JP7369755B2 - ブリーザ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、変速機等を収容するケース(隔室)の内外における差圧を調整するブリーザ構造に関する。
従来、各種のケースにおいて、内外の差圧を解消するためのブリーザが設けられている。ブリーザは、例えば、自動車等の車両における変速機を収容するケース(隔室とも称する)に設けられている。上述の変速機を搭載した車両では、エンジンの動力がトルクコンバータを介して変速機に入力され、変速機で変速された動力が、デファレンシャルギヤ(作動装置)などを介して駆動輪に伝達される。これにより、車両が走行するものとされている。前記変速機には、例えば、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)や有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)などが広く利用されている。
前記変速機は、トランスミッションケース(単にケースと称する)に収容されており、当該ケース内には、各部の作動や潤滑のためのオイル(フルード)が封入されている。前記オイルは、車両の走行状態によって温度が変化し、前記オイルの温度変化に伴って、ケース内の圧力が変化する。従って、ケース内外の差圧を低減するために、前記ケースには上述したブリーザが設けられている(例えば、特許文献1)。
特開平9-273621号公報
ところで、上述した特許文献1に記載の発明は、ケース(隔室とも称する)の上部にブリーザプラグを設け、変速機におけるケース内外の差圧を解消するものとされている。そのため、ブリーザプラグがケース外に突出し、変速機における回転径方向のサイズが大きくなる問題があった。そのため、変速機の車両への配置に制限があった。
上記のような問題を解決するため、ブリーザプラグを用いないブリーザ構造が利用されている。前記ブリーザ構造は、ケースの隔壁にケース内外と連通するブリーザ室を設け、当該ブリーザ室を介して、ケース内外の差圧の調整を行うものとされている。前記ブリーザ室は、当該ブリーザ室を取り囲むようにケースに対して内側から外側に向けて突出形成された突出壁を有しており、当該突出壁の突出端が、ワッシャなどの蓋体で閉塞された構造をなしている。また、ブリーザ室は、前記突出壁の一部に外部に通じた開口を有しており、当該開口を通じて、ケース内外の差圧による呼吸を可能なものとしている。
しかしながら、上記ブリーザ構造においては、例えば、過剰なオイルミストの噴出があった場合、凝結したオイルが、開口から垂れ、例えば、メンテナンスの際の作業者に視認される恐れがあった。かかる場合は、作業者が、オイル漏れと誤認する懸念があった。
そこで、本発明は、ブリーザから出たオイル等の液体が、オイル垂れすることを抑制可能なブリーザ構造を提供することを目的とする。また、本発明は、ブリーザからのオイル垂れが視覚的に認識されることを抑制可能なブリーザ構造を提供することを目的とする。
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明のブリーザ構造は、隔壁により内外が仕切られた隔室の内外の差圧を低減させるためのブリーザ構造であって、前記隔壁の外側面に形成されたブリーザ室と、前記ブリーザ室と前記隔室とを連通させるブリーザ孔と、前記隔壁において前記ブリーザ室を取り囲むように前記隔室に対して内側から外側に向けて突出形成された突出壁と、前記突出壁の突出端と当接させることで前記ブリーザ室を閉塞させる蓋体と、前記突出壁の一部を切り欠くことにより形成され、前記ブリーザ室を外部に連通させる開口部と、前記突出壁及び前記蓋体の境界部において、前記突出壁の突出端及び前記蓋体の内側面のいずれか一方又は双方に形成された空隙部と、を備え、前記空隙部は、前記開口部の開口端から前記突出壁の周方向の少なくとも一部に亘って形成されると共に、前記境界部の外周縁に向けて開放されていること、を特徴とするものである。
