以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
以下の実施形態では、画像形成装置としては、たとえばMFP、プリンター、複写機、またはファクシミリなどが挙げられる。
(実施形態1)
[1.画像形成装置1の構成]
図1は、実施形態1に従う画像形成装置1の外観を説明する図である。
図1を参照して、画像形成装置1は、カラープリンターとしての画像形成装置1が示されている。以下では、カラープリンターとしての画像形成装置1について説明するが、画像形成装置1は、カラープリンターに限定されない。たとえば、画像形成装置1は、モノクロプリンターであってもよいし、モノクロプリンターまたはカラープリンターとファクシミリとの複合機(所謂MFP(Multi Functional Peripheral))であってもよい。
画像形成装置1は、画像読取部としてのスキャナー20と、画像形成部としてのプリンター25とを備える。スキャナー20には、ADF(Auto Document Feeder)24が設けられている。プリンター25には、用紙を収納するカセット37が設けられている。
画像形成装置1は、画像形成装置1に関する各種の設定操作や情報を表示するための表示パネル105を備える。表示パネル105は、画像形成装置1の正面側に設けられている。
図2は、実施形態1に従う画像形成装置1の構成を説明する図である。
図2を参照して、画像形成装置1の上部には、スキャナー20が設けられている。スキャナー20は、カバー21と、用紙台22と、トレー23と、ADF24とを含む。カバー21の一端は、用紙台22に固定されており、カバー21は、当該一端を支点として開閉可能に構成されている。操作者は、カバー21を開くことで、原稿を用紙台22にセットすることができる。画像形成装置1は、原稿が用紙台22にセットされた状態でスキャン指示を受け付けると、用紙台22にセットされた原稿のスキャンを開始する。また、画像形成装置1は、原稿がトレー23にセットされた状態でスキャン指示を受け付けると、ADF24によって1枚ずつ自動的に原稿を読み取る。
プリンター25は、画像作成部90Y,90M,90C,90Kと、IDC(Image Density Control)センサー19と、転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、転写駆動機32と、二次転写ローラー33と、カセット37A~37Cと、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、クリーニングユニット43と、定着器60とを備える。
画像作成部90Y,90M,90C,90Kは、転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像作成部90Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像作成部90Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像作成部90Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像作成部90Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。
画像作成部90Y,90M,90C,90Kは、それぞれ、転写ベルト30に沿って転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像作成部90Y,90M,90C,90Kはそれぞれ、回転可能に構成されている感光体10と、帯電装置11と、露光装置13と、現像器14と、クリーニングユニット17と、トナーセンサ18とを備える。
画像作成部90Y,90M,90C,90Kがそれぞれ、上述したように作動した後に、転写駆動機32の転写によって、イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が転写ベルト30上に形成される。
IDCセンサー19は、転写ベルト30上に形成されるトナー像の濃度を検知する。典型的には、IDCセンサー19は、反射型フォトセンサーからなる光強度センサーであり、転写ベルト30の表面からの反射光強度を検知する。
転写ベルト30は、従動ローラー38と駆動ローラー39とに張架されている。駆動ローラー39はモーター(図示しない)に接続されている。当該モーターを制御することにより、駆動ローラー39は回転する。転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、転写ベルト30上のトナー像が二次転写ローラー33に送られる。
カセット37A~37Cのそれぞれには、異なる大きさの用紙がセットされる。用紙は、記録媒体の一例である。用紙は、カセット37A~37Cのいずれかから1枚ずつタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。用紙が送り出されるタイミングに合わせて、二次転写ローラー33に印加する転写電圧を制御する。
二次転写ローラー33は、トナー像の帯電極性と逆極性の転写電圧を搬送中の用紙に印加する。その結果、トナー像は、転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、転写ベルト30上のトナー像が転写される。二次転写ローラー33への用紙の搬送タイミングは、転写ベルト30上のトナー像の位置に合わせてタイミングローラー40によって制御される。その結果、転写ベルト30上のトナー像は、用紙の適切な位置に転写される。
定着器60は、定着器60を通過する用紙を加圧および加熱する。これにより、トナー像は用紙に定着する。その後、用紙は、トレー49に排紙される。
クリーニングユニット43は、転写ベルト30から用紙へのトナー像の転写後に転写ベルト30の表面に残留するトナーを回収する。回収されたトナーは、搬送スクリュー(図示しない)で搬送され、廃トナー容器(図示しない)に貯められる。
[2.ハードウェア構成]
