JP7367045B2 - 電極構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
[0001] 本出願は、2019年3月1日に中国国家知的所有権庁に出願された中国特許出願第201910153801.4号の優先権及び利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
[0002] 発明は、電極箔の技術分野に属し、特に電極構造体及びその製造方法に関する。
[0003] コンデンサは、様々な電子機器の替えがきかない基本部品であり、様々な分野で幅広く利用されています。アルミニウム箔はコンデンサの電極材料として一般的に使用されている。一般に、電極として使用されるアルミニウム箔は、エッチピットを形成して比表面積を増加させるためにエッチングされ、その後、表面が陽極酸化されて誘電体として機能する酸化膜が得られる。しかし、エッチング処理は一般に硝酸、りん酸、硫酸などを含む塩酸水溶液中で行われ、必然的に環境汚染を引き起こし、企業の経済的負担を増大させる。
[0004] 近年、東洋アルミニウム株式会社は、従来のエッチングプロセスに代えて、アルミニウム粉末焼結体をアルミニウム箔上に積層する方法を提案している。この方法で得られた電極の表面積は、エッチングプロセスで形成されたピット領域以上であり、この方法は、強酸による環境汚染を回避することができる。エッチング処理と比較して、企業の環境負荷や企業の経済的負担を大幅に軽減する。しかしながら、上記の改良された方法で得られた電極箔を生産ラインで形成処理すると、電極箔が割れたり、割れて破損したりするという問題があった。特にコンデンサの製造プロセスでは、切断及び巻回プロセスで箔が割れやすく、焼結電極箔の適用を著しく阻害する。
[0005] 上記問題を解決するために、従来技術では、CN103658660A、CN102009170A、CN103688327A、CN103563028A、CN102804302A及びWO2016136804などのように、アルミニウム合金多孔質焼結体、アルミニウム合金基板を採用すること、又は、焼結体の表面粗さを大きくすることによって、焼結電極箔の曲げ強度を向上させようとしている。しかし、合金元素を添加する上記方法では、電極箔のリーク電流が増大し、焼結電極箔の曲げ強度をある程度まで向上させることしかできない。その曲げ強度は、電極材料の実際の適用の要件及び連続生産の要件からまだある程度離れている。これまで、焼結体を含む電極材料の生産を商業的に成功した企業はない。同時に、この技術的問題は、電極材料の改良を制限し、電極材料の開発のペースを著しく妨げる。
[0006] 本発明の目的は、高い静電容量及び高い曲げ強度を有する電極構造体を提供することにある。
[0007] 本発明の他の目的は、巻回時の応力を低減し、電極箔の生産及び塗布時の破壊のリスクを低減し、電極箔の生産効率及び塗布効率を向上させることができる電極構造体を提供することにある。
[0008] 本発明の他の目的は、高い静電容量、高い曲げ強度の電極構造体を製造することができ、工業生産に適した電極構造体の製造方法を提供することにある。
[0009] 上記目標を達成するために、本発明では以下の技術的解決策が提供される。
一方で、電極構造体が提供される。電極構造体は、基板及び焼結体を備え、前記焼結体は、基板の表面に形成され、焼結体には、焼結体が水和された後に形成されたクラックが設けられている。
[0010] 好ましい技術的解決策として、前記クラックは、前記焼結体の水和処理後且つ前記焼結体の形成プロセス前に形成される。
[0011] 別の好ましい技術的解決策として、前記焼結体は、前記水和処理後且つ前記クラック形成前に、0~160Vの電圧による形成プロセスを含み、前記形成プロセス電圧は0Vではない。別の好ましい技術的解決策として、前記焼結体は、前記水和処理後且つ前記クラック形成前に、0~120Vの電圧による形成プロセスを含み、前記形成プロセス電圧は0Vではない。
[0012] 好ましい技術的解決策として、前記焼結体は、前記基板の一面上に形成されている、
又は、前記焼結体は、前記基板の両面に形成されている。
[0013] 好ましい技術的解決策として、前記基板は、バルブ金属酸化物及びバルブ金属窒化物のうちの1つ以上を含む箔である。
[0014] 好ましい技術的解決策として、バルブ金属は、マグネシウム(Mg)、トリウム(Th)、カドミウム(Cd)、タングステン(W)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、銀(Ag)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、及び上記金属の合金のうちの1つ以上から選択される。
[0015] 好ましい技術的解決策として、前記バルブ金属は、アルミニウム又はアルミニウム合金である。
[0016] 好ましい技術的解決策として、前記焼結体は、多孔質構造を有する。
[0017] 好ましい技術的解決策として、前記焼結体は、バルブ金属、バルブ金属酸化物及びバルブ金属窒化物のうちの1つ以上を含む焼結層である。
[0018] 好ましい技術的解決策として、前記バルブ金属は、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、スズ、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、及び前記金属の合金のうちの1つ以上から選択される。
