JP2019137599A - ガイドローラ及び光ファイバ線引装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このガイドローラの表面には複合セラミックス皮膜が形成されており、摩耗しにくくなっている。
最初に本発明の実施態様の内容を列記して説明する。
本発明の一態様に係るガイドローラは、(1)光ファイバの走行方向を変更する光ファイバ走行用のガイドローラであって、回転軸と前記光ファイバの走行方向に沿って形成された凹溝とを備え、前記凹溝が、第1側面と、該第1側面と対向する第2側面とを有し、前記第1側面と前記第2側面との間の距離が、前記回転軸に向かって漸減し、前記光ファイバが、該光ファイバの走行時に前記第1側面および前記第2側面と接触している。
これにより、光ファイバの走行時に光ファイバが第1側面および第2側面によって挟持されるため、光ファイバをガイドローラ内で揺動しにくくすることができる。
また、第1側面と第2側面との間の距離が、回転軸に向かって漸減していることにより、直径の大きい光ファイバは回転軸から遠い位置で、直径の小さい光ファイバは回転軸に近い位置で、第1側面および第2側面と当接することが可能になるため、光ファイバの直径が異なっていたとしても、光ファイバのガイドローラ内における揺動を確実に抑制することができる。
これにより、ガイドローラをステンレス鋼で形成する場合に比べてガイドローラの質量が小さくなるため、ガイドローラの慣性モーメントが下がり、より高速にガイドローラを回すことができる。
これにより、凹溝が第1側面と第2側面とを繋ぎ且つ回転軸に向かって湾曲している底面を有する場合に比べて、ガイドローラの剛性を高めることができる。
また、凹溝の底面が平坦であることにより、凹溝の底部に埃等のゴミが堆積したとしても、ゴミが凹溝にひっかかりにくくなるため、ゴミを容易に除去することができる。
これにより、光ファイバがガイドローラ内を走行する際に光ファイバがコーティング層と当接するため、ガイドローラ自体の摩耗を抑制することができ、ガイドローラの耐久性を向上させることができる。
これにより、コーティング層の硬度を保ちつつコーティング層を薄く形成することが可能となるため、ガイドローラの質量の増加を抑えつつガイドローラの耐久性を向上させることができる。
これにより、コーティング層が光ファイバの走行によって削られにくくなるため、ガイドローラの耐久性を高めることができる。
これにより、コーティング層が薄いことで凹溝にコーティング材料が溜まりにくくなるため、コーティング層を設けた場合であっても凹溝の形状を維持することができる。
これにより、ガラスファイバと該ガラスファイバを被覆する樹脂層とを有する光ファイバがガイドローラ内で揺動しにくくなるため、光ファイバのガラスファイバの偏心を抑制することができる。
以下、図1乃至図4に基づいて、本発明の第1実施形態であるガイドローラおよび光ファイバ線引装置を説明する。
なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれることを意図する。
また、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は、同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ線引装置100の概要を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ線引装置100の概略図である。
線引炉110は、内側にガラス母材Gが供給される円筒状の炉心管111と、この炉心管111を取り囲む発熱体112と、線引管111内にパージガスを供給するガス供給部113とを有している。
本実施形態において、冷却ユニット120は、ヘリウムガス等の冷却ガスによりガラスファイバG1の冷却を行っているが、ガラスファイバG1を非接触で冷却できれば、いずれの冷却方式であってもよい。
本実施形態において、外径測定ユニット130は、レーザ光によりガラスファイバG1の外径を測定しているが、ガラスファイバG1の外径を非接触で測定できれば、いかなる測定方式であってもよい。
本実施形態において、被覆ユニット140は、ガラスファイバG1に紫外線硬化型樹脂であるウレタンアクリレート樹脂を塗布し、このウレタンアクリレート樹脂に紫外線を照射することでウレタンアクリレート樹脂を硬化させている。
すなわち、樹脂層G2は、紫外線硬化型樹脂であるウレタンアクリレート樹脂により形成される。
なお、紫外線を照射することで硬化する樹脂を用いれば、樹脂層G2を形成する樹脂はウレタンアクリレート樹脂以外の樹脂であってもよい。
本実施形態において、直下ローラ150Aは、光ファイバG3の走行方向を鉛直方向から水平方向へと変更する。
本実施形態において、検査ユニット160は、気泡検出器、外径測定器あるいはコブ(凹凸)検出器等の検出ユニットであり、樹脂層G2における気泡の有無、樹脂層G2の外径あるいは樹脂層G2におけるコブ(凹凸)の有無を光学的(例えばレーザ光式)に検出し、不良の発生を監視している。
本実施形態において、案内ローラ150Bは、光ファイバG2の走行方向を水平方向から斜め上方へと変更する。
キャプスタン170は、案内ローラ150Bの下流側に設けられ、光ファイバG3に所定の張力を加えている。
スクリーニングユニット180は、キャプスタン170の下流側に設けられている。
ダンサローラ190は、スクリーニングユニット180の下流側に設けられている。
なお、ダンサローラ190の下流側には、ボビンBが設置されている。
次に、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ線引装置100による光ファイバの製造方法について説明する。
母材送りユニットFは、ガラス母材Gの下端部分を線引炉110の炉心管111まで送る。
そして、発熱体112によってガラス母材Gを加熱して、ガラス母材Gを下方に引き延ばす。
これにより、ガラス母材Gが細線化され、光ファイバG3の中心部分となるガラスファイバG1が形成される。
そして、冷却されたガラスファイバG1は、外径測定ユニット130により外径が測定される。
そして、スクリーニングユニット180及びダンサローラ190を介してボビンBに送られ、ボビンBに巻き取られる。
次に、本発明の実施形態である光ファイバ線引装置100で用いるガイドローラ150について詳説する。
