JP6939659B2 - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバの製造方法に関する。
特許文献1には、被覆光ファイバを走行させつつ、樹脂被覆層の表面に傷を付与した後、被覆光ファイバの引っ張り破断強度を測定する方法が記載されている。
国際公開第95/21800号
樹脂で被覆された光ファイバ素線(被覆光ファイバ)の耐外傷性能が低い場合、光ファイバ素線を着色する工程において、光ファイバ素線の被覆表面が削れた粉塵が着色樹脂塗布部に蓄積するおそれがある。これにより、着色後の光ファイバ素線に上記粉塵が付着し、外観不良等の不具合が生じるおそれがある。このため、光ファイバ素線の被覆樹脂の原料の配合を変更した場合や、光ファイバ素線の製造装置、製造条件等の変更を行った場合などにおいて、光ファイバ素線の耐外傷性能を評価する必要がある。
特許文献1に記載された被覆光ファイバの引っ張り破断強度を測定する方法では、被覆光ファイバ(光ファイバ素線)が、被覆表面の傷によって強度がどの程度劣化するかがわかる。しかしながら、上記特許文献1の方法では、光ファイバ素線の耐外傷性能を評価することはできない。
本発明は、光ファイバ素線の製造装置、製造条件等の変更を行った場合などにおいて、着色後の光ファイバ素線に粉塵が付着することを抑制して、製造される光ファイバの外観不良等を防止することができる光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光ファイバの製造方法は、
樹脂で被覆された光ファイバ素線に外傷を付与する外傷付与部に、前記光ファイバ素線を摺接させながら走行させ、
前記光ファイバ素線が前記外傷付与部に摺接することにより発生する粉塵の量に基づいて、前記光ファイバ素線の耐外傷性能を評価し、
前記耐外傷性能に基づいて、光ファイバ線引き時に被覆する前記樹脂の硬化度の目標値を決め、
前記目標値に基づいて光ファイバ素線を作製して、前記光ファイバ素線を着色する。
上記発明の光ファイバの製造方法によれば、光ファイバ素線の製造装置、製造条件等の変更を行った場合などにおいて、着色後の光ファイバ素線に粉塵が付着することを抑制して、製造される光ファイバの外観不良等を防止することができる。
光ファイバを製造する装置における着色装置の一例を示す模式図である。 光ファイバ素線の耐外傷性能を評価する方法(評価装置)の一例を示す模式図である。 図2に示す装置の外傷付与部の一例を示す模式図である。
(本発明の実施形態の説明)
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る光ファイバの製造方法は、
(1)樹脂で被覆された光ファイバ素線に外傷を付与する外傷付与部に、前記光ファイバ素線を摺接させながら走行させ、
前記光ファイバ素線が前記外傷付与部に摺接することにより発生する粉塵の量に基づいて、前記光ファイバ素線の耐外傷性能を評価し、
前記耐外傷性能に基づいて、光ファイバ線引き時に被覆する前記樹脂の硬化度の目標値を決め、
前記目標値に基づいて光ファイバ素線を作製して、前記光ファイバ素線を着色する。
上記製造方法によれば、光ファイバ素線の耐外傷性能を評価して、予め光ファイバ線引き時に被覆する樹脂の硬化度の目標値を決めるので、この目標値に基づいて粉塵の発生量が少ない被覆樹脂や製造条件によって光ファイバ素線を作製することができる。これにより、光ファイバ素線の製造装置、製造条件等の変更を行った場合などにおいて、着色後の光ファイバ素線に粉塵が付着することを抑制して、製造される光ファイバの外観不良等を防止することができる。
(2)前記耐外傷性能に基づいて、光ファイバ線引きから前記光ファイバ素線に着色を行うまでの時間を決めてもよい。
上記製造方法によれば、光ファイバの製造条件の一つである、光ファイバ線引きから光ファイバ素線に着色を行うまでのリードタイムを、適正な時間とすることができる。
