JP2016019244A - 画像処理装置、画像処理方法ならびにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真装置の画質問題の解決をサポートする画像診断システムでは、ユーザから指摘を受けた際、ユーザの指摘に基づいて問題の解析を行う。しかし、ユーザが気づきにくい画質問題が起こっている場合には解析の対象とならないため、中々検出することができない。【解決手段】ユーザ指摘の画質問題について画像診断を行う際に、ユーザが気づきにくい他の画質問題についても選択的に解析し、問題無いかどうかをチェックする。【選択図】図6
Description
本発明は、例えばユーザから画質の不具合を指摘された際にプリンタに異常があるか否かを判定する画像処理装置及び画像処理方法ならびにプログラムに関するものである。
近年電子写真装置の性能向上に伴い印刷機と同等の画質を実現した機械(プリンタなどの画像処理装置)が登場している。印刷機と同様に運用するためには高画質の維持が必須だが、長時間にわたりストレスのかかる使い方をするとプリンタが劣化し、本来出力されるべき画像と異なる画像が出力される画質問題が発生する可能性がある。画質問題に対応するために、従来のサービスマンによる対応に加えて、近年ではプリンタで画像を出力してその画像データをスキャンして取得し、画像データの特徴量を算出して、画質問題の発生原因である故障箇所を診断する。これによりユーザへの対応を容易にする画像診断技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、ユーザからの指摘を受けてサービスマンが画質問題に対応した際に、この対応の結果、ユーザの望まない画質が出力されて再度サービスマンが呼ばれるという状況も、デバイスのダウンタイムを長引かせる要因となる。そこで特許文献2では、原因の解析を行った結果、考え得る複数の対応方法を全て表示して、ユーザに選択させる方法も提案されている。
しかしながら、先行技術はいずれも、ユーザから指摘を受けた顕著な画質問題に対応する方法である。画質問題の中には、むら、すじ、色味、汚れ、レジずれなど複数の問題があるが、ユーザの画質に対する感度やユーザが出力している画像によっては画質問題が起こっていても気づかない場合がある(以後、これを潜在的な画質問題と呼ぶ)。例えば、むらなどは全面に一様の濃さの色がある画像を出力して初めて気づくものである。むらを抱えたままのデバイスでは階調補正処理が適切に行えないため、潜在的な画質問題であるむらが、他の顕著な画質問題を引き起こす要因となってしまう。そのため、ユーザ指摘を受けづらい潜在的な画質問題についても把握して適宜修正する事が必要である。一方で、画像診断が実行される度に全ての画質問題を解析することは、多くの画像診断用チャートや解析時間を必要としたり、解析結果が膨大となったりしてしまう。
本発明は上記従来例に鑑みて成されたもので、ユーザ指摘を受けづらい潜在的な画質問題の発生を予想することが可能な画像処理装置及び方法とプログラムを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
画像を形成する画像形成手段を有する画像処理装置であって、
ユーザの選択に基づいて前記画像形成手段により形成された画像の画像不良を解析する第1の解析処理を決定する第1の決定手段と、複数種類ある画像不良それぞれに対して生じやすさの程度を示す評価項目の指標値を格納したデータベースと、前記データベースの情報に基づいて前記画像形成手段により形成された画像の画像不良を解析する第2の解析処理を決定する第2の決定手段と、前記第1および第2の決定手段で決定した解析処理に対応し、前記画像形成手段により形成されるチャートを出力する出力手段と、前記出力手段で出力したチャートを用いて前記第1および第2の決定手段で決定した解析処理を実行する解析処理手段と、を有することを特徴とする。
ユーザの選択に基づいて前記画像形成手段により形成された画像の画像不良を解析する第1の解析処理を決定する第1の決定手段と、複数種類ある画像不良それぞれに対して生じやすさの程度を示す評価項目の指標値を格納したデータベースと、前記データベースの情報に基づいて前記画像形成手段により形成された画像の画像不良を解析する第2の解析処理を決定する第2の決定手段と、前記第1および第2の決定手段で決定した解析処理に対応し、前記画像形成手段により形成されるチャートを出力する出力手段と、前記出力手段で出力したチャートを用いて前記第1および第2の決定手段で決定した解析処理を実行する解析処理手段と、を有することを特徴とする。
本発明により、ユーザ指摘を受けづらい潜在的な画質問題の発生を予知することが可能となる。さらに、潜在的な画質問題が原因で他の画質問題が起こるという弊害を予防することが可能となる。予知のために必要となる解析を選択的に行うことで、出力するチャートの数や解析処理にかかる時間の増大を抑制することが可能となる。
(実施形態1)
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。本実施例では、画像診断の実行時に、ユーザが指摘した画質問題に加えて、ユーザが指摘した画質問題のためのチャートと同じチャートで解析可能な他の解析処理も選択的に実行する。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。本実施例では、画像診断の実行時に、ユーザが指摘した画質問題に加えて、ユーザが指摘した画質問題のためのチャートと同じチャートで解析可能な他の解析処理も選択的に実行する。
<画像処理装置のシステム構成>
本発明を実施するためのシステム構成について、図1を用いて説明する。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(以下、それぞれC、M、Y、K)の各トナーを用いるMFP(多機能周辺装置)101はネットワーク123を介して他のネットワーク対応機器と接続されている。またPC124はネットワーク123を介してMFP101と接続されている。PC124内のプリンタドライバ125はMFP101へ印刷データを送信する。
本発明を実施するためのシステム構成について、図1を用いて説明する。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(以下、それぞれC、M、Y、K)の各トナーを用いるMFP(多機能周辺装置)101はネットワーク123を介して他のネットワーク対応機器と接続されている。またPC124はネットワーク123を介してMFP101と接続されている。PC124内のプリンタドライバ125はMFP101へ印刷データを送信する。
