JP7314030B2 - 開口を有する床スラブ付き鉄骨梁およびその補強方法 - Google Patents
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Description
従来の床スラブ付き鉄骨梁41は、両端部が柱3に剛接合されたH形断面の鉄骨梁5と、鉄骨梁5の上部に頭付きスタッド11を介して接合されたコンクリート床スラブ13とを有するものであって、鉄骨梁5の側面にはガセットプレート25が設けられ、小梁43が鉄骨梁5の上部においてガセットプレート25とボルト接合され、アングル45が小梁43の下部に設けたガセットプレート47とガセットプレート25の下部とに跨るように接合されている。これによって鉄骨梁5の横座屈による構面外変形が拘束される。コンクリート床スラブ13には鉄筋29が設けられている。
鉄骨梁5のウェブ21は柱3に溶接接合されるか、柱3に溶接接合されたシヤプレート49と高力ボルト接合される。
このような考え方の下、特許文献1では、鉄骨梁に接合されている床スラブのねじれ剛性を鉄骨梁のねじれ剛性の10倍とすることで横座屈補剛材がなくても横座屈を防止できる設計法が提案されている。
また、特許文献2では、ワーグナーねじり(反りねじり)とサンブナンねじり(純ねじり)の和にモーメント勾配係数を乗じて求められる従来の合成梁の横座屈耐力の計算式に対し、ワーグナーねじりとサンブナンねじりのそれぞれに異なる修正係数を乗じて求められる横座屈耐力を用いた設計法を提案している。
しかし、実際の建築物では床スラブには開口が設けられることが多く、開口は鉄骨梁の直近に位置することもある。また、開口のサイズも150mm程度から梁せいを越えるような大きいものまでさまざまである。
また、開口の梁材軸方向端部にはコンクリート打設の際のコンクリート止めを目的としたアングル等を鉄骨梁の上フランジに接合することがあるが、簡易な接合しかされず、鉄骨梁の上フランジの構面外変形を拘束できるほどの性能は期待できない。
前記鉄骨梁の側面から梁材軸直交方向に梁長さの0.1倍の範囲において、前記鉄骨梁の材軸方向の開口幅が900mm以上、かつ梁長さの0.2倍以下の四角形もしくは円形の開口が前記コンクリート床スラブに設けられ、前記開口の梁材軸方向開口幅の端部付近に、下式を満たし、かつ前記コンクリート床スラブと頭付きスタッドを介して接合されている補強部材が設けられ、前記鉄骨梁と前記補強部材が、前記鉄骨梁の側面に接合された鋼板と前記補強部材のウェブ部分との高力ボルト接合部でのみ接合されていることを特徴とするものである。
F≧1.15×Ms・D/(ap) ・・・・ (1)
ただし、Ms=As×Ft×B/2
ここで、F :補強部材の軸方向耐力
Ms :頭付きスタッド接合部の一か所あたりの梁材軸周りの曲げ耐力
D:開口の梁材軸方向開口幅
a:鉄骨梁の上面から前記補強部材の中立軸位置までの距離
p:鉄骨梁の上面の頭付きスタッドの梁材軸方向ピッチ
As:頭付きスタッド接合部一か所あたりの引抜に対する投影面積
Ft:コンクリートの引張強度
B:鉄骨梁の幅
前記開口の梁材軸方向開口幅の端部付近に、下式を満たし、かつ前記床スラブと頭付きスタッドを介して接合されている補強部材を設け、前記鉄骨梁と前記補強部材を、前記鉄骨梁の側面に接合された鋼板と前記補強部材のウェブ部分との高力ボルト接合部でのみ接合することを特徴とするものである。
F≧1.15×Ms・D/(ap) ・・・・ (1)
ただし、Ms=As×Ft×B/2
ここで、F :補強部材の軸方向耐力
Ms :頭付きスタッド接合部の一か所あたりの梁材軸周りの曲げ耐力
D:開口の梁材軸方向開口幅
