JP6932947B2 - 不良画像発生予測システム及び不良画像発生予測プログラム - Google Patents

不良画像発生予測システム及び不良画像発生予測プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像データを解析して、当該画像データに基づき画像形成装置が形成する画像に濃度ムラが発生することを予測する不良画像発生予測システム及び不良画像発生予測プログラムに関する。
画像形成装置で画像出力する際、濃度ムラが発生することがある。一つは、「ホタル」と呼ばれる円形に発生する濃度ムラで、トナーのキャリア粒子に起因する。他の一つは、現像周期濃度ムラで、現像部における現像スリーブの振れに起因し、帯状に発生する。
また、濃度ムラの程度は、装置の耐久状態や環境によって決まり、常に変化する。但し一般的に、濃度ムラの程度の変化速度は、非常に緩やかであり、連続運転する間は殆ど変わらない。
濃度ムラが発生する画像形成装置で印刷する時、入力画像の特徴によってはムラが目立つ場合と目立たない場合がある。
濃度ムラが目立つ画像が印刷された場合は、不良画像として検品装置又は作業者が検品して除外しなければならない。
特許文献1,2に記載の発明にあっては、予め画像データを解析して画像形成プロセスの条件を補正する。
特許文献3に記載の発明にあっては、印刷出力されたシートから画像を読み取って検査処理するが、その際、検査項目に応じて読み取り時のシートの搬送速度を変更する。
特開平10−56570号公報 特開昭63−137251号公報 特開2012−39424号公報 特願2016−026691
しかしながら、特許文献1,2に記載の発明にあっては、階調不良を低減させるべく画像データに応じて階調特性を良好に調整しようとするものであり、画像形成装置が形成する画像における濃度ムラが人の眼で見て目立つか否かの判定手段を有さない。階調表現良好に印刷されても、濃度ムラが発生することはあり、階調表現良好に印刷されたからこそ、濃度ムラが目立つ場合があるから、特許文献1,2に記載の発明によっては、画画像形成装置が形成する画像における濃度ムラの問題を解決できない。
濃度ムラを人が検品する場合は、印刷と同時に検品することが難しいため、全品検査することが多く、非常に大きな工数がかかる。よって、検品対象とする印刷物は必要最低限に抑えることが望まれている。
特許文献3に記載されるような印刷物の検品装置だけでは、印刷の原稿画像データに基づく不良画像の発生予測手段を有さないため、どの原稿画像データに基づく印刷物に不良画像が発生しやすいか発生しにくいかの予測情報を有さず、全品検査せざるを得ない。
特許文献3に記載されるような印刷物の検品装置においては、不良画像であるか否かを決める濃度ムラの閾値を適切に設定しなければ、濃度ムラが目立たない画像であっても不良画像だと判断し、印刷物を無駄に廃棄することになる、あるいは逆に、濃度ムラが目立つ画像であっても良品だと判断し、不良品を出荷することにつながり、良品、不良品の分別精度に課題がある。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、画像形成装置が画像データに基づき形成する画像に発生し得る濃度ムラの目立ちやすさを、同画像データに基づきを予測することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、画像形成装置により形成する画像の観察距離を取得する観察距離取得手段を備え、当該画像形成装置に同画像の原稿として入力された画像データに対して、前記観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする不良画像発生予測システムである。
解析する「階調分布」は、明度値、輝度値等によるものでも問わない。
請求項2記載の発明は、前記注目領域を、前記観察距離の2倍にtan(1°)を乗じた値λを1辺とする正方形とすることを特徴とする請求項1に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項3記載の発明は、前記画像データの分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、所定の低周波数帯Δfでパワーを積分した値PFを求めることを特徴とする請求項2に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項4記載の発明は、前記低周波数帯Δfの長さが、1/λの整数倍で規定されたことを特徴とする請求項3に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項5記載の発明は、前記フーリエ変換を2次元フーリエ変換とし、予測対象の濃度ムラの短手方向と平行な方向の周波数成分に対してパワースペクトルを得て、得られたパワーを前記低周波数帯Δfで積分して前記値PFを求めることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項6記載の発明は、前記注目領域の前記値PFをその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項7記載の発明は、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wと、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項8記載の発明は、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wが前記値λ以上のとき、前記幅wと、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、
前記幅wが前記値λより小さいとき、前記幅wの2分の1、すなわちw/2と、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項9記載の発明は、予測対象の濃度ムラにおいて明度又は輝度が変化している短手方向の全幅をDとし、そのうち同濃度ムラの短手方向に向かい合う1対のエッジの間隔を幅wとし、さらにそのうちピークをとる幅をdとして、{(d/D)/(PF・w)}をその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より小さければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項10記載の発明は、予測対象の濃度ムラにおいて明度又は輝度が変化している短手方向の全幅をDとし、そのうち同濃度ムラの短手方向に向かい合う1対のエッジの間隔を幅wとし、さらにそのうち極大値をとる幅をdとして、
前記幅wが前記値λ以上のとき、{(d/D)/(PF・w)}をその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より小さければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、
前記幅wが前記値λより小さいとき、{(d/D)/(PF・(w/2))}をその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より小さければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項11記載の発明は、前記相関指標を濃度ムラの明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に対応して複数保持し、入力される明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に基づき、参照する前記相関指標を選択する請求項6から請求項10のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測システムである。
ここで、明度比ΔL*/L*は、紙面での反射光輝度の輝度比ΔY/Y、又は色差ΔE*ab若しくはΔE00等の比率に換算可能である。
請求項12記載の発明は、注目領域の総数をN、濃度ムラが目立つと判断した注目領域の数をnとし、n/Nを、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率Pすることを特徴とする請求項6から請求項10のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測システムである。
請求項13記載の発明は、前記基準値をXとし、
i番目の注目領域の前記特徴量をxiとして、
X−xi≦0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とし、
X−xi>0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=(X−xi)/X とし、
注目領域の総数をNとして、
総数Nのpiの平均値を、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率とすることを特徴とする請求項6から8のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測システムである。
請求項14記載の発明は、前記基準値をXとし、
i番目の注目領域の前記特徴量をxiとして、
X−xi≧0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とし、
X−xi<0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=|X−xi|/X とし、
注目領域の総数をNとして、
総数Nのpiの平均値を、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率とすることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項15記載の発明は、前記濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、ユーザーに対し検品を推奨するメッセージを表示することを特徴とする請求項1から請求項14のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測システムである。
請求項16記載の発明は、前記濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、前記画像形成装置の画像形成部に対し当該濃度ムラを軽減するための画像形成プロセス条件の補正を指令することを特徴とする請求項1から請求項15のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測システムである。
請求項17記載の発明は、濃度ムラが目立つ確率をPとし、最大補正量をMとしたとき、前記画像形成部に指令する画像形成プロセス条件の補正量は、設定可能な値の中でM×Pに最も近い値にすることを特徴とする請求項16に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項18記載の発明は、前記幅wが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの前記幅wごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項19記載の発明は、前記全幅D及び前記幅dの少なくともいずれか一つが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの前記全幅D及び前記幅dの組み合わせごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項20記載の発明は、前記全幅D、前記幅w及び前記幅dの少なくともいずれか一つが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの前記全幅D、前記幅w及び前記幅dの組み合わせごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項21記載の発明は、前記相関指標を濃度ムラの明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に対応して複数保持し、その各々の相関指標を参照して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、当該確率が所定値以上となったときに参照していた明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率を、前記画像形成装置が形成した画像を対象に濃度ムラを検出する濃度ムラ検出システムに対し、濃度ムラと判断する検出閾値として出力することを特徴とする請求項1から請求項20のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測システムである。
ここで、明度比ΔL*/L*は、紙面での反射光輝度の輝度比ΔY/Y、又は色差ΔE*ab若しくはΔE00等の比率に換算可能である。
請求項22記載の発明は、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅及び長手方向の幅の双方が、前記値λより小さいとき、
画像形成装置に原稿として入力された画像データに対して、当該画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じて画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において前記サイズの濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項2に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項23記載の発明は、前記画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じた画像の階調分布の空間周波数を解析するにあたり、
(1)前記濃度ムラを、前記濃度ムラの1周期分の直径を持つ2次元のガウシアン分布に従う円形の階調分布に置き換え、
(2)(1)のガウシアン分布を描いた画像データをフーリエ変換し、前記円形の階調分布の空間周波数のパワースペクトルを求め、
(3)(2)のパワースペクトルのうち、DC成分を除きつつ、パワーがピークから所定値までの範囲にある周波数帯又はピークの周波数を抽出し、
(4)前記画像データを、(1)のガウシアン分布が収まるサイズに分割して注目領域とし、分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、(3)で抽出した周波数帯でパワーを積分した値F又は(3)で抽出した周波数のときのパワーの値Fを求めることを特徴とする請求項22に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項24記載の発明は、(5)(4)の注目領域の値Fが所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、
(6)各注目領域についての(5)の判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項23に記載の不良画像発生予測システムである。
請求項25記載の発明は、画像形成装置により形成する画像の観察距離を取得する観察距離取得手段と、
