JP7370600B2 - 細胞製造法 - Google Patents
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Description
[発明の背景]
[1] 多能性幹細胞から胚体内胚葉細胞を製造する方法であって、
多能性幹細胞を、インスリンが作用する条件下の分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリンが作用しない条件下の分化誘導培地中で第2の培養を行うこと
を含む方法。
[2] 第1の培養がインスリンを含む分化誘導培地中で行われ、
第2の培養がインスリンを含まない分化誘導培地中で行われる、[1]の方法。
[3] 第1の培養がインスリンを含み、かつインスリンシグナル阻害剤は含まない分化誘導培地中で行われ、
第2の培養がインスリン及びインスリンシグナル阻害剤を含む分化誘導培地中で行われる、[1]の方法。
[4] 第1の培養および第2の培養を行う分化誘導培地中に、さらに、ピルビン酸塩を含む、[1]~[3]のいずれかの方法。
[5] 第1の培養および第2の培養を行う分化誘導培地中に、さらに、L-アラニルL-グルタミンを含む、[1]~[4]のいずれかの方法。
[6] 第1の培養および第2の培養を行う分化誘導培地中に、さらに、15mM以上のグルコースを含む、[1]~[5]のいずれかの方法。
[7] 第1の培養を6時間~48時間行うことを含む、[1]~[6]のいずれかの方法。
[8] 第2の培養を少なくとも6時間行うことを含む、[1]~[7]のいずれかの方法。
[9] 3次元培養系にて実施する、[1]~[8]のいずれかの方法。
[10] 2次元培養系にて実施する、[1]~[8]のいずれかの方法。
[10A]第1の培養の開始時において、多能性幹細胞が1万~100万細胞個/mL含まれる、[9]の方法。
[10B] 第1の培養の開始時において、多能性幹細胞が10万~50万細胞個/mL含まれる、[9]の方法。
[10C] 第1の培養の開始時において、多能性幹細胞が5万~100万細胞個/cm2含まれる、[10]の方法。
[11] 第1の培養の開始時において、多能性幹細胞が15万~30万細胞個/cm2含まれる、[10]の方法。
[12] 分化誘導培地が、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)をベースとする、[1]~[11]のいずれかの方法。
[13] 第1の培養の分化誘導培地がROCK阻害剤及び/又はGSK3β阻害剤を含む、[1]~[12]のいずれかの方法。
[14] 多能性幹細胞をインスリンが作用する条件下の分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリンが作用しない条件下の分化誘導培地中で第2の培養を行うことにより製造された胚体内胚葉細胞を、さらに分化誘導する工程を含む、インスリン産生細胞の製造方法。
[15] 多能性幹細胞をインスリンを含む分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリンを含まない分化誘導培地中で第2の培養を行うことにより製造された胚体内胚葉細胞を、さらに分化誘導する工程を含む、インスリン産生細胞の製造方法。
[16] 多能性幹細胞をインスリンを含み、かつインスリンシグナル阻害剤を含まない分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリン及びインスリンシグナル阻害剤を含む分化誘導培地中で第2の培養を行うことにより製造された胚体内胚葉細胞を、さらに分化誘導する工程を含む、インスリン産生細胞の製造方法。
[17][1]の方法で製造される、胚体内胚葉細胞。
[18][14]~[16]のいずれかの方法で製造される、インスリン産生細胞。
[19][18]のインスリン産生細胞を含む医薬。
[20]SOX2陽性(SOX2+)細胞の混入率が5%未満の胚体内胚葉細胞を製造する、[1]~[13]のいずれかの方法。
[21]製造された胚体内胚葉細胞の細胞数が、最初に播種された多能性幹細胞の細胞数よりも2倍以上となる、[1]~[13]、[20]のいずれかの方法。
[22] [1]~[13]、[20]、[21]のいずれかの方法により製造された胚体内胚葉細胞を、後方前腸細胞へと分化誘導する工程を含む、後方前腸細胞の製造方法。
[23] 製造された後方前腸細胞が、90%以上のPDX1陽性(PDX1+)細胞を含む、[22]の方法。
[24] 製造された後方前腸細胞の細胞数が、最初に播種された多能性幹細胞の細胞数よりも2倍以上となる、[22]又は[23]の方法。
[25] [1]~[13]、[20]、[21]のいずれかの方法により製造された胚体内胚葉細胞を、膵前駆細胞へと分化誘導する工程を含む、膵前駆細胞の製造方法。
[26] 製造された膵前駆細胞が、80%以上のPDX1陽性(PDX1+)かつNKX6.1陽性(NKX6.1+)細胞を含む、[25]の方法。
[27] 製造された膵前駆細胞の細胞数が、最初に播種された多能性幹細胞の細胞数よりも2倍以上となる、[25]又は[26]の方法。
