JP7380410B2 - ガイドローラ及び光ファイバ線引装置 - Google Patents

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Description

本開示は、ガイドローラ及び光ファイバ線引装置に関する。
ガラスファイバを樹脂で被覆した光ファイバは、線引き工程、その後の着色工程あるいは他のボビン等への巻替工程等において、ガイドローラによって案内されながら搬送される。
従来、ガイドローラとして、光ファイバと接触する表面が形成された谷部と、この谷部から軸方向へ向かって次第に大径となるテーパ部とを有するV溝を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このガイドローラの表面には複合セラミックス皮膜が形成されており、摩耗しにくくなっている。
特開2013-28513号公報
上記特許文献1に記載されたガイドローラに形成された複合セラミックス皮膜はガイドローラを保護する役目を果たすものであり、厚みが厚いほどガイドローラが破損しにくくなるため望ましいが、厚くしすぎてしまうと皮膜が割れてクラックが生じてしまい、このクラックが光ファイバと擦過すると光ファイバが損傷してしまう恐れがある。
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、光ファイバが傷つきにくいと共に耐久性に優れるガイドローラ及び光ファイバ線引装置を提供することをその目的とする。
本開示のガイドローラは、光ファイバの走行方向を変更するアルミ製のガイドローラであって、回転軸と前記光ファイバの走行方向に沿って形成された凹溝とを備え、前記凹溝が、第1側面と該第1側面と対向する第2側面とを有すると共にコーティング層が形成され、前記第1側面と前記第2側面との間の距離が、前記回転軸に向かって漸減し、前記コーティング層が、前記第1側面および前記第2側面に形成されたアルマイト皮膜と、該アルマイト皮膜に被膜された複合セラミックス皮膜とからなり、該コーティング層の厚みが、前記回転軸から遠ざかるにつれて厚くなっている。
また、本開示の光ファイバ線引装置は、線引炉の直下に設けられて光ファイバの走行方向を変更する直下ローラとして、本開示のガイドローラを用いたものである。
上記によれば、異物が接触しやすいガイドローラの凹溝の上部ではコーティング層が厚くなるため、異物が接触したとしてもガイドローラが破損しにくくなると共に、異物と接触しにくいが光ファイバと当接するガイドローラの凹溝の底部ではコーティング層が薄くなるため、コーティング層が割れにくくなり、コーティング層との擦過により光ファイバが傷ついてしまう可能性をより低減できる。
第1実施形態に係る光ファイバ線引装置の概略図である。 第1実施形態に係るガイドローラを説明するための斜視図である。 図2に示すガイドローラをIII-III線から見た断面図である。 図3の要部拡大図である。 図4Aの要部拡大図である。 第2実施形態に係るガイドローラの要部拡大断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様の内容を列記して説明する。
本開示のガイドローラは、(1)光ファイバの走行方向を変更するアルミ製のガイドローラであって、回転軸と前記光ファイバの走行方向に沿って形成された凹溝とを備え、前記凹溝が、第1側面と該第1側面と対向する第2側面とを有すると共にコーティング層が形成され、前記第1側面と前記第2側面との間の距離が、前記回転軸に向かって漸減し、前記コーティング層が、前記第1側面および前記第2側面に形成されたアルマイト皮膜と、該アルマイト皮膜に被膜された複合セラミックス皮膜とからなり、該コーティング層の厚みが、前記回転軸から遠ざかるにつれて厚くなっている。
このように構成されたガイドローラにおいて、アルマイト処理された第1側面および第2側面に複合セラミック皮膜が被膜されていることにより、アルマイト処理により第1側面および第2側面に形成されたアルマイト皮膜に複合セラミック皮膜が充填されるため、第1側面および第2側面が光ファイバとの擦過により削られていくことを抑制できる。