図3は、実施形態1に従う画像形成装置1の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図3を参照して、画像形成装置1のハードウェア構成の一例について説明する。
画像形成装置1は、スキャナー20およびプリンター25に加え、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ネットワークインターフェイス104と、表示パネル105と、マイク106と、記憶装置110とを含む。
制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
制御装置101は、画像形成装置1の制御パラメーターを調整するためのプログラム112などの各種プログラムを実行することで画像形成装置1の動作を制御する。
制御装置101は、プログラム112の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置110からRAM103にプログラム112を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、プログラム112の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
ネットワークインターフェイス104には、アンテナ(図示しない)や無線モジュールなどが接続される。画像形成装置1は、アンテナや無線モジュールを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、スマートフォンなどの携帯通信端末、サーバーなどを含む。画像形成装置1は、プログラム112をアンテナを介してサーバーからダウンロードできるように構成されてもよい。
表示パネル105は、ディスプレイとタッチパネルとで構成されている。ディスプレイおよびタッチパネルは互いに重ねられており、画像形成装置1に対する操作をタッチ操作で受け付ける。また、表示パネル105は、設定操作を受け付けるのみならず、ユーザーに各種の情報を提供することが可能である。
記憶装置110は、たとえば、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)その他の記憶装置である。記憶装置110は、内蔵式、外付け式のいずれであってもよい。記憶装置110は、本実施形態に従うプログラム112などを格納する。ただし、プログラム112の格納場所は記憶装置110に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
プログラム112は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施形態に従うプログラム112の趣旨を逸脱するものではない。
さらに、プログラム112によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーがプログラム112の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で画像形成装置1が構成されてもよい。
マイク106は、音声の入力を受け付ける。
[2.1 制御対象]
図4は、実施形態1に従う制御装置101の制御対象について説明する図である。
図4に示されるように、制御装置101は、ファンモータ62を制御する。ファンモータ62は、一例として定着器60に設けられる。
電源部64は、外部入力電源からの交流電圧を受けて各種のハードウェアに直流電圧を供給する。一例として電源部64は、制御装置101に直流電圧を供給する。ファンモータ62は、制御装置101を介して電圧の供給を受ける。
制御装置101は、電源部64から出力される直流電圧の供給を受けて動作するとともに、ファンモータ62を制御する。その際、制御装置101は、ファンモータ62にファンモータ62を駆動する電圧を供給する。
本例においては、ファンモータ62は、ファンとモータとが一体型として設けられているものを指す。
[3.機能ブロック]
図5は、実施形態1に従う画像形成装置1の機能ブロックについて説明する図である。
図5を参照して、制御装置101は、記憶装置110に格納されたプログラム112を実行することより各種の機能を実行する機能ブロックを実現する。
制御装置101は、電流検知部130と、異常判断部132と、ロック異常判断部134と、モータ制御部136と、電圧検出部138と、電圧判定部139と、タイミング調整部140と、シャッター機構調整部142とを含む。
電流検出部130は、ファンモータ62を駆動する際に流れる電流(駆動電流)を検出する。
異常判断部132は、ファンモータ62の異常を判断する。本例においては、異常判断部132は、電流検出部130で検出されたファンモータ62に流れる駆動電流の電流量に基づいて異常を判断する。
ロック異常判断部134は、ファンモータ62がロックしているか否かを判断する。ファンモータ62がロックしているとは、ファンが回転していない状態を意味する。ファンが回転しない場合には、ロック信号がファンモータ62から制御装置101に出力される。ロック異常判断部134は、ファンモータ62からのロック信号を受信しているか否かに基づいてファンモータ62がロックしているか否かを判断する。
モータ制御部136は、ファンモータ62の動作を制御する。
電圧検出部138は、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧を検出する。
電圧判定部139は、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧が所定の基準電圧以上であるか否かを判定する。
タイミング調整部140は、後述する異常判定のタイミングを調整する。
シャッター機構調整部142は、後述するシャッター機構を調整する。
図6は、実施形態1に従う画像形成装置1のファンモータ62の起動時の電流について説明する図である。
図6に示されるように、ファンモータ62の起動時には突入電流が流れる。本例においては、3秒程度経過した付近において電流が安定する場合が示されている。
