JP2001203129A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

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JP2001203129A
JP2001203129A JP2000011598A JP2000011598A JP2001203129A JP 2001203129 A JP2001203129 A JP 2001203129A JP 2000011598 A JP2000011598 A JP 2000011598A JP 2000011598 A JP2000011598 A JP 2000011598A JP 2001203129 A JP2001203129 A JP 2001203129A
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ppm
less
aluminum foil
electrolytic capacitor
leakage current
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JP2000011598A
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Takeshi Itagaki
武志 板垣
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MA Aluminum Corp
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏れ電流の増大を招くことなく静電容量
の増大が可能な電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を
提供する。 【解決手段】 質量比ppmで、Si:10〜100、
Fe:10〜100、Cu:80〜1000を含有し、
Mo:0.01〜2、W:0.01〜2、Ta:0.0
1〜2、Nb:0.01〜2の内1種または2種以上を
含有し、さらに所望によりMg:1〜10を含有し、残
部がAlと不可避不純物とからなるアルミニウム箔。 【効果】 粗面化処理に際し、粗面化率が向上して
コンデンサとして高い静電容量が得られる。酸化皮膜の
形成において、皮膜の絶縁性が向上し、コンデンサとし
て用いた際の漏れ電流が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサ電極用
アルミニウム箔に関するものであり、特に化成電圧の低
い低電圧電解コンデンサ陽極用に好適のものである。
【0002】
【従来の技術】従来、化成電圧の低い低電圧電解コンデ
ンサ陽極用のアルミニウム箔としては、例えば特開平4
−62819に開示されるように、Fe:5〜1000
ppm、Si:5〜1000ppm及びCu:5〜10
00ppmを含有する箔などが用いられている。アルミ
ニウム箔をコンデンサ電極材料に仕上げる過程では、表
面積を増大させて静電容量の向上を図るため粗面化処理
がなされるが、上記したFe、Si、Cuは、この処理
で箔の粗面化率を上げ、結果的に静電容量を高める作用
がある。このため従来のアルミニウム箔では、これら成
分を適量添加している。特に、Cuは、エッチングピッ
トを均一にして静電容量を顕著に増加させる作用があり
積極的な添加が行われており、50ppmを越える含有
でその作用が顕著になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、Cuの
添加が静電容量の増加に効果があることはよく知られて
いる。しかし、本発明者等の研究によれば、Cu含有量
が増えると、電解エッチング後に形成される陽極酸化皮
膜の漏れ電流が増加して電解コンデンサとしての特性を
低下させるという問題があり、漏れ電流を考慮すればC
uを多く含有させることは困難になる。
【0004】本発明は、上記事情を背景としてなされた
ものであり、Cu含有により静電容量を大幅に増加させ
ることができるとともに、漏れ電流が少なくて電解コン
デンサとして優れた特性を導き出すことができる電解コ
ンデンサ電極用アルミニウム箔を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のうち第
1の発明は、質量比で、Si:10ppm以上100p
pm以下、Fe:10ppm以上100ppm以下、C
u:80ppm以上1000ppm以下を含有し、さら
に、Mo:0.01ppm以上2ppm以下、W:0.
