JP7367017B2 - 車両用照明装置 - Google Patents

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Description

関連出願
この出願は、2019年6月5日出願の特願2019-105275の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。
本発明は車両用照明装置に関し、特に、車両の内装部材に対して光を投射することにより、車室内照明の意匠性を高め得る照明装置に関する。
従来から、自動車等の車両の内装には、車室内の意匠性を高めることを目的として各種の照明装置が設置されている。このような車室内照明として、光源からの光を導光体に入光させ、導光体から発光する光を直接または間接に搭乗者に視認させる照明装置も提案されている。
例えば、特許文献1には、長尺状の導光体の両端に波長域が一部重複する光源を配置し、それぞれの光源の出力を独立して制御することにより、滑らかな光の流れを演出し得る照明装置が提案されている。
特許文献2には、長尺状の導光体の両端に配置された発光色の異なる光源と、前記光源を点灯制御する制御部と、前記導光体の光を車室内側に照射するための照射部とを備え、制御部により第1の光源の発光量を増加させつつ、第2の光源の発光量を減少させることにより、照射部により光が流れて見えるように照明する車室内照明装置が提案されている。
導光体は車両の天井部の照明にも応用されている。特許文献3は、間接照明付内装部材を開示しており、実施形態として、天井内装部材に設けた取付溝に沿って、複数の導光体と、導光体の端面に対向配置された光源と、前記光源を覆って隣り合う導光体間を橋渡しする光拡散板を配置し、天井部材の意匠面に光を照射する構成が記載されている。
特許第5602616号明細書 特許第5721020号明細書 特許第4398452号明細書
自動車関連産業の分野で、搭乗者の快適性を高めるため、車室内の意匠性のさらなる向上を狙った特許文献3の技術では、複数の導光体を直列に配列し、広い領域で均一に間接照明を提供しているが、発光量の制御などは行っていない。特許文献1、2の技術では、光源の制御によって長尺の導光体で光の流れを演出しているが、発光形状のパターン制御などは行っていない。例えば、特許文献2は、導光体の一端に配置された第1光源と、他端に配置された第2光源として色度の異なる光を発するものを用い得ることを記載しているが、異なる色の照明光を用いて照明パターンを形成することは記載されていない。
本発明は、長尺の導光体を用いて車両の内装部材の照明を行う際に、光源からの出光量の制御に加え、発光形状の制御を行い、意匠性に優れた照明を提供することを目的とする。
本発明の車両用照明装置は、車両の内装部材に光を投射する照明装置であって、発光部と、前記発光部を覆うガーニッシュとを備え、前記発光部は、少なくとも一つの光源と、前記光源の出力を制御する出力制御部と、前記光源から出光した光を導光する棒状の導光体と、前記導光体を収納するハウジングとを有し、前記ハウジングには、遮光部と、前記導光体に沿って離間配置された複数の透光部とが設けられており、前記透光部を透過した光が前記内装部材に投射されている。
上記構成の車両用照明装置によれば、長尺の導光体に沿って離間配置された透光部から光を投射する構成により、間接照明として内装部材に投射される光のパターン設計が可能となる。そのため、車室内の照明に、高い意匠性を付与することができる。
上記車両用照明装置において、前記発光部は、発光色がそれぞれ異なる複数の光源と、各発光色の光源の光を導光する複数の導光体とを有し、前記出力制御部により、各光源の出力が独立して制御されてもよい。
上記車両用照明装置によれば、二色以上の異なる色の光を同時に、かつ/または経時的な変化を伴いながら出光させることにより、異なる色の光が交差するパターンや、明るい照明光の色や方向が変化する状態を視認させることができ、照明装置の意匠設計上の自由度が大きい。
上記車両用照明装置は、前記出力制御部により、前記光源から出光する光の強度が経時的に変化するように制御されてもよい。
上記構成の車両用照明装置によれば、投射される光の強度を経時的に制御することにより、照明のパターンや色を経時的に変化させることができ、意匠性の高い照明効果を演出できる。