したがって、実施形態1においては、電流が安定している期間(通常状態時)にファンモータ62の異常を判断する。
図7は、実施形態1に従う異常判断部132の異常の判断を検知するタイミングを説明する図である。
図7に示されるように、モータ制御部136は、起動時において全速でファンモータ62を駆動する制御を実行する。
異常判断部132は、起動した後の所定期間経過後(一例として3秒後)にファンモータ62の異常を判断する。具体的には、異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
本例においては、異常判断部132は、複数回、電流検出部130で検出される電流値が異常な値である場合に異常として判断してもよい。例えば、異常判断部132は、20ms毎に電流値を検出して、当該電流値がN回連続(N≧2)で異常な値である場合に異常として判断してもよい。複数回判断することにより異常の信頼性を確保することが可能となる。
ロック異常判断部134は、起動した後の所定期間経過後(一例として1秒)にファンモータ62がロックしているか否かを判断する。具体的には、ロック異常判断部134は、ファンモータ62からのロック信号を受信しているか否かを判断する。
本例においては、ロック異常判断部134は、複数回、ファンモータ62がロックしていると判断される場合に異常として判断してもよい。例えば、ロック異常判断部134は、ロック信号を検出して、当該ロック信号がN秒連続(N≧2)で検出される場合に異常として判断してもよい。複数回判断することにより異常の信頼性を確保することが可能となる。
また、ロック異常判断部134において、異常と判断した場合には、既に異常が発生しているため異常判断部132における異常を判断しないようにしてもよい。
図8は、実施形態1に従う異常判断部132の異常の検知開始のフローを説明する図である。
図8に示されるように、制御装置101は、ファンモータの起動を指示する(ステップS2)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して起動を指示する。例えば、モータ制御部136は、全速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS4)。具体的には、異常判断部132は、起動してから所定期間(一例として3秒)が経過したか否かを判断する。
ステップS4において、制御装置101は、所定期間(一例として3秒)が経過したと判断した場合(ステップS4においてYES)には、異常検知を開始する(ステップS6)。異常判断部132は、所定期間が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
そして、処理を終了する(エンド)。
当該処理により、ファンモータ62の起動開始直後の突入電流が生じている期間を除去して通常状態の駆動電流が生じている期間に異常検知を開始する。これにより信頼性の高い異常検知が可能となる。
なお、本例においては、所定期間として3秒に設定した場合について説明したがこれに限られず任意の期間に設定することが可能である。
(変形例1)
実施形態1の変形例1においては、突入電流を抑制する方式について説明する。具体的には、実施形態1の変形例1においては、起動開始の直後はファンモータ62に対して減速制御を実行する。
図9は、実施形態1の変形例1に従うファンモータ62の起動時の電流について説明する図である。
図9に示されるように、ファンモータ62の起動時には突入電流が流れる。本例においては、所定期間経過した付近において電流が安定する場合が示されている。また、本例においては、2回突入電流が生じている場合が示されている。
実施形態1の変形例1においては、起動直後の一定期間は、減速制御を実行し、その後、全速制御を実行する。
モータ制御部136は、起動直後の一定期間(一例として1秒)の間、ファンモータ62に対して減速制御を実行する。そして、モータ制御部136は、一定期間のあとに全速制御を実行する。そして、異常判断部132は、ファンモータ62に対して全速制御中の第1の所定期間経過後(一例として1.5秒)に異常検知を開始する。
図10は、実施形態1の変形例1に従う異常判断部132の異常の判断を検知するタイミングを説明する図である。
図10に示されるように、実施形態1の変形例1においては、起動直後の一定期間は、減速制御を実行し、その後、全速制御を実行する。
モータ制御部136は、起動直後の一定期間(一例として1秒)の間、ファンモータ62に対して減速制御を実行する。そして、モータ制御部136は、一定期間のあとに全速制御を実行する。そして、異常判断部132は、ファンモータ62に対して全速制御中の第1の所定期間経過後(一例として1.5秒)に異常検知を開始する。
異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。異常判断部132は、複数回、電流検出部130で検出される電流値が異常な値である場合に異常として判断してもよい。
ロック異常判断部134は、起動した後の所定期間経過後(一例として1秒)にファンモータ62がロックしているか否かを判断する。具体的には、ロック異常判断部134は、ファンモータ62からのロック信号を受信しているか否かを判断する。ロック異常判断部134は、複数回、ファンモータ62がロックしていると判断される場合に異常として判断してもよい。
図11は、実施形態1の変形例1に従う異常判断部132の異常の検知開始のフローを説明する図である。
図11に示されるように、制御装置101は、ファンモータ62の減速起動を指示する(ステップS3)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して減速起動を指示する。例えば、モータ制御部136は、半速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、モータ制御部136は、起動してから一定期間(一例として1秒)が経過したか否かを判断する。
