JP7367523B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本開示は、例えばミラーやコンバイナ等を用いて表示を行う表示装置に関する。
従来、自動車に搭載される表示装置として、特許文献1に記載のような表示装置が知られている。例えば、ミラー(即ち、反射鏡)等を用いて虚像を表示する虚像方式の表示装置が知られている。
この種の車載ディスプレイでは、LED等から反射鏡に対して文字や映像等の画像を表示する光を照射し、その光を反射鏡にて運転者等の乗員側に反射させることで、あたかも反射鏡の後方に画像があるように表示する。つまり、反射鏡にて画像の虚像を表示する。LEDは、Light Emitting Diodeの略である。
なお、反射鏡としては、背面側に反射鏡の構造材である土台部品を備え、その土台部品の表面側に、光を反射する反射面部品が配置されたものが知られている。
また、近年の車載ディスプレイでは、多くの表示を行うことが望まれているので、上述した反射鏡の寸法も大きくなっている。例えば、350mm~1500mmのような長尺の反射鏡も検討されている。
ところで、反射鏡が長尺となると、温度による寸法の変化が大きいので、温度差による部材間の線膨張差を吸収したり逃がす必要があり、そのため、各種の対策が考えられている。
例えば、図10の上図に示すように、高剛性の土台部品P1の表面側に、柔軟性を有し若干の変形が可能な接着剤P2を介して、板状の反射面部品P3を貼り合わせた反射鏡が知られている。
また、図10の下図に示すように、高剛性の土台部品P4の表面側に、スポンジ等の保持材P5を介して、反射面部品P6を土台部品P4から浮かした状態で保持するとともに、反射面部品P6の長手方向の自由端を保持材P7で摺動可能に保持した反射鏡が知られている。
国際公開第2017/072841号
しかしながら、長尺の反射鏡を用いる場合には、上述した対策を行ったときでも、路面状態、エンジンやエアコンやスピーカ等の作動状態によっては、好ましくない振動が発生する恐れがある。つまり、反射鏡の外部から加わる振動によって、反射鏡に共振が発生する恐れがある。
このような共振が発生すると、反射鏡による表示が揺れたり、びびり音が発生する恐れがある。また、反射鏡の過度の振動によって、反射鏡が変形したり、反射鏡に破損が発生する恐れがある。
本開示の一つの局面は、反射鏡等の光の反射を利用する部材を用いて表示を行う場合に、その反射を行う部材の振動を抑制することができる技術を提供することにある。
本開示の一態様の表示装置(1)は、反射表示部(17)と駆動部(31)と駆動制御部(35,S110)とを備えている。
反射表示部は、光を発する発光部から入射した光を反射させ、当該光の反射光を用いて、人が視認可能な表示を行うように構成されている。
駆動部は、反射表示部に対して振動を加えることが可能なように構成されている。
駆動制御部は、駆動部の動作を制御して、反射表示部の振動状態を制御するように構成されている。
このような構成により、本開示では、例えば反射鏡のような反射表示部が外部からの振動によって共振するような場合には、例えば制振アクチュエータのような駆動部の動作を制御して、反射表示部に対して共振を抑制するような振動を与えることができる。つまり、駆動制御部によって駆動部を制御することによって、反射表示部の共振を抑制することが可能である。そのため、例えば反射表示部による表示の揺れやびびり音の発生を抑制することができる。また、反射表示部の変形や反射表示部の破損を抑制することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の表示装置を備えた車両の内部を側方から見たように示す説明図。 第1実施形態の反射鏡及び表示部を模式的に示す斜視図。 第1実施形態の反射鏡を水平方向に沿って破断して模式的に示す説明図。 第1実施形態の表示装置の電気的構成を示すブロック図。 外部から反射面部品に加わる振動Aの波形と制振アクチュエータによって反射面部品に加える振動Bの波形とを示すグラフ。 第1実施形態の表示制御装置による制御処理を示すフローチャート。 第3実施形態の反射鏡を水平方向に沿って破断し、ノイズキャンセリングの説明を示す説明図。 第3実施形態の他の反射鏡を水平方向に沿って破断し、フォースバック機能の説明を示す説明図。 第5実施形態の反射面部品等やその振動方向を示す説明図。 従来の反射鏡の構成を示す説明図。
以下に、本開示の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
まず、本第1実施形態の表示装置の全体構成について説明する。
図1に示すように、本第1実施形態の表示装置1は、自動車である車両3に搭載されて、運転者等の乗員に対して、文字や記号や映像等の各種の画像を表示する装置である。即ち、車載ディスプレイである。