[0019] 好ましい技術的解決策として、前記バルブ金属は、アルミニウム又はアルミニウム合金である。
[0020] 好ましい技術的解決策として、前記クラックは、前記電極構造体の両端部を貫通している。
[0021] 好ましい技術的解決策として、前記クラックは、同じ方向に延在する。
[0022] 好ましい技術的解決策として、前記クラックの幅は、100μm以下である。
[0023] 好ましい技術的解決策として、前記クラックの間隔は、0.5mm以下である。
[0024] 好ましい技術的解決策として、前記クラックの間隔は、0.3mm以下である。
[0025] 好ましい技術的解決策として、前記クラックの間隔は、0.15mm以下である。
[0026] 好ましい技術的解決策として、前記クラックの間隔は、0.05mm以下である。
[0027] 一方、上記電極構造体の製造方法が提供される。好ましくは、製造方法は以下のステップを含む:
(S10)基板の表面上に形成された焼結体を提供するステップと;
(S20)前記焼結体に水和処理を行うステップと;
(S40)水和された前記焼結体に物理的処理を行ってクラックを発生させるステップと;
(S50)クラックを有する前記焼結体に形成プロセスを行うステップと。
[0028] 別の好ましい技術的解決策として、電極構造体の製造方法は、以下のステップを含む:
(S10)基板の表面上に形成された焼結体を提供するステップと;
(S20)前記焼結体に水和処理を行うステップと;
(S30)水和された前記焼結体に形成プロセスを行うステップと;
(S40)形成プロセスが行われた前記焼結体に物理的処理を行ってクラックを発生させるステップと;
(S50)クラックを有する前記焼結体に形成プロセスを行うステップと。
[0029] 好ましい技術的解決策として、ステップS30における前記形成プロセスの電圧は、0~160Vであり、0Vではない。
[0030] 好ましい技術的解決策として、ステップS30における前記形成プロセスの電圧は、0~120Vであり、0Vではない。
[0031] 好ましい技術的解決策として、ステップS20における前記水和処理の温度は、70℃~100℃であり、前記水和処理時間が、0.5分~20分である。
発明の詳細な説明
1.電極構造体
[0032] 電極構造体の構造を図1及び図2に示す。
[0033] 図1は、電極構造体の概略平面図である。電極構造体は、基板11及び焼結体12を備える。基板11の両面には焼結体12が形成されており、焼結体12にはクラック13が設けられている。酸化膜14は、クラック13を有する焼結体12の形成プロセスにより形成される。
[0034] 図2は、電極構造体の概略断面図であり、クラック13の深さは基本的に焼結体12の厚さと同程度である。
[0035] 以下、クラック13、焼結体12及び基板11について詳細に説明する。
(1)クラック:
[0036] 具体的には、微小クラックである。本発明は、従来用いられていた、合金元素を増加させる又は焼結体の表面粗さを増加させて、その曲げ強度を向上させるという技術的傾向を解消するために、クラックを有する電極構造体を提供するものであり、生成されるクラックの連続性が良好である。本発明によれば、一方では、クラックを設けることにより電極構造体の曲げ強度を効果的に向上させ、電極構造体の巻回プロセス時の応力を低減させ、それによって、塗布プロセス時の破壊のリスクを低減させ、他方では、電極構造体の性能に悪影響を与えることなく、電極構造体の元の高い静電容量と低い漏れ電流値を維持しつつ、電極構造体の曲げ強度を向上させることができる。
[0037] 焼結体のクラックの形態は特に限定されない。曲げ強度に悪影響を与えることなく、クラックは焼結体上に任意の可能な形態で存在することが可能である。
[0038] 好ましくは、クラックは同じ方向に延在する。延伸方向は、箔の巻回方向に対して垂直である。
[0039] クラックが同じ方向に延在することは、クラックがほぼ又は実質的に同じ方向に延在することを意味し、任意の可能な分岐クラックが、曲げ強度に悪影響を及ぼすことなく、電極構造体の表面に存在することが許容される。
[0040] さらに、クラックは、電極構造体の両端部を貫通している。
[0041] さらに、クラックは、電極構造体の両端部を連続的に貫通してもよいし、電極構造体の両端部を不連続的に貫通してもよい。
[0042] 不連続性とは、人為的に不連続性を設定するのではなく、主に準備プロセスでのいくつかの不可避な要因(箔自体の欠陥や機械の振動など)によって生じる不連続性をいう。具体的には、クラックがほぼ又は実質的に同じ方向に延在するように設定することにより、巻回適用時に電極構造体の各部に印加される力が均一になりやすくなり、電極構造体表面の異なる部位間の過大な力差を回避することができ、それによって、電極構造体の曲げ強度をより安定させることができる。
[0043] 曲げ強度に悪影響を与えない範囲では、単位面積当たりのクラックの数が多いほど、電極構造体の曲げ強度は高くなる。
[0044] クラックの間隔は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一である。