a:鉄骨梁の上面から前記補強部材の中立軸位置までの距離
p:鉄骨梁の上面の頭付きスタッドの梁材軸方向ピッチ
As:頭付きスタッド接合部一か所あたりの引抜に対する投影面積
Ft:コンクリートの引張強度
B:鉄骨梁の幅
本実施の形態に係る開口を有する床スラブ付き鉄骨梁1(以下、単に「床スラブ付き鉄骨梁1」という。)は、両端部が柱3に剛接合されると共に下フランジ9の構面外変形が補剛されていない鉄骨梁5と、鉄骨梁5の上フランジ7の上面に梁全長にわたって接合された頭付きスタッド11を介して鉄骨梁5に接合されたコンクリート床スラブ13とを有している。そして、コンクリート床スラブ13における鉄骨梁5の近傍には、四角形の開口15が設けられ、開口15の梁材軸方向端部付近に、コンクリート床スラブ13と頭付きスタッド11を介して接合されている補強部材17が設けられている。
以下、各構成をより詳細に説明する。
柱3の種類は特に限定されないが、例えば溶接組立箱形断面柱、角形鋼管柱、H形断面柱、CFT柱、RC柱、SRC柱などが該当する。
柱3には、鉄骨梁5のフランジ7、9から伝達される力を柱3に伝達するためにダイアフラム19という鋼板が設けられる。ダイアフラム19には、柱3との接合形式によって、通しダイアフラム形式、内ダイアフラム形式、外ダイアフラム形式に分けられる。
鉄骨梁5は、H形断面を有し、例えば設計基準強度で350N/mm2以上、400N/mm2以下の鋼材で構成されている。
鉄骨梁5の両端部は柱3に剛接合されるが、この場合、鉄骨梁5のフランジ7、9は柱3もしくは柱3に設けられたダイアフラム19と溶接接合される。フランジ7、9がダイアフラム19と接合される場合、ダイアフラム19の形式によって、以下のように接合される。
鉄骨梁5のウェブ21は柱3に溶接接合されている。なお、ウェブ21は柱3に溶接接合されたシヤプレート49(図5参照)と高力ボルト接合される場合もある。
頭付きスタッド11は、十分な耐力が期待できる、軸部の直径が16mm以上で、高さがコンクリート床スラブ13の厚さの0.5倍以上のものが望ましい。頭付きスタッド11の配置形状は1列配置、2列以上の複数列配置、千鳥配置などが挙げられる。
コンクリート床スラブ13はコンクリート27の内部に鉄筋29が配設された鉄筋コンクリート構造である。コンクリート27には普通コンクリート、軽量コンクリートが用いられ、鉄筋29には異形鉄筋、丸鋼鉄筋、溶接金網が用いられる。
コンクリート床スラブ13における鉄骨梁5の近傍には、鉄骨梁5の側面から梁材軸直交方向に梁長さの0.1倍の範囲において、梁材軸方向の開口幅が900mm以上、かつ梁長さの0.2倍以下の四角形の開口15が設けられている。なお、本発明で補強の対象とする開口は四角形だけでなく円形(楕円も含む)であってもよく、円形の場合にも同様に梁材軸方向の開口幅で規定の寸法を守る必要がある。楕円形や斜めに傾いた四角形の開口など、梁材軸方向の開口幅を一義的に決められない場合には、開口を鉄骨梁5に向かって梁材軸直交方向に投影した場合の梁材軸方向投影長さを、梁材軸方向開口幅として既定の寸法を満足する必要がある。
なお、図示を省略しているが、鉄骨梁5、補強部材17、たわみ防止用の小梁23の上面にはデッキプレートが設けられ、その上にコンクリート床スラブ13が設けられる。
デッキプレートには捨て型枠用のフラットデッキ、コンクリート27と一体となって挙動する波形の合成デッキ、鉄筋が溶接された鉄筋トラス付き捨て型枠デッキなどがある。
補強部材17は、コンクリート床スラブ13における鉄骨梁5の近傍に開口15があることによるコンクリート床スラブ13での鉄骨梁5の横座屈補剛効果の低下を補強するためのものである。
