JP2003206156A - 光ファイバ素線の製造方法、光ファイバ素線及び光ファイバ素線の製造装置 - Google Patents

光ファイバ素線の製造方法、光ファイバ素線及び光ファイバ素線の製造装置

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JP2003206156A
JP2003206156A JP2002081929A JP2002081929A JP2003206156A JP 2003206156 A JP2003206156 A JP 2003206156A JP 2002081929 A JP2002081929 A JP 2002081929A JP 2002081929 A JP2002081929 A JP 2002081929A JP 2003206156 A JP2003206156 A JP 2003206156A
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surface roughness
wire
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Koji Tsurusaki
幸司 鶴崎
Koichi Harada
光一 原田
Munehisa Fujimaki
宗久 藤巻
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Fujikura Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂表面の平滑性や着色インクの塗布性に優
れた光ファイバ素線を製造することが可能な光ファイバ
素線の製造方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 第2の硬化装置9で硬化された後の光フ
ァイバ素線10は、ターンプーリー11、引き取りプー
リー12a及び引き取りベルトラップ12b、ダンサー
プーリー13a、及びパスラインプーリー15とそれぞ
れ接触して巻き取り機14で巻き取られる。これらのプ
ーリー等を構成する固形物の表面粗さを0.8μm以下
とすることで、樹脂表面の平滑性や着色インクの塗布性
に優れた光ファイバ素線を製造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は品質の良好な光ファ
イバ素線を高速に製造することが可能な光ファイバ素線
の製造方法及び製造装置と、被覆材表面の平滑性に優れ
た光ファイバ素線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光ファイバ素線を製造するに
は、以下のような製法が採用されている。まず、光ファ
イバ母材を、約2000℃に加熱溶融しながら紡糸し、
得られた光ファイバ裸線を冷却装置を通過させて約10
0℃以下の温度にまで冷却する。ついで、樹脂塗布装置
にて紫外線硬化型、あるいは熱硬化型の樹脂を被覆し、
樹脂硬化装置にて前記樹脂を硬化させ、得られた光ファ
イバ素線をプーリーを経由させて、巻き取り装置により
巻き取る。ところで、近時、紡糸速度を高速化させて、
生産性を高めることが行われているが、紡糸速度を40
0m/min以上の高速とすると、線ブレ量が増加し、
樹脂塗布装置のニップルとの接触による強度低下や、被
覆層の厚みが偏ることによる側圧特性の低下などの問題
が生じる。この一因として、光ファイバ裸線や光ファイ
バ素線の冷却に必要な冷却ガスおよび樹脂硬化装置内の
パージガスの流量の増加にともない、前記ガスの流れに
より光ファイバ裸線や光ファイバ素線に振動が起こるた
めであるということが挙げられる。この他にも種々の要
因が考えられるが、本発明者は、その一つに、光ファイ
バ素線が最初に接触するプーリーなどの表面平滑性も関
与していることを見いだした。
【0003】特許第2863071号公報には、上記の
問題点を解決するために、光ファイバ裸線に被覆層を形
成して光ファイバ素線とし、これをプーリーなどの固形
物を経由して巻き取り装置に巻き取る光ファイバの製造
工程において、光ファイバ素線が最初に接触する固形物
の表面粗さを0.6μm以下とすることを特徴とする手法
が記載されている。その目的は、線ブレの低減と被覆材
の偏肉の改善であり、表面が滑らかな固形物を用いるこ
とにより、固形物表面の凹凸に起因する線ブレやゆらぎ
が抑制される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特許第286
3071号号公報に記載された発明は、線ブレの低減と
被覆材の偏肉の改善を目的とするものであり、光ファイ
バ素線表面の平滑性の向上を目的とするものではない。
また、同公報に記載されているのは、光ファイバの紡糸
工程において最初に接触する固形物の表面粗さについて
のみであって、それ以後に接触する固形物の表面粗さ
や、紡糸工程以外の、例えば光ファイバを巻き返す際に
光ファイバ素線が接触する固形物の表面粗さに関する記