(3)前記外傷付与部は、棒材を前記光ファイバ素線の走行方向に対してその軸方向が垂直となるように配置した構成であってもよい。
上記製造方法によれば、棒材を光ファイバ素線の走行方向に対してその軸方向が垂直となるように配置した構成とすることにより、光ファイバ素線に棒材を当てる角度によって、被覆樹脂が削れて発生する粉塵の量が大きく変化する。棒材を当てる角度を調整することにより、発生する粉塵の量を評価に適した量に調整することが容易にできる。
(4)前記棒材は、外径が50mm以下の断面円形の金属棒であり、表面の硬度が前記光ファイバ素線の表面硬度より大きくてもよい。
耐外傷性能を短期間で評価するためには、実際の製造よりも過酷な状況で外傷を付与する必要がある。このため、前記の棒材は、例えば光ファイバ素線を着色する際に使用されるローラー(例えば外径が50mmから100mm程度)より外径が小さい、外径が50mm以下の断面円形の金属棒で、その表面の硬度が光ファイバ素線の表面硬度より大きいものが好ましい。
(本発明の実施形態の詳細)
本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態の光ファイバの製造方法で用いられる光ファイバ素線は、例えば石英ガラスのコア及びクラッドからなるガラスファイバの周囲に樹脂を被覆したものであり、線引工程で作製される。上記光ファイバ素線は、さらに着色工程で外周にインク(着色樹脂等)が塗布される。これにより、着色された光ファイバ素線が製造される。以下、本実施形態では、上記着色された光ファイバ素線を単に光ファイバと称する。このようにして作成された光ファイバは、塗布されるインク(着色樹脂等)の色を変えることにより、光ファイバ同士の識別を容易にすることができる。
最初に、光ファイバ素線を作製する線引工程の一例について説明する。
ガラス母材を線引装置(図示せず)で加熱溶融して線引きすることでガラスファイバが得られる。続いて、ガラスファイバの外周に例えば紫外線硬化型樹脂からなる被覆樹脂が塗布され、紫外線が照射されて被覆樹脂が硬化される。これにより、ガラスファイバの外周に被覆樹脂層が形成された光ファイバ素線が作製される。被覆樹脂層は、例えば、プライマリ樹脂とセカンダリ樹脂との二層の被覆層で形成されている。そして、上記のように作製された光ファイバ素線は、例えば一旦、巻き取り装置により巻き取られて保管される。
次に、着色工程で使用する着色装置について図1を参照して説明する。図1は、光ファイバの着色装置の一例を示す図である。
図1に示すように、着色装置1は、光ファイバ素線G1に紫外線硬化型の着色樹脂を塗布する着色ダイス11と、着色樹脂が塗布された光ファイバ素線G1に紫外線を照射して硬化させる紫外線照射装置12と、を備えている。また、着色装置1は、光ファイバG2の外径を測定する外径測定器13と、光ファイバG2の外傷や付着物(コブ)を検出する検出器14と、を備えている。
着色ダイス11の前段には光ファイバ素線G1を繰り出す繰出しボビン15が取り付けられている。繰出しボビン15の光ファイバ素線G1は、前述の線引工程で作製されたものである。
繰出しボビン15と着色ダイス11との間には、繰出しボビン15から繰り出される光ファイバ素線G1を誘導する振り子ユニット17と、光ファイバ素線G1の張力を調整するダンサローラ18と、光ファイバ素線G1をガイドするガイドローラ19a,19bが設けられている。外径測定器13と検出器14との間には、光ファイバG2をガイドするガイドローラ19cが設けられている。検出器14の後段には光ファイバG2を巻き取る巻取りボビン16が取り付けられている。
以下、図1の着色装置1を使用して、光ファイバ素線G1の外周に着色樹脂を塗布して光ファイバG2を作製する着色工程について説明する。