また、コーティング層の厚みが、回転軸から遠ざかるにつれて厚くなっていることにより、異物が接触しやすい凹溝の上部ではコーティング層が厚くなるため、異物が接触したとしてもガイドローラが破損しにくくなる。
加えて、異物と接触しにくいが光ファイバと当接する凹溝の底部ではコーティング層が薄くなるため、コーティング層が割れにくくなり、光ファイバがコーティング層のクラックとの擦過により傷ついてしまう可能性をより低減することができる。
なお、ここでいう「アルミ製」とは、アルミニウム製であってもよいし、アルミニウム合金製であってもよいことを指す。
(2)上記のガイドローラにおいて、前記第1側面と前記第2側面との成す角が、20度以下である。
このように構成されたガイドローラにおいて、第1側面と第2側面との成す角が、20度以下であることにより、第1側面と第2側面とが平行状態に近づき、凹溝内で光ファイバが揺動しにくくなるため、光ファイバの捩れを抑制することができる。
(3)上記のガイドローラにおいて、前記第1側面と前記第2側面とが、前記凹溝の下部を形成する第1斜面と、前記凹溝の上部を形成する第2斜面とをそれぞれ有し、前記第1側面の第2斜面と前記第2側面の第2斜面との成す角が、前記第1側面の第1斜面と前記第2側面の第1斜面との成す角より大きい。
このように構成されたガイドローラにおいて、第2の成す角が、第1の成す角より大きいことにより、凹溝の開き角が回転軸から遠ざかるにつれて大きくなるため、ガイドローラに光ファイバを掛けやすくすることができることに加え、凹溝を形成しやすくすることができる。
(4)上記のガイドローラにおいて、前記凹溝との間で前記第1側面を形成する第1頂部と、前記凹溝との間で前記第2側面を形成する第2頂部とをさらに備え、前記回転軸から前記第1頂部までの距離が、前記回転軸から前記第2頂部までの距離と異なっている。
このように構成されたガイドローラにおいて、回転軸から第1頂部までの距離が、回転軸から第2頂部までの距離と異なっていることにより、光ファイバをガイドローラにより掛けやすくすることができる。
(5)また、本開示の光ファイバ線引装置は、線引炉の直下に設けられて光ファイバの走行方向を変更する直下ローラとして、上記の(1)から(4)のいずれか1つに記載のガイドローラを用いた光ファイバ線引装置である。
このように構成された光ファイバ線引装置において、異物が接触したとしてもガイドローラを損傷しにくくすることと光ファイバがコーティング層との擦過により削られる可能性を低減することとを両立することができる。
[本開示の第1実施形態]
以下、図1乃至図4Bに基づいて、本開示の第1実施形態であるガイドローラおよび光ファイバ線引装置を説明する。
なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれることを意図する。
また、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は、同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
[光ファイバ線引装置の概要]
まず、図1を用いて、本開示の第1実施形態に係る光ファイバ線引装置100の概要を説明する。
図1は、第1実施形態に係る光ファイバ線引装置100の概略図である。
図1に示すように、ガイドローラを備えた光ファイバ線引装置100は、光ファイバ用のガラス母材Gを加熱し軟化させる線引炉110を最上流に備えている。
線引炉110は、内側にガラス母材Gが供給される円筒状の炉心管111と、この炉心管111を取り囲む発熱体112と、炉心管111内にパージガスを供給するガス供給部113とを有している。
なお、ガラス母材Gは、母材送りユニットFによってその上部が把持されている。
そして、この母材送りユニットFは、ガラス母材Gの下端部分を線引炉110の炉心管111まで送ることができる。
光ファイバ線引装置100は、線引炉110の下方(下流側)に、ガラスファイバG1を冷却する冷却ユニット120を備えている。
本実施形態において、冷却ユニット120は、ヘリウムガス等の冷却ガスによりガラスファイバG1の冷却を行っているが、ガラスファイバG1を非接触で冷却できれば、いずれの冷却方式であってもよい。