このような補強部材17は、H形断面部材で構成され、図1に示すように、一端が鉄骨梁5に接合され、他端が鉄骨梁5と隣り合う別の鉄骨梁5に接合されている。
補強部材17の端部と鉄骨梁5とは、鉄骨梁5の側面に溶接接合されたガセットプレート25に、補強部材17のウェブ35をボルト37によってボルト接合されている。
補強部材17は、本例ではH形断面部材で構成されているが、例えばアングル材、溝形断面部材、T形断面部材等によって構成してもよい。
開口15付近の頭付きスタッド接合部が破壊すると、開口15付近の頭付きスタッド11が負担していた荷重が開口15から少し離れた位置の頭付きスタッド11に集中し、開口15から離れた位置の頭付きスタッド接合部も破壊していき、鉄骨梁5の上フランジ7の構面外変形が十分拘束されず、鉄骨梁5の変形能力が低下する。
補強部材17の軸耐力をF、鉄骨梁5の上面から補強部材17の中立軸位置までの距離をaとすると、補強部材17が負担できる曲げモーメントは、F×aである。
また、頭付きスタッド接合部の一か所あたりの梁材軸周りの曲げ耐力をMs、開口の梁材軸方向開口幅をD、鉄骨梁5の上面の頭付きスタッド11の梁材軸方向ピッチをpとすると、開口15の付近の頭付きスタッド11が負担する梁材軸周りの曲げモーメントは、Ms×D/pである。
したがって、補強部材17が、開口15の付近の頭付きスタッド11が負担するはずの梁材軸周りの曲げモーメントに抵抗できるためには、F×a≧1.15×Ms×D/pの関係を満たせばよい。
左辺のaを右辺に移項して整理すると、補強部材17の満たすべき規定は下式(1)の通りである。
F≧1.15×Ms×D/(a×p) ・・・・ (1)
ただし、Ms=As×Ft×B/2
ここで、F :補強部材の軸耐力
Ms:頭付きスタッド接合部の一か所あたりの梁材軸周りの曲げ耐力
D:開口の梁材軸方向開口幅
a:鉄骨梁の上面から補強部材の中立軸位置までの距離
p:鉄骨梁の上面の頭付きスタッドの梁材軸方向ピッチ
As:頭付きスタッド接合部一か所あたりの引抜に対する投影面積
Ft:コンクリートの引張強度
B:鉄骨梁の幅
なお、開口15が小さい場合には開口周辺の頭付きスタッド接合部が破壊しても、必要な変形能力は確保できるため、本発明のような補強部材17を設けることによる効果が少ないので、開口15の大きさの下限を900mmとした。
補強部材17が開口15の端部から遠すぎると開口付近の頭付きスタッド11への補強効果が小さくなり、開口付近の頭付きスタッド11に大きな荷重が作用し、コンクリート27が割れて鉄骨梁5の上フランジ拘束効果が小さくなり、必要な変形能力を確保できなくなる恐れがある。そこで、開口15の端部から補強部材17までの距離の上限を鉄骨梁5のフランジ幅の半分と規定することでこの問題を解決することができる。
これを防止するには、補強部材17に設けられた頭付きスタッド11の補強部材軸方向耐力の合計が(1)式を満足するようにすればよい。
このようにするには、補強部材17に設ける頭付きスタッド11の本数や、頭付きスタッド11の軸径によって対応できるが、本数が増えると作業が多くなることから、頭付きスタッド11の軸径を大きくするようにするのが好ましい。頭付きスタッド11の軸径を大きくすれば、その材軸方向ピッチが大きくなり、設置作業が軽減できる。この場合、補強部材17に設けられた頭付きスタッド11の材軸方向ピッチが、鉄骨梁5に設けられた頭付きスタッド11の材軸方向ピッチより大きくなる程度にすればよい。