[0045] クラックの間隔が同一であるということは、クラックの間隔がほぼ同一又は実質的に同一であることを意味する。
[0046] クラックの間隔は1mm以下であり、好ましくはクラックの間隔は0.8mm以下であり、より好ましくはクラックの間隔は0.5mm以下であり、特に好ましくはクラックの間隔は0.3mm以下であり、さらに好ましくはクラックの間隔は0.15mm以下であり、さらに特に好ましくはクラックの間隔は0.05mm以下である。
[0047] なお、クラックの間隔とは、同じ方向に隣接する2つのクラックの間隔の平均値であり、つまり、隣接する2つのクラックについては、測定位置によってその間隔値のサイズが変動する。
[0048] クラックの幅は100μm以下であり、好ましくはクラックの幅は20μm以下であり;より好ましくはクラックの幅は10μm以下であり、特に好ましくはクラックの幅は5μm以下である。
[0049] 具体的には、クラックの幅とは、その延在方向と直交する方向におけるクラックのギャップ距離をいい、クラック幅とは、具体的には、電極構造体の外表面におけるクラックの開口ギャップ距離をいう。
[0050] クラックの幅は、電極構造が平坦な状態で測定された。
[0051] なお、クラックの幅とは、各クラックの幅の平均値であり、つまり、同一のクラックに関して、測定位置によってクラックの幅が変動する。
[0052] 例えば、同じクラックに関して、5つの異なる位置A、B、C、D及びEを選択して測定し、得られる幅は次のようになる。A:8μm、B:20μm、C:12μm、D:30μm、E:22μm。
[0053] クラックの深さは特に限定されない。好ましくは、クラックの深さは、焼結体の厚さ以下であり、より好ましくは、クラックの深さは、焼結体の厚さと実質的に同程度である。
[0054] 電極構造体の使用中に、クラックの延在方向は、巻回軸に平行であるか、又はクラックの延在方向は、巻回軸に垂直であるか、又はクラックの延在方向は、巻回軸に対して別の角度である、例えば、15度、30度、45度、60度、75度など。ここで、巻回軸とは、電極構造体を巻回して形成することによって形成された円筒構造体の中心軸をいう。具体的には、クラックの延在方向が巻回軸に平行であるとは、クラックが巻回軸にほぼ又は実質的に平行であることを意味し、クラックの延在方向が巻回軸に垂直であるとは、クラックが巻回軸にほぼ又は実質的に垂直であることを意味し、クラックの延在方向と巻回軸とが他の角度を有するとは、クラックの延在方向と巻回軸とがほぼ又は実質的に別の角度を有することを意味する。
(2)焼結体:
[0055] 焼結体は、バルブ金属、バルブ金属酸化物及びバルブ金属窒化物のうちの1つ以上を含む焼結層である。
[0056] 好ましくは、バルブ金属は、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、スズ、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、及び上記金属の合金のうちの1つ以上から選択される。
[0057] コンデンサの負極材料として用いる場合には、焼結体は、好ましくは、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムの内の1つ以上を含む焼結層であり、より好ましくは、焼結体は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む焼結層である。
[0058] 好ましくは、アルミニウムは純度99.8重量%以上のアルミニウムである。
[0059] 電極箔の曲げ強度に悪影響を与えないことを前提として、アルミニウム合金は、アルミニウム以外の周期表における全ての可能な元素を用いることができる。好ましくは、アルミニウム合金は、アルミニウムに加えて、シリコン、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、チタン、バナジウム、ガリウム、ニッケル、ホウ素及びジルコニウムの内の1つ以上の元素を含む。これらの中でも、上記各元素の含有量は、3000重量ppm以下であることが好ましい。アルミニウム以外の合金成分は、必要な範囲で添加してもよいし、不可避的不純物として存在してもよい。
[0060] 好ましくは、焼結体は多孔質焼結体である。
[0061] 多孔質焼結体は、バルブ金属等の粉末間のギャップを維持しながら焼結することにより形成される。このような多孔質焼結体を有するコンデンサ用電極構造体では、エッチングプロセスを行わなくても所望の高い静電容量を得ることができ、この点で非常に有利である。コンデンサの電極構造体の静電容量は多孔質焼結体の気孔率に依存する。気孔率を少なくとも10%以上の範囲内に調整すれば、所望の静電容量を得ることができる。焼結体の気孔率は任意の方法で調整することができる。例えば、粉末の平均粒径(D50)、原料粉末を含むペースト組成物に添加される材料の種類(樹脂バインダーなど)又は組成比など、焼結体の原料を調整することにより、焼結体の気孔率を制御することができる。
[0062] 粉末の平均粒径は0.5μm以上100μm以下である。粉末の平均粒径は、好ましくは1μm以上80μm以下であり、より好ましくは、粉末の平均粒径は、1μm以上20μm以下であり、特に好ましくは、粉末の平均粒径は、1μm以上10μm以下である。