MFP101について詳細に説明する。ネットワークI/F(Interface)122は印刷データ等の受信を行う。コントローラ102はCPU103やレンダラ112、画像処理部114で構成される。CPU103のインタプリタ104は受信した印刷データのPDL(Page Description Language)部分を解釈し、中間言語データ105を生成する。そしてCMS106ではソースプロファイル107及びデスティネーションプロファイル108を用いて色変換を行い、中間言語データ(CMS後)111を生成する。ここでCMSとはColor Management Systemの略であり、後述するプロファイルの情報を用いて色変換を行う。また、ソースプロファイル107はRGBやCMYK等のデバイスに依存する色空間をCIE(国際照明委員会)が定めたL*a*b*(以下、Lab)やXYZ等のデバイス非依存の色空間に変換するためのプロファイルである。XYZはLabと同様にデバイス非依存の色空間であり、3種類の刺激値で色を表現する。また、デスティネーションプロファイル108はデバイス非依存色空間を出力デバイスであるプリンタ115に依存したCMYK色空間に変換するためのプロファイルである。
一方、CMS109ではデバイスリンクプロファイル110を用いて色変換を行い、中間言語データ(CMS後)111を生成する。ここでデバイスリンクプロファイル110はRGBやCMYK等のデバイス依存色空間をデバイス(プリンタ115)に依存したCMYK色空間に直接変換するためのプロファイルである。どちらのCMSが選ばれるかはプリンタドライバ125における設定に依存する。プロファイル(107、108及び110)の種類によってCMS(106及び109)を分けて説明したが、1つのCMSで複数種類のプロファイルを扱ってもよい。また、プロファイルの種類は前記で挙げた例に限らず、プリンタ115のデバイス依存CMYK色空間を用いるのであればどのような種類のプロファイルでもよい。
レンダラ112は生成した中間言語データ(CMS後)111からラスター画像113を生成する。画像処理部114はラスター画像113やスキャナ119で読み込んだ画像に対して画像処理を行う。画像処理部114について詳細は後述する。コントローラ102と接続されたプリンタ115はC、M、Y、K等の有色トナーを用いて紙上に出力データを形成するプリンタである。プリンタ115はCPU127によって制御され、紙の給紙を行う給紙部116と出力データを形成した紙を排紙する排紙部117を持つ。
表示装置118はユーザへの指示やMFP101の状態を表示するUI(ユーザーインターフェース)である。コピー、送信処理等の他、後述する画像診断処理で用いる。スキャナ119はオートドキュメントフィーダー(ADF)を含むスキャナである。スキャナ119は原稿画像を図示しない光源で照射し、原稿反射像をレンズでCCD(Charge Coupled Device)センサ等の固体撮像素子上に結像する。そして、固体撮像素子からラスター状の画像読み取り信号を画像データとして得る。入力装置120はユーザからの入力を受け付けるためのインタフェースである。一部の入力装置はタッチパネルとなっているため、表示装置118と一体化している。記憶装置121はコントローラ102で処理されたデータやコントローラ102が受け取ったデータ等を保存する。画質問題が発生した時に画質問題が発生した実画からわかる情報が入力装置120から入力されると、画像診断部126は入力された情報に基づいてチャートや解析処理を決定し、画像診断処理を行う。処理の詳細については後述する。
<画像処理手順>
次に画像処理部114の流れについて図2を用いて説明する。図2はラスター画像113やスキャナ119で読み込んだ画像に対して行う画像処理の流れを示している。ただしRGB画像202、共通RGB画像204、CMYK画像210、CMYK画像(2値)213、文字判定データ206は、その前のステップから後のステップに受け渡されるデータである。図2の処理の流れは画像処理部114内にある不図示のASIC(Application Specific Integrated Circuit)が実行することにより実現される。ステップS201にて、受け取った画像データがスキャナ119で読み込んだスキャンデータかプリンタドライバ125から送られたラスター画像113かを判別する。スキャンデータではない場合は、受信した画像データはレンダラ112によってビットマップ展開されたラスター画像113である。そのため、受信した画像データを、CMSによってプリンタデバイスに依存するCMYKに変換されたCMYK画像210として以降の処理を行うべく、ステップS211に分岐する。スキャンデータの場合は受信した画像データはRGB画像202であるため、ステップS203にて色変換処理を行い、共通RGB画像204を生成する。ここで共通RGB画像204とはデバイスに依存しないRGB色空間で定義されており、演算によってLab等のデバイス非依存色空間に変換することが可能である。一方、RGB画像データ202を対象としてステップS205にて文字判定処理を行い、文字判定データ206を生成する。ここでは画像のエッジ等を検出して文字判定データ206を生成する。文字判定データ206は、文字領域とそれ以外の領域とを区別した情報であり、たとえば文字領域とそうでない領域それぞれの識別情報で構成されたビットマップなどである。次にステップS207にて共通RGB画像204に対して文字判定データ206を用いてフィルタ処理を行う。ここでは文字判定データ206を用いて文字部とそれ以外で異なるフィルタ処理を行う。そしてステップS208にて下地飛ばし処理を行い、地色成分を除去する。次にステップS209にて色変換処理を行い、CMYK画像210を生成する。そしてステップS211にて1D-LUTを用いてC、M、Y、Kの各単色の階調特性を補正する。1D-LUT とはC、M、Y、Kのそれぞれの色を補正する1次元のLUT(Look Up Table)のことである。最後にステップS212にて画像処理部114はスクリーン処理や誤差拡散処理のような画像形成処理を行ってCMYK画像(2値)213を作成する。作成されたCMYK画像(2値)213がプリンタ115に供給されて媒体上に画像が形成される。