[28][1]~[13]、[20]、[21]のいずれかの方法で製造される、SOX2陽性(SOX2+)細胞の混入率が5%未満の胚体内胚葉細胞。
[29] [22]~[24]のいずれかの方法で製造される、90%以上のPDX1陽性(PDX1+)細胞を含む後方前腸細胞。
[30][25]~[27]のいずれかの方法で製造される、80%以上のPDX1陽性(PDX1+)かつNKX6.1陽性(NKX6.1+)細胞を含む膵前駆細胞。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2018-146650号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
以下、本明細書において記載される用語について説明する。
本発明において胚体内胚葉細胞は、多能性幹細胞を、インスリンが作用する条件下の分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリンが作用しない条件下の分化誘導培地中で第2の培養を行うことにより製造することができる。
「インスリンが作用する条件」とは、インスリンによって細胞におけるインスリンシグナル伝達経路の活性化を生じる条件を意味する。通常、インスリンは、細胞膜表面上に存在するインスリンレセプターと結合し、レセプターに内在するチロシンキナーゼを活性化させ、インスリンレセプター基質タンパクファミリー(IRS:IRS-1,2,3)をチロシンリン酸化する。本明細書においては、インスリンとインスリンレセプターとの結合により開始されるこれら一連の反応が生じることを、「インスリンシグナル伝達経路の活性化を生じる」という。
また、分化誘導培地にはさらに、ジメチルスルホキシドを含めることができる。
「インスリンが作用しない条件」とは、インスリンによる細胞におけるインスリンシグナル伝達経路の活性化が生じない条件を意味する。「細胞におけるインスリンシグナル伝達経路の活性化を生じない」とは、当該インスリンシグナル伝達経路の活性化が全く生じないことを意味するだけでなく、インスリン非存在下における当該インスリンシグナル伝達経路の活性化と比べて有意な差が認められない程度のわずかな活性化しか生じない場合も意味するものである。したがって、「インスリンが作用しない条件」とは、例えば、分化誘導培地中にインスリンが含まれないこと、あるいは、分化誘導培地中にインスリンが含まれる場合であっても、その量が前記有意な差が認められない程度のわずかな活性化しか生じない量で含まれる条件が挙げられる。あるいは、分化誘導培地中にインスリンが含まれる場合であっても、一緒にインスリンシグナル阻害剤を含むことによって、前記インスリンシグナル伝達経路の活性化が生じない場合も意味する。「インスリンシグナル阻害剤」は、インスリンシグナル伝達経路をいずれかの位置で遮断することが可能な成分を意味する。このようなインスリンシグナル阻害剤としては、インスリン、インスリンレセプター、シグナル伝達物質として作用する各種タンパク質等に結合して又は競合し、これら因子が関与する分子間の相互作用を阻害するポリペプチドや化合物等が挙げられる。例えば、このようなインスリンシグナル阻害剤としては、PI3キナーゼの触媒サブユニットへのATP結合を競合阻害するLY294002[2-(4-モルホリニル)-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン]等が挙げられる。インスリンシグナル阻害剤はこれらに限定されるものではなく、インスリン、インスリンレセプター、シグナル伝達物質として作用する各種タンパク質に結合する抗体やそれらのドミナントネガティブ型変異体、ならびにインスリンレセプターやシグナル伝達物質として作用する各種タンパク質のmRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドやsiRNA等もインスリンシグナル阻害剤として使用することができる。インスリンシグナル阻害剤は、商業的に入手可能であるか公知の方法に従って合成することができる。
また、分化誘導培地にはさらに、ジメチルスルホキシドを含めることができる。
得られた胚体内胚葉細胞は、公知の手法を用いて原腸管細胞、後方前腸細胞、膵前駆細胞、内分泌前駆細胞、又はインスリン産生細胞へと分化誘導することができる。すなわち、以下の分化誘導工程を利用して各細胞への分化を経てインスリン産生細胞等の各種分化段階の細胞を得ることができる:
工程1)胚体内胚葉細胞から原腸管細胞へと分化誘導する;
工程2)原腸管細胞から後方前腸細胞へと分化誘導する;
工程3)後方前腸細胞から膵前駆細胞へと分化誘導する;
工程4)膵前駆細胞から内分泌前駆細胞へと分化誘導する;
工程5)内分泌前駆細胞からインスリン産生細胞へと分化誘導する。
以下、各工程を説明するが、各細胞への分化誘導はこれらの手法に限定されない。
第2の培養を経て得られた胚体内胚葉細胞を、さらに増殖因子を含む培地で培養して原腸管細胞に分化誘導する。培養期間は2日~8日、好ましくは約4日である。