上述したブリーザ構造は、開口部の開口端から突出壁の周方向の少なくとも一部に亘って空隙部が形成されているので開口部から出たオイル等の液体(単に、オイルとも称し、ミスト状に噴出したものも含む)を空隙部に引き込むことができる。また、空隙部は、突出壁及び蓋体の境界部における外周縁に向けて開放されているので、空隙部内の圧が高まることがない。そのため、空隙部は、より確実にオイル等の液体を空隙部内に導くことができる。また、空隙部内に導かれたオイルは、熱により乾燥したり、空隙部内に保持されたりすることにより、オイル垂れが抑制される。また、空隙部は、蓋体及び突出壁の突出端の境界部に形成されているので、蓋体によって覆われる。そのため、上述したブリーザ構造は、オイル垂れの外部からの視認を抑制できる。また、これにより本発明のブリーザ構造は、作業者等がオイル漏れと誤認することを抑制できる。ここで、空隙部は、凝結したオイルを許容できる隙間を有する各種の形状の空隙を採用することができる。また、空隙部は、突出壁の周方向の少なくとも一部に亘って形成されていればよく、突出壁の周方向の全域に亘って形成されていてもよい。
また、上述したブリーザ構造は、隔室における隔壁にブリーザ室が形成された構造を有するので、隔室(ケースとも称する)からのブリーザの突出量を大幅に低減できる。そのため、本発明のブリーザ構造は、隔室の配置の自由度や汎用性を高めることができる。ここで、上述したブリーザ構造におけるブリーザ室は、隔壁の外側面に対して、内側方向に掘り下げて形成されているとよい。これにより、隔壁の外側面からの突出量をより一層低減することができる。また、上述したブリーザ構造は、内外の差圧の調整が必要な各種の隔室に利用することができる。
(2)上述した本発明のブリーザ構造は、前記空隙部が、段状に掘り下げ形成されているとよい。
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、容易に空隙部を形成できる。ここで、空隙部は、例えば、突出壁の突出端側を切削したり、蓋体の内側面を切削したりすることにより、容易に形成できる。そのため、上述したブリーザ構造は、簡素な加工により、コストを掛けずに形成することが可能である。また、上述したブリーザ構造は、空隙部が、突出部の突出端や蓋体の内側面に形成されるので、空隙部が蓋体に覆われ、外部からオイル垂れが視認されることを抑制できる。これにより、本発明のブリーザ構造は、作業者等がオイル漏れと誤認することを抑制できる。
(3)上述した本発明のブリーザ構造は、前記空隙部、及び前記空隙部と対向する前記蓋体の内側面のいずれか一方又は双方が、凹凸部又は溝部の少なくともいずれかを有するとよい。
上述した本発明のブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、開口部から出るオイルを空隙部内(蓋体の内側面を含む)に確実に保持させることができる。そのため、オイル垂れが、より確実に抑制される。ここで、凹凸部は、例えば、各種形状の突起を形成したり、オイルが接する面を粗雑化したりして形成することができる。また、溝部は、例えば、オイルが接する面を格子状に切削して形成することができる。凹凸部や溝部は、空隙部、及び空隙部と対向する蓋体の内側面のいずれか一方又は双方に形成すればよく、凹凸部や溝部を形成しないものとすることも可能である。
(4)上述した本発明のブリーザ構造は、前記隔壁が、上下方向に形成されており、前記開口部が、下方側に向けて傾斜するスロープを有するとよい。
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、隔壁が上下方向に形成されている場合に、スロープの傾斜を通じて、円滑にオイルを排出することができる。また、排出されたオイルは、空隙部に導かれて、オイル垂れが抑制される。
(5)上述した本発明のブリーザ構造は、前記空隙部が、毛細管現象を発揮可能な隙間に形成されているとよい。
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、空隙部に確実にオイルを引き込むことができる。そのため、上述したブリーザ構造は、開口部からのオイル垂れを、より確実に抑制することができる。
(6)上述した本発明のブリーザ構造において、前記ブリーザ室は、上端側が前記蓋体の内側面と当接可能な支柱を有し、前記支柱は、締結部材との締結が可能であり、前記蓋体は、ワッシャで形成されると共に、前記締結部材により前記支柱に固定されるとよい。