この表示装置1は、運転席や助手席の前方のダッシュボード5に配置されている。詳しくは、ウインドシールド7の下方にダッシュボード5が配置され、ダッシュボード5は、その上面側に、各種の計器類を装着するインストルメントパネル(即ち、IPパネル)9を備えている。IPパネル9の運転席及び助手席側(即ち、車両3の後方側)には、遮光板であるバイザー11が車両3の後方側に張り出している。
前記表示装置1は、バイザー11の下側に配置され、この表示装置1にて表示された画像が、運転席や助手席に着座した乗員によって視認可能となっている。なお、表示される画像は、後述するように虚像であるので、乗員は虚像を視認することになる。
[1-2.表示装置の構成]
次に、表示装置1の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、表示装置1は、光を発する表示部15と光を反射する反射鏡17とを備えている。
表示部15は、発生する光によって、文字や記号や映像等の各種の画像を表示することが可能な装置である。例えば、LEDを利用して画像の表示が可能な装置である。
この表示部15は、バイザー11の下面に取り付けられており、画像を表示する表面である表示面16を下方に向けて配置されている。つまり、表示部15は、自身の下方に配置された反射鏡17に向けて光を照射するように構成されている。
反射鏡17は、表示部15から照射された光を反射するミラーであり、高剛性の箱状の土台部品19と、土台部品19の表面側に配置された板状の反射面部品21と、を備えている。
反射鏡17の土台部品19は、例えばアルミニウムからなる構造材により構成されている。反射面部品21として、例えば、ガラスからなる基板21aの表面に、光を反射する反射層21bが形成されたものを採用できる。
なお、基板21aの厚さとしては、例えば0.3mm~0.5mmを採用できる。反射層21bとしては、例えばアルミニウムが蒸着されたものを採用できる。また、これ以外に、反射面部品21としては、金属板の表面を鏡面研磨して反射率を高めたものを採用できる。なお、この場合には、金属板の表面にさび止めのコーティングを施してもよい。
反射鏡17は、表示部15より下方に配置されており、表示部15から照射された光を、図1の右側である乗員側(即ち、後方側)に反射する。これにより、車両3の乗員は、表示装置1にて表示された画像を視認することができる。なお、破線で示すKは、乗員により視認される虚像の位置を示している。
反射鏡17は、バイザー11の下方において、図示しないが、車両3の左側のAピラーと右側のAピラーとの間に架け渡されるようにして取り付けられている。
この反射鏡17は、図2に模式的に示すように、左右のAピラーの方向である長手方向D1と垂直の断面が台形であり、その台形の形状が長手方向D1に続く箱形状である。つまり、反射鏡17は、長尺の略四角柱の形状の部材である。
また、反射鏡17、従って土台部品19及び反射面部品21は、長手方向D1に沿って、僅かに湾曲している。なお、反射面部品21は、長手方向D1方向に延びる長尺の部材(即ち、帯状の部材)である。
反射鏡17の上方には、反射鏡17が延びている方向に沿って、前記表示部15が配置されている。この表示部15は、複数枚(例えば、5枚)の表示器15a、15b、15c、15d、15eから構成されている。各表示器15a~15eは、板状の長方形の部材であり、略同一平面において、前記長手方向D1に沿って配置されている。なお、各表示器15a~15eは、LEDにて画像を表示できるLED表示器である。
このように、表示部15は、反射鏡17の表側(即ち、光を反射する側)にて且つ上方にて、画像を表示する表示面16を下方に向けて配置されているので、自身が表示する画像が反射鏡17にて反射することにより、乗員が視認可能となっている。言い換えると、表示部15と反射鏡17の反射面部品21とは、表示される画像が乗員に視認可能な位置に配置されている。
[1-3.反射鏡の構成]
次に、反射鏡17の内部の構成について、更に詳細に説明する。
図3に示すように、反射鏡17は、土台部品19の表面、即ち図3の上方である乗員側の表面に、土台部品19を覆うように配置された反射面部品21を備えている。
また、反射鏡17の長手方向D1の両端には、断面が略L字状の端部部材23、25が取り付けてある。この端部部材23、25は、反射面部品21を表面側(即ち、図3の上方側)から押さえて保持するとともに、反射面部品21や土台部品19の端面が露出しないように覆って隠す部材である。
土台部品19は、表面側に、反射面部品21とほぼ同形状の長尺の表面板19aを備えており、同図下方の表面板19aの裏側には、複数の支持板19bが配置されている。
