上0.8倍以下であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の鉄骨梁。
[5] 前記複数のスチフナは、互いに等しい板厚を有し、前記第一のスチフナの梁幅方向の長さは、前記第二のスチフナの梁幅方向の長さの0.5倍以上0.8倍以下であることを特徴とする[4]に記載の鉄骨梁。
[6] 前記複数のスチフナは、互いに等しい梁幅方向の長さを有し、前記第一のスチフナの板厚は、前記第二のスチフナの板厚の0.5倍以上0.8倍以下であることを特徴とする[4]に記載の鉄骨梁。
[7] 前記複数のスチフナは、互いに等しい水平断面積を有し、前記第一のスチフナの降伏強度は、前記第二のスチフナの降伏強度の0.5倍以上0.8倍以下であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の鉄骨梁。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の鉄骨梁の前記材軸方向の先端が柱に接続されてなることを特徴とする柱梁接合構造。
[9] [8]に記載の柱梁接合構造を有することを特徴とする構造物。
本発明の鉄骨梁、柱梁接合構造およびこれを有する構造物によれば、鉄骨梁の材軸方向の端部に、材軸方向に沿って二以上の位置に均等な間隔で配設される複数のスチフナのうち、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナの水平断面積と降伏強度の積が、第一のスチフナと材軸方向に隣接する第二のスチフナの水平断面積と降伏強度の積の0.5倍以上0.8倍以下に低減されている。
鉄骨梁の材軸方向の端部に、材軸方向に沿って二以上の位置に均等な間隔で配設される複数のスチフナの水平断面積と降伏強度の積が互いに等しい場合には、複数のスチフナにより補剛される領域のうち、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナの近傍において、フランジに発生する応力集中が最大となる。特に、スチフナの耐力が鉄骨梁のウェブおよびフランジ部分の耐力に対して過大である場合には、鉄骨梁が最大耐力に到達した後に、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナの近傍のフランジに大きな応力集中が発生し、フランジが局部座屈して、鉄骨梁の耐力が急激に低下することがある。この第一のスチフナの水平断面積と降伏強度の積が上記のとおり低減されることで、第一のスチフナの近傍のフランジに発生する応力集中が緩和され、フランジの局部座屈が抑えられて、鉄骨梁が最大耐力に到達した後の塑性変形能力を向上できる。
鉄骨梁の材軸方向の端部に、材軸方向に沿って二以上の位置に配設される複数のスチフナのうち、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナを除く他の全てのスチフナの水平断面積と降伏強度の積が、互いに等しく設定されている場合には、鉄骨梁が最大耐力に到達した後の塑性変形能力がさらに高められる。
また、鉄骨梁の材軸方向の端部に、材軸方向に沿って二以上の位置に均等な間隔で配設される複数のスチフナの間隔が、梁せいの1/2以下であれば、鉄骨梁が最大耐力に到達した後の塑性変形能力がさらに高められる。
本発明の一実施形態の鉄骨梁および柱梁接合構造を示す図であり、(a)は側面図、(b)は水平断面図、(c)および(d)は縦断面図である。 本発明の他の実施形態の鉄骨梁および柱梁接合構造を示す図であり、(a)は側面図、(b)は水平断面図、(c)は縦断面図である。 本発明の一実施形態の鉄骨梁および柱梁接合構造に発生する応力集中部を模式的に示す側面図である。 従来の鉄骨梁および柱梁接合構造に発生する応力集中部を模式的に示す側面図である。 本発明の鉄骨梁が荷重を受けるときの変形を数値解析により計算するための解析モデルを模式的に示す斜視図である。 本発明と比較例の鉄骨梁の最大耐力時の塑性変形倍率を示すグラフである。 従来の鉄骨梁の材軸方向の端部にせん断力が作用するときに発生する局部座屈を模式的に示す側面図である。 従来の鉄骨梁の材軸方向の端部に曲げモーメントが作用するときに発生する局部座屈を模式的に示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の鉄骨梁、柱梁接合構造およびこれを有する構造物の実施形態を詳細に説明する。