ステップS5において、制御装置101は、一定期間が経過したと判断した場合(ステップS5においてYES)には、ファンモータ62に対して全速を指示する(ステップS7)。例えば、モータ制御部136は、全速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、第1の所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、異常判断部132は、ファンモータ62が全速で動作してから第1の所定期間(一例として1.5秒)が経過したか否かを判断する。
次に、制御装置101は、第1の所定期間が経過したと判断した場合(ステップS9においてYES)には、異常検知を開始する(ステップS11)。異常判断部132は、第1の所定期間(一例として1.5秒)が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。具体的には、異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
そして、処理を終了する(エンド)。
実施形態1の変形例においては、モータ制御部136は、起動開始直後にファンモータ62に対して減速制御することにより、突入電流の電流量を抑制することが可能となる。ファンモータ62に対して全速制御する際にも突入電流が生じるが、減速制御をした後からの変化であるため突入電流の電流量の増加を抑制することが可能となる。異常判断部132は、全速制御している期間中にファンモータ62の異常が生じているか否かを判断する。起動開始後に突入電流が生じてから安定するまでの期間を短縮することが可能となり、通常状態の駆動電流が生じている期間を早めて早期に異常検知を開始する。これにより早期に信頼性の高い異常検知が可能となる。
(変形例2)
実施形態1の変形例1においては、起動開始直後の一定期間の間にファンモータ62に対して減速制御を実行した後、全速制御する場合について説明した。
実施形態1の変形例2においては、モータ制御部136は、ファンモータ62に対して入力される電圧が低い場合には、減速制御を実行しない場合について説明する。
電圧検出部138は、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧を検出する。
電圧判定部139は、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧が所定の基準電圧以上であるか否かを判定する。
モータ制御部136は、電圧判定部139の判定結果として、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧が所定の基準電圧以上でないと判定した場合には、減速制御を実行せずに、全速制御を実行する。
電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧が所定の基準電圧以上でない場合、すなわち、基準電圧よりも低い場合には、突入電流も小さくなる。
したがって、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧が所定の基準電圧以上でない場合には、全速制御を実行する。異常判断部132は、ファンモータ62に対して全速制御後の所定期間経過後(一例として2秒)に、異常を判断する。
図12は、実施形態1の変形例2に従う異常判断部132の異常の検知開始のフローを説明する図である。
図12に示されるように、制御装置101は、電源部64からファンモータ62に出力される電圧を確認する(ステップS0)。具体的には、電圧検出部138は、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧を検出する。
次に、制御装置101は、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上であるか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、電圧判定部139は、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧が所定の基準電圧以上であるか否かを判定する。
ステップS1において、制御装置101は、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上であると判定した場合(ステップS1においてYES)には、ファンモータ62の減速起動を指示する(ステップS3)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して減速起動を指示する。例えば、モータ制御部136は、半速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
以降の処理は、図11で説明したのと同様のフローであるのでその詳細な説明については繰り返さない。
一方、ステップS1において、制御装置101は、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上でないと判定した場合(ステップS1においてNO)には、ファンモータ62の全速起動を指示する(ステップS8)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して全速起動を指示する。
次に、制御装置101は、所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS10)。具体的には、異常判断部132は、起動してから所定期間(一例として2秒)が経過したか否かを判断する。
ステップS10において、制御装置101は、所定期間が経過したと判断した場合(ステップS10においてYES)には、異常検知を開始する(ステップS11)。異常判断部132は、所定期間(一例として2秒)が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。異常判断部132は、所定期間が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
