JP4193784B2 - Ti含有ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Ti含有ステンレス鋼の溶製方法に関し、とくに溶鋼の脱酸生成物に起因して発生する酸化物系介在物の組成を適正に制御することによって、連続鋳造時における浸漬ノズル(以下、単に「ノズル」と言う。)詰まりとパウダー巻き込みによる表面欠陥の発生を効果的に防止可能なTi含有ステンレス鋼の製造方法に関するものである。
たとえば、Cを0.06質量%以下、Alを0.01質量%以下、Tiを0.01〜0.40質量%含む溶鋼を製造するに際して、Siのみで脱酸した溶鋼に所定量のAlを添加して溶鋼中のトータルAl濃度を10〜80ppmとした後にTiを添加することで、Ti歩留まりを向上する方法が提案されている。
特開平10−219336号公報
また、Crを5〜50質量%含有する鋼を溶製するに当たり、まずAlを、溶鋼中Alが0.002〜0.01質量%となる量添加し、ついで溶鋼中のTi量が0.008〜0.5質量%となるようTiを添加し、さらに溶鋼中Ca量が0.0005〜0.0050質量%となるようにCaを添加することにより、介在物を制御してノズル詰まりと表面欠陥を防止する方法が提案されている。
特開2000−1715号公報
また、Crを5〜50質量%含有する鋼を溶製するに当たり、Alによる脱酸処理を行わず、溶鋼中Si量が0.15〜1.0質量%となるようにSiを添加し、ついで溶鋼中Ti量が0.008〜0.5質量%となるようにTiを添加し、ついで溶鋼中Ca量が0.0005〜0.0050質量%となるようにCaを添加することにより、ノズル詰まりと表面欠陥を防止する方法が提案されている。
特開2000−1716号公報
このように、ステンレス鋼の脱酸方法としては、通常AlまたはSiを用いて脱酸する方法が一般的である。特に、Tiを含有するステンレス鋼においては、特許文献2のようにAlによる脱酸を行って、Tiの歩留まりを安定化する方法が一般に採用されている。
特許文献1で提案された方法のようにSi還元の後にAlを添加すれば、確かに溶鋼中の酸素濃度は低下するが、スラグの酸化度は低下しないため、投入時に接触したスラグ中のSiO2によって、溶鋼中のTiが酸化され、Tiの歩留まりが低下する。
特にTiは比重が小さいため、スラグ上に浮上し易い。また、Tiの歩留まりを無視したとしても、Siで還元した場合には、後述の発明者の実験によれば、スラグの塩基度(CaO/(SiO2+Al23))を1.8以上に制御しない限り、TiO2によるノズル詰まりが発生し、鋳片の表面品質の低下は避けられない。
また、特許文献2で提案された方法では、Al還元によって確かにノズルの閉塞は抑制できるが、還元剤のコストが高くなる。さらに、還元用Alと成分用Alを同時に調整しなければならず、溶鋼中のAl成分の的中が困難であり、製造後に成分の分析確認が必要になる。
また、特許文献3で提案された方法では、スラグ酸化度が高いため、投入時に接触したスラグ中SiO2によってTiが酸化され、Tiの歩留まりが低下する。また、スラグ組成の制御を行っていないため、ノズルの閉塞が多発する。さらに、溶鋼中のAl濃度が低いと、溶鋼中の酸素濃度が上昇し、界面張力が低下するため、鋳型内でスラグが巻き込まれ易くなり、表面欠陥の多発を招く。
また、Tiの含有量が0.01質量%を超える場合、Ti酸化物が溶鋼中に固相状態で存在するため、地金を取り込んだ形でタンディッシュノズルの内面に付着・堆積し、CaSiを供給しても、ノズルの閉塞を引き起こすという問題もある。