図1に示す着色装置1において、光ファイバ素線G1が繰出しボビン15から繰り出され、ガイドローラ19a、ダンサローラ18およびガイドローラ19bを介して着色ダイス11および紫外線照射装置12へと送られる。着色ダイス11では、光ファイバ素線G1の外周に紫外線硬化型の着色樹脂が塗布される。紫外線照射装置12では、着色樹脂が塗布された光ファイバ素線G1に紫外線が照射されて着色樹脂が硬化する。これにより、光ファイバ素線G1の外周に着色樹脂が塗布された光ファイバG2が作製される。
続いて、光ファイバG2は、例えばレーザ光式等の外径測定器13によって外径異常の測定が行われた後、検出器14によって外傷およびコブの有無が検出される。このようにして作製された光ファイバG2は、所定の線速で引き取られるとともに、予め設定された張力が加えられて巻取りボビン16に巻き取られる。
ところが、このような構成の着色装置1で光ファイバG2を作製していたところ、繰出しボビン15から着色ダイス11の間のパスラインにおいて白粉Pが発生した。発生した白粉Pは、光ファイバ素線G1に付着してパスラインを移動し、着色ダイス11の上方に配置されるガイドローラ19b部から着色ダイス11上に降り注ぎ、着色樹脂に混ざって光ファイバ素線G1の外周に塗布された。このため、塗布された白粉Pが光ファイバ素線G1の外周にコブとなって残り、巻き取られた光ファイバG2がコブ不良となる要因になっていた。
そして、この白粉Pの成分を分析したところ、白粉Pはガラスファイバの外周に塗布されているセカンダリ樹脂であることが判明した。つまり、この白粉Pは、光ファイバ素線G1がダンサローラ18等を通過する際に、例えば、ダンサローラ18の表面にこすれることにより削られて生じる被覆樹脂層の粉塵であることが分かった。また、セカンダリ樹脂の表面が削られることで、巻き取られた光ファイバG2に外傷が生じ外観不良の要因になっていることも分かった。
そこで、本発明者は、光ファイバ素線G1に形成されている被覆樹脂の削れやすさ(耐外傷性能)を新たな試験方法を用いて評価することで上記不具合を解決できることを見出した。
本実施形態に係る光ファイバの製造方法は、本発明者が見出した新たな試験方法を用いて評価を行って光ファイバを製造するものであり、以下、その試験方法を図2および図3を参照して説明する。
図2は、光ファイバ素線G1の被覆樹脂の耐外傷性能を評価する耐外傷試験装置の一例を示す。図3は、図2に示す耐外傷試験装置の外傷付与部を示す図である。
図2に示すように、耐外傷試験装置2は、光ファイバ素線G1をガイドするガイドローラ21a〜21dと、光ファイバ素線G1の被覆樹脂に外傷を付与する外傷付与部22と、巻き取られる光ファイバ素線G1の張力を調整する巻取りダンサ23と、を備えている。
光ファイバ素線G1は、繰出しボビン24から繰り出されるとともに、一定の線速で引き取られる。この速さは、着色装置1で光ファイバG2が引き取られる線速と同じであることが好ましい。光ファイバ素線G1は、ガイドローラ21a〜21dを介すとともに、巻取りダンサ23によって予め定められた張力が加えられて巻取りボビン25に巻き取られる。外傷付与部22は、例えば、ガイドローラ21cと21dとの間のパスラインに設けられている。ガイドローラ21a〜21dの外径は、着色装置1におけるダンサローラ18、ガイドローラ19a〜19cの外径(通常は、50mmから100mm程度)と同程度である。
外傷付与部22は、光ファイバ素線G1の被覆樹脂に外傷を付与するための棒材31を有している。棒材31は、例えば、金属棒、セラミック棒等で構成されており、光ファイバ素線G1の走行方向に対して棒材31の軸方向が垂直となるように配置されている。また、棒材31は、光ファイバ素線G1が棒材31の外周面に接触して走行する状態となる位置に配置されている。さらに、棒材31は、棒材31に接触した光ファイバ素線G1と棒材31との接触角θが所定の角度となる位置に配置されている。ここで、光ファイバ素線G1と棒材31との接触角θとは、棒材31がないときの光ファイバ素線G1の通常のパスラインL1と棒材31に接触した光ファイバ素線G1のパスラインL2とで形成される角度を意味する。光ファイバ素線G1の線速および上記接触角θの角度を変えることによって、被覆樹脂が削れて発生する粉塵の量が変化する。例えば実際の製品製造時の線速程度の線速として、接触角θを2〜3度程度に調整することで、発生する粉塵の量を実際の製品製造の評価に適した量に調整できる。
