図1~図10を参照して、ガイライン格納装置50(図4参照)を備えるクレーン1(図1参照)について説明する。
クレーン1は、図1に示すように、ブーム13などを用いて作業を行う建設機械である。クレーン1は、下部走行体11と、上部旋回体12と、ブーム13と、ブーム起伏装置14と、を備える。クレーン1は、図2に示すように、アタッチメント30と、ガイライン40と、ガイライン格納装置50と、を備える。
下部走行体11は、図1に示すように、クレーン1を走行させる。下部走行体11は、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。上部旋回体12は、下部走行体11に旋回可能に搭載される。
ブーム13は、上部旋回体12に起伏可能に取り付けられる。ブーム13は、ブーム13の長手方向に延びるブーム13の中心軸が水平方向または略水平方向に延びるように伏せられた姿勢(倒伏姿勢)になることが可能である。ブーム13は、ブーム腹面13aと、ブーム背面13bと、を備える。ブーム腹面13aは、ブーム13が倒伏姿勢のときに、ブーム13の下面となる面である。ブーム背面13bは、ブーム13が倒伏姿勢のときに、ブーム13の上面となる面である。ブーム13は、ブーム13の長手方向に分解可能である。ブーム13は、下部ブーム13lと、中間ブーム13mと、上部ブーム13nと、を備える。下部ブーム13lは、ブーム13の基端部(上部旋回体12側の端部)に配置される。中間ブーム13mは、下部ブーム13lの先端部(上部旋回体12側とは反対側の端部)に連結される。上部ブーム13nは、中間ブーム13mの先端部に連結され、ブーム13の先端部に配置される。
ブーム起伏装置14は、上部旋回体12に対してブーム13を起伏させる装置である。ブーム起伏装置14は、ガントリ14aと、下部スプレッダ14bと、上部スプレッダ14cと、ブームガイライン14dと、ブーム起伏ロープ14eと、を備える。ガントリ14aは、上部旋回体12に取り付けられるコンプレッションメンバ14a1と、コンプレッションメンバ14a1の先端部と上部旋回体12の後端部とに接続されるテンションメンバ14a2と、を備える。下部スプレッダ14bは、複数のシーブを有する装置であり、コンプレッションメンバ14a1の先端部に設けられる。上部スプレッダ14cは、複数のシーブを有する装置であり、コンプレッションメンバ14a1の先端部とブーム13の先端部との間に配置される。ブームガイライン14dは、上部スプレッダ14cとブーム13の先端部とに接続される。ブーム起伏ロープ14eは、下部スプレッダ14bのシーブと上部スプレッダ14cのシーブとに掛けられる。図示しないウインチが、ブーム起伏ロープ14eを、巻き取りおよび繰り出しする。すると、下部スプレッダ14bと上部スプレッダ14cとの間隔が変わる。上部スプレッダ14cとブーム13の先端部とがブームガイライン14dで接続されているので、下部スプレッダ14bと上部スプレッダ14cとの間隔が変わると、ブーム13が上部旋回体12に対して起伏する。
なお、ブーム起伏装置14の構成は、様々に変更可能である。例えば、ガントリ14aに代えてマスト(図示なし)が設けられてもよい。この場合、マストは、上部旋回体12に起伏可能に取り付けられ、コンプレッションメンバ14a1と同様の位置に配置される。ブームガイライン14dは、マストの先端部とブーム13の先端部とに接続される。ブーム起伏ロープ14eは、マストの先端部に設けられたシーブと、上部旋回体12の後端部に設けられたシーブと、に掛けられる。そして、図示しないウインチが、ブーム起伏ロープ14eを巻き取りおよび繰り出しする。すると、マストが上部旋回体12に対して起伏する結果、ブーム13が、上部旋回体12に対して起伏する。また、クレーン1は、複数のマストを備えてもよく、ガントリ14aとマストとを備えてもよい。
アタッチメント30は、アタッチメント30の長手方向に分解可能である。以下では、分解された状態のアタッチメント30について説明する。アタッチメント30は、例えば、ブーム13の一部(例えば中間ブーム13m、上部ブーム13n)でもよい。アタッチメント30は、ブーム13に対して起伏するジブ(図示なし)でもよい。このジブは、ブーム13の先端部に取り付けられる。アタッチメント30は、マスト(図示なし)でもよい。クレーン1が分解された状態で輸送される際のアタッチメント30の姿勢を、アタッチメント30の「輸送姿勢」とする。図2に示すように、アタッチメント30が輸送姿勢のとき、アタッチメント30の腹面(例えばブーム腹面13a)が下面(下側Z2の面)、アタッチメント30の背面(例えばブーム背面13b)が上面(上側Z1の面)となるように配置される。アタッチメント30が輸送姿勢のときにアタッチメント30の下面となる面を、アタッチメント下面30aとする。アタッチメント30が輸送姿勢のときにアタッチメント30の上面となる面を、アタッチメント上面30bとする。ガイライン格納装置50が使用される際に、アタッチメント30が輸送姿勢である必要はない(詳細は後述)。以下では、特に断らない限り、アタッチメント30が輸送姿勢である場合について説明する。アタッチメント30は、ラチス構造を備える。アタッチメント30は、主柱31と、接続材33と、足場35と、を備える。
(方向)
アタッチメント30の長手方向を前後方向Xとする。前後方向Xにおいて、前後方向Xの一方側(例えばブーム13(図1参照)の先端側)を前側X1とし、その逆側(例えばブーム13(図1参照)の基端側)を後側X2とする。なお、前側X1と後側X2とは互いに逆でもよい。アタッチメント下面30aとアタッチメント上面30bとが対向する方向を上下方向Zとする。上下方向Zは、鉛直方向と一致する必要はない。上下方向Zにおいて、アタッチメント下面30aからアタッチメント上面30bに向かう側を上側Z1とし、その逆側を下側Z2とする。前後方向Xおよび上下方向Zのそれぞれに直交する方向を横方向Yとする。横方向Yは、水平方向と一致する必要はない。