本発明が解決しようとする問題点は、従来のTi含有ステンレス鋼の製造方法では、Al還元によるもの(たとえば特許文献2)は、還元剤のコストが高くなるとともに成分的中が困難であり、また、Si還元によるもの(たとえば特許文献1,3)は、ノズル閉塞や表面欠陥の発生を引き起こすと言う点である。
本発明のTi含有ステンレス鋼の製造方法は、
還元剤のコストを高くせずにノズル詰まりの発生とパウダー巻き込みによる表面欠陥の発生を効果的に防止するために、
Tiが0.01〜0.8質量%、Siが0.1〜1.0質量%、Sが20ppm以下を含有する含Cr鋼の溶製において、
真空下または大気圧下で、Nが150ppm以下となるように脱Nおよび脱炭処理を行った後、Siを用いた還元処理により還元処理後のスラグ塩基度(CaO/(SiO2+Al23))を1.8以上に制御し、
その後、更にAlの含有量が0.02質量%以上となるようにAlを添加するとともに所定量のTiを投入し、かつ、鋳込み前の鍋中及び/又は鋳込み中のタンディッシュ内にCaSiを投入し、連続鋳造することを最も主要な特徴としている。
前記本発明のTi含有ステンレス鋼の製造方法において、還元処理時の還元剤として、Alを併用すれば、脱Sが促進される。
また、前記本発明のTi含有ステンレス鋼の製造方法において、筒状の金属または耐火物により溶鋼表面の少なくとも一部を露出させ、この露出部位にTiを投入するようにすれば、Si還元においてもTiの歩留まりが高位に安定する。
本発明では、安価な還元剤を使用しながら、スラグの塩基度(CaO/(SiO2+Al23))を1.8以上に制御することで、Si−O平衡が支配的となり、TiO2が析出するまえにSiO2が析出することになって、Ca処理をした場合、低融点のSiO2によりノズル閉塞が防止されるという利点がある。
また、本発明では、Alの含有量が0.02質量%以上となるようにAlを添加することで、溶鋼中の酸素濃度が低下して溶鋼の界面張力が上昇するため、鋳型内で、パウダーの巻き込みが起こりにくくなって、表面品質が良好になるという利点がある。その際、Siでスラグ中の酸化クロムを還元した後の溶鋼中のAl濃度が微量な状態からAlを添加するので、溶鋼中のAl濃度の的中も容易に行える。
発明者は、Tiが0.01〜0.8質量%、Siが0.1〜1.0質量%、Sが20ppm以下含有する含Cr鋼の溶製において、還元剤コストが安いSiによる還元における4つの問題点を解決すべく実験を行った。以下、この4つの問題点に関する知見について順に説明する。
(a)ノズルの閉塞について
ノズルの閉塞は、TiO2が介在物として大量発生し、ノズルに付着・成長して起こる。ノズルへの付着物がAl23のみであれば、CaSiを供給することにより低融点化すれば、前記付着物は鋳型内に流入して浮上するので容易に除去できるが、TiO2が大量に発生した場合には、CaSiを供給してもノズルの閉塞を解消することはできない。
一方、Al還元の場合は、図1に示すように、Tiよりも強脱酸されるため、Al23が発生しても、TiO2の発生は少なくなってノズルの閉塞は起こりにくい。
塩基度(CaO/(SiO2+Al23))が1.5の場合におけるTi‐O、Si‐OおよびAl−Oの平衡曲線を図2に示すが、この図2に示したTi‐O平衡曲線およびSi‐O平衡曲線から、溶鋼中のTi含有量が0.05質量%を超えた場合は、溶鋼中のSi含有量が0.2質量%を超えても、Si−OよりもTi−Oの方が低Oで平衡する、即ち、TiO2が発生することがわかる。