開口15の梁材軸方向端部付近に、下式を満たし、かつコンクリート床スラブ13と頭付きスタッド11を介して接合されている補強部材17を設け、鉄骨梁5と補強部材17を、鉄骨梁5の側面に接合された鋼板(ガセットプレート25)と補強部材17のウェブ部分との高力ボルト接合部でのみ接合することを特徴とする開口を有する床スラブ付き鉄骨梁1の補強方法。
F≧1.15×Ms・D/(a×p) ・・・・ (1)
Ms=As×Ft×B/2 ・・・・ (2)
ここで、F :補強部材の軸耐力
Ms :頭付きスタッド接合部の一か所あたりの梁材軸周りの曲げ耐力
D:開口の梁材軸方向開口幅
a:鉄骨梁の上面から補強部材の中立軸位置までの距離
p:鉄骨梁の上面の頭付きスタッドの梁材軸方向ピッチ
As:頭付きスタッド接合部一か所あたりの引抜に対する投影面積
Ft:コンクリートの引張強度
B:鉄骨梁の幅
解析ケースは表1に示す5ケースである。
発明例1~3では開口15の両端部分の鉄骨梁5にはガセットプレート25を設け、さらに補強部材17を模した水平バネを設け、それぞれ水平バネの設置高さを変えている。大梁や頭付きスタッド11を模擬したバネ要素については比較例1と同一とした。
補強部材17を模した水平バネは大梁の上フランジ中心から0mm、200mm、482mmの位置に設けた。いずれも水平バネは軸耐力188kNのバイリニア型とのバネ特性とした。この計5ケースについて、両側の柱上端に水平変位を与え、梁に逆対称曲げを生じさせて、横座屈によって耐力が低下する梁の曲げモーメント-回転角関係について検討した。
補強部材17を模した水平バネのない比較例2は開口15のない比較例1に比べて変形能力が低下している。これは開口部分の鉄骨梁5の構面外変形拘束効果が低下するからである。これに対し補強部材17を模した水平バネを設けた発明例1~3は水平バネの効果で変形能力が向上しており、補強部材17を模した水平バネの設置高さが低いほど変形能力が向上している。これは水平バネの設置高さが低いほど、水平バネの補剛力によって頭付きスタッド接合部に生じる梁材軸周りの曲げモーメントが低下するからであり、水平バネの設置位置が上フランジ中心から200mの場合に、開口15のないモデルと同等の変形能力を発揮した。
縦軸の塑性変形倍率は、梁の曲げ耐力が梁の全塑性モーメントまで低下した時点の梁の回転角の塑性変形成分を、梁に生じるモーメントが全塑性モーメントまで到達した時点の梁回転角の弾性成分で基準化した値である。
横軸は、1本当りの補強部材17の軸耐力と上フランジ上面から補剛位置までの距離の積、つまり補強部材17の補剛力によって生じる上フランジ上面位置での梁材軸周りの曲げモーメントを、開口部分に存在する頭付きスタッド接合部の梁材軸周りの曲げ耐力の合計で除した値であり、1を超える場合は補強部材17の補剛力によって生じる上フランジ上面位置での曲げモーメントが、開口部分の頭付きスタッド11の梁材軸周りの曲げ耐力の合計より大きいことを示す。
図4に示されるように、この解析では横軸の値が1.15以上あれば開口のない床スラブ付き鉄骨梁と同等の変形能力を発揮できることが示された。
補強部材17は頭付きスタッド11とは違って開口15の梁材軸方向端部付近のみでの補剛となるため、頭付きスタッド11による面外曲げ耐力以上の補剛力が必要となり、頭付きスタッド11による面外曲げ耐力の1.15倍あれば補強部材17による補剛によって、開口15を有する場合でも床スラブ付き鉄骨梁1に十分な変形能力が期待できる。
3 柱
5 鉄骨梁
7 上フランジ
9 下フランジ
11 頭付きスタッド
13 コンクリート床スラブ
15 開口
17 補強部材
19 ダイアフラム
21 ウェブ(鉄骨梁)
23 小梁
25 ガセットプレート
27 コンクリート
29 鉄筋
31 小開口
33 補強鉄筋
35 ウェブ(補強部材)
37 ボルト