載はない。また、同公報では、光ファイバ被覆材の表面
温度及びヤング率に関しては検討されていない。
【0005】光ファイバ素線の紡糸工程では、UVラン
プから出た後の光ファイバ素線は、被覆材の温度が常温
に比べて高くなっており、光ファイバ素線は巻き取り機
で巻き取られる前に、高温の状態で引き取り機やダンサ
ーなどの複数の固形物と接触する。一般に、引き取り
機、ダンサー、パスラインプーリー、巻き取り機には金
属材料が用いられている。例えば、鉄では材質にもよる
が6万MPaであり、ステンレスやアルミも同じオーダー
である。金属材料以外にもセラミックやエンジニアリン
グプラスチックもあるが、全て硬質であり、数万MPaの
オーダーである。光ファイバ素線の被覆材表面のヤング
率は数百MPa程度であるのに対し、これに接触する固形
物のヤング率は数万MPaであり、硬いものを柔らかいも
のに押し当てれば、柔らかい光ファイバ素線の被覆層に
跡が残るのは自明である。特に、光ファイバ素線の被覆
層の温度が高温である場合に、固形物との接触の影響を
受けやすい。このように、光ファイバ素線が接触する固
形物の表面の平滑性が乏しい場合、光ファイバ素線の表
面に微妙な凹凸が発生してしまう。
【0006】光ファイバ素線の表面に微少な凹凸がある
場合、外観上の不良として容易に判断され、商品価値を
著しく低下させてしまうという問題点がある。光ファイ
バ素線は、光ケーブルや光コード、テーブ心線化した場
合の心線識別のために、着色インクを塗布することが一
般に行なわれている。光ファイバ素線の表面に微少な凹
凸がある場合、この着色インクの塗布性にも問題が生じ
てしまう。本発明は、このような事情を考慮してなされ
たもので、光ファイバ素線紡糸中の被覆材温度及びヤン
グ率と光ファイバ素線に接触する固形物の表面粗さとの
関係について検討し、樹脂被覆表面の平滑性に起因する
外観不良や着色不良をなくすことができ、樹脂表面の平
滑性や着色インクの塗布性に優れた光ファイバ素線を製
造することが可能な光ファイバ素線の製造方法及び製造
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、光ファイバ裸線に被覆層
を形成して光ファイバ素線とし、この光ファイバ素線を
プーリーを経由して巻き取り機に巻き取る光ファイバ素
線の製造方法において、前記光ファイバ素線が接触する
固形物の表面粗さを0.8μm以下とすることを特徴と
する光ファイバ素線の製造方法である。これにより、光
ファイバ素線の被覆層の平滑性が向上し、表面の平滑性
や着色インクの塗布性に優れた光ファイバ素線を製造す
ることが可能な光ファイバ素線の製造方法を実現するこ
とができる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
ファイバの製造方法において、前記光ファイバ素線の被
覆材の温度が35℃以上の場合に、前記光ファイバ素線が
接触する前記固形物の表面粗さを0.8μm以下とする
ことを特徴とする。請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の光ファイバの製造方法において、前記光ファ
イバ素線の被覆材のヤング率が500MPa以下であると
きに、前記光ファイバ素線が接触する前記固形物の表面
粗さを0.8μm以下とすることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、光ファイバ素線の
被覆材温度が常温であるか、被覆材のヤング率が500M
Paを越えているときに、光ファイバ素線が接触する固
形物の表面粗さを1.2μm以下として紡糸しまたは巻き
返すことを特徴とする光ファイバ素線の製造方法であ
る。これにより、製造コストを抑え、かつ表面の平滑性
や着色インクの塗布性に優れた光ファイバ素線を製造す
ることが可能な光ファイバ素線の製造方法を実現するこ
とができる。請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4のいずれかに記載の光ファイバ素線であって、平均
表面粗さを0.2μm以下として着色不良率を低減した
ことを特徴とする光ファイバ素線である。請求項6記載
の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の光
ファイバ素線であって、平均表面粗さを0.15μm以
下として着色不良率を低減したことを特徴とする光ファ
イバ素線である。
【0010】請求項7記載の発明は、光ファイバ母材を
溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸炉と、溶融
紡糸された光ファイバ裸線を冷却する冷却装置と、冷却
された光ファイバ裸線に被覆層となる樹脂を塗布する樹
脂塗布装置と、この樹脂を硬化する硬化装置と、巻き取
り機へ光ファイバ素線を導くためにパスライン中に設け
られたプーリーとを有する光ファイバ素線の製造装置に
おいて、前記光ファイバ素線に接触する固形物の表面粗