図1(a)および図1(b)に、本発明の一実施形態の鉄骨梁1の側面図および水平断面図をそれぞれ示す。また、図1(c)および図1(d)に、図1(a)におけるC-C’縦断面図およびD-D’縦断面図をそれぞれ示す。
鉄骨梁1は、鉄骨造の建築物(構造物)(図示せず)に設けられるものであり、上フランジ11と、下フランジ12と、これら上フランジ11と下フランジ12とを連結するウェブ13とを有するH形鋼のウェブ13に、複数のスチフナ14、16、17が配設されて構成されている。
図1(a)および図1(b)に示すように、鉄骨梁1の材軸方向の端部のウェブ13の両側に、材軸方向に沿って三箇所に、梁せいの1/2以下の均等な間隔で、スチフナ14、15が配設されている。スチフナ14、16、17の各々、上フランジ11、下フランジ12およびウェブ13を補剛するように、上フランジ11、下フランジ12およびウェブ13に垂直に接合されている。
材軸方向に沿って三箇所に配設されるスチフナ14、16、17のうち、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナ14の水平断面積と降伏強度の積は、第一のスチフナ14と材軸方向に隣接する第二のスチフナ16の水平断面積と降伏強度の積の0.5倍以上0.8倍以下に設定されている。また、材軸方向の中央から最も遠いスチフナ17の水平断面積と降伏強度の積は、第二のスチフナ16の水平断面積と降伏強度の積に等しく設定されている。
本実施形態では、複数のスチフナ14、16、17は互いに等しい降伏強度および板厚を有し、第一のスチフナ14の梁幅方向の長さは、第二のスチフナ16の梁幅方向の長さの0.5倍以上0.8倍以下に設定されている。よって、第一のスチフナ14の水平断面積は、第二のスチフナ16の水平断面積の0.5倍以上0.8倍以下に設定され、第一のスチフナ14の水平断面積と降伏強度の積も、第二のスチフナ16の水平断面積と降伏強度の積の0.5倍以上0.8倍以下に設定されることとなる。
そして、鉄骨梁1の材軸方向の先端が柱(図示せず)に接続されて、本実施形態の柱梁接合構造が構成される。
第一の実施形態の鉄骨梁1では、第一のスチフナ14と第二のスチフナ16は互いに等しい板厚を有し、第一のスチフナ14の梁幅方向の長さは、第二のスチフナ16の梁幅方向の長さの0.5倍以上0.8倍以下に設定されているが、これに代えて、第一のスチフナ14と第二のスチフナ16が互いに等しい梁幅方向の長さを有するようにし、第一のスチフナ15の板厚を、第二のスチフナ16の板厚の0.5倍以上0.8倍以下に設定しても良い。
図2(a)および図2(b)に、本発明の他の実施形態の鉄骨梁1Aの側面図および水平断面図をそれぞれ示す。また、図2(c)に、図2(a)におけるC-C’縦断面図を示す。
図2(a)~図2(c)に示す鉄骨梁1Aでは、図1(a)~図1(d)に示す鉄骨梁1の第一のスチフナ14と同じ位置に、第一のスチフナ14とは形状および降伏強度が異なる第一のスチフナ15が設けられている。
具体的には、鉄骨梁1Aでは、鉄骨梁1とは異なり、第一のスチフナ15と第二のスチフナ16は互いに等しい板厚および梁幅方向の長さを有し、第一のスチフナ15の降伏強度は、第二のスチフナ16の降伏強度の0.5倍以上0.8倍以下に設定されている。よって、第一のスチフナ15の水平断面積は、第二のスチフナ16の水平断面積に等しく設定され、第一のスチフナ15の水平断面積と降伏強度の積は、第二のスチフナ16の水平断面積と降伏強度の積の0.5倍以上0.8倍以下に設定されることとなる。これ以外の点においては、鉄骨梁1Aは、鉄骨梁1と同様に構成されている。
上記各実施形態の鉄骨梁1、1Aが設けられた建築物(構造物)に地震時の短期荷重が作用して、鉄骨梁1、1Aの材軸方向の端部、すなわち柱に接続される部分が曲げモーメントを受けたときの、鉄骨梁1、1Aのウェブ13および下フランジ12に発生する応力集中部を、図3に模式的に示す。また、比較対象として、材軸方向に沿って三箇所に均等な間隔で配設される複数のスチフナ84の全ての水平断面積と降伏強度の積が互いに等しくなるように設定された従来の鉄骨梁8が、同様の曲げモーメントを受けたときの、鉄骨梁8のウェブ83および下フランジ82に発生する応力集中部を、図4に模式的に示す。