当該画像形成装置に同画像の原稿として入力された画像データに対して、前記観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算する機能とをコンピューターに実現させるための不良画像発生予測プログラムである。
解析する「階調分布」は、明度値、輝度値等によるものでも問わない。
請求項26記載の発明は、前記注目領域を、前記観察距離の2倍にtan(1°)を乗じた値λを1辺とする正方形とすることを特徴とする請求項25に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項27記載の発明は、前記画像データの分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、所定の低周波数帯Δfでパワーを積分した値PFを求める機能をコンピューターに実現させるための請求項26に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項28記載の発明は、前記低周波数帯Δfの長さが、1/λの整数倍で規定されたことを特徴とする請求項27に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項29記載の発明は、前記フーリエ変換を2次元フーリエ変換とし、予測対象の濃度ムラの短手方向と平行な方向の周波数成分に対してパワースペクトルを得て、得られたパワーを前記低周波数帯Δfで積分して前記値PFを求める機能をコンピューターに実現させるための請求項27又は請求項28に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項30記載の発明は、前記注目領域の前記値PFをその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項27、請求項28又は請求項29に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項31記載の発明は、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wと、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項27、請求項28又は請求項29に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項32記載の発明は、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wが前記値λ以上のとき、前記幅wと、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、
前記幅wが前記値λより小さいとき、前記幅wの2分の1、すなわちw/2と、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項27、請求項28又は請求項29に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項33記載の発明は、予測対象の濃度ムラにおいて明度又は輝度が変化している短手方向の全幅をDとし、そのうち同濃度ムラの短手方向に向かい合う1対のエッジの間隔を幅wとし、さらにそのうちピークをとる幅をdとして、{(d/D)/(PF・w)}をその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より小さければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項27、請求項28又は請求項29に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項34記載の発明は、予測対象の濃度ムラにおいて明度又は輝度が変化している短手方向の全幅をDとし、そのうち同濃度ムラの短手方向に向かい合う1対のエッジの間隔を幅wとし、さらにそのうち極大値をとる幅をdとして、
前記幅wが前記値λ以上のとき、{(d/D)/(PF・w)}をその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より小さければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、
前記幅wが前記値λより小さいとき、{(d/D)/(PF・(w/2))}をその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より小さければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項27、請求項28又は請求項29に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項35記載の発明は、前記相関指標を濃度ムラの明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に対応して複数保持し、入力される明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に基づき、参照する前記相関指標を選択する機能をコンピューターに実現させるための請求項30から請求項34のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測プログラムである。
ここで、明度比ΔL*/L*は、紙面での反射光輝度の輝度比ΔY/Y、又は色差ΔE*ab若しくはΔE00等の比率に換算可能である。
請求項36記載の発明は、注目領域の総数をN、濃度ムラが目立つと判断した注目領域の数をnとし、n/Nを、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率Pする機能をコンピューターに実現させるための請求項30から請求項34のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項37記載の発明は、前記基準値をXとし、
i番目の注目領域の前記特徴量をxiとして、
X−xi≦0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とし、
X−xi>0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=(X−xi)/X とし、
注目領域の総数をNとして、
総数Nのpiの平均値を、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率とする機能をコンピューターに実現させるための請求項30から32のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項38記載の発明は、前記基準値をXとし、
i番目の注目領域の前記特徴量をxiとして、
X−xi≧0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とし、
X−xi<0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=|X−xi|/Xとし、
注目領域の総数をNとして、
総数Nのpiの平均値を、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率とする機能をコンピューターに実現させるための請求項33又は請求項34に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項39記載の発明は、前記濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、ユーザーに対し検品を推奨するメッセージを表示する機能をコンピューターに実現させるための請求項25から請求項38のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項40記載の発明は、前記濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、前記画像形成装置の画像形成部に対し当該濃度ムラを軽減するための画像形成プロセス条件の補正を指令する機能をコンピューターに実現させるための請求項25から請求項39のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項41記載の発明は、濃度ムラが目立つ確率をPとし、最大補正量をMとしたとき、前記画像形成部に指令する画像形成プロセス条件の補正量は、設定可能な値の中でM×Pに最も近い値にする機能をコンピューターに実現させるための請求項40に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項42記載の発明は、前記幅wが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの前記幅wごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する機能をコンピューターに実現させるための請求項31又は請求項32に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項43記載の発明は、前記全幅D及び前記幅dの少なくともいずれか一つが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの前記全幅D及び前記幅dの組み合わせごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する機能をコンピューターに実現させるための請求項33又は請求項34に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項44記載の発明は、前記全幅D、前記幅w及び前記幅dの少なくともいずれか一つが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの前記全幅D、前記幅w及び前記幅dの組み合わせごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する機能をコンピューターに実現させるための請求項33又は請求項34に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項45記載の発明は、前記相関指標を濃度ムラの明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に対応して複数保持し、その各々の相関指標を参照して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、当該確率が所定値以上となったときに参照していた明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率を、前記画像形成装置が形成した画像を対象に濃度ムラを検出する濃度ムラ検出プログラムに対し、濃度ムラと判断する検出閾値として出力する機能をコンピューターに実現させるための請求項25から請求項44のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測プログラムである。
ここで、明度比ΔL*/L*は、紙面での反射光輝度の輝度比ΔY/Y、又は色差ΔE*ab若しくはΔE00等の比率に換算可能である。
請求項46記載の発明は、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅及び長手方向の幅の双方が、前記値λより小さいとき、
画像形成装置に原稿として入力された画像データに対して、当該画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じて画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において前記サイズの濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項26に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項47記載の発明は、前記画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じた画像の階調分布の空間周波数を解析するにあたり、
(1)前記濃度ムラを、前記濃度ムラの1周期分の直径を持つ2次元のガウシアン分布に従う円形の階調分布に置き換え、
(2)(1)のガウシアン分布を描いた画像データをフーリエ変換し、前記円形の階調分布の空間周波数のパワースペクトルを求め、
(3)(2)のパワースペクトルのうち、DC成分を除きつつ、パワーがピークから所定値までの範囲にある周波数帯又はピークの周波数を抽出し、
(4)前記画像データを、(1)のガウシアン分布が収まるサイズに分割して注目領域とし、分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、(3)で抽出した周波数帯でパワーを積分した値F又は(3)で抽出した周波数のときのパワーの値Fを求める機能をコンピューターに実現させるための請求項46に記載の不良画像発生予測プログラムである。
請求項48記載の発明は、(5)(4)の注目領域の値Fが所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、
(6)各注目領域についての(5)の判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項47に記載の不良画像発生予測プログラムである。
本発明によれば、画像形成装置により形成する画像の観察距離を取得する観察距離取得手段を備え、当該画像形成装置に同画像の原稿として入力された画像データに対して、前記観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算するため、これをユーザーが参照することで濃度ムラ検出のための試し刷りや検品工数を低減することができる。
入力される画像データごとに推算される「濃度ムラが目立つ確率」に基づき画像形成プロセス条件の補正を指令できるため、画像形成装置において画像の特徴に応じて適切に補正できるという効果があり、補正量を一律に設定する場合に生じうる過剰補正及び補正不足を低減できる。
入力される画像データごとに推算される「濃度ムラが目立つ確率」に基づき濃度ムラの検出閾値の設定情報を出力することができるため、濃度ムラ検出システムにおいて画像の特徴に応じて適切に検出閾値が設定されるという効果があり、検出閾値を一律に設定する場合に生じうる良品の廃棄及び不良品の検出漏れを低減できる。
画像形成装置により形成する画像の観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析するため、解析範囲を一定サイズの細かい区画(人が物を注視する時の視野角(2度)相当)に区切ることで、局所的に、そこでムラが発生した場合に目立つか否かを予測することができる。
