JP7371448B2 - 黒鉛製支持基板の除去方法および炭化珪素多結晶基板の製造方法 - Google Patents

黒鉛製支持基板の除去方法および炭化珪素多結晶基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、黒鉛製支持基板の除去方法および炭化珪素多結晶基板の製造方法に関し、例えばパワーデバイス用の基板となる炭化珪素多結晶基板の製造に有用な、黒鉛製支持基板の除去方法および炭化珪素多結晶基板の製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、シリコン(以下Siとも記載)と比較すると、3倍程度の大きなバンドギャップ(4H-SiCで、3.8eV程度、6H-SiCでは、3.1eV程度、Siは1.1eV程度)と高い熱伝導率(5W/cm・K程度、Siは1.5W/cm・K程度)を有することから、近年、パワーデバイス用途の基板材料として単結晶SiCが使用され始めている。
例えば、従来用いられてきたSiパワーデバイスと比較して、SiCパワーデバイスは5~10倍大きい耐電圧と数100℃以上高い動作温度を実現し、さらに素子の電力損失を1/10程度に低減することができるため、鉄道車両用インバーターなどで実用化されている。
通常、SiC単結晶基板は、昇華再結晶法(改良レーリー法)と呼ばれる気相法で作製され(例えば非特許文献1参照)、所望の直径および厚さに加工される。
改良レーリー法は、SiCの固体原料(通常は粉末)を高温(2,400℃以上)で加熱・昇華させ、不活性ガス雰囲気中を昇華したシリコン原子と炭素原子が2,400℃の蒸気として拡散により輸送され、原料よりも低温に設置された種結晶上に過飽和となって再結晶化させることにより塊状の単結晶を育成する製造方法である。
しかし、この方法は、プロセス温度が2,400℃以上と非常に高いため、結晶成長の温度制御や対流制御、結晶欠陥の制御が非常に難しい。そのため、この方法で作製されたSiC単結晶基板には、マイクロパイプと呼ばれる結晶欠陥やその他の結晶欠陥(積層欠陥等)が多数存在し、電子デバイス用途に耐え得る高品質の結晶の基板を歩留まりよく製造すること極めて難しい。
その結果、電子デバイス用に用いることのできる結晶欠陥の少ない高品質なSiC単結晶基板は、非常に高額なものとなってしまい、そのようなSiC単結晶を用いたデバイスも高額なものになっており、SiC単結晶基板の普及の妨げとなっていた。
そこで、近年、SiC単結晶基板とSiC多結晶基板を準備し、前記SiC単結晶基板と前記SiC多結晶基板とを貼り合わせる工程を行い、その後、前記SiC単結晶基板を薄膜化する工程を行い、SiC多結晶基板上にSiC単結晶薄板層を形成した基板を製造することが提案されている(例えば非特許文献2参照)。
この製造方法によれば、SiC単結晶基板の厚さを、従来に比べ数分の一から数百分の一の厚さにまで減少させることができる。そのため、従来のように基板のすべてを高額な高品質のSiC単結晶で構成する場合に比べて、基板コストを大幅に低減させることができる。また、結晶欠陥の少ない高品質なSiC単結晶層の上に、パワーデバイス等の素子を形成することができるため、デバイス性能の向上および製造歩留りを大きく改選させることができる。
このような前記SiC単結晶基板と前記SiC多結晶基板とを貼り合わせる工程において、前記SiC多結晶基板は緻密で高純度であると共に、高平坦度であることが求められる。このため、このSiC多結晶基板の製造には、例えばCVD法(化学気相蒸着法)が使われる。
特許文献1には、CVD法を用いたSiC多結晶基板の製造方法が記載されている。それによれば、CVD法により黒鉛製支持基板の表面にSiCを析出させ、所望の膜厚に成膜した後、黒鉛製支持基板を除去してSiC多結晶を得ることができる。得られたSiC多結晶は、焼結法で製造されたSiC多結晶に比較して緻密で高純度であり、耐食性、耐熱性、強度特性にも優れている。
前記黒鉛製支持基板の除去には黒鉛の灰化が一般的であり、例えば特許文献2には、表面にSiC多結晶膜が成膜した黒鉛製支持基板を、大気中800℃で24時間保持することにより、黒鉛製支持基板を除去して、SiC基板を得ることが記載されている。