[0063] 本明細書における平均粒径D50は、レーザー回折法により粒径及び粒径に対応する粒子数を求めて得られた粒径分布曲線における総粒子数の50%に相当する粒子の粒径である。また、焼結後の粉末の平均粒径D50は、焼結体の断面を走査型電子顕微鏡で観察することにより測定する。例えば、焼結後の粉末の一部は、粉末が溶融又は接合された状態にあり、略円形の部分は概ね粒子とみなすことができる。すなわち、これらの粒径及び粒径に対応する粒子数を算出して得られた粒径分布曲線において、全粒子数の50%に相当する粒子の粒径を焼結粉末の平均粒径D50とする。また、上記で得られた焼結前の平均粒径D50と焼結後の平均粒径D50とは、基本的に同じである。
[0064] 焼結体の形状は、特に限定されないが、一般的には、平均厚さは、フィルム(箔のような)形状において、5μm以上1,000μm以下、好ましくは20μm以上600μm以下、特に好ましくは20μm以上100μm以下である。平均厚さはマイクロメートルで測定される。
[0065] 焼結体は、基板の一面に形成されてもよいし、焼結体は、基板の両面に形成されてもよい。好ましくは、焼結体は、基板の両面に形成される。
(3)基板:
[0066] 基板は、バルブ金属、バルブ金属酸化物及びバルブ金属窒化物のうちの1つ以上を含む箔である。
[0067] 好ましくは、バルブ金属は、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、スズ、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、及び上記金属の合金のうちの1つ以上から選択される。
[0068] コンデンサの負極材料として用いる場合には、好ましくは、基板は、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムのうちの1つ以上を含む箔であり、より好ましくは、基板は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む箔である。例えば、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を好適に用いることができる。
[0069] 好ましくは、アルミニウム箔は、純度が99.0重量%以上のアルミニウム箔である。
[0070] 電極箔の曲げ強度に悪影響を与えないことを前提として、アルミニウム合金箔は、アルミニウム以外の周期表における全ての可能な元素を用いることができる。好ましくは、アルミニウム合金箔は、アルミニウムに加えて、シリコン、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、チタン、バナジウム、ガリウム、ニッケル、ホウ素及びジルコニウムの内の1つ以上の元素を含む。アルミニウム以外の合金成分は、必要な範囲で添加してもよいし、不可避的不純物として存在してもよい。
[0071] 好ましくは、アルミニウム箔基板の厚さは特に限定されないが、好ましい厚さは5μm以上100μm以下であり、より好ましくは10μm以上60μm以下である。
[0072] 本発明のアルミニウム箔としては、公知の方法で生成されたアルミニウム箔を用いることができる。このようなアルミニウム箔は、例えば、上記成分を含むアルミニウム又はアルミニウム合金の溶融金属を準備し、溶融金属を鋳造してインゴットを得て、適宜均質化した後、得られたインゴットを熱圧延又は冷間圧延してアルミニウム箔を得ることによって、得ることができる。
[0073] 上記冷間圧延プロセスにおいて、中間焼鈍は、50℃以上500℃以下、好ましくは150℃以上400℃以下の温度範囲で行うことができる。冷間圧延後、150℃以上650℃以下、好ましくは350℃以上550℃以下の温度範囲で焼鈍処理をさらに行い、軟らかい箔を得ることができる。
2.電極構造体の製造方法
[0074] 本発明では、水和処理後にクラックの発生を行い、特定のクラック発生プロセスの異なる位置にしたがって電極構造体を製造する2つの方法を提供する。
[0075] 第1の製造方法において、クラックは、水和処理後且つ形成プロセス前に形成されるが、具体的には以下のステップを含む:
(S10)基板の表面上に形成された焼結体を提供するステップと;
(S20)前記焼結体に水和処理を行うステップと;
(S40)水和された前記焼結体に物理的処理を行ってクラックを発生させるステップと;
(S50)クラックを有する前記焼結体に形成プロセスを行うステップと。
[0076] 第2の製造方法は、焼結体に水和処理及び形成プロセスを順次行った後に、クラックを形成するものであり、具体的には以下のステップを含む:
(S10)基板の表面上に形成された焼結体を提供するステップと;
(S20)前記焼結体に水和処理を行うステップと;
(S30)水和された前記焼結体に形成プロセスを行うステップと;
(S40)形成プロセスが行われた前記焼結体に物理的処理を行ってクラックを発生させるステップと;
(S50)クラックを有する前記焼結体に形成プロセスを行うステップと。
[0077] 本発明のいくつかの実施形態によれば、ステップS30における形成プロセスの電圧は、0~160Vであり、0Vではない。
[0078] 本発明のいくつかの実施形態によれば、ステップS30における形成プロセスの電圧は、0~120Vであり、0Vではない。