光ファイバ線引装置100は、冷却ユニット120の下方(下流側)に、ガラスファイバG1の外形を測定する外径測定ユニット130を備えている。
本実施形態において、外径測定ユニット130は、レーザー光によりガラスファイバG1の外径を測定しているが、ガラスファイバG1の外径を非接触で測定できれば、いかなる測定方式であってもよい。
光ファイバ線引装置100は、外径測定ユニット130の下方(下流側)に、ガラスファイバG1に樹脂層G2(図4A参照)を被覆して光ファイバG3を形成する被覆ユニット140を備えている。
本実施形態において、被覆ユニット140は、外径が測定されたガラスファイバG1に紫外線硬化型樹脂であるウレタンアクリレート樹脂を塗布し、このウレタンアクリレート樹脂に紫外線を照射することでウレタンアクリレート樹脂を硬化させている。
すなわち、樹脂層G2は、紫外線硬化型樹脂であるウレタンアクリレート樹脂により形成される。
なお、紫外線を照射することで硬化する樹脂を用いれば、樹脂層G2を形成する樹脂はウレタンアクリレート樹脂以外の樹脂であってもよい。
光ファイバ線引装置100は、被覆ユニット140の下方(下流側)、すなわち、線引炉110の直下に、光ファイバG3の走行方向を変更するガイドローラ150の一つである直下ローラ150Aを備えている。
本実施形態において、直下ローラ150Aは、光ファイバG3の走行方向を鉛直方向から水平方向へと変更する。
光ファイバ線引装置100は、直下ローラ150Aの下流側に、樹脂層G2の状態を検査する検査ユニット160を備えている。
本実施形態において、検査ユニット160は、気泡検出器、外径測定器あるいはコブ(凹凸)検出器等の検出ユニットであり、樹脂層G2における気泡の有無、樹脂層G2の外径あるいは樹脂層G2におけるコブの有無を光学的(例えば、レーザ光式)に検出し、不良の発生を監視している。
光ファイバ線引装置100は、検査ユニット160の下流側に、光ファイバG3の走行方向を変更するガイドローラ150の一つである案内ローラ150Bを備えている。
本実施形態において、案内ローラ150Bは、光ファイバG2の走行方向を水平方向から斜め上方へと変更する。
光ファイバ線引装置100は、さらに、キャプスタン170、スクリーニングユニット180およびダンサローラ190を備えている。
キャプスタン170は、案内ローラ150Bの下流側に設けられ、光ファイバG3に所定の張力を加えている。
スクリーニングユニット180は、キャプスタン170の下流側に設けられている。
ダンサローラ190は、スクリーニングユニット180の下流側に設けられている。
なお、ダンサローラ190の下流側には、ボビンBが設置されている。
[ガイドローラの詳細構造]
次に、光ファイバ線引装置100で用いるガイドローラ150について詳説する。
なお、光ファイバ線引装置100は、ガイドローラ150として、直下ローラ150Aおよび案内ローラ150Bを設けているが、本実施形態において直下ローラ150Aおよび案内ローラ150Bの概形は同様である。
まず、図2および図3を用いて、ガイドローラ150の詳細な構造について説明する。
図2は第1実施形態に係るガイドローラを説明するための斜視図であり、図3は図2に示すガイドローラをIII-III線から見た断面図である。
ガイドローラ150は、「超々ジュラルミン」(日本工業規格においてはA7075として分類されている)と呼ばれる組成のアルミニウム合金で形成されている。
ガイドローラ150の材質がアルミニウム合金であることにより、ガイドローラ150をステンレス鋼で形成する場合に比べてガイドローラ150の質量が小さくなるため、ガイドローラ150の慣性モーメントが下がり、より高速にガイドローラ150を回すことができる。
特に、ガイドローラ150の材質がA7075である場合、A7075が切削性に優れる材料であるため、ガイドローラ150の凹溝154を容易に加工できる。
そして、ガイドローラ150は、図2に示すような円板状のローラであり、貫通孔151が側面視においてガイドローラ150の中央に形成されている。
この貫通孔151に軸が挿入され、この軸を中心にガイドローラ150が回転する。
すなわち、ガイドローラ150の回転軸Cは貫通孔151の中心線と一致している。