特開平8-26714号公報 特開平8-188408号公報
Yu. M. Tairov and V. F. Tsvetkov:J.of Cryst.Growth 43(1978)209 精密工学会誌,2017, 83 巻, 9 号, p. 833-836
しかしながら、黒鉛製支持基板の除去に800℃で24時間を要することは、時間と電力コストがかかるという課題があった。
本発明は、このような上記問題に鑑みなされたものであって、例えば、CVD法により円盤状の黒鉛製支持基板の表面にSiCを析出させ、黒鉛製支持基板を除去してSiC多結晶基板を得る方法において、従来に比べて、大幅に黒鉛支持基板の除去時間と電力コストを低減させることが可能な、黒鉛製支持基板の除去方法および炭化珪素多結晶基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための、本発明の黒鉛製支持基板の除去方法は、黒鉛製支持基板と、化学蒸着により当該黒鉛製支持基板の表面に成膜した炭化珪素多結晶膜と、を備える積層体の前記黒鉛製支持基板とアルミナを接触させる接触工程と、前記黒鉛製支持基板とアルミナが接触した前記積層体を、大気中で800℃~1000℃に加熱する加熱工程と、を含む。
前記加熱工程後、前記積層体から前記黒鉛製支持基板を除去する除去工程を含んでもよい。
前記アルミナは、アルミナ粉末であってもよい。
また、上記課題を解決するため、本発明の炭化珪素多結晶基板の製造方法は、上記の黒鉛製支持基板の除去方法を含む。
本発明であれば、例えば、CVD法により円盤状の黒鉛製支持基板の表面にSiCを析出させ、黒鉛製支持基板を除去してSiC多結晶基板を得る方法において、従来に比べて、大幅に黒鉛製支持基板の除去時間と電力コストを低減させることが可能な、黒鉛製支持基板の除去方法および炭化珪素多結晶基板の製造方法を提供することができる。
積層体、アルミナ粉、およびアルミナ板の位置を示す側面図である。 本発明の炭化珪素多結晶基板の製造方法の工程の一例を示す工程図である。
以下、本発明の黒鉛製支持基板の除去方法および炭化珪素多結晶基板の製造方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
[黒鉛製支持基板の除去方法]
本発明の黒鉛製支持基板の除去方法は、以下に説明する接触工程と、加熱工程を含む。
〈接触工程〉
接触工程では、黒鉛製支持基板と、化学蒸着により当該黒鉛製支持基板の表面に成膜した炭化珪素多結晶膜と、を備える積層体の、黒鉛製支持基板とアルミナを接触させる。なお、積層体は、後述する炭化珪素多結晶基板の製造方法の成膜工程を行うことによって得てもよく、また、別途入手してもよい。
〈アルミナ〉
黒鉛製支持基板と接触させるアルミナ(Al)の結晶の種類としては、スピネル型やコランダム型の結晶のものを使用することができる。特に、コランダム型は入手が容易で、黒鉛製支持基板を除去させ易い。また、アルミナの形状としては、特に限定されず、例えば粉末状、メッシュ状、板状、シート状等のアルミナを用いることができる。特に粉末状のアルミナであれば、黒鉛との反応性に優れるため、黒鉛製支持基板をより容易に除去することができる。粉末状のアルミナとしては、数平均粒子径が10μm~100μmのものであれば、入手が容易であり、黒鉛製支持基板の除去に有効である。
図1に、積層体、アルミナ粉、およびアルミナ板の位置を示す側面図を示す。炭化珪素多結晶膜10が黒鉛製支持基板20の表面に成膜した積層体100が、アルミナ粉200と接触しており、アルミナ粉200はアルミナ板300の上に配されている。接触面積が多く、黒鉛との反応性が高いアルミナ粉200が重要であり、アルミナ粉200を設置する台や器として、大気中で1000℃以上の高温に耐えることができ、かつ、比較的安価な材料であるアルミナの板を用いる。積層体100は、黒鉛製支持基板20がアルミナ粉200と接触するよう、アルミナ粉200の上に載せられている。接触工程では、黒鉛製支持基板20とアルミナ粉200との接触面積が広いことが好ましく、例えば図1に示すように、黒鉛製支持基板20の表面の全体がアルミナ粉200と接触するように配置することができる。
〈加熱工程〉