そして、処理を終了する(エンド)。
図13は、実施形態1の変形例2に従うファンモータ62の起動時の電流について説明する図である。
図13に示されるように、ファンモータ62の起動時には突入電流が流れる。
実施形態1の変形例2においては、電源部64からファンモータ62に出力される電圧を判定して、電圧が基準電圧よりも低い場合には、モータ制御部136は、起動開始直後にファンモータ62に対して全速制御する。そして、所定期間経過後に、異常を判断する。電圧が基準電圧よりも低い場合には、突入電流の電流量が小さいことが予想される。したがって、ファンモータ62に対して減速制御を実行せずに全速制御を起動開始直後に実行した場合であっても突入電流が生じてから通常状態の駆動電流に安定するまでの期間は短い。
したがって、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧よりも低い場合には、ファンモータ62に対して全速制御を起動開始直後に実行して、早期に異常検知を開始することが可能である。
(変形例3)
実施形態1の変形例2においては、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧よりも低い場合には、モータ制御部136は、起動直後にファンモータ62に対して全速制御を実行する場合について説明した。
一方で、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧よりも高い場合には、通常状態の駆動電流に安定するまでに通常よりも異常検知を開始するタイミングを遅くした方が望ましい場合もある。
実施形態1の変形例3においては、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧よりも低い場合には、異常検知を開始するタイミングを早くし、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上の場合には、異常検知を開始するタイミングを遅くする場合について説明する。
図14は、実施形態1の変形例3に従う異常判断部132の異常の検知開始のフローを説明する図である。
図14に示されるように、制御装置101は、電源部64からファンモータ62に出力される電圧を確認する(ステップS0)。具体的には、電圧検出部138は、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧を検出する。
次に、制御装置101は、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上であるか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、電圧判定部139は、電源部64から制御装置101を介してファンモータ62に出力される電圧が所定の基準電圧以上であるか否かを判定する。
ステップS1において、制御装置101は、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上であると判定した場合(ステップS1においてYES)には、ファンモータ62の減速起動を指示する(ステップS3)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して減速起動を指示する。例えば、モータ制御部136は、半速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、モータ制御部136は、起動してから一定期間(一例として1秒)が経過したか否かを判断する。
ステップS5において、制御装置101は、一定期間が経過したと判断した場合(ステップS5においてYES)には、ファンモータ62に対して全速を指示する(ステップS7)。例えば、モータ制御部136は、全速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、第2の所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、異常判断部132は、ファンモータ62が全速で動作してから第2の所定期間(一例として1.8秒)が経過したか否かを判断する。
次に、制御装置101は、第2の所定期間が経過したと判断した場合(ステップS9においてYES)には、異常検知を開始する(ステップS11)。異常判断部132は、第2の所定期間(一例として1.8秒)が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
そして、処理を終了する(エンド)。
ステップS1において、制御装置101は、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上で無いと判定した場合(ステップS1においてNO)には、ファンモータ62の減速起動を指示する(ステップS12)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して減速起動を指示する。例えば、モータ制御部136は、半速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、モータ制御部136は、起動してから一定期間(一例として1秒)が経過したか否かを判断する。
ステップS14において、制御装置101は、一定期間が経過したと判断した場合(ステップS14においてYES)には、ファンモータ62に対して全速を指示する(ステップS16)。例えば、モータ制御部136は、全速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、第3の所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS18)。具体的には、異常判断部132は、ファンモータ62が全速で動作してから第3の所定期間(一例として1.2秒)が経過したか否かを判断する。