本発明が選択的に取り込む発明を説明するための帯状のムラを円形の階調分布に置き換える概念を示す模式図(a)、同円形の階調分布を示すグラフ(b)、同円形の階調分布を囲む正方画像を示す図(c)、同正方画像とそのパワースペクトルを示す図(d)、原稿画像データの注目領域のパワースペクトルの一例を示す図(e)、及び原稿画像データの注目領域に分割する様子を示す図(f)である。 本発明が選択的に取り込む発明を説明するための解析結果(原稿画像データのパワー積分値)と濃度ムラ評価値(輝度比)の相関を示すグラフ(a)、同相関のテーブルを作成するための心理物理実験に用いられる濃度ムラモデルの階調分布を示すグラフ(b)(c)、及び解析結果(原稿画像データのパワー積分値)と濃度ムラ評価値(印象ランク)の相関を濃度ムラ部分の中心と周辺の濃度差を輝度比に換算した値毎に示すグラフ(d)である。 同上心理物理実験に用いられる提示画像の一例を示す図である。 図3の提示画像を用いた心理物理実験での濃度ムラモデルの階調分布を示すグラフである。 図3の提示画像を用いた心理物理実験での画像の切り替えの様子を示す模式図である。 図3の提示画像を用いた心理物理実験で提示した提示画像に描いた輝度ムラ画像とそのパワースペクトルを示す図である。 図3の提示画像を用いた心理物理実験で提示した提示画像の輝度ムラ画像を描いた領域(同輝度ムラ画像をを除く)のパワースペクトルを算出する手順を説明する模式図である。 図7のパワースペクトルから積分値を算出する例を示す図(a)、及び輝度比と積分値との相関図(b)である。 濃度差と輝度比の換算方法に用いられる画像サンプルの模式図(a)、及び濃度差と輝度比の相関を示すグラフ(b)である。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例1に係る検品推奨メッセージの表示アルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例1において帯状のムラを円形の階調分布に置き換える概念を示す模式図である。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例1において原稿画像データを注目領域で分割する様子を示す模式図である。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例1における解析結果(原稿画像データのパワー積分値)と濃度ムラ評価値(輝度比)の相関を示すグラフである。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例2に係る検品推奨メッセージの表示アルゴリズムを示すフローチャート(a)、及び濃度ムラの目立つ確率に応じた現像条件補正アルゴリズムを示すフローチャート(b)である。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例2における解析結果(原稿画像データのパワー積分値)と濃度ムラ評価値(輝度比)の相関を示すグラフである。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例3に係る検品推奨メッセージの表示アルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例3に係る濃度ムラの目立つ確率に応じた現像条件補正アルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例3において、帯状のムラに対応する注目領域のサイズを設定する様子を示す模式図(a)、及び円形のムラに対応する注目領域のサイズを設定する様子を示す模式図(b)である。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例1〜3及び比較例1について、印刷から検品までの所要時間を比較するグラフである。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例4に係り、入力画像データに応じて濃度ムラ検出の閾値を設定するアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例4における解析結果(原稿画像データのパワー積分値)と濃度ムラ評価値(輝度比)の相関を示すグラフである。 本発明が選択的に取り込む発明に適用する印象ランクと値Fの相関テーブル(式)の作成するために用いた円形ムラの模式図(a)、明度プロファイルの基準線を示す図(b)及びその明度プロファイル(c)である。 本発明が選択的に取り込む発明に適用する印象ランクと値Fの相関テーブル(式)の作成するために用いた一例の提示画像(a)及びその提示画像から円形ムラの発生領域を切り取る様子を示す図(b)である。 図23(b)で切り取った画像を2次元フーリエ変換して得られた階調分布の空間周波数のパワースペクトル(a)及び(b)で、(b)は積分値Fの算出の様子を示す。 図22(a)の円形ムラの中心部と周辺部を決めるための明度プロファイル(a)及び、その中心部と周辺部とを示した円形ムラの模式図(b)である。 実験に用いた提示画像の値Fと被験者から得られた印象ランクと相関図である。 本発明が選択的に取り込む発明の実施例5における値Fと印象ランクとの相関を示すグラフである。 本発明に係る解析結果と濃度ムラ評価値の相関テーブルの一例を示す。 本発明に係る検品を推奨するメッセージを表示する制御フローを示す。 本発明に係る画像形成プロセス条件の補正を指令する制御フローを示す。 本発明に係る濃度ムラ検出システムの検出閾値を設定する制御フローを示す。 本発明の実施例Bに係り、実験に用いる濃度ムラの明瞭さと幅を表す指標(d/D、w)の説明図である。 本発明の実施例Bに係り、実験に用いる濃度ムラの明度コントラスト測定条件の説明図である。 本発明の実施例Bに係り、予測対象の濃度ムラの特徴を示す。 本発明の実施例Bに係り、一例のテスト画像に対し濃度ムラのエッジ部分を中心として格子状に画像を分割する様子を示す図(a)と、そのうち「特に目立つ」と判断されたエッジ部分に該当する区画を選択する様子を示す図(b)である。 本発明の実施例Bに係り、他の一例のテスト画像に対し濃度ムラのエッジ部分を中心として格子状に画像を分割する様子を示す図である。 本発明の実施例Bに係り、選択した区画を切り取る様子を示す図である。 本発明の実施例Bに係り、計算した明度分布の空間周波数のパワースペクトル及び積分領域の一例を示すグラフである。 本発明の実施例Bに係り、テスト画像について得られた「印象ランク」(濃度ムラの視認性の主観評価値)と、N・(d/D)/(PF・w)との関係を表す相関グラフである。 本発明の実施例B1に係り、検品推奨メッセージの表示制御フローを表すフローチャートである。 本発明の実施例B1に係り、入力画像を分割した注目領域の構成を示す図である。 本発明の実施例B1に係り、解析結果「(d/D)/(PF・w)」と「印象ランク」の相関を示すグラフである。 本発明の実施例B2に係り、検品推奨メッセージの表示制御フローを表すフローチャートである。 本発明の実施例B2に係り、濃度ムラの目立つ予想確率に応じた現像条件補正フローを表すフローチャートである。 本発明の実施例B2に係り、解析結果「(d/D)/(PF・w)」と「印象ランク」の相関を示すグラフであり、濃度ムラが目立つ予想確率の算出手順を説明するためのものである。 本発明の実施例B3に係り、検品推奨メッセージの表示制御フローを表すフローチャートである。 本発明の実施例B3に係り、濃度ムラの目立つ予想確率に応じた現像条件補正フローを表すフローチャートである。 現像スリーブ周期ムラの例を示す図(a)及びホタルの例を示す図(b)である。 本発明の実施例B1―B3、比較例B1に係り、印刷及び検品に要した合計所要時間を示すグラフである。 本発明の実施例B4に係り、濃度ムラ検出システムで濃度ムラと判断する濃度差の閾値を設定するフローを表すフローチャートである。
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
<目次>
<A>特許文献4に記載の発明であり、画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じて画像の階調分布の空間周波数を解析することを特徴とする。本発明が選択的に取り込む発明であるため開示する。
<B>本願のメインの発明であり、画像形成装置により形成する画像の観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析することを特徴とする。
<内容>
<A>
〔システム概要〕
不良画像発生予測システムは、画像形成装置に原稿として入力された画像データに対して、当該画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じて画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において前記サイズの濃度ムラが目立つ確率を推算する。ここで、相関指標は、データテーブル、相関式等の形式は問わない。
画像形成装置は、原稿入力部(画像データの入力部及び紙原稿の読み取り部)と、画像形成部とを有する。画像形成部は、画像データに基づき感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を用紙に転写し、転写されたトナー像を加熱定着することで、用紙上に画像を形成する。
画像形成装置の有するコンピューター又は外部のコンピューターに本システムの機能を実現するためのコンピュータープログラムをインストールして本システムを構成する。なお、本システムの機能を外部のコンピューターに実現する場合は、画像形成装置に原稿として入力される前又は入力中、入力後画像形成前の画像データを対象に解析し、画像形成装置に原稿として入力され、画像形成された際の確率を推算する。
また、濃度ムラ検出システムを構成する濃度ムラ検出器を画像形成装置に付設し、本システムと濃度ムラ検出システムとを連動させる。濃度ムラ検出器は、画像形成装置が形成した画像を読み取る読み取り部を有する。
上記した画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じた画像の階調分布の空間周波数を解析するにあたっては、
(1)まず、前記濃度ムラを、前記濃度ムラの1周期分の直径を持つ2次元のガウシアン分布に従う円形の階調分布101に置き換える。
円形に発生する濃度ムラについては、その直径が1周期分であるので、その直径と等しい直径を持つ2次元のガウシアン分布に従う円形の階調分布101に置き換える。
図1(a)に示すように帯状のムラ102は円形のムラの重ね合った連続103に近似でき、局所的には円形のムラに近似できるため、帯状のムラも、その濃度ムラ1周期分の直径を持つ2次元のガウシアン分布に従う円形の階調分布101に置き換える。かかる置き換えにより、現像周期濃度ムラなどの帯状のムラが発生しても、画像上のどの部分で目立つかを算出することができる。
以上、置き換えた円形の階調分布101の形状は、図1(b)に示すように横軸に位置、縦軸に階調を取ったグラフにおいて、下に凸なグラフ104でも上に凸なグラフ105でも良い。
(2)(1)のガウシアン分布を描いた画像データをフーリエ変換し、円形の階調分布101の空間周波数のパワースペクトルを求める。
ここでフーリエ変換する画像107は、図1(c)に示すように判断したい濃度ムラの1周期分長さを1辺とする正方形106を領域とし、当該ガウシアン分布のピークが中心に来るように描かれたものである。
(3)(2)のパワースペクトルのうち、DC成分を除きつつ、パワーがピークから所定値までの範囲にある周波数帯を抽出する。(又はピークの周波数を抽出する。)
図1(d)に示すように画像107のパワースペクトル108が得られるので、例えば、周波数が0付近のDC成分の影響が大きい周波数帯108aを除き、パワーがピークから所定値までの範囲にある周波数帯Δfを抽出する。(又はピークの周波数を抽出する。)
若しくは、パワースペクトル108からDC成分を除く処理を行えば、周波数が0付近の周波数帯108aを含めても良い。
(4)原稿入力部から入力される画像データ(例えばその画像を図1(f)の画像109とする)を、図1(f)に示すように(1)のガウシアン分布が収まるサイズ(正方形106相当)に分割して注目領域110(110−1,110−2,110−3,・・・)とし、分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し(例えば図1(e)のパワースペクトル111のように算出される)、(3)で抽出した周波数帯Δfでパワーを積分した値Fを求める。(又は、(3)で抽出した周波数のときのパワーの値Fを求める。)
(5)(4)の注目領域の値Fが所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断する。
(5.1)
この基準値は、予め測定しておいた、画像形成装置における固有の濃度ムラに相当する値であり、心理物理実験で求めた図2(a)に示すような相関テーブル201から求める。
この相関テーブル201は、図2(a)に示すように縦軸に濃度ムラの視認性を表す輝度比ΔL/L、横軸に注目領域のパワー積分値Fをとったものである。
ΔLは、事前に行った心理物理実験において、所定の階調分布をもつ背景画像中に発生する濃度ムラに対して、被験者が濃度ムラを視認することができる最小強度の濃度ムラの、ピーク階調と背景階調の差を、輝度差に換算したものであり、Lは、前記の背景階調を輝度に換算したものである(図2(b)(c))。
相関テーブル201を作成するための実験の際、横軸に位置、縦軸に輝度を取ったグラフにおける濃度ムラの輝度分布は図2(b)に示すように上に凸でも図2(c)に示すように下に凸でも良い。
濃度ムラが目立つか目立たないかの境界となる輝度比ΔL/L又は色差を、予め任意の値に設定しておき、相関テーブル201からその輝度比または色差(基準値)に対応するパワー積分値Fを、濃度ムラ判断の基準値とする。
(5.2)画像形成装置の安定化調整運転時に、実際に発生する濃度ムラの濃度差を測定し、その濃度差を相関テーブル201に対応する輝度比に換算したものを、画像形成装置固有の濃度ムラに相当する値として、基準値を求めこれを用いる。
(5.3)(5.1)及び(5.2)の輝度比ΔL/Lは、色差ΔE*abまたはΔE00に置き換えても良い。
(5.4)また、(5.1)及び(5.2)の輝度比ΔL/Lは、濃度ムラの目立ち易さをマグニチュード評価法によって求めた主観評価値でも良い。濃度ムラの目立ち易さを判断する相関式の精度を向上するためである。この時、上記主観評価値とパワー積分値Fとの相関を表す式は、対数近似式とすると精度が良好である。
ここで、濃度ムラの目立ち易さをマグニチュード評価法によって求めた主観評価値とは、被験者が濃度ムラを観察して、下記基準に従ってランク付けしたものであり、ここでは「印象ランク」と名付ける。
その基準とは、(印象ランク/判断基準)として、(0/ムラとして認識できない),(1/ムラだと認識できるが、気にならない),(2/やや気になる),(3/気になる),(4/非常に気になる)である。印象ランクは0.1刻みで付けてよいとする。
(5.5)また、印象ランクを用いる場合は、パワー積分値Fと濃度ムラの目立ち易さとの相関式を、対象とする濃度ムラの濃度差に応じて変えてもよい。
すなわち、測定する濃度を輝度に換算した値をLとし、濃度ムラ部分の中心と周辺の濃度差を輝度比に換算した値をΔL/Lとする。その上で「印象ランク」を用いると、図2(d)に示すような相関関係が作成できる。
ムラと同じ空間周波数成分の量を示す積分値Fは、図2(d)に示すように小さいほど濃度ムラが目立つが、対象とする濃度ムラ部分の中心と周辺の濃度差を輝度比に換算した値ΔL/Lが小さいと、印象ランク「1」以下に収まり、大きいと印象ランク「1」を超える(図2(d)のグラフ上の平面202より上になる。)このように対象とする濃度ムラのΔL/L値によって適用する相関式(203,204,205・・・)を変えることで濃度ムラの目立ち易さの予測精度を向上させることができる。