また、光ファイバG3の走行方向に沿うガイドローラ150の外周には、第1頂部152と、第2頂部153とが全周に亘って形成されており、この第1頂部152と第2頂部153との間に凹溝154が形成されている。
そして、ガイドローラ150へ光ファイバG3を掛けやすくするために、図3に示すように、回転軸Cから第1頂部152までの距離L1が、回転軸Cから第2頂部153までの距離L2より短くなっている。
凹溝154は、図3に示すように、第1頂部152側の第1側面154aと、この第1側面154aと対向する第2側面154bとにより形成されている。
そして、第1側面154aと第2側面154bの間の距離Xは、回転軸Cに向かって漸減している。
また、第1側面154aと第2側面154bとのなす角(すなわち、凹溝154の開き角θ)は、例えば20度となっている。
このように、第1側面154aと第2側面154bとのなす角を20度にすることにより、第1側面154aと第2側面154bとが平行状態に近づき、凹溝154内で光ファイバG3が揺動しにくくなるため、光ファイバG3の捩れを抑制することができる。
[凹溝の詳細構造]
次に、図4Aおよび図4Bを用いて、凹溝154の詳細な構造について説明する。
図4Aは図3の要部拡大図であり、図4Bは図4Aの要部拡大図である。
図4Aに示すように、凹溝154の底部はU字状であり、この凹溝154の曲率半径rは約150μmとなっており、光ファイバG3の半径(約125μm)よりも大きくなっている。
なお、凹溝154の曲率半径rは小さい方が好ましく、光ファイバG3の半径より小さくても良い。
また、凹溝154には、コーティング層155が形成されている。
凹溝154の底部におけるコーティング層の厚みtbは例えば20μmであり、凹溝154の底部から2mm遠ざかった位置におけるコーティング層155の厚み(不図示)は例えば50μmとなっている。
すなわち、コーティング層155の厚みは、回転軸Cから遠ざかるにつれて(図4Aでは上方に向かって)厚くなっている。
換言すれば、異物が接触しやすいガイドローラ150の凹溝154の上部ではコーティング層155が厚くなり、異物と接触しにくいが光ファイバG3と当接し得るガイドローラ150の凹溝154の底部ではコーティング層155が薄くなっている。
これにより、異物が接触しやすい凹溝154の上部においてはコーティング層155が十分厚いため、凹溝154に異物が接触したとしてもガイドローラ150が破損しにくくなっている。
さらに、凹溝154の底部においてコーティング層155が割れにくくなるため、光ファイバG3がコーティング層155のクラックとの擦過により傷ついてしまう可能性をより低減することができる。
次に、コーティング層155について、図4Bを用いて詳細に説明する。
コーティング層155は、基材であるガイドローラ150上に形成されたアルマイト皮膜155aと、このアルマイト皮膜155a上に形成された複合セラミックス皮膜155bとからなる。
なお、コーティング層の厚みtとは、このアルマイト皮膜155aの厚みと複合セラミックス皮膜155bの厚みとを合わせた厚みとなっている。
アルマイト皮膜155aは、基材となるガイドローラ150を電解液に漬けて電流を流すことで、その表面S(例えば、第1側面154a、第2側面154b)に生じた酸化皮膜および無数の孔Pから形成されている。
したがって、このアルマイト皮膜155aは、基材表面Sを中心としてその上下に形成されるものである。
複合セラミックス皮膜155bは、このアルマイト皮膜155a上に被膜されている。
すなわち、複合セラミックス皮膜155bは、アルマイト皮膜155aに形成された孔Pに充填されると共にアルマイト皮膜155a上に被膜される。
この複合セラミックス皮膜155bは、化学反応を利用して形成されるものであり、高密度、高硬度皮膜、高密着力、低い摩擦係数などの特徴を有し、耐摩耗性や耐食性に優れている。
具体的には、この複合セラミックス皮膜155bは、平均粒径が約2μmの酸化クロム系複合ファインセラミックス材料から構成された皮膜であり、硬質クロムめっきと比較し、微小亀裂を特殊セラミックスで封孔補強した複合機能皮膜である。