次に、制御装置101は、第3の所定期間が経過したと判断した場合(ステップS18においてYES)には、異常検知を開始する(ステップS11)。異常判断部132は、第3の所定期間(一例として1.2秒)が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
そして、処理を終了する(エンド)。
図15は、実施形態1の変形例3に従うファンモータ62の起動時の電流について説明する図である。
図15に示されるように、実施形態1の変形例3においては、電源部64からファンモータ62に出力される電圧を判定して、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上の場合には、全速制御してから第2の所定期間経過後(1.8秒)に、異常を判断する。電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上の場合には、突入電流の電流量が大きいことが予想される。したがって、ファンモータ62に対して全速制御を実行した場合に、突入電流が生じてから通常状態の駆動電流に安定するまでの期間は比較的長い。したがって、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧以上の場合には、ファンモータ62に対して全速制御を実行した場合に通常よりも長い期間確保して、異常検知を開始する。これにより確実に駆動電流が安定した状態で異常を検知することが可能である。
一方で、電源部64からファンモータ62に出力される電圧を判定して、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧よりも低い場合には、全速制御してから第3の所定期間経過後(1.2秒)に、異常を判断する。電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧よりも低い場合には、突入電流の電流量が小さいことが予想される。したがって、ファンモータ62に対して全速制御を実行した場合であっても突入電流が生じてから通常状態の駆動電流に安定するまでの期間は短い。したがって、電源部64からファンモータ62に出力される電圧が基準電圧よりも低い場合には、ファンモータ62に対して全速制御を実行した場合であっても早期に異常検知を開始することが可能である。
なお、本例においては、ファンモータ62に対して起動直後に減速制御を実行する場合について説明したが、実施形態1で説明したように起動直後に全速制御を実行する場合についても同様に適用可能である。
(変形例4)
上記の実施形態においては、起動直後の構成について説明した。本変形例4においては、再起動の場合について説明する。
図16は、実施形態1の変形例4に従う画像形成装置1のファンモータ62の起動時および再起動時の電流について説明する図である。
図16に示されるように、ファンモータ62の起動時および再起動時には突入電流が流れる。一方で、再起動時は、起動時よりも突入電流が小さい。
したがって、実施形態1の変形例4においては、再起動時においては、早期にファンモータ62の異常を判断する。
図17は、実施形態に従う異常判断部132の異常の判断を検知するタイミングを説明する図である。
図17に示されるように、実施形態1の変形例4においては、起動直後および再起動直後の一定期間は、減速制御を実行し、その後、全速制御を実行する。
モータ制御部136は、起動直後および再起動直後の一定期間(一例として1秒)の間、ファンモータ62に対して減速制御を実行する。モータ制御部136は、一定期間のあとに全速制御を実行する。異常判断部132は、ファンモータ62に対して全速制御中の第1の所定期間経過後(一例として1.5秒)に異常検知を開始する。
また、異常判断部132は、再起動の場合には、ファンモータ62に対して全速制御中の第4の所定期間経過後(一例として1.2秒)に異常を判断する。具体的には、異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
本例においては、異常判断部132は、複数回、電流検出部130で検出される電流値が異常な値である場合に異常として判断してもよい。例えば、異常判断部132は、20ms毎に電流値を検出して、当該電流値がN回連続(N≧2)で異常な値である場合に異常として判断してもよい。複数回判断することにより異常の信頼性を確保することが可能となる。
ロック異常判断部134は、起動した後の所定期間経過後(一例として1秒)にファンモータ62がロックしているか否かを判断する。具体的には、ロック異常判断部134は、ファンモータ62からのロック信号を受信しているか否かを判断する。
本例においては、ロック異常判断部134は、複数回、ファンモータ62がロックしていると判断される場合に異常として判断してもよい。例えば、ロック異常判断部134は、ロック信号を検出して、当該ロック信号がN秒連続(N≧2)で検出される場合に異常として判断してもよい。複数回判断することにより異常の信頼性を確保することが可能となる。
図18は、実施形態1の変形例4に従う異常判断部132の異常の検知開始のフローを説明する図である。
図18に示されるように、制御装置101は、ファンモータ62の起動が停止直後の再起動であるか否かを判断する(ステップS20)。
ステップS20において、制御装置101は、ファンモータ62の起動が停止直後の再起動でないと判断した場合(ステップS20においてNO)には、ファンモータ62の減速起動を指示する(ステップS3)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して減速起動を指示する。例えば、モータ制御部136は、半速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、モータ制御部136は、起動してから一定期間(一例として1秒)が経過したか否かを判断する。