(6)各注目領域についての(5)の判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する。
(6.1)一つには、注目領域の総数をN、濃度ムラが目立つと判断した注目領域の数をnとし、n/Nを、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率Pする。
(6.2)他の一つには、
前記基準値をXとし、
i番目の注目領域のパワー積分値Fをxiとして、
X−xi≦0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とし、
X−xi>0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=(X−xi)/X とし、
注目領域の総数をNとして、
式(1)に従い、総数Nのpiの平均値を、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率とする。
Figure 0006932947
(7.1)以上のようにして算出した濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、ユーザーに対し検品を推奨するメッセージを表示する。表示位置は、例えば画像形成装置の操作パネルとし、表示タイミングは、濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断された画像データの画像形成処理中とする。
(7.2)また、以上のようにして算出した濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、画像形成装置の画像形成部に対し当該濃度ムラを軽減するための画像形成プロセス条件の補正を指令する。
(7.2.1)その際、濃度ムラが目立つ確率をPとし、最大補正量をMとしたとき、前記画像形成部に指令する画像形成プロセス条件の補正量は、設定可能な値の中でM×Pに最も近い値にする。
(7.3)上述した「ホタル」と現像周期濃度ムラのようにサイズの異なる複数の濃度ムラが画像形成装置における固有の濃度ムラとなる場合は、これらサイズの異なる複数の濃度ムラを対象として、それぞれの濃度ムラのサイズに応じて画像の階調分布の空間周波数を解析し、濃度ムラが目立つ確率をそれぞれ推算する。
(7.3.1)濃度ムラが目立つ確率に基づき前記画像形成装置の画像形成部に対し当該濃度ムラを軽減するための画像形成プロセス条件の補正を指令するにあたり、前記複数の濃度ムラのうち、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する。例えば、「ホタル」と現像周期濃度ムラとで濃度ムラの目立つ確率が高い方を軽減するために有利な画像形成プロセス条件を指令する。
(7.4)前記画像形成装置が形成した画像を対象に濃度ムラを検出する濃度ムラ検出システムに対し、前記濃度ムラが目立つ確率に応じて濃度ムラの検出閾値の設定情報を出力する。
(7.4.1)分割された注目領域110(110−1,110−2,110−3,・・・)ごとに積分値Fに対応する輝度比ΔL/Lを算出し、画像形成装置が形成した画像を対象に濃度ムラを検出する濃度ムラ検出システムにフィードバックする。濃度ムラ検出システムは、輝度比ΔL/Lに基づき濃度ムラの検出閾値を設定する。
(7.4.2)分割された注目領域110(110−1,110−2,110−3,・・・)ごとに積分値Fに対応する輝度比ΔL/Lを算出し、当該輝度比ΔL/Lに相当する濃度差の最小値、平均値、最大値等の統計値を、前記画像形成装置が形成した画像を対象に濃度ムラを検出する濃度ムラ検出システムに対して、濃度ムラの検出閾値として与える。濃度ムラ検出システムは、当該統計値を濃度ムラの検出閾値として設定する。
〔実施例、比較例〕
(8)次に、本システムを、実施例に沿って説明し、また比較例と比較する。
(8.1)全実施例及び比較例に共通の条件は以下のとおりである。
電子写真かつ2成分現像方式の画像形成装置に実施例及び比較例に示す条件を適用する。
(8.2)輝度比ΔL/Lとパワー積分値Fの相関テーブルの作成方法につき説明する。
濃度ムラと入力画像特徴(階調分布の空間周波数成分)との相関式を得てΔL/LとFの相関テーブルを作成するために、以下の実験と解析を行う。
(8.2.1)概要
被験者に対して、画像形成装置で出力される濃度ムラを想定した輝度ムラが描かれている画像を提示し、輝度ムラが見えるかどうか回答させる実験を行う。
実験によってΔL/Lを記録し、提示画像解析からFを算出することで、ΔL/LとFの相関図を得る。
(8.2.2)実験条件
被験者:9名(全員視覚正常)(人数は任意に設定して良い)
環境:暗室
画像提示手法:上昇系列の極限法 (心理物理学実験の基本手法の一つであり、被験者が観察するターゲット刺激の強度を次第に強め、ターゲット刺激を知覚できる最小の強度、即ち閾値を求める手法。)
提示画像条件:被験者との距離を50cmとした。被験者の頭部は非固定である。画像提示時間を4秒とした。背景画像は、グレースケールの自然画像とし、被験者前方の約50度視野(幅478mm)内に縦170×横236(mm)(縦19°×横27°視野)の画像を2つ並べた。濃度ムラ(ターゲット刺激)は、円形ガウシアン刺激で、直径の視角が約1°、中心色は黒(原画より暗くなる)とした。提示画像数を192通りとした。提示メディアは、ディスプレイ(メーカー/型番:EIZO/ColorEdgeCG221,最大輝度:80cd/m2)とした。
(8.2.3)実験手順
図3に示すように提示画像には自然画像を用い、全く同じ自然画像を2つ並べて提示した。ディスプレイ301に表示する。
1つは輝度ムラが描かれていない原画像(画像形成装置における入力画像)302であり、もう1つは、前記画像と同じ画像に、意図的に円形のガウシアン分布に従う輝度ムラ304を描いた画像303である。
ムラが入る画像303とムラ無しの原画像302を左右どちらに配置するかは、切り替わり毎にランダムに決定した。
被験者は左右の画像302,303を4秒の間に見比べ、輝度ムラを発見できれば実験終了する。
発見できなければ自動的にムラの強度を強くした画像に切り替わり、被験者は再び輝度ムラを探す。
輝度ムラの強度は、背景とのコントラストを小さい状態から次第に大きくしていき、被験者が輝度ムラを最初に視認できた時の輝度コントラストを、ΔL/Lとして記録する。ΔL/Lはムラの視認性に相当する値であり、大きい程、そのムラが目立たなかったことを意味する。この時、図4に示すように背景画像の平均輝度をLとし、被験者が視認できる最低強度の濃度ムラの輝度分布におけるピークと平均輝度Lとの差をΔLとした。
図5に示すようにムラの強度を強めた画像に提示画像を切り替える時、インターバルとして均一グレー画像501を1秒間提示した。
インターバルを設ける理由は、人の視覚系が刺激光の時間変化に対して敏感である故に、インターバルを設けずにムラの強度を変化させると、静止画像でのムラの目立ち易さを正確に計測できなくなるためである。
(8.2.4)解析手順
図6に示すように、実験の提示画像に描いた輝度ムラ画像を、一様階調(白地、8bitグレースケールで 階調255)画像上に描き、1辺の長さがムラの直径と同等になる正方形サイズで切り取り、切り取った画像601を2次元フーリエ変換して、階調分布の空間周波数のパワースペクトル602を算出した。
得られたパワースペクトル602のうち、DC成分の影響が大きい周波数帯を除いてムラの特徴を表す周波数帯を選択する。具体的には、パワーが、周波数が0.2[cycle/mm]でのパワーの80%になる周波数0.25[cycle/mm]から、0.2[cycle/mm]までの周波数帯Δfを抽出した。
一方、図7に示すように実験で提示した各画像(例えば画像701)において、輝度ムラを描いた位置で、ムラを描かない状態の背景画像(原画像)データを、前記解析時と同じサイズで切り取り、切り取った画像702を2次元フーリエ変換して、階調分布の空間周波数のパワースペクトル703を求めた。
ここで得られたパワースペクトル703から、図8(a)に示すようにΔfの周波数帯でパワーを積分した値Fを算出した。
なお、値Fが大きい程、ムラと同じ空間周波数成分を含むことを意味する。
以上の手順で、実験に用いた提示画像毎の積分値Fを算出し、その画像で得られた実験結果ΔL/Lの値を用いて、図8(b)に示すように輝度比ΔL/Lと積分値Fの相関図を描く。相関図にプロットした結果を近似して相関式R(F)を得る。本実施例では、R(F)=ΔL/L=0.0071F0.2165 であった。
この相関式R(F)を、輝度比ΔL/Lと積分値Fとの相関テーブルの原形として、本発明の不良画像発生予測システムを搭載する画像形成装置の仕様に併せて相関テーブルの具体的な数値を設定する。
(8.3)濃度差と輝度比ΔL/Lの換算方法
画像形成装置に本発明の不良画像発生予測システムを搭載する前に予め、図9(a)に示すような白地に階調の異なる複数のパッチを描いて紙面に出力した画像サンプル901を用いて、白地とパッチ部分の濃度と、同一位置の反射光の輝度を測定する。測定結果から得られる相関式を用いて双方を相互に換算する。
本実施例では、濃度測定器としてFD−7(コニカミノルタ製)、輝度測定器としてCS-100(ミノルタ製)を用い、図9(b)に示すような白地と各パッチ部分の濃度差ΔIDと、輝度比ΔL/Lとの相関を得た。白地の反射光の輝度をL、各パッチ部分の輝度をLpとして、ΔL=|Lp−L|とし、パッチの階調を10%毎に100〜10%の5段階で作成した。
(8.3)実施例1
実施例1は、電子写真方式の画像形成装置における現像スリーブの振れによって生じるスリーブ周期の濃度ムラに対して、本発明を適用した例である。
実施例1で採用した検品推奨メッセージの表示アルゴリズムを図10に示す。
(8.3.1)濃度ムラが目立つ確率の算出方法
(条件)
画像形成装置で発生する濃度ムラの濃度差を輝度比ΔL/Lに換算した値は、0.13とした。
ΔL/Lに対応する、入力画像のパワーの積分値Fの基準値は、先述の相関式R(F)より 620186とした。
図11に示すような対象とする濃度ムラ(スリーブ周期濃度ムラ)1101の周期1102を44mmとした。
スリーブ周期濃度ムラ1101を、図11に示すように階調分布がガウシアン分布になる直径44mmの円形濃度ムラ1103に置き換えて以下の手順で実施した。
(手順)
(a)入力画像データを、1辺の長さが44mmの正方形に分割する。
(b)図12に示すように分割された画像を注目領域と呼び、注目領域は1ピクセル毎にシフトさせる。
(c)分割した各注目領域の画像を、先述の方法で相関式R(F)を導出した時に分割した 画像サイズと同じピクセル数になるよう、画像サイズを伸縮する。
(d)サイズ伸縮した各注目領域の画像を2次元フーリエ変換し、パワースペクトルを得る。
(e)先述のR(F)を求めた時と同じ周波数帯でパワースペクトルを積分した値Fを得る。
(f)図13に示すように各注目領域の画像において、620186≦F の時に「ムラが目立たない」、F<620186 の時に「ムラが目立つ」 と判断することとした。
(g)ムラが目立つと判断する注目領域の数をn、全注目領域の数をNとして、n/Nを、この入力画像を出力した時に濃度ムラが目立つ確率Pとした。((a)〜(g):図10のステップ1001)。
(h)確率Pが0.50以上で検品を推奨するメッセージを表示することとした(図10のステップ1002でYES→ステップ1003、ステップ1002でNO→ステップ1004)。この閾値は任意に設定すればよい。
(8.4)実施例2
実施例2は、実施例1と同様に、電子写真方式の画像形成装置における現像スリーブの振れによって生じる現像周期濃度ムラに対して、本発明を適用した例である。
実施例2で採用した検品推奨メッセージの表示アルゴリズムを図14(a)に、濃度ムラの目立つ確率に応じた現像条件補正アルゴリズムを図14(b)に示す。
図14中、Vppは現像ACバイアスのピーク値を示し、Pは濃度ムラが目立つ確率を示し、MはVppの最大補正量を示す。
(8.4.1)濃度ムラが目立つ確率の算出方法
(条件)
実施例1と同じ条件に従う。
(手順)
パワースペクトルの積分値Fを得るまでの手順は実施例1と同じである。
パワー積分値Fを求めた後、下記手順で濃度ムラが目立つ確率を算出する。
i番目の注目領域のパワー積分値Fを、xiとした。
ΔL/Lに対応する積分値Fの基準値をXとした(ここでは、実施例1と同じ条件であるため、ΔL/L=0.13、X=620186 である。)。
図15の相関テーブルに従い、X−xi≦0の時、濃度ムラが目立つ確率piは、pi=0 とした。
図15の相関テーブルに従い、X−xi>0の時、濃度ムラが目立つ確率を pi=(X−xi)/X とした。
この入力画像全体に対して、分割した全注目領域の数をNとして、濃度ムラが目立つ確率Pを式(1)のとおりとした。
Figure 0006932947
(8.4.2)検品推奨メッセージの表示方法
検品推奨メッセージの表示は、実施例1と同様に実施した。但し、確率Pが0.75以上で検品を推奨するメッセージを表示することとした(図14(a)のステップ1401でYES→ステップ1003、ステップ1401でNO→ステップ1004)。
(8.4.3)現像ACバイアスの補正値決定方法
(条件)
表Iは、ACバイアスピーク値(Vpp)の補正テーブルを示す。ACバイアスは、画像形成装置の現像バイアス電圧のAC成分であり、Vppが高いほどスリーブ周囲濃度ムラを目立たなくさせる。本画像形成装置にあってはACバイアスピーク値(Vpp)の補正ステップは4段階で、最大補正量Mは+300(Vpp=1180)である。
濃度ムラが目立つ確率は、(8.4.1)に記載のPである。
Figure 0006932947
(手順)
図14(b)に示すように入力画像を解析して確率Pを算出し(ステップ1411)、確率Pが0.50未満であったら補正なしとし(ステップ1412でNO→ステップ1416)、確率Pが0.50以上であったらVppの補正量の目標値を、M×Pとして(ステップ1412でYES→ステップ1413)、Vppの補正テーブル(表I)の中で、M×Pに最も近い補正値を選択し(ステップ1414)、Vppを補正する(ステップ1415)。
例えば、数例示すと表IIに示す通りとなった。
Figure 0006932947
(8.5)実施例3
実施例3は、電子写真方式の画像形成装置においてトレードオフ関係にある下記2種類の濃度ムラに対して本発明を適用した例である。
実施例3で採用した検品推奨メッセージの表示アルゴリズムを図16に、濃度ムラの目立つ確率に応じた現像条件補正アルゴリズムを図17に示す。
(8.5.1)用語の定義
Vpp:現像ACバイアスのピーク値
ムラ1:現像スリーブの振れによって生じる現像周期濃度ムラ
ムラ2:キャリア付着に伴う、ホタルと呼ばれる円形の濃度ムラ
P1:ムラ1が目立つ予想確率
P2:ムラ2が目立つ予想確率
M1:Vppの、プラス側に補正幅が最大になる時の補正量
M2:Vppの、マイナス側に補正幅が最大になる時の補正量
(8.5.2)濃度ムラが目立つ確率の算出方法
実施例2と同じ方法を、ムラ1とムラ2に対して適用した。但し、対象とする2種の濃度ムラに合わせた注目領域のサイズは、それぞれ次の値に設定した。
すなわち、注目領域(正方形)の1辺の長さを、ムラ1に関しては44mmとし、ムラ2に関しては1mmとした。前者は図18(a)に示すように帯状に現れるムラの周期が44mmであることに基づき、後者は図18(b)に示すように円形に現れるムラの直径が1mmであることに基づく。