外傷付与部22は、例えば図3に示すように、マグネットベース22aから伸びる支柱22bに棒材31が固定用のテープ22cで固定された構成を有している。図3に示す棒材31は、例えば断面円形の金属棒である。棒材31の外径は、通常の着色装置のガイドローラ(例えば50mmから100mm程度)よりも小さくなるように、50mm以下とすることが好ましい。棒材31の表面の硬度は、光ファイバ素線G1の表面の硬度(被覆樹脂の硬度)よりも大きいものが好ましい。棒材31の表面は、例えば、僅かな凹凸を有し他物と接触する際に摩擦を発生させるような構造であることが好ましい。このため、棒材31は、例えばステンレスボルトを用いるようにしてもよい。
このような構成の耐外傷試験装置2において、光ファイバ素線G1の耐外傷試験および耐外傷性能の評価は、以下のようにして行われる。
(耐外傷試験)
外傷付与部22の棒材31に、光ファイバ素線G1を摺接させながら走行させる。光ファイバ素線G1の被覆樹脂の表面は、棒材31によって削られ、削られた樹脂が白粉(粉塵)となって発生する。発生した粉塵は、棒材31の表面に付着する。棒材31の表面に付着した粉塵の量、すなわち、発生した粉塵の量を測定する。耐外傷試験が行われる光ファイバ素線G1の被覆樹脂の硬化度は、例えば、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)によって予め測定しておく。耐外傷試験が行われた光ファイバ素線G1の被覆樹脂ごとに、測定された被覆樹脂の硬化度と発生した粉塵の量とを対応付けて記録する。
発生する粉塵の量の比較値として、基準となる光ファイバ素線(例えば、実際に量産されている光ファイバ素線(被覆樹脂))の耐外傷試験を行い、その粉塵の量を測定しておく。
(耐外傷性能の評価)
光ファイバ素線G1が棒材31に摺接することにより発生した粉塵の量に基づいて、光ファイバ素線G1の耐外傷性能を評価する。ここで、発生した粉塵の量とは、棒材31の表面に付着した粉塵の量を定量化したものとする。例えば棒材31をその長さ方向から観察したときに、発生した粉塵が棒材31の外周の半分を覆っている状態を「粉塵発生量100」として目視で定量化したものとする。耐外傷試験では、粉塵発生量が所定の量以下(例えば、20以下)である場合に、その光ファイバ素線の耐外傷性能は良好であると評価する。
このようにして得られた耐外傷性能の評価結果に基づいて、光ファイバ素線G1に形成される被覆樹脂の硬化度の目標値を決定する。例えば、耐外傷試験で得られた「被覆樹脂の硬化度と発生した粉塵の量との対応付け」を参照して硬化度の目標値を決定してもよい。目標とする硬化度は、例えば光ファイバ線引き直後の硬化度としてもよいが、次に述べるように、着色工程を行う直前の硬化度としてもよい。
また、耐外傷性能の評価結果に基づいて、光ファイバ線引きから光ファイバ素線G1に着色を行うまでの時間、すなわち、線引工程が終了してから次の着色工程において実際に着色処理が開始されるまでの時間を決定する。光ファイバ線引きから光ファイバ素線に着色を行うまでの時間が長いほど経時的な後硬化が進行して被覆樹脂の硬化度は高くなる。このため、光ファイバ線引きから光ファイバ素線G1に着色を行うまでの時間を決定することにより光ファイバ素線G1に着色処理を行う際の被覆樹脂の硬化度が決定されることになる。
以上詳述したように、本実施形態の光ファイバの製造方法は、光ファイバ素線G1の被覆樹脂に外傷を付与する外傷付与部22に、光ファイバ素線G1を摺接させながら走行させ、摺接によって発生する粉塵の量に基づいて、光ファイバ素線G1の耐外傷性能を評価する。そして、評価された耐外傷性能に基づいて、光ファイバ線引き時に被覆する樹脂の硬化度の目標値を決め、その目標値に基づいて光ファイバ素線G1を作製する。そして、この光ファイバ素線G1を着色する。