上記車両用照明装置は、前記車両のルーフに固定され、前記透光部を透過した光が、前記内装部材としてのルーフライニングと前記ガーニッシュとの隙間から、前記ルーフライニングに投射されてもよい。
上記構成の車両用照明装置によれば、発光部をルーフライニングとガーニッシュとの間に保持し、両者の隙間から出光させることにより、意匠性の高い間接照明の効果を得ることができる。
上記車両用照明装置において、前記透光部は、遮光性の部材からなる前記ハウジングに設けられたスリットにより形成されていてもよい。
上記車両用照明装置において、前記導光体における前記透光部と反対側の反射面に、複数の溝からなる光学パターンが形成されていてもよい。
上記車両用照明装置において、前記出力制御部が、前記ガーニッシュの内側に配置されていてもよい。
請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成のどのような組合せも、この発明に含まれる。特に、請求の範囲の各請求項の2つ以上のどのような組合せも、この発明に含まれる。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
本発明にかかる車両用照明装置の外観を示す正面図である。 図1Aの破線Bで囲んだ部分を拡大図示する概略正面図である。 図1Bの線II―IIに沿った断面図である。 図1Bの線III―IIIに沿った断面図である。 変形例にかかる車両用照明装置の横断面図である。 別の変形例にかかる車両用照明装置の横断面図である。 車両用照明装置がルーフライニングをはさんでブラケットに固定された状態を示す、一部切り欠き斜視図である。 図2の線Vで囲んだ部分の拡大図である。 本発明に係る車両用照明装置に用いられる導光体の光学パターンの一例を示す斜視図である。 本発明の照明装置における、光源と導光体の配置の例を説明するための図である。 本発明の照明装置における、光源と導光体の配置の別の例を説明するための図である。 本発明の照明装置における、光源と導光体の配置のさらに別の例を説明するための図である。 本発明の照明装置における、光源と導光体の配置のさらに別の例を説明するための図である。 本発明の照明装置における、光源と導光体の配置のさらに別の例を説明するための図である。 本発明の照明装置における、光源と導光体の配置のさらに別の例を説明するための図である。 車両用照明装置が備える出力制御部の構成を説明するための図である。 本発明に係る車両用照明装置を自動車のルーフに設置して照明を行った状態を示す概念図である。 本発明の車両用照明装置において、導光体の両端に光源を設置した場合の照明パターンを例示する図である。 本発明の車両用照明装置において、二列の導光体の両端に光源を設置した場合の照明パターンを例示する図である。 図10Bの線Xで囲んだ部分の拡大図である。 二列の導光体に発光色の異なる光源を用いて照明を行った場合において、輝度の明るい照明光の色と出光方向が経時的に変化する様子を模式的に示す図である。 従来の照明装置を用いて照明を行った場合における、照明光の経時的変化を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図中、矢印で示すZ方向は、上側方向、X方向は車両前方方向、Y方向は車幅方向の車室内方向をそれぞれ示す。
図1Aに示すように、本発明の一実施形態にかかる車両用照明装置1は長尺物である。拡大図である図1Bに示すように、車両用照明装置1は、導光体(図示せず)を収納するハウジング2と、ハウジング2を覆うガーニッシュ(装飾部材)3を備えている。ハウジング2に、遮光部2aと、長手方向に離間する透光部2bが設けられている。さらに、ハウジング2に、車両用照明装置1を内装トリム(図示せず)に設置するための係止部2cが複数設けられている。
図2に示すように、ハウジング2の内部に、複数の導光体4(図では3本の導光体41、42、43)が並列して設置されており、それぞれの端面に対向して光源5(図では3個の光源51、52、53)が配置されている。光源5は、ハーネス6を介して出力制御部7に接続されている。ハウジング2、導光体4、光源5および出力制御部7が、発光部100を構成する。ここでは、説明のため出力制御部7をガーニッシュ3の内側に示しているが、出力制御部7はガーニッシュ3の外側に設けられてもよい。