そして、この複合セラミックス皮膜155bは、その中に含まれる酸化クロムが約2μmの超微粒子であるため、高硬度を保ちながら高い潤滑効果もあり、摺動部分の発熱を抑える作用も有している。
また、この複合セラミックス皮膜155bは、高硬度に加え、殆どの溶剤に対して高い耐食性を有している。
このような複合セラミック皮膜は、CDC-ZAC(登録商標)コーティングとも呼ばれる。
[本開示の第2実施形態]
次に、図5を用いて、本開示の第2実施形態であるガイドローラおよび光ファイバ線引装置を説明する。
図5は、第2実施形態に係るガイドローラの要部拡大断面図である。
なお、第2実施形態の光ファイバ線引き装置200およびガイドローラ250は、第1実施形態のガイドローラ150における凹溝154の形状を変更したものであり、多くの要素について第1実施形態のガイドローラ150と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
図5に示すように、ガイドローラ250の凹溝254は、第1側面254aと第2側面254bとが、第1の開き角(第1の成す角)θ1と、第2の開き角(第2の成す角)θ2とを有している。
この第2の開き角θ2は例えば30度であり、第1の開き角θ1は例えば20度であり、第2の開き角θ2は第1の開き角θ1より大きくなっている。
すなわち、第1側面254aは、回転軸C側の傾斜が急な第1斜面254aaと、この第1斜面254aaに接続され第1斜面254aaよりも傾斜が緩やかな第2斜面254abとから形成されている。
同様に、第2側面254bも、回転軸C側の傾斜が急な第1斜面254baと、この第1斜面254baに接続され第1斜面254baよりも傾斜が緩やかな第2斜面254bbとから形成されている。
すなわち、第1側面254aと第2側面254bとは、凹溝254の下部を形成する第1斜面(254aa、254ba)と、凹溝254の上部を形成する第2斜面(254ab、254bb)とをそれぞれ有している。
また、第2斜面254ab、254bbに積層されたコーティング層の厚みは約50μmとなっており、第1斜面254aa、254baに積層されたコーティング層の厚みには上方側では約50μmとなっており、下方(凹溝254の底部)側では約20μmとなっている。
すなわち、第2実施形態においても、コーティング層の厚みは、回転軸Cから遠ざかるにつれて(図5では上方に向かって)厚くなっている。
[変形例]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記に限定されるものではない。
例えば、ガイドローラの材質は超々ジュラルミン(A7075)であったが、A6061等のアルミニウム合金であれば如何なる組成であってもよい。
例えば、ガイドローラは1つの材料から削り出して作製されるが、上述したようなガイドローラの凹溝を形成できれば、2枚の板を貼り合わせてガイドローラを作製してもよい。
例えば、ガイドローラは光ファイバの製造工程の一つである線引き工程に用いたが、樹脂が被覆された光ファイバに着色用の紫外線硬化型樹脂を塗布して被覆する着色工程、または、ボビンに巻回された光ファイバを他のボビンへ巻き替える巻替工程等に用いても良い。
例えば、本実施形態においては、回転軸から第1頂部までの距離が、回転軸から第2頂部までの距離より短くなっていたが、回転軸から第2頂部までの距離が、回転軸から第1頂部までの距離より短くなっていてもよい。
第1実施形態において、凹溝154の開き角θは例えば20度であったが、開き角θは凹溝154内で光ファイバG3が揺動しにくくなれば、20度以下であればよく、例えば15度であってもよい。
すなわち、凹溝の開き角は小さければ小さいほど、凹溝内で光ファイバが揺動しにくくなり、光ファイバの捩れを抑制でき、好ましい。
具体的には、例えばガイドローラの回転軸と光ファイバの走行方向は垂直であることが好ましいが、実際には完全に垂直に取り付けることは難しい。
ガイドローラの取付角度がわずかにずれた場合、光ファイバは凹溝の一方の斜面により強く接触することになり、光ファイバに捩れが残留する。
このような場合でも凹溝の開き角が20度の場合、開き角が30度の場合と比較して、光ファイバに残留する捩れは大きく減少し、15度の場合はさらに減少する。
第2実施形態において、第2の開き角θ2は例えば30度であり、第1の開き角θ1は例えば20度であったが、第2の開き角θ2が第1の開き角θ1より大きくなっていれば、第1の開き角θ1および第2の開き角θ2はこれに限定されるものではない。
例えば、第1の開き角θ1は15度~20度のいずれの角度であってもよいし、第2の開き角は30度以上であれば、いずれの角度であってもよい。
また、前述した実施形態が備える各要素は技術的に可能である限り組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100 ・・・ 光ファイバ線引装置
110 ・・・ 線引炉
111 ・・・ 炉心管
112 ・・・ 発熱体
113 ・・・ ガス供給部
120 ・・・ 冷却ユニット
130 ・・・ 外径測定ユニット
140 ・・・ 被覆ユニット
150、 250 ・・・ ガイドローラ
150A ・・・ 直下ローラ
150B ・・・ 案内ローラ
151 ・・・ 貫通孔
152 ・・・ 第1頂部
153 ・・・ 第2頂部
154、 254 ・・・ 凹溝
154a、254a ・・・ 第1側面
254aa・・・ 第1斜面
254ab・・・ 第2斜面
154b、254b ・・・ 第2側面
254ba・・・ 第1斜面
254bb・・・ 第2斜面
155 ・・・ コーティング層
155a ・・・ アルマイト皮膜
155b ・・・ 複合セラミックス皮膜
160 ・・・ 検査ユニット
170 ・・・ キャプスタン
180 ・・・ スクリーニングユニット
190 ・・・ ダンサローラ

C ・・・ 回転軸
S ・・・ 基材表面
P ・・・ 孔

G ・・・ ガラス母材
G1 ・・・ ガラスファイバ
G2 ・・・ 樹脂層
G3 ・・・ 光ファイバ

B ・・・ ボビン
F ・・・ 母材送りユニット

L1 ・・・ 回転軸から第1頂部までの距離
L2 ・・・ 回転軸から第2頂部までの距離
X ・・・ 第1側面から第2側面までの距離
θ ・・・ 凹溝の開き角
θ1 ・・・ 第1の開き角(第1の成す角)
θ2 ・・・ 第2の開き角(第2の成す角)
r ・・・ 凹溝底部の曲率半径
t ・・・ コーティング層の厚み
tb ・・・ 凹溝底部のコーティング層の厚み

Claims (5)

  1. 光ファイバの走行方向を変更するアルミ製のガイドローラであって、
    回転軸と前記光ファイバの走行方向に沿って形成された凹溝とを備え、
    前記凹溝が、第1側面と該第1側面と対向する第2側面とを有すると共にコーティング層が形成され、
    前記第1側面と前記第2側面との間の距離が、前記回転軸に向かって漸減し、
    前記コーティング層が、前記第1側面および前記第2側面に形成されたアルマイト皮膜と、該アルマイト皮膜に被膜された複合セラミックス皮膜とからなり、
    該コーティング層の厚みが、前記回転軸から遠ざかるにつれて厚くなっているガイドローラ。
  2. 前記第1側面と前記第2側面との成す角が、20度以下である請求項1に記載のガイドローラ。
  3. 前記第1側面と前記第2側面とが、前記凹溝の下部を形成する第1斜面と、前記凹溝の上部を形成する第2斜面とをそれぞれ有し、
    前記第1側面の第2斜面と前記第2側面の第2斜面との成す角が、前記第1側面の第1斜面と前記第2側面の第1斜面との成す角より大きい請求項1に記載のガイドローラ。
  4. 前記凹溝との間で前記第1側面を形成する第1頂部と、前記凹溝との間で前記第2側面を形成する第2頂部とをさらに備え、
    前記回転軸から前記第1頂部までの距離が、前記回転軸から前記第2頂部までの距離と異なっている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガイドローラ。
  5. 線引炉の直下に設けられて光ファイバの走行方向を変更する直下ローラとして、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガイドローラを用いた光ファイバ線引装置。
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