土台部品19の表面板19aと反射面部品21との間には、層状の空間(即ち、間隙27)が設けられている。この間隙27には、複数(例えば、3個)の緩衝材、即ち、第1保持材29a、第2保持材29b、第3保持材29cが、長手方向D1に沿って、等間隔に配置されている。また、左右の端部部材23、25と反射面部品21の左右の両端の表面側との間にも、それぞれ第4保持材29d、第5保持材29eが配置されている。なお、第1~第5保持材29a~29eは、ブロック状のスポンジからなる緩衝材である。
さらに、前記間隙27には、第1~第3保持材29a~29cとは別に、複数(例えば、4個)の制振アクチュエータ31が配置されている。即ち、第1制振アクチュエータ31a、第2制振アクチュエータ31b、第3制振アクチュエータ31c、第4制振アクチュエータ31dが、長手方向D1に沿って等間隔に配置されている。なお、以下では、第1~第4制振アクチュエータ31a~31dを、制振アクチュエータ31と総称する。
つまり、前記間隙27において、第1~第3保持材29a~29cと第1~第4制振アクチュエータ31a~31dとは、長手方向D1に沿って、ほぼ等間隔にて、交互に配置されている。なお、第1、第4制振アクチュエータ31a、31dは、反射面部品21の長手方向D1の端部に配置されており、第2、第3制振アクチュエータ31b、31cは、第1、第4制振アクチュエータ31a、31dの間にて、等間隔に配置されている。
この制振アクチュエータ31とは、後述するように、交流の電力が印加されると、その交流によって自身が振動するものである。つまり、自身が振動することによって、その振動を他の部材、ここでは反射面部品21に付与することができる振動アクチュエータである。なお、振動の周波数や振幅は、印加する交流の周波数や電圧によって制御することができる。
本第1実施形態では、後述するように、反射面部品21が、例えば図3の上下方向である厚み方向に振動するような場合には、制振アクチュエータ31によって、その振動を抑制するような厚み方向に揺れる振動を反射面部品21に加えることによって、反射面部品21の振動を抑制する。
制振アクチュエータ31としては、例えば、交流を印加することによって振動が発生する圧電セラミック等の周知の圧電素子を用いることができる。
なお、それ以外に、交流の電力を印加することによって、振動を発生することができる各種のアクチュエータを採用できる。例えば、磁石とボイスコイルを用いて振動を発生させるアクチュエータを採用できる。また、モータ、ソレノイドなどによっても、振動を発生させることができる。
また、反射面部品21には、制振アクチュエータ31とは別に、反射面部品21の振動を検知する振動センサ33が取り付けられている。例えば反射面部品21の間隙27側の表面に、振動センサ33が取り付けられている。この振動センサ33の出力から、反射面部品21の振動の周波数や振幅を検出することができる。なお、振動センサ33としては、例えば、圧電素子を用いた周知の圧電型センサなどを用いることができる。
[1-4.電気的構成]
次に、表示装置1の電気的構成について説明する。
図4に示すように、表示装置1は、表示装置1を制御する表示制御装置35を備えている。表示制御装置35は、CPU、ROM、RAM、及びフラッシュメモリ等の半導体メモリを備えた周知のマイクロコンピュータ(即ち、マイコン)37を備えている。表示制御装置35は、CPUが非遷移有形記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各機能が実現されるよう構成されている。本第1実施形態では、半導体メモリが、プログラムを格納した非遷移有形記録媒体に該当する。
なお、表示制御装置35が備えるマイクロコンピュータ37の数は1つでも複数でもよい。また、表示制御装置35により実現される各種機能は、CPUがプログラムを実行することによって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
また、表示制御装置35には、上述した表示部15、制振アクチュエータ31、振動センサ33が接続されている。
振動センサ33から表示制御装置35に対して、振動センサ33によって検出した反射面部品21の振動を示す信号が出力される。従って、この信号から、反射面部品21の振動の周波数や振幅を検出することができる。
表示制御装置35から表示部15に対して制御信号を送信することにより、表示部15の動作を制御することができる。つまり、表示部15にて、各種の文字や記号や映像等の画像を表示することができる。
表示制御装置35から制振アクチュエータ31に対して制御信号を送信することにより、制振アクチュエータ31の動作を制御することができる。つまり、反射面部品21の振動を抑制するように、制振アクチュエータ31の動作を制御することができる。