入力画像データを解析して確率P1及び確率P2を算出する(ステップ1601、1701)
(8.5.3)検品推奨メッセージの表示方法
検品推奨メッセージの表示は、実施例1と同様に実施した。但し、確率P1及び確率P2のうちいずれか一方が0.75以上で検品を推奨するメッセージを表示することとした(図16のステップ1602でYES→ステップ1603、ステップ1602でNO→ステップ1604)。
(8.5.4)現像ACバイアスの補正値決定方法
(条件)
表IIIは、ACバイアスピーク値(Vpp)の補正テーブルを示す。M1=300[V]とし、M2=−300[V]とした。Vppが高いほどムラ1を目立たなくさせ、低いほどムラ2を目立たなくさせ、これら両者がトレードオフの関係にある。そこで、以下の手順(図17のアルゴリズム)のように、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する。
Figure 0006932947
(手順)
ムラ1が目立つ予想確率を実施例1と同じ方法で算出し、P1とした。
ムラ2が目立つ予想確率は、入力画像を分割する際の注目領域のサイズを1辺が1mmの正方形にして、その他は実施例1と同じ方法で算出し、P2とした。
図17に示すフローに従って、Vpp補正量の目標値を決め、同目標値に最も近い補正量になるよう、補正ステップを選択した。
すなわち、図17に示すように入力画像を解析して確率P1及び確率P2を算出し(ステップ1701)、確率P1が0.50未満で(ステップ1702でNO)かつ確率P2が0.50未満であったら補正なしとする(ステップ1703でNO→ステップ1705)。確率P1が0.50未満で(ステップ1702でNO)かつ確率P2が0.50以上であったらVppの補正量の目標値を、M2×P2とする(ステップ1703でYES→ステップ1704)。確率P1が0.50以上で(ステップ1702でYES)かつ確率P2が確率P1以上であったらVppの補正量の目標値を、M2×(P2−P1)とする(ステップ1706でYES→ステップ1707)。確率P1が0.50以上で(ステップ1702でYES)かつ確率P2が確率P1未満で確率P2も0.50以上であったらVppの補正量の目標値を、M1×(P1−P2)とする(ステップ1706でNO→ステップ1708でYES→ステップ1709)。確率P1が0.50以上で(ステップ1702でYES)かつ確率P2が確率P1未満で確率P2が0.50未満であったらVppの補正量の目標値を、M1×P1とする(ステップ1706でNO→ステップ1708でNO→ステップ1710)。
目標値決定後それぞれ、Vppの補正テーブル(表III)の中で、目標値に最も近い補正値を選択し(ステップ1711)、Vppを補正する(ステップ1712)。例えば、数例示すと表IVに示す通りとなった。
以上のように、確率P1及び確率P2の両者が0.50未満の場合は補正なしとするが、0.50以上となるものに関しては補正し、確率P1及び確率P2の両者が0.50以上となる場合は、比較的確率が低いムラも過度に目立たせないように目標値ステップ1706ではM2×(P2−P1)、ステップ1708ではM1×(P1−P2)のように確率の差をとって目標値を設定した。
Figure 0006932947
(8.6)比較例1
以上の実施例に対し、不良画像発生予測システムを搭載しない(不良画像発生予測システムの機能をオフとした)電子写真画像形成装置を比較例1として実施し、以下の比較評価を行った。
(8.6.1)評価1
実施例1〜3と比較例1とで、印刷ジョブに係る画像データの入力から検品作業終了までの所要時間を比較した。
(条件)
検品作業は人が行い、検品推奨メッセージが表示される印刷物を検品した。
共通の画像形成装置の動作条件は以下のとおりである。
線速を100ppm(画像安定化調整にかかる時間を除いた速度)とした。
印刷ジョブの内容は、表Vに記載のとおりである。
Figure 0006932947
(結果)
印刷及び検品に要した時間を図19のグラフに示す。
実施例1〜3では全て、比較例1よりも所要時間が短かった。
実施例1は、実施例2,3よりも検品部数が多くなり、A4サイズのジョブ1では比較例1との差が小さかったが、すべてのジョブにおいて比較例1よりも所要時間を短く抑えられた。
実施例3は、不良画像発生予測システムに要する計算時間が最も長いため、 原稿の種類(ページ数)が多いジョブ3では比較例1との差が小さくなったが、すべてのジョブにおいて比較例1よりも所要時間を短く抑えられた。
原稿サイズが大きいA3であるジョブ2では、比較例1に対して各実施例では所要時間を大幅に低減できた。
(8.7)実施例4
実施例4は、実施例1と同様に、電子写真方式の画像形成装置における現像スリーブの振れによって生じる現像周期濃度ムラに対して、本発明を適用した例である。
本画像形成装置は、画像形成した画像から濃度差を読み取り、濃度ムラを検出及び除外する、濃度ムラ検出システムを備える。
入力画像データに応じて、濃度ムラ検出システムで濃度ムラと判断する濃度差の閾値を設定するアルゴリズムを図20に示す。
(8.7.1)濃度ムラが目立つ予想確率の算出方法
実施例2と同じ方法を適用し、原稿として入力される画像データを注目領域毎に分割解析し、i番目の注目領域の予想確率piを求める(ステップ2001,2002)。
(8.7.2)濃度ムラ判断濃度差閾値決定方法
原稿として入力される画像データ毎に、piが最も大きい注目領域 Iを選択する。
図21に示す濃度ムラの輝度比ΔL/Lと注目領域のパワー積分値Fの相関図から、注目領域Iで、対象とする濃度ムラ(本実施例の場合は現像周期濃度ムラ)が発生した場合に、そのムラを視認できる、最小値のムラの輝度比 RI を算出する。
(8.3)に記載の方法で輝度比RI を濃度差 DI に換算し、DI を濃度ムラ検出システムで濃度ムラと判断する濃度差の閾値とする(ステップ2003)。
なお、最小値に代え平均値、最大値等の他の統計値を適用するようにしてもよい。
(8.8)比較例2
以上の実施例4に対し、不良画像発生予測システムを搭載しない(不良画像発生予測システムの機能をオフとした)電子写真画像形成装置を比較例2として実施し、以下の比較評価を行った。
濃度ムラ検出閾値となる輝度比は0.13で固定である。
(8.8.1)評価2
実施例4と比較例2とで、濃度ムラ検出システムによる自動検品が終了した印刷物と、濃度ムラとして除外された印刷物とを全て目視で観察し、濃度ムラが目立つか評価することで、不良画像の検出精度を評価した。
(条件)
検品作業は濃度ムラ検出システムが行う。
印刷ジョブの内容としては、原稿数5000としてA3サイズに1原稿あたり1部を印刷する内容とした。
ムラが目立つか否かの判断が、濃度ムラ検出システムによる自動検品と、人の目視評価による判断とで異なる場合、当該自動検品は誤判断だったとする。
(手順)
濃度ムラ検出システムによる自動検品で除外された印刷物と合格した印刷物のそれぞれに対し、以下の式で濃度ムラ検出の誤判断率を算出して評価した。
すなわち、自動検品で除外された印刷物の総枚数をA、そのうち目視観察で濃度ムラが目立たないと判断できた枚数をBとして、不合格誤判断率をB/A×100(%)とした。
また、自動検品で合格した印刷物の総枚数をA1、そのうち目視観察で濃度ムラが目立つと判断できた枚数をB1として、合格誤判断率をB1/A1×100(%)とした。
(結果)
評価結果を表VIに示す。
表VIに示すように実施例4では比較例2よりも、不合格誤判断率及び合格誤判断率を低減することができた。
Figure 0006932947
(8.9)印象ランクと値Fの相関テーブル(式)の作成方法につき説明する。
(8.9.1)印象ランクの求め方
下記条件で、斑点状の濃度ムラが発生している画像を印刷して被験者に提示し、被験者に濃度ムラの目立ち易さを「印象ランク」で答えさせる。
(条件)
提示実験環境:ライトブース内
出力機:セイコーエプソン社 PX-H10000
使用コントローラ:Falbard AQUA システム
出力紙:FA Proof coat(画像提示の際は下敷きとしてJペーパーを4枚重ねた上にテスト画像を乗せる)
画像サイズ:300mm×300mm
色:Full color
背景画像種類:自然画像
濃度ムラ形状:円形で、階調分布がガウス分布に従って変化したもの
濃度ムラのサイズは、観察者の約1度視野に収まる範囲にする。
ここでは、図22(a)に示す階調が変化する領域の幅を48.51mm、中心部の幅を14.1mmにしたガウス分布に従う円形ムラを対象とした。
(手順)
図23(a)に提示画像例を示す。図23(a)に示すように提示画像中に円形の濃度ムラ2301があるものを被験者に提示し、被験者に濃度ムラの目立ち易さを「印象ランク」で答えさせた。印象ランクは、(5.4)に記載のものに従った。
(8.9.2)周波数解析
一方、(8.9.1)の濃度ムラについて周波数解析を次のように行った。
濃度ムラの中心部は、図22(b)に示す中心線2201上の明度プロファイルを図22(c)に示すように得て一定以上の明度変化量の範囲とした。
図23(b)に示すようにムラが発生していない入力データ(原稿データ)から、ムラ中心部があった領域2302(14.1mm×14.1mm)を切り取る。
切り取った画像を2次元フーリエ変換して階調分布の空間周波数のパワースペクトル2401を得る。図24(a)は、得られるパワースペクトルの模式図である。
図24(b)に示すように周波数が{(1/14.1)×3}=0.213 から、0.220 までの範囲をΔfとし、Δfの範囲でこのワースペクトル2401を積分した値を、Fとする。
この時、{(1/14.1)×3}という値は、濃度ムラのサイズを基準にしてパワースペクトル2401のDC成分を避けられる範囲を選択したもので、印象ランクとの相関が特に良かった時の値である。
本実施例ではΔfの範囲を設定してパワーを積分した場合を示したが、パワーを積分せず、周波数が{(1/14.1)×3}=0.213のときのパワーを値Fとしても良い。
(8.9.3)濃度ムラの輝度比の求め方
また、(8.9.1)の濃度ムラについて中心と周辺の濃度差を輝度比に換算した値を求めた。その方法としては、一様濃度画像上に濃度ムラが現れた場合の明度プロファイルを計測しておき、図25に示すように濃度ムラの中心部2501の幅を決める。
図25に示すように、濃度ムラと中心を共有する48mm×48mmの正方形2503から、中心部とした正方形2501を除いた領域を周辺部2502とした。
中心部2501と周辺部2502の濃度をそれぞれ測定して差を取り、(8.3)に記載の換算方法に従って輝度比に換算した。
(8.9.4)得られる相関式
以上の(8.9.1)〜(8.9.3)の手順で、実験に用いた提示画像毎に値Fを算出するとともに、被験者から得られた「印象ランク」を用いて図26に示すように相関図を描いた。
この時、ΔL/Lを所定の範囲で区切り、区切ったΔL/L毎に相関図を描いた。
本実施例では、得られた印象ランクと値Fとの相関式R´(F)は、ΔL/Lの範囲毎に以下の3つである。
(i)ΔL/L<0.05の時、(印象ランク)=−0.327ln(F)+7.9253
(ii)0.05≦ΔL/L<0.1の時、(印象ランク)=−0.469ln(F)+10.901
(iii)0.1≦ΔL/L<0.15の時、(印象ランク)=−0.400ln(F)+9.7463
(8.9.5)実施例5
実施例5として、実施例1に(8.9.4)の印象ランクと値Fの相関式R´(F)を適用する方法につき言及する。
実際の濃度ムラのサイズ44mmが、“相関式R´(F)を得るための周波数解析の時に入力画像から切り取った画像(濃度ムラ中心領域)”と同じピクセル数になるように、 実施例1で画像形成装置に入力された画像データを伸縮する。
(8.9.2)の方法で各注目画像の値Fを求めておく。
実施例1において、濃度ムラの輝度比ΔL/Lは0.13でありこの例では、0.1≦ΔL/L<0.15の範囲となるから、相関式R´(F)のうち(iii)の相関式を用いる。図27に示すように(iii)の相関式がグラフ2701で表される。
仮に、濃度ムラの輝度比が ΔL/L<0.05だった場合は(i)の相関式、0.05≦ΔL/L<0.1だった場合は式(ii)を用いる。
印象ランクが1以下であればムラは目立たないため、ムラが目立つ/目立たないの境界に位置する値Fの基準値は、図27から7.3×1021となる。
各注目領域において、7.3×1021≦Fの時に「ムラが目立たない」、F<7.3×1021 時に「ムラが目立つ」と判断する。
その他は、実施例1と同じ方法で実施する。
(8.9.6)実施例6
実施例6として、実施例2に(8.9.4)の印象ランクと値Fの相関式R´(F)を適用する方法につき言及する。
実施例5と同様に、濃度ムラの輝度比ΔL/L=0.13に対応する(iii)の相関式を用いて、X=7.3×1021とする。
その他は、実施例2と同じ方法で実施する。
<B>
〔システム概要〕
不良画像発生予測システムは、画像形成装置により形成する画像の観察距離を取得する観察距離取得手段を備え、当該画像形成装置に同画像の原稿として入力された画像データに対して、前記観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算する。ここで、相関指標は、データテーブル、相関式等の形式は問わない。
画像形成装置は、原稿入力部(画像データの入力部及び紙原稿の読み取り部)と、画像形成部とを有する。画像形成部は、画像データに基づき感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を用紙に転写し、転写されたトナー像を加熱定着することで、用紙上に画像を形成する。
画像形成装置の有するコンピューター又は外部のコンピューターに本システムの機能を実現するためのコンピュータープログラムをインストールして本システムを構成する。なお、本システムの機能を外部のコンピューターに実現する場合は、画像形成装置に原稿として入力される前又は入力中、入力後画像形成前の画像データを対象に解析し、画像形成装置に原稿として入力され、画像形成された際の確率を推算する。
観察距離取得手段としては、上記コンピューターにデータを入力するインターフェースが相当する。ユーザーが印刷した画像データを画像形成装置に入力するとともに、その画像の観察距離を想定し、ユーザーインターフェースを介して本システムのコンピューターに観察距離の値を入力する。また、画像データ及び観察距離の値を含むデータファイルを画像形成装置にインターフェースを介して入力する形態でもよい。
また、濃度ムラ検出システムを構成する濃度ムラ検出器を画像形成装置に付設し、本システムと濃度ムラ検出システムとを連動させる。濃度ムラ検出器は、画像形成装置が形成した画像を読み取る読み取り部を有する。
上記した観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析するにあたっては、
(1)まず、本不良画像発生予測システムは、画像形成装置に原稿として入力された画像データに対して、観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関テーブル(図28)を用いて、想定するサイズの濃度ムラが目立つ確率を推算する。推算過程はさらに後述するが、推算した確率に応じて、(2)〜(4)の何れか1つ以上を実施する。
(2) 本不良画像発生予測システムは、(1)で濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、ユーザーに対し検品を推奨するメッセージを表示する(図29,2901−2904)。