さを0.8μm以下としたことを特徴とする光ファイバの
製造装置である。これにより、表面の平滑性や着色イン
クの塗布性に優れた光ファイバ素線を製造することが可
能な光ファイバ素線の製造装置を実現することができ
る。請求項8記載の発明は、光ファイバ素線の被覆材温
度が常温であるか、被覆材のヤング率が500MPaを越
えているときに、光ファイバ素線が接触するパスライン
を構成する固形物の表面粗さが1.2μm以下であること
を特徴とする光ファイバ素線の製造装置である。これに
より、製造コストを抑え、表面の平滑性や着色インクの
塗布性に優れた光ファイバ素線を製造することが可能な
光ファイバ素線の製造装置を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光ファイバ素線の製造装置の例を図1に示す。
図1中、符号1は光ファイバ母材であり、この光ファイ
バ母材1は紡糸炉2において溶融紡糸されて光ファイバ
裸線3が形成される。この光ファイバ裸線3は、外径測
定器4によってその外径が測定された後、冷却装置5に
送り込まれ、ここで冷却されて第1の樹脂塗布装置6に
送られる。第1の樹脂塗布装置6において、光ファイバ
裸線3に被覆層となる樹脂が塗布され、ついで第1の硬
化装置7にて前記樹脂が硬化されてプライマリ被覆層が
形成される。さらに、このプライマリ被覆層上に第2の
樹脂塗布装置8にて樹脂が塗布され、第2の硬化装置9
にてこの樹脂が硬化されてセカンダリ被覆層が形成され
る。このような工程により、光ファイバ素線10が製造
される。
【0012】一般に光ファイバ素線10の製造装置は縦
型になっているが、ターンプーリー11によって光ファ
イバ素線10は横向きに向きを変え、引き取り機12、
ダンサー13を通過した後、巻き取り機14によって巻
き取られる。引き取り機12は通常、定常速度で動作し
ているが、光ファイバ母材1の外径変動や光ファイバ素
線10の微妙な外径変動に対応するため、若干の線速変
動がある。この線速変動に対応するため、ダンサー13
によって光ファイバ素線10の貯蔵量を変更し、巻き取
り機14の線速もこれに追随するようになっている。さ
らに、引き取り機12、ダンサー13、巻き取り機14
には適切な光ファイバの入線位置や角度があり、それに
適したパスラインを形成するのにパスラインプーリー1
5が設けられている。
【0013】光ファイバ素線10の被覆材には、一部は
熱硬化型シリコン樹脂も用いられているが、一般的には
紫外線硬化型樹脂(UV樹脂)が用いられている。しか
も、外径125μmの光ファイバに、UV樹脂を2層コート
し、外径240μm〜250μmの光ファイバ素線として用いら
れるのが一般的である。2層コートの内層にはヤング率
が0.3〜1.2MPa程度のソフト層、外層にはヤング率が
600〜950MPa程度のハード層が用いられているのが一般
的である。なお、ここでのヤング率はすべて常温(23
℃)でのものであり、単位はメガパスカルである。UV樹
脂は、エポキシ=アクリレート、ブタジエン=アクリレ
ート、エステル=アクリレートなども用いられている
が、多くの場合ウレタン=アクリレート系のものが使用
されている。UV樹脂は、紫外線照射装置(UVランプ)に
て硬化反応が進行し、流動性液体から固体に変化する。
この硬化反応は発熱反応である場合がほとんどであるこ
と、UVランプからは紫外線だけでなく、可視光や赤外線
の波長域の光も発生していること等の理由から、硬化中
や硬化直後のUV樹脂の温度は高温になっている。樹脂の
種類や組成、あるいはUV照射量によって、その温度の程
度は異なるが、光ファイバの紡糸工程での通常の硬化の
場合は、120℃〜200℃くらいである。紡糸線速は、母材
サイズ、冷却能力、引き巻き取り機の能力、制御装置の
能力等によって適宜決められる。UVランプは、所望の硬
化度になるように、ランプ出力や灯数が適宜決められ
る。
【0014】図1に示すように、光ファイバ素線10
は、ターンプーリー11、引き取りプーリー12a及び
引き取りベルトラップ12b、ダンサープーリー13
a、パスラインプーリー15とそれぞれ接触しており、
これらのプーリー等は固形物からなっている。光ファイ
バ素線10の樹脂温度及びヤング率は、それぞれの接触
位置によって異なっている。本発明は、光ファイバ素線
10が接触する固形物の表面粗さを最適化して、樹脂表
面の平滑性や着色インクの塗布性に優れた光ファイバ素
線を製造することができる光ファイバ素線の製造方法及
び製造装置を実現するものであり、光ファイバ素線が接
触する固形物の表面粗さを0.8μm以下とすることが
好ましい。また、光ファイバ素線10の樹脂温度及びヤ
ング率と固形物の表面粗さとの関係を検討した結果、光
ファイバ素線の被覆材の温度が35℃以上の場合、または
光ファイバ素線の被覆材のヤング率が500MPa以下で
あるときに、光ファイバ素線が接触する固形物の表面粗
さを0.8μm以下とすることが好ましい。さらに、光
ファイバ素線10の被覆材が常温で固形物と接触する場