なお、半導体メモリには、振動を抑制するための制御を行うための各種のデータが記憶されている。例えば、反射面部品21に共振が発生する共振周波数が記憶されている。
[1-5.表示制御装置の処理]
次に、表示制御装置35の処理のうち、反射面部品21の振動(例えば、共振による振動)を抑制するように、制振アクチュエータ31の動作を制御(例えば、フィードバック制御)する処理について説明する。
ここでは、図5に示すように、例えば路面状態によって、反射面部品21に対して反射面部品21が共振する振動が加わって、即ち、反射面部材21の共振周波数(即ち、固有振動数)を有する振動が加わって、反射面部品21が振動Aのように振動する場合(即ち、共振する場合)を例に挙げて説明する。
(1-5a)
図6に示すように、振動センサ33からの出力に基づいて、ステップ(即ち、図6のS)100にて、反射面部品21に対して外部から反射面部品21の共振周波数を有する振動が加わって、反射面部品21が振動Aのように共振によって大きく振動したか否かを判定する。
つまり、振動センサ33によって、反射面部品21の表示の揺れやびびり音や破損等が発生するような共振周波数を有する大きな振幅の振動Aが検出されたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ110に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ110では、反射面部品21の共振による振動を抑制するために、制振アクチュエータ31を駆動して、前記図5に示すように、例えば振動Aとは逆位相で同様な周波数を有する振動Bを反射面部品21に加える。このように、振動Aに対して、逆位相の振動Bを加えることにより、反射面部品21の共振による振動を抑制することができる。
なお、制振アクチュエータ31で反射面部品21に振動を付与する場合には、反射面部品21の振動を抑制できる程度の大きさ(即ち、振幅)の振動を与えるように、制振アクチュエータ31に印加する交流の振幅を調整する。
続くステップ120では、振動センサ33からの出力に基づいて、反射面部品21の共振が抑制されたか否かを判定する。ここで否定判断されるとステップ110に戻り、一方肯定判断されると一旦本処理を終了する。
ここで、前記ステップ110、120におけるフィードバック制御について説明する。
例えば、反射面部品21の共振周波数を有する振動が検出された場合に、その振動を抑制するように、制振アクチュエータ31に対して、所定の周波数、振幅、位相の電流を印加するが、実際に反射面部品21がどのように振動するか正確には分からないことがある。例えば、温度や経時変化によって、反射面部品21の共振周波数が変化することがある。
そこで、振動センサ33によって振動を検出しつつ、その振動が小さくなるように、制振アクチュエータ31に加える電流の特性(即ち、周波数、振幅、位相)を調整する。これによって、確実に振動を抑制することが可能になる。
(1-5b)
また、上述した制御では、逆位相の振動Bを加えるようにしたが、反射面部品21の共振を抑制できる範囲で、振動Aの位相とは多少位相がずれた振動Bを加えるようにしてもよい。
或いは、反射面部品21に共振周波数を有する振動が加わって、反射面部品21が振動Aのように共振するような場合には、反射面部品21の共振を抑制できる範囲で、共振周波数とは異なる周波数の振動Bを加えるようにしてもよい。なお、上述した共振を抑制するための、位相の制御と周波数の制御とを同時に行ってもよい。
また、ここでは、反射面部品21が共振する場合に、その共振を抑制する例に挙げたが、共振する場合以外に、外部からの振動によって反射面部品21が振動する場合に、その振動を抑制するように、制振アクチュエータ31を制御してもよい。つまり、反射面部品21が振動する場合に、その振動の逆位相等の振動を付与することにより、反射面部品21の振動を抑制してもよい。
(1-5c)
また、本第1実施形態では、上述した制御を行う場合には、図示しないが、日射センサ、温度センサ、他の振動センサ、加速度センサ等から得られる情報を利用できる。また、エンジン、タイヤ、サスペンション、エアコン等の動作を制御する制御情報を利用できる。さらに、カメラやマイクから得られる情報を利用できる。
例えば、温度が変化すると、反射面部品21の寸法も変化するので、共振周波数も変化する。そこで、温度センサや日射センサ等によって、環境の温度、従って、反射面部品21の温度を検出または予測し、その温度に応じて予め実験等によって検出しておいた共振周波数を用いて、共振を抑制する制御を行うことができる。