光源5から発して導光体4に入光した光は、導光体の裏面4aと表面4bで反射しながら導光される。裏面4aには、後述の図6に示すようにプリズム状の溝などの光学パターン4cが設けられており、光学パターン4c内での光の反射により、裏面4aに対し、浅い角度で入射した光も、大きな角度で反射させ、表面4bから出光させることができる。
光源5から出光した光が導光体4で導光され、ハウジング2に設けられた透光部2bから出光する際の光路の例を図2に示す。第1の光源51から入光し、第1の導光体41で導光される光の光路を実線L1、L2、L3で示す。第2の光源52から入光し、第2の導光体42で導光される光の光路の例を破線L4で示す。第3の光源53から入光し、第3の導光体で導光される光の光路の例を破線L5で示す。
光路L1では、第1の光源51を出光した光は第1の導光体41で導光されて、出光したのち、遮光部2aによって遮蔽されるが、光路L2、L3の光は透光部2bを透過する。光路L4では、第2の導光体42で導光されて出光した光が第1の導光体を透過したのち、透光部2bを透過する。光路L5では、第3導光体43で導光されて出光した光が第2の導光体42および第1の導光体41を透過したのち、透光部2bを透過する。このようにして、3個の光源51、52、53から導光体41、42、43に入光した光は、透光部2bから放射状に出光し、内装部材(図2に不図示)に投射される。
また、導光体4の両端に光源5が配置されている場合には、実線L6および破線L7、L8で示す光路のように、図示されない他端の光源5から出光した光も各導光体41、42、43中を導光されて透光部2bから出光する。これによって、後述の図10A,10Bに示すような照明パターンを形成できる。
透光部2bの間隔Dは特に限定されないが、20mm~40mm程度であることが好ましい。間隔Dが狭すぎると、光パターンが重なりすぎてぼやけ、意匠性向上の効果が低減する。他方、間隔Dが広すぎると、照明としての効果が薄れ、エネルギー効率も低下するので好ましくない。
導光体4と光源5の組み合わせは特に限定されない。光源5は、例えば電球色LED、白色LED、フルカラーLEDから選択される少なくとも一種とすることができる。例えば、上記いずれかのLEDを一本の導光体4の一端に対向配置させてもよく、両端に対向配置させてもよい。また、一本の導光体4の両端に白色LEDを対向配置させたもの、一本の導光体4の両端に電球色LEDを対向対置させたもの、一本の導光体4の両端にフルカラーLEDを対向対置させたものの三種より、二種または三種を選択して並列配置してもよい。
一例として、図2に示す構成で、第1の光源51を白色LED、第2の光源52を電球色LED、第3の光源53をフルカラーLEDとし、3つの光源51、52、53の発光量を経時的に変化させるとともに、第3の光源53の発光色を経時的に変化させてもよい。導光体4の一端に配置した光源5の出力を増減させると、照明装置1にそって透光部2bからの出光する照明光の強度が、照明装置1に沿って流れて変化するように視認される。導光体4の両端に光源5を配置して、出力を増減させると、照明光強度が照明装置1の長尺方向にそって揺らぐ様子を視認させることができる。
図3Aは、図1Bの線III-IIIに沿った概略断面図であり、図3B、3Cはその変形例を示す。ブラケット8およびルーフライニング9は破線で示す。導光体41、42、43は、ハウジング2と、ハウジング2を覆うガーニッシュ(加飾部材)3によって保持されている。図の例では、透光部2bは遮光性の部材からなるハウジング2に設けられたスリットとして形成されている。ハウジング2はブラケット8に固定され、その間にルーフライニング9が保持される。
ガーニッシュ3とハウジング2は、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などを射出成型したものであってもよい。ハウジング2の遮光部2aと透光部2bは、図3Aに示した、不透明樹脂に設けた前述のスリットを透光部2bとしてもよく、あるいは図3Bのように、透明樹脂からなるハウジング2にカーボンフィルム等の不透明フィルム20を貼付し、フィルムに設けた切り欠きを透光部2bとしてもよい。あるいは、図3Cのように、ハウジング2の前面に遮光板(遮光部材)21を設置し、これにスリットを設けて透光部2bとしてもよい。