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、ワッシャを蓋体としてブリーザ室の開放端側を閉塞することができる。そのため、上述したブリーザ構造は、加工が容易であり、コストを掛けずに形成することができる。締結部材には、例えば、ネジなどの各種の部材を用いることができる。
(7)上述した本発明のブリーザ構造は、前記隔室が、変速機及びトルクコンバータを収容可能であり、前記ブリーザ室が、エンジンと前記変速機との間に配されているとよい。
上述したブリーザ構造は、ブリーザの隔室からの突出量が少ないので、変速機(トルクコンバータを含む)の収容に適したものとされている。また、上述したブリーザ構造は、オイル垂れが抑制されているので、変速機やエンジン等の修理の際に、ブリーザからのオイル垂れが、作業者等によって視認されることを抑制できる。そのため、作業者等が、ブリーザからのオイル垂れを、変速機からのオイル漏れと誤認することを抑制できる。ここで、上述したブリーザ構造に用いられる変速機は、例えば、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)や有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)などが例示される。
本発明は、ブリーザから出たオイル等の液体が、オイル垂れすることを抑制可能なブリーザ構造を提供することができる。また、本発明は、ブリーザからのオイル垂れが視覚的に認識されることを抑制可能なブリーザ構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るブリーザ構造が適用された変速ユニットをエンジン側から見た図である。 図1のA-A方向断面矢視図である。 図1のB-B方向断面矢視図である。 図1の蓋体を取り外した状態の要部拡大図である。 図1の要部拡大斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係るブリーザ構造1(ブリーザ1とも称する)について、図1~図5を参照しつつ説明する。本実施形態では、ブリーザ構造1が、車両の変速ユニット2を収容するケース10(隔室10とも称する)に設けられる場合を例として説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るブリーザ構造1が適用された変速ユニット2を前方側(エンジン側)から見た図である。なお、エンジンは、図示を省略している。また、図2は、図1のA-A方向断面矢視図であり、図3は、図1のB-B方向断面矢視図である。
図1に示すように、変速ユニット2は、車両(図示せず)に搭載されており、走行用の駆動源として設けられたエンジンの動力を変速させるためのものである。変速ユニット2は、トルクコンバータ3(図3参照)と、変速機(図示せず)と、を備えている。変速機は、例えば、無段変速機(CVT)や有段式の自動変速機(AT)が用いられる。
変速ユニット2は、トルクコンバータ3及び変速機を収容する外殻としてのケース10を備えている。ケース10は、隔壁13で内外が仕切られることにより形成されている。本実施形態では、ケース10は、前方側ケース11及び後方側ケース12から形成されている。
図3に示すように、前方側ケース11は、トルクコンバータ3の径方向(本実施形態では上下方向)に延びる隔壁13と、隔壁13の外周から前方側に延びるように形成された周壁14(隔壁14とも称する)とを一体的に備えている。隔壁13の前方側で周壁14に囲まれた空間は、トルコン室4として、トルクコンバータ3を収容している。前方側ケース11は、外部と連通しており、前方側ケース11の内部は、図示しない適宜の開口により大気開放されている。
後方側ケース12(図1参照)は、変速機(図示せず)の外周を取り囲むように筒状に形成されている。後方側ケース12は、前方側ケース11の後方側に接続されており、変速機室5を形成している。変速機室5は、変速機を内部に収容している。
図2に示すように、前方側ケース11における隔壁13には、ブリーザ構造1が搭載されている。ブリーザ構造1は、変速機室5の内外での差圧による呼吸を可能とし、前記差圧の調整を行うものとされている。具体的には、変速機室5の内圧が高まった場合は、変速機室5から外部に圧を逃がすことにより変速機室5の内外での差圧を低減するものとされている。一方、変速機室5の内圧が低下した場合は、変速機室5が吸気することにより、変速機室5の内外での差圧を低減するものとされている。