また、例えば、エンジンやエアコン等が駆動されて場合には、そうでない場合に比べて、反射面部品21に加わる振動が大きくなる。従って、このような場合に、エンジンやエアコン等の制御信号に基づいて、反射面部品21の振動を抑制するように、制振アクチュエータ31を制御することができる。例えばエンジン等の振動が大きくなるような制御信号が得られた場合には、制振アクチュエータ31によって付与する振動の振幅を大きくしてもよい。
さらに、カメラから得られる画像やマイクから得られる振動音の情報、或いは、他の振動センサや加速度センサ等の振動の状態を示す情報から、反射面部品21の振動の状態を把握できるので、反射面部品21の振動を抑制するように、制振アクチュエータ31を制御することができる。例えば画像等から振動が大きくなるような情報が得られた場合には、制振アクチュエータ31によって付与する振動の振幅を大きくしてもよい。
[1-6.効果]
上記第1実施形態では、以下の効果を得ることができる。
本第1実施形態は、発光により表示を行う表示部15と、表示部15からの光を反射して虚像を形成する反射鏡17の反射面部品21と、反射面部品21に振動を加えて制振することができる制振アクチュエータ31と、表示部15や制振アクチュエータ31の動作を制御する表示制御装置35と、を備えている。
このような構成により、反射鏡17の反射面部品21が、路面状態やエンジン等の状態によって、即ち外部からの振動によって共振するような場合には、表示制御装置35によって制振アクチュエータ31の動作を制御することにより、反射面部品21の共振を抑制することが可能である。つまり、制振アクチュエータ31によって、反射面部品21に対して、反射面部品21の共振を抑制するような振動を加えることにより、反射面部品21の共振を抑制することができる。
そのため、反射面部品21による表示の揺れやびびり音の発生を抑制することができる。また、反射面部品21の変形や破損を抑制することができる。
[1-7.文言の対応関係]
本第1実施形態と本開示との関係において、表示部15が発光部に対応し、反射鏡17が反射表示部に対応し、制振アクチュエータ31が駆動部に対応し、表示制御装置35が駆動制御部に対応する。
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本第2実施形態では、制振アクチュエータ31を振動センサ33として用いた例を示している。
(2a)前記第1実施形態では、制振アクチュエータ31とは別に、振動センサ33を用いたが、制振アクチュエータ31を振動センサ33として用いてもよい。つまり、例えば圧電素子を利用した制振アクチュエータ31は、外部からの振動を受けると、その振動に対応した出力(即ち、交流の電力)が得られるので、この制振アクチュエータ31を振動センサ33として利用してもよい。
例えば、第1実施形態のように、複数の制振アクチュエータ31を備えている場合には、その一部を振動センサ33として用いることができる。
また、制振アクチュエータ31と振動センサ33との役割を適宜入れ替えることもできる。例えば、複数(例えば、2箇所)の制振アクチュエータ31を振動センサ33として用いている場合に、多くの場所で制振を行う必要があるときには、振動センサ33として使用する制振アクチュエータ31を例えば1箇所に減らしてもよい。
本第2実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。また、本第2実施形態では、制振アクチュエータ31とは別に振動センサ33を配置する必要がないので、構成を簡易化できるという利点がある。
(2b)また、制振アクチュエータ31を、反射面部品21の振動の抑制に使用する振動センサ33として用いるだけではなく、車両3の通常の振動を検出する振動センサ33として使用できる。
さらに、振動センサ33として機能する制振アクチュエータ31は、上述した振動が加わった場合以外にも、外力や変位が発生した場合には、それに対応した信号が出力されるので、外力や変位を検出するセンサとしても使用できる。
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本第3実施形態では、制振アクチュエータ31を、制振に限らず、反射面部品21に振動を付与するための加振が可能な振動アクチュエータ(即ち、加振アクチュエータ)として用いる。
(3a)例えば、ある制振アクチュエータ31を駆動することにより、その制振アクチュエータ31が配置されている箇所の反射面部品21の周辺を振動させて、ブザー音のような音を発生させることができる。
(3b)ユーザが意図せずに、荷物などを反射面部品21に接続されたIPパネル9上に置いたり、反射面部品21を清掃する際に過剰な力で拭いた場合には、制振アクチュエータ31を用いて、ブザー音を発生させるようにして、警報を発するようにしてもよい。
