JP7371953B2 - シート状米飯成型具 - Google Patents

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Description

この発明は、米飯を一定の厚みで均された扁平シート状に成型するためのシート状米飯成型具に関する。
従来、シート状に成型した米飯(以下、シート状米飯と称する。)により、同シート状米飯の内側に配置した卵焼きやかんぴょうなどの具材を丸め包んで形成した巻回形態の巻き寿司や2つ折りして包んで形成した折曲形態のおにぎりなどの米飯食品が広く喫食されている。
かかるシート状米飯は、例えば海苔や昆布、大葉などを一定のシート形状に加工形成したシート状食品上に米飯塊を載置し、同米飯塊をシート状食品の表面からはみ出さないようにシート状食品の周縁に沿ってシート状食品の表面全域にしゃもじ等で均し広げ、一定の扁平シート状に成型している。
このようなシート状米飯の成型作業は専ら作業者の経験の多寡や技量に依存するため、米飯塊の均し方や広げ方が不足したり一定方向にのみ偏ったりすると、シート状米飯は、シート状食品上に米飯量の異なる凸凹部分を形成して米飯厚みがところどころ不均一となった、いわゆる「米飯厚み斑」を形成することとなる。
かかる「米飯厚み斑」は、シート状米飯で具材を包む際に障害となって米飯食品の巻回形態や折曲形態を歪にして、米飯食品の食感や意匠的外観を損なわせたりする問題があった。
このような「米飯厚み斑」を解消したシート状米飯を製造すべく、例えばホッパから供給されたコンベア上の米飯を平らに均すための均し機構を備えたシート状米飯製造装置(例えば、特許文献1参照。)が種々提案されているが、かかる装置は大掛かりで設置スペースを必要とし、また、装置自体やそのメンテナンスの費用を膨大にしてコスト面でも不利である。
そこで、把持部の先端に連設された有底方形状の成型枠を備えたシート状米飯成型具(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
かかるシート状米飯成型具によれば、低コストで設置スペースを要することなく誰でも手軽に使用でき、米飯塊を成型枠に収納して成型された米飯塊(以下、単に成型米飯塊と称す。)を同成型枠から抜き去ることにより一定厚みを有した所定形状のシート状米飯を得ることができるとしている。
特開2010-124710号公報 特開平11-318363号公報
しかしながら、上記従来のシート状米飯成型具は、成型枠内へ収納して均し広げた成型米飯塊の抜去作業が困難となるばかりか、成型枠内の形状に沿ったシート状米飯を安定して繰り返し成型することができない恐れがあった。
すなわち、成型米飯塊は成型枠に収納した米飯塊を枠内でしゃもじ等により型枠底部へ向かって下方押圧して押し潰し広げることによりに成型されるため、粘着性を持った米飯が型枠底部に結着してしまい成型枠から成型米飯塊を抜去してシート状米飯を得ることを困難としていた。
また、強制的に成型米飯塊を成型枠から引き剥がし抜去しようとすると、型枠底部に結着した米飯がそのまま残るために得られたシート状米飯には厚みや形状が一定でない「米飯厚み斑」が形成される恐れがあった。この理は、特にシート状米飯の成型作業を繰り返すことにより増長されることとなる。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、低コストで設置スペースを要することなくコンパクトに誰でも簡単に使用できることは勿論、一定の厚み及び形状を保持して「米飯厚み斑」のないシート状米飯を安定して繰り返し成型できるシート状米飯成型具を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明にかかるシート状米飯成型具は、(1)米飯を内側に収納してシート状米飯を成型するための成型フレームと、前記成型フレームに収納された米飯をシート状に均すための均しベラと、を備え、前記成型フレームは、所定厚みを有した扁平板状であって、上下面は平坦面に形成するとともに内側で米飯を収納するための米飯収納部を窓状に貫通形成するように無端状に形成し、前記均しベラは、把持部と前記把持部の一側から延設された扁平状のヘラ本体部とで構成したことに特徴を有する。
また、本発明にかかるシート状米飯成型具は、以下の点にも特徴を有する。
(2)前記成型フレームの外形は平面視略方形状に形成するとともに前記米飯収納部は前記成型フレームの外形と略相似形の平面視略方形状に形成したこと。
(3)前記把持部は、扁平細長状に形成され、前記ヘラ本体部は、前記把持部の扁平面に連続する略扁平方形状に形成され、4つの方形角のうち一角部又はその近傍を前記把持部との接続基端部とするとともに前記把持部の仮想軸心線上又はその近傍にヘラ本体部の重心を配置したこと。
(4)前記ヘラ本体部は、基端から先端にかけて緩やかに湾曲した湾曲面を有すること。
(5)前記成型フレーム上面の前記米飯収納部を形成する部分に凹部を形成したこと。
請求項1に係る発明によれば、米飯を内側に収納してシート状米飯を成型するための成型フレームと、前記成型フレームに収納された米飯をシート状に均すための均しベラと、を備え、前記成型フレームは、所定厚みを有した扁平板状であって、上下面は平坦面に形成するとともに内側で米飯を収納するための米飯収納部を窓状に貫通形成するように無端状に形成し、前記均しベラは、把持部と前記把持部の一側から延設された扁平状のヘラ本体部とで構成したため、例えば巻き簀やシート状食品などの水平状の平坦載置面の上に成型フレームを設置し、該成型フレームの米飯収納部に米飯塊を収納して専用の均しベラで成型フレームに沿って平らに均し敷き詰めるだけで、「米飯厚み斑」のない厚みが均一で米飯収納部の形状に沿ったシート状米飯を簡単に製造することができる効果がある。