主柱31は、図3に示すように、前後方向Xに延び、4本設けられる。前後方向Xから見たアタッチメント30の断面は長方形であるところ、主柱31は、この長方形の4つの角の位置に配置される。主柱31は、パイプである(接続材33も同様)。
接続材33は、複数の主柱31どうしをつなぐように主柱31に固定される。例えば、接続材33は、上下方向Zに延びるように設けられる縦材と、横方向Yに延びるように設けられる横材と、主柱31が延びる方向に対して傾斜した方向に延びるように設けられる斜材と、を備える。アタッチメント上面30bは、主柱31および接続材33により構成される。
足場35は、作業者がアタッチメント上面30bに乗るための部分である。足場35は、アタッチメント上面30b(さらに詳しくはアタッチメント上面30bを構成する接続材33など)に載せられ、アタッチメント上面30bに固定される。足場35は、例えば板状であり、アタッチメント上面30bに沿って延びるように設けられる。
ガイライン40は、図1に示すように、アタッチメント30(ここでは、組み立てられた状態のアタッチメント30、例えばブーム13)を起伏させるための部材である。ガイライン40は、例えばブームガイライン14dでもよく、ジブ(図示なし)を起伏させるものでもよく、ジブを起伏させるためのストラット(図示なし)を起伏させるものでもよい。ガイライン40は、ガイライン40の長手方向に分解可能である。図2に示すように、ガイライン40は、アタッチメント上面30b(アタッチメント30が輸送姿勢のときにアタッチメント30の上面となる面)に載せられ、アタッチメント上面30bに格納される。以下では、分解された状態のガイライン40であってアタッチメント上面30bに格納された状態(格納状態)のガイライン40について説明する。図3に示すように、ガイライン40は、例えば、アタッチメント30の横方向Yの両側(左右)に配置(格納)され、例えば、アタッチメント30の左右に2本ずつ(合計4本)配置される。なお、ガイライン40は、アタッチメント30の左右に1本ずつ配置されてもよく、3本以上ずつ配置されてもよい。ガイライン40は、アタッチメント30の左右に配置される必要はなく、左右いずれかのみに配置されてもよく、横方向Yの中央部などに配置されてもよい。以下では、主に1本のガイライン40について説明する。また、ガイライン40が前後方向Xに略延びるように配置されている場合について説明する。ガイライン40は、ケーブル41と、メスコネクタ43(コネクタ)と、オスコネクタ47(コネクタ)と、を備える。
ケーブル41は、ワイヤケーブルである。ケーブル41は、メスコネクタ43とオスコネクタ47とを(コネクタどうしを)つなぐように設けられる。なお、ガイライン40は、ケーブル41の一部または全部に代えて、リンク部材を備えてもよい。ガイライン40は、ガイケーブルでもよく、ガイリンクでもよい。
メスコネクタ43(コネクタ)は、分解された状態の複数のガイライン40どうしを連結するための部材である(図1参照)。メスコネクタ43は、ガイライン40の前側X1の端部(長手方向の端部)に設けられる。さらに詳しくは、メスコネクタ43は、ガイライン40が格納状態のときのガイライン40の前側X1の端部に設けられる。
オスコネクタ47(コネクタ)は、図1に示すように、分解された状態の複数のガイライン40どうしを連結するための部材である。図3に示すように、オスコネクタ47は、ガイライン40の後側X2の端部(長手方向の端部)に設けられる。さらに詳しくは、オスコネクタ47は、ガイライン40の長手方向の端部であってメスコネクタ43が設けられる側とは反対側の端部に設けられる。オスコネクタ47は、メスコネクタ43(さらに詳しくは、このオスコネクタ47を含むガイライン40とは異なるガイライン40のメスコネクタ43)に着脱可能である。
ガイライン格納装置50は、アタッチメント上面30bに、分解された状態のガイライン40を格納する(固縛する、保持する)ための装置である。ガイライン格納装置50は、アタッチメント上面30bにガイライン40が載せられた状態で、アタッチメント上面30bにガイライン40を格納するための装置である。以下では、主に、ガイライン40がガイライン格納装置50に格納された状態(固縛状態)について説明する。
このガイライン格納装置50は、アタッチメント30の輸送時に使用されてもよく、輸送時以外に使用されてもよい。ガイライン格納装置50は、クレーン1(図1参照)の分解時および組立時に、アタッチメント30を吊り上げて搬送する際に使用されてもよい。ガイライン格納装置50は、クレーン1を保管するヤードで、アタッチメント30を積み重ねて保管する際や、積み重ねたアタッチメント30を降ろす際などに、アタッチメント30を吊り上げて搬送する際に使用されてもよい。
このガイライン格納装置50は、ガイライン40のケーブル41を格納してもよい。ガイライン格納装置50は、ケーブル41を格納可能な位置に配置されてもよい。さらに詳しくは、ガイライン格納装置50は、アタッチメント30のうち、前後方向X両端部よりも、前後方向X内側部分に配置されてもよい。なお、図3に示すガイライン格納装置50は、メスコネクタ43を格納してもよく、オスコネクタ47を格納してもよい(図3において二点鎖線で示すガイライン格納装置50を参照)。例えば、ガイライン格納装置50は、メスコネクタ43のうちケーブル41が加締められる部分などを固縛してもよい(オスコネクタ47も同様)。ガイライン格納装置50は、アタッチメント30の前後方向Xにおける端部に配置されてもよい。