<従来例>
41 床スラブ付き鉄骨梁
43 小梁
45 アングル
47 ガセットプレート
49 シヤプレート
Claims (4)
- 両端部が柱に剛接合されると共に下フランジの構面外変形が補剛されていない鉄骨梁と、該鉄骨梁の上フランジ上面に梁全長にわたって接合された頭付きスタッドを介して前記鉄骨梁に接合されたコンクリート床スラブとを有する床スラブ付き鉄骨梁において、
前記鉄骨梁の側面から梁材軸直交方向に梁長さの0.1倍の範囲において、前記鉄骨梁の材軸方向の開口幅が900mm以上、かつ梁長さの0.2倍以下の四角形もしくは円形の開口が前記コンクリート床スラブに設けられ、前記開口の梁材軸方向開口幅の端部付近に、下式を満たし、かつ前記コンクリート床スラブと頭付きスタッドを介して接合されている補強部材が設けられ、前記鉄骨梁と前記補強部材が、前記鉄骨梁の側面に接合された鋼板と前記補強部材のウェブ部分との高力ボルト接合部でのみ接合されていることを特徴とする開口を有する床スラブ付き鉄骨梁。
F≧1.15×Ms・D/(a×p) ・・・・ (1)
ただし、Ms=As×Ft×B/2
ここで、F :補強部材の軸耐力
Ms :頭付きスタッド接合部の一か所あたりの梁材軸周りの曲げ耐力
D:開口の梁材軸方向開口幅
a:鉄骨梁の上面から補強部材の中立軸位置までの距離
p:鉄骨梁の上面の頭付きスタッドの梁材軸方向ピッチ
As:頭付きスタッド接合部一か所あたりの引抜に対する投影面積
Ft:コンクリートの引張強度
B:鉄骨梁の幅 - 前記補強部材がH形断面部材であり、前記補強部材に設けられた頭付きスタッドの材軸方向ピッチが前記鉄骨梁に設けられた頭付きスタッドの材軸方向ピッチより大きく、かつ前記補強部材に設けられた頭付きスタッドの前記補強部材軸方向耐力の合計が(1)式の補強部材の軸耐力Fと同様に(1)式の右辺以上であることを特徴とする請求項1記載の開口を有する床スラブ付き鉄骨梁。
- 前記補強部材の設置位置が、前記開口の材軸方向開口幅端部から前記鉄骨梁の幅の0.5倍以下の距離にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の開口を有する床スラブ付き鉄骨梁。
- 両端部が柱に剛接合されると共に下フランジの構面外変形が補剛されていない鉄骨梁と、該鉄骨梁の上フランジ上面に梁全長にわたって接合された頭付きスタッドを介して前記鉄骨梁に接合された床スラブとを有し、前記鉄骨梁の側面から梁材軸直交方向に梁長さの0.1倍の範囲において、前記鉄骨梁の材軸方向の開口幅が900mm以上、かつ梁長さの0.2倍以下の四角形もしくは円形の開口が前記床スラブに設けられた開口を有する床スラブ付き鉄骨梁の補強方法であって、
前記開口の梁材軸方向開口幅端部付近に、下式を満たし、かつ前記床スラブと頭付きスタッドを介して接合されている補強部材を設け、前記鉄骨梁と前記補強部材を、前記鉄骨梁の側面に接合された鋼板と前記補強部材のウェブ部分との高力ボルト接合部でのみ接合することを特徴とする開口を有する床スラブ付き鉄骨梁の補強方法。
F≧1.15×Ms・D/(a×p) ・・・・ (1)
ただし、Ms=As×Ft×B/2
ここで、F :補強部材の軸耐力
Ms :頭付きスタッド接合部の一か所あたりの梁材軸周りの曲げ耐力
D:開口の梁材軸方向開口幅
a:鉄骨梁の上面から補強部材の中立軸位置までの距離
p:鉄骨梁の上面の頭付きスタッドの梁材軸方向ピッチ
As:頭付きスタッド接合部一か所あたりの引抜に対する投影面積
Ft:コンクリートの引張強度
B:鉄骨梁の幅
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