JP7375606B2 - 鋳造用ステンレス鋼部材およびその製造方法、並びに金属線の製造装置 - Google Patents

鋳造用ステンレス鋼部材およびその製造方法、並びに金属線の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋳造用ステンレス鋼部材およびその製造方法、並びに金属線の製造装置に関する。
金属線を製造する方法として、例えば、連続鋳造圧延法が知られている。この方法では、まず、溶解炉において、金属を溶融させて金属の溶湯を生成する。次に、金属の溶湯をタンディッシュに移送し、タンディッシュ内の溶湯をノズルから連続鋳造機に流出させる。このとき、流出させる溶湯の流量を流量調整ピンによって調整する。次に、連続鋳造機により、金属の溶湯を冷却・固化することで鋳造材(鋳造バー)を形成する。その後、鋳造材を圧延することで金属線を製造する(例えば、特許文献1)。
流量調整ピンの形成材料としては、一般的にステンレス鋼が用いられている。流量調整ピンは溶湯との接触により溶損しやすいことから、母材表面に酸化膜が設けられたステンレス鋼が用いられている(例えば特許文献2を参照)。
特許第3552043号 特開昭63-86826号公報
しかしながら、リン(P)を含む銅溶湯では、上述した酸化膜が溶解しやすく、母材であるステンレス鋼が溶解することで、流量調整ピンが溶損してしまうことがある。
本発明は、リン(P)を含む銅溶湯を連続的に鋳造して金属線を製造する際に、該銅溶湯との接触によるステンレス鋼の溶損を抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、
Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材と、
前記母材の表面に設けられ、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜と、
前記膜の表面に設けられた酸化膜と、を備える、
鋳造用ステンレス鋼部材である。
本発明の第2の態様によれば、
Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材を800℃~1100℃で加熱する工程を有し、
前記母材の加熱により、前記母材の表面に、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜および酸化膜が形成される、鋳造用ステンレス鋼部材の製造方法である。
本発明の第3の態様によれば、
金属の溶湯を連続的に鋳造して金属線を製造する金属線の製造装置であって、
前記金属の溶湯を貯留するタンディッシュと、
前記タンディッシュに接続され、前記タンディッシュから前記溶湯を流出させるためのノズルと、
前記ノズル側に突出するように設けられ、前記タンディッシュから前記ノズルを介して前記溶湯を流出させるときの流量を調整する流量調整ピンと、を備え、
前記流量調整ピンは、鋳造用ステンレス鋼部材からなり、
前記鋳造用ステンレス鋼部材は、Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材と、前記母材の表面に設けられ、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜と、前記膜の表面に設けられた酸化膜と、を備える、
金属線の製造装置である。
本発明によれば、リン(P)を含む銅溶湯を連続的に鋳造して金属線を製造する際に、該銅溶湯との接触によるステンレス鋼の溶損を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属線の製造装置を示す概略構成図である。 図2は、タンディッシュを拡大した概略断面図である。 図3は、実施例1の試験サンプルについて溶損試験後の断面をEDAX分析したときの結果を示す。 図4は、実施例1の試験サンプルについて溶損試験後の断面のSEM写真を示す。 図5は、実施例2の試験サンプルについて溶損試験後の断面のSEM写真を示す。 図6は、実施例3の試験サンプルについて溶損試験後の断面のSEM写真を示す。 図7は、実施例4の試験サンプルについて溶損試験後の断面のSEM写真を示す。 図8は、実施例5の試験サンプルについて溶損試験後の断面のSEM写真を示す。 図9は、比較例1の試験サンプルについて溶損試験後の断面のSEM写真を示す。 図10は、比較例2の試験サンプルについて溶損試験後の断面のSEM写真を示す。