[0079] 本発明のいくつかの実施形態によれば、ステップS30における形成プロセスの電圧は、0~80Vであり、0Vではない。
[0080] いくつかの実施態様において、ステップS30における形成プロセスの電圧は、0~40Vであり、0ではない。
[0081] いくつかの実施態様において、ステップS30における形成プロセスの電圧は、40~80Vである。
[0082] いくつかの実施態様において、ステップS30における形成プロセスの電圧は、80~120Vである。
[0083] いくつかの実施態様において、ステップS30における形成プロセスの電圧は、120~160Vである。
[0084] これらの中でも、第1の製造方法の方が第2の製造方法よりも好ましい。
[0085] 焼結体は、任意の従来の方法によって生成することができる。例えば、ローラー、ブラシ、スプレー、ディッピングなどの塗布方法に加えて、スクリーン印刷などの公知の印刷方法によって形成することもできる。さらに、めっき又は蒸着によって形成することもできる。
[0086] 水和処理は、焼結体を70~100℃の純水中に投入し、0.5~20分間反応させるものである。上記純水は、25±2℃で2MΩ・cmを超える抵抗率を有する脱イオン水である。
[0087] さらに好ましくは、水和処理の温度は90℃~100℃であり、処理時間は2~16分である。
[0088] 微小クラックは、任意の従来の方法によって生成することができ、好ましくは、物理的方法によって焼結体を圧延する。例えば、微小クラックを発生させるために、丸棒を圧延に使用することができる。
[0089] 好ましくは、丸棒の直径は10mm未満である。
[0090] さらに好ましくは、丸棒の直径は4~8mmである。
[0091] 本発明では、焼結体に水和処理を行った後に、マイクロクラックの形成を行う。その主な理由は、焼結体が水和処理された後、その表面に適切な酸化膜が形成されるからである。この酸化膜は、クラックの形成に役立ち、発生したクラックの連続性が良好であり、水和処理前の箔の圧延処理を回避することができるが、これは、軟らかくて引き上げやすいため、クラックの発生や大きな容量減衰が生じにくい。また、形成プロセス後の箔が硬すぎたり、圧延処理で発生するクラックが大きく割れやすいという問題を回避することもできる。
[0092] 微小クラックの形態は、焼結体の厚さ、水和処理の強度及び圧延処理の強度に影響された。
[0093] 上記形成プロセスは、割れた焼結体を、ハロゲン化物を含まない電解質(例えば、ホウ酸やアジピン酸の水溶液)に入れて陽極酸化し、表面に誘電機能を有する酸化膜を形成するプロセスである。
[0094] 本発明の好ましい効果は、本発明が電極構造体及びその製造方法を提供することである。電極構造体の表面にクラックを設けることにより、従来使用されていた合金元素の増加や焼結体の表面粗さの増加による焼結体の曲げ強度の向上という技術的傾向がなくなり、クラックの連続性が良好となる。本発明において、一方では、電極構造体の曲げ強度を効果的に増大させることができ、電極構造体の巻回プロセス時の応力を低減させることができ、それによって塗布プロセスにおける破壊のリスクを低減することができ、他方では、電極構造体の曲げ強度を増大させることを前提として、電極構造体の元の高い静電容量と低い漏れ電流値を維持しつつ、電極構造体の性能に悪影響を及ぼすことがない。
[0095] 以下、図面及び実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
[0096] 本発明の実施例に係る電極構造体の概略上面図である。 本発明の実施例に係る電極構造体の概略断面図である。 実施例1Aで説明した電極構造体のSEM写真である:(a)表面写真、(b)断面写真。 比較例1で説明した電極構造体のSEM写真である:(a)表面写真、(b)断面写真。 図1~図4において 11.基板;12.焼結体;13.クラック;14.酸化膜;i.クラック間隔。
実施例
[0097] 以下、本発明の技術的解決手段を、図面及び具体例とともにさらに説明する。
実施例1A:
[0098] 電極構造体の製造方法は、以下のステップを含む:
アルミニウム箔基板と、アルミニウム合金粉末から準備される塗布液を提供するステップ。ここで、アルミニウム箔基板の厚さは30μmであり、アルミニウム合金粉末は99.9%以上の高純度球状アルミニウム粉末であり、アルミニウム合金粉末の平均粒径は3.5μmであった。
[0099] アルミニウム箔基板の表裏に塗布液をコンマスクレーパで塗布してコーティング膜を形成し、コーティング膜を乾燥させた。
[00100] このコーティング膜をアルゴン雰囲気中で400℃で脱脂した後、635℃の温度で8時間焼結して多孔質焼結体を形成した。それらの中でも、アルミニウム箔基板の厚さは30μmであり、アルミニウム箔基板の表裏を覆う焼結体の厚さはそれぞれ50μmであり、合計130μmであった。
[00101] 上記焼結体を97℃の純水中で4分間水和した。
[00102] 水和処理後の焼結体を丸棒で圧延して焼結体にクラックを発生させ、丸棒の直径は6mmであり、クラックの間隔は約0.106mmであった。
[00103] 圧延処理した焼結体をホウ酸水溶液中に入れ、520Vの電圧で陽極酸化して電極構造体を形成した。この実施例では、電極構造体はアノード構造体であった。