工程1)で得られた原腸管細胞を、さらに増殖因子、シクロパミン、ノギン等を含む培地で培養し、後方前腸細胞に分化誘導する。培養期間は1日~5日、好ましくは約2日程度である。培養は2次元培養及び3次元培養のいずれで行ってもよい。
工程2)で得られた後方前腸細胞を、さらにCDK8/19阻害活性を有する因子を含む培地、好ましくはCDK8/19阻害活性を有する因子と増殖因子を含む培地で培養し、膵前駆細胞に分化誘導する。培養期間は2日~10日、好ましくは約5日程度である。
工程3)で得られた膵前駆細胞を、さらに増殖因子を含む培地で培養して内分泌前駆細胞に分化誘導する。培養は2次元培養及び3次元培養のいずれで行ってもよい。2次元培養の場合には、工程3)で得られた膵前駆細胞を、0.25%トリプシン-EDTAで処理後にピペッティングすることにより分散し、0.25%トリプシン-EDTAを遠心分離にて除去後、工程4)の新しい培地にて懸濁し、再播種する。培養期間は2日~3日、好ましくは約2日である。
工程4)で得られた内分泌前駆細胞を、さらに増殖因子を含む培地で培養してインスリン産生細胞に分化誘導する。培養期間は10日~30日、好ましくは約10~20日である。
上記工程で得られたインスリン産生細胞は、動物生体内に移植することによって膵β細胞に分化誘導することができる。
B-27サプリメント(INS(+))又はB-27サプリメント(INS(-))(Thermo Fisher Scientific)の添加量は、製造元の指示に従い、終濃度を2%となるようにした(day0-3)。(day4以降は終濃度が1%となるようにした。)
(1)方法
(i)細胞
人工多能性細胞株であるFf-I01s04株、又はFf-I14s03株を多能性幹細胞として利用した。
100ng/mLのアクチビンA及び3μMのCHIR99021を含む基本培地(RPMI培地(RPMI 1640培地(Thermo Fisher Scientific)))に、さらにB-27サプリメント(INS(+))又はB-27サプリメント(INS(-))(Thermo Fisher Scientific)を加えて分化誘導培地とした。
最初に(day0-day1)インスリンを含有する分化誘導培地にて培養を行い、続いて(day2-day3)インスリンを含有しない分化誘導培地にて培養を行った場合(実施例)、インスリンを含有する分化誘導培地のみで培養した場合(比較例)と比べて、SOX2+細胞(残存未分化細胞や他系譜細胞を示す)の割合が減少することが確認された(Ff-I01s04株:比較例:2.1%、実施例:0.8%;Ff-I14s03株:比較例:2.6%、実施例:0.8%)(図1)。
(1)方法
上記「I」に記載の培養方法において、人工多能性細胞株であるFf-MH15s02株を多能性幹細胞として使用し、基本培地としてRPMI培地又はDMEM培地(DMEM,high glucose,GlutaMAXTM,pyruvate(Thermo Fisher Scientific))を使用した。基礎培地にRPMI培地を使用した場合、day0-day3を通してインスリンを含有する分化誘導培地にて培養した。基礎培地にDMEM培地を使用した場合は、最初に(day0)インスリンを含有する分化誘導培地にて培養を行い、続いて(day1-day3)インスリンを含有しない分化誘導培地にて培養を行った。多能性幹細胞は、200×104cells/well(約21万細胞個/cm2)又は250×104cells/well(約26万細胞個/cm2)の量で播種した。その他は、上記「実施例」と同じ手法にて胚体内胚葉細胞へと分化誘導を行った。
また、得られた胚体内胚葉細胞はさらに、後方前腸細胞、及び膵前駆細胞へと分化誘導を行った。
基本培地としてDMEM培地を用い、INS(+)培地からINS(-)培地へと変更した場合、いずれの播種細胞数においても、RPMI培地を用い、インスリンを含有して培養した場合と比べて、SOX2+細胞の割合が減少することが確認された(DMEM培地:4.8%,3.1%;RPMI培地:11.7%,5.1%)(図2)。そして、得られた胚体内胚葉細胞をさらに後方前腸細胞まで分化誘導したところ、PDX1+細胞の割合は90%を超え、また膵前駆細胞まで分化誘導したところ、PDX1+/NKX6.1+細胞の割合は80%を超え、day0-day3を通してインスリンを含有する分化誘導培地にて培養した場合と比べて効率的に分化誘導できることが確認された(図2)。
(1)方法
上記「II」に記載の培養方法において、Ff-I01s04株を多能性幹細胞として使用し、いずれの基本培地を用いた場合にもB-27サプリメント(INS(-))を加えた分化誘導培地のみを用いて培養を行い、ならびに、播種細胞数を70×104cells/well(約7万細胞個/cm2)とした以外は、同じ手法にて胚体内胚葉細胞へと分化誘導を行った(すなわち、インスリンを含有しない分化誘導培地のみで培養を行った)。
また、得られた胚体内胚葉細胞をさらに、後方前腸細胞まで分化誘導した。
基本培地としてRPMI培地を用いた場合、得られたSOX2+細胞の割合は0.6%であったものの、PDX1+細胞の割合は17.7%と低い値を示した。また、培養後(day3時点)に得られた細胞数は、10×104cells/well(約1万細胞個/cm2)まで減少した。