<本発明者らの知見>
本発明者らは、ステンレス鋼の母材表面に接して酸化膜が設けられた鋳造用ステンレス鋼部材を流量調整ピンに適用した場合でも、リン(P)を含む銅溶湯では酸化膜が溶解し、流量調整ピンが溶損してしまう(耐溶損性が低い)ことから、母材であるステンレス鋼の組成等について検討を行った。その検討過程において、本発明者らは、ある特定の組成を有するステンレス鋼(母材)に加熱処理を施すことにより、母材の表面の酸化膜と母材との間に、これらとは組成の異なる膜を形成することができ、これらの膜が母材の表面に形成された鋳造用ステンレス鋼部材によってPを含む銅溶湯に対する溶損性を向上できることを見出した。
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(1)鋳造用ステンレス鋼部材
まず、流量調整ピンに適用される鋳造用ステンレス鋼部材について説明する。
本実施形態の鋳造用ステンレス鋼部材は、Cr(クロム)含有量が11質量%~40質量%、Ni(ニッケル)含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材と、母材の表面に設けられ、Cr含有量が母材よりも少なく、Ni含有量が母材以上であるクロム・ニッケル系の膜と、該膜の表面に設けられる酸化膜と、備えて構成される。母材の表面に設けられた膜および酸化膜は、母材の加熱処理の際に形成される膜である。
母材を構成するステンレス鋼は、Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%のオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、もしくは、Cr含有量が12質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~12質量%のフェライト系ステンレス鋼である。これらの組成を有するステンレス鋼によれば、加熱処理を施したときに、クロム酸化膜と母材との間にクロム・ニッケル系の中間膜を形成することができる。
酸化膜は、母材を加熱処理したときに母材の最表面に形成される。酸化膜は、母材に含まれるCrが表面に拡散して形成され、主に酸化クロム(Cr)を含むクロム酸化膜である。なお、クロム酸化膜の厚さは特に限定されないが、例えば1μm~2μmであるとよい。なお、クロム酸化膜の厚さは、例えば、鋳造用ステンレス鋼部材の長手方向に沿った断面、又は該断面に直交する断面を、電子顕微鏡によってクロム酸化膜が含まれるような倍率で観察して得られる。
中間膜は、母材を加熱処理したときに母材と酸化膜との間に形成される膜である。上述したように、加熱処理の際、Crが母材内部から表面へと拡散することになる。Crが拡散する過程で、母材の最表面ではCrがリッチとなり、クロム酸化膜が形成される。一方、クロム酸化膜の直下の領域ではCrが少なくなり、母材のステンレス鋼がオーステナイト化することになる。この結果、クロム酸化膜と母材の間に、これらとは組成の異なる中間膜が形成される。中間膜は、耐溶損性に寄与する。具体的には、本実施形態の鋳造用ステンレス鋼部材が銅溶湯と接触したときに、酸化膜と中間膜との密着性が高いため、酸化膜と中間膜との界面において、酸化膜が溶解せずに残存しやすくなる。その結果、本実施形態の鋳造用ステンレス鋼部材は、リン(P)を含む銅溶湯との接触による母材の溶解を抑制することができる。
中間膜におけるCr含有量は、Crがクロム酸化膜へ拡散しているため、母材よりも少なくなる。また、Ni含有量は、Crが少なくなることで母材よりも多くなる傾向があり、母材以上である。また、中間膜におけるCr含有量は10質量%~30質量%、Ni含有量は10質量%~20質量%であることが好ましい。なお、中間膜は、その残部にFe、Cr、Ni以外のその他の元素を含んでいてもよい。また、各元素の含有量は、中間膜の厚さ方向における含有量の実測値を平均した値を示す。
中間膜は加熱処理によるCrの熱拡散で形成されるため、中間膜における結晶粒径は、母材を構成するステンレス鋼の結晶粒径よりも小さくなる。具体的には、中間膜における平均結晶粒径は100μm以下であることが好ましい。
中間膜の厚さは、特に限定されないが、所望の耐溶損性を得る観点からは2μm~10μmであることが好ましい。後述の実施例でも示すように、中間膜が剥がれて母材が銅溶湯と接触した場合でも、母材の表面に中間膜が再生するので、その厚さは薄くてもよいが、中間膜は上記厚さを有することで耐溶損性を安定して発現させることができる。