ブリーザ構造1は、ブリーザ室20における第一ブリーザ室21と、ブリーザ孔25(図3及び図4参照)と、突出壁30と、開口部31(図4参照)と、蓋体40と、空隙部50等を備えている。本実施形態では、ブリーザ構造1が、隔壁13の上端側寄りに配されている。
図3に示すように、ブリーザ室20は、本発明のブリーザ構造1に含まれる第一ブリーザ室21と、変速機に隣接する隔壁13に設けられた第二ブリーザ室22と、第一ブリーザ室21及び第二ブリーザ室22を接続するブリーザ通路23等を備えている。
第一ブリーザ室21は、隔壁13の外側面(前面)、すなわち、トルクコンバータ3側の面に円形状に形成されている。第一ブリーザ室21は、本発明のブリーザ構造1を構成するブリーザ室に相当する。また、第一ブリーザ室21は、隔壁13の径方向上端側寄りに形成されており、トルコン室4に向けて開口されている。
図2に示すように、第一ブリーザ室21の中央には、隔壁13の外側面から前方側に向けて突出するようにボスとしての支柱24が突出形成されている。また、第一ブリーザ室21を取り囲むようにケース10に対して内側から外側に向けて突出壁30が突出形成されている。言い換えると、突出壁30は、隔壁13の外側面において前方側に向けて突出形成されている。
図3に示すように、第二ブリーザ室22は、隔壁13の変速機室5側となる後面側に開口するように設けられている。そのため、第二ブリーザ室22は、変速機室5と連通している。従って、第二ブリーザ室22は、ブリーザ通路23及び第一ブリーザ室21を介して、トルコン室4と連通している。
ブリーザ通路23は、隔壁13の内部に形成されている。ブリーザ通路23は、第二ブリーザ室22から径方向に延びるように形成されており、先端が分岐して第一ブリーザ室21におけるブリーザ孔25に接続されている。従って、第一ブリーザ室21は、ブリーザ通路23を介して第二ブリーザ室22と連通している。ブリーザ通路23の分岐した他端は、径方向に延びて隔壁13の外周側で開口している。前記開口端は、閉塞部材26により、液密的に閉塞されている。
図2及び図4に示すように、支柱24は、上端側が、後述する蓋体40(ワッシャ40)と当接可能な高さに形成されている。支柱24は、例えば、中央にネジ穴が形成されており、蓋体40を固定するネジ41(締結部材41とも称する)をねじ込むことにより、支柱24と蓋体40とを締結させることができる。なお、支柱24の高さは、蓋体40と直接的に当接するものだけではなく、スペーサ等の中間部材を介して当接するものでもよい。
また、第一ブリーザ室21の底部には、ブリーザ孔25(図4参照)が開孔している。ブリーザ孔25は、平面視において、支柱24を介して開口部31に対して反対側の位置に配されている。本実施形態では、ブリーザ孔25は、支柱24を中心として略180度回転させた位置に配されている。ブリーザ孔25は、上述したようにブリーザ通路23(図3参照)と連通している。つまり、ブリーザ孔25は、第一ブリーザ室21と変速機室5とを連通させることができる。
突出壁30は、支柱24を中心として、径方向に間隔を空けて形成されている。突出壁30は、隔壁13において、第一ブリーザ室21を取り囲むように前方側ケース11に対して内側から外側に向けて突出形成されている。言い換えれば、突出壁30は、隔壁13の外側面から前方側に向けて突出形成されている。図1及び図4に示すように、突出壁30は、平面視において略円形状に形成されている。また、突出壁30は、一部が切り欠かれて開口部31が形成されており、平面視において略C字状をなしている。また、突出壁30は、突出端が、後述する蓋体40の内側面と当接するものとされており、蓋体40との当接部(突出端)が略平面状に形成されている。
図4に示すように、開口部31は、支柱24を中心としてブリーザ孔25から略180度回転させた位置に配されており、回転方向の下流側を向くように形成されている。開口部31は、第一ブリーザ室21を外部(本実施形態ではトルコン室4)に連通させるものとされている。また、開口部31は、下方側に向けて傾斜するスロープ32を有している。そのため、上述したように隔壁13が上下方向に形成されている場合に、スロープ32の傾斜を通じて、円滑にオイルを排出することができる。また、排出されたオイルは、後述する空隙部50に導かれて、オイル垂れが抑制される。なお、スロープ32の傾斜は、変速機や使用するオイル(フルード)の特性等に合わせて各種の角度に設定することができる。