(3) 本不良画像発生予測システムは、(1)で濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、画像形成装置の画像形成部に対し当該濃度ムラを軽減するための画像形成プロセス条件の補正を指令する(図30,3001−3004)。
(4) 本不良画像発生予測システムは、(1)で濃度ムラが目立つ確率が高いと判断した場合に、濃度ムラ検出システムの検出閾値を設定する(図31,3101−3103)。
(5)本不良画像発生予測システムは、(1)における解析を以下のとおりに実行する。
(a)本不良画像発生予測システムは、 濃度ムラのサイズによらず、観察距離に基づき定めた一定のサイズの注目領域にで画像を分割して各注目領域につき階調分布(または明度分布、輝度分布)の空間周波数を解析する。
(ア)本不良画像発生予測システムは、1辺の長さが “2×(観察距離)×tan(1°)” の正方形を注目領域のサイズとする。このとき、正方形の1辺の長さをλとする。
(イ)本不良画像発生予測システムは、画像形成装置に入力される画像データを(ア)の注目領域のサイズに分割してそれぞれを注目領域とし、分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調(または明度、または輝度)分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、低周波数帯でパワーを積分した値PFを求める。
(b)本不良画像発生予測システムにおいては、(ア)に記載のλを基準として、(イ)でパワーを積分するために選択する低周波数帯Δfの長さは、1/λの整数倍で規定される。例えば、A, B, Cをそれぞれ整数として、0以下Δf<A/λ または B/λ≦Δf<C/λ とする。
A,B,Cは、本不良画像発生予測システムを実機搭載する事前に、濃度ムラ目立ち易さの主観評価値と値PFとの相関が最も強くなるような整数を調べておきそれをA,B又はCとする。低周波数帯Δfの長さを、1/λを単位として規定することで、濃度ムラに影響する低周波数帯を適切に採択できる。
(c) 本不良画像発生予測システムは、(イ)で実施する処理は、フーリエ変換は2次元フーリエ変換とし、予測対象の濃度ムラの短手方向と平行な方向の周波数成分に対してパワースペクトルを得て、得られたパワーを上記の低周波数帯Δfで積分して値PFを求める。
(6)この後は、上記<A>に記載の手法と同様である。但し、濃度ムラが目立つか否かの判断に用いる値(注目領域の特徴量)を以下の通りとする。
(d)本不良画像発生予測システムは、上記<A>に記載の値Fの代わりに値PFを用いて、その他は上記<A>に記載の通りに実施する。
即ち下記のようにする。:
(ウ)本不良画像発生予測システムは、前記(a)で抽出した注目領域の値PFが所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての(ウ)の判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する。
(e)他の手法としては、本不良画像発生予測システムは、
(エ)実際に印刷した時に出現が想定される予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wを決めておき、前記(a)で抽出した値PFと幅wの積(PF・w)が所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、
(オ)各注目領域についての(エ)の判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する。
この時、本不良画像発生予測システムは、想定する濃度ムラが円形であれば幅wは直径、楕円形であれば幅wは短径とする。当然ながら、(エ)は、「PFとwの積の逆数、即ち{1/(PF・w)}が所定の基準値より小さければ濃度ムラが目立たないと判断する」ことと実質的に同一であり、そのようにしても良い。
(f)さらに他の手法としては、本不良画像発生予測システムは、
(カ)濃度ムラとして明度が変化する短手方向の全幅をDとし、
(カ)の全幅Dのうち明度又は輝度がピークをとる幅をdとして、
(キ){(d/D)/(PF・w)}が所定の基準値より小さければ、濃度ムラが目立たないと判断し、
(ク)各注目領域についての(キ)の判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する。
(g)本不良画像発生予測システムは、 対象とする濃度ムラの短手方向の幅wが、(ア)記載の注目領域の1辺の長さ、即ち “2×(想定される観察距離)×tan(1°)”より小さい場合は、(e)または(f)の計算を行う際に、wの値を(w/2)に置き換える。
すなわち、本不良画像発生予測システムは、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wが値λ以上のとき、上記(e)のとおり実行し、幅wが値λより小さいとき、幅wの2分の1、すなわちw/2と、値PFとの積が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断して、あとは同様に濃度ムラが目立つ確率を推算する。また、本不良画像発生予測システムは、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wが値λ以上のとき、上記(f)のとおり実行し、幅wが値λより小さいとき、{(d/D)/(PF・(w/2))}が所定の基準値より小さければ、濃度ムラが目立たないと判断して、あとは同様に濃度ムラが目立つ確率を推算する。
(7) (h)安定化調整時に、実際に発生する濃度ムラの濃度差を測定し、その濃度差を明度比ΔL*/L*または輝度比ΔY/Yに換算し、それが所定値以上であれば、画像形成装置本体の作像条件を補正する。
(8) (i)安定化調整時に、実際に発生する濃度ムラの濃度差を測定し、その濃度差を明度比ΔL*/L*または輝度比ΔY/Yに換算し、それが所定値未満であれば、この測定値を基準に、(ウ)(エ)(キ)で行う判断に用いる相関指標を選択する。測定は人手または自動で行って本不良画像発生予測システムに測定値を入力する。
そのために、本不良画像発生予測システムは、相関指標を濃度ムラの明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に対応して複数保持し、入力される明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に基づき、参照する前記相関指標を選択する。
(9) (h)及び(i)で測定する濃度差は、色差ΔE*abまたはΔE00に置き換えても良い。
(10)本不良画像発生予測システムは、各注目領域において、(ウ)(エ)(キ)の判断を行い、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する。
(11)本不良画像発生予測システムは、注目領域の総数をN、濃度ムラが目立つと判断した注目領域の数をnとし、n/Nを、当該画像データに基づき画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率をPとする。
(12−1)他の手法としては、本不良画像発生予測システムは、(ウ)(エ)いずれかの判断で用いる基準値をXとし、
i番目の注目領域の特徴量((ウ)ではPF、(エ)では(PF・w)又は(PF・(w/2)))をxiとして、
X−xi≦0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とする。
X−xi>0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=(X−xi)/X とする。
注目領域の総数をNとして、
全ての注目領域でそれぞれ求めたpiを平均した値(式(1)のP)を、当該画像データに基づき画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率をPとする。
(12−2)他の手法としては、本不良画像発生予測システムは、(キ)の判断で用いる基準値をXとし、
i番目の注目領域の特徴量({(d/D)/(PF・w)}又は{(d/D)/(PF・(w/2))})をxiとして、
X−xi≧0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とする。
X−xi<0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=|X−xi|/Xとする。(※(12−1)に対してPFが逆数のため、不等号が逆になる点に留意)
注目領域の総数をNとして、
全ての注目領域でそれぞれ求めたpiを平均した値(式(1)のP)を、当該画像データに基づき画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率をPとする。
(13)((2)を実施する)
本不良画像発生予測システムは、濃度ムラが目立つ確率Pが所定値以上に高いと判断した場合に、ユーザーに対し検品を推奨するメッセージを表示する。
(14)((3)を実施するシステム)
本不良画像発生予測システムは、濃度ムラが目立つ確率Pが所定値以上に高いと判断した場合に、画像形成装置の画像形成部に対し当該濃度ムラを軽減するための画像形成プロセス条件の補正を指令する。
(15)補正量の決定
本不良画像発生予測システムは、最大補正量をMとした時、プロセス条件の補正量は、設定可能な値の中でM×Pに最も近い値にする。
(16)異種濃度ムラの取り扱い
(j)
本不良画像発生予測システムは、幅wが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、それぞれ(6)〜(12)の計算を行うことで、予測対象の濃度ムラの前記幅wごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する
また、本不良画像発生予測システムは、全幅D及び幅dの少なくともいずれか一つが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、それぞれ(6)〜(12)の計算を行うことで、予測対象の濃度ムラの全幅D及び幅dの組み合わせごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する。
また、本不良画像発生予測システムは、全幅D、幅w及び幅dの少なくともいずれか一つが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、それぞれ(6)〜(12)の計算を行うことで、予測対象の濃度ムラの全幅D、幅w及び幅dの組み合わせごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する。
(17)((4)を実施する)
本不良画像発生予測システムは、(5)〜(12)の計算で、分割された注目領域ごとにパワー積分値PFに対応する濃度ムラの主観評価値を算出し、濃度ムラ検出システムにフィードバックする。
(18) (k) 濃度ムラによって生じる明度コントラストをΔL*/L*(又は、紙面での反射光輝度の輝度比ΔY/Y、又は色差ΔE*ab、又は色差ΔE00でも良い)で表すことにする。
本不良画像発生予測システムは、濃度ムラのΔL*/L*に対応して相関指標を複数保持し、それぞれの相関指標ごとに(5)〜(12)の計算を行い、濃度ムラが目立つ確率が所定値以上になったときに選択していた相関指標のΔL*/L*を濃度ムラ検知システムで濃度ムラと判断する際の閾値とする。
(19) (l) 本不良画像発生予測システムは、予測対象の濃度ムラの短手方向の幅及び長手方向の幅の双方が、値λより小さいとき、<A>に記載の処理を実行する。
この時短手方向の幅及び長手方向の幅は、対象とする濃度ムラが円形であればそれぞれ直径を、楕円形あれば短径及び長径を指す。
(20) (m) 予測対象の濃度ムラの短手方向の幅及び長手方向の幅の双方が、値λより小さいか否かを、手動で判定することとしてもよい。
(21) (n) 予測対象の濃度ムラの短手方向の幅及び長手方向の幅の双方が、値λより小さいか否かを、濃度ムラを自動検出した結果に基づいて自動的に判定することとしてもよい。
(22) (o)予測対象の濃度ムラの形状は、利用者(画像形成装置のユーザーまたはメンテナンス技術者)によって手動で設定することとしてもよい。
(23) (p)予測対象の濃度ムラの形状は、濃度ムラ検出システムによって自動的に検出された形状に設定することとしてもよい。
以上の技術によれば、以下の効果がある。
(7)の技術は、これを加えることによって、明らかに濃度ムラの程度が許容範囲を 超えている場合に、不良画像発生予測システムに要する解析時間を省略することができる。
(5)と(6)の技術によって、濃度ムラのサイズによらず、統一した注目画像領域サイズの画像に対してフーリエ変換をすれば、必要な画像特徴量である値PFが求まる。
一方、<A>の技術で求める値Fは、想定する濃度ムラのサイズに応じて、注目画像領域サイズを変えてフーリエ変換する必要があるため計算処理により長い時間を要する。
従って、(5)と(6)の技術によって計算処理時間を低減することができる。
(19)についての効果は次の通りである。
(1)〜(18)までの本システムは帯状または筋状と呼ばれる形状で現れる濃度ムラに対して特に適した技術である。
これに対し、対象とする濃度ムラの幅が(19)で説明している様に短辺・長辺共に小さい場合は、その形状は帯状または筋状よりも、円形の方が近い形状になりうる。
その様な場合には、円形の濃度ムラの視認性評価値を基準にした視認性予測モデルを考案した<A>の技術の方が、(1)〜(18)までの本システムよりも不良画像予測の精度が高い場合がある。
<A>の技術では入力画像を解析する時の注目領域のサイズを、想定する濃度ムラのサイズによって変える必要があったため、想定する濃度ムラが異なるサイズの複数種類設定される場合は、その種類数の数だけ入力画像を一定区画に区切ってフーリエ変換するという処理を行う必要があった。これに対して(1)〜(18)までの本システムは、注目領域のサイズを統一することで、前記処理を常に1回以下に留めることができる。
想定する濃度ムラの特徴量を、濃度ムラの幅wと、明度変化の明瞭さを表す指標d/Dで表して濃度ムラが目立つ確率を推算するための相関式に導入することで、<A>の技術に劣らない予測精度を実現できた。
〔実施例、比較例〕
〔実施例B〕
(b)で述べた整数A,B,Cを求めるための実験手順をここで説明する。
(概要)被験者に濃度ムラの視認性を評価してもらう実験を行う。
視認性の主観評価値と、用いた画像の原稿画像データ(濃度ムラが入っていない状態の画像)の特徴量との相関を求める。その相関が最も強くなるようにAまたはB及びCを決定し、前述したΔfを決定する。
(詳細条件)
下記条件で、斑点状の濃度ムラが発生している画像を印刷して被験者に提示し、被験者に濃度ムラの目立ち易さを「印象ランク」で答えさせる。
この印象ランクを、濃度ムラの視認性の主観評価値とする。
以下の具体的な数値等は本発明を適用するにあたって適切な条件であることが確認されている具体例である。濃度ムラ視認性の主観評価値と、後述するPFの相関が得られれば、具体的な条件は変更しても良い。
(被験者による観察条件例)
提示実験環境 :ライトブース内観察距離 :850mm
被験者 :視力正常の12名
(被験者に呈示するテスト画像の条件)
自然画像の上に1種類の濃度ムラが発生している画像を呈示する。
出力機 :セイコーエプソン社製 PX-H10000
使用コントローラ :Falbard AQUA