(2)鋳造用ステンレス鋼部材の製造方法
まず、Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材を準備する。
母材の形状は特に限定されず、適用する部材の形状に応じて適宜変更するとよい。例えば、流量調整ピンの先端部であれば、母材を円錐形状とするとよい。
続いて、母材を加熱する。加熱温度は特に限定されないが、Crの熱拡散を促す観点からは800℃~1100℃とするとよい。これにより、母材に含まれるCrの熱拡散を促し、最表面に酸化膜を形成するとともに、酸化膜と母材の間に、母材がオーステナイト化された中間膜を形成する。なお、母材の加熱は、大気雰囲気、又は不活性雰囲気で行うとよい。
加熱時間は、特に限定されないが、中間膜の厚さを2μm~10μmの範囲に形成する観点からは、例えば1時間~6時間とするとよい。
以上により、本実施形態の鋳造用ステンレス鋼部材を得る。鋳造用ステンレス鋼部材は、母材の表面にクロム・ニッケル系の膜からなる中間膜およびクロム酸化膜がこの順に積層されて構成される。
(3)金属線の製造装置
続いて、上述した鋳造用ステンレス鋼部材からなる流量調整ピンを備える金属線の製造装置について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る金属線の製造装置を示す概略構成図である。
なお、以下において、「金属線」とは、荒引線や荒引線を伸線加工して得られたものを含む総称として用いられる。
図1に示すように、本実施形態に係る金属線の製造装置10は、連続鋳造圧延によって金属線を製造するための、いわゆる連続鋳造圧延装置(SCR:Southwire Continuous Rodsystem)として構成され、例えば、溶解炉210と、上樋220と、保持炉230と、添加手段240と、下樋260と、タンディッシュ300と、連続鋳造機500と、連続圧延装置620と、コイラー640と、を有している。
溶解炉210は、金属の母材を加熱して溶融させ、金属の溶湯110を生成するよう構成され、例えば、炉本体(図示略)と、炉本体の下部に設けられるバーナー(図示略)と、を有している。金属の母材が炉本体に投入され、バーナーで加熱されることで、金属の溶湯110が連続的に生成される。投入される母材としての金属は、例えば、電気銅(Cu)等である。
上樋220は、溶解炉210の下流側に設けられ、溶解炉210と保持炉230との間を連結し、溶解炉210で生成された金属の溶湯110を下流側の保持炉230に移送するよう構成されている。
保持炉230は、上樋220の下流側に設けられ、上樋220から移送される金属の溶湯110を所定の温度で加熱して(一時的に)貯留するよう構成されている。また、保持炉230は、溶湯110を所定の温度に保持したまま、所定量の溶湯110を下樋260に移送するよう構成されている。
保持炉230には、添加手段240が設けられている。添加手段240は、保持炉230内の金属の溶湯110に対して、所定の金属元素を連続的に添加するよう構成されている。添加される金属元素は、例えば、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、錫(Sn)、インジウム(In)、マンガン(Mn)、銀(Ag)等である。
下樋260は、保持炉230の下流側に設けられ、保持炉230から移送される金属の溶湯110を下流側のタンディッシュ300に移送するよう構成されている。
タンディッシュ300は、下樋260の下流側に設けられ、下樋260から移送される金属の溶湯110を(一時的に)貯留し、連続鋳造機500に対して所定量の金属の溶湯110を連続的に供給するよう構成されている。タンディッシュ300では、貯留された溶湯110中に存在する不要な酸化物を除去するため、溶湯110へリン(P)が添加される。タンディッシュ300における溶湯110の流量調整機構については、詳細を後述する。
連続鋳造機500は、いわゆるベルトホイール式の連続鋳造を行うよう構成され、例えば、ホイール(またはリング)510と、ベルト520と、を有している。円筒状のホイール510は、外周に溝部を有している。また、ベルト520は、ホイール510の外周面の一部に接触しながら周回移動するよう構成されている。ホイール510の溝部とベルト520との間に形成される空間に、タンディッシュ300から流出される金属の溶湯110が注入される。また、ホイール510およびベルト520は、例えば冷却水により冷却されている。これにより、金属の溶湯110が冷却・固化(凝固)されて、棒状の鋳造材120が連続的に鋳造される。
連続圧延装置620は、連続鋳造機500の下流側(鋳造材排出側)に設けられ、連続鋳造機500から移送される鋳造材120を連続的に圧延するよう構成されている。鋳造材120が圧延されることで、所定の外径を有する荒引線としての金属線130が成形加工される。
コイラー640は、連続圧延装置620の下流側(金属線排出側)に設けられ、連続圧延装置620から移送される金属線130を巻き取るよう構成されている。
(流量調整機構)
次に、図2を用い、タンディッシュ300における溶湯110の流量調整機構について説明する。図2は、タンディッシュを拡大した概略断面図である。
図2に示すように、タンディッシュ300は、上述のように、(一時的に)金属の溶湯110を貯留するよう構成されている。タンディッシュ300の底部には、ノズル(浸漬ノズル、または鋳造ノズル)320が接続されている。金属の溶湯110は、タンディッシュ300からノズル320を介して連続鋳造機500に流出する。
なお、ノズル320は、例えば、上記した連続鋳造機500のホイール510の外周の接線方向に沿うように、鉛直方向に対して傾斜して設けられている。これにより、ホイール510の鉛直上側の外周に対して、金属の溶湯110を滑らかに流し込むことができ、金属の溶湯110がホイール510の外周を周回する距離を長くすることができる。その結果、金属の溶湯110を固化する時間を十分に確保することが可能となる。
一方、タンディッシュ300の上部には、蓋部340が設けられている。タンディッシュ300が蓋部340によって塞がれていることにより、タンディッシュ300内の金属の溶湯110が大気中の酸素に触れることが抑制されている。蓋部340には、その一部に、リン(P)をタンディッシュ300の内部に投入する投入部が設けられている。リン(P)は、投入部からタンディッシュ300内に貯留される溶湯110に対して投入される。投入されたリン(P)は、溶湯110中に存在する不要な酸化物を取り除くように機能する。リン(P)によって溶湯110中に存在する不要な酸化物を取り除くことにより、特に、流量調整ピン400の先端部420とノズル320との間の流路内において、溶湯110中の酸化物が堆積してしまうことを抑制することができる。該流路内における酸化物の堆積を抑制することにより、ノズル320の閉塞が発生しにくくなるため、ノズル320へ流出される溶湯110の流量を安定して調整することができる。なお、リン(P)の投入量は、酸化物が流路内に堆積することを抑制できる程度の量に調整される。
図2に示すように、タンディッシュ300内には、蓋部340の開口からノズル320に向けて、流量調整ピン400が挿入されている。流量調整ピン400は、タンディッシュ300からノズル320を介して連続鋳造機500に金属の溶湯110を流出させるときの流量を調整するよう配置されている。
具体的には、流量調整ピン400は、溶湯110に浸漬されてノズル320側に突出するように配置される。流量調整ピン400のノズル320側の先端(先端部420)とノズル320との間に形成される流路から、金属の溶湯110が流出するようになっている。流量調整ピン400には、流量調整ピン400を昇降させる昇降機構(図示略)が設けられ、この昇降機構により、流量調整ピン400の先端部420とノズル320との間の流路を開閉することで、金属の溶湯110の流量を調整できるようになっている。
流量調整ピン400は、例えば、先端部420と、先端部420に接続される本体部460と、を備えて構成される。先端部420は、ノズル320側に突出することで、ノズル320との間に流路を形成するよう構成されている。例えば、先端部420は、円錐状に構成され、先端部420の頂点は、ノズル320側に向けられている。
流量調整ピン400においては、本体部460よりも先端部420が溶解しやすいので流量調整ピン400の耐溶損性の観点からは、少なくとも先端部420を上述の鋳造用ステンレス鋼部材で形成するとよい。好ましくは、本体部460も上述した鋳造用ステンレス鋼部材から形成されることが好ましい。