合もある。このように、ターンプーリーから巻き取りま
での区間を常温(もしくは常温付近)で走行させるため
の工夫として、例えばUVランプからターンプーリーま
での距離を十分に取ったり、その間に冷却筒をもうけ
る、といったことが考えられる。光ファイバ素線10の
セカンダリ被覆樹脂の温度が常温であり、またはセカン
ダリ被覆樹脂のヤング率が500MPaを十分越えた状態に
あるときは、光ファイバ素線10が接触する固形物の表
面粗さを1.2μm以下とすることが好ましい。このよ
うに固形物の表面粗さを設定する根拠については、実施
例において後述する。
【0015】なお、ここでの表面平滑性の定義は、JI
SーB0601によるもので、その測定には、光学式表
面粗さ計、接触式表面粗さ計が用いられる。このように
して、測定されたプーリーの表面の凹凸の値は、プーリ
ーの表面平滑性を示す指標として評価される。このよう
なプーリーの材質は、耐久性、機械的強度などに優れて
いるものであれば特に種類は限定されるものではない
が、金属、セラミック、硬質プラスチック、エンジニア
リングプラスチックなどが好ましい。さらに、プーリー
の表面には平滑性をもたせるため、ハードコート処理を
施すことが好ましい。これは、プーリーの表面を研磨し
た後、金属などの薄膜を形成させるものである。薄膜形
成法としては、クロムメッキなどのメッキ法や、CVD
法、無電解メッキ法など、金属薄膜を形成させるものが
好ましいが、特に限定されるものではない。また、コー
ティング材も、プーリーの大きさ、材質などによって、
任意のものを選択することができる。また、プーリーの
表面に平滑性をもたせるには、研磨のみ、あるいは、薄
膜形成のみであっても差し支えない。
【0016】以下、具体例を示す。 (実施例1)外径125μm、モードフィールド径(以下
「MFD」と略記する)9.2μm、カットオフ波長1.25μmの
シングルモード光ファイバ裸線に対して、ウレタン=ア
クリレート系紫外線硬化型樹脂を被覆材として光ファイ
バ素線を作製した。プライマリ被覆層の径を190μm、セ
カンダリ被覆層の径を245μmとした。紡糸線速は1500
m/minであり、UVランプ位置は図1に示す基準位置とし
た。UVランプ位置の基準位置とは、第2の硬化装置9
すなわちセカンダリ被覆層用UVランプの最下点の位置
が、図1に示す基準となる位置に配置されていることを
意味する。被覆材温度測定器は、帝人エンジニアリング
製の高速走行線状体温度測定器(商品名ノンタクト2)
を用いた。ターンプーリー11、引き取り機12、ダン
サー13、パスラインプーリー15、巻き取り機14な
ど、第2の硬化装置9通過後に接触する全ての固形物に
ついて、光ファイバ素線10との接触個所の表面粗さを
0.1μm以下とした。これらの固形物の材質は鉄製の表面
にハードクロムメッキを施したものである。また、引き
取り機12のベルトラップ12bには表面粗さ0.3μm
のウレタンゴム製のものを使用した。
【0017】(実施例2)紡糸線速を200m/min〜2000
m/minの範囲で変化させ、他の条件は実施例1と同様の
条件で光ファイバ素線を作製した。 (実施例3)第2の硬化装置9を基準位置から上下に移
動させ、他の条件は実施例1と同様の条件で光ファイバ
素線を作製した。
【0018】(比較例1)引き取り機12の引き取りプ
ーリー12aの表面にサンドブラスト処理(砂状の硬い
岩石を金属表面に高速で吹き付け、表面に凹凸をつける
処理)を行い、適宜表面研磨を施して表面粗さを変え、
他の条件は実施例1と同様の条件で光ファイバ素線を作
製した。 (比較例2)引き取り機12のベルトラップ12bにつ
いて、材質は同じで表面粗さを変え、他の条件は実施例
1と同様の条件で光ファイバ素線を作製した。 (比較例3)ダンサー13に用いられているダンサープ
ーリー13aについて、光ファイバ素線10と接触する
箇所の表面粗さを変え、他の条件は実施例1、2、3と
同様の条件で光ファイバ素線を作製した。 (比較例4)パスラインプーリー15について、光ファ
イバ素線10と接触する箇所の表面粗さを変え、他の条
件は実施例1、2、3と同様の条件で光ファイバ素線を
作製した。 (比較例5)パスラインプーリー15について、光ファ
イバ素線10と接触する箇所の表面粗さを2μmとし、
セカンダリ被覆層の材料の種類を変えたこと以外は、実
施例1と同様の条件で光ファイバ素線を作製した。実施
例1のセカンダリ被覆層の材料を樹脂Aとし、材質の異
なる樹脂B、C、D、Eの合計5種のセカンダリ被覆層材料
を使用した。
【0019】(試験例1)実施例1、2、3について、
走行している光ファイバ素線の被覆材温度を測定した。
なお、ここでの被覆材温度とは、セカンダリ被覆層の温
度を意味する。 (試験例2)作製された光ファイバ素線を同一形状の光
ファイバボビンに25kmずつ巻き、目視観察による外観
の判定を行なった。試験に用いた光ファイバ素線の本数
は、各条件につき100本とした。 (試験例3)各光ファイバ素線について1000km分を着