[00104] 電極構造体のSEM写真を図3(a)及び(b)に示した。クラック13は、アルミニウム箔基板の幅方向に沿って延在し、基本的に連続的に分布しており、クラックの間隔は約0.106mmであった。クラック13の深さは、基本的に焼結体12の厚さと同程度であった。焼結体12は多孔質であった。
[00105] 他の実施例では、基板はアルミニウム合金箔基板であってもよく、焼結体12は基板11の一面の表面のみに形成されてもよく、焼結体はマグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、スズ、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、及びこれらの金属の合金の内の1つ以上の粉末で作製された焼結層であってもよい。
[00106] この実施例では、クラック13が同じ方向に延在していることは、クラック13が実質的に又は基本的に同じ方向に延在していることを意味し、これにより、曲げ強度に悪影響を及ぼすことなく、電極構造体の表面に任意の可能な分岐クラックが存在することを可能にする。クラック13が同じ方向に延在するように設定することによって、電極構造体の様々な部分にかかる力は、巻回の適用中に一貫している傾向があり、電極構造体の表面の異なる部分の間の過剰な力差を回避することができ、それによって電極構造体の曲げ強度をより安定させることができる。
実施例1B:
[00107] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
水和処理後の焼結体に40Vの電圧で形成プロセスを行った後、同様の圧延処理を行ってクラックを発生させたところ、クラックの間隔は約0.147mmであった。他のステップの操作とパラメータは変化せず、電極構造体が得られた。
実施例1C:
[00108] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
水和処理後の焼結体に80Vの電圧で形成プロセスを行った後、同様の圧延処理を行ってクラックを発生させたところ、クラックの間隔は約0.179mmであった。他のステップの操作とパラメータは変化せず、電極構造体が得られた。
実施例1D:
[00109] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
水和処理後の焼結体に120Vの電圧で形成プロセスを行った後、同様の圧延処理を行ってクラックを発生させたところ、クラックの間隔は約0.227mmであった。他のステップの操作とパラメータは変化せず、電極構造体が得られた。
実施例1E:
[00110] この実施例と実施例1Aとの違いは、水和処理後の焼結体に160Vの電圧で形成プロセスを行った後、同様の圧延処理を行ったところ、クラックが発生し、クラックの間隔が約0.455mmであったことである。他のステップの操作とパラメータは変化せず、電極構造体が得られた。
実施例1F:
[00111] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
水和処理後の焼結体に200Vの電圧で形成プロセスを行った後、同様の圧延処理を行ったところ、クラックが発生し、クラックの間隔が約0.670mmであった。他のステップの操作とパラメータは変化せず、電極構造体が得られた。
実施例1G:
[00112] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
水和処理後の焼結体に330Vの電圧で形成プロセスを行った後、圧延処理したところ、硬度が高すぎて箔が割れた。
比較例1:
[00113] この比較例と実施例1Aとの違いは次の通りであった:
圧延処理は水和処理前に行った。他のステップの操作とパラメータは変化せず、電極構造体が得られた。
[00114] 電極構造体のSEM写真を図4(a)及び(b)に示した。クラックの連続性は悪く、クラックの間隔は大きく不規則であり、クラックの深さは浅く、焼結体の厚さよりはるかに小さかった。
比較例2:
[00115] この比較例と実施例1Aとの違いは次の通りであった:
圧延処理を省略し、すべての他のステップの操作パラメータは変化せず、微小クラックのない電極構造体が得られた。
[00116] 実施例1、比較例1及び比較例2における電極構造体を試験対象として使用して、箔巻回方向に沿ってサンプルをとり、曲げ強度R1.0及び520Vでの静電容量試験を行った。具体的な結果を表1に示した。
Figure 0007367045000001
[00117] 表1のデータ解析によれば、表面上に微小クラックを有する電極構造体の曲げ強度が大幅に向上しており、圧延処理による焼結体におけるクラック発生の最適時期は、水和処理後且つ形成プロセス前であり、クラック間隔が最も小さく、強度の向上が最も顕著であり、容量への影響が最も小さかった。
実施例2A:
[00118] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
焼結体を丸棒で圧延して焼結体上にクラックを発生させた。丸棒の直径は30mmであり、クラックの間隔は約1.625mmであった。
実施例2B:
[00119] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