次に画像処理部114の流れについて図2を用いて説明する。図2はラスター画像113やスキャナ119で読み込んだ画像に対して行う画像処理の流れを示している。ただしRGB画像202、共通RGB画像204、CMYK画像210、CMYK画像(2値)213、文字判定データ206は、その前のステップから後のステップに受け渡されるデータである。図2の処理の流れは画像処理部114内にある不図示のASIC(Application Specific Integrated Circuit)が実行することにより実現される。ステップS201にて、受け取った画像データがスキャナ119で読み込んだスキャンデータかプリンタドライバ125から送られたラスター画像113かを判別する。スキャンデータではない場合は、受信した画像データはレンダラ112によってビットマップ展開されたラスター画像113である。そのため、受信した画像データを、CMSによってプリンタデバイスに依存するCMYKに変換されたCMYK画像210として以降の処理を行うべく、ステップS211に分岐する。スキャンデータの場合は受信した画像データはRGB画像202であるため、ステップS203にて色変換処理を行い、共通RGB画像204を生成する。ここで共通RGB画像204とはデバイスに依存しないRGB色空間で定義されており、演算によってLab等のデバイス非依存色空間に変換することが可能である。一方、RGB画像データ202を対象としてステップS205にて文字判定処理を行い、文字判定データ206を生成する。ここでは画像のエッジ等を検出して文字判定データ206を生成する。文字判定データ206は、文字領域とそれ以外の領域とを区別した情報であり、たとえば文字領域とそうでない領域それぞれの識別情報で構成されたビットマップなどである。次にステップS207にて共通RGB画像204に対して文字判定データ206を用いてフィルタ処理を行う。ここでは文字判定データ206を用いて文字部とそれ以外で異なるフィルタ処理を行う。そしてステップS208にて下地飛ばし処理を行い、地色成分を除去する。次にステップS209にて色変換処理を行い、CMYK画像210を生成する。そしてステップS211にて1D-LUTを用いてC、M、Y、Kの各単色の階調特性を補正する。1D-LUT とはC、M、Y、Kのそれぞれの色を補正する1次元のLUT(Look Up Table)のことである。最後にステップS212にて画像処理部114はスクリーン処理や誤差拡散処理のような画像形成処理を行ってCMYK画像(2値)213を作成する。作成されたCMYK画像(2値)213がプリンタ115に供給されて媒体上に画像が形成される。
<画質問題の例>
ここで、画質問題の種類について具体例を用いて説明する。画質問題とは画像不良のことであり、図3にMFP101で発生するものの具体例を示す。画像301は、出力画像に汚れ302が付着する汚れ問題が生じた画像の例である。画像303は画像の縦方向または横方向にスジ304が入るスジ問題が生じた画像の例である。画像305は色がないはずの領域にも色が載るかぶり問題が生じた画像の例である。画像306はC、M、Y、Kのレジがずれるレジずれ問題が生じた画像の例である。画像307は色が薄くなったり濃くなったりして色味が狙いとずれる色味問題が生じた画像の例である。画像308は主走査(または副走査)方向にムラが発生する主走査(副走査)ムラ問題が生じた画像の例である。画像309は薄い領域310(または濃い領域311)が一定間隔でくり返す周期ムラ問題が生じた画像の例である。以上は代表的な画質問題の一例だが、この他にも、MFP101内部の様々な要因によってユーザが不快と感じる画質問題が発生する。
ここで、画質問題の種類について具体例を用いて説明する。画質問題とは画像不良のことであり、図3にMFP101で発生するものの具体例を示す。画像301は、出力画像に汚れ302が付着する汚れ問題が生じた画像の例である。画像303は画像の縦方向または横方向にスジ304が入るスジ問題が生じた画像の例である。画像305は色がないはずの領域にも色が載るかぶり問題が生じた画像の例である。画像306はC、M、Y、Kのレジがずれるレジずれ問題が生じた画像の例である。画像307は色が薄くなったり濃くなったりして色味が狙いとずれる色味問題が生じた画像の例である。画像308は主走査(または副走査)方向にムラが発生する主走査(副走査)ムラ問題が生じた画像の例である。画像309は薄い領域310(または濃い領域311)が一定間隔でくり返す周期ムラ問題が生じた画像の例である。以上は代表的な画質問題の一例だが、この他にも、MFP101内部の様々な要因によってユーザが不快と感じる画質問題が発生する。
ここで、本実施形態で着目する画質問題の顕在化しやすさについて説明する。画像301,303,305に示されているように、汚れ問題やスジ問題、かぶり問題などは、実際には描画されるはずの無いものが原稿に描画されてしまう現象である。そのため、ユーザの目に捉えられやすく、顕在化しやすい画質問題といえる。一方で、画像306,307に示されているように、レジずれ問題や色味問題は画質に影響は及ぼすものの、その変化が微小であったり、問題であるとする判断基準がユーザにとって明確でなかったりする現象である。そのため、ユーザの画質に対する感度によっては気づかれずにやり過ごされてしまう画質問題といえる。画像308、309に示した主走査ムラ問題や周期ムラ問題は、前述したように一定の面積に一様に色を載せなければ気付きにくい問題である。そのため、文字中心の画像や、写真の様な複雑な色味の画像では捉えづらく、ユーザによってはさらに気づかれにくい画質問題といえる。なお以下の説明では、画像301~309で表される問題について、その参照番号を付す場合がある。
これらの画質問題301から309を解析するためのチャートは、画質問題毎に異なるチャートを用意するのではなく、出来るだけ共通のチャートで複数の画質問題が解析出来るように共通化することが重要である。チャートを共通化しない場合には、画像診断の度に多くの紙やトナーが必要となる上に、チャートを出力する時間や、出力したチャートをスキャンする時間も枚数に比例して増えてしまうことになる。本実施例では、共通のチャートで複数の画質問題を解析出来る点を活かして、ユーザが指摘した画質問題を解析する際に、同じチャートで解析できる他の画質問題も同時に解析することを特徴とする。
具体的な、解析のためのチャートと解析手法を以下で説明する。図4に示した中間調チャート401は、ゴミ問題301、スジ問題303、周期ムラ問題309の解析に有用なチャートで、全面一様な色で塗りつぶされた中間調チャートの一例である。MFP101は不図示の感光体ドラムと現像器を有しており、感光体ドラム上へ付着させたトナーを紙へ転写、定着することで出力物を生成している。この感光体ドラムをC、M、Y、Kなど色剤の色ごとに持っている構成のMFP101と、1つの感光体ドラムで全色に対応する構成のMFP101がある。前者の場合には、特定の色のみで画質問題が発生する事もあるため、中間調チャート401は色剤の色ごとに必要となる。また、中間調チャート401の濃度はこの限りではなく、画質問題を検出しやすい濃度域に合わせたものとする。画質問題によっては、複数の濃度で作成した中間調チャート401が必要となることもある。中間調チャート401の解析では、全面一様な画像中に周囲と特徴量の異なる箇所があるかどうかの判定が必要となる。例えば、着目領域とその周辺領域との信号値の差を用いて解析したり、周波数解析によって直流成分や、濃度に応じたドットの分布に対応した周波数以外の成分が検出されるかどうかを解析したりする方法が考えられる。
