JP2005175330A - アルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中高圧用アルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の漏れ電流低減に効果のある化成方法を提供する。
【解決手段】エッチングされたアルミニウム箔に陽極酸化皮膜を形成するアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法において、
陽極酸化皮膜形成工程の前段で、濃度0.1〜30.0wt%のエチレングリコール水溶液中にて、温度80〜100℃で、水和処理を行うことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法である。
【選択図】なし。
【解決手段】エッチングされたアルミニウム箔に陽極酸化皮膜を形成するアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法において、
陽極酸化皮膜形成工程の前段で、濃度0.1〜30.0wt%のエチレングリコール水溶液中にて、温度80〜100℃で、水和処理を行うことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法である。
【選択図】なし。
Description
本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用陽極箔(以下、陽極箔と称す)の化成(陽極酸化)方法に関するものであり、特に中高圧用陽極箔の漏れ電流低減に効果のある化成方法に関するものである。
従来、中高圧用陽極箔は、エッチングされたアルミニウム箔を高温純水中で水和処理した後、リン酸、ホウ酸等の水溶液中で、一定の電圧を印加して化成処理を行い、所定の化成電圧まで到達した後、酸またはアルカリ水溶液中への浸漬、および450〜550℃で数分間放置する熱処理による減極処理を行って、漏れ電流の原因となる酸化皮膜中のボイド、クラック等を露呈させ、さらに修復化成を繰り返すことにより、所望の陽極酸化皮膜を形成している(非特許文献1参照)。
「電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ(アルミニウム乾式電解コンデンサ増補改訂版)」永田伊佐也著、日本蓄電器工業株式会社出版、1997年9月24日 第2版第1刷、p.311〜314
アルミニウム箔を高温純水中で水和処理すると、アルミニウム箔表面に疑似べーマイト皮膜が形成される。
疑似べーマイト皮膜形成後、化成処理を行うことで疑似べーマイト皮膜が結晶性アルミニウム酸化皮膜へ転移するが、この時皮膜の体積が減少するため、酸化皮膜中にボイドやクラックを形成する。
このボイドやクラックを除去するため減極処理を行う。
漏れ電流を低減するためには、減極処理を強くする必要があるが、修復化成でも皮膜の結晶化が進むため、この方法ではアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の漏れ電流を低減させるのに限度があり、最近、特に要望されているアルミニウム電解コンデンサのより一層の高性能化に応えることができない。
疑似べーマイト皮膜形成後、化成処理を行うことで疑似べーマイト皮膜が結晶性アルミニウム酸化皮膜へ転移するが、この時皮膜の体積が減少するため、酸化皮膜中にボイドやクラックを形成する。
このボイドやクラックを除去するため減極処理を行う。
漏れ電流を低減するためには、減極処理を強くする必要があるが、修復化成でも皮膜の結晶化が進むため、この方法ではアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の漏れ電流を低減させるのに限度があり、最近、特に要望されているアルミニウム電解コンデンサのより一層の高性能化に応えることができない。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その課題は漏れ電流をより低減することができるアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するもので、エッチングされたアルミニウム箔に陽極酸化皮膜を形成するアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法において、陽極酸化皮膜形成工程の前段で、エチレングリコール水溶液による水和処理を行うことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法である。
また、上記のエチレングリコール水溶液中のエチレングリコール濃度が0.1〜30.0wt%であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法である。
本発明では、陽極酸化皮膜形成の前段で、エチレングリコール水溶液による水和処理を行うことにより、水和皮膜中にエチレングリコールが取り込まれ、化成皮膜の結晶を小さくすることができると考えられ、その結果、漏れ電流を大幅に低減したアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔を製造することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