このガイライン格納装置50は、図2に示すように、アタッチメント上面30bに設けられる。例えば、ガイライン格納装置50は、足場35の上面(上側Z1の面)などに設けられる。ガイライン格納装置50が足場35の上面に設けられる場合は、足場35に乗る作業者がガイライン格納装置50に関する作業を容易に行うことができる。
このガイライン格納装置50は、図3に示すように、アタッチメント30に複数設けられてもよく、1つのみ設けられてもよい。ガイライン格納装置50は前後方向Xに間隔をあけて複数か所に設けられてもよい。ガイライン格納装置50は、横方向Yに間隔をあけて複数か所に設けられてもよい。例えば、ガイライン格納装置50は、アタッチメント30の前後方向Xにおける中央を挟むように、前後方向Xの両側に設けられてもよい。例えば、ガイライン格納装置50は、アタッチメント30の横方向Yにおける中央を挟むように、横方向Yの両側に設けられてもよい。ガイライン格納装置50は、複数本のガイライン40を格納してもよく、1本のみのガイライン40を格納してもよい。図3に示す例では、アタッチメント30に4本のガイライン40が格納され、1つのガイライン格納装置50に2本のガイライン40が格納される。以下では1つのガイライン格納装置50について説明する。図4に示すように、ガイライン格納装置50は、ベース部60と、リンク70と、ブラケット80と、保持部材90(接続部)と、を備える。
ベース部60は、アタッチメント30(図3参照)に対して、リンク70およびブラケット80などを支持する。ベース部60は、図3に示すアタッチメント30に固定され、例えば、アタッチメント上面30bに固定される。ベース部60は、足場35を介してアタッチメント上面30bに固定されてもよく、アタッチメント上面30bを構成するパイプ(接続材33など)に直接的に固定されてもよい。ベース部60は、締結部材などにより着脱可能にアタッチメント30に固定されてもよく、溶接によりアタッチメント30に固定されてもよい。図7に示すように、ベース部60は、ベース部本体部61と、ベース固定部62(図5参照)と、ブラケットガイド部63と、ベース突出部65と、リンク支持部67と、ベース部側格納部69と、を備える。
ベース部本体部61は、ベース部60の本体部分である。ベース部本体部61は、例えば、前後方向Xおよび横方向Yに延びるように設けられ、例えば板状である。
ベース固定部62は、ベース部60をアタッチメント30(図3参照)に固定するための部分である。例えば、ベース固定部62は、ベース部60を足場35に固定するための部分である。具体的には例えば、ベース固定部62は、ベース固定部62とベース部本体部61とで足場35を挟むように配置される。このようにベース固定部62が配置された状態で、ベース固定部62とベース部本体部61とが、締結部材(例えばねじを用いたものなど)により締結される。
ブラケットガイド部63は、図4に示すように、ベース部60に対するブラケット80の移動をガイド(制限)する。例えば、ブラケットガイド部63は、ベース部60に対するブラケット80の上下方向Zの移動を許容し、前後方向Xおよび横方向Yの移動を制限する。具体的には例えば、ブラケットガイド部63は、ブラケット80(さらに詳しくは後述する丸棒状部81e)の下側Z2部分を差し込み可能である。ブラケットガイド部63は、例えば、ベース部本体部61に設けられた孔などであり、例えば、ベース部本体部61を上下方向Zに貫通する孔などである。図4に示す例では、ブラケットガイド部63は、ベース部本体部61の横方向Y両側(左右)に設けられる。図4に示す例では、左右のブラケットガイド部63のそれぞれは、前後方向Xに間隔をあけて2つずつ設けられる。例えば、ブラケットガイド部63は、横方向Yに長い長孔である。この場合、様々な横方向Yの長さのブラケット80を、ブラケットガイド部63に取り付けることができる。ブラケットガイド部63は、長孔でない孔(例えば円形状の孔など)でもよい。なお、ブラケットガイド部63と同様に、図5に示す足場35にも、ブラケット80(さらに詳しくは丸棒状部81e)を差し込み可能な孔が設けられる。
ベース突出部65は、例えば、リンク支持部67およびベース部側格納部69が設けられる部分である。ベース突出部65は、ベース部本体部61から上側Z1に突出する。図7に示すように、ベース突出部65は、例えば、前後方向Xおよび横方向Yに延びるように設けられ、例えば、板状部分を備える。例えば、ベース突出部65は、複数枚(例えば2枚)の板状部分を備える。ベース突出部65は、1枚の板状でもよく、ブロック状などでもよい。
リンク支持部67は、ベース部60に対してリンク70を支持する(リンク70の支持については後述)。例えば、リンク支持部67は、ベース突出部65に設けられる。リンク支持部67は、例えば、ベース突出部65を前後方向Xに貫通する孔などであり、例えばリンク軸部73(後述)を差し込み可能な孔(ピン孔)などである。
ベース部側格納部69は、ベース部60にブラケット80を格納するための部分である(図9参照、ブラケット80の格納については後述)。例えば、ベース部側格納部69は、ベース突出部65に設けられる。ベース部側格納部69は、例えば、ベース突出部65を前後方向Xに貫通する孔などであり、例えば、保持部材90(図10参照)を差し込み可能な孔(ピン孔)などである。ベース部側格納部69は、リンク支持部67が設けられるベース突出部65と共通のベース突出部65に設けられる。この場合、ベース部側格納部69およびリンク支持部67を簡素に構成することができる。ベース部側格納部69とリンク支持部67とは、個別の部材に設けられてもよい。