また、評価された耐外傷性能に基づいて、光ファイバ線引きから光ファイバ素線G1に着色を行うまでの時間を決めて光ファイバ素線G1を着色してもよい。
ところで、光ファイバの製造に際して、各種の製造条件を変更して線引工程を実施する場合がある。例えば、光ファイバ素線G1の被覆樹脂の原料の配合を変更した場合、光ファイバ線引き速度を変更した場合、照射する紫外線の量を変更した場合、などである。このように、各種の製造条件を変更して線引工程を実施した場合において、被覆樹脂の耐外傷性能が低下する可能性がある。このため、その被覆樹脂が光ファイバ素線G1の被覆樹脂として適切であるか否かを確認するために耐外傷性能の評価が必要になる。しかしながら、特許文献1の光ファイバの製造方法では、被覆樹脂の耐外傷性能を評価することができなかった。
これに対して、本実施形態に係る光ファイバの製造方法によれば、外傷付与部22に光ファイバ素線G1を摺接させることにより、発生した粉塵の量に基づいて光ファイバ素線G1の耐外傷性能を評価することができる。このように光ファイバ素線G1の耐外傷性能を評価して、予め光ファイバ線引き時に被覆する樹脂の硬化度の目標値を決めるので、この目標値に基づいて粉塵の発生量が少ない被覆樹脂や製造条件によって光ファイバ素線G1を作製することができる。これにより、光ファイバ素線G1の製造装置、製造条件等の変更を行った場合などにおいて、着色後の光ファイバ素線G1に粉塵が付着することを抑制できる。よって、製造される光ファイバG2(着色後の光ファイバ素線G1)の粉塵付着によるコブ不良や外観不良等を防止することができる。
また、本実施形態に係る光ファイバの製造方法によれば、被覆樹脂の耐外傷性能を評価する耐外傷試験装置2において、外傷付与部22の棒材31を光ファイバ素線G1の走行方向に対してその軸方向が垂直となるように配置している。被覆樹脂が棒材31に削られて発生する粉塵の量は、光ファイバ素線G1に棒材31を当てる角度によって大きく変化する。したがって、光ファイバ素線G1に対して棒材31を当てる角度を適正に調整することが可能であり、発生する粉塵の量を耐外傷性能を適正に評価するための粉塵の量に一致させることが容易である。
また、被覆樹脂の耐外傷性能を評価する耐外傷試験において、耐外傷性能を短期間で評価するためには、実際の製造よりも過酷な状況で外傷を付与する必要がある。このため例えば、外傷付与部22で使用される棒材31の外径を着色工程において使用されるローラーの外径より小さくし、棒材31の表面硬度を光ファイバ素線G1の表面硬度より大きくすることにより、短期間で評価することができる。
なお、上記本実施形態では、光ファイバ素線G1を着色する着色工程を実施する場合について述べたが、本発明は、素線分割工程など光ファイバ素線G1の被覆樹脂が削れる可能性がある他の製造工程を実施する場合にも適用できる。
次に、図2で示した耐外傷試験装置2を用いて行った耐外傷試験における試験結果の一例について説明する。
本耐外傷試験では、光ファイバ素線G1の巻取り張力を60cNとし、棒材31の外径は10mmとした。光ファイバ素線G1と棒材31との接触角θは3度とした。また、繰出しボビン24から巻取りボビン25に巻き替える光ファイバ素線G1の長さは6000mとした。そして、表1に示すように、線速等の条件を変えて基準光ファイバ素線と光ファイバ素線Aについて耐外傷試験を行った。基準光ファイバ素線には、実際に量産されており耐外傷性能に問題のない光ファイバ素線(被覆樹脂)を使用した。光ファイバ素線Aは、評価する樹脂を被覆した試験対象の光ファイバ素線である。「線速(m/分)」は、光ファイバ線引きの線速を表す。「硬化度(FT−IR)」は、光ファイバ線引き時に被覆する樹脂の硬化度を表しており、数値が小さいほど硬化度が高いことを意味する。「線引から着色までの日数」は、光ファイバ線引から本耐外傷試験が行われるまでに経過した日数を表す。「粉塵発生量」は、本耐外傷試験で発生した粉塵の量を表す。「評価」は、耐外傷性能の良否を表しており、基準光ファイバ素線の粉塵発生量20と比較して、20以下を「良」とした。