蓋体40は、円板状に形成されており、中央にネジ41を通すための貫通孔を有している。本実施形態では、蓋体40としてワッシャ40が用いられている。蓋体40は、突出壁30の略全域を覆う大きさに形成されている。蓋体40は、貫通孔を介してネジ41を支柱24のネジ穴にねじ込むことにより固定(締結)され、蓋体40の内面側が突出壁30の突出端と当接する。これにより、第一ブリーザ室21は、蓋体40によって上面側が閉塞され、第一ブリーザ室21としての空間が形成される。また、これによりブリーザ1が形成され、変速機室5とトルコン室4(外部)とが連通する。すなわち、ブリーザ1により変速機室5とトルコン室4(外部)との差圧の調整が可能となる。なお、本実施形態では、蓋体40として、ワッシャ40を用いているので、蓋体40を特別に加工して用意する必要がない。そのため、本発明のブリーザ構造1は、コストを掛けることなく構成することができる。
図4及び図5に示すように、空隙部50は、変速機室5に封入されたオイルや変速機室5に混入した水等の異物を引き込んで保持するものとされている。つまり、空隙部50は、開口部31から出たオイルを保持することで、オイル垂れを抑制するものとされている。空隙部50は、突出壁30及び蓋体40の境界部55において、突出壁30の突出端に形成されている。空隙部50は、開口部31の開口端から突出壁30の周方向の少なくとも一部に亘って形成されると共に、境界部55の外周縁に向けて開放するように形成されている。
また、空隙部50は、突出壁30の突出端を段状に掘り下げることにより形成されている。具体的には、空隙部50は、例えば、突出壁30の突出端側を切削することにより、形成されている。そのため、空隙部50は、簡素な加工により、コストを掛けずに容易に形成することが可能である。なお、蓋体40側に空隙部50を形成する場合は、例えば、蓋体40の内側面を切削すればよい。また、空隙部50は、蓋体40の内側面に形成したり、突出壁30及び蓋体40の双方に形成したりすることもできる。
また、本実施形態では、空隙部50は、毛細管現象を発揮可能な隙間(例えば、0.5~3mm、望ましくは1~2mm)に形成されている。従って、空隙部50は、開口部31から出たオイルを空隙部50の内部に確実に引き込むことができる。これにより、本発明のブリーザ構造1は、開口部31からのオイル垂れを、より確実に抑制することができる。なお、空隙部50の隙間は、オイルの特性や変速機等に応じて、適宜変更することが可能である。
また、空隙部50、及び空隙部50と対向する蓋体40の内側面のいずれか一方又は双方に、凹凸部又は溝部の少なくともいずれかを形成すれば、空隙部50におけるオイル等の保持力が向上する。これにより、開口部31から出たオイル等が空隙部50内(蓋体40の内側面を含む)に確実に保持される。そのため、オイル垂れが、より確実に抑制される。ここで、凹凸部は、例えば、各種形状の突起を形成したり、オイルが接する面を粗雑化したりして形成することができる。また、溝部は、例えば、オイルが接する面を格子状に切削して形成することができる。凹凸部や溝部は、空隙部50、及び空隙部50と対向する蓋体40の内側面のいずれか一方又は双方に形成すればよく、凹凸部や溝部を形成しないものとすることも可能である。
上述したように本発明のブリーザ構造1は、開口部31の開口端から突出壁30の周方向の少なくとも一部に亘って空隙部50が形成されているので開口部31から出たオイル等の液体(単に、オイルとも称し、ミスト状のものも含む)を空隙部50に引き込むことができる。また、空隙部50は、突出壁30及び蓋体40の境界部55における外周縁に向けて開放されているので、空隙部50内の圧が高まることがない。そのため、空隙部50は、より確実にオイル等の液体を空隙部50内に導くことができる。また、空隙部50内に導かれたオイルは、熱により乾燥したり、空隙部50内に保持されたりすることにより、オイル垂れが抑制される。また、空隙部50は、蓋体40及び突出壁30の突出端の境界部55(図3参照)に形成されているので、蓋体40によって覆われる。そのため、本発明のブリーザ構造1は、オイル垂れの外部からの視認を抑制できる。また、これにより本発明のブリーザ構造1は、作業者等がオイル漏れと誤認することを抑制できる。ここで、空隙部50は、凝結したオイルを許容できる隙間を有する各種の形状の空隙を採用することができる。