なお、光ファイバ線引装置100は、ガイドローラ150として、直下ローラ150Aおよび案内ローラ150Bを設けているが、本実施形態において直下ローラ150Aおよび案内ローラ150Bの概形は同様である。
図2は本発明の第1実施形態に係るガイドローラを説明するための斜視図であり、図3は図2に示すガイドローラをIII−III線から見た断面図であり、図4は図3の要部拡大図である。
この貫通孔151に軸が挿入され、この軸を中心にガイドローラ150が回転する。
すなわち、ガイドローラ150の回転軸Cは貫通孔151の中心線と一致している。
そして、ガイドローラ150へ光ファイバG3を掛けやすくするために、図3に示すように、回転軸Cから第1頂部152までの距離L1が、回転軸Cから第2頂部153までの距離L2より短くなっている。
なお、本実施例において、底面154cの幅dは0.1mmであり、光ファイバG3の直径Dは0.25mmであるが、これに限定されるものではない。
第1側面154aと第2側面154bとのなす角(すなわち、凹溝154の開き角θ)は、本実施例では30度であるが、これに限定されるものではない。
本実施例において、コーティング層155の厚みtは0.005mm(5μm)であるが、これに限定されるものではなく、コーティング層155の厚みtは5μm以下であってもよい。
また、このコーティング層155に用いられるDLCのビッカース硬さは、光ファイバG3と第1側面154aと第2側面154bのビッカース硬さより大きくなっている。
次に、光ファイバG3走行時における光ファイバG3とガイドローラ150との関係について説明する。
これにより、光ファイバG3はガイドローラ150の回転軸Cに近づく方向に力がかかっていることになる。
換言すると、光ファイバG3は張力によってガイドローラ150の凹溝154に押しつけられている。
すなわち、光ファイバG3の走行時において、図4に示すように、光ファイバG3は、点P1で第1側面154aと接触し、点P2で第2側面154bと接触している。
すなわち、光ファイバG3とガイドローラ150とは、コーティング層155を介して第1側面154aと第2側面154bの2点でのみ接している。
これにより、光ファイバG3がガイドローラ150の厚み方向に対して揺動しにくくなっており、被覆ユニット140を通過するガラスファイバG1の位置が安定するため、光ファイバG3においてガラスファイバG1が偏心する可能性を抑制することができる。
また、第1側面154aと第2側面154bとの間の距離Xが、回転軸Cに向かって漸減していることにより、直径の大きい光ファイバG3(例えば、直径0.25mm)は回転軸Cから遠い位置で、直径の小さい光ファイバG3(例えば、直径0.20mm)は回転軸Cに近い位置で、第1側面154aおよび第2側面154bと当接することが可能になるため、光ファイバG3の直径Dが異なっていたとしても、光ファイバG3のガイドローラ150内における揺動を確実に抑制することができる。
特に、ガイドローラ150の材質がA7075である場合、A7075が切削性に優れる材料であるため、ガイドローラ150の凹溝154を容易に加工できる。
また、凹溝154の底面154cが平坦であることにより、凹溝154の底部に埃等のゴミが堆積したとしても、ゴミが凹溝154にひっかかりにくくなるため、ゴミを容易に除去することができる。
このような状況において、コーティング層155を厚くしてしまうと、コーティング層が凹溝の底に溜ってしまい凹溝の形状の寸法精度を保てない場合がある。
そこで、コーティング層155が、ダイヤモンドライクカーボンによって形成されていることにより、コーティング層155の硬度を保ちつつコーティング層155を薄く形成することが可能となるため、ガイドローラ150の質量の増加を抑えつつガイドローラ150の耐久性を向上させることができることに加え、コーティング層155を設けた場合であっても凹溝154の底部形状を維持することができる。
次に、図5を用いて、本発明の第2実施形態であるガイドローラおよび光ファイバ線引装置を説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係るガイドローラの断面図である。
なお、第2実施形態の光ファイバ線引き装置は、第1実施形態の光ファイバ線引き装置100のガイドローラ150における凹溝154の形状を変更してガイドローラ250としたものであり、多くの要素について第1実施形態の光ファイバ線引き装置100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
そして、第1側面254aと第2側面254bとは凹溝254の底で直接接続されている。
すなわち、ガイドローラ250の凹溝254は、V字状の溝である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
Claims (8)
- 光ファイバの走行方向を変更する光ファイバ走行用のガイドローラであって、
回転軸と前記光ファイバの走行方向に沿って形成された凹溝とを備え、
前記凹溝が、第1側面と、該第1側面と対向する第2側面とを有し、
前記第1側面と前記第2側面との間の距離が、前記回転軸に向かって漸減し、
前記光ファイバが、該光ファイバの走行時に前記第1側面および前記第2側面と接触しているガイドローラ。 - 前記ガイドローラの材質が、アルミニウム合金である請求項1に記載のガイドローラ。
- 前記凹溝が、前記第1側面と前記第2側面とを繋ぐ平坦な底面を有している請求項1または2に記載のガイドローラ。
- 前記凹溝の前記第1側面および前記第2側面に、コーティング層が被着され、
前記コーティング層が、セラミック材料によって形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載のガイドローラ。 - 前記コーティング層が、ダイヤモンドライクカーボンによって形成されている請求項4に記載のガイドローラ。
- 前記コーティング層のビッカース硬さが、前記光ファイバ、前記第1側面、および、前記第2側面のそれぞれのビッカース硬さより大きい請求項4または5に記載のガイドローラ。
- 前記コーティング層の厚みが、5μm以下である請求項4から6のいずれか1項に記載のガイドローラ。
- 線引炉の直下に設けられて光ファイバの走行方向を変更する直下ローラとして、請求項1から7のいずれか1項に記載のガイドローラを用いた光ファイバ線引装置。
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