細線チャート402は、前述したレジずれ問題306の解析に有用な、細線を描画した細線チャートの一例である。細線チャート402の細線は、レジずれを検出するために2色以上で描画されるべきであるが、細線の太さや配置、重ねる色の組合せなどはレジずれを検出できるものであればよく、細線チャート402はこの限りではない。細線チャート402の解析では例えば、解析したい細線付近の領域の色値から、色づき度合いによってレジずれを判定する方法が考えられる。
色パッチチャート403は、かぶり問題305、色問題307、主走査ムラ問題308の解析に有用な色パッチチャートの一例である。パッチ404は単色のパッチや混色のパッチを必要に応じて並べたものである。縦方向や横方向の色の一様性を解析したい場合には、同じ色のパッチ404を縦または横方向に並べる必要がある。色パッチチャート403の解析ではまず、各パッチ404のデータを取得する。通常、パッチ404内の小領域の画素値を平均化してパッチの値とする。抽出した各パッチの値を用いて、それを基準値と比較したり、規格値の範囲内であるかどうかを判定したりすることが考えられる。色パッチチャート403の画像内に複数の同じ色のパッチ404を配置している場合には、それらのパッチ404同士を比較して面内の一様性を解析したりする方法も考えられる。以上はあくまで解析方法の一例であり、診断したい画質問題を適切に解析出来る方法であればよい。
このようなチャート画像データ401,402,403は、それぞれのチャートで解析できる画質問題と関連付けて格納されている。格納するチャート画像データ401,402,403は予め作成されたものでよい。画質問題には例えば図3に示したように識別子を付与しておくことで、画質問題を特定できる。具体的には、たとえば中間調チャート401は、ごみ問題301、スジ問題303、周期ムラ問題309と関連付けて保存される。細線チャート402は、レジずれ問題306と関連付けて保存される。色パッチチャート403は、かぶり問題305、色問題307、主走査ムラ問題308と関連付けて保存される。なおここで例示した画質問題は図3に示したものと完全には一致していないが、これは例示にすぎないためであり、本実施形態に示していない画質問題や、そのためのチャートについても本実施形態に係る発明を適用可能である。
<画像診断処理の手順>
図5が、画像診断部126での画像診断処理の基本的な流れを表すフローである。画像診断処理は画質問題が発生した際にユーザ等が実行する処理である。以後説明する画像診断処理および画像診断処理に関する処理を実行する不図示の制御プログラムは記憶装置121に格納されており、不図示のRAMなどの揮発性メモリにロードされ、コントローラ102内のCPU103によって実行されるものである。取得されたデータは記憶装置121に保存される。
図5が、画像診断部126での画像診断処理の基本的な流れを表すフローである。画像診断処理は画質問題が発生した際にユーザ等が実行する処理である。以後説明する画像診断処理および画像診断処理に関する処理を実行する不図示の制御プログラムは記憶装置121に格納されており、不図示のRAMなどの揮発性メモリにロードされ、コントローラ102内のCPU103によって実行されるものである。取得されたデータは記憶装置121に保存される。
S501で、MFP101はまず、ユーザが指摘する画質問題を絞り込む。S501では予め用意した質問を記憶装置121から読み出して表示装置118に表示し、入力装置120からユーザの入力を受けつける。ユーザから入力された内容に応じて、発生している画質問題505を絞り込み、特定する。S502でMFP101は画像処理部114でチャートの画像を生成し、プリンタ115から、S501で特定された画質問題を解析するためのチャートを出力する。チャート画像の生成は、特定した画質問題に関連付けて格納されたチャート画像データを読み取ればよい。S503で、スキャナ119にセットされたチャートをスキャンする。S504で、読み込まれた画像データを画像診断部126で解析し、解析結果を記憶装置121に保存する。S505で解析結果を記憶装置121から読み出して表示装置118に表示する。解析処理は従来行われているものでよく、具体的には図4の説明において概説したような処理を行って、解析対象となる画質問題について、その程度が得られる。画質問題の程度は、例えば、当該画質問題が生じていないか、潜在的に生じているか、既に顕在化しているか、といったことを示す指標値で示される。この程度を示す指標値は、たとえば、解析の結果得られる特徴量を、それぞれの程度を示す範囲と比較し、属する範囲によって決定することができる。ステップS505では、得られた画質問題の程度を表示してもよい。
以上の流れで、ユーザから指摘を受けた画質問題に対する画像診断を行い、問題があるかどうかを判定し、問題がある場合にはその問題を判別する。ユーザは、表示された解析結果を元に補正処理を実施したり、解析結果をサービスマンに伝えたりすることで、迅速な問題解決を図ることが可能となる。
<画像診断部による画像診断処理フロー>
図6が、画像診断部126における本実施例の処理の流れを表すフローである。図5と同じ部分は省略し本実施例の特徴となる処理について説明する。本実施例では、ユーザが指摘した画質問題を解析する一方で、S601で追加解析処理の選択を行い、追加解析する画質問題604を決定する。追加解析処理の選択S601について詳細は後述する。S602で追加解析処理を実行し、追加解析結果を記憶装置121へ保存する(S603)。ステップS602における解析処理は、各画質問題についてはステップS504と同様の処理でよい。保存した追加解析結果は内容や判定レベルに応じて表示装置118へ表示したり、MFP101をメンテナンスするサービスマンへ通知したりする。追加解析結果の活用について、詳細は後述する。表示はステップS505と同様であってよく、たとえば解析の結果として、解析対象となった画質問題の程度が表示される。
図6が、画像診断部126における本実施例の処理の流れを表すフローである。図5と同じ部分は省略し本実施例の特徴となる処理について説明する。本実施例では、ユーザが指摘した画質問題を解析する一方で、S601で追加解析処理の選択を行い、追加解析する画質問題604を決定する。追加解析処理の選択S601について詳細は後述する。S602で追加解析処理を実行し、追加解析結果を記憶装置121へ保存する(S603)。ステップS602における解析処理は、各画質問題についてはステップS504と同様の処理でよい。保存した追加解析結果は内容や判定レベルに応じて表示装置118へ表示したり、MFP101をメンテナンスするサービスマンへ通知したりする。追加解析結果の活用について、詳細は後述する。表示はステップS505と同様であってよく、たとえば解析の結果として、解析対象となった画質問題の程度が表示される。
<行うべき追加解析の指標>