また、本発明のブリーザ構造1は、ケース10における隔壁13に第一ブリーザ室21が形成された構造を有するので、ケース10からのブリーザ1の突出量を大幅に低減できる。そのため、本発明のブリーザ構造1は、ケース10の配置の自由度や汎用性を高めることができる。また、本発明のブリーザ構造1における第一ブリーザ室21は、隔壁13の外側面に対して、内側方向に掘り下げて形成されているとよい。これにより、隔壁13の外側面からの突出量をより一層低減することができる。
また、本発明のブリーザ構造1は、上述のようにケース10が、変速機及びトルクコンバータ3を収容可能であり、ブリーザ室20が、エンジンと変速機との間に配されたものとされている。従って、ブリーザ構造1は、ケース10からの突出量が少ないので、変速機(トルクコンバータ3を含む)の収容に適したものとされている。また、ブリーザ構造1は、オイル垂れが抑制されているので、変速機やエンジン等の修理の際に、ブリーザ1からのオイル垂れが、作業者等によって視認されることを抑制できる。そのため、作業者等が、ブリーザ1からのオイル垂れを、変速機からのオイル漏れと誤認することを抑制できる。
以上が、本発明に係るブリーザ構造1の実施形態であるが、本発明のブリーザ構造1は、上述した実施形態に係るものに限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
本実施形態では、第一ブリーザ室21が円形状に形成されているが、第一ブリーザ室21は、各種の形状に形成することができる。例えば、第一ブリーザ室21が、楕円形状や多角形状に形成されていてもよい。また、第一ブリーザ室21及び第二ブリーザ室22は、適用する隔室10や隔壁13に応じて、各種の位置に配することができる。例えば、第一ブリーザ室21や第二ブリーザ室22が、周壁14に設けられていてもよい。また、本実施形態では、ブリーザ室20が第一ブリーザ室21及び第二ブリーザ室22に分割形成されているが、第一ブリーザ室21及び第二ブリーザ室22が一体的に形成されていてもよい。また、本実施形態では、隔壁13の外側面に第一ブリーザ室21が形成されているが、使用する目的に応じて、第一ブリーザ室21を設ける面は、適宜変更することができる。また、本実施形態では、突出壁30が略円形状に形成されているが、突出壁30の形状は、第一ブリーザ室21の形状に合わせて適宜変更することが可能である。例えば、突出壁30が楕円形状や多角形状に形成されていてもよい。また、突出壁30に形成される開口部31の形状や大きさも、使用する用途に応じて、各種の形状や大きさのものに変更することが可能である。
本実施形態では、ブリーザ構造1が、上下方向に形成された隔壁13に形成されているものを例示したが、これには限定されない。例えば、傾斜方向や水平方向に形成された隔壁13に、ブリーザ構造1が配されていてもよい。このように、本発明のブリーザ構造1は、各種の方向に形成することができる。なお、上部側からの水等の侵入が懸念される場合は、本実施形態のように上下方向に形成された隔壁13にブリーザ構造1を配することが望ましい。
本実施形態では、開口部31が、下方側に向けて傾斜するスロープ32を有するものとしたが、スロープ32は、開口部31や突出壁30の形状等に応じて、適宜設ければよい。また、開口部31が、スロープ32を有しないものとすることも可能である。また、スロープ32の傾斜角度や形状は、各種の角度や形状のものとすることができる。例えば、スロープ32が直線状や円弧状に形成されていてもよい。
本実施形態では、空隙部50が毛細管現象を発揮可能な隙間に形成されているが、これには限定されない。空隙部50の隙間は、上述した実施形態に限定されず、使用されるオイル等の液体に応じて、各種の数値に設定することが可能である。また、空隙部50は、毛細管現象を発揮可能でなくともオイル等を保持可能なものであれば各種の構造のものを採用できる。また、空隙部50は、突出壁30の周方向の少なくとも一部に亘って形成されていればよく、突出壁30の周方向の全域に亘って形成されていてもよい。また、空隙部50は、段状に掘り下げ形成されているものだけではなく各種の形状のものを採用できる。また、空隙部50は、突出壁30の突出端に設けられているものだけではなく、オイル等の液体を保持可能な各種の位置に配することができる。例えば、空隙部50が、蓋体40に設けられていてもよく、蓋体40及び突出壁30の双方に設けられていてもよい。また、空隙部50は、オイル等が接触する面に凹凸部や格子状の溝等が形成されていてもよい。