面積比30倍にエッチング処理されたアルミニウム箔を、表1に示す濃度のエチレングリコール水溶液中にて、液温90±2℃で5分間浸漬し、水和皮膜を形成した(実施例1〜9)。
このアルミニウム箔を比抵抗450Ω・cm、pH6.5に調整したリン酸アンモニウム水溶液中にて、液温85±2℃で300Vまで化成電圧を上昇させ、同電圧を15分間保持した。
そして、550℃2分間の熱処理、3.0wt%リン酸水溶液の70℃5分間の浸漬による減極処理を行った後、修復化成を上記リン酸アンモニウム水溶液で数回行った。
また、従来例として、上記のエチレングリコール水溶液を使用せず、純水により水和皮膜を形成したものについても、上記と同様、化成、減極処理を行った。
面積比30倍にエッチング処理されたアルミニウム箔を、表1に示す濃度のエチレングリコール水溶液中にて、液温90±2℃で5分間浸漬し、水和皮膜を形成した(実施例1〜9)。
このアルミニウム箔を比抵抗450Ω・cm、pH6.5に調整したリン酸アンモニウム水溶液中にて、液温85±2℃で300Vまで化成電圧を上昇させ、同電圧を15分間保持した。
そして、550℃2分間の熱処理、3.0wt%リン酸水溶液の70℃5分間の浸漬による減極処理を行った後、修復化成を上記リン酸アンモニウム水溶液で数回行った。
また、従来例として、上記のエチレングリコール水溶液を使用せず、純水により水和皮膜を形成したものについても、上記と同様、化成、減極処理を行った。
上記の実施例1〜9および従来例の化成済アルミニウム箔について、300Vの電圧を印加して3分後の漏れ電流値、および静電容量を測定し、表1の結果を得た。
なお、試料数は各々10個とした。
なお、試料数は各々10個とした。
表1より明らかなように、実施例2〜8では、従来例に比べて漏れ電流が低減しており、また、静電容量は従来例と同等である。
ただし、エチレングリコール水溶液の濃度が0.05wt%では漏れ電流の低減効果が小さく(実施例1)、40.0wt%では静電容量の減少が著しくなる(実施例9)。よって、エチレングリコール水溶液の濃度は0.1〜30.0wt%の範囲が適している。
さらに、エチレングリコール水溶液の温度は80〜100℃の範囲が適当である。80℃を下回ると反応速度が低下し、また、100℃を超えると水の蒸発が著しく、液の組成の制御が困難になるため、好ましくない。
ただし、エチレングリコール水溶液の濃度が0.05wt%では漏れ電流の低減効果が小さく(実施例1)、40.0wt%では静電容量の減少が著しくなる(実施例9)。よって、エチレングリコール水溶液の濃度は0.1〜30.0wt%の範囲が適している。
さらに、エチレングリコール水溶液の温度は80〜100℃の範囲が適当である。80℃を下回ると反応速度が低下し、また、100℃を超えると水の蒸発が著しく、液の組成の制御が困難になるため、好ましくない。
Claims (2)
- エッチングされたアルミニウム箔に陽極酸化皮膜を形成するアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法において、
陽極酸化皮膜形成工程の前段でエチレングリコール水溶液による水和処理を行うことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法。 - 請求項1記載のエチレングリコール水溶液中のエチレングリコール濃度が0.1〜30.0wt%であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法。
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JP2003415856A JP2005175330A (ja) | 2003-12-15 | 2003-12-15 | アルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007299901A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Nichicon Corp | 電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
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WO2020241174A1 (ja) * | 2019-05-24 | 2020-12-03 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム化成箔、アルミニウム電解コンデンサ用電極、およびアルミニウム化成箔の製造方法 |
CN113557583A (zh) * | 2019-03-01 | 2021-10-26 | 内蒙古乌兰察布东阳光化成箔有限公司 | 一种电极结构体及其制备方法 |
TWI840553B (zh) | 2019-05-24 | 2024-05-01 | 日商日本輕金屬股份有限公司 | 鋁化成箔、鋁電解電容器用電極及鋁化成箔之製造方法 |
-
2003
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