これに対して、塩基度(CaO/(SiO2+Al23))が2.0の場合における図2と同様の図を図3に示すが、この場合にはSiO2の活量が低下し、Tiと同程度の脱酸能力となることから、TiO2の発生は減少し、ノズルの閉塞は起こらない。発明者の各種の実験によれば、この限界値は塩基度(CaO/(SiO2+Al23))が1.8であることが判明した。
(b)表面欠陥について
Ti含有ステンレス鋼は、鋳型内でパウダー中のSiO2を還元し、TiO2を生成することから、パウダーの物性を変質させ易く、溶鋼へのパウダー巻き込みが発生し易い。また、Ti含有量が多いほど、また、図4に示すように、酸素濃度が高いほど溶鋼の界面張力が低く、表面欠陥の原因となるパウダーの巻き込みが起こり易い。
しかしながら、溶鋼中のTi濃度は製品特性から変更することが困難である。したがって、パウダーの巻き込みを抑制するには、溶鋼中の酸素濃度を極力低下させる必要があり、このためには、溶鋼中にAlを0.02質量%以上含有させることが有効であることを知見した(図5参照)。すなわち、溶鋼中にAlを0.02質量%以上含有させることにより界面張力が増加し、パウダー巻き込みによる表面欠陥の発生頻度を低下させることができる。
(c)Tiの歩留まりについて
Si還元では、スラグ中にSiO2が大量に発生するため、
SiO2+Ti→Si+TiO2
の反応により、溶鋼中のTiが酸化ロスされる。
そこで、スラグとできる限り接触しないようにTiを溶鋼中に投入すれば、Si還元においても、Tiの酸化ロスがAl還元時と同等まで低減できることが判明した。具体的には、鍋の底または浸漬ランスからガスを吹き込み、メタル浴面の少なくとも一部を露出させた状態で筒状の金属または耐火物を浸漬させる、あるいは、Tiを充填したドラム缶を鋼浴に浸漬させて溶鋼内にTiを供給するなどである。
(d)脱S不良について
溶鋼中のS濃度が20ppmの未満の低SのTi含有ステンレス鋼の製造に際しては、Siのみの還元・脱酸では、脱S不良が懸念される。
図6は、Al23系スラグと、SiO2系スラグのサルファイドキャパシティーを示した図であり、この図6より、Al23系スラグの方がSiO2系スラグよりもサルファイドキャパシティーが高く、脱Sが促進されることがわかる。
そこで、発明者は、溶鋼中のS濃度が20ppmの未満の低SのTi含有ステンレス鋼の製造に際しては、脱S不良対策として、溶鋼中のS濃度に応じて、適度にAlを添加すればよいことを見出した。このAlを使用することによってノズル閉塞や表面欠陥などの支障は見られなかった。
本発明のTi含有ステンレス鋼の製造方法は、前述の発明者の各種の実験結果に基づく知見をもとになされたものであり、
Tiが0.01〜0.8質量%、Siが0.1〜1.0質量%、Sが20ppm以下を含有する含Cr鋼の溶製において、
真空下または大気圧下で、Nが150ppm以下となるように脱Nおよび脱炭処理を行った後、Siを用いた還元処理により還元処理後のスラグ塩基度(CaO/(SiO2+Al23))を1.8以上に制御し、
その後、更にAlの含有量が0.02質量%以上となるようにAlを添加するとともに所定量のTiを投入し、かつ、鋳込み前の鍋中及び/又は鋳込み中のタンディッシュ内にCaSiを投入し、連続鋳造するものである。
本発明において、真空下または大気圧下で、Nが150ppm以下となるように脱N処理を行った後に還元処理を行うのは、鋳込み中にTiNが介在物として析出し、鋳片の表面品質悪化を防止するためである。また、脱Nは、還元処理開始後は進行しにくく、脱C中に発生する気泡に窒素がとらわれて脱Nが進行しやすいので、必要な窒素レベルまでの脱Nは還元前に完了しておくのが望ましい。