01ppm以上2ppm以下、Ta:0.01ppm以
上2ppm以下、Nb:0.01ppm以上2ppm以
下の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可
避不純物とからなることを特徴とする。
【0006】また、第2の発明の電解コンデンサ電極用
アルミニウム箔は、質量比で、Si:10ppm以上1
00ppm以下、Fe:10ppm以上100ppm以
下、Cu:80ppm以上1000ppm以下を含有
し、さらに、Mo:0.01ppm以上2ppm以下、
W:0.01ppm以上2ppm以下、Ta:0.01
ppm以上2ppm以下、Nb:0.01ppm以上2
ppm以下の内1種又は2種以上と、Mg:1ppm以
上10ppm以下を含有し、残部がAlと不可避不純物
とからなることを特徴とする。
【0007】上記したように本発明のアルミニウム箔
は、アルミニウムに微量成分を適量含有させることによ
り粗面化率を上げて静電容量の増大を図っているととも
に、さらに他の微量成分の添加によってコンデンサとし
て使用した際の漏れ電流の発生を抑制している。以下に
各成分の作用およびその含有量の限定理由について説明
する。なお、以下における含有量はいずれも質量比であ
る。
【0008】Si、Fe:各10ppm以上100pp
m以下 SiおよびFeは、箔表面にAl−Fe−Si系金属間
化合物として分散してピットの起点となり、ピット密度
を増加させて粗面化処理において適度な溶解性を付与す
るので含有させる。ただし、いずれも10ppm未満で
は上記作用を得るのには不十分であり、一方、100p
pmを越えるとピット密度が過度になって拡面化に寄与
しない表面溶解が増加して却って静電容量が低下するの
でSi、Feの含有量を10〜100ppmの範囲内に
定める。なお、同様の理由でSiおよびFe含有量の下
限をそれぞれ20ppm、上限を50ppmとするのが
望ましい。
【0009】Cu:80ppm以上1000ppm以下 Cuは、粗面化処理におけるエッチングの均一性を高
め、静電容量を増大させるのに重要な元素である。この
作用を十分に得るためにはできるだけ多くのCuを含有
させるのが望ましい。その一方で、Cuの含有は前述す
るように漏れ電流を増大させるが、後述する成分の含有
によってこの悪影響を小さくすることができる。この観
点から、本発明では80ppm以上のCu含有が可能に
なる。一方、後述する成分を含有させても1000pp
mを越えてCuを含有させると、漏れ電流が大きくなっ
て陽極酸化皮膜の絶縁性が低下し、よってコンデンサと
しての特性が損なわれる。このため、Cuの含有量を8
0〜1000ppmの範囲内に定める。なお、同様の理
由で下限を100ppm、上限を500ppmとするの
が望ましい。
【0010】Mo:0.01ppm以上2ppm以下 W :0.01ppm以上2ppm以下 Ta:0.01ppm以上2ppm以下 Nb:0.01ppm以上2ppm以下の内一種または
二種以上 これら元素は、陽極酸化皮膜形成時に皮膜中に高濃度に
取り込まれ、よって陽極酸化皮膜の絶縁性を保持してC
u含有による漏れ電流を小さくするので、その一種以上
を含有させる。ただし、各元素において、0.01pp
m未満では上記作用が不十分であり、一方、2ppmを
越えると拡面化に寄与しない表面溶解が増加して静電容
量が低下するので、それぞれ0.01〜2ppmの範囲
内に限定する。なお、同様の理由でそれぞれ、下限を
0.1ppm、上限を1ppmとするのが望ましい。
【0011】Mg:1ppm以上10ppm以下 Mgは、上記したMo、W、Ta、Nbが陽極酸化皮膜
中に拡散するのを促進してその効果をより一層高める作
用があるので、所望により含有させる。ただし、1pp
m未満のMg含有ではその作用が十分でなく、一方、1
0ppmを越えて含有させると拡面化に寄与しない表面
溶解が増加して静電容量が低下するので、Mg含有量は
1〜10ppmの範囲内にとする。なお、同様の理由
で、下限を2ppm、上限を5ppmとするのが望まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム箔の製造に
際しては、上記した成分をその設定範囲内で含有させ溶
製したアルミニウム合金を用いることができる。該合金
は常法により溶製することができ、例えば溶解、鋳造、
均質化熱処理等を経て得ることができる。上記により得
られた合金は、インゴット形態で高温に加熱して熱間圧
延する。熱間圧延時条件は特に限定されるものではな
く、この熱間圧延によって数mm厚程度のシート材とす
る。このシート材に対し続いて冷間圧延を行い、数十μ
mから100μm程度のアルミニウム合金箔を得る。な
お、冷間圧廷途中あるいは冷間圧廷終了後に適宜脱脂を
加えてもよい。また冷間圧廷の途中で適宜中間焼鈍を加
えても差し支えない。また、アルミニウム箔の製造に際
し、直接連続圧延によってアルミニウム薄板を得、これ
を冷間圧延して箔とするものであってもよい。
【0013】上記により得られたアルミニウム箔に対し
ては、その後、粗面化処理がなされる。粗面化処理は、
一般には塩酸を主体とする電解液を用いた電解エッチン
グ等によって行われるが、本発明としてはこの粗面化処
理の具体的条件等について特に限定されるものではな
く、例えば常法に従って行うことができる。粗面化処理
においては、上記成分の設定によって箔にピットが高密