図4に示すように、材軸方向に沿って三箇所に均等な間隔で配設される複数のスチフナ84の全ての水平断面積と降伏強度の積が互いに等しい従来の鉄骨梁8では、スチフナ84の耐力が鉄骨梁8のウェブ83、上フランジ81および下フランジ82部分の耐力に対して過大である場合には、鉄骨梁8が最大耐力に到達した後に、材軸方向の中央に最も近いスチフナ84の近傍の下フランジ82に発生する応力集中部の範囲が小さくなるので、応力集中部内には大きな応力が発生する。
これに対し、本実施の形態の鉄骨梁1、1Aでは、図3に示すように、従来の鉄骨梁8に比べると、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナ14、15の水平断面積と降伏強度の積が低減されていることにより、第一のスチフナ14、15の近傍の下フランジ12に発生する応力集中部の範囲が広がり、応力集中部内の応力の大きさが低減される。このように、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナ14、15の近傍の下フランジ12または上フランジ11に発生する応力集中が緩和されるので、フランジの局部座屈が抑えられて、鉄骨梁が最大耐力に到達した後の塑性変形能力が向上する。
また、本実施の形態の鉄骨梁1、1Aでは、材軸方向の端部に、三箇所に均等な間隔で均等な間隔で配設される複数のスチフナ14、15、16、17の間隔が、梁せいの1/2以下に設定されているので、鉄骨梁が最大耐力に到達した後の塑性変形能力がさらに高められる。
本発明の鉄骨梁1において、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナ14の水平断面積と降伏強度が、これに隣接する第二のスチフナ16の水平断面積と降伏強度の積の0.5倍以上0.8倍以下に低減されていることによって、鉄骨梁の塑性変形能力が向上する効果が得られることを、有限要素法による数値解析により検証した。
本数値解析における解析モデルを、図5に模式的に示す。本数値解析においては、鉄骨梁1は、H-1500(梁せい)×450(梁幅)×16(ウェブの厚さ)×32(フランジの厚さ)、全長30000mmのH形鋼のウェブの両側に、鉄骨梁1の材軸方向の先端から450mm間隔で材軸方向に沿って二箇所、第二のスチフナ16および第一のスチフナ14が配設されているものとした。
この鉄骨梁1が逆対称曲げを受けることを想定し、対称性を考慮して、鉄骨梁1の全長30000mmの半分の15000mmまでを解析モデル化した。
第一のスチフナ14および第二のスチフナ16は、上フランジ11、下フランジ12およびウェブ13を補剛するように、上フランジ11、下フランジ12およびウェブ13に垂直に接合されているものとし、それらの板厚は16mmとした。
第二のスチフナ16の梁幅方向の長さhs2は、上フランジ11および下フランジ12のウェブ13からの突出高さdに等しい217mmとした。第一のスチフナ14の梁幅方向の長さhs1は、d(比較例1)、0.75d(本発明例1)、0.5d(本発明例2)、0。25d(比較例2)の四種類に変えて、これをパラメータとして、数値解析を行った。
鋼材の力学特性としては、H形鋼(上フランジ11、下フランジ12およびウェブ13)については、日本産業規格(JIS)G3136-2012(建築構造用圧延鋼材)に規定されるSN490B材を想定し、第一のスチフナ14および第二のスチフナ16については、同規格に規定されるSN400材を想定して、それぞれ降伏強度を規格中央値に補正した応力-歪み関係を用いた。
この解析モデルについて、鉄骨梁1の材軸方向の、第一のスチフナ14および第二のスチフナ16が設けられる側の先端を完全固定とし、この固定端から鉄骨梁1の全長30000mmの半分の15000mmの位置を載荷点とした。この載荷点に、図5に示すように、梁せい方向下向きの荷重Pを作用させ、この荷重Pを漸増させていき、弾塑性有限要素法解析により、解析モデルの載荷点の変位δを計算した。