ステップS5において、制御装置101は、一定期間が経過したと判断した場合(ステップS5においてYES)には、ファンモータ62に対して全速を指示する(ステップS7)。例えば、モータ制御部136は、全速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、第1の所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、異常判断部132は、ファンモータ62が全速で動作してから第1の所定期間(一例として1.5秒)が経過したか否かを判断する。
次に、制御装置101は、第1の所定期間が経過したと判断した場合(ステップS9においてYES)には、異常検知を開始する(ステップS11)。異常判断部132は、第1の所定期間が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。具体的には、異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
そして、処理を終了する(エンド)。
一方で、制御装置101は、ファンモータ62の起動が停止直後の再起動であると判断した場合(ステップS20においてYES)には、ファンモータ62の減速起動を指示する(ステップ22)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して減速起動を指示する。例えば、モータ制御部136は、半速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS24)。具体的には、モータ制御部136は、起動してから一定期間(一例として1秒)が経過したか否かを判断する。
ステップS24において、制御装置101は、一定期間が経過したと判断した場合(ステップS24においてYES)には、ファンモータ62に対して全速を指示する(ステップS26)。例えば、モータ制御部136は、全速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、第4の所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS28)。具体的には、異常判断部132は、ファンモータ62が全速で動作してから第1の所定期間(一例として1.2秒)が経過したか否かを判断する。
次に、制御装置101は、第4の所定期間が経過したと判断した場合(ステップS28においてYES)には、異常検知を開始する(ステップS11)。異常判断部132は、第4の所定期間が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。具体的には、異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
そして、処理を終了する(エンド)。
実施形態1の変形例4においては、ファンモータ62の起動が停止直後の再起動である場合には、突入電流が小さくなるため、駆動電流の電流量は早期に安定する。したがって、起動が停止直後の再起動である場合には、早期に異常検知を開始することが可能である。
なお、本例においては、ファンモータ62に対して起動直後に減速制御を実行する場合について説明したが、実施形態1で説明したように起動直後に全速制御を実行する場合についても同様に適用可能である。
(変形例5)
実施形態1の変形例4においては、ファンモータ62の起動が停止直後の再起動である場合にも減速制御を実行する場合について説明した。一方で、突入電流は小さくなるためファンモータ62の起動が停止直後の再起動の場合には全速制御を実行することも可能である。
図19は、実施形態1の変形例5に従う画像形成装置1のファンモータ62の起動時および再起動時の電流について説明する図である。
図19に示されるように、ファンモータ62の起動時および再起動時には突入電流が流れる。一方で、再起動時は、起動時よりも突入電流が小さい。したがって、実施形態1の変形例4においては、再起動時においては、早期にファンモータ62の異常を判断する。
この点で、再起動時には、起動直後に全速制御を実行する。
図20は、実施形態1の変形例5に従う異常判断部132の異常の判断を検知するタイミングを説明する図である。
図20に示されるように、実施形態1の変形例5においては、起動直後の一定期間は、減速制御を実行し、その後、全速制御を実行する。一方、再起動直後は、全速制御を実行する。
モータ制御部136は、起動直後の一定期間(一例として1秒)の間、ファンモータ62に対して減速制御を実行する。そして、モータ制御部136は、一定期間のあとに全速制御を実行する。異常判断部132は、ファンモータ62に対して全速制御中の第1の所定期間経過後(一例として1.5秒)に異常検知を開始する。
モータ制御部136は、ファンモータ62の起動が停止直後の再起動である場合には、ファンモータ62に対して全速制御を実行する。異常判断部132は、ファンモータ62に対して全速制御中の第4の所定期間経過後(一例として1.2秒)に異常検知を開始する。
図21は、実施形態1の変形例5に従う異常判断部132の異常の検知開始のフローを説明する図である。
図21に示されるように、図18と比較して、ステップS22およびステップS24を削除した点が異なる。
その他の構成については、同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
実施形態1の変形例5においては、ファンモータ62の起動が停止直後の再起動である場合には、突入電流が小さくなるため、駆動電流の電流量は早期に安定する。したがって、起動が停止直後の再起動である場合には、ファンモータ62に対して全速制御を実行するとともに、早期に異常検知を開始することが可能である。
(実施形態2)
実施形態2においては、定着器60に設けられたシャッター機構の構成について説明する。
図22は、実施形態2に従うシャッター機構を説明する図である。
図22を参照して、定着器60は、定着ローラ60Aを含む。定着ローラ60Aは、図示しない加熱装置により加熱される。当該定着ローラ60Aと用紙とが接触することにより加圧および加熱されてトナー像が用紙に定着する。一方で、用紙のサイズは異なるため定着領域はサイズによって異なる。本例においては、4種類の用紙のサイズA、B、C、Dの定着領域がそれぞれ示されている。用紙D>用紙C>用紙B>用紙Aの順のサイズとなっている。