すなわち、成型フレーム内側の米飯収納部に収納した米飯塊を専用の均しベラのヘラ本体部によりヘラ本体部の下面を成型フレームの上面と当接するように略面平行に均し広げる作業を行うだけで、フレーム外に米飯をはみ出させることなく、フレーム内の米飯収納部全域を隙間なく米飯で満たしてフレームの厚みの合致した一定厚みの成型米飯塊を成型することできる。
すなわち、成型フレームに対する成型米飯塊の接触面は均しベラによる米飯塊の下方押圧方向に略直交する成型フレームの内周面となるため、米飯のフレームに対する接触面積を小さくし、米飯の均し作業に伴う下方応力を米飯を介して直接的にフレームの内周面に作用させることなく、米飯の成型フレームへの不用意な結着を可及的抑制することができる。
また、内周面へ米飯が接触して結着した場合であっても、成型フレームの内周面に対する直交方向が米飯の成型フレームへの結着方向となるために、フレームへの米飯結着部分に対してフレーム内周面に直交する応力を米飯の結着を解除するための分断力として確実に伝達することができる。
したがって、成型フレームから成型米飯塊を抜去してシート状米飯を得る際には、平坦載置面に載置された成型米飯塊からその外周を囲繞する成型フレームを上方に引き上げて抜き去ることが容易にでき、「米飯厚み斑」がなく形状や厚みが一定のシート状米飯を繰り返し製造できる効果がある。
すなわち、成型フレームと該成型フレームに合わせて形成した均しベラにより成型フレーム内の米飯収納部の形状に沿った成型米飯塊を成型する「均し広げ成型作業」と、成型フレーム内の成型米飯塊を該フレームの米飯収納部から抜去してシート状米飯を取り出す「型枠抜去作業」とを正確且つ容易に行う事ができる効果がある。
請求項2に係る発明によれば、前記成型フレームの外形は平面視略方形状に形成するとともに前記米飯収納部は前記成型フレームの外形と略相似形の平面視略方形状に形成したため、成型フレームを例えば一般的に規格されたシート状食品や巻き簀の形状に適合させることができ、シート状食品や巻き簀の周縁に沿って成型フレームを載置することによりシート状食品や巻き簀の平坦載置面を成型フレーム内側の米飯収納部の底面となし、シート状食品や巻き簀上で周縁から米飯がはみ出すことのないシート状米飯を成型することができる効果がある。
請求項3に係る発明によれば、前記把持部は、扁平細長状に形成され、前記ヘラ本体部は、前記把持部の扁平面に連続する略扁平方形状に形成され、4つの方形角部のうち一角部又はその近傍を前記把持部との接続基端部とするとともに前記把持部の仮想軸心線上又はその近傍にヘラ本体部の重心を配置したため、親指をヘラ本体部の基端近傍の把持部の扁平面にあてがうとともに親指以外の手指で把持部の胴部を握り込むことができ、把持部先端のヘラ本体部に対して把持部からの作業者の上下方向動作や前後左右方向動作を正確に反映することができ、成型フレーム内での米飯塊の均し広げ作業における均しベラの操作性を向上できる効果がある。
請求項4に係る発明によれば、前記ヘラ本体部は、基端から先端にかけて緩やかに湾曲した湾曲面を有するように形成したため、ヘラ本体部の湾曲面に沿って米飯塊との接触面積を微調整しながら米飯塊の均し広げ操作を正確に行うことができる効果ある。
請求項5に係る発明によれば、前記成型フレーム上面の前記米飯収納部を形成する部分に凹部を形成したため、凹部に応じてシート状米飯の米飯厚みを調整して形成することができる効果がある。
本発明に係るシート状米飯成型具の使用状態を示す斜視図である。 本発明に係るシート状米飯成型具の構成を示す斜視図である。 本発明に係る成型フレームの構成を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る均しベラの構成を示す側面図及び平面図である。 本発明に係る均しベラのヘラ本体部のA-A断面図及びB-B断面図である。 本発明に係るシート状米飯成型具の使用状態を示す斜視図である。 本発明に係るシート状米飯成型具の使用状態を示す斜視図である。 本発明に係る成型フレーム内で均しベラにより米飯塊を均し広げて成型米飯塊を得るための手順を示す模式的平面図である。 本発明に係る成型フレーム内で均しベラにより米飯塊を均し広げて成型米飯塊を得るための手順を示す模式的平面図である。 本発明に係る成型フレーム内で均しベラにより米飯塊を均し広げて成型米飯塊を得るための手順を示す模式的平面図及び模式的側断面図である。 本発明に係る成型フレーム内で均し成型した成型米飯塊から成型フレームを抜き去りシート状米飯を得るための手順を示す斜視図である。
この発明の要旨は、シート状米飯成型具において、米飯を内側に収納してシート状米飯を成型するための成型フレームと、前記成型フレームに収納された米飯をシート状に均すための均しベラと、を備え、前記成型フレームは、所定厚みを有した扁平板状であって、上下面は平坦面に形成するとともに内側で米飯を収納するための米飯収納部を窓状に貫通形成するように無端状に形成し、前記均しベラは、把持部と前記把持部の一側から延設された扁平状のヘラ本体部とで構成したことにある。
また、前記成型フレームの外形は平面視略方形状に形成するとともに前記米飯収納部は前記成型フレームの外形と略相似形の平面視略方形状に形成したことに特徴を有する。
また、前記把持部は、扁平細長状に形成され、前記ヘラ本体部は、前記把持部の扁平面に連続する略扁平方形状に形成され、4つの方形角のうち一角部又はその近傍を前記把持部との接続基端部とするとともに前記把持部の仮想軸心線上又はその近傍にヘラ本体部の重心を配置したことに特徴を有する。