Figure 0006939659
光ファイバ素線A(1)〜(4)に示されるように、光ファイバ線引きにおける線速が遅いほど硬化度(FT−IR)の数値は小さく、被覆樹脂の硬化度が高くなっている。
線引から着色までの日数が1日である光ファイバ素線A(1)〜(3)の粉塵発生量を比較すると、線速が800m/分以下である光ファイバ素線A(2),(3)の粉塵発生量が20以下であり、線速が1250m/分である光ファイバ素線A(1)の粉塵発生量が20よりも大きくなっている。したがって、光ファイバ素線A(2),(3)の耐外傷性能の評価は「良」であり、光ファイバ素線A(1)の耐外傷性能の評価は「不良」である。このことから、線引から着色までの日数を1日とする場合、光ファイバ線引き時に被覆する樹脂の硬化度は、0.25を目標値とすることができる。その場合、例えば、光ファイバ線引きにおける線速を800m/分とすることで光ファイバ線引き時に被覆する樹脂の硬化度を0.25とすることが可能である。
光ファイバ線引きにおける線速が1250m/分で、被覆樹脂の硬化度が0.33である光ファイバ素線A(1),(4)の粉塵発生量を比較すると、線引から着色までの日数が7日である光ファイバ素線A(4)の粉塵発生量が20以下であり、日数が1日である光ファイバ素線A(1)の粉塵発生量が20よりも大きくなっている。したがって、光ファイバ素線A(4)の耐外傷性能の評価は「良」であり、光ファイバ素線(1)の耐外傷性能の評価は「不良」である。このことから、光ファイバ線引きにおける線速を1250m/分まで上げようとする場合、線引から着色までの日数を7日とすることで被覆樹脂の硬化度を経時的な後硬化の進行により高くすることができ、光ファイバ素線の耐外傷性能の評価を「良」とすることができる。一方、光ファイバ線引き時に被覆する樹脂の硬化度の目標値を0.33とする場合、線引から着色までの日数を7日とすることで被覆樹脂の硬化度を経時的な後硬化の進行により高くすることができ、光ファイバ素線の耐外傷性能の評価を「良」とすることができる。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
1:着色装置
2:耐外傷試験装置
11:着色ダイス
12:紫外線照射装置
18:ダンサローラ
21a〜21d:ガイドローラ
22:外傷付与部
31:棒材(金属棒)
θ:接触角
G1:光ファイバ素線
G2:光ファイバ

Claims (4)

  1. 樹脂で被覆された光ファイバ素線に外傷を付与する外傷付与部に、前記光ファイバ素線を摺接させながら走行させ、
    前記光ファイバ素線が前記外傷付与部に摺接することにより発生する粉塵の量に基づいて、前記光ファイバ素線の耐外傷性能を評価し、
    前記耐外傷性能に基づいて、光ファイバ線引き時に被覆する前記樹脂の硬化度の目標値を決め、
    前記目標値に基づいて光ファイバ素線を作製して、前記光ファイバ素線を着色する、光ファイバの製造方法。
  2. 前記耐外傷性能に基づいて、光ファイバ線引きから前記光ファイバ素線に着色を行うまでの時間を決める、
    請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 前記外傷付与部は、棒材を前記光ファイバ素線の走行方向に対してその軸方向が垂直となるように配置した構成である、
    請求項1または請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 前記棒材は、外径が50mm以下の断面円形の金属棒であり、表面の硬度が前記光ファイバ素線の表面硬度より大きい、
    請求項3に記載の光ファイバの製造方法。
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