リンク70は、図5に示すように、使用状態のブラケット80とベース部60とをつなぐ。さらに詳しくは、リンク70(および保持部材90)は、使用状態のブラケット80を、ベース部60から取り外し不可能な状態にする。図7に示すように、リンク70は、ベース部60(さらに詳しくはリンク支持部67)に支持される。
このリンク70は、ベース部60に上下方向Zに移動可能に取り付けられることが好ましい。例えば、リンク70は、ベース部60に上下方向Zに回転可能に取り付けられる。例えば、リンク70は、ベース部60に上下方向Zにスライド(平行移動)可能に取り付けられてもよい(図示なし)。なお、リンク70は、ベース部60に、上下方向Zに移動不可能に固定されてもよい。以下では、リンク70が、ベース部60に上下方向Zに移動可能に取り付けられ、リンク70の上下方向Zの移動可能範囲のうち最も上側Z1(または略最も上側Z1)の位置に配置された状態(リンク突出状態)について説明する。
このリンク70の一部は、図5に示すように、使用状態のブラケット80よりも上側Z1に配置される。さらに詳しくは、リンク70の上側Z1部分(さらに詳しくは後述する保持部材取付部75)は、使用状態のブラケット80よりも上側Z1に配置される。リンク70は、リンク本体部71と、リンク軸部73と、保持部材取付部75と、を備える。
リンク本体部71は、例えば、上下方向Zおよび横方向Yに延びるように設けられ、例えば板状である。リンク本体部71は、図4に示す例では1枚の板状であり、複数枚の板状でもよい。リンク本体部71は、板状でなくてもよく、棒状などでもよい。
リンク軸部73は、図7に示すように、ベース部60(さらに詳しくはリンク支持部67)に取り付けられる。リンク軸部73は、ベース部60に対してリンク70が回転可能になるように、リンク70を支持する部分である。例えば、リンク軸部73は、円柱状部分を有する部材(ピン)である。例えば、リンク軸部73は、リンク本体部71およびリンク支持部67に差し込まれる。例えば、リンク軸部73は、リンク本体部71から前後方向Xに突出する。
保持部材取付部75は、図5に示すように、保持部材90を取り付け可能な部分である。例えば、保持部材取付部75は、リンク本体部71に設けられる。保持部材取付部75は、例えば、リンク本体部71に設けられる孔であり、例えば、リンク本体部71を前後方向Xに貫通する孔である。保持部材取付部75は、例えば、保持部材90を取り付け可能な孔(例えばピン孔)である。
ブラケット80は、ガイライン40の移動を制限する部材である。ブラケット80は、ガイライン40を格納するときの使用状態と、ガイライン40を格納しないときに取り得る格納状態(図10参照)と、になることが可能である。以下では、主に、使用状態のブラケット80について説明し、格納状態については後述する。
このブラケット80(さらに詳しくは使用状態のブラケット80)およびベース部60は、ガイライン40の上下方向Zおよび横方向Yの移動を制限する。ブラケット80およびベース部60は、上下方向Zおよび横方向Yのそれぞれからガイライン40を挟むように配置可能である。図7に示すように、ブラケット80は、ブラケット本体部81と、ブラケット突出部85と、ブラケット側格納部89と、を備える。
ブラケット本体部81は、ブラケット80の本体部分である。図5に示すように、ブラケット本体部81は、前後方向Xから見たとき、例えば略U字状などである。ブラケット本体部81は、上移動制限部81aと、横移動制限部81bと、傾斜部81cと、リンク差込部81d(図4参照)と、を備える。図4に示すように、ブラケット本体部81は、棒状部分(例えば後述する丸棒状部81eなど)を備えてもよく、板状部分(例えば後述する丸棒連結部81fなど)を備えてもよく、これら以外の形状の部分を備えてもよい。ブラケット本体部81が棒状部分を備える場合、この棒状部分の断面(棒状部分の長手方向から見た断面)は、丸い形状(詳細は丸棒状部81eの説明を参照)でもよく、多角形または略多角形(例えば四角形、略四角形など)でもよい。ブラケット本体部81は、棒状部分を備えずに、板状部分を備えてもよい。図4に示す例では、ブラケット本体部81は、丸棒状部81eと、丸棒連結部81fと、を備える。
上移動制限部81aは、図5に示すように、ガイライン40の上側Z1への移動を制限する。上移動制限部81aは、ブラケット本体部81の上側Z1部分に設けられる。例えば、上移動制限部81aは、横方向Yに延びるように設けられる。例えば、上移動制限部81aは、上側Z1から見たときに略長方形状などである(図4参照)。
横移動制限部81bは、ガイライン40の横方向Yへの移動を制限する。横移動制限部81bは、ガイライン40が、上移動制限部81aとベース部本体部61とに挟まれた領域から横方向Y外側に移動することを制限する。横移動制限部81bは、ブラケット本体部81の横方向Y外側の両側(左右)に設けられる。例えば、横移動制限部81bは、上下方向Zに延びるように設けられる。
傾斜部81cは、図10に示すように、ブラケット80が格納状態のときに、アタッチメント上面30b(図3参照)にある物(後述)がブラケット80に引っ掛かることを抑制する。具体的には例えば、傾斜部81cは、横方向Y外側ほど下側Z2に配置されるように、横方向Yおよび上下方向Zに対して傾斜する。例えば、傾斜部81cは、ブラケット本体部81のうち横方向Yに延びるように設けられる部分と、ブラケット本体部81のうち上下方向Zに延びるように設けられる部分と、を曲面で滑らかにつなぐように設けられる。例えば、傾斜部81cは、前後方向Xから見たときに、円弧状でもよく、楕円弧状でもよく、略円弧状でもよく、略楕円弧状でもよい。例えば、傾斜部81cは、前後方向Xから見たときに、直線状でもよい。