図3A、図3B、図3Cに示す各実施形態では、導光体41、42、43はそれぞれ略長方形の断面形状を有し、各導光体の厚み方向の中心面P1、P2、P3が段差をなすように配置されている。各導光体41、42、43から出光する光は、内装部材(ルーフライニング9)において、導光体41、42、43の長手方向に平行な帯状領域に投射されるが、中心面P1、P2、P3に段差をつけて配置することにより、各導光体41、42、43から出光する光が最大強度となる(図3Bに三重矢印で示す)位置を、ほぼ同じ帯状領域R上に分布させることができ、意匠性を向上させることができる。
図4は、車両用照明装置1をルーフに設置する様子を示す概略斜視図である。ハウジング2に導光体4(41、42、43)および光源(図示せず)が設置されたのち、ガーニッシュ3がハウジング2に装着される。ハウジングの係止部2cは突起状の係止爪2dを有しており、ルーフライニング9に設けられた孔(図示せず)および、ブラケット8に設けられた係止孔8aに挿通され、係止爪2dでブラケット8に係止される。つづいて、ブラケット8をルーフパネル(図示せず)に設置することにより、車両用照明装置1をルーフに固定できる。図の実施形態では、ブラケット8は、ルーフパネル(図示せず)の部材を挟持するための係止部8bを有している。なお、図4に示した構成は一例であって、ハウジング2をブラケット8に固定する方法や、ブラケット8をルーフパネル(図示せず)に固定する方法は、特に限定されない。
図5は、図2に枠Vで示す部分の拡大図である。図5の透光部2bのスリット幅Wは、1.2mm~2.0mm程度であることが好ましい。遮光部2aの板厚T1は2.0~3.0mm程度であることが好ましいが、透光部近傍の板厚T2は、1.0mm~1.5mm程度であることが好ましい。さらに、光入射側の断面を半円形、三角形等の形状として入射光量を確保してもよい。
図6は、車両用照明装置用1の導光体4の一例を示す概略斜視図である。導光体(導光棒)4は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂から形成することができる。導光体の反射面(裏面)4aには、光学パターンが設けられていることが好ましい。光学パターンは、円錐状の凹部であってもよいが、断面が半円または三角形となるプリズム状の溝4cが定間隔で配置されたものであることが好ましい。光学パターンをプリズム状の溝4cとすることにより、導光体4の長手方向に沿って、内装部材が明るく照明される領域の幅を広くすることができる。図示される導光体4は、略直方体の形状を有するが、必要に応じ、他の多角形の断面形状を有するものであってもよい。場合によっては、導光体4はルーフ等の設置場所の形状にあわせて湾曲していてもよく、あるいは、長尺の導光を行うために、2以上の導光体4を直列して配置してもよい。
図7A~7Fは、本発明の照明装置1における、光源5と導光体4の組み合わせのバリエーションの一部を示す模式図である。図7Aは基本的構成であって、導光体4の一端に光源5が配置されている。図7Bでは、導光体4の両端に光源5a、5bが配置されている。図7Cでは、二本の導光体41、42を並列して配置し、各導光体の両端にそれぞれ光源51a、51b、52a、52bが配置されている。図7D、図7Eでは、図7B、図7Cと同様の構成において、二本の導光体(4aと4b、41aと41b、42aと42b)を直列して連結し、導光体を長尺化している。図7Fでは、さらに三列目の導光体43a、43bを設け、それぞれの端部に光源53a、53bを配置している。
具体的な構成としては、図7A、図7B、図7Dの構成で、光源5または、光源5aおよび5bの両方を白色LED、電球色LED、フルカラーLEDの三種の光源から選択するいずれかとする実施形態が挙げられる。また、導光体を二列配置した図7C、図7Eの構成で、光源51aと51bの両方を上記三種の光源から選択するいずれかとし、残る二種から選択される一種の光源を光源52aと52bの両方で用いる実施形態が挙げられる。さらに、図7Fのように導光体4を三列配置し、三列目の導光体43a、43bに対して設置する光源53a、53bとしては、他の二列で選択されなかった光源を用いる実施形態を挙げることができる。また、導光体の両側で異なる光源を用いてもよく、例えば、図7Dの構成で、光源5aを白色LEDとし、光源5bを電球色LEDとしてもよい。
図8に示すