JP3474451B2 - 極軟鋼連続鋳造ビレットの製造方法 - Google Patents
極軟鋼連続鋳造ビレットの製造方法Info
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Description
ッシュから連続鋳造鋳型への溶鋼注入時に浸漬ノズルを
用いないオープン注入を行う極軟鋼連続鋳造ビレットの
製造方法に関するものである。
鋼は、転炉等で精錬を完了した後、主に連続鋳造法にて
ビレットに鋳造される。精錬完了時に溶鋼中に含まれる
フリー酸素は、鋳造に先立って脱酸材を投入して酸化物
として除去する。極軟鋼においては、Cが0.08%以
下と低いため、転炉精錬完了時に鋼中に含まれる溶存酸
素も高く、投入する脱酸材及び生成する酸化物ともに多
いのが特徴である。脱酸材としてはAlとSiを用いる
複合脱酸が代表的であるが、極軟鋼の場合はSiが0.
10%以下であるためSiを脱酸材に用いることができ
ない。Alを単独に脱酸材として用いた場合、脱酸の結
果生成した脱酸生成物としてのAl2 O3は、その大部
分は溶鋼中を浮上して分離されるが、その一部は溶鋼中
に残存し、連続鋳造に際して鋳型への注入を行う注入ノ
ズルの内周に析出する。特にAl2O3 は融点が高く、
注入ノズルの周辺に析出してノズルが閉塞する原因とな
る。小断面のビレットを鋳造する連続鋳造においては、
鋳型の断面積が小さいため、必然的に注入ノズルの断面
積も小さくなり、Al2 O3 の析出によるノズル閉塞が
重大な問題となっている。また、たとえ鋳造を行ったと
しても、Al2 O3 系介在物が溶鋼表面に浮上して堆積
し、鋳片の表層に捕獲されてAl2 O3 系スカム疵とし
て表面欠陥となるために良好な品質の製品を製造するこ
とができない。また、Al2 O3 系介在物は融点が高い
ので、鋳片表面に取り込まれたまま圧延すると介在物が
圧延時に変形せず、製品欠陥の原因となる。
装置、あるいはブルーム連続鋳造装置においては、注入
ノズルは連続鋳造鋳型内まで延び、鋳型内の溶融金属浴
内に浸漬する浸漬ノズルを用い、注入時に溶融金属が周
囲の雰囲気と接触して酸化が進行することを防止する。
しかし、小断面のビレット連続鋳造装置においては、鋳
型の断面サイズが小さいため、浸漬ノズルを鋳型内に装
入することが困難であり、タンディッシュ底部の注入孔
から下方の鋳型内への注入流が周辺雰囲気に曝されるオ
ープン注入を採用せざるをえない。
が周辺の大気と接触して大気中の酸素が溶鋼中に取り込
まれる。注入ノズルへのAl2 O3 の析出を防止するた
めに投入するAlを低減し、タンディッシュ段階での鋼
中のAl含有量を低減しすぎると、注入時に大気から取
り込まれる酸素を脱酸できずにフリーな溶存酸素が残る
こととなる。溶存酸素の存在は、鋳片の凝固時に固液界
面でのCと酸素との反応によるCOガスの発生を招き、
鋳片にブローホール欠陥が発生することとなる。
レットの製造においては、タンディッシュに到るまでの
溶鋼段階でAlによる脱酸を行おうとすると、Al量が
多ければ注入ノズルへのAl2 O3 の析出によって注入
ノズルが閉塞するために連続鋳造が不可能であり、注入
ノズルが閉塞しない程度までAlを低減すると鋳片にブ
ローホールが発生するため、鋳造は不可能であった。
Alによる脱酸は注入ノズルが閉塞しない程度の少ない
レベルに抑え、連続鋳造鋳型内にAlを投入して脱酸不
足を補い、ブローホールの発生を防止する手段が考えら
れるが、鋳型内での必要な投入Al量が多く、鋳型内で
Alの溶け残りが発生してAlヘゲ疵が発生するという
問題が生じるため採用することはできなかった。
のCが少なければCOガス発生反応は起こらず、ブロー
ホールは発生しない。転炉における低C化には限度があ
るが、転炉精錬後に真空脱ガス処理を行うことによって
COガスが発生しない程度まで低C化することが可能で
ある。そのため、従来は、オープン注入を採用する極軟
鋼連続鋳造ビレットの製造においては、転炉精錬完了後
にRH真空脱ガス装置あるいはDH真空脱ガス装置等を
用いて鋼の真空脱ガスを行って低C化し、更に注入ノズ
ルが閉塞しない程度にAlで脱酸を行った後に連続鋳造
を行い、連続鋳造鋳型内でAlの溶け残りが発生しない
程度にAlを添加することによって製造を行っていた。
る極軟鋼連続鋳造ビレットの製造における溶鋼段階での
真空脱ガス処理の実施は、真空脱ガス処理設備の設置な
いしは増強を必要とし、真空脱ガス処理費用が増大し、
また真空脱ガス処理における溶鋼温度降下を補償するた
めに転炉での吹き止め温度を上昇させる必要が生じ、製
造コストが大幅に増大するという問題を有する。そのた
め、真空脱ガス処理を行わずにオープン注入を採用する
極軟鋼連続鋳造ビレットを製造する方法の提供が必要と
されていた。
入時の注入ノズル閉塞を防止し、ビレットにおけるスカ
ム疵の発生を防止し、鋳型内Al添加によるAlヘゲ疵
の発生を防止し、鋳片でのブローホールの発生のない、
オープン注入を採用する極軟鋼連続鋳造ビレットを製造
する方法を提供することを目的とする。
決するためになされたものであり、その要旨とするとこ
ろは以下の通りである。
連続鋳造鋳型への溶鋼注入時に浸漬ノズルを用いないオ
ープン注入を行う極軟鋼連続鋳造ビレットの製造方法に
おいて、タンディッシュ内において鋼中に重量%で、
C:0.01%〜0.08%、Si:0.001%〜
0.10%、Mn:0.001%〜0.50%、Ti:
0.003%〜0.008%、Ca:0.0005%〜
0.0020%を含み、Al:0.005%以下であ
り、残部Fe及び不可避不純物からなり、更に連続鋳造
鋳型内において鋼中にAlを溶鋼1トン当たり(0.0
8/[%Ti])グラム〜60グラム添加することを特
徴とする極軟鋼連続鋳造ビレットの製造方法である。
ィッシュ内においてTiとCaを上記の範囲で含有し、
かつ連続鋳造鋳型内でAlを添加することにより、真空
脱ガス処理を行わなくても鋳片のブローホールの発生を
防ぐことができる。また、Ti添加量を上記範囲としつ
つCaとの共同脱酸とすることで、脱酸生成物の融点を
低下させることができ、スカム疵の発生と注入ノズルの
閉塞を防止できる。鋳型内Al添加量が上記範囲であれ
ば、Al溶け残り疵は発生しない。タンディッシュ内で
Alを上記範囲で含有しても共同脱酸による低融点化効
果は損なわれないので、Ti及びCaを添加する前にA
lを添加することによりAl予備脱酸を行い、高価なT
iとCaの添加量を低減して製造コストを削減すること
ができる。
中に重量%で、B:0.0020%〜0.0050%を
含むことを特徴とする上記第1の極軟鋼連続鋳造ビレッ
トの製造方法である。
に低下し、スカム疵の発生頻度が低下するので、鋳片の
無手入れ化率を向上させることができる。
する前にAlで予備脱酸を行う場合において、Ti及び
Ca添加前の鋼中の溶存酸素が150ppm〜400p
pmとなるようにAlで予備脱酸を行うことを特徴とす
る上記第1又は第2の極軟鋼連続鋳造ビレットの製造方
法である。
ることにより脱酸生成物中のAl2O3 含有量が低減
し、脱酸生成物の融点は更に低下してスカム疵の発生頻
度が低下するので、鋳片の無手入れ化率を向上させるこ
とができる。
完了した後に取鍋内において溶鋼の脱酸と成分調整を行
い、溶鋼が連続鋳造タンディッシュに導入された段階で
所要の成分を含有するよう調整する。次いでタンディッ
シュから連続鋳造鋳型内に溶鋼を注入するに際し、浸漬
ノズルを用いず、タンディッシュの注入ノズルから流出
した注入流が周囲の雰囲気にさらされつつ鋳型内に注入
されるオープン注入を行う。本発明は小断面ビレット連
続鋳造に適用され、鋳型断面積が小さいので浸漬ノズル
が適用できないためである。鋳型内では、注入の進行に
従って、鋳型内の溶鋼表面に必要量のAlを添加する。
01%〜0.08%含有する。下限を0.01%とする
理由は、真空脱ガス処理を行わずに通常の精錬で0.0
1%未満までCを低減することは困難だからである。ま
た、本発明は対象品種が極軟線なので、Cの上限を0.
08%としている。
0.001%〜0.10%含有する。下限を0.001
%とする理由は、通常の精錬で0.001%未満までS
iを低減することは困難だからである。また、本発明は
対象品種が極軟線なので、Siの上限を0.10%とし
ている。
0.001%〜0.50%含有する。下限を0.001
%とする理由は、通常の精錬で0.001%未満までM
nを低減することは困難だからである。また、本発明は
対象品種が極軟線なので、Mnの上限を0.50%とし
ている。
Caを含有することが大きなポイントである。Ti、C
aは強力な脱酸材であり、タンディッシュ内においてT
iとCaを上記の範囲で含有し、かつ連続鋳造鋳型内で
Alを添加することにより、真空脱ガス処理を行わなく
ても鋳片のブローホールの発生を防ぐことができる。ま
た、Ti添加量を上記範囲としつつCaとの共同脱酸と
することで、脱酸生成物の融点を低下させることがで
き、スカム疵の発生と注入ノズルの閉塞を防止できる。
重量%で0.003%〜0.008%とする。下限を
0.003%とする理由は、0.003%未満ではTi
の脱酸力が不足し、鋳型内でのAl添加を多くすればA
lヘゲ疵が発生し、鋳型内でのAl添加量を少なくすれ
ばブローホールが発生するため、正常な鋳造が行えない
からである。上限を0.008%とするのは、0.00
8%を超えると共同脱酸におけるTiの寄与が大きくな
りすぎ、脱酸生成物中のTiO2 含有量が増大して脱酸
生成物の融点が上昇し、鋳片表面に取り込まれた脱酸生
成物がスカム疵となるからである。
重量%で0.0005%〜0.0020%とする。下限
を0.0005%とするのは、0.0005%以上であ
れば脱酸生成物中にCaOが十分に含有されるととも
に、CaOの存在によるSiO2 の安定化効果に起因し
て脱酸生成物中のSiO2 含有量も増大し、脱酸生成物
の低融点化を実現できるからである。上限を0.002
0%とするのは、Ca含有量が0.0020%を超える
と、耐火物の溶損速度が大きくなりすぎ、連々鋳回数
(同一のタンディッシュで連続して鋳造できる鋳込み回
数)が制限されるからである。
0.005%以下とするのは、0.005%を超えると
共同脱酸の脱酸生成物中のAl2 O3 含有量が増大して
脱酸生成物が高融点化し、鋳片表面に取り込まれた脱酸
生成物がスカム疵となるとともに、Al2 O3 単独の脱
酸生成物も生成し、タンディッシュからの溶鋼注入時に
注入ノズルへのAl2 O3 析出による注入ノズル閉塞が
発生するためである。タンディッシュ内においてAlは
全く含有していなくてもよい。
除去した段階で、溶鋼中には500〜1200ppmの
フリー酸素が溶存している。連続鋳造を行うまでの間
に、取鍋内においてこの溶存酸素を脱酸除去し、かつ必
要な合金成分の添加を行う。本発明の極軟鋼が含有する
合金成分のうち、TiとCa、特にCaは、酸素との親
和力が強い上に高価なので、フリー酸素が大量に溶存し
ている段階でTi、Caを添加すると、これら合金元素
が脱酸に費やされる量が多く、製造コストを増大させる
原因となる。そこで、同じく酸素との親和力が強いAl
を溶鋼中に添加し、事前に溶鋼中の溶存酸素を脱酸除去
する予備脱酸を行った後にTi及びCaを添加すること
が望ましい。Alによる予備脱酸は、タンディッシュ内
における鋼中のAlが0.005重量%以下となる範囲
で行う。Al予備脱酸後の溶鋼中の溶存酸素が100p
pmあるいはそれ以上となるように狙ってAl予備脱酸
を行えば、タンディッシュ内における鋼中のAlを0.
005重量%以下とすることができる。
まずTiを溶鋼中に添加する。Ti添加前に残存する溶
鋼中の溶存酸素は、添加したTiによって酸化除去され
る。その後に、Ca添加を行う。Caは酸素との親和力
が強い上に高価だからである。Caは、微量添加でかつ
空気や酸化物に触れると酸化ロスが激しいので、取鍋内
で浸漬ランスから粉末を吹き込む方法あるいは鉄被覆C
aワイヤーで添加する方法が用いられる。このうち、溶
鋼に浸漬したノズルからアルゴンとともに溶鋼中にCa
−Siをインジェクションすることにより添加する方法
が代表的である。
後、取鍋の注入孔からタンディッシュ内に溶鋼を注入す
る。耐火物製のロングノズルを介して注入を行えば、注
入流が大気と接触しないため、溶鋼の酸化を防止するこ
とができる。タンディッシュからはタンディッシュ底部
の注入ノズルを通じて溶鋼を連続鋳造鋳型内に注入す
る。本発明においては、浸漬ノズルを使用することので
きない小断面のビレット連続鋳造を対象としているた
め、注入ノズルからの溶鋼注入流は周辺の雰囲気にさら
されつつ鋳型内に注入される。
溶鋼中に酸素が取り込まれ、溶鋼の溶存酸素が増大す
る。この溶存酸素は溶鋼中のTiやCaと反応して酸化
物となるが、本発明のTi及びCaの含有量では十分な
脱酸は困難であり、このままでは溶存酸素が残存したま
ま鋳片の凝固が進行し、固液界面において溶鋼中のCと
溶存酸素が反応してCOガスが発生し、このCOガスが
鋳片に取り込まれ、圧延後にブローホール欠陥となる。
本発明においては、このブローホール欠陥の発生を防止
するため、鋳型内にAlを添加し、添加したAlと溶存
酸素との反応によって溶存酸素の除去を図る。
酸の寄与率が増えるので、鋳型内へのAl添加量は少な
くてすむ。そのため、鋳型内溶鋼中へのAl添加量の下
限はTi含有量の関数となり、溶鋼1トン当たり(0.
08/[%Ti])グラム〜60グラムとする。通常は
鋳型への注入を行っている時点にはタンディッシュ内溶
鋼の実績成分は判明していないので、目標成分のTi下
限を上記式にあてはめて投入Al量の下限を決定する。
鋳型内溶鋼中へのAl添加量の上限は溶鋼1トン当たり
60グラムとする。60グラムを超えると、鋳型内溶鋼
中でのAl溶け残りが発生し、Alヘゲ疵が発生するた
めである。Alは鋳型内の溶鋼注湯部分に添加する。A
l添加量の上限を溶鋼1トン当たり30グラムとすれ
ば、Al添加位置が鋳型の注湯位置から外れてもAl溶
け残りが発生しづらいのでより好ましい。
純Alワイヤーをワイヤーフィーダーにより連続的に鋳
型の注湯部分に供給する方法を用いることができる。
え、タンディッシュ内において鋼中に重量%でBを0.
0020%〜0.0050%含有する。Bを含有するこ
とで脱酸生成物の融点は更に低下し、スカム疵の発生頻
度が低下するので、鋳片の無手入れ化率を向上させるこ
とができる。Bの下限を0.0020%とする理由は、
0.0020%未満ではスカム疵低減効果が十分には改
善されず、鋳片の無手入れ化を十分に達成することがで
きないからである。Bの上限を0.0050%とするの
は、0.0050%を超えて添加してもその効果が飽和
するためである。
発明に加え、溶鋼中にTi及びCaを添加する前にAl
で予備脱酸を行う場合において、Ti及びCa添加前の
鋼中の溶存酸素が150ppm〜400ppmとなるよ
うにAlで予備脱酸を行う。本第1及び第2の発明にお
いてAl予備脱酸を行うに当たり、Al添加量を増大し
て予備脱酸後の溶存酸素を低減するほど、その後のTi
及びCa添加におけるそれら添加物の酸化ロスを低減す
ることができる。一方、Al添加量が多いほど、溶鋼中
に残存する脱酸生成物中のAl2 O3 の濃度が増大して
脱酸生成物の融点が上昇し、結果としてスカム疵の発生
率の増大を招くことになる。本第3の発明においてTi
及びCa添加前の鋼中の溶存酸素が150ppm〜40
0ppmとなるようにAl予備脱酸を制限した結果、脱
酸生成物の融点を低くおさえてスカム疵の発生率の低下
を実現し、無手入れ化率を向上させることができる。溶
存酸素の下限を150ppmとする理由は、150pp
m未満では脱酸生成物中のAl2 O3 濃度が高いためス
カム疵低減効果が不十分で無手入れ化を十分に達成する
ことができないからである。溶存酸素の上限を400p
pmとする理由は、400ppmを超えると無手入れ化
効果は飽和する一方、Ti及びCa添加におけるこれら
添加物の酸化ロスの増大によってコストの上昇を招くか
らである。
池によって行う。本発明においては、部分安定化ZrO
2 固体電解質の酸素濃淡電池を用いた。標準極はMo/
MoO2 とした。溶存酸素測定は、Ti添加直前に取鍋
上方からプローブを挿入することによって行った。
製し、Mn、Alは転炉出鋼中に溶鋼鍋中に添加し、T
iは出鋼後に溶鋼鍋上方より添加した。Caは、微量添
加でかつ空気や酸化物に触れると酸化ロスが激しいの
で、本実施例ではTi添加後にCa品位40%のCa−
Si合金を浸漬ランスを用いてArと共に溶鋼中に吹き
込んで添加した。比較例の一部において、溶鋼の真空脱
ガス処理を行って極低C化を図っている。
mm×125mm、鋳造速度は2.6〜3.2m/mi
nの条件で鋳造を行った。また注入ノズルとしては、内
径18mmφのZrO2 オープン注入ノズルを用いた。
鋳型内溶鋼中へのAl添加方法としては、純Alワイヤ
ーをワイヤーフィーダーにより連続的に鋳型の注湯部分
に供給する方法を用いた。
量、製造実績を示す。合金成分の含有量は、連続鋳造タ
ンディッシュ内から採取した試料の分析結果に基づいて
決定し、Ti添加前の酸素濃度は酸素濃淡電池を用いた
測定によって決定した。
塞傾向」とは閉塞傾向のため連々鋳が行えなかったもの
をいい、「閉塞」とは1鍋の完鋳ができなかったものを
いう。また、「溶損傾向」とは、注湯ノズルが溶損する
傾向であって連々鋳ができなかったものをいう。
「◎」はスカム疵発生のための手入れ率が5%以下のも
の、「○」は該手入れ率が5〜10%のもの、「×」は
該手入れ率が10%を超えるものをいう。
「○」は鋳片長さ1m当たりの検査でブローホールが見
つからなかったもの、「×」は鋳片長さ1m当たりの検
査でブローホールが1個以上見つかったものをいう。
る。No.1〜4、14は、本第1の発明例である。N
o.5〜9はBを含有する本発明例であり、そのうちN
o.6〜8はBの範囲が本第2の発明に該当するもので
ある。No.10〜13は、Ti添加前の酸素濃度が本
第3の発明に該当するものである。いずれも鋳造結果は
良好であり、特に本第2、第3の発明に該当するNo.
6〜13はスカム疵の結果が良好であった。
る。No.15はAl含有量が本発明の上限を超えてお
り、注湯ノズルが閉塞傾向であるとともにスカム疵が発
生した。No.16はTi含有量が本発明の下限未満で
あり、ブローホールの発生があった。No.17はTi
含有量が本発明の上限を超えており、注湯ノズルが閉塞
傾向であるとともにスカム疵が発生した。No.18は
Ca含有量が本発明の下限未満であり、注湯ノズルが閉
塞傾向であるとともにスカム疵が発生した。No.19
はCa含有量が本発明の上限を超えており、注湯ノズル
が溶損傾向であった。No.20は取鍋処理として真空
脱ガス処理を行ったものである。No.21はAl含有
量が本発明の上限を超えており、またTi添加前酸素濃
度も100ppm未満であり、注湯ノズル閉塞のため鋳
造を途中で中断することとなった。No.22は鋳型内
Al添加量が本発明の上限を超えており、Alヘゲ疵の
発生が見られた。なお、No.22を除き、No.1〜
21にはAlヘゲ疵の発生は見られなかった。
更に圧延し、極軟鋼の線材として圧延を行った。いずれ
も良好な品質の線材を得ることができた。
ビレットの製造において、タンディッシュ内溶鋼中にT
iとCa、更に必要によりBを含有し、Al含有量を抑
え、連続鋳造鋳型内でAlを添加することにより、真空
脱ガス処理を行わずに、注入時の注入ノズル閉塞を防止
し、製品におけるスカム疵の発生を防止し、鋳型内Al
添加によるAlヘゲ疵の発生を防止し、鋳片でのブロー
ホールの発生のない極軟鋼ビレットを製造することがで
きた。
Claims (3)
- 【請求項1】 連続鋳造タンディッシュから連続鋳造鋳
型への溶鋼注入時に浸漬ノズルを用いないオープン注入
を行う極軟鋼連続鋳造ビレットの製造方法において、タ
ンディッシュ内において鋼中に重量%で、C:0.01
%〜0.08%、Si:0.001%〜0.10%、M
n:0.001%〜0.50%、Ti:0.003%〜
0.008%、Ca:0.0005%〜0.0020%
を含み、Al:0.005%以下であり、残部Fe及び
不可避不純物からなり、更に連続鋳造鋳型内において鋼
中にAlを溶鋼1トン当たり(0.08/[%Ti])
グラム〜60グラム添加することを特徴とする極軟鋼連
続鋳造ビレットの製造方法。 - 【請求項2】 タンディッシュ内において鋼中に重量%
で、B:0.0020%〜0.0050%を含むことを
特徴とする請求項1に記載の極軟鋼連続鋳造ビレットの
製造方法。 - 【請求項3】 溶鋼中にTi及びCaを添加する前にA
lで予備脱酸を行う場合において、Ti及びCa添加前
の鋼中の溶存酸素が150ppm〜400ppmとなる
ようにAlで予備脱酸を行うことを特徴とする請求項1
又は2に記載の極軟鋼連続鋳造ビレットの製造方法。
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JP10-51843 | 1998-07-10 | ||
JP19570798 | 1998-07-10 | ||
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