色し、色むら、色抜け等の着色不良の発生頻度を調査し
た。着色インクは、(株)関西ペイント製(型番KSU‐45
5)を使用した。 (試験例4)実施例1で作製された光ファイバ素線につい
て、常温(23℃)での巻き返し試験を行なった。ただ
し、巻き返しのパスライン中の1ヶ所に、表面粗さの異
なるパスラインプーリー15を設け、巻き返し後の光フ
ァイバ素線の外観観察を行なった。
【0020】以下に、上述した試験例の結果について説
明する。まず、試験例1の結果について説明する。実施
例1、2、3で作製された光ファイバ素線について、試
験例1の測定温度を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1において、測定箇所のNoは、図1にお
いて示した部位を記載したものである。表1中、UVラ
ンプ位置の基準位置とは、セカンダリ被覆用UVランプの
最下点の位置が、基準となる位置に配置されていること
を意味する。+方向は下方向に移動したもの、−方向は
上方向に移動したことを意味する。単位はm(メート
ル)であり、ランプ灯数や出力に変わりはない。なお、
ダンサープーリー13での被覆材温度、パスラインプー
リー15での被覆材温度というときには、着目するプー
リーの前後、すなわち、入線側と出線側の被覆材温度の
平均値を示している。
【0023】次に、試験例2、3の結果について説明す
る。実施例1、2、3と比較例1、2、3、4の光ファ
イバ素線について、試験例2、3の結果を図2〜7に示
す。図2は、実施例1と比較例1をまとめたものであ
る。実施例1では引き取りプーリー12aの表面粗さが
0.1μm以下(図2中では0.1μmの箇所に表示して
いる)であり、外観不良率と着色不良率はともにゼロで
あった。しかしながら、引き取りプーリー12aの表面
粗さを徐々に大きくしていくと、引き取りプーリー12
aの表面粗さが0.8μmを越えたあたりから外観不良率
と着色不良率の不良率が上昇していくことが判明した。
【0024】図3は、実施例1と比較例2をまとめたも
のである。実施例1では引き取りベルトラップ12bの
表面粗さが0.3μmであり、外観不良率と着色不良率はと
もにゼロであった。しかしながら、引き取りベルトラッ
プ12bの表面粗さを徐々に大きくしていくと、引き取
りベルトラップ12bの表面粗さが0.8μmを越えたあ
たりから両者の不良率が上昇していくことが判明した。
外観不良率と着色不良率は、共に光ファイバ素線の外観
上の不具合を示すものであって、同じような傾向を示し
ているのは当然の結果である。外観不良と判定されると
きの光ファイバ素線の表面粗さは0.8μm以上であ
り、着色不良と判定されるときの光ファイバ素線の表面
粗さは1.0μm以上である。不良率の絶対値としては
外観不良率の方が高く、細かな挙動をみるのには外観不
良率の方が適していると考えられるので、以降は外観不
良率のデータで説明する。
【0025】図4は、比較例3をまとめたものである。
紡糸線速が1000m/min以上と大きい場合には、
図2、3と同様に、ダンサープーリー13aの表面粗さ
が0.8μmを超えたあたりから外観不良率が上昇してい
くことがわかる。しかしながら、紡糸線速が200m/
minや500m/minのように遅い場合には、ダン
サープーリー13aの表面粗さが大きくても外観不良が
発生していない。これは、引き取りプーリー12aや引
き取りベルトラップ12bの表面粗さを変えた場合と異
なる挙動である。これと同じデータを、横軸を紡糸線速
にして書き直したのが図5である。ダンサープーリー1
3aの表面粗さが0.8μm以下の場合は、全ての紡糸線
速について外観不良が発生していないのは図2、3の結
果と同様である。着目すべき点は、ダンサープーリー1
3aの表面粗さによって、外観不良が発生する紡糸線速
が異なっていることである。紡糸線速が異なれば、パス
ラインを通過する際の被覆材温度が変化することは、表
1の結果から、既に判明している。よって、被覆材温度
と外観不良率との相関を明らかにすることによって両者
の因果関係を明確にすることができる。
【0026】図6は、比較例3をまとめたものであり、
紡糸線速やランプ位置を変えるとダンサープーリー13
aでの光ファイバ素線の被覆温度が変化するので、この
ダンサープーリー13aでの光ファイバ素線の被覆温度
を横軸にとって外観不良率を図示している。但し、簡略
化のために、表面粗さ3μm、1.5μm、1μmについて
は図示していない。ダンサープーリー13aの表面粗さ
が0.8μm以下で外観不良が発生していないのは上述し
た場合と同様であるが、被覆材温度が30℃から40℃の間
で、外観不良が発生し始めていることがわかる。引き取
りプーリー12aや引き取りベルトラップ12bの表面
粗さを変えた場合、このような被覆材温度依存性はみら
れていない。これは、表1に示すように、引き取り機1
2での被覆材温度は上記の温度より高いため、このよう
な温度依存性がみられなかったものと推定される。