すなわち、本発明のTi含有ステンレス鋼の製造方法では、Siにより還元を行うので、還元剤コストが安価になる。そして、その際、本発明では、還元処理後のスラグ塩基度(CaO/(SiO2+Al23))を1.8以上と高く制御することで、Si−O平衡が支配的となり、TiO2が析出するまえにSiO2が析出するようになって、Ca処理をした場合に、低融点のSiO2により、ノズル閉塞が発生しなくなる。
また、Alの含有量を0.02質量%以上とすることで、溶鋼中の酸素濃度が低下して溶鋼の界面張力が上昇するため、鋳型内でパウダーの巻き込みが起こりにくくなって、表面品質の低下を抑制できるようになる。
前記本発明のTi含有ステンレス鋼の製造方法において、還元処理時の還元剤として、Alを併用するようにすれば、Al23系スラグの方が、SiO2系スラグよりもサルファイドキャパシティーが高いことから、脱Sが促進される。また、実際にAlを併用しても、前述のSi還元時における問題は発生しない。
また、前記本発明のTi含有ステンレス鋼の製造方法において、筒状の金属または耐火物により溶鋼表面の少なくとも一部を露出させ、この露出部位にTiを投入するようにすれば、スラグ中のSiO2とTiが反応してTiの歩留まりが良くないSi還元においても、Tiの歩留まりが高位に安定するようになる。
(実施例1)
80トンのAOD炉より出鋼後、VOD真空脱ガス装置にて処理を行った。なお、AOD炉から出鋼した後の成分は、〔C〕0.3質量%前後、〔Si〕0.01〜0.2質量%、〔S〕0.006〜0.020質量%、〔Cr〕10〜19質量%、〔Ni〕2〜4質量%、〔Mo〕0.2〜3質量%、〔N〕0.004〜0.018質量%であった。
この溶鋼75トンを取鍋に移し、除滓後VOD炉で所定のC濃度になるまで脱Cし、Alを2kg/トン、FeSiを10kg/トン投入し、スラグ中の酸化物を還元回収した。このとき、同時に塩基度(CaO/(SiO2+Al23))が2.2となるよう、生石灰を投入した。
VOD還元後の成分は、〔C〕0.006質量%、〔Si〕0.23質量%、〔S〕0.0008質量%、〔Cr〕12.08質量%、〔Ni〕5.45質量%、〔Mo〕1.95質量%、sol〔Al〕0.003質量%、〔N〕0.0062質量%、〔Ti〕微量であった。
この溶鋼を浸漬ノズルでArガスを0.016Nm3/min/トン流しながら、内径が700mmの耐火物の筒を溶鋼に浸漬させて筒内の一部に溶鋼が見える状態にして、AlとTiをほぼ同時に投入し、sol〔Al〕0.035質量%、〔Ti〕0.098質量%とした。
このときのAlの歩留まりは85%、Tiの歩留まりは88%と良好であった。この溶鋼を280mm厚×660mm幅の垂直型の連続鋳造機でCaSiワイヤをタンディッシュ内に1m/minで投入しながら鋳造したところ、ノズル閉塞なく、完全に鋳造することができた。また、この鋳片を分塊圧延後、直径191mmサイズにて製管したところ、表面品質の良好なパイプが得られた。
(比較例1)
80トンのAOD炉より出鋼後、VOD真空脱ガス装置にて処理を行った。なお、AOD炉から出鋼した後の成分は、〔C〕0.3質量%前後、〔Si〕0.01〜0.2質量%、〔S〕0.006〜0.020質量%、〔Cr〕10〜19質量%、〔Ni〕2〜4質量%、〔Mo〕0.2〜3質量%、〔N〕0.004〜0.018質量%であった。
この溶鋼75トンを取鍋に移し、除滓後VOD炉で所定のC濃度となるまで脱Cし、Alを2kg/トン、FeSiを10kg/トン投入し、スラグ中の酸化物を還元回収した。このとき、同時に塩基度(CaO/(SiO2+Al23))が2.2となるよう、生石灰を投入した。
VOD還元後の成分は、〔C〕0.005質量%、〔Si〕0.25質量%、〔S〕0.0006質量%、〔Cr〕12.09質量%、〔Ni〕5.47質量%、〔Mo〕1.98質量%、sol〔Al〕0.004質量%、〔N〕0.0061%、〔Ti〕微量であった。
この溶鋼を浸漬ノズルでArガスを0.016Nm3/min/トン流しながら、内径が700mmの耐火物の筒を溶鋼に浸漬させ、筒内の一部に溶鋼が見える状態にして、Tiのみを投入し、sol〔Al〕0.002質量%、〔Ti〕0.096質量%とした。
このときのTiの歩留まりは87%と良好であった。この溶鋼を280mm厚×660mm幅での垂直型の連続鋳造機でCaSiワイヤをタンディッシュ内に1m/minで投入しながら鋳造したところ、ノズル閉塞なく、完全に鋳造することができた。しかし、この鋳片を分塊圧延後、直径191mmサイズにて製管したところ、表面欠陥の多いパイプが得られた。
(比較例2)
80トンのAOD炉より出鋼後、VOD真空脱ガス装置にて処理を行った。なお、AOD炉から出鋼した後の成分は、〔C〕0.3質量%前後、〔Si〕0.01〜0.2質量%、〔S〕0.006〜0.020質量%、〔Cr〕10〜19質量%、〔Ni〕2〜4質量%、〔Mo〕0.2〜3質量%、〔N〕0.004〜0.018質量%であった。
この溶鋼75トンを取鍋に移し、除滓後VOD炉で所定のC濃度となるまで脱Cし、Alを6kg/トン、FeSiを6kg/トン投入し、スラグ中の酸化物を還元回収した。このとき、同時に塩基度(CaO/(SiO2+Al23))が1.6となるよう、生石灰を投入した。
VOD還元後の成分は、〔C〕0.006質量%、〔Si〕0.24質量%、〔S〕0.0009質量%、〔Cr〕12.07質量%、〔Ni〕5.42質量%、〔Mo〕1.99質量%、sol〔Al〕0.005質量%、〔N〕0.0067質量%、〔Ti〕微量であった。
この溶鋼を浸漬ノズルでArガスを0.016Nm3/min/トン流しながら、内径が700mmの耐火物の筒を溶鋼に浸漬させ、筒内の一部に溶鋼が見える状態にして、AlとTiをほぼ同時に投入し、sol〔Al〕0.035%、〔Ti〕0.098%とした。
このときのAlの歩留まりは85%、Tiの歩留まりは88%と良好であった。この溶鋼を280mm厚×660mm幅の垂直型の連続鋳造機でCaSiワイヤをタンディッシュ内に1m/minで投入しながら鋳造したところ、ノズル閉塞により、最後まで完全に鋳造することができなかった。ただし、鋳造できた鋳片は、分塊圧延後、直径191mmサイズにて製管したところ、表面品質良好なパイプが得られた。
(比較例3)
80トンのAOD炉より出鋼後、VOD真空脱ガス装置にて処理を行った。なお、AOD炉から出鋼した後の成分は、〔C〕0.3質量%前後、〔Si〕0.01〜0.2質量%、〔S〕0.006〜0.020質量%、〔Cr〕10〜19質量%、〔Ni〕2〜4質量%、〔Mo〕0.2〜3質量%、〔N〕0.004〜0.018質量%であった。
この溶鋼75トンを取鍋に移し、除滓後VOD炉で所定のC濃度になるまでまで脱Cし、AlなしでFeSiのみを13kg/トン投入し、スラグ中の酸化物を還元回収した。このとき、同時に塩基度(CaO/(SiO2+Al23))が2.4となるよう、生石灰を投入した。
VOD還元後の成分は、〔C〕0.006質量%、〔Si〕0.25質量%、〔S〕0.0022質量%、〔Cr〕12.10質量%、〔Ni〕5.41質量%、〔Mo〕1.93質量%、sol〔Al〕0.001質量%、〔N〕0.0066質量%、〔Ti〕微量であり、〔S〕<0.0020質量%を達成することができなかった。
(比較例4)
80トンのAOD炉より出鋼後、VOD真空脱ガス装置にて処理を行った。なお、AOD炉から出鋼した後の成分は、〔C〕0.3質量%前後、〔Si〕0.01〜0.2質量%、〔S〕0.006〜0.020質量%、〔Cr〕10〜19質量%、〔Ni〕2〜4質量%、〔Mo〕0.2〜3質量%、〔N〕0.004〜0.018質量%であった。
この溶鋼75トンを取鍋に移し、除滓後VOD炉で所定のC濃度となるまで脱Cし、Alを3kg/トン、FeSiを9kg/トン投入し、スラグ中の酸化物を還元回収した。このとき、同時に塩基度(CaO/(SiO2+Al23))が2.2となるよう、生石灰を投入した。
VOD還元後の成分は、〔C〕0.007質量%、〔Si〕0.20質量%、〔S〕0.0006質量%、〔Cr〕12.11質量%、〔Ni〕5.40質量%、〔Mo〕1.92質量%、sol〔Al〕0.003質量%、〔N〕0.0065質量%、〔Ti〕微量であった。
この溶鋼を浸漬ノズルでArガスを0.016Nm3/min/トン流しながら、AlとTiをほぼ同時にスラグの上から投入し、攪拌したが、sol〔Al〕0.015質量%、〔Ti〕0.065質量%となった。
このときのAlの歩留まりは35%、Tiの歩留まりは65%と低くなった。この溶鋼を280mm厚×660mm幅の垂直型の連続鋳造機でCaSiワイヤをタンディッシュ内に1m/minで投入しながら鋳造したところ、ノズル閉塞なく、完全に鋳造することができた。しかし、この鋳片を分塊圧延後、直径191mmサイズにて製管したところ、表面欠陥の多いパイプが得られた。
本発明は、上記の実施例に示したものに限られるものではなく、各請求項に記載した技術的思想の範囲内で適宜実施態様を変更しても良いことはいうまでもない。
本発明は、上記の実施例に示した鋼管用のTi含有ステンレス鋼に限らず、他の用途に用いられるものでも良い。
Al還元時におけるTi−OおよびAl−Oの平衡曲線を示した図である。 Si還元時において塩基度が1.5の場合におけるTi−O、Si−OおよびAl−Oの平衡曲線を示した図である。 Si還元時において塩基度が2.0の場合におけるTi−O、Si−OおよびAl−Oの平衡曲線を示した図である。 溶鋼中酸素濃度と界面張力の関係を示した図である。 溶鋼中のAl濃度と表面欠陥の関係を示した図である。 Al23系スラグと、SiO2系スラグのサルファイドキャパシティーを示した図である。

Claims (3)

  1. Tiが0.01〜0.8質量%、Siが0.1〜1.0質量%、Sが20ppm以下を含有する含Cr鋼の溶製において、
    真空下または大気圧下で、Nが150ppm以下となるように脱Nおよび脱炭処理を行った後、Siを用いた還元処理により還元処理後のスラグ塩基度(CaO/(SiO2+Al23))を1.8以上に制御し、
    その後、更にAlの含有量が0.02質量%以上となるようにAlを添加するとともに所定量のTiを投入し、かつ、鋳込み前の鍋中及び/又は鋳込み中のタンディッシュ内にCaSiを投入し、連続鋳造することを特徴とするTi含有ステンレス鋼の製造方法。
  2. 前記還元処理時の還元剤として、Alを併用することを特徴とする請求項1に記載のTi含有ステンレス鋼の製造方法。
  3. 筒状の金属または耐火物により溶鋼表面の少なくとも一部を露出させ、この露出部位に前記Tiを投入することを特徴とする請求項1または2に記載のTi含有ステンレス鋼の製造方法。
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