システム出力紙 :FA Proof coat(画像提示の際は下敷きとしてJペーパー4枚重ねた上にテスト画像を乗せる)
画像サイズ :300mm×300mm
色:Full color
背景画像種類 :自然画像
濃度ムラ形状 :18通りの帯状の濃度ムラ(図32〜図34参照)、かつ、全て水平方向の帯ムラ又は筋ムラ。(円形の濃度ムラを加えても良い)
図32は、実験に用いる濃度ムラの明瞭さと幅を表す指標(d/D、w)の説明図である。
一様な濃度画像上に濃度ムラが発生した時(濃度ムラを意図的に発生させた時も同じ)、当該濃度ムラの短手方向の明度分布に対して、明度が変化している全域の幅全幅D, 明度変化のピークをとる幅をdとし、d/Dによって、その濃度ムラのエッジの明瞭さを表す。
また、明度変化量がピークになる時の明度変化量ΔL*を100%とした時に、明度変化量が50%(すなわちΔL*/2)になる位置を、その濃度ムラのエッジとする。濃度ムラのエッジは、濃度ムラ自体を中心とし2本1対になって現れる場合のみ想定し、濃度ムラの短手方向に向かい合うエッジの間隔を、濃度ムラの幅wとする。
(濃度ムラの明度コントラスト測定条件)
L*=50±10の一様濃度画像上において濃度ムラが発生した時に、濃度ムラの短手方向の明度分布を図33のように描き、図33の「ピーク領域」の明度をL*1、図33の「周辺領域」の平均明度をL*2として、濃度ムラの明度差をΔL*/L*=|L*1 − L*2 |/L*2 で表す。
(視認性の主観評価条件)
被験者は始めに、呈示される自然画像の中に発生している濃度ムラを探す。
濃度ムラがどこに発生しているかを正確に認識した上で、その目立ち易さをマグニチュード評価法によって主観評価する。
濃度ムラの目立ち易さをマグニチュード評価法によって求めた主観評価値とは、被験者が濃度ムラを観察して、表VIIに示す基準に従ってランク付けしたものであり、ここでは「印象ランク」と名付ける。
Figure 0006932947
印象ランクは0.1刻みで付けてよいとする。
被験者は、一旦ランク4で評価した後でも、更に強い程度で「気になる」と感じる濃度ムラを観察した場合は、印象ランクを4より大きい値に設定しても良いとする。
(測定された主観評価値に対応するPFの算出方法、およびΔf決定方法)
(1)テスト画像の中で、濃度ムラによって生じる明度変化のエッジ部分を中心として、1辺が2度視野角の格子状に画像を分割する(図35(a))。
(2)実験に用いた各テスト画像について、半数以上の被験者が「特に目立つ」と判断した領域を記録し、(1)で分割した区画のうち「特に目立つ」と判断されたエッジ部分に該当する区画を「注目領域」として選択する(図35(b))。
ここで選択した注目領域に含まれるエッジの数の合計をNとする。(図35(b)の場合はN=9)
この時、水平方向に延びる帯ムラであればエッジ部が上下に2本並んで現れるため、 帯ムラの幅wが狭い場合は、上下に配置される(1)の分割区画が重なる場合がある。(即ち、濃度ムラの幅wが2度視野角よりも小さい場合のこと。)
区画が重なる場合でも、基本的にはエッジを中心として(1)の様に格子状に分割する。
但し、濃度ムラの幅wが2度視野角よりも小さい場合は、濃度変化のピーク部分を中心として分割区画を配置しても良い。
この時、被験者が「特に目立つ」と判断した領域として選択された「注目領域」に含まれるエッジの数の合計Nは、N=(注目領域として選択した区画数)×2 になる。
図36の場合は、選択した注目領域の数は2か所となり、同注目領域に含まれるエッジの数の合計Nは4となる。
(3)濃度ムラが入っていない、原稿画像データにおいて、(2)で選択した注目領域を、(1)で定めた1辺が2度視野角の格子に従ってそれぞれ切り取る(図37)。図37の場合は全部で9カ所を切り取る。
(4) (3)で抽出した各注目画像に対し、フーリエ変換を施し、明度分布の空間周波数のパワースペクトルを得る(図38,3801)。
この時、濃度ムラの短手方向と平行な方向のパワースペクトルのみ抽出しても良く、 その場合は帯状濃度ムラに対する本発明の精度が向上する。
(5) (3)で抽出した各注目画像に対して(4)で得られるパワースペクトルを、それぞれ低周波数帯で積分する(図38,3802)。
積分する周波数帯Δfは、0≦f<A/λ、または B/λ≦f<C/λ (A,B,Cは整数)とする。
この時λは、本実験条件において2度視野角になる長さである。すなわち本実施例では、λ=2×(観察距離)×tan(1°)=2×850×tan(1°)[mm] である。
この時点では、A,B,Cは任意の値に決めておく。
n番目の注目画像に対して前記の積分によって得られる積分値をPFnとする(図38,3802)。
(6)全てのPFnを平均したものを、その画像の画像特徴量PFとする。
(7)実験のテスト画像に用いられた全ての濃度ムラに対して(1)〜(6)の計算を行い、 それぞれPFを得る。
(8)それぞれのテスト画像について得られた「印象ランク」(濃度ムラの視認性の主観評価値)と、N・(d/D)/(PF・w)との関係を相関グラフとしてプロットする(図39)。
(9) (8)で得られる相関グラフ(例えば図39)の相関係数が大きくなるように、(5)の整数A,B,Cを選択する。
図39は、B/λ≦Δf<C/λ の区間を選択し、B=9、C=20 即ち、9/λ≦Δf<20/λ とした場合の例である。
〔実施例B0〕
後続する実施例B1〜B3の共通条件として、下記の相関式を濃度ムラの目立ち易さの予測判定に用いる。
まず、前記の実験Aを実施して、PFを算出するためのΔfを決定し、各画像のPFを算出した。
次に、x= (d/D)/(PF・w) として、実験Aで用いた濃度ムラの程度を、L*=50の一様濃度画像上で濃度ムラの明度コントラストを測定した場合のコントラストΔL*/L*で表し、ΔL*/L*の範囲が「0.07未満である場合」、「0.07以上0.15未満である場合」、「0.15以上である場合」に分けて、それぞれで印象ランクとN・xとの相関式 印象ランク=定数×ln(N・x)+定数 即ち、印象ランク=定数×ln(N・(d/D)/(PF・w))+定数を得た。
ここで、N=1としたもの、即ち、印象ランク=定数×ln(x)+定数を、濃度ムラの目立ち易さの予測判定に用いる式とする。
但し、ΔL*/L*が0.15以上の場合は、予測判定をすることなく画像形成装置本体に何らかのフィードバックを行う。
最終的に本実施例で濃度ムラの目立ち易さの予測判定に用いる式として得られた式は次の通り。
0≦ΔL*/L*<0.07の時、印象ランク = 0.2094ln(x) + 5.3334
0.07≦ΔL*/L*<0.15の時、印象ランク = 0.256ln(x) + 6.3968 である。
印象ランクが1より大きい時、 明度濃度ムラが「目立つ」と判断する。
〔実施例B1〕
実施例B1では、電子写真方式の画像形成装置に本不良画像発生予測システムを搭載し、現像スリーブの振れによって生じるスリーブ周期の濃度ムラを予測対象の濃度ムラとして、本不良画像発生予測システムにより、予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算する。
また、本不良画像発生予測システムにより、濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、ユーザーに対し検品を推奨するメッセージを表示する制御を実行する。検品推奨メッセージの表示制御フローを図40(4001−4009)に示す。
(濃度ムラが目立つ予想確率の算出方法)
(条件)
予測対象の濃度ムラの条件:現像スリーブ周期ムラ
d:1mm
D: 44mm
w: 視角4.2度 (22mmを観察距離300mmで観察した時の視野角)
※wは本実施例では視野角で表す。
観察距離:300mm
λ:2×300×tan(1°) = 10.47304
(手順)
入力画像データを、1辺の長さがλ=10.47mmの正方形に分割する。
次に、分割された画像を注目領域と呼び、注目領域は図41に示すように1px毎にシフトさせる。
次に各注目領域の画像の明度分布に対して、2次元フーリエ変換を行い、現像周期ムラの短手方向と平行な方向について、明度分布の空間周波数のパワースペクトルを得る。得られたパワースペクトルを周波数帯Δf(9/λ≦Δf<20/λ)の範囲で積分したものを、その注目領域のPFとする。
印象ランクが1の時のPFの値をPF(1)とし、実施例B0及び図40(4004,4005)に記載の式に基づいてPF(1)を算出する。
・x=(d/D)/(PF・w) に、予測対象の濃度ムラの特徴量d,D,wと、上記の手順で得られたPFを代入し、図42にも示すように、
(d/D)/(PF(1)・w)<(d/D)/(PF・w)の時に「ムラが目立つ」と、
(d/D)/(PF・w)≦(d/D)/(PF(1)・w)の時に「ムラが目立たない」と判断する。
濃度ムラが目立つと判断する注目領域の数をn、全注目領域の数をNとして、n/Nを、この入力画像を出力した時に濃度ムラが目立つ予想確率Pとする。図40に示すように確率Pが0.50以上で検品を推奨するメッセージを表示させる。
〔実施例B2〕
実施例B2では、電子写真方式の画像形成装置に本不良画像発生予測システムを搭載し、現像スリーブの振れによって生じるスリーブ周期の濃度ムラを予測対象の濃度ムラとして、本不良画像発生予測システムにより、予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算する。
また、本不良画像発生予測システムにより、濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、ユーザーに対し検品を推奨するメッセージを表示する制御を実行する。検品推奨メッセージの表示制御フローを図43(4301−4309)に示す。
また、本不良画像発生予測システムにより、濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、画像形成装置の画像形成部に対し当該濃度ムラを軽減するための画像形成プロセス条件の補正を指令する制御を実行する。濃度ムラの目立つ予想確率に応じた現像条件補正フローを図44(4401−4409)に示す。
(用語の定義)
Vpp:現像ACバイアスのピーク値
P:濃度ムラが目立つ予想確率
M:Vppの最大補正量
(濃度ムラが目立つ予想確率の算出方法)
(条件)
実施例1と同じ
(手順)
パワースペクトルの積分値PFを得るまでの手順は実施例B1と同じ。
パワー積分値PFを求めた後、下記手順でムラが目立つ予想確率を算出する。
まず、i番目の注目領域のパワー積分値PFを用いて求めたxの値をxiとし、予測対象と想定する濃度ムラが印象ランク1に相当する時のxの値をXとする(図45)。
X−xi≧0の時、ムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とする。
X−xi<0の時、ムラが目立つ予想確率piは、pi=|X−xi|/X とする。
入力画像全体に対して、分割した全注目領域の数をNとして、総数Nのpiの平均値(式(1))をムラが目立つ予想確率Pとする。
(現像ACバイアスの補正値決定方法)
(条件)
表VIIIに、ACバイアスピーク値(Vpp)の補正テーブルを示す。
Figure 0006932947
※最大補正量:M=300[V]
(手順)
ムラが目立つ予想確率を前述の方法で算出し、Pとする。
Vppの補正量の目標値を、M×Pとする。
Vppの補正テーブルの中で、M×Pに最も近い補正値を適用する。
表IXに、かかる手順で実施した4例を掲載する。
Figure 0006932947
〔実施例B3〕
実施例B3では、電子写真方式の画像形成装置に本不良画像発生予測システムを搭載し、トレードオフ関係にある下記2種類の濃度ムラを予測対象の濃度ムラとして、本不良画像発生予測システムにより、予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算する。
一つは、現像スリーブの振れによって生じるスリーブ周期の濃度ムラ、他の一つは、キャリア付着に伴う、ホタルと呼ばれる円形の濃度ムラである。
また、本不良画像発生予測システムにより、濃度ムラが目立つ確率が所定値以上に高いと判断した場合に、ユーザーに対し検品を推奨するメッセージを表示する制御を実行する。検品推奨メッセージの表示制御フローを図46(4601−4609)に示す。
また、本不良画像発生予測システムにより、上記2種の幅wが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの幅wごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する制御を実行する。濃度ムラの目立つ予想確率に応じた現像条件補正フローを図47(4701−4720)に示す。
(用語の定義)
Vpp:現像ACバイアスのピーク値
ムラ1:現像スリーブの振れによって生じるスリーブ周期の濃度ムラ
ムラ2:キャリア付着に伴う、ホタルと呼ばれる円形の濃度ムラ
P1:ムラ1が目立つ予想確率
P2:ムラ2が目立つ予想確率
M1:Vppの、プラス側に補正幅が最大になる時の補正量
M2:Vppの、マイナス側に補正幅が最大になる時の補正量
(濃度ムラが目立つ予想確率の算出方法)
実施例B2と同じ方法を、現像スリーブ周期の濃度ムラとホタルに対して適用する。
この時、対象とする2種の濃度ムラの条件は下記の通りである。
(条件)
観察距離:300mm
λ:2×300×tan(1°) = 10.47304
※λ=2×(観察距離)×tan(1°)
予測対象の各濃度ムラに関する条件を表Xに示す。
Figure 0006932947
参考として、現像スリーブ周期ムラが出現した場合の見え方を図48(a)に、ホタルが出現した場合の見え方を図48(b)に示す。ホタルは直径1mmの円形でランダムな場所に現れる。
(現像ACバイアスの補正値決定方法)
(条件)
表XIに、ACバイアスピーク値(Vpp)の補正テーブルを示す。
Figure 0006932947
※プラス側補正幅最大時補正量:M1=300 [V]、マイナス側補正幅最大時補正量:M2=−300 [V]
(手順)
ムラ1が目立つ予想確率を実施例B1と同じ方法で算出し、P1とする。
ムラ2が目立つ予想確率は、入力画像を分割する際の注目領域のサイズを1辺が1mmの正方形にして、その他は実施例B1と同じ方法で算出し、P2とする。
図47に示すフローに従って、Vpp補正量の目標値を決め、同目標値に最も近い補正量になるよう、表XIの補正テーブルから補正ステップを選択する。
表XIIに、かかる手順で実施した5例を掲載する。
Figure 0006932947
〔比較例B1〕
比較例B1として、本不良画像発生予測システムを搭載しない電子写真画像形成装置に関する実施例を開示する。
(評価1)
実施例B1〜B3と比較例B1とで、ジョブデータ入力から検品作業終了までの所要時間を比較する。
(条件)
検品作業は人が行う。
(同画像形成装置の動作条件)
線速:100ppm(画像安定化調整にかかる時間を除いた速度)
印刷ジョブ内容を表XIIIに示す。
Figure 0006932947
(結果)
印刷及び検品に要した合計所要時間を図49に示す。
実施例B1〜B3は全て、比較例B1よりも所要時間が短かった。
実施例B1は、実施例B2,B3よりも検品部数が多くなり、A4サイズのジョブ1では比較例B1との差が小さかったが、比較例B1よりも所要時間を短く抑えられた。
実施例B3は、本不良画像発生予測システムに要する計算時間が最も長いため、原稿の種類が多いジョブ3では比較例B3との差が小さくなったが、比較例よりも所要時間を短く抑えられた。
原稿サイズが大きいA3であるジョブ2では、比較例B1に対して各実施例B1〜B3では所要時間を大幅に低減できた。