リンク差込部81dは、図4に示すように、リンク70を差し込み可能な部分である。リンク差込部81dは、ブラケット本体部81の上側Z1部分に設けられる。リンク差込部81dは、ブラケット本体部81の上側Z1部分を上下方向Zに貫通する孔(差込孔)などである。リンク差込部81dは、例えば、丸棒連結部81fに設けられる。
丸棒状部81eは、丸棒状である。丸棒状部81eの長手方向から見た断面は、丸い形状であり、例えば、円形でもよく、楕円形でもよく、略円形でもよく、略楕円形でもよい。丸棒状部81eは、ブラケット80の上側Z1部分および横方向Y両側部分に設けられる。例えば、丸棒状部81eは、図5に示す上移動制限部81a、横移動制限部81b、および傾斜部81cを構成する。丸棒状部81eは、複数設けられてもよく、1つのみ設けられてもよい。図4に示す例では、丸棒状部81eは、前後方向Xに間隔をあけて2つ設けられる。図5に示す例では、丸棒状部81eは、ブラケット本体部81の横方向Y外側の一方側(右側)部分、上側Z1部分、横方向Y外側の他方側(左側)部分にわたって、連続的に(途切れずに)設けられる。
丸棒連結部81fは、図4に示す複数の丸棒状部81e・81eどうしをつなぐ(前後方向Xにつなぐ)部分である。丸棒連結部81fは、例えば板状などである。丸棒連結部81fは、ブラケット本体部81の上側Z1部分および横方向Y外側部分に設けられる。例えば、丸棒連結部81fは、丸棒状部81e・81eのうち、上移動制限部81a(図5参照)を構成する部分を連結する。例えば、丸棒連結部81fは、丸棒状部81e・81eのうち、横方向Yに延びるように設けられる部分を連結する。例えば、丸棒連結部81fは、傾斜部81cを構成する丸棒状部81eを連結してもよく、しなくてもよい。例えば、丸棒連結部81fは、ブラケット本体部81の下側Z2部分を構成する丸棒状部81e・81eを連結しなくてもよい(連結してもよい)。例えば、丸棒連結部81fは、丸棒状部81e・81eのうち上下方向Zに延びるように設けられる部分を連結しなくてもよい(連結してもよい)。
ブラケット突出部85は、図5に示すように、ブラケット側格納部89が設けられる部分である。ブラケット突出部85は、ブラケット本体部81に設けられ、例えば、ブラケット本体部81の上側Z1部分に設けられる。具体的には例えば、ブラケット突出部85は、ブラケット本体部81の上側Z1部分の丸棒状部81eから下側Z2に突出する。図7に示すように、ブラケット突出部85は、例えば横方向Yおよび上下方向Zに延びるように設けられ、例えば板状などである。ブラケット突出部85は(ブラケット側格納部89は)、複数設けられてもよく、1つのみ設けられてもよい。例えば、ブラケット突出部85は(ブラケット側格納部89は)、ブラケット本体部81の前後方向X両側部分に設けられてもよい。
ブラケット側格納部89は、図10に示すように、ベース部60にブラケット80を格納するための部分である(ブラケット80の格納については後述)。ブラケット側格納部89は、ブラケット突出部85に設けられる。ブラケット側格納部89は、例えば、ブラケット突出部85に設けられた孔であり、例えば、ブラケット突出部85を前後方向Xに貫通する孔である。ブラケット側格納部89は、例えば、保持部材90を差し込み可能な孔(ピン孔)などである。
保持部材90(接続部)は、図4に示すように、リンク70からブラケット80が外れることを制限する部材である。図9に示すように、保持部材90は、格納状態のブラケット80をベース部60に固定する部材でもある(後述)。図4に示すように、保持部材90は、リンク70に対するブラケット80の上側Z1への移動を制限する。保持部材90は、リンク70(さらに詳しくは保持部材取付部75)に着脱可能である。保持部材90は、ブラケット80(さらに詳しくは使用状態のブラケット80)よりも上側Z1の位置でリンク70に取り付けられる。保持部材90は、保持部材本体部91と、抜止部93と、を備える。
保持部材本体部91は、保持部材90の本体部である。保持部材本体部91は、保持部材取付部75などに取り付けられる(差し込まれる)部分である。例えば、保持部材本体部91は、略円柱状などであり、棒状などである。保持部材取付部75に取り付けられた保持部材本体部91の長手方向は、前後方向Xである。
抜止部93は、保持部材90が保持部材取付部75などから抜けることを防ぐ。抜止部93は、例えば、スプリングを有する。この場合、保持部材90は、スプリングピンである。なお、抜止部93は、スプリングを有するものでなくてもよい。
(ガイライン40の固縛状態)
ガイライン格納装置50にガイライン40が格納(固縛)された状態のとき、ガイライン40およびガイライン格納装置50の各部は、次の状態となる。図5に示すように、ガイライン40が、ブラケット80およびベース部60に、上下方向Zおよび横方向Yのそれぞれから挟まれるように配置される。さらに詳しくは、ガイライン40が、ブラケット80およびベース部60に囲まれた領域を通るように配置される。さらに詳しくは、ガイライン40が、上移動制限部81aとベース部本体部61との間、および、左右の横移動制限部81b・81bの間に配置される。