定着ローラ60Aの定着領域外の温度が高いと用紙に汚れが転写する可能性もあるため本例においては、定着ローラ60Aの定着領域外はファンモータにより冷却する構成としている。
具体的には、定着ローラ60Aの一端側と他端側にそれぞれファンモータ62A,62Bが設けらている。ファンモータ62A,62Bのそれぞれには、シャッター機構64A,64Bが設けられている。シャッター機構64Aは、ファンモータ62Aを覆うように設けられており、吹出口の開口量を調整することが可能である。シャッター機構64Bは、ファンモータ62Bを覆うように設けられており、吹出口の開口量を調整することが可能である。具体的には、3つの開閉可能なシャッターB1~B3が設けられている。
用紙Aの定着の場合には、用紙Aに対応する定着ローラ60Aの定着領域外を冷却するために全てのシャッターB1~B3が開放される。この場合には、吹出口からのエアーが定着ローラ60Aの用紙Aの定着領域外に出力される。
用紙Bの定着の場合には、用紙Bに対応する定着ローラ60Aの定着領域外を冷却するために全てのシャッターB1とB2とが開放される。この場合には、吹出口からのエアーが定着ローラ60Aの用紙Bの定着領域外に出力される。
用紙Cの定着の場合には、用紙Cに対応する定着ローラ60Aの定着領域外を冷却するために全てのシャッターB1が開放される。この場合には、吹出口からのエアーが定着ローラ60Aの用紙Cの定着領域外に出力される。
用紙Dの定着の場合には、用紙Dに対応する定着ローラ60Aの定着領域外は存在しないため全てのシャッターB1~B3が閉じられる。この場合には、吹出口からのエアーは、定着ローラ60Aに出力されない。
図23は、実施形態2に従う画像形成装置1のファンモータ62の起動時の電流について説明する図である。
図23に示されるように、ファンモータ62の起動時には突入電流が流れる。また、用紙のサイズに応じて突入電流が異なる場合が示されている。
具体的には、用紙のサイズが小さいほど突入電流が大きく、用紙のサイズが大きいほど突入電流が小さい。シャッターを開放することによりファンモータ62A,62Bの負荷が大きくなるため突入電流が大きくなる。一方で、シャッターを閉じることによりファンモータ62A,62Bの負荷が小さくなるため突入電流が小さくなる。それゆえ、用紙のサイズにしたがって駆動電流が安定するタイミングが異なる。
実施形態2においては、用紙のサイズに従ってファンモータ62の異常を判断するタイミングを調整する。
実施形態2においては、用紙のサイズに従って異常検知を開始するタイミングを調整すうる所定期間の長さを調整する。用紙のサイズに応じた所定期間は、予め設定されており、記憶装置110に格納されているものとする。
具体的には、用紙のサイズが大きいほど、ファンモータ62の異常を判断する所定期間のタイミングを早め、用紙のサイズが小さいほど、ファンモータ62の異常を判断する所定期間のタイミングを遅くする。
図24は、実施形態2に従う異常判断部132の異常の判断を検知するタイミングを説明する図である。
図24に示されるように、制御装置101は、用紙のサイズを確認する(ステップS30)。タイミング調整部140は、表示パネル105を介して入力された用紙のサイズ情報を取得する。
次に、制御装置101は、シャッター機構を調整する(ステップS32)。シャッター機構調整部142は、表示パネル105を介して入力された用紙のサイズに従ってシャッターB1~B3の開閉を制御する。
次に、制御装置101は、所定期間を設定する(ステップS34)。タイミング調整部140は、表示パネル105を介して入力された用紙のサイズ情報に基づいて記憶装置110に予め格納されている所定期間に設定する。
次に、制御装置101は、ファンモータ62の減速起動を指示する(ステップS36)。モータ制御部136は、ファンモータ62に対して減速起動を指示する。例えば、モータ制御部136は、半速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS38)。具体的には、モータ制御部136は、起動してから一定期間(一例として1秒)が経過したか否かを判断する。
ステップS38において、制御装置101は、一定期間が経過したと判断した場合(ステップS38においてYES)には、ファンモータ62に対して全速を指示する(ステップS40)。例えば、モータ制御部136は、全速で動作するようにファンモータ62に対して指示する。
次に、制御装置101は、設定された所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS42)。具体的には、異常判断部132は、ファンモータ62が全速で動作してから設定された所定期間が経過したか否かを判断する。
次に、制御装置101は、設定された所定期間が経過したと判断した場合(ステップS42においてYES)には、異常検知を開始する(ステップS44)。異常判断部132は、設定された所定期間が経過したと判断した場合には、異常検知を開始する。異常判断部132は、電流検出部130で検出される駆動電流の電流値が異常な値であるか否かを判断する。例えば、電流値が所定の基準電流以上であるか否かを判断する。
そして、処理を終了する(エンド)。
なお、本例においては、ファンモータ62に対して起動直後に減速制御を実行する場合について説明したが、実施形態1で説明したように起動直後に全速制御を実行する場合についても同様に適用可能である。
また、本例においては、起動前にシャッター機構により吹出量を調整する構成について説明したが、シャッター機構によりエアーの吹出量を少なくした状態でファンモータ62に対して全速制御を実行した後に、シャッター機構により吹出量を調整するようにしても良い。これにより負荷の少ない状態で起動が開始可能であるため突入電流を抑制して、早期に異常検知を開始することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。