【0027】図7は、比較例4をまとめたものである。
図6と同様に、簡略化のために、表面粗さ3μm、1.5
μm、1μmについては図示していない。図7において
も、パスラインプーリー15の表面粗さが0.8μm以
下では外観不良が発生していないのは上述した場合と同
様であるが、光ファイバ素線の被覆材温度が35℃を越え
たあたりから外観不良が発生し始めていることがわか
る。ヤング率は温度に依存することが知られている。被
覆材温度が上昇すればヤング率は低下するので、被覆材
が柔らかくなった状態で表面性の悪い固形物と接触する
と、光ファイバ素線の表面の平滑性は失われてしまうこ
とになる。逆に言うと、被覆材の温度が常温に近い状態
であれば、被覆材のヤング率は高い状態にあるので、表
面性の悪い固形物との接触があっても、光ファイバ素線
の表面の平滑性は失われないことになる。
【0028】図8は、比較例5をまとめたものである。
紡糸線速は1500m/min、パスラインプーリー15での表
面粗さは2μmであり、比較例5中での共通条件となって
いる。セカンダリ被覆樹脂として互いにヤング率の異な
る樹脂として、新たにB、C、D、Eの4種類の樹脂を用い
て光ファイバ素線を作製して比較している。その結果、
樹脂のヤング率が概ね500MPa以下で外観不良率が上
昇し始めている。よって、表面性の悪い固形物と接触さ
せても光ファイバ素線の表面の平滑性を失わないセカン
ダリ被覆樹脂のヤング率は、500MPa以上であるという
ことができる。
【0029】次に、試験例4について説明する。図9
は、試験例4をまとめたものである。巻き返し線速は180
0m/minであり、巻き返しのパスライン中の1ヶ所に、表
面粗さの異なるパスラインプーリー15を設けている。
温度は室温(23℃)で実施した。セカンダリ樹脂はA
のみを用いた。その結果、パスライン中のパスラインプ
ーリー15の表面粗さがおおむね1.2μm以上となるあ
たりから外観不良率が上昇し始めている。
【0030】常温(23℃)でのセカンダリ被覆樹脂(樹
脂A)のヤング率は750MPaである。光ファイバ素線10
が接触する固形物の表面粗さは、上述したように、常に
0.8μm以下が好ましい。しかしながら、表面性に優れ
たパスライン中のプーリー、ベルトラップなどの固形物
は、表面性の悪いものに比べて一般には高価である。従
って、すべての固形物の表面性を良くすると、製造コス
トの上では不利になる。よって、光ファイバ素線のセカ
ンダリ被覆樹脂の温度が常温であり、またはセカンダリ
被覆樹脂のヤング率が500MPaを十分越えた状態にある
ときは、光ファイバ素線10が接触する固形物の表面粗
さは、0.8μmを越えたものであっても、1.2μm以
下であれば良いと考えられる。なお、ここでいう常温と
は20℃から30℃の範囲内の温度をいう。
【0031】このようにして製造された光ファイバ素線
表面の平滑性は、レーザ顕微鏡を用いて評価できる。以
下に、その評価の調査結果について説明する。使用した
レーザ顕微鏡は、KEYENCE社製のVK−8510である。
図10に、外観検査において良品と判断された光ファイ
バ素線と、不良と判断された光ファイバ素線を軸方向に
対して90°ずつ回転させて、その平均表面粗さを表す
Ra値を測定した結果を示す。ここでの測定ピッチは
0.1μmとした。測定条件として、レーザ光のゲイン
調整は自動化し、光学ズームを4倍、スムージングを単
純8倍の設定とした。明るさの調整機構(ダークカット
処理、ブライトカット処理)は使用していない。外観検
査において良品と判断された光ファイバ素線について
は、2回測定を行ったが、いずれの場合も、Ra値は
0.1μm以下であった。これに対し、外観検査におい
て不良と判断された光ファイバ素線については、Ra値
が0.3μm程度となる場合があった。図11は、この
ようにして測定された平均表面粗さを表すRa値に対し
て、着色不良率がどのように変化するかを評価した結果
を示す。ここでは、平均表面粗さの異なる10km長の
光ファイバ素線100本について、その着色不良率の評
価を行った。図11からわかるように、Ra値が0.1
5μm以下のときは着色不良率はほとんど0%に近い値
を示し、Ra値が0.2μmを超えると急激に着色不良
率が増加している。このことから、着色不良率を低減す
るためには、Ra値を0.2μm以下とすることが好ま
しく、0.15μm以下とすることがより好ましい。
【0032】この例の光ファイバ素線の製造方法による
と、光ファイバ裸線3に被覆層を形成して光ファイバ素
線10とし、この光ファイバ素線10を固形物からなる
プーリーを経由して巻き取り機14に巻き取る光ファイ
バ素線の製法において、光ファイバ素線10が接触する
固形物の表面粗さを0.8μm以下とすることによっ
て、光ファイバ素線10の被覆層の平滑性が向上し、表
面の平滑性や着色インクの塗布性に優れた光ファイバ素
線10を製造することが可能な光ファイバ素線の製造方
法を実現することができる。
【0033】また、光ファイバ素線10の被覆材の温度