ブラケット80の丸棒状部81eの下側Z2部分が、ブラケットガイド部63に差し込まれる。これにより、次の効果が得られる。例えばガイライン40のがたつきなどによってベース部60に対してブラケット80が動く場合がある。この場合でも、図4に示すように、ベース部本体部61とブラケット80とは接触しない(または接触が抑制される)。さらに詳しくは、ベース部60に対してブラケット80が動いても、ブラケット80とベース部60とが接触する部分は、ブラケットガイド部63の内面と、丸棒状部81eの下側Z2部分のみである。よって、ベース部60とブラケット80との接触による、ベース部60およびブラケット80の損傷を抑制することができる。また、仮に何らかの原因でブラケット80が変形し、例えばブラケット80の横方向Y中央部に対して、ブラケット80の横方向Y外側部分が上側Z1に変形したとする。この場合でも、ブラケット80の横方向Y外側の端部(具体的には丸棒状部81eの下側Z2部分)を、ブラケットガイド部63に差し込むことができる。よって、ブラケット80からガイライン40が外れることが抑制される。
図5に示すように、リンク70が、上下方向Zの移動可能範囲のうち最も上側Z1(または略最も上側Z1)の位置に配置された状態(リンク突出状態)とされる。図4に示すように、リンク70が、ブラケット80(さらに詳しくはリンク差込部81d)に差し込まれた状態とされる。保持部材取付部75が、ブラケット80の上側Z1部分よりも上側Z1に配置される。
図5に示すように、保持部材90が、ブラケット80よりも上側Z1の位置で、リンク70(さらに詳しくは保持部材取付部75)に取り付けられる。その結果、ブラケット80が、リンク70から上側Z1に外れることが制限される。その結果、ガイライン40が、ガイライン格納装置50に固縛される。ガイライン格納装置50がガイライン40をアタッチメント30(図3参照)に固縛するので、線材(ワイヤなど)でガイライン40をアタッチメント30に固縛する必要がない。
ガイライン40がガイライン格納装置50に固縛されたとき、上移動制限部81aが、ガイライン40の上側Z1への移動を制限する。よって、図2に示すガイライン40が、アタッチメント上面30bから上側Z1に移動することが抑制される。図5に示すように、ガイライン40がガイライン格納装置50に固縛されたとき、横移動制限部81bが、ガイライン40の横方向Yの移動を制限する。よって、図2に示すガイライン40が、アタッチメント上面30bにおいて横方向Yに移動することが抑制される。
ここで、例えば、図3に示すガイライン40の長手方向両端部(例えば、メスコネクタ43、オスコネクタ47)のみが固縛される場合は、ケーブル41(ガイライン40の途中部分)が自由に移動するおそれがある。すると、図2に示すケーブル41が、アタッチメント上面30bから上側Z1に移動する(例えば跳ね上がる)おそれがある(図2において二点鎖線で示すケーブル41を参照)。すると、例えば、跳ね上がったケーブル41がアタッチメント30より上側Z1に有る物(例えば歩道橋など)と干渉するおそれがある。また、図3に示すケーブル41が、アタッチメント30の横方向Y外側の端部(具体的には主柱31)よりも横方向Y外側に移動する(例えば脱落する)おそれがある。一方、ガイライン格納装置50が、ケーブル41を格納する場合は、ケーブル41の横方向Yおよび上側Z1への移動を制限することができる。よって、図2に示すガイライン40が、アタッチメント上面30bから跳ね上がること(図2において二点鎖線で示すガイライン40を参照)が抑制される。例えば、アタッチメント30の輸送時にガイライン40がアタッチメント上面30bから跳ね上がり、ガイライン40が歩道橋などと干渉することが抑制される。また、ガイライン40が、図3に示すアタッチメント30の横方向Y外側の端部よりも横方向Y外側に配置される(飛び出す、脱落する)ことが抑制される。
(ガイライン40の取り外し)
図4に示すガイライン40が、ガイライン格納装置50から取り外される手順の例は、次の通りである。図6に示すように、保持部材90が、リンク70(さらに詳しくは保持部材取付部75)から取り外される。図7に示すように、ブラケット80が、リンク70およびベース部60(さらに詳しくはブラケットガイド部63)から取り外される(例えば引き抜かれる)。この状態で、図6に示すガイライン40が、ガイライン格納装置50から取り外される。
(ブラケット80の格納)
図7に示すように、ガイライン格納装置50からガイライン40(図6参照)が取り外された状態で、次のように、ブラケット80が格納される。リンク70の保持部材取付部75が下側Z2に移動するように、リンク70が、下側Z2に移動させられる。具体的には例えば、保持部材取付部75が下側Z2に移動する向きに、リンク70が、リンク支持部67を中心に回転させられる(倒される)。例えば、リンク70の先端部が、ベース部本体部61に支持された状態になる。リンク70が下側Z2に移動させられた状態(例えば倒された状態)で、図8に示すように、ブラケット80が(さらに詳しくは丸棒状部81eが)、ブラケットガイド部63に差し込まれる。
(格納状態のブラケット80などの配置)
ブラケット80が、使用状態のときのブラケット80(図4参照)の位置よりも下側Z2に配置された格納状態になる。さらに詳しくは、ブラケット80がブラケットガイド部63に差し込まれるので、使用状態のときのブラケット80(図4参照)の位置よりも下側Z2に(低い位置に)、格納状態のブラケット80を配置することができる。このとき、ブラケット側格納部89の位置が、ベース部側格納部69(図7参照)の位置と合う。さらに詳しくは、ブラケット側格納部89の孔が、ベース部側格納部69(図7参照)の孔と前後方向Xに連通する。このとき、例えば、丸棒連結部81fの下側Z2端部が、ベース部本体部61に接触してもよい。