追加解析処理の選択S601では、複数の画質問題に対して、解析の必要度合いをスコア化するステップと、スコアを元に追加解析処理を決定するステップとを含む。スコア化するステップについて図10を用いて説明する。図10では画質問題AからEを例にあげてスコア化の一例を説明する。画質問題AからEは順に、スジ、汚れ、かぶり、色味、周期ムラとする。スコア化のための指標iからvを用いて各画質問題にスコアを付け、トータルスコアが小さいほど、解析の必要性が高いと判断する。簡易化のため、スコアは1から5に正規化した値としたが、指標に応じて重み付けを行ってもよい。図10のスコアは画像診断部126により保持され、以下で説明するような機会に更新される。
追加解析処理の選択S601では、複数の画質問題に対して、解析の必要度合いをスコア化するステップと、スコアを元に追加解析処理を決定するステップとを含む。スコア化するステップについて図10を用いて説明する。図10では画質問題AからEを例にあげてスコア化の一例を説明する。画質問題AからEは順に、スジ、汚れ、かぶり、色味、周期ムラとする。スコア化のための指標iからvを用いて各画質問題にスコアを付け、トータルスコアが小さいほど、解析の必要性が高いと判断する。簡易化のため、スコアは1から5に正規化した値としたが、指標に応じて重み付けを行ってもよい。図10のスコアは画像診断部126により保持され、以下で説明するような機会に更新される。
評価項目iは、画質問題の顕在化しにくさの程度を表す。顕在化しにくい画質問題ほど、潜在的に発生している可能性が高い画質問題といえるため、評価項目iは非常に重要である。図10では、画質問題Eが最も顕在化しづらく、画質問題Aが最も顕在化しやすい。したがって評価項目iの指標値は、顕在化がしやすくなる順に大きくなる。評価項目iの値は画質の問題ごとに予め与えておけばよく、更新の必要はない。
評価項目iiは各画質問題に関わるMFP101の部品の耐久期間や補正処理の実行頻度が守られた状態であるかどうか、すなわち規定通りに保守が行われた状態であるかどうかを表す。例えば、画質問題D(色味)であれば階調補正処理が推奨頻度で行われているかどうか、画質問題E(周期ムラ)であればローラーの耐久期間内であるかどうかなどである。規定通りに保守が行われた状態であればスコアが高く、規定通りに保守が行われておらず、補正処理や部品交換が必要な状態であればスコアが低くなる。画質問題ごとに評価項目iiの値が異なるのは、画質問題ごとに、対象となる作業や部品が異なるためである。図10の例では、評価項目iiは二値で表され、規定通りに保守が行われていなければ値は1、そうでなければ値は5である。この値は最新の状態を示せばよく、たとえばある画質問題に係る部品の耐久期間を経過した場合に、当該画質問題の評価項目iiの値は1とされるが、当該部品が交換された時点でその値は5に書き換えられる。このように、画質問題にかかる項目について規定通りに保守が行われていないことが判明した時点、および、当該項目が保守により回復した時点で評価項目iiは更新される。
評価項目iiiはこれまでに解析された頻度を表す評価項目である。頻度が低いものほどスコアが低くなり、解析の必要性が高いと判断する。頻度は、たとえば、解析が行われた頻度を画質問題ごとに蓄積しておき、それをそのまま用いてもよいし、図10に示したように画質問題A-Eのうちで最高の解析頻度を5に対応付けるように正規化してもよい。正規化する場合には、蓄積した頻度を、S601の実行の都度正規化処理する。
評価項目ivは前回の解析結果を表す。前回の画像診断時に解析されていて問題の無かった画質問題は解析の必要性が低いためスコアを高くし(図10では5)、前回解析していて問題があった画質問題はスコアを低くする(図10では1)。前回解析していない画質問題は、中間のスコアとする(図10では3)。例えば、画質問題E(周期ムラ)が中間の値に当たる。この評価項目の指標値は、画質問題ごとに解析が行われた際に更新される。
評価項目vは同一機種での各画質問題の発生頻度である。発生頻度が高いものほど解析の必要性が高いと判断してスコアを低く、発生頻度が低いものは解析の必要性が低いと判断してスコアを高くする。同一機種の発生頻度の合計値は、MFP101単独では知り得ないので、例えばPC124などから取得する。また、画質問題が発生したと判定した場合には、その旨をPC124等の外部装置に送信して、発生頻度を更新させる。このように発生頻度は、画質問題が発生していると判定された都度、更新される。図10では、発生頻度は評価項目iiiと同様に1−5の範囲に変換されている。
評価項目iiからvは画像診断を実行する度に変動し得る値であり、これによってトータルスコアが変動することで、偏りのない解析処理の選択が行えると考えられる。ただし、指標やスコアの意味合いはあくまで一例であり、他にも有用な指標があれば追加したり、スコア化に不適切な指標があれば削除したりしてもよい。例えば、評価項目vを用いるには、MFP101がネットワーク123を通じて外部のデータベースなどに繋がっている必要があるため、データベースが利用できないシステムでは用いることができない。一方で、データベースを参照するシステム構成であれば、機種だけでなく部品のロット番号が同一の機体のみのデータを参照することで、より精度の高いスコア化も可能となる。評価項目iについては、MFP101が使用されている環境やユーザ、あるいは時期によっても変動することが考えられるので、固定とせずに、管理者による入力などに応じて適宜更新してもよい。このスコア化が適切に行えるほど、本実施例の効果が高まるといえる。例えば、同じフロアに複数機種ある場合には、共通化できるスコアは共通化するなども考えられる。
<追加解析処理の選択>
スコアを元に追加解析処理を選択あるいは決定する図6のステップS601について、図7を用いて説明する。S701で、各画質問題に対して、ユーザが指摘した画質問題と同一チャートで解析できるかどうかを判定する。すなわち、ステップS501で特定した画質問題に応じて画質評価のために用いるチャートも特定されるが、その特定したチャートで評価できるその他の画質問題(すなわちステップS501で特定した画質問題以外の画質問題)をステップS701では特定する。この際、ユーザが指摘した画質問題は判定の対象外としてもよい。ユーザが指摘した画質問題すなわちステップS501で特定した画質問題をステップS701で判定の対象とした場合には、その画質問題は最終的に追加解析処理として選択されないようにする必要がある。ステップS501では、特定した画質問題の識別子からそれに関連付けられたチャート画像データを特定するが、ステップS701では逆に、ステップS501で特定されたチャート画像データに関連付けられている画質問題の識別子を特定する。そして、特定した画質問題のうち、ステップS501で特定した画質問題を除外した画質問題が、ステップS701で特定される追加解析処理の候補となる画質問題である。