が35℃以上のときに、または光ファイバ素線10の被覆
材のヤング率が500MPa以下であるときに、光ファイ
バ素線10が接触する固形物の表面粗さを0.8μm以
下とすることにより、光ファイバ素線10の被覆層の平
滑性が向上し、表面の平滑性や着色インクの塗布性に優
れた光ファイバ素線10を製造することが可能な光ファ
イバ素線の製造方法を実現することができる。さらに、
光ファイバ素線10の被覆材温度が常温であるか、被覆
材のヤング率が500MPaを越えているときに、光ファ
イバ素線10が接触する固形物の表面粗さを1.2μm以
下として紡糸しまたは巻き返すことにより、製造コスト
を抑え、かつ表面の平滑性や着色インクの塗布性に優れ
た光ファイバ素線10を製造することが可能な光ファイ
バ素線の製造方法を実現することができる。また、この
例の光ファイバ素線によると、平均表面粗さを0.2μ
m以下とし、より好ましくは0.15μm以下とするこ
とにより、着色不良率を低減した光ファイバ素線を実現
することができる。
【0034】この例の光ファイバ素線の製造装置による
と、光ファイバ素線10に接触するプーリー等の固形物
の表面粗さを0.8μm以下とすることにより、表面の平
滑性や着色インクの塗布性に優れた光ファイバ素線10
を製造することが可能な光ファイバ素線の製造装置を実
現することができる。また、光ファイバ素線10の被覆
材温度が常温であるか、被覆材のヤング率が500MPa
を越えているときに、光ファイバ素線10が接触する固
形物の表面粗さを1.2μm以下とすることにより、製造
コストを抑え、かつ表面の平滑性や着色インクの塗布性
に優れた光ファイバ素線10を製造することが可能な光
ファイバ素線の製造装置を実現することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
光ファイバ裸線に被覆層を形成して光ファイバ素線と
し、この光ファイバ素線を固形物からなるプーリーを経
由して巻き取り機に巻き取る光ファイバ素線の製法にお
いて、光ファイバ素線が接触する固形物の表面粗さを
0.8μm以下とすることによって、光ファイバ素線の
被覆層の平滑性が向上し、表面の平滑性や着色インクの
塗布性に優れた光ファイバ素線を製造することが可能な
光ファイバ素線の製造方法を実現することができる。
【0036】また、光ファイバ素線の被覆材の温度が35
℃以上のときに、または光ファイバ素線の被覆材のヤン
グ率が500MPa以下であるときに、光ファイバ素線が
接触する固形物の表面粗さを0.8μm以下とすること
により、光ファイバ素線の被覆層の平滑性が向上し、表
面の平滑性や着色インクの塗布性に優れた光ファイバ素
線を製造することが可能な光ファイバ素線の製造方法を
実現することができる。さらに、光ファイバ素線の被覆
材温度が常温であるか、被覆材のヤング率が500MPa
を越えているときに、光ファイバ素線が接触する固形物
の表面粗さを1.2μm以下として紡糸しまたは巻き返す
ことにより、製造コストを抑え、かつ表面の平滑性や着
色インクの塗布性に優れた光ファイバ素線を製造するこ
とが可能な光ファイバ素線の製造方法を実現することが
できる。また、本発明によると、光ファイバ素線の平均
表面粗さを0.2μm以下とし、より好ましくは0.1
5μm以下とすることにより、着色不良率を低減した光
ファイバ素線を実現することができる。
【0037】また、本発明によると、光ファイバ素線に
接触する固形物の表面粗さを0.8μm以下とすることに
より、表面の平滑性や着色インクの塗布性に優れた光フ
ァイバ素線を製造することが可能な光ファイバ素線の製
造装置を実現することができる。また、光ファイバ素線
の被覆材温度が常温であるか、被覆材のヤング率が500
MPaを越えているときに、光ファイバ素線が接触する
固形物の表面粗さを1.2μm以下とすることにより、製
造コストを抑え、かつ表面の平滑性や着色インクの塗布
性に優れた光ファイバ素線を製造することが可能な光フ
ァイバ素線の製造装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ素線の製造装置の構成を示
す図である。
【図2】引き取りプーリーの表面粗さに対する光ファイ
バ素線の外観不良率と着色不良率を示す図である。
【図3】引き取りベルトラップの表面粗さに対する光フ
ァイバ素線の外観不良率と着色不良率を示す図である。
【図4】紡糸線速を変化させたときの、ダンサープーリ
ーの表面粗さに対する光ファイバ素線の外観不良率を示
す図である。
【図5】ダンサープーリーの表面粗さを変化させたとき
の、紡糸線速に対する光ファイバ素線の外観不良率を示
す図である。
【図6】ダンサープーリーの表面粗さを変化させたとき
の、ダンサープーリー位置での光ファイバ素線の被覆材
温度に対する光ファイバ素線の外観不良率を示す図であ
る。
【図7】パスラインプーリーの表面粗さを変化させたと
きの、パスラインプーリー位置での光ファイバ素線の被
覆材温度に対する光ファイバ素線の外観不良率を示す図
である。