流量調整ピン400がリン(P)を含む溶湯110に浸漬されている間、流量調整ピン400を構成する鋳造用ステンレス鋼部材は、クロム酸化膜と中間膜との密着性が高いため、リン(P)を含む溶湯110に接触する最表面のクロム酸化膜が中間膜との界面で溶解しにくくなる。これにより、母材の表面に形成されたクロム酸化物および中間膜は、長時間にわたってリン(P)を含む溶湯110から母材を保護する機能を果たすことができる。その結果、リン(P)を含む溶湯110による母材の溶損が抑制される。
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態では、Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材を加熱処理することにより、表面にクロム酸化膜を形成するとともに、母材よりもCr含有量が少なく、かつNi含有量が母材以上であるクロム・ニッケル系の膜からなる中間膜をクロム酸化膜と母材との間に形成している。このような中間膜を備えるステンレス鋼部材によれば、Pを含む銅溶湯と接触したときに、クロム酸化膜と中間膜との密着性が高いため、クロム酸化膜と中間膜との界面において、クロム酸化膜が溶けにくくなる。これにより、銅溶湯による母材の溶解を抑制することができる。つまり、銅溶湯による溶損を低減することができる。
中間膜の厚さは2μm~10μmとすることが好ましい。このような厚さに中間膜を形成することにより、鋳造用ステンレス鋼部材の耐溶損性をより安定して発現させることができる。
本実施形態の鋳造用ステンレス鋼部材によれば、流量調整ピン400に適用した場合に、その溶損を長時間にわたって抑制することができる。そのため、鋳造用ステンレス鋼部材に由来する成分が銅溶湯へ混入することで、製造された金属線の品質が低下することを抑制することができる。例えば、鋳造用ステンレス鋼部材に由来する異物が混入した銅溶湯で製造された金属線では、断線が生じやすくなることがあるが、本実施形態の鋳造用ステンレス鋼部材では、異物が混入することを抑制することができるため、断線の頻度を低減することができる。
なお、上述の本実施形態では、鋳造用ステンレス鋼部材を流量調整ピンに適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、銅溶湯に接触する他の部材に適用することもできる。例えば、本実施形態の鋳造用ステンレス鋼部材は、センサを内部に挿入するための孔を有する管状部材、銅溶湯を貯めて保持しておく保持炉と溶解炉とをつなぐための通路などにも適用することができる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
実施例1では、母材として、Fe-30質量%Cr-9質量%Niのオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼からなる円柱状の試験サンプル(直径10mm、長さ950mm)を準備した。続いて、この試験サンプルに大気雰囲気中において温度900℃、4時間の条件で加熱処理を施し、母材の表面にクロム酸化膜およびクロム・ニッケル系の膜からなる中間膜が形成された、実施例1の鋳造用ステンレス鋼部材を作製した。
実施例1の試験サンプルの耐溶損性を以下の方法により評価した。具体的には、実施例1の試験サンプルの一端を、酸素濃度が300ppmである銅溶湯(いわゆるタフピッチ銅)に浸漬させ、回転速度200rpmで回転させた。そして、この銅溶湯にリン銅地金を添加し、銅溶湯中でPを形成させて、さらに30分間回転させた。その後、試験サンプルを銅溶湯から引き上げた。そして、溶損試験後の試験サンプルの断面をSEMにより画像解析した。また、その断面についてEDAXにより成分分析を行った。なお、リン銅地金(リンが15質量%含有の銅合金)は、銅溶湯2.4kgに対して10gとなる添加量で添加した。
図3は、実施例1の試験サンプルについて溶損試験後の断面をEDAX分析したときの結果を示す。図3中、横軸は表面からの深さ[μm]を、縦軸は元素濃度[質量%]をそれぞれ示す。図4は、実施例1の試験サンプルについて溶損試験後の断面のSEM写真を示す。
図3および図4に示すように、実施例1の試験サンプルでは、表面に存在するクロム酸化膜が中間膜の表面に残存している状態になっていることが確認された。クロム酸化膜の代わりに、Cr含有量が母材の30質量%よりも少なく、10質量%~20質量%であり、Ni含有量が母材の9質量%よりも多く、10質量%~20質量%である中間膜が母材の表面(クロム酸化物と母材との間)に存在することが確認された。中間膜の厚さは約5μmであった。また、その表面には、母材の溶損にともなって生成する鉄系酸化物が存在していないことが確認された。つまり、実施例1の試験サンプルでは、母材の溶損が少なく、耐溶損性に優れていることが確認された。なお、図4において、Aがクロム酸化膜、Bが中間膜、Cが母材に対応する。