また、前記ヘラ本体部は、基端から先端にかけて緩やかに湾曲した湾曲面を有することに特徴を有する。
また、前記成型フレーム上面の前記米飯収納部を形成する部分に凹部を形成したことに特徴を有する。
以下、この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1はシート状米飯成型具の使用状態を示す斜視図、図2はシート状米飯成型具の外観斜視図、図3は成型フレームの構成を示す平面図及び側面図、図4は均しベラの構成を示す側面図及び平面図、図5は均しベラのヘラ本体部のA-A断面図及びB-B断面図、図6及び図7はシート状米飯成型具の使用方法を示す説明図、図8~図10は成型フレーム内で均しベラにより米飯塊を均し広げて成型米飯塊を得るための手順を示す模式的平面図、模式的側面図及び模式的側断面図、図11は成型フレーム内で成型した成型米飯塊から成型フレームを抜き去りシート状米飯を得るための手順を示す斜視図である。
本発明に係るシート状米飯成型具Aは、巻回形態の巻き寿司や2つ折りの折曲形態のおにぎりなどの米飯食品を製造する過程で、巻回されたり折り曲げられたりする前の状態であるシート状米飯を得るために用いられる。
シート状米飯成型具Aは、概括的には、図1及び図2に示すように米飯を内側に収納してシート状米飯R3(図11参照)を成型するための成型フレーム10と、成型フレーム10に収納された米飯をシート状に均すための均しベラ30と、を備えて構成している。
すなわち、シート状米飯成型具Aは、図1及び図2に示すように、水平に広げた巻き簀100の上にシート状食品101を載置し、次いで該シート状食品101上にシート状食品101の全周縁部102に沿って成型フレーム10を載置し、該成型フレーム10内に収納した米飯塊R1を専用の均しベラ30で成型フレーム10内全域に均し広げて敷き詰めることにより成型米飯塊R2に成型し、最終的に成型米飯塊R2から成型フレーム10を上方に引き上げ抜去することによりシート状米飯R3を得るものである。
かかるシート状米飯R3をシート状食品101ごと巻回したり折り曲げたりすることで、巻き寿司や折曲形態のおにぎりなどの米飯食品が得られる。なお、シート状米飯成型具Aに使用されるシート状食品101は一般的な海苔や昆布シートなどの加工食品の他に、大葉などの天然食品であってもよい。
成型フレーム10は、図1及び図2に示すように所定厚みを有した扁平板状であって、図3(b)に示すように上下面11、11’は平坦面に形成するとともに、図3(a)に示すように内側で米飯を収納するための米飯収納部20を窓状に貫通するように無端状に形成している。すなわち、成型フレーム10は、全体として扁平な矩形枠体(額縁状)に構成している。
成型フレーム10の厚みHは、図3(b)に示すように所望とするシート状米飯R3の厚みに合わせて適宜決定することができ、例えば一般的な巻きずしや折曲形態のおにぎりを形成するシート状米飯の厚みに適合すべく5mm~10mmにすることができる。
また、成型フレーム10の素材は、特に限定されることはなく、例えば、プラスチック樹脂や、木、金属を採用することができる。成型フレーム10の素材としてプラスチック樹脂を採用すれば、一定の強度を確保しつつ洗浄して衛生的に繰り返し使用をすることができ、また、低コストで製造することができる。
また、成型フレーム10の内側で米飯収納部20を形成する成型フレーム10の内周面21には、滑り性を向上させて米飯の付着を可及的防止するための滑り加工を施すこととしてもよい。滑り加工としては、例えば、セラミック等の金属コーティング、フッ素樹脂等の滑り樹脂コーティング、細目研磨加工を採用することができる。
また、成型フレーム10の下面11’には、成型フレーム10を台所やまな板、巻き簀、シート状食品101などの水平載置面に載置した際に、載置位置からの位置ズレを防止するための滑り止め加工を施すこととしてもよい。滑り止め加工としては、例えば、弾性樹脂等の滑り止め樹脂コーティング、粗目研磨加工を採用することができる。
かかる構成の成型フレーム10の内側には、図1、図2及び図3(a)に示すように上下開口の矩形窓状の米飯収納部20が貫通形成されている。
米飯収納部20は、成型フレーム10を水平載置面に載置した状態で、米飯塊R1を収納するための米飯収納空間として機能する。また、収納された米飯塊R1を均しベラ30により米飯収納部20内全域に均し広げて成型フレーム10の内周面21に沿ってシート状米飯を型枠成型するための米飯成型空間として機能する。
成型フレーム10の平面視における外形は、例えば、略円状や台形状、三角形状に形成することができる。
また、米飯収納部20の平面視における形状は、所望とするシート状米飯R3の平面視外形に合わせて決定することができ、例えば、略円状や台形状、三角形の窓状に形成することができる。
本実施例では、図3(a)に示すように成型フレーム10は平面視略方形状に形成するとともに、成型フレーム10の内側の米飯収納部20は成型フレーム10の外形と略相似形の平面視略方形状に形成している。
具体的には、成型フレーム10とその内側の米飯収納部20とは、図3(a)に示すようにそれぞれ一定規格のシート状食品101の平面視外形と略相似の平面視外形とし、成型フレーム10はシート状食品101の外形よりやや大きくするとともに米飯収納部20はシート状食品101の外形よりやや小さくするように形成している。
すなわち、図1、図6及び図7に示すように成型フレーム10は平面視略方形状に形成された一定規格のシート状食品101の周縁部102に載置適合する形状とし、米飯収納部20はシート状食品101の周縁部102内側の平面視略方形領域に適合する形状としている。