度で形成され、高い粗面化率が得られる。特に、十分に
含有させたCuは、粗面化処理でのエッチングの均一性
を高め、静電容量を顕著に増大させる。
【0014】さらに粗面化処理を施したアルミニウム箔
には耐電圧性の酸化皮膜を形成する。この酸化皮膜は、
通常は化成処理による陽極酸化皮膜として形成される。
この酸化皮膜の形成方法も本発明としては特に手法、条
件が限定されるものではなく、例えば常法により行うこ
とができる。なお、本発明のアルミニウム箔では、酸化
皮膜の形成に際し、箔に含有されている微量のMo、
W、Ta、Nbの1種以上が酸化皮膜中に高濃度で取り
込まれ、酸化皮膜の絶縁性を顕著に高める。これによ
り、箔に多くの量のCuを含有していても、電極として
用いた際に酸化皮膜の漏れ電流が大きくなるのを有効に
防止することができる。この箔を常法により電解コンデ
ンサに電極として組み込むことにより静電容量が高く、
かつ漏れ電流の小さいコンデンサが得られる。本発明は
前述したように、化成電圧の低い低電圧電解コンデンサ
の陽極として使用するのが好適であるが、本発明として
はこれに限定されるものではなく、より化成電圧の高い
コンデンサ用としても使用することができ、また電解コ
ンデンサの陰極用の材料として使用することもできる。
【0015】
【実施例】表1に示す組成のアルミニウム箔を通常の鋳
造、面削、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延により作製
した。工程の途中で適宜、中間焼鈍及び脱脂洗浄を行っ
た。得られたアルミニウム箔の厚さは90μmである。
この箔に、Ar雰囲気中で350℃、6時間保持の条件
で最終焼鈍を施した。さらに、35℃の5%塩酸+0.
5%リン酸+0.5%硝酸混合溶液中で周波数50H
z、電流密度5A/dm2、電解時間300秒の条件で
電解エッチングを行い、次いで85℃の5%アジピン酸
アンモニウム中で20Vで化成処理して陽極酸化皮膜を
形成し、25℃の同溶液中で静電容量を測定した。ま
た、30℃の0.5Mホウ酸+0.05M四ホウ酸ナト
リウム混合水溶液中で、5Vの電圧を印加して漏れ電流
を測定した。これらの結果を相対評価として表1に併記
した。
【0016】
【表1】
【0017】上記表から明らかなように、本発明材は、
いずれの比較材に対しても高い静電容量を有しており、
しかも漏れ電流も小さなものになっている。これに対
し、比較材では、静電容量、漏れ電流のいずれかで劣っ
た結果が得られており、本発明材の成分選定によって初
めて高い静電容量と、抑制された漏れ電流が得られてい
ることが分かる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電解コン
デンサ電極用アルミニウム箔によれば、質量比で、S
i:10〜100ppm、Fe:10〜100ppm、
Cu:80〜1000ppmを含有し、Mo:0.01
〜2ppm、W:0.01〜2ppm、Ta:0.01
〜2ppm、Nb:0.01〜2ppmの内1種または
2種以上を含有し、さらに所望によりMg:1〜10p
pmを含有し、残部がAlと不可避不純物とからなるの
で、その含有成分によって粗面化率が向上してコンデン
サとして高い静電容量が得られるとともに、漏れ電流の
発生が抑制されて良質のコンデンサが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量比で、Si:10ppm以上100
    ppm以下、Fe:10ppm以上100ppm以下、
    Cu:80ppm以上1000ppm以下を含有し、さ
    らに、Mo:0.01ppm以上2ppm以下、W:
    0.01ppm以上2ppm以下、Ta:0.01pp
    m以上2ppm以下、Nb:0.01ppm以上2pp
    m以下の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと
    不可避不純物とからなることを特徴とする電解コンデン
    サ電極用アルミニウム箔
  2. 【請求項2】 質量比で、Si:10ppm以上100
    ppm以下、Fe:10ppm以上100ppm以下、
    Cu:80ppm以上1000ppm以下を含有し、さ
    らに、Mo:0.01ppm以上2ppm以下、W:
    0.01ppm以上2ppm以下、Ta:0.01pp
    m以上2ppm以下、Nb:0.01ppm以上2pp
    m以下の内1種又は2種以上と、Mg:1ppm以上1
    0ppm以下を含有し、残部がAlと不可避不純物とか
    らなることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニ
    ウム箔
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277602A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Toyo Aluminium Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
CN101770871A (zh) * 2010-03-04 2010-07-07 北京中拓机械有限责任公司 电容器阳极用铝箔及生产方法

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