スコアを元に追加解析処理を選択あるいは決定する図6のステップS601について、図7を用いて説明する。S701で、各画質問題に対して、ユーザが指摘した画質問題と同一チャートで解析できるかどうかを判定する。すなわち、ステップS501で特定した画質問題に応じて画質評価のために用いるチャートも特定されるが、その特定したチャートで評価できるその他の画質問題(すなわちステップS501で特定した画質問題以外の画質問題)をステップS701では特定する。この際、ユーザが指摘した画質問題は判定の対象外としてもよい。ユーザが指摘した画質問題すなわちステップS501で特定した画質問題をステップS701で判定の対象とした場合には、その画質問題は最終的に追加解析処理として選択されないようにする必要がある。ステップS501では、特定した画質問題の識別子からそれに関連付けられたチャート画像データを特定するが、ステップS701では逆に、ステップS501で特定されたチャート画像データに関連付けられている画質問題の識別子を特定する。そして、特定した画質問題のうち、ステップS501で特定した画質問題を除外した画質問題が、ステップS701で特定される追加解析処理の候補となる画質問題である。
ステップS701において、画像診断処理と同一のチャートで解析できる追加解析処理がない場合には、追加解析処理はなしとなる。例えば、細線チャート402が、レジずれ問題306のみと関連付けられているとすれば、ステップS501で特定した画質問題がレジずれであると、ステップS701では追加の解析処理はないものと判定される。一方、同一のチャートで解析できる画質問題が一つある場合には、当該画質問題を追加解析の対象として決定する。同一のチャートで解析できる画質問題が複数ある場合には、S702で、その中から図10に示したスコア化のトータルスコア(第1の評価項目)が最小の画質問題を選択する。トータルスコアが最小のものが複数ある場合には、S703で、予め定められた第2の評価項目が最小のものを選択する。第2の評価項目にはスコア化の特定の指標を用いてもよく、必要に応じて第2の評価項目を変更したり、指標の全てに優先順位をつけておき追加解析処理が1つに絞られるまで、第3の評価項目、第4の評価項目として判定を続けたりしてもよい。あるいは、S702で第1の評価項目が最小のものだけを選択するのではなく、個数を決めてスコアが最小のものから順に複数個選択したり、予め定めた閾値以下のものを全て選択したりしてもよい。その後、S703で別の評価項目を用いて絞り込んでもよい。最終的な追加解析処理は必ずしも1つでなくてもよいし、一定のサイクルごとに、解析可能な処理は全て実行するようにしてもよい。以上のように、特定したチャート画像データと関連付けられた画質問題のうちから、スコアを用いて各画質問題を追加解析処理として選択するかしないかを判定し、S704で追加解析処理あるいは追加解析処理の対象とする画質問題を決定する。
<追加解析処理結果の活用>
以上の処理を行うことで得られる追加解析処理結果の活用方法について説明する。図12は、ある画質問題の解析結果の推移の一例を表しており、黒丸が計8回の解析結果である。横軸が時間、縦軸が画質問題の程度を表しており、縦軸は下から上へ順に、画質問題ではないレベル、潜在的な画質問題のレベル、顕在化する画質問題のレベルに分けて考えられる。追加解析処理を行った結果、画質問題ではないレベルであれば、何も対策しなくてよい。図12の例では、6回目の解析結果が潜在的な画質問題のレベルとなっているため、ここで、画質問題が起き始めていることを予知できる。この時点で対策すれば、画質問題が顕在化する前に問題を解決することが可能となる。追加解析処理はユーザ指摘とは異なり、ユーザが気づいていない画質問題の予知のために行う処理であるため、解析結果を必ずしもユーザへ通知する必要はないと言える。解析結果に応じた対応方法の一例を次に示す。
以上の処理を行うことで得られる追加解析処理結果の活用方法について説明する。図12は、ある画質問題の解析結果の推移の一例を表しており、黒丸が計8回の解析結果である。横軸が時間、縦軸が画質問題の程度を表しており、縦軸は下から上へ順に、画質問題ではないレベル、潜在的な画質問題のレベル、顕在化する画質問題のレベルに分けて考えられる。追加解析処理を行った結果、画質問題ではないレベルであれば、何も対策しなくてよい。図12の例では、6回目の解析結果が潜在的な画質問題のレベルとなっているため、ここで、画質問題が起き始めていることを予知できる。この時点で対策すれば、画質問題が顕在化する前に問題を解決することが可能となる。追加解析処理はユーザ指摘とは異なり、ユーザが気づいていない画質問題の予知のために行う処理であるため、解析結果を必ずしもユーザへ通知する必要はないと言える。解析結果に応じた対応方法の一例を次に示す。
画質問題解決のための方法として、MFP101で自動実行できる補正処理が実装されている場合であっても、ユーザの手すなわちユーザによるマニュアル操作が必要な場合がある。また、MFP101では補正出来ない部品交換が必要な場合も考えられる。ユーザの手が必要な場合、すなわち手動による対応が必要な場合とは例えば、チャートをスキャナ119にのせたり、入力装置120の入力といった場合が挙げられる。潜在的な画質問題のレベルであれば、自動実行出来るものは実行し、そうでない場合にはサービスマンへ対策の必要性を通知する。顕在化する画質問題のレベルであれば、自動実行出来るものは実行し、部品交換が必要な場合はサービスマンへ緊急度を上げて通知する。ユーザの手を借りることで実行できる補正処理については、表示装置118でユーザに通知してもよいし、PC124へと潜在的な画質問題が生じていることを通知してもよい。後者の場合、さらにサービスマンからユーザへ実行を促してもよい。潜在的な画質問題と顕在化する画質問題の判定レベルは、ユーザやMFP101によって異なることは充分に考えられる。よって、閾値は一意に決まるものではなく、状況に応じて可変である。また、解析結果に応じた対応方法も、MFP101のシステム構成やサービス契約の内容によって異なることが考えられるため、前述の限りではない。
以上のように、画質問題をスコア化して解析の実行優先度を決定し、ユーザが指示した画像診断の実行時に追加の解析を行うことで、潜在的な画質問題に早期に気づくことが可能となる。さらに、ユーザ指摘の画質問題を解析するチャートと同じチャートで解析できる画質問題に絞ることで、余計なチャートを出力することなく保守のための有用な情報を得ることができる。潜在的な画質問題を早期に発見し対処することで、ユーザに指摘される画質問題を引き起こすリスクも低減可能となる。
(実施形態2)