また、本実施形態では、第一ブリーザ室21の開口端が、ワッシャ40により閉塞されるものとしたが、第一ブリーザ室21を閉塞する蓋体40は、ワッシャ40に代えて、各種の部材を用いることができる。また、蓋体40は、第一ブリーザ室21や突出壁30の形状に応じて、各種の形状のものを採用できる。例えば、蓋体40が、楕円形状のものや多角形状のものであってもよい。また、蓋体40の固定方法は各種のものを採用することができ、ネジ41に代えて、ピンや爪等で係合させるようにしてもよい。また、支柱24を廃し、蓋体40が、直接的又は間接的に突出壁30に固定されてもよい。
また、本実施形態では、ブリーザ構造1において、ケース10(隔室10)が、変速機及びトルクコンバータ3を収容可能なものとし、ブリーザ室20が、エンジンと変速機との間に配されているものとしたが、これには限定されない。本発明のブリーザ構造1は、変速機を収納するケース10だけではなく、内外の差圧調整が必要な各種の部材に適用することができる。また、本実施形態では、ブリーザ構造1が、自動変速機(CVT)や有段式の自動変速機(AT)に用いられることを例示したが、ブリーザ構造1は、前記以外の変速機に用いることも可能である。また、ブリーザ構造1は、車両だけではなく、各種の装置に適用することができる。
また、本実施形態では、変速機から出たオイルが垂れるのを抑制する場合について例示したが、本発明のブリーザ構造1は、オイル以外の各種の液体に対して適用することが可能である。例えば、隔室10内に侵入した水や異物等の垂れに対しても本発明のブリーザ構造1は、適用が可能である。
以上が、本発明に係るブリーザ構造1の各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
本発明のブリーザ構造は、各種のケース(隔室)の内外における差圧の調整に利用することができる。また、本発明のブリーザ構造は、無段変速機(CVT)や有段式の自動変速機(AT)などの各種の変速機を収容するケースに好ましく利用することができる。
1 :ブリーザ構造(ブリーザ)
2 :変速ユニット
3 :トルクコンバータ
10 :ケース(隔室)
11 :前方側ケース(隔室)
12 :後方側ケース(隔室)
13 :隔壁
14 :周壁(隔壁)
20 :ブリーザ室
21 :第一ブリーザ室(ブリーザ室)
22 :第二ブリーザ室(ブリーザ室)
24 :支柱(ボス)
25 :ブリーザ孔
30 :突出壁
31 :開口部
40 :蓋体(ワッシャ)
41 :締結部材(ネジ)
50 :空隙部
55 :境界部

Claims (3)

  1. 隔壁により内外が仕切られた隔室の内外の差圧を低減させるためのブリーザ構造であって、
    前記隔壁の外側面に形成されたブリーザ室と、
    前記ブリーザ室と前記隔室とを連通させるブリーザ孔と、
    前記隔壁において前記ブリーザ室を取り囲むように前記隔室に対して内側から外側に向けて突出形成された突出壁と、
    前記突出壁の突出端と当接させることで前記ブリーザ室を閉塞させる蓋体と、
    前記突出壁の一部を切り欠くことにより形成され、前記ブリーザ室を外部に連通させる開口部と、
    前記突出壁及び前記蓋体の境界部において、前記突出壁の突出端及び前記蓋体の内側面のいずれか一方又は双方に形成された空隙部と、を備え、
    前記空隙部は、前記開口部の開口端から前記突出壁の周方向の少なくとも一部に亘って形成されると共に、前記境界部の外周縁に向けて開放されていること、を特徴とするブリーザ構造。
  2. 前記空隙部が、段状に掘り下げ形成されていること、を特徴とする請求項1に記載のブリーザ構造。
  3. 前記空隙部、及び前記空隙部と対向する前記蓋体の内側面のいずれか一方又は双方が、凹凸部又は溝部の少なくともいずれかを有すること、を特徴とする請求項1又は2に記載のブリーザ構造。
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