加熱工程では、黒鉛製支持基板とアルミナが接触した積層体を、大気中で800℃~1000℃に加熱する。
黒鉛製支持基板は、アルミナと接触させなくても、大気中で加熱することで徐々に燃焼するが、黒鉛製支持基板をアルミナと接触させて加熱することにより、黒鉛製支持基板がアルミナ中の酸素を奪うことで酸化し、急激に脆くなって除去が容易となる。加熱工程における加熱時間は、黒鉛製支持基板の除去が可能であれば特に限定されないが、例えば、厚さが5mmの黒鉛製支持基板の場合、大気中において800℃~1000℃で10時間加熱すれば、黒鉛製支持基板は除去可能な程度に十分に脆くなる。
〈除去工程〉
上記の接触工程と加熱工程を行うことで、燃焼や自然な剥離等により黒鉛製支持基板が炭化珪素多結晶膜から除去される。ただし、黒鉛製支持基板の厚みや加熱工程の温度等の条件によっては、接触工程および加熱工程によっても黒鉛製支持基板を除去できない場合がある。この場合には、加熱工程後に積層体から黒鉛製支持基板を除去する除去工程を含んでもよい。
除去工程としては、黒鉛製支持基板を除去できれば特に限定されないが、例えば、ステンレス製のヘラやスクレイパー等を用いて、黒鉛製支持基板をこそぎ落とすことで除去することができる。また、炭化珪素多結晶膜が破損しない程度に、積層体に衝撃を与えることによっても、黒鉛製支持基板を除去することができる。
なお、黒鉛製支持基板とアルミナが接触した積層体を加熱することができれば、接触工程と加熱工程の順番に特に制限はない。例えば、接触工程後に加熱工程を行ってもよく、加熱工程を開始してから接触工程を行ってもよい。
(その他の工程)
本発明の黒鉛製支持基板の除去方法は、上記した工程の他に、更なる工程を含んでもよい。例えば、トレイにアルミナを敷き詰める工程や、接触工程後に加熱炉の炉内へトレイとアルミナごと積層体を設置する工程等が挙げられる。また、トレイや容器にアルミナ粉と積層体を交互に重ねて積層設置してもよく、この場合にはアルミナシート(エッチドアルミナ等)を用いるのが便利である。
[炭化珪素多結晶基板の製造方法]
本発明の炭化珪素多結晶基板の製造方法は、上記した本発明の黒鉛製支持基板の除去方法を含む。図2に、本発明の炭化珪素多結晶基板の製造方法の工程の一例を示す工程図を示す。この工程図に示すように、上記した黒鉛製支持基板の除去方法の他に、以下に説明する工程を含んでもよい。
〈支持基板準備〉
炭化珪素多結晶膜をCVD成膜するべく、黒鉛製支持基板を準備する。具体的には、例えば直径4インチ~8インチの円盤状の黒鉛製支持基板を選択し、成膜が阻害されないよう表面を清浄な状態にすることや、CVD装置の成膜室内に黒鉛製支持基板を設置することが挙げられる。
〈CVD成膜〉
炭化珪素多結晶膜は、化学的気相成長法(CVD法)により化学蒸着させることで成膜できる。例えば、黒鉛製支持基板を成膜装置の反応炉内に固定し、減圧状態でAr等の不活性ガスを流しながら炉内を反応温度まで昇温させる。反応温度に達したら、不活性ガスの導入を止め、原料ガスおよびキャリアガスを反応炉内に流すことで、黒鉛製支持基板に炭化珪素多結晶膜を成膜することができる。
より具体的には、加熱した黒鉛製支持基板に、1200~1700℃の温度に加熱した、炭化珪素多結晶膜の成分を含む原料ガスやキャリアガス等の混合ガスを供給し、大気圧下において黒鉛製支持基板の二酸化珪素膜の表面や気相での化学反応を所定時間行うことにより、炭化珪素多結晶膜を堆積する方法が挙げられる。
(原料ガス)
原料ガスとしては、炭化珪素多結晶膜を成膜することができれば、特に限定されず、一般的に使用されるSi系原料ガスやC系原料ガスを用いることができる。Si系原料ガスとしては、例えば、シラン(SiH)を用いることができるほか、モノクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、テトラクロロシラン(SiCl)等のエッチング作用があるClを含む塩素系Si原料含有ガス(クロライド系原料)を用いることもできる。また、C系原料ガスとしては、例えば、メタン(CH)、プロパン(C)、アセチレン(C)等の炭化水素ガスを用いることができる。また、上記のほか、トリクロロメチルシラン(CHClSi)、トリクロロフェニルシラン(CClSi)、ジクロロメチルシラン(CHClSi)、ジクロロジメチルシラン((CHSiCl)、クロロトリメチルシラン((CHSiCl)等のSiとCとを両方含むガスも、原料ガスとして用いることができる。