(3c)ある位置の制振アクチュエータ31は制振効果を多く持たせ、他の位置の制振アクチュエータ31は加振効果を多く持たせるようにしてもよい。つまり、目的とする機能が得られるように、各装置のバランス等を任意に調整してもよい。
(3d)複数の制振アクチュエータ31のうち、音を発生させるために振動させる制振アクチュエータ31を切り替えることにより、運転席や助手席の乗員に対して、音の発生位置を所望の位置に切り替えてもよい。
また、音の位置が例えば長手方向D1に沿って移動するように制御してもよい。つまり、立体音響のような音の出力が可能である。
この場合には、複数の制振アクチュエータ31のオン、オフを、時間経過に沿って制御する方法を採用できる。この制御としては、公知のオンーオフ制御、時差制御、増幅・打消し制御等を、適宜採用できる。
(3e)図7に示すように、反射鏡17を、騒音を低減する、いわゆるノイズキャンセリング装置として使用こともできる。
詳しくは、マイク等によって、車室内の騒音を検出した場合には、加振が可能な制振アクチュエータ31を駆動して、反射面部品21を振動させて、あかたも反射鏡17をスピーカのように駆動させる。
つまり、検出した騒音の逆位相となる音(即ち、逆位相音)を反射鏡17から出力することにより、いわゆるノイズキャンセリングによって、騒音を抑制することができる。
(3f)図8に示すように、反射鏡17をいわゆるフォースバック機能を有する装置として使用こともできる。
反射面部品21の表面を指で触った場合に、指に振動を付与してフォースバックを発生させるように、加振が可能な制振アクチュエータ31を駆動して、反射面部品21を振動させてもよい。これによって、指で触ったときのメカニカルスイッチの押圧時のクリック感やバイブレーション振動を発生させてもよい。
また、制振アクチュエータ31は、外力や変位を検出するセンサとしても使用できるので、このセンサの機能を利用して、反射面部品21を指で押した際の外力や変位を検知し、その変位を検出した制振アクチュエータ31を駆動して、クリック感やバイブレーション振動を発生させてもよい。
或いは、車室内に配置したカメラ、または、他のセンサで、指の位置を検知し、その指の位置に対応した制振アクチュエータ31を駆動して、クリック感やバイブレーション振動を発生させてもよい。
[4.第4実施形態]
第4実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本第4実施形態は、制振アクチュエータ31として、振動を吸収して低減するダンパ機能を有するものを用いる。
導電性高分子や磁性流体を備えたアクチュエータは、アクチュエータの電極に所定の電力を印加することにより、粘性や弾性が変化する機能を有する。つまり、アクチュエータの電極に印加する電力を制御することにより、ダンパ機能を調節することができる。
従って、振動センサ33によって、例えば反射面部品21に共振を発生させるような振動が加わったことが検知された場合には、その振動を抑制するように、アクチュエータの粘性や弾性を調整することができる。これによって、反射面部品21の共振等による振動を抑制することができる。
[5.第5実施形態]
第5実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本第5実施形態では、制振アクチュエータ31を用いて振動を発生させる場合に、その振動の方向や振動する面などを例示している。
図9に示すように、反射面部品21を所望の方向に振動させるために、加振が可能な制振アクチュエータ31を、複数配置することができる。
例えば、反射面部品21の長手方向D1(即ち、図9の左右方向)における左端側に、端部を挟むようにして、一対の制振アクチュエータ31e、31fを配置し、この制振アクチュエータ31e、31fによる加振の方向を長手方向D1に設定する。これにより、反射面部品21の長手方向D1における左端部分において、反射面部品21を矢印A方向(即ち、長手方向D1)に振動させることができる。
なお、反射面部品21の長手方向D1における右端側にも、同様に、一対の制振アクチュエータ31g、31hを配置して、同様に、反射面部品21を振動させることができる。
また、反射面部品21の長手方向D1と垂直の短手方向D2である矢印B方向(即ち、図9の上下方向)における両端に、一対の制振アクチュエータ31i、31jを配置し、この制振アクチュエータ31i、31jによる加振の方向を矢印Bに設定する。これにより、反射面部品21の長手方向D1における中央部分において、反射面部品21を矢印Bに振動させることができる。