成型フレーム10は、図3(a)に示すように額縁状の矩形板体であって、長尺角棒状の左右側壁部12、12’と、左右側壁部12、12’の前端部同士の間をつなぐ短尺平板状の前後側壁部13、13’と、で構成している。
すなわち、成型フレーム10の内周面21は、成型フレーム10の下面11’に対して直交する面となし、左右側壁部12、12’の長手左右内側面22、22’と前後側壁部13、13’の短手前後内側面23、23’とにより構成している。
換言すれば、米飯収納部20は、成型フレーム10の内周面21、すなわち左右側壁部12、12’の長手左右内側面22、22’と前後側壁部13、13’の短手前後内側面23、23’とにより形成された空間であって、該内周面21によりシート状米飯R3の外周面部分を成型するように構成している。また、米飯収納部20は、平面視で略直角の隅部25、25’26、26’を4つ有するように構成している。
米飯収納部20は、成型フレーム10を水平載置面に載置した場合に該水平載置面により下方開口を閉塞される。
すなわち、米飯収納部20は、図1に示すように成型フレーム10の水平載置面での載置状態で該水平載置面によりシート状米飯R3の下面部分を成型するための型枠底面24を構成する。
換言すれば、成型フレーム10は、水平載置面への載置状態において、米飯収納部20を、成型フレーム10の内周面21と水平載置面による型枠底面24とよりなす上方開口の成型米飯型枠部とするように構成している。
ここで、方形状の成型フレーム10の平面視での外形寸法は、特に限定されることはないが、例えばシート状食品101に用いる場合にはシート状食品101の平面視での外形寸法よりやや大きくなるように形成している。
また、成型フレーム10の平面視での内寸法、すなわち米飯収納部20の平面視での寸法は、例えばシート状食品101に用いる場合にはシート状食品101の平面視での外形寸法よりやや小さくなるように形成している。
すなわち、成型フレーム10及び米飯収納部20はそれぞれ、全形(縦200mm~210mm、横180mm~200mm)、横2切(縦95mm~105mm、横180mm~200mm)、横3切(縦60mm~70mm、横180mm~200mm)、横6切(縦25mm~35mm、横180mm~200mm)などの規格されたシート状食品101の各種寸法に応じ大きさとしている。
具体的には、図3(a)に示すように成型フレーム10の縦長さL1は、シート状食品101の規格された縦長さに応じて例えば25mm~230mmとしている。
また、成型フレーム10の横長さW1は、シート状食品101の横長さに応じて例えば180mm~250mmとしている。本実施例の成型フレーム10の寸法は、縦長さ約110mm、横長さ約220mmにしている。
また、米飯収納部20の縦長さL2(前後側壁部13、13’の短手前後内側面23、23’の長さ)は、シート状食品101の周縁部102に沿って同周縁部102の内側にシート状米飯を成型すべく、例えば25mm~210mmとしている。
また、米飯収納部20の横長さW2(左右側壁部12、12’の長手左右内側面22、22’の長さ)は、シート状食品101の横長さに応じて例えば180mm~250mmとしている。本実施例の米飯収納部20の寸法は、縦長さ約90mm、横長さ約175mmにしている。
このような構成により、成型フレーム10を一般的に規格されたシート状食品101や巻き簀100の形状に適合させることができ、シート状食品101や巻き簀100の周縁に沿って成型フレーム10を載置することによりシート状食品101や巻き簀100の平坦載置面を成型フレーム10内側の米飯収納部20の型枠底面24となし、シート状食品101や巻き簀100上で周縁から米飯がはみ出すことのないシート状米飯R3を成型することができる。
また、成型フレーム10を構成する左右側壁部12、12’及び前後側壁部13、13’は、後述する均しベラ30のヘラ本体部50の下面が成型フレーム10の上面11に面当接できる程度の面積を有するように、それぞれ一定の幅員D1、D2を有して形成している。
特に本実施例の成型フレーム10は、左右側壁部12、12’の幅員D1を前後側壁部13、13’の幅員D2よりも小さくなるように形成している。
左右側壁部12、12’の幅員D1は、例えばそれぞれ5mm~15mmである。前後側壁部13、13’の幅員D2は、例えばそれぞれ20mm~30mmである。本実施例の左右側壁部12、12’の幅員D1を約10mm、前後側壁部13、13’の幅員D2を約25mmにしている。
かかる構成により、成型フレーム10を一定規格のシート状食品101に載置する際に、シート状食品101の全周縁部102に沿った成型フレーム10の載置位置決めが容易となり、シート状食品101の全周縁に合致した成型フレーム10の載置作業を簡素化できる。
また、前後側壁部13、13’の幅員D2は前後方向に伸延する幅広となるように形成しているため、シート状食品101の周縁部102上面とともにシート状食品101などの載置面との載置接触面積を拡大して、シート状食品101を成型フレーム10でしっかりと押さえつけてシート状食品101上の成型フレーム10が位置ズレすることを防止でき、シート状食品101上における成型フレーム10の安定した載置状態を実現できる。
また、成型フレーム10’の変形例として、図3(c)に示すように、成型フレーム10’の上面11の米飯収納部20を形成する部分、すなわち成型フレーム10’の内周面21の上端縁部分には凹部16を形成することとしてもよい。
すなわち、成型フレーム10’は、成型フレーム10’の左右側壁部12、12’の厚みHをその長手方向の中央部で肉薄とした厚みH1(<H)とする凹部16を形成している。