(キャリアガス)
キャリアガスとしては、成膜を阻害することなく、原料ガスを基板へ展開することができれば、一般的に使用されるキャリアガスを用いることができる。例えば、熱伝導率に優れ、SiCに対してエッチング作用がある水素(H)を用いることができる。
(その他のガス)
また、これらの原料ガスおよびキャリアガスと同時に、第3のガスとして、不純物ドーピングガスを同時に供給することもできる。例えば、導電型をn型とする場合には窒素(N)ガス、p型とする場合にはトリメチルアルミニウム(TMA)ガスを用いることができる。
CVD法により黒鉛製支持基板の表面に多結晶SiCを析出させる方法のより具体的な例としては、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとして、1分子中にSi原子とC原子を含むメチルトリクロロシラン(CHSiCl)等の有機珪素化合物を気相で還元熱分解させる方法、あるいは四塩化ケイ素(SiCl)等の珪素化合物とメタン(CH)等の炭素化合物とを気相反応させて多結晶SiCを気相析出させる方法で行われる。
この場合、黒鉛製支持基板は、CVD装置の成膜室内に複数枚を縦置きまたは横置きに配置させて、CVD装置の下方より1つまたは複数のノズルから原料ガス、キャリアガス等が導入される。
ここで、黒鉛製支持基板の設置枚数や互いの基板間隔、原料ガス等の流量などにもよるが、より均一に多結晶SiCを析出させるために、黒鉛製支持基板を回転させることもある。また、炭化珪素多結晶膜を黒鉛製支持基板の両面に成膜する場合や、片面に成膜する場合もある。
〈スライス〉
CVD成膜によって炭化珪素多結晶膜を黒鉛製支持基板の表面と裏面の両面に成膜した場合は、黒鉛製支持基板の厚み方向における中央を、表面および裏面と平行な方向にスライスして、積層体の半割り品を得る。これにより、CVD成膜によって炭化珪素多結晶膜が全体を被覆していた黒鉛製支持基板を露出することができる。なお、炭化珪素多結晶膜を黒鉛製支持基板の片面のみに成膜した場合は、黒鉛製支持基板が露出しているため、黒鉛製支持基板のスライスは不要である。
〈支持基板除去〉
この工程は、本発明の黒鉛製支持基板の除去方法を行えばよく、これにより支持基板を除去することができる。
本発明の黒鉛製支持基板の除去方法であれば、従来の除去方法と比較して、同一処理温度であっても二分の一以下の時間で黒鉛製支持基板を除去することができる。
〈直径・面取り加工〉
黒鉛製支持基板を除去した後、炭化珪素多結晶膜を所望の直径に打ち抜き、面取り加工により打ち抜いた部分のバリ取りを行う。なお、打ち抜きに要する時間は、炭化珪素多結晶膜の膜厚の厚さが増すほど長くなる。そのため、炭化珪素多結晶膜を黒鉛製支持基板の表面と裏面の両面に成膜した場合において、上記のスライスをすれば炭化珪素多結晶膜の厚さがスライス前の二分の一以下となる結果、所望の直径に打ち抜きするときの打ち抜き時間は二分の一以下となる。また、黒鉛製支持基板を1,000℃で処理すれば、黒鉛製支持基板の除去時間が従来の三分の一以下まで低下することがわかった。
〈厚さ・平坦度加工〉
例えば、半導体の製造に用いられる炭化珪素多結晶基板を製造するのであれば、その基板としては半導体製造プロセスで使用できる面精度や厚みが必要となる。そこで、本工程により、炭化珪素多結晶膜の厚さの調製や表面の平滑化を行う。
例えば、炭化珪素多結晶膜をダイアモンドスラリーでラップ処理し、ダイアモンドとアルミナとの混合スラリーでハードポリッシュした後に、シリカスラリー(コロイダルシリカ、pH11)でポリッシュするという工程を経て、炭化珪素多結晶膜の厚さの調製や表面の平滑化を行うことができる。
〈洗浄〉
厚さや平坦度加工の際に、異物が炭化珪素多結晶膜に付着する等、膜に異物が付着する場合がある。そこで、厚さや平坦度加工を行った後の炭化珪素多結晶膜を水や所定の薬液により洗浄する。