ここでは、前述の実施例1と異なる部分のみを説明する。本実施例では実施例1と異なり、追加解析処理に用いるチャートを、ユーザ指摘の画質問題を解析するチャートと同じチャートに限定しない方法を提案する。チャートを限定せずに、真に解析が必要な画質問題を選択することで、より効果的な予知が行える方法である。図8が本実施例の処理の流れを表すフローである。本実施例では、チャート出力S502の前に、S801で追加解析処理の選択を実行する。選択された追加解析処理に応じて複数のチャートを解析対象とする可能性がある点において本実施形態は実施形態1と相違する。
ここでは、前述の実施例1と異なる部分のみを説明する。本実施例では実施例1と異なり、追加解析処理に用いるチャートを、ユーザ指摘の画質問題を解析するチャートと同じチャートに限定しない方法を提案する。チャートを限定せずに、真に解析が必要な画質問題を選択することで、より効果的な予知が行える方法である。図8が本実施例の処理の流れを表すフローである。本実施例では、チャート出力S502の前に、S801で追加解析処理の選択を実行する。選択された追加解析処理に応じて複数のチャートを解析対象とする可能性がある点において本実施形態は実施形態1と相違する。
追加解析処理の選択ステップS801の詳細を、図9を用いて説明する。追加解析処理の選択S801ではまず、各画質問題のスコアを元に、 S901で第1の評価項目のスコアが小さい画質問題を選択する。評価項目の選択の仕方については実施例1と同様である。たとえば第1の評価項目は各項目の値の合計値である。次にステップS901で選択した画質問題について、第2の評価項目の値が、画質問題のうちで最小であるか判定する。最小でなければ図9の手順はそのまま終了する。最小であれば、ステップS901で選択した画質問題についてステップS903以下の処理を行う。なお選択されている画質問題は複数あってもよい。
次に、S903で、ステップS901、S902で選択した追加の画質問題が、ユーザ指摘の画質問題すなわちステップS501で特定した画質問題を解析するチャートと同一のチャートで解析できるかどうかを判定する。これはたとえば、実施形態1で説明したように、チャート画像データと画質問題との関連付け情報を基に判定できる。同一のチャートで解析できる場合には追加の出力チャートは必要ないため、S903で追加解析処理を決定する。すなわち、ステップS901、S902で選択した画質問題のための解析処理を、ステップS602で実行すべき解析処理として追加する。
一方、同一のチャートで解析できない場合には、S904で、追加の画質問題を解析するためのチャートを、ステップS501で特定した解析チャートに追加するかどうかを判定する。追加しない場合には、追加解析処理はなしとなって処理は終了する。追加する場合には、S905でユーザ指摘の画質問題を解析するチャートに加えて、追加の画質問題のために出力するチャートと、追加解析処理とを決定する。追加解析処理が複数の場合には、S903からS905を繰り返す。解析チャートに追加するかどうかの判定S904については、チャートの追加を許可するかしないかを予め設定しておく方法が考えられる。ある所定枚数以下であれば追加を許可する方法や、複数回に1回は許可するなどの頻度を設けて制限する方法、特定の評価項目が閾値を下回っている場合には許可するなどの方法が考えられる。または、チャートの追加が必要になった場合には表示装置118へ追加してもよいかどうかの選択画面を表示し、ユーザの選択に応じて処理を行ってもよい。単に、チャートの追加を許可しないとした場合には、実質的に実施例1と同じ処理となる。
以上のように、追加解析に用いるチャートを限定せずに解析が必要な画質問題を選択することで、より効果的な予知を行うことが可能である。また、追加解析のためにチャートが別途必要になる場合も発生するが、ユーザにとっては、出力されたチャートを数枚多くスキャンするだけなのでユーザの手間が大きく変わることはなく、スキャナ119がADFの場合には、ユーザの手間は全く変わらない。追加解析処理を絞り込まずに全ての解析処理を行うよりも少ない枚数のチャートで効率的に、画質問題の発生状況を把握することが可能となる。
(実施形態3)
ここでは、前述の実施例2と異なる部分のみを説明する。本実施例では前述の実施例1や実施例2と異なり、スコア化を用いた追加解析処理の選択は行わない。予め決定されている解析処理を、画像診断実行時に同時に実行する。懸念される画質問題の解析を設定しておくことで、確実にチェックすることが可能となる。例えば、特定のロット番号の部品を持つ機体のみから解析結果を収集したい場合などが該当すると考えられる。
ここでは、前述の実施例2と異なる部分のみを説明する。本実施例では前述の実施例1や実施例2と異なり、スコア化を用いた追加解析処理の選択は行わない。予め決定されている解析処理を、画像診断実行時に同時に実行する。懸念される画質問題の解析を設定しておくことで、確実にチェックすることが可能となる。例えば、特定のロット番号の部品を持つ機体のみから解析結果を収集したい場合などが該当すると考えられる。
図11が本実施例の処理の流れを表すフローである。本実施例では、実施例2の図8の追加解析処理の選択S801に替わって、S1101で追加解析処理の決定を行う。実行すべき追加解析処理は予め決定されており、追加のチャートが必要かどうかに関わらず、実行される。実行すべき追加解析処理の設定方法は例えば、サービスマンが定期メンテナンス時に実機で設定することが考えられる。または、MFP101がネットワーク123を通じて外部のデータベースなどに繋がっている場合には、リモートの、不図示の画像診断用サーバーなどで追加解析処理をスケジューリングして、各機体へ設定を送ってもよい。
以上のように、画像診断実行時に追加で解析する画質問題を予め設定する仕組みを持つことで、絞り込みにより選択された画質問題に加えて、別途指定されている画質問題についても確実に解析が実行される。サービスマンがメンテナンスの計画を立てる際や、特定の条件に当てはまる機体から情報を収集したい場合などに、確実にデータを取得することが可能となる。
[その他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
101 MFP、102 コントローラ、114 画像処理部、115 プリンタ、118 表示装置、119 スキャナ、120 入力装置、121 記憶装置、126 画像診断部
Claims (18)
- 画像を形成する画像形成手段を有する画像処理装置であって、
ユーザの選択に基づいて前記画像形成手段により形成された画像の画像不良を解析する第1の解析処理を決定する第1の決定手段と、
複数種類ある画像不良それぞれに対して生じやすさの程度を示す評価項目の指標値を格納したデータベースと、
前記データベースの情報に基づいて前記画像形成手段により形成された画像の画像不良を解析する第2の解析処理を決定する第2の決定手段と、
前記第1および第2の決定手段で決定した解析処理に対応し、前記画像形成手段により形成されるチャートを出力する出力手段と、
前記出力手段で出力したチャートを用いて前記第1および第2の決定手段で決定した解析処理を実行する解析処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記第2の決定手段は、前記第1の解析処理と同一のチャートに対応した解析処理を前記第2の解析処理として決定し、前記出力手段は、前記第1の解析処理と前記第2の解析処理とに対応する共通のチャートを出力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記第2の決定手段は、前記出力手段により出力するチャートに対応付けられた解析処理のうち、前記データベースに格納された特定の評価項目の指標値により最も生じやすいことが示されている画像不良を判定するための解析処理を前記第2の解析処理として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記評価項目は、1または複数であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記第2の決定手段は、前記第1の解析処理とは異なるチャートに対応した解析処理を前記第2の解析処理として決定し、前記出力手段は、前記第1の解析処理と前記第2の解析処理とにそれぞれ対応するチャートを出力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記第2の決定手段は、前記データベースに格納された特定の評価項目の指標値により最も生じやすいことが示されている画質問題を判定するための解析処理を前記第2の解析処理として決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
- 前記第2の決定手段は、予め指定された解析処理を前記第2の解析処理として決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
- 前記評価項目は、1または複数であることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像処理装置。
- 前記第2の決定手段が、前記第1の解析処理とは異なるチャートに対応した解析処理を前記第2の解析処理として決定した場合に、前記第2の解析処理に対応したチャートを出力するか否か判定する判定手段を更に有し、
前記出力手段は前記判定手段により前記第2の解析処理に対応したチャートを出力すると判定された場合に当該チャートを出力することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - ユーザーインターフェース手段を更に有し、
前記判定手段は、前記ユーザーインターフェース手段により前記第2の解析処理に対応したチャートを出力するか否かの指示を入力させるためのユーザーインターフェースを表示し、該ユーザーインターフェースへの入力に従って判定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、予め出力することが設定されているか、または、チャートの枚数が所定数以下か、または、特定の評価項目の指標が閾値を下回っている場合に、前記第2の解析処理に対応したチャートを出力することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
- 前記解析処理手段により解析した解析結果を、前記第1及び第2の解析処理のそれぞれについて出力する手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記解析処理手段により実行された第1の解析処理の結果をユーザに通知することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記解析処理手段により実行された第2の解析処理の結果を保存することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記画像不良には、すじ、汚れ、色かぶり、色味、周期むらの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記評価項目には、予め画像不良ごとに定めた画像不良の顕在化しにくさの程度を表す評価項目と、規定通りに保守が行われた状態であるかどうかを表す評価項目と、これまでに解析された頻度を表す評価項目と、前回の解析結果を表す評価項目と、同一機種での各画質問題の発生頻度を表す評価項目との、少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 画像を形成する画像形成手段と、複数の画像不良それぞれに対して生じやすさの程度を示す評価項目の指標値を格納したデータベースを用いる画像処理方法であって、
ユーザの選択に基づいてユーザの選択に基づいて前記画像形成手段により形成された画像の画像不良を解析する第1の解析処理を決定する第1の決定工程と、
前記データベースの情報に基づいて前記画像形成手段により形成された画像の画像不良を解析する第2の解析処理を決定する第2の決定工程と、
前記第1および第2の決定工程で決定した解析処理に対応し、前記画像形成手段により形成されるチャートを出力する出力工程と、
前記出力手段で出力したチャートを用いて前記第1および第2の決定工程で決定した解析処理を実行する解析処理工程と
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の画像処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014142638A JP2016019244A (ja) | 2014-07-10 | 2014-07-10 | 画像処理装置、画像処理方法ならびにプログラム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019124886A (ja) * | 2018-01-19 | 2019-07-25 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置及びプログラム |
JP2019133020A (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | コニカミノルタ株式会社 | 画像検査装置 |
JP2019158994A (ja) * | 2018-03-09 | 2019-09-19 | 株式会社リコー | 診断システム、診断方法、画像形成装置およびプログラム |
-
2014
- 2014-07-10 JP JP2014142638A patent/JP2016019244A/ja active Pending
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