さらに、反射面部品21の長手方向D1における中央を挟むように、左右に一対の制振アクチュエータ31k、31lを配置し、この制振アクチュエータ31k、31lによる加振の方向を長手方向D1に設定する。これにより、反射面部品21の長手方向D1における中央部分において、反射面部品21を長手方向D1に振動させることができる。
また、反射面部品21の中央近傍に配置された前記制振アクチュエータ31i、31l、31k、31lのいくつかを組み合わせて駆動することにより、反射面部品21の中央部分を長手方向D1に対して傾斜した例えば矢印C方向に振動させることができる。例えば、制振アクチュエータ31i、31kを同時に駆動することにより、反射面部品21を矢印C方向に振動させることができる。
なお、制振アクチュエータ31の数、配置、その振動方向については、本第5実施形態の構成に限定されるものではない。
[6.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(6a)本開示は、車載ディスプレイ等の反射鏡以外に、光の反射を利用して表示ができる各種の装置に適用できる。例えばヘッドアップディスプレイの表示部材であるコンバイナ等に適用することができる。
(6b)本開示は、制振アクチュエータによって、反射面部品の共振による振動を抑制できるだけでなく、共振によらない各種の振動を抑制することができる。
(6c)本開示では、制振アクチュエータを複数用いる場合には、方式や機能の異なるものを組み合わせて用いることができる。
(6d)本開示に記載の表示装置の駆動制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
あるいは、本開示に記載の表示装置の駆動制御部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
もしくは、本開示に記載の表示装置の駆動制御部およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。
また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。表示装置の駆動制御部に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
(6e)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
(6f)上述した表示装置の駆動制御部の他、当該駆動制御部を構成要素とするシステム、当該駆動制御部としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移有形記録媒体、駆動制御方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1:表示装置、15:表示部、17:反射鏡、21:反射面部品、31:制振アクチュエータ、35:表示制御装置

Claims (5)

  1. 光を発する発光部(15)から入射した光を反射させ、当該光の反射光を用いて、人が視認可能な表示を行うように構成された反射表示部(17)と、
    前記反射表示部に対して振動を加えることが可能なように構成された駆動部(31)と、
    前記駆動部の動作を制御して、前記反射表示部の振動状態を制御するように構成された駆動制御部(35,S110)と、
    を備え、
    前記駆動部は、弾性が変化する部材を備えており、前記弾性を変化させて前記反射表示部の振動を抑制するダンパ機能を有する、
    表示装置。
  2. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記駆動制御部は、前記反射表示部が外部からの振動によって振動する場合に、前記駆動部の動作を制御して、前記反射表示部の振動を抑制するように構成された、
    表示装置。
  3. 請求項2に記載の表示装置であって、
    前記駆動制御部は、前記反射表示部の振動を抑制するように、前記反射表示部に対して、前記外部からの振動の位相とは異なる位相の振動を加えるように構成された、及び/又は、前記反射表示部の共振周波数とは異なる周波数の振動を加えるように構成された、
    表示装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の表示装置であって、
    前記駆動部を、前記反射表示部を振動させる加振装置として用いるように構成された、
    表示装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の表示装置であって、
    前記駆動部を用いて、前記反射表示部の振動を検知するように構成された
    表示装置。
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