【図8】パスラインプーリー位置での被覆材樹脂のヤン
グ率に対する光ファイバ素線の外観不良率を示す図であ
る。
【図9】巻き返し機パスラインプーリーの表面粗さに対
する光ファイバ素線の外観不良率を示す図である。
【図10】レーザ顕微鏡によって光ファイバ素線の表面
粗さを測定した結果を示す図である。
【図11】光ファイバ素線の表面粗さと着色不良率との
関係を示す図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ母材、2…紡糸炉、3…光ファイバ裸
線、4…外径測定器、5…冷却装置、6…第1の樹脂塗
布装置、7…第1の硬化装置、8…第2の樹脂塗布装
置、9…第2の硬化装置、10…光ファイバ素線、11
…ターンプーリー、12…引き取り機、13…ダンサ
ー、14…巻き取り機、15…パスラインプーリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤巻 宗久 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H050 BA03 BA13 BA18 BA24 BA32 BB15W BB33W 4G060 AA03 AC01 AC09 AC15 AD22 AD43 CB09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ裸線に被覆層を形成して光フ
    ァイバ素線とし、この光ファイバ素線をプーリーを経由
    して巻き取り機に巻き取る光ファイバ素線の製造方法に
    おいて、 前記光ファイバ素線が接触する固形物の表面粗さを0.
    8μm以下とすることを特徴とする光ファイバ素線の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバ素線の被覆材の温度が35
    ℃以上の場合に、前記光ファイバ素線が接触する前記固
    形物の表面粗さを0.8μm以下とすることを特徴とす
    る請求項1記載の光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバ素線の被覆材のヤング率
    が500MPa以下であるときに、前記光ファイバ素線が
    接触する前記固形物の表面粗さを0.8μm以下とする
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 光ファイバ裸線に被覆層を形成して光フ
    ァイバ素線とし、この光ファイバ素線をプーリーを経由
    して巻き取り機に巻き取る光ファイバ素線の製造方法に
    おいて、 前記光ファイバ素線の被覆材温度が常温であるか、被覆
    材のヤング率が500MPaを越えているときに、前記光
    ファイバ素線が接触する固形物の表面粗さを1.2μm以
    下として紡糸しまたは巻き返すことを特徴とする光ファ
    イバ素線の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光ファイバ素線であって、平均表面粗さを0.2μm
    以下として着色不良率を低減したことを特徴とする光フ
    ァイバ素線。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光ファイバ素線であって、平均表面粗さを0.15μ
    m以下として着色不良率を低減したことを特徴とする光
    ファイバ素線。
  7. 【請求項7】 光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイ
    バ裸線を形成する紡糸炉と、溶融紡糸された光ファイバ
    裸線を冷却する冷却装置と、冷却された光ファイバ裸線
    に被覆層となる樹脂を塗布する樹脂塗布装置と、この樹
    脂を硬化する硬化装置と、巻き取り機へ光ファイバ素線
    を導くためにパスライン中に設けられたプーリーとを有
    する光ファイバ素線の製造装置において、 前記光ファイバ素線に接触する固形物の表面粗さが0.8
    μm以下であることを特徴とする光ファイバの製造装
    置。
  8. 【請求項8】 光ファイバ母材を溶融紡糸して光ファイ
    バ裸線を形成する紡糸炉と、溶融紡糸された光ファイバ
    裸線を冷却する冷却装置と、冷却された光ファイバ裸線
    に被覆層となる樹脂を塗布する樹脂塗布装置と、この樹
    脂を硬化する硬化装置と、巻き取り機へ光ファイバ素線
    を導くためにパスライン中に設けられたプーリーとを有
    する光ファイバ素線の製造装置において、 前記光ファイバ素線の被覆材温度が常温であるか、被覆
    材のヤング率が500MPaを越えているときに、前記光
    ファイバ素線が接触する固形物の表面粗さが1.2μm以
    下であることを特徴とする光ファイバ素線の製造装置。
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