焼結体を丸棒で圧延して焼結体上にクラックを発生させた。丸棒の直径は22mmであり、クラックの間隔は約0.955mmであった。
実施例2C:
[00120] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
焼結体を丸棒で圧延して焼結体上に、クラック、微小クラックを発生させた。丸棒の直径は16mmであり、クラックの間隔は約0.783mmであった。
実施例2D:
[00121] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
焼結体を丸棒で圧延して焼結体上に、クラック、微小クラックを発生させた。丸棒の直径は10mmであり、クラックの間隔は約0.440mmであった。
実施例2E:
[00122] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
焼結体を丸棒で圧延して焼結体上にクラックを発生させた。丸棒の直径は8mmであり、クラックの間隔は約0.220mmであった。
実施例2F:
[00123] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
焼結体を丸棒で圧延して焼結体上に、クラック、微小クラックを発生させた。丸棒の直径は4mmであり、クラックの間隔は約0.101mmであった。
[00124] もちろん、他の実施例では、クラックの間隔は、1mm、0.8mm、0.6mm、0.5mm、0.3mm、0.2mm、0.15mm、0.10mm、0.09mm、0.08mm、0.07mm、0.06mm又は0.05mmであってもよい。
[00125] 実施例2及び実施例1Aの電極構造体を試験対象として使用して、それぞれ、曲げ強度R1.0試験及び520Vでの静電容量試験を行った。具体的な結果を表2に示す。
Figure 0007367045000002
[00126] 表2におけるデータ解析によれば、丸棒の直径が小さくなるにつれて、クラックの間隔は徐々に小さくなり、曲げ強度は徐々に大きくなった。丸棒の直径が4mmに減少すると、微小クラックの間隔の低下範囲は減少したが、容量減衰範囲は増加した。
実施例3A:
[00127] この実施例と実施例2Eとの違いは次のとおりであった:
水和処理時間は24分であり、クラックの間隔は約0.470mmであった。
実施例3B:
[00128] この実施例と実施例2Eとの違いは次のとおりであった:
水和処理時間は20分であり、クラックの間隔は約0.392mmであった。
実施例3C:
[00129] この実施例と実施例2Eとの違いは次のとおりであった:
水和処理時間は16分であり、クラックの間隔は約0.294mmであった。
実施例3D:
[00130] この実施例と実施例2Eとの違いは次のとおりであった:
水和処理時間は12分であり、クラックの間隔は約0.235mmであった。
実施例3E:
[00131] この実施例と実施例2Eとの違いは次のとおりであった:
水和処理時間は6分であり、クラックの間隔は約0.147mmであった。
実施例3F:
[00132] この実施例と実施例2Eとの違いは次のとおりであった:
水和処理時間は2分であり、クラックの間隔は約0.102mmであった。
実施例3G:
[00133] この実施例と実施例2Eとの違いは次のとおりであった:
水和処理時間は1分であり、クラックの間隔は約0.106mmであった。
実施例3H:
[00134] この実施例と実施例2Eとの違いは次のとおりであった:
水和処理時間は0.5分であり、クラックの間隔は約0.335mmであり、クラックは不連続クラックであった。
[00135] 実施例3、実施例1A及び実施例2Eにおける電極構造体を試験対象として、それぞれ、曲げ強度R1.0試験及び520Vでの静電容量試験を行った。具体的な結果を表3に示した。
Figure 0007367045000003
[00136] 表3のデータ解析によれば、水和処理の強度が小さくなるにつれて、クラックの間隔は徐々に減少し、曲げ強度は徐々に増加した。しかし、水和処理時間が1分に減少すると、クラックの間隔は増加し、代わりに曲げ強度は減少した。その主な理由は、水和処理強度が弱すぎるために、箔が軟らかくなりすぎて引き上げやすく、割れにくいことであった。また、異なる水和処理強度は、箔の容量に大きな影響を与えた。そのため、適切な水和処理強度を制御することは、圧延により発生するその後のクラック形態に重要な役割を果たし、電極構造体の曲げ強度及び容量に直接影響することになる。この実施例では、97℃で2~12分間の水和処理強度を制御することがより適切であった。
[00137] 上記水和処理強度は、水和処理時間によって制御され、また、水和処理温度によっても制御することができ、水和処理温度は、70~100℃の間の任意の値であってもよいし、水和処理時間と温度とを合わせて制御することもできる。
実施例4:
[00138] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
アルミニウム箔基板の厚さは20μmであった。もちろん、他の実施例では、アルミニウム箔基板の厚さは、10μm、40μm、50μm又は60μmであってもよい。
実施例5A:
[00139] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
アルミニウム箔基板の厚さは30μmであり、アルミニウム箔基板の表裏を覆う焼結体の厚さはそれぞれ41μmであり、合計112μmであった。クラックの間隔は約0.084mmであった。
実施例5B:
[00140] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
アルミニウム箔基板の厚さは30μmであり、アルミニウム箔基板の表裏を覆う焼結体の厚さはそれぞれ32μmであり、合計94μmであった。クラックの間隔は約0.071mmであった。
[00141] 上記実施例5A、実施例5B及び実施例1Aの電極構造体を試験対象として使用して、それぞれ曲げ強度試験を行った。具体的な結果を表4に示した。
Figure 0007367045000004
[00142] 表4のデータ解析によれば、焼結体の厚さが減少するにつれて、クラックの間隔は徐々に減少し、曲げ強度は徐々に増加した。
実施例6:
[00143] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
粉末の平均粒径は6.5μmであった。もちろん、他の実施例では、粉末の平均粒径は、0.5μm、1μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μm、6μm、7μm、7.5μm、8μm、8.5μm、9μm、9.5μm又は10μmである。
実施例7:
[00144] この実施例と実施例1Aとの違いは次のとおりであった:
クラックの幅は10μmであった。もちろん、他の実施例では、クラックの幅は20μm、30μm、40μm、60μm、70μm、80μm、90μm又は100μmであってもよい。
[00145] 上述した特定の実施形態は、本発明の好ましい実施形態及び適用される技術原理のみであることを述べるべきである。本発明に開示された技術的範囲内において、当業者が容易に想到し得る変更又は置換は、本発明の保護範囲内に包含されるべきである。

Claims (12)

  1. 電極構造体の製造方法であって:
    (S10)基板の表面上に形成された焼結体を提供するステップと;
    (S20)前記焼結体に水和処理を行うステップであって、ステップS20における前記水和処理の温度が、70℃~100℃であり、前記水和処理時間が、1分~20分である、ステップと;
    (S40)水和された前記焼結体に物理的処理を行ってクラックを発生させるステップであって、前記クラックが、前記電極構造体の両端部を貫通し、前記クラックの間隔が、0.5mm以下である、ステップと;
    (S50)クラックを有する前記焼結体に酸化膜形成プロセスを行うステップと;
    を含む、電極構造体の製造方法。
  2. 前記焼結体が、前記基板の一面上に形成されている、
    又は、前記焼結体が、前記基板の両面に形成されている、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
  3. 前記基板が、バルブ金属、バルブ金属酸化物、及びバルブ金属窒化物のうちの1つ以上を含む箔である、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
  4. 前記焼結体が、多孔質構造を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電極構造体の製造方法。
  5. 前記焼結体が、バルブ金属、バルブ金属酸化物及びバルブ金属窒化物のうちの1つ以上を含む焼結層である、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
  6. 前記バルブ金属が、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、スズ、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、及びこれらの金属の合金のうちの1つ以上から選択される、請求項3又は5に記載の電極構造体の製造方法。
  7. 前記バルブ金属が、アルミニウム又はアルミニウム合金である、請求項6に記載の電極構造体の製造方法。
  8. 前記クラックが、同じ方向に延在する、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
  9. 前記クラックの幅が、100μm以下である、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
  10. 前記クラックの間隔が、0.3mm以下である、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
  11. 前記クラックの間隔が、0.15mm以下である、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
  12. 前記クラックの間隔が、0.05mm以下である、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
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