<A>のシステムに比べて補正精度がやや向上し、入力画像データの解析時間が効率化されたことにより、実施例B2,B3の検品所要時間が全体的にやや短縮された。
〔実施例B4〕
実施例B4では、電子写真方式の画像形成装置に本不良画像発生予測システムを搭載し、現像スリーブの振れによって生じるスリーブ周期の濃度ムラを予測対象の濃度ムラとして、本不良画像発生予測システムにより、予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算する。
また、本不良画像発生予測システムは、相関指標を濃度ムラの明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率に対応して複数保持し、その各々の相関指標を参照して入力画像データに基づき画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、当該確率が所定値以上となったときに参照していた明度比ΔL*/L*又はこれを換算した比率を、画像形成装置が形成した画像を対象に濃度ムラを検出する濃度ムラ検出システムに対し、濃度ムラ(ヤレ:不良画像)と判断する検出閾値として出力する。濃度ムラ検出システムで濃度ムラ(ヤレ:不良画像)と判断する濃度差の閾値を設定するフローを図50(5001−5011)に示す。
(濃度ムラが目立つ予想確率の算出方法)
予測対象の濃度ムラの条件を表XIVに示す。
Figure 0006932947
実施例B2と同じ方法を適用し、入力画像毎に濃度ムラが目立つ予想確率Pを算出する。但しこの時用いる相関式は下記の3つとし、下記全ての相関式を使った場合のPをそれぞれ算出する。
相関式(i) 印象ランク = 0.2262ln(x) + 5.6498 (0≦ΔL*/L*<0.10 の時の相関を表す)
相関式(ii) 印象ランク = 0.2419ln(x) + 6.1986 (0.10≦ΔL*/L*<0.14 の時の相関を表す)
相関式(ii) 印象ランク = 0.2164ln(x) + 5.9743 (0.14≦ΔL*/L*<0.18 の時の相関を表す)
(濃度ムラ判断濃度差閾値決定方法)
相関式(i)、(ii)、(iii)で求めた、濃度ムラが目立つ予想確率をそれぞれP1,P2,P3とする。
図50のフローに従って、濃度ムラ(ヤレ:不良画像)と判断する濃度コントラストの閾値を決める。
〔比較例B2〕
比較例B2として、本不良画像発生予測システムを搭載しない電子写真画像形成装置に関する実施例を開示する。但し、比較例B2は、濃度ムラ検出システムを備える。
濃度ムラ(ヤレ:不良画像)と判断する検出閾値となる明度コントラストΔL*/L*を0.14とする。
(評価2)
実施例B4と比較例B2で、濃度ムラ検出システムによる自動検品が終了した出力物と、濃度ムラ検出システムにより濃度ムラ(ヤレ:不良画像)として除外された出力物を全て目視で観察し、濃度ムラが目立つか評価することで、実施例B4と比較例B2の濃度ムラ検出システムによる濃度ムラ(ヤレ:不良画像)の検出精度を評価した。
(条件)
検品作業は濃度ムラ検出システムが行う。
印刷ジョブ内容を表XVに示す。
Figure 0006932947
ムラが目立つか否かの判断が、濃度ムラ検出システムによる自動判断と、人の目視評価による判断とで異なる場合、濃度ムラ検出システムによる検出結果は誤判断だったとする。
(手順)
濃度ムラ検出システムによる自動検品で除外された出力物と合格した出力物それぞれに対し、表XVIに示す式で濃度ムラ検出の誤判断率を算出、評価する。
Figure 0006932947
結果は表XVIIに示すとおりとなり、実施例B4では比較例B2よりも誤判断率を低減できた。
Figure 0006932947
101 円形の階調分布
102 帯状のムラ
301 ディスプレイ
302 原画像
304 輝度ムラ
501 均一グレー画像

Claims (26)

  1. 画像形成装置により形成する画像の観察距離を取得する観察距離取得手段を備え、当該画像形成装置に同画像の原稿として入力された画像データに対して、前記観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする不良画像発生予測システム。
  2. 前記注目領域を、前記観察距離の2倍にtan(1°)を乗じた値λを1辺とする正方形とすることを特徴とする請求項1に記載の不良画像発生予測システム。
  3. 前記画像データの分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、所定の低周波数帯Δfでパワーを積分した値PFを求めることを特徴とする請求項2に記載の不良画像発生予測システム。
  4. 前記低周波数帯Δfの長さが、1/λの整数倍で規定されたことを特徴とする請求項3に記載の不良画像発生予測システム。
  5. 前記フーリエ変換を2次元フーリエ変換とし、予測対象の濃度ムラの短手方向と平行な方向の周波数成分に対してパワースペクトルを得て、得られたパワーを前記低周波数帯Δfで積分して前記値PFを求めることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の不良画像発生予測システム。
  6. 前記注目領域の前記値PFをその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記載の不良画像発生予測システム。
  7. 予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wと、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記載の不良画像発生予測システム。
  8. 予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wが前記値λ以上のとき、前記幅wと、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、
    前記幅wが前記値λより小さいとき、前記幅wの2分の1、すなわちw/2と、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項3、請求項4又は請求項5に記載の不良画像発生予測システム。
  9. 前記基準値をXとし、
    i番目の注目領域の前記特徴量をxiとして、
    X−xi≦0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とし、
    X−xi>0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=(X−xi)/X
    とし、
    注目領域の総数をNとして、
    総数Nのpiの平均値を、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率とすることを特徴とする請求項6から8のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測システム。
  10. 前記幅wが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの前記幅wごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の不良画像発生予測システム。
  11. 予測対象の濃度ムラの短手方向の幅及び長手方向の幅の双方が、前記値λより小さいとき、
    画像形成装置に原稿として入力された画像データに対して、当該画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じて画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において前記サイズの濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項2に記載の不良画像発生予測システム。
  12. 前記画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じた画像の階調分布の空間周波数を解析するにあたり、
    (1)前記濃度ムラを、前記濃度ムラの1周期分の直径を持つ2次元のガウシアン分布に従う円形の階調分布に置き換え、
    (2)(1)のガウシアン分布を描いた画像データをフーリエ変換し、前記円形の階調分布の空間周波数のパワースペクトルを求め、
    (3)(2)のパワースペクトルのうち、DC成分を除きつつ、パワーがピークから所定値までの範囲にある周波数帯又はピークの周波数を抽出し、
    (4)前記画像データを、(1)のガウシアン分布が収まるサイズに分割して注目領域とし、分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、(3)で抽出した周波数帯でパワーを積分した値F又は(3)で抽出した周波数のときのパワーの値Fを求めることを特徴とする請求項11に記載の不良画像発生予測システム。
  13. (5)(4)の注目領域の値Fが所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、
    (6)各注目領域についての(5)の判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算することを特徴とする請求項12に記載の不良画像発生予測システム。
  14. 画像形成装置により形成する画像の観察距離を取得する観察距離取得手段と、
    当該画像形成装置に同画像の原稿として入力された画像データに対して、前記観察距離に基づき定めたサイズの注目領域に分割した画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において予測対象の濃度ムラが目立つ確率を推算する機能とをコンピューターに実現させるための不良画像発生予測プログラム。
  15. 前記注目領域を、前記観察距離の2倍にtan(1°)を乗じた値λを1辺とする正方形とすることを特徴とする請求項14に記載の不良画像発生予測プログラム。
  16. 前記画像データの分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、所定の低周波数帯Δfでパワーを積分した値PFを求める機能をコンピューターに実現させるための請求項15に記載の不良画像発生予測プログラム。
  17. 前記低周波数帯Δfの長さが、1/λの整数倍で規定されたことを特徴とする請求項16に記載の不良画像発生予測プログラム。
  18. 前記フーリエ変換を2次元フーリエ変換とし、予測対象の濃度ムラの短手方向と平行な方向の周波数成分に対してパワースペクトルを得て、得られたパワーを前記低周波数帯Δfで積分して前記値PFを求める機能をコンピューターに実現させるための請求項16又は請求項17に記載の不良画像発生予測プログラム。
  19. 前記注目領域の前記値PFをその注目領域の特徴量として当該特徴量が所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項16、請求項17又は請求項18に記載の不良画像発生予測プログラム。
  20. 予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wと、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項16、請求項17又は請求項18に記載の不良画像発生予測プログラム。
  21. 予測対象の濃度ムラの短手方向の幅wが前記値λ以上のとき、前記幅wと、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算し、
    前記幅wが前記値λより小さいとき、前記幅wの2分の1、すなわちw/2と、前記値PFとの積をその注目領域の特徴量として当該特徴量が、所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、各注目領域についての当該判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項16、請求項17又は請求項18に記載の不良画像発生予測プログラム。
  22. 前記基準値をXとし、
    i番目の注目領域の前記特徴量をxiとして、
    X−xi≦0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=0 とし、
    X−xi>0の時、対象とするムラが目立つ予想確率piは、pi=(X−xi)/X
    とし、
    注目領域の総数をNとして、
    総数Nのpiの平均値を、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率とする機能をコンピューターに実現させるための請求項19から21のうちいずれか一つに記載の不良画像発生予測プログラム。
  23. 前記幅wが異なる複数の濃度ムラを予測対象として、予測対象の濃度ムラの前記幅wごとに濃度ムラが目立つ確率を推算し、濃度ムラの目立つ確率が高い濃度ムラを優先して画像形成プロセス条件の補正を指令する機能をコンピューターに実現させるための請求項20又は請求項21に記載の不良画像発生予測プログラム。
  24. 予測対象の濃度ムラの短手方向の幅及び長手方向の幅の双方が、前記値λより小さいとき、
    画像形成装置に原稿として入力された画像データに対して、当該画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じて画像の階調分布の空間周波数を解析し、解析結果と濃度ムラ評価値の相関指標を参照して、当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において前記サイズの濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項15に記載の不良画像発生予測プログラム。
  25. 前記画像形成装置における固有の濃度ムラのサイズに応じた画像の階調分布の空間周波数を解析するにあたり、
    (1)前記濃度ムラを、前記濃度ムラの1周期分の直径を持つ2次元のガウシアン分布に従う円形の階調分布に置き換え、
    (2)(1)のガウシアン分布を描いた画像データをフーリエ変換し、前記円形の階調分布の空間周波数のパワースペクトルを求め、
    (3)(2)のパワースペクトルのうち、DC成分を除きつつ、パワーがピークから所定値までの範囲にある周波数帯又はピークの周波数を抽出し、
    (4)前記画像データを、(1)のガウシアン分布が収まるサイズに分割して注目領域とし、分割した全ての注目領域それぞれに対して、フーリエ変換により階調分布の空間周波数のパワースペクトルを算出し、(3)で抽出した周波数帯でパワーを積分した値F又は(3)で抽出した周波数のときのパワーの値Fを求める機能をコンピューターに実現させるための請求項24に記載の不良画像発生予測プログラム。
  26. (5)(4)の注目領域の値Fが所定の基準値より大きければ、濃度ムラが目立たないと判断し、
    (6)各注目領域についての(5)の判断を統合して当該画像データに基づき前記画像形成装置が形成する画像において濃度ムラが目立つ確率を推算する機能をコンピューターに実現させるための請求項25に記載の不良画像発生予測プログラム。
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