これらの工程を経て、炭化珪素多結晶基板を製造することができる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[炭化珪素多結晶膜の成膜]
等方性黒鉛(東洋炭素株式会社製)を使用した直径151mm、厚みが3mmである円盤状の黒鉛製支持基板を、CVD装置に縦置きに設置し、黒鉛製支持基板の両面に炭化珪素多結晶膜を平均膜厚が650μmとなるように成膜した。成膜条件は、成膜室内の圧力を25kPa、温度を1350℃とし、SiClガスとCHガスを各1000sccm、キャリアガスとして水素ガスを10000sccm、電気伝導度調整用に窒素ガスを10000sccm(1気圧、0℃での値に換算したガス流量)で導入し、20時間の成膜を行う条件とした。
[黒鉛製支持基板のスライス]
上記にて作成した、表面と裏面の両面に炭化珪素多結晶膜が成膜した黒鉛製支持基板について、黒鉛製支持基板の厚み方向における中央を、表面および裏面と平行な方向にスライスした。これにより、CVD成膜によって炭化珪素多結晶膜が全体を被覆していた黒鉛製支持基板を露出した。
[黒鉛製支持基板の除去]
〈実施例1〉
(接触工程)
スライスした後の、黒鉛製支持基板と炭化珪素多結晶膜を備える積層体について、焼成炉の炉内において、図1に示すように、アルミナ製板(アルバックテクノ株式会社製:ACFA-96)の上に厚さが3mmとなるように配された、数平均粒子径が55μmのアルミナ粉(住友化学株式会社製:A21)に、黒鉛製支持基板の表面全面が直接接触するように、アルミナ粉に積層体を載せた。
(加熱工程)
焼成炉の炉内が800℃となるように温度調整し、アルミナ粉が黒鉛製支持基板に直接接触した積層体を、大気中にて800℃で加熱した。800℃での加熱を開始してから10時間後に、積層体の状態を確認したところ、黒鉛製支持基板が脆くなっており、SUS製のヘラで容易にこそぎ落とすことが可能な状態となったため、ヘラで黒鉛製支持基板を除去した。
〈従来例1〉
実施例1の接触工程は行わずに、スライスした後の積層体を実施例1と同条件の加熱工程により、加熱した。ただし、10時間の加熱では実施例1とは異なり、黒鉛製支持基板が脆くなっておらずに除去できなかった。そのため、さらに14時間加熱し、加熱工程を合計24時間行った。その結果、黒鉛製支持基板を燃焼させることにより、除去することができた。
[黒鉛製支持基板を除去後の工程]
黒鉛製支持基板を除去後、炭化珪素多結晶膜に対して、直径・面取り加工、厚さ・平坦度加工および洗浄を行った。これらの工程については、実施例1、従来例1共に問題なく実施することができ。炭化珪素多結晶基板を得ることができた。
[まとめ]
以上説明したように、黒鉛製支持基板の表面をアルミナと接触させて加熱処理すると、黒鉛とアルミナが反応して黒鉛製支持基板が脆くなることで除去可能となるため、黒鉛製支持基板の除去時間を大幅に短縮できることは、明らかである。その結果、黒鉛製支持基板の除去に要する電力を削減することができ、また、除去に要する時間が短くなることで、炭化珪素多結晶基板を生産する生産能力の向上を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10 炭化珪素多結晶膜
20 黒鉛製支持基板
100 積層体
200 アルミナ粉
300 アルミナ板

Claims (4)

  1. 黒鉛製支持基板と、化学蒸着により当該黒鉛製支持基板の表面に成膜した炭化珪素多結晶膜と、を備える積層体の前記黒鉛製支持基板とアルミナを接触させる接触工程と、
    前記黒鉛製支持基板とアルミナが接触した前記積層体を、大気中において800℃~1000℃で10時間加熱する加熱工程と、を含む黒鉛製支持基板の除去方法。
  2. 前記加熱工程後、前記積層体から前記黒鉛製支持基板を除去する除去工程を含む、請求項1に記載の黒鉛製支持基板の除去方法。
  3. 前記アルミナは、アルミナ粉末である、請求項1または2に記載の黒鉛製支持基板の除去方法。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の黒鉛製支持基板の除去方法を含む、炭化珪素多結晶基板の製造方法。
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