(実施例2~5)
実施例2~5では、母材の成分組成を変更した以外は実施例1と同様に試験サンプルを作製し、評価を行った。具体的には、母材を、実施例2ではFe-30質量%Cr-20質量%Niのオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、実施例3ではFe-30質量%Cr-14質量%Niのオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、実施例4ではFe-20質量%Cr-5質量%Niのオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼、実施例5ではFe-30質量%Cr-5質量%Niのフェライト系ステンレス鋼にそれぞれ変更した。実施例2~5の各試験サンプルについて断面のSEM写真を図5~8に示す。図5~8では、上部が表面側で下部が母材で白線で示される領域が中間膜を示す。
実施例2~5は、実施例1と同様、中間膜が母材の表面に存在していた。また、母材の溶損にともなう鉄系酸化物の生成も確認されず、母材の溶損が少なく、耐溶損性に優れていることが確認された。
(比較例1、2)
比較例1では、母材として、Fe-25質量%Cr-20質量%Niのオーステナイト系ステンレス鋼からなる円柱状の試験サンプルを用いて、加熱処理を施さない以外は、実施例1と同様に溶損試験を行い、耐溶損性を評価した。また、比較例2では、母材を、Fe-25質量%Crのフェライト系ステンレス鋼からなる円柱状の試験サンプルを用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。各比較例での断面のSEM写真を図9、図10に示す。
比較例1および2では、図9、10に示すように、表面にクロム酸化膜および中間膜がなく、鉄系酸化膜が形成されていることが確認された。鉄系酸化膜が形成されていることから、母材が溶損していることが分かった。
実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1の試験サンプルで表面に存在する中間膜は耐溶損性を示すのに対して、比較例1の試験サンプルは、オーステナイト系ステンレス鋼で構成されるにもかかわらず、耐溶損性を示さない。このことから、本実施形態に係る実施例1~5の鋳造用ステンレス鋼部材では、フェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材の表面にクロム・ニッケル系の膜からなる中間膜が積層され、かつ、該中間膜の表面にクロム酸化膜が積層された積層構造により、Pを含む銅溶湯への耐溶損性を実現できるものと推測される。
以上のように、本実施形態の鋳造用ステンレス鋼部材によれば、所定の組成を有するオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼もしくはフェライト系ステンレス鋼から形成される母材を加熱処理することにより、クロム酸化膜と母材との間にクロム・ニッケル系の膜からなる中間膜が形成され、該形成された中間膜により、Pを含む銅溶湯に対して高い耐溶損性を得ることができる。
<本開示の好ましい態様>
以下、本開示の好ましい態様を付記する。
(付記1)
Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材と、
前記母材の表面に設けられ、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜と、
前記膜の表面に設けられた酸化膜と、を備える、
鋳造用ステンレス鋼部材である。
(付記2)
付記1において、好ましくは、
前記酸化膜は、クロム酸化膜である。
(付記3)
付記1又は2において、好ましくは、
前記膜は、Cr含有量が10質量%~30質量%、Ni含有量が10質量%~20質量%である。
(付記4)
付記1~3のいずれかにおいて、好ましくは、
前記膜の膜厚が2μm~10μmである。
(付記5)
付記1~4のいずれかにおいて、好ましくは、
Pを含む銅溶湯中で用いられる。
(付記6)
Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材を800℃~1100℃で加熱する工程を有し、
前記母材の加熱により、前記母材の表面に、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜および酸化膜が形成される、鋳造用ステンレス鋼部材の製造方法である。
(付記7)
金属の溶湯を連続的に鋳造して金属線を製造する金属線の製造装置であって、
前記金属の溶湯を貯留するタンディッシュと、
前記タンディッシュに接続され、前記タンディッシュから前記溶湯を流出させるためのノズルと、
前記ノズル側に突出するように設けられ、前記タンディッシュから前記ノズルを介して前記溶湯を流出させるときの流量を調整する流量調整ピンと、を備え、
前記流量調整ピンは、鋳造用ステンレス鋼部材からなり、
前記鋳造用ステンレス鋼部材は、Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成される母材と、前記母材の表面に設けられ、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜と、前記膜の表面に設けられた酸化膜と、を備える、
金属線の製造装置である。
10 金属線の製造装置
110 溶湯
120 鋳造材
130 金属線
210 溶解炉
220 上樋
230 保持炉
240 添加手段
260 下樋
300 タンディッシュ
320 ノズル
340 蓋部
400 流量調整ピン
420 先端部
460 本体部
500 連続鋳造機
510 ホイール
520 ベルト
620 連続圧延装置
640 コイラー

Claims (7)

  1. Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成されるFe-Cr-Ni3元合金の母材と、
    前記母材の表面に設けられ、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜と、
    前記膜の表面に設けられた酸化膜と、を備える、
    鋳造用ステンレス鋼部材。
  2. 前記酸化膜は、クロム酸化膜である、
    請求項1に記載の鋳造用ステンレス鋼部材。
  3. 前記膜は、Cr含有量が10質量%~30質量%、Ni含有量が10質量%~20質量%である、
    請求項1又は2に記載の鋳造用ステンレス鋼部材。
  4. 前記膜の膜厚が2μm~10μmである、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の鋳造用ステンレス鋼部材。
  5. Pを含む銅溶湯中で用いられる、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の鋳造用ステンレス鋼部材。
  6. Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成されるFe-Cr-Ni3元合金の母材を800℃~1100℃で加熱する工程を有し、
    前記母材の加熱により、前記母材の表面に、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜および酸化膜が形成される、鋳造用ステンレス鋼部材の製造方法。
  7. 金属の溶湯を連続的に鋳造して金属線を製造する金属線の製造装置であって、
    前記金属の溶湯を貯留するタンディッシュと、
    前記タンディッシュに接続され、前記タンディッシュから前記溶湯を流出させるためのノズルと、
    前記ノズル側に突出するように設けられ、前記タンディッシュから前記ノズルを介して前記溶湯を流出させるときの流量を調整する流量調整ピンと、を備え、
    前記流量調整ピンは、鋳造用ステンレス鋼部材からなり、
    前記鋳造用ステンレス鋼部材は、Cr含有量が11質量%~40質量%、Ni含有量が1質量%~20質量%であるフェライト系ステンレス鋼またはオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼から形成されるFe-Cr-Ni3元合金の母材と、前記母材の表面に設けられ、Cr含有量が前記母材よりも少なく、Ni含有量が前記母材以上である膜と、前記膜の表面に設けられた酸化膜と、を備える、
    金属線の製造装置。
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