かかる凹部16は、左右側壁部12、12’の両端から中央に向けて成型フレーム10’の左右側壁部12、12’の厚みを漸次肉薄とする湾曲状の凹面16aを形成しており、その凹部16の最底部と下面11’との間によりなす成型フレーム10’の最小厚みH1は最大厚みHの約1/2~2/3である。換言すれば、成型フレーム10’は、厚みHを約1/2以上2/3以下の厚みH1とする凹部16をフレームの上面11に形成している。
このような構成により凹部16の凹ませ程度に応じて成型フレーム10’の厚みHを肉薄の厚みH1まで減じることができる。すなわち、凹部16に応じて成型フレーム10’の内側の米飯収納部20で成型される成型米飯塊R2、すなわちシート状米飯R3における長手中央部の厚みを、長手方向の両端部の厚みHよりも薄い厚みH1に一致した厚みに形成することができる。
したがって、成型フレーム10’において、米飯食品として折曲形態のおにぎりを形成する際に米飯量が集中する折曲部分に相当する部分が相対的に薄い部分となるように予め凹部16を形成しておけば、シート状米飯R3の折曲部における厚みを肉薄にして米飯がおにぎりの外やシート状食品からはみ出したり折曲形態とすることを阻害したりすることを防止できる。
本実施例では、本実施例では、折曲形態のおにぎり(シート状米飯R3を長手方向について2つ折りにした形態の米飯食品)を形成する際に米飯量が集中する折曲部分に相当する部分は、成型フレーム10’の長手方向の中央部となる。なお、米飯食品の形態によっては、前後側壁部13、13’の上面側に凹部を形成してもよい。
また、本実施例では、成型フレーム10の上面11において、凹部16は、左右側壁部12、12’の幅方向の全体にわたって形成されているが、左右側壁部12、12’の上面の内側(内周面21)の部分に部分的に形成されてもよい。つまり、凹部16は、成型フレーム10の上面11において、米飯収納部20を形成する部分に形成されればよい。
均しベラ30は、図1に示すように把持部40と、把持部40の一側から延設された扁平状のヘラ本体部50とで構成している。
均しベラ30は、ヘラ本体部50の下面51’を成型フレーム10の上面11に面当接するように成型フレーム10の米飯収納部20に収納した成型米飯塊R2を押し広げるだけで米飯収納部20の形状に沿った成型米飯塊R2の成型作業の簡素化を可能とする。
把持部40は、図4(a)及び図4(b)に示すように人手で把握しやすい一定幅員の扁平細長状に形成している。把持部40の一定の幅員D3や長さL3は、人手で把持可能であれば特に限定されることはない。例えば、把持部40は、幅員D3を20mm~25mm、長さを100mm~150mmとすることで一般的な手掌大きさに把握適合させることができる。
また、把持部40は、基端から先端にかけて幅員を漸次幅狭状とし、把持部40の先端部分を、把持部40の基端側の部分とヘラ本体部50との間でくびれた形状をなすように形成しており、人手で把握した際に力が自然に入りやすいようにしている。
また、把持部40の上面41には、手指で把握した際に手指の先端や親指の腹面を当接載置するための手指置き凹部を把持部40の仮想軸心線Pに沿って形成することとしてもよい。
かかる構成により手指でしっかりと把持部をグリップでき、親指の腹面で把持部40を下方押圧しやくして親指腹面からの下方押圧力を後述するヘラ本体部50の重心Gに伝達することができる。
また、把持部40の下面41’は、把持部40の軸方向(仮想軸心線P)に沿って左右外側部42、42’に連続する断面視円弧状に形成し、手掌の握り込み形状に可及的合致させることもできる。すなわち、把持部40の下面41’を、把持部40の横断面視で例えば半円弧状をなす湾曲面とすることで、把持部40の把持性を向上することができる。
ヘラ本体部50の平面視形状は、扁平状であって成型フレーム10の米飯収納部20に収納した成型米飯塊R2を均し広げ可能な面積があれば特に限定されることはなく、例えば略三角形状や略円形状であってもよい。
本実施例のヘラ本体部50は、把持部40の扁平の上下面41、41’にそれぞれ連続する上下面51、51’を有した略扁平方形状に形成しており、ヘラ本体部50の下面51’を成型米飯塊R2を均し広げる際の米飯接触面となしている。
ヘラ本体部50は、平面視で略長方形状をなし、把持部40の仮想軸心線Pに対して傾いた態様で、把持部40につながっている。ヘラ本体部50は、平面視略長方形をなす縁部として、先端側に配置され直線状に伸延する先端縁部52と、把持部40の一側から緩やかに外方膨出して湾曲状に伸延する基端縁部53と、先端縁部52の両端で直線状に伸延するとを有する。
先端縁部52は左右端縁部54、54’とともに略直角状の前方左右側角部55、55’を構成し、左端縁部54は把持部40の他側とともに略鈍角状の後方左側角部56を構成し、右端縁部54’は基端縁部53とともに略鈍角状の後方右側角部56’を構成している。
なお、ヘラ本体部50の寸法は、成型米飯塊R2に下面で接触するための面積が保持されていればよい。
本実施例のようにヘラ本体部50が長方形状であれば、縦長さ(先端縁部52の長さ)50mm~60mm、横長さ(左右端縁部54、54’の長さ)60mm~70mmにすることで均しベラ30による米飯の均し操作の操作性を向上することができる。
特にヘラ本体部50の左右端縁部54、54’の長さは米飯収納部20の縦長さL2(前後側壁部13、13’の内側面23、23’の長さ)の1/2以上の長さとなるように形成している。本実施例ヘラ本体部50の左右端縁部54、54’の長さは米飯収納部20の縦長さL2(前後側壁部13、13’の内側面23、23’の長さ)の略半分の長さである。