図9に示すように、保持部材90が、ブラケット側格納部89およびベース部側格納部69(図7参照)に取り付けられる(例えば差し込まれる)。その結果、ブラケット80が、ベース部60に固定される。よって、例えば、アタッチメント30(図2参照)が上下方向Zに揺れても、ベース部60に対してブラケット80が上下方向Zに移動することが抑制される。よって、ベース部60に対するブラケット80のがたつきや跳ね上がりが抑制される。
図10に示すように、ブラケット80が格納状態のときに、リンク70、ベース突出部65(ベース部側格納部69、ブラケット側格納部89)、および保持部材90は、前後方向Xから見てブラケット80の内側に配置されることが好ましい。さらに詳しくは、リンク70、ベース突出部65、および保持部材90は、格納状態のブラケット80の上側Z1部分よりも下側Z2、かつ、格納状態のブラケット80の横方向Y外側部分(左右両側部分)よりも横方向Y内側に配置されることが好ましい。この配置により、図2に示すアタッチメント上面30bに有る物がガイライン格納装置50に引っ掛かることが抑制される。上記「アタッチメント上面30bに有る物」は、例えば足場35の上面に有る物である。具体的には例えば、上記「アタッチメント上面30bに有る物」は、アタッチメント上面30bに置かれたガイライン40(例えばケーブル41)、巻上ロープ(図示なし)、足場35に乗る作業者などである。
このとき、図7に示すリンク70は、図9に示すように、ブラケット80に対して前後方向Xにはみ出ないことが好ましい。さらに詳しくは、リンク70(図7参照)の全体は、ブラケット80とベース部本体部61とが対向する領域に収まることが好ましい。同様に、ベース突出部65(ベース部側格納部69、ブラケット側格納部89)は、ブラケット80に対して前後方向Xにはみ出ないことが好ましい。なお、保持部材90の少なくとも一部は、ブラケット80に対して前後方向Xにはみ出てもよい。保持部材90の全体は、ブラケット80に対して前後方向Xにはみ出なくてもよい(図示なし)。
アタッチメント上面30b(図2参照)に有る物(例えばケーブル41(図4参照)や巻上ロープ(図示なし)など)が、ブラケット80よりも横方向Y外側の位置から、ブラケット80に接触するとする。このとき、アタッチメント上面30bに有る物が、傾斜部81cに接触しながら横方向Yにさらに移動し、ブラケット80の上側Z1の面に移動しやすい。よって、アタッチメント上面30bに有る物が、ブラケット80に引っ掛かることが抑制される。
また、アタッチメント上面30bに有る物が、ブラケット80よりも横方向Y外側の位置から、ブラケット80の丸棒状部81eに接触する。このとき、アタッチメント上面30bに有る物と丸棒状部81eとが、例えば点接触(例えば1点または2点で接触)する。よって、アタッチメント上面30bに有る物とブラケット80とが線接触や面接触する場合に比べ、アタッチメント上面30bに有る物とブラケット80との摩擦が抑制される。よって、アタッチメント上面30bに有る物が、ブラケット80に引っ掛かることが抑制される。
なお、図4に示すガイライン格納装置50からのガイライン40の取り外し、およびブラケット80の格納の手順に対して、逆または略逆の手順により、ガイライン40がガイライン格納装置50に格納される。
(作業者が作業を行う位置)
ガイライン格納装置50に対するガイライン40の取り外しおよび格納の作業を、作業者が、図2に示すアタッチメント上面30bで(例えば足場35上で)完結できることが好ましい。図4に示すベース部60へのブラケット80の格納、および、ベース部60に格納されたブラケット80の取り外しの作業を、作業者が、図2に示すアタッチメント上面30bで完結できることが好ましい。さらに詳しくは、足場35に乗っている作業者が、図4に示すリンク70に対する保持部材90の着脱、図7に示すリンク70の状態変化(例えば回転)、およびベース部60に対するブラケット80の着脱を行えることが好ましい。作業者が、図2に示すアタッチメント上面30bで作業を完結できる場合、作業者がアタッチメント30から降りて作業する必要がある場合に比べ、作業者の作業性が向上する。例えば、図5に示す保持部材90が着脱される部分(具体的には例えば、保持部材取付部75、ベース部側格納部69、ブラケット側格納部89)が、足場35よりも上側Z1に配置されることが好ましい。例えば、リンク70が、足場35よりも上側Z1に配置されることが好ましい。
(第1の発明の効果)
図2に示すガイライン格納装置50による効果は、次の通りである。ガイライン格納装置50は、クレーン1(図1参照)のアタッチメント30が分解された状態かつ輸送姿勢のときにアタッチメント上面30bとなる面に、分解された状態のガイライン40を格納するためのものである。図4に示すように、ガイライン格納装置50は、ベース部60と、ブラケット80と、リンク70と、保持部材90と、を備える。ベース部60は、アタッチメント30(図2参照)に固定される。ブラケット80は、ガイライン40を格納する使用状態になることが可能である。リンク70は、ベース部60と使用状態のブラケット80とをつなぐ。
[構成1-1]保持部材90は、リンク70に着脱可能である。
[構成1-2]図5に示すように、ベース部60および使用状態のブラケット80は、ガイライン40を上下方向Zおよび横方向Yのそれぞれから挟むように配置可能である。
[構成1-3]リンク70の一部は、使用状態のブラケット80よりも上側Z1に配置される。保持部材90は、ベース部60よりも上側Z1の位置かつ使用状態のブラケット80よりも上側Z1の位置でリンク70に取り付けられることで、リンク70に対するブラケット80の上側Z1への移動を制限するように構成される。