上記にてその効果が確認されたINS(+)培地からINS(-)培地への変更を含む胚体内胚葉細胞の分化誘導方法について、バイオリアクターを用いた3次元培養法においても有効であることを以下のとおり確認した。
人工多能性細胞株であるFf-I14s04株を多能性幹細胞として利用した。
細胞を10万細胞個/mLの量にて、Y-27632を添加した(10μM)再生医療用培地(StemFit(登録商標)(味の素ヘルシーサプライ))10mLに播種し、30mL Reactor内で70rpmの回転数にて24時間培養した後、StemFit(登録商標)を20mL追加し、さらに48時間培養した。
3次元培養における多能性幹細胞から胚体内胚葉細胞への分化誘導に関し、インスリンを含むRPMI培地のみを用いて培養を行った場合、得られた細胞塊のSOX2+細胞の割合は6.5%を示し、最初にインスリンを含むDMEM培地、その後インスリンを含まないDMEM培地を用いた培養により得られた細胞塊のそれ(0.4%)と比べて、高い値を示した(図3)。
Claims (16)
- 多能性幹細胞から胚体内胚葉細胞を製造する方法であって、
多能性幹細胞を、インスリンが作用する条件下の分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリンが作用しない条件下の分化誘導培地中で第2の培養を行うこと
を含み、少なくとも第1の培養の分化誘導培地がGSK3β阻害剤を含む、方法。 - 第1の培養がインスリンを含む分化誘導培地中で行われ、
第2の培養がインスリンを含まない分化誘導培地中で行われる、請求項1の方法。 - 第1の培養がインスリンを含み、かつインスリンシグナル阻害剤は含まない分化誘導培地中で行われ、
第2の培養がインスリン及びインスリンシグナル阻害剤を含む分化誘導培地中で行われる、請求項1の方法。 - 第1の培養および第2の培養を行う分化誘導培地中に、さらに、ピルビン酸塩を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の培養および第2の培養を行う分化誘導培地中に、さらに、L-アラニルL-グルタミンを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の培養および第2の培養を行う分化誘導培地中に、さらに、15mM以上のグルコースを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の培養を6時間~48時間行うことを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
- 第2の培養を少なくとも6時間行うことを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
- 3次元培養系にて実施する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
- 2次元培養系にて実施する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の培養の開始時において、多能性幹細胞が15万~30万細胞個/cm2含まれる、請求項10に記載の方法。
- 分化誘導培地が、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)をベースとする、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の培養の分化誘導培地がROCK阻害剤を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
- 多能性幹細胞をインスリンが作用する条件下の分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリンが作用しない条件下の分化誘導培地中で第2の培養を行うことにより胚体内胚葉細胞を製造し、得られた胚体内胚葉細胞をさらに分化誘導する工程を含み、
少なくとも第1の培養の分化誘導培地がGSK3β阻害剤を含む、インスリン産生細胞の製造方法。 - 多能性幹細胞をインスリンを含む分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリンを含まない分化誘導培地中で第2の培養を行うことにより胚体内胚葉細胞を製造し、得られた胚体内胚葉細胞をさらに分化誘導する工程を含み、
少なくとも第1の培養の分化誘導培地がGSK3β阻害剤を含む、インスリン産生細胞の製造方法。 - 多能性幹細胞をインスリンを含み、かつインスリンシグナル阻害剤を含まない分化誘導培地中で第1の培養を行い、続いて、インスリン及びインスリンシグナル阻害剤を含む分化誘導培地中で第2の培養を行うことにより胚体内胚葉細胞を製造し、得られた胚体内胚葉細胞をさらに分化誘導する工程を含み、
少なくとも第1の培養の分化誘導培地がGSK3β阻害剤を含む、インスリン産生細胞の製造方法。
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