かかる平面視方形状のヘラ本体部50は、4つの方形角部55、55’、56、56’のうち、一角部56又はその近傍を把持部40との接続基端部とし、把持部40の仮想軸心線P上又はその近傍にヘラ本体部50の重心Gを配置している。
特に、一角部56の対角となる前方右側角部55’は、把持部40の仮想軸心線P上又はその近傍に配置し、把持部40の仮想軸心線Pの近傍であるやや右上にヘラ本体部50の重心Gを配置している。
ここで、ヘラ本体部50の重心Gとは、図4(b)に示すように各方形対向辺の中点同士を結ぶ直線、すなわち先端縁部52の中点と基端縁部53との中点を結ぶ縦仮想縦直線(A-A一点鎖線参照)と、左右端縁部54、54’の中点同士を結ぶ横仮想横直線(C-C一点鎖線参照)とによりなす交点である。
ヘラ本体部50は、把持部40に対して把持部40の仮想軸心線Pに先端縁部52を所定角度αで傾斜するように延設している。すなわち、均しベラ30は、平面視で略矩形状をなすヘラ本体部50において、把持部40の仮想軸心線Pを挟んで両側に、互いに平行な一対の左右端縁部54、54’を有し、これらの左右端縁部54、54’が沿う方向を、仮想軸心線Pに対して所定の角度傾斜させた形状を有する。
具板的には、図4(b)に示すように、均しベラ30の平面視において、ヘラ本体部50の左右端縁部54、54’同士の間の中央部分に伸延するヘラ本体部50を左右二等分する仮想二等分線(A-A一点鎖線)が、把持部40の仮想軸心線Pに直交する方向に対して傾斜しており、その傾斜角度αは例えば約30°~60°である。
換言すれば、均しベラ30は、図4(b)に示すようにヘラ本体部50の前半部(B-B一点鎖線よりも前方側の部分)の大部分を把持部40の仮想軸心線Pを中心に左右側のうち一側方に配置するように、ヘラ本体部50の前半部における重心G2を偏心配置して平面視略ヘ字状に形成している。
このような構成により、把持部40を人手で握り込んだ際に親指をヘラ本体部50の基端近傍の把持部40の扁平の上面41にあてがうとともに親指以外の手指で把持部40の胴部を握り込むことができ、把持部先端のヘラ本体部50に対して把持部40からの作業者の上下方向動作や前後左右方向動作を正確に反映することができ、成型フレーム10内での米飯塊R1の均し広げ作業における均しベラ30の操作性を向上できる。
また、ヘラ本体部50は、図4(a)及び図5(a)に示すように基端から先端にかけて緩やかに湾曲した湾曲面を有している。
ここで、ヘラ本体部50の基端側は、把持部40の伸延方向について把持部40側であり、ヘラ本体部50の先端側はその反対側である。本実施例では、全体的に略一定の厚さを有する板状のヘラ本体部50は、全体的に緩やかに湾曲した湾曲面形状を有する。
具体的には、ヘラ本体部50は、重心G上又はその近傍、すなわち図5(b)に示すように把持部40の仮想軸心線P上に湾曲頂部Tを位置づけるように下方凸状に緩やかなカーブを描いて湾曲し、上面51を湾曲凹面とするとともに下面51’を湾曲凸面に形成している。
このような構成により、ヘラ本体部50の下面51’に沿って米飯塊R1との接触面積を微調整することで米飯の均し量を調節しながら米飯塊R1の均し広げ操作を正確に行うことができる。
かかる構成のシート状米飯成型具Aは、以下のようにしてシート状米飯R3を成型製造する。なお、以下の説明ではシート状食品101付きのシート状米飯R3を製造する場合のシート状米飯成型具Aの使用例を示しているが、シート状食品101は必須ではなく、巻き簀100や台所などの水平載置面上に直接成型フレーム10を載置してシート状米飯R3を製造できることは勿論である。
まず、図6に示すように台所などの水平面に平坦状に広げた巻き簀100の上面にシート状食品101を平坦状に広げて載置セットする。なお、シート状食品101は海苔シートを採用している。
次いで、成型フレーム10をシート状食品101の周縁部102に沿ってシート状食品101上に載置する。
具体的には、成型フレーム10の左右側壁部12、12’をシート状食品101の左右側周縁部102a、102a’の上方位置に位置付ける成型フレーム10の左右方向の位置決めを行う。
次いで、成型フレーム10の前後側壁部13、13’をシート状食品101の前後側周縁部102b、102b’の上方位置に位置付ける成型フレーム10の前後方向の位置決めを行い、シート状食品101の全周縁に対応させるように、シート状食品101上に成型フレーム10を載置する。
すなわち、方形状の成型フレーム10(米飯収納部20)の対角線同士によりなす中心点を方形状のシート状食品101の対角線同士によりなす中心点上に配置するとともに、成型フレーム10(米飯収納部20)の各方形辺を対応するシート状食品101の各方形辺に平行にしてシート状食品101上への成型フレーム10の載置作業を行う。
その結果、成型フレーム10内側の米飯収納部20における平面視方形状の下方開口はシート状食品101により閉塞され、図7に示すように同閉塞するシート状食品101の周縁部以外の領域部分により米飯収納部20に型枠底面24が形成される。すなわち、シート状食品101の周縁部102に沿った型枠底面24部分に成型米飯塊R2が成型されることとなる。
成型米飯塊R2を成型するに際しては、図7に示すようにまず米飯収納部20の型枠底面24の中央に所定容量の米飯塊R1を載置収納する。米飯塊R1は、一定容量の米飯で成型フレーム10の厚みよりも肉厚にして米飯収納部20の平面視形状と略相似形の平面視略長方形に成型されている。
すなわち、米飯塊R1は、平面視におけるそれぞれ4つの角部を成型フレーム10における米飯収納部20の4つの隅部25、25’、26、26’に対応させるように米飯収納部20の対角線状に配置するとともに米飯塊R1の対角線同士の交点を米飯収納部20の対角線同士の交点に配置するように型枠底面24の略中央に載置される。