鉄骨梁1の塑性変形能力は、鉄骨梁1の耐力が最大となったときの変位δmaxを、鉄骨梁1が降伏した時の変位δp-1で除した塑性変形倍率Rmax=δmax/δp-1により評価した。
図6に、本発明例1、本発明例2、比較例1および比較例2の各々の塑性変形倍率Rmaxを比較して示す。比較例1に対し、本発明例1および本発明例2では、第一のスチフナ14の梁幅方向の長さhs1が、第二のスチフナ16の梁幅方向の長さhs2の0.75倍または0.5倍に低減されていることによって、塑性変形倍率Rmaxが2倍以上に向上している。一方、第一のスチフナ14の梁幅方向の長さhs1が、第二のスチフナ16の梁幅方向の長さhs2の0.25倍に低減されている比較例2では、第一のスチフナ14と第二のスチフナ16の梁幅方向の長さhs1、hs2が等しい比較例1よりも、塑性変形倍率Rmaxが低下している。このように、材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナ14の水平断面積と降伏強度の積が、第一のスチフナ14と材軸方向に隣接する第二のスチフナ16の水平断面積と降伏強度の積の0.5倍以上0.8倍以下に低減されることにより、第一のスチフナ14の近傍の下フランジ12または上フランジ11に発生する応力集中が緩和され、フランジの局部座屈が抑えられて、鉄骨梁が最大耐力に到達した後の塑性変形能力を向上できることが確認された。
1、1A 鉄骨梁
2 柱
11 上フランジ
12 下フランジ
13 ウェブ
14、15 第一のスチフナ
16 第二のスチフナ
17 スチフナ

Claims (9)

  1. 上フランジと、下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとを連結するウェブとを有する鉄骨梁であって、
    前記鉄骨梁の材軸方向の端部には、前記上フランジ、前記下フランジおよび前記ウェブを補剛する複数のスチフナが、前記材軸方向に沿って二以上の位置に均等な間隔で配設され、
    前記複数のスチフナのうち、前記材軸方向の中央に最も近い第一のスチフナの水平断面積と降伏強度の積は、前記第一のスチフナと前記材軸方向に隣接する第二のスチフナの水平断面積と降伏強度の積の0.5倍以上0.8倍以下であること
    を特徴とする鉄骨梁。
  2. 前記複数のスチフナのうち、前記第一のスチフナを除く他の全てのスチフナの水平断面積と降伏強度の積は、互いに等しいことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨梁。
  3. 前記間隔は、梁せいの1/2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄骨梁。
  4. 前記複数のスチフナは、互いに等しい降伏強度を有し、
    前記第一のスチフナの水平断面積は、前記第二のスチフナの水平断面積の0.5倍以上0.8倍以下であること
    を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の鉄骨梁。
  5. 前記複数のスチフナは、互いに等しい板厚を有し、
    前記第一のスチフナの梁幅方向の長さは、前記第二のスチフナの梁幅方向の長さの0.5倍以上0.8倍以下であること
    を特徴とする請求項4に記載の鉄骨梁。
  6. 前記複数のスチフナは、互いに等しい梁幅方向の長さを有し、
    前記第一のスチフナの板厚は、前記第二のスチフナの板厚の0.5倍以上0.8倍以下であること
    を特徴とする請求項4に記載の鉄骨梁。
  7. 前記複数のスチフナは、互いに等しい水平断面積を有し、
    前記第一のスチフナの降伏強度は、前記第二のスチフナの降伏強度の0.5倍以上0.8倍以下であること
    を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の鉄骨梁。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の鉄骨梁の前記材軸方向の先端が柱に接続されてなることを特徴とする柱梁接合構造。
  9. 請求項8に記載の柱梁接合構造を有することを特徴とする構造物。
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