上記[構成1-1]および[構成1-3]により、保持部材90を、ベース部60よりも上側Z1かつブラケット80よりも上側Z1の位置で、リンク70に着脱することができる。よって、リンク70に対する保持部材90の着脱の位置(ブラケット80を保持する保持部材90の着脱の位置)が、ブラケット80の上側Z1端部やベース部60よりも下側Z2である場合などに比べ、保持部材90の着脱の作業を容易に行うことができる。
(第2の発明の効果)
[構成2]図7に示すように、リンク70は、ベース部60に上下方向Zに移動可能に取り付けられる。
上記[構成2]により、次の効果が得られる。上記[構成1-3]では、図4に示すように、リンク70の一部は、使用状態のブラケット80よりも上側Z1に配置される。そのため、ガイライン格納装置50がガイライン40を格納しない状態のときに、リンク70が邪魔になる場合がある。そこで、上記[構成2]では、図7に示すように、リンク70は、ベース部60に上下方向Zに移動可能に取り付けられる。よって、ガイライン格納装置50がガイライン40(図4参照)を格納しない状態のときに、リンク70が邪魔になるのを抑制することができる。
(第3の発明の効果)
[構成3]リンク70は、ベース部60に上下方向Zに回転可能に取り付けられる。
上記[構成3]により、上下方向Zに移動可能なリンク70の構成を、簡易な構成とすることができる。また、作業者が、リンク70を上下方向Zに移動させる作業を、容易に行うことができる。
(第4の発明の効果)
[構成4]図10に示すように、ガイライン格納装置50は、ブラケット80をベース部60に固定する接続部(保持部材90)を備える。ベース部60は、ベース部側格納部69を備える。ブラケット80は、ブラケット側格納部89を備える。接続部(保持部材90)は、ベース部側格納部69とブラケット側格納部89とを接続することで、格納状態でブラケット80をベース部60に固定する。上記「格納状態」は、使用状態のブラケット80(図5参照)よりも下側Z2にブラケット80が配置された状態である。
上記[構成4]により、ベース部60に対して、格納状態のブラケット80を固定することができる。よって、アタッチメント30(図2参照)が上下方向Zに移動した場合でも、ベース部60に対してブラケット80が上下方向Zに移動すること(がたつきや跳ね上がり)を抑制することができる。また、格納状態のブラケット80は、使用状態のブラケット80(図5参照)よりも下側Z2に配置される。よって、アタッチメント上面30b(図2参照)に有る物が格納状態のブラケット80に引っ掛かることを抑制することができる。
(第5の発明の効果)
[構成5]接続部(上記[構成4]参照)は、保持部材90である。
上記[構成5]により、ベース部側格納部69とブラケット側格納部89とを接続する接続部として、図5に示す保持部材90(上記[構成1-3])を利用することができる。よって、図10に示すベース部側格納部69とブラケット側格納部89とを接続する接続部を、保持部材90とは別に設ける必要がある場合に比べ、ガイライン格納装置50の部品数を削減することができる。
(第6の発明の効果)
[構成6]リンク70、ベース部側格納部69、ブラケット側格納部89、および接続部(例えば保持部材90)のそれぞれは、格納状態のブラケット80の上側Z1部分よりも下側Z2、かつ、格納状態のブラケット80の横方向Y両側部分よりも横方向Y内側に配置される。
上記[構成6]により、リンク70、ベース部側格納部69、ブラケット側格納部89、および接続部(例えば保持部材90)が、格納状態のブラケット80の内側に配置される。よって、アタッチメント上面30b(図2参照)の物が、リンク70、ベース部側格納部69、ブラケット側格納部89、および接続部(例えば保持部材90)の少なくともいずれかに引っ掛かることが抑制される。
(第7の発明の効果)
[構成7]図4に示すように、ブラケット80は、丸棒状の丸棒状部81eを備える。丸棒状部81eは、ブラケット80の上側Z1部分および横方向Y両側部分に設けられる。
上記[構成7]により、アタッチメント上面30b(図2参照)の物とブラケット80との摩擦を抑制することができる。その結果、アタッチメント上面30bの物がブラケット80に引っ掛かることを抑制することができる。
(第8の発明の効果)
図2に示すように、ガイライン40は、コネクタ(メスコネクタ43およびオスコネクタ47の少なくともいずれか)とケーブル41と、を備えるものである。コネクタは、ガイライン40の長手方向の端部に設けられる。ケーブル41は、コネクタどうしをつなぐ(メスコネクタ43とオスコネクタ47とをつなぐ)ように設けられる。
[構成8]図4に示すベース部60、ブラケット80、および保持部材90は、ケーブル41を格納可能な位置に配置される。
上記[構成8]では、ガイライン格納装置50が、ケーブル41を格納することができる。よって、ケーブル41がアタッチメント上面30b(図2参照)に対して上側Z1に移動すること(例えば、跳ね上がり)を抑制することができる。また、図3に示すアタッチメント上面30bに対して横方向Y外側にケーブル41が移動すること(例えばアタッチメント30からの脱落)を抑制することができる。
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の各構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。例えば、各構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、作動など)の一部のみを有してもよい。