なお、米飯塊R1における米飯の容量は米飯収納部20の容量と略同じとなるように予め計量されたものであり、米飯塊R1は略立方形状のタッパーなどに詰めることで予め成型する。
かかる米飯塊R1は、図7~図10に示すように均しベラ30により、均しベラ30のヘラ本体部50の湾曲凸状の下面51’を米飯収納部20の中心部にある米飯塊R1にあてがい、ヘラ本体部50の下面51’と成型フレーム10の上面11とを面平行にして、成型フレーム10の米飯収納部20を隙間なく埋めるように均し広げる。
なお、均しベラ30は、成型フレーム10に対して、ヘラ本体部50の先端縁部52が成型フレーム10の長手方向に沿う向きを保持するように移動させられる。
図8~図10に示す例では、成型フレーム10の長手方向の一側(各図における右側)に位置する作業者が、把持部40を成型フレーム10の短手方向の一側(各図における上側)に位置させるとともに、ヘラ本体部50の左右端縁部54側を手前側(作業者側)とする向きで均しベラ30を操作している。ここで、把持部40の仮想軸心線Pに対するヘラ本体部50の左右端縁部54、54’の傾斜により、把持部40は手前側に位置することになる。
すなわち、米飯収納部20の型枠底面24に載置した米飯塊R1は、平面視において、成型フレーム10内の米飯収納部20の各隅部に対応する角部を有した前後方左右半部の4つの仮想均し領域(図7~図9中、平面視で米飯塊R1の各方形辺の中点同士を結ぶ破線により区画された領域)に区画され、各仮想均し領域ごとに均しベラ30と米飯収納部20との各部位の相対的位置を指標として均しベラ30により米飯塊R1の中心部からそれぞれ4つの角部を対応する米飯収納部20の4つの隅部25、25’、26、26’に向けて伸延するように順次均し広げる。
特に本実施例の「均し広げ成形作業」は、均しベラ30と米飯収納部20との各部位の相対的位置を指標として「米飯塊R1前方左半部について均しベラ30の前方右側角部55’を米飯収納部20の前方左隅部25に対応させて移動→米飯塊R1後方左半部について均しベラ30の前方左側角部55を米飯収納部20の後方左隅部26に対応させて移動→米飯塊R1前方右半部について均しベラ30の後方右側角部56’を米飯収納部20の前方右隅部25’に対応させて移動→米飯塊R1後方右半部について均しベラ30の後方左側角部56を米飯収納部20の後方右隅部26’に対応させて移動」することを順次行うことにより、米飯収納部20内全域に米飯塊R1を均し広げる。
具体的には、米飯収納部20の中央部にセットされた米飯塊R1の前側左角部を有する前側左半部については、図8(a)に示すように平面視で成型フレーム10の前側壁部13(短手前内側面23)の左半部及び左側壁部12(長手左内側面22)の上半部に対してヘラ本体部50の右端縁部54’及び先端縁部52をそれぞれ平行に位置づけるとともに米飯収納部20の前方左隅部25にヘラ本体部50の前方右側角部55’を位置づけるようにして、下方押圧しながら前方左側に移動しつつ均し広げる(矢印参照)。
また、米飯塊R1の後側左角部を有する後側左半部については、図8(b)に示すように平面視で成型フレーム10の後側壁部13’(短手後内側面23’)の左半部及び左側壁部12(長手左内側面22)の後半部にヘラ本体部50の左端縁部54及び先端縁部52をそれぞれ平行に位置づけるとともに米飯収納部20の後方左隅部26にヘラ本体部50の前方左側角部55を位置づけるようにして、下方押圧しながら後方左側に移動しつつ均し広げる(矢印参照)。
また、米飯塊R1の前側右角部を有する前側右半部については、図9(a)に示すように平面視で成型フレーム10の前側壁部13(短手前内側面23)の右半部に対して右端縁部54’を平行に位置づけるとともに米飯収納部20の前方右隅部25’にヘラ本体部50の後方右側角部56’を位置づけるようにして、下方押圧しながら前方右側に移動しつつ均し広げる(矢印参照)。
また、米飯塊R1の後側右角部を有する後側右半部については、図9(b)に示すように平面視で成型フレーム10の後側壁部13’(短手後内側面23’)の右半部に対してヘラ本体部50の左端縁部54を平行に位置づけるとともに米飯収納部20の後方右隅部26’にヘラ本体部50の後方左側角部56を位置づけるようにして、下方押圧しながら後方左側へと均し広げる(矢印参照)。
米飯塊R1は、特に成型フレーム10の近傍、すなわち左右側壁部12、12’の長手左右内側面22、22’や前後側壁部13、13’の短手前後内側面23、23’まで均し広げられて来た際には、図10(a)及び図10(b)に示すようにヘラ本体部50の下面51’を成型フレーム10の上面11に面当接摺動させてベラ30により下方押圧し、米飯厚みを成型フレーム10の厚みHと同一とするようにフレーム10内部へと押し均すことで、成型フレーム10の内周面21に米飯塊R1を当接させる。
すなわち、米飯収納部20内全域に広げられる米飯塊R1の上面を成型フレーム10の上面11と略面一となるように下方に押し均して略平坦面となし、成型フレーム10の厚みと略同一の厚みを有し且つ米飯収納部20の形状に沿った成型米飯塊R2を成型する。
以上のように、ヘラ本体部50における扁平方形の各角部55、55’、56、56’をそれぞれ、成型フレーム10の米飯収納部20の各隅部26、25、26’、25’に対応させて段階的に米飯塊R1の均し広げ操作を行うことにより、成型フレーム10の厚みHに合致するとともに米飯収納部20の形状に合致した成型米飯塊R2を成型する「均し広げ成型作業」を行う。
以上のような本実施例に係るシート状米飯成型具Aを用いたシート状米飯の製造方法は、次のようなステップを備える。すなわち、同製造方法は、巻き簀100上に載せたシート状食品101上の成型フレーム10に対し、米飯収納部20の中央部に略立方形状の米飯塊R1をセットする第1のステップと、均しベラ30によって米飯塊R1の平面視の各角部を対応する米飯収納部20の各隅部に向けて押し広げて均す第2のステップとを備える。
特に、本実施例のように矩形枠状の成型フレーム10の場合、米飯塊R1の均し広げを行う第2のステップは、概略的には米飯収納部20の4つの隅部25、25’、26、26’に対応した4段階の均し広げ作業が行われることになる。ただし、第2のステップにおける4段階の均し広げ作業の順番は、本実施例に限定されずに適宜の順番でよい。
そして、図11に示すように成型フレーム10内側で成型された成型米飯塊R2から成型フレーム10を上方に引き上げて米飯収納部20から成型米飯塊R2を抜去する第3のステップ、すなわち、シート状米飯R3を取り出す「型枠抜去作業」を行う。
すなわち、成型米飯塊R2の成型フレーム10に対する接触面は内周面21であるために、成型米飯塊R2の外周における米飯の成型フレーム10の結着方向は成型フレーム10の上方抜去方向と直交することとなり、したがって、成型フレーム10の上方引き上げ応力を成型米飯塊R2の成型フレーム10に対する結着部分に対して同結着方向と直交する分断力として確実に作用させ、容易且つ速やかな「型枠抜去作業」を行うことができる。
その結果、図11に示すように「米飯厚み斑」がなく形状や厚みが一定のシート状米飯R3を製造することができる。このようにして製造されたシート状米飯R3は、具材が乗せられた後に、巻かれたり折り畳まれたりすることで、巻き寿司や屈曲形態のおにぎり等の米飯食品となる。
以上説明してきたように、本発明によれば、巻き簀やシート状食品などの水平状の平坦載置面の上に成型フレームを設置し、該成型フレームの米飯収納部に米飯塊を収納して専用の均しベラで成型フレームに沿って平らに均すだけで、「米飯厚み斑」のない厚みが均一で米飯収納部の形状に沿ったシート状米飯を簡単に製造することができる効果がある。
すなわち、成型フレーム内側の米飯収納部に収納した米飯塊を専用の均しベラのヘラ本体部によりヘラ本体部の下面を成型フレームの上面と当接するように略面平行に均し広げる作業を行うだけで、フレーム外に米飯をはみ出させることなく、フレーム内の米飯収納部全域を隙間なく米飯で満たしてフレームの厚みの合致した一定厚みの成型米飯塊を成型することできる。
しかも、成型フレームに対する成型米飯塊の接触面は均しベラによる米飯塊の下方押圧方向に略直交する成型フレームの内周面となるため、米飯のフレームに対する接触面積を小さくし、米飯の均し作業に伴う下方応力を米飯を介して直接的にフレームの内周面に作用させることなく、米飯の成型フレームへの不用意な結着を可及的抑制することができる。
また、内周面へ米飯が接触して結着した場合であっても、成型フレームの内周面に対する直交方向が米飯の成型フレームへの結着方向となるために、フレーム結着部分に対してフレーム内周面に直交する応力を米飯の結着状態を解除するための分断力として確実に伝達することができる。
したがって、成型フレームから成型米飯塊を抜去してシート状米飯を得る際には、平坦載置面に載置された成型米飯塊からその外周を囲繞する成型フレームを上方に引き上げて抜き去ることが容易にでき、「米飯厚み斑」がなく形状や厚みが一定のシート状米飯を繰り返し製造できる効果がある。
すなわち、成型フレームと該成型フレームに合わせて形成した均しベラにより成型フレーム内の米飯収納部の形状に沿った成型米飯塊を成型する「均し広げ成型作業」と、成型フレーム内の成型米飯塊を該フレームの米飯収納部から抜去してシート状米飯を取り出す「型枠抜去作業」とを正確且つ容易に行う事ができる効果がある。
A シート状米飯成型具
10 成型フレーム
20 米飯収納部
30 均しベラ
40 把持部
50 ヘラ本体部





Claims (4)

  1. 米飯を内側に収納してシート状米飯を成型するための成型フレームと、
    前記成型フレームに収納された米飯をシート状に均すための均しベラと、を備え、
    前記成型フレームは、所定厚みを有した扁平板状であって、上下面は平坦面に形成するとともに内側には米飯を収納するための米飯収納部を窓状に貫通形成するように無端状に形成し、
    前記均しベラは、把持部と前記把持部の一側から延設された扁平状のヘラ本体部とで構成するとともに、
    前記把持部は、扁平細長状に形成され、
    前記ヘラ本体部は、前記把持部の扁平面に連続する略扁平方形状に形成され、4つの方形角部のうち一角部又はその近傍を前記把持部との接続基端部とするとともに前記把持部の仮想軸心線上又はその近傍にヘラ本体部の重心を配置したことを特徴とするシート状米飯成型具。
  2. 前記成型フレームの外形は平面視略方形状に形成するとともに前記米飯収納部は前記成型フレームの外形と略相似形の平面視略方形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のシート状米飯成型具。
  3. 前記ヘラ本体部は、基端から先端にかけて緩やかに湾曲した湾曲面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状米飯成型具。
  4. 前記成型フレーム上面の前記米飯収納部を形成する部分に凹部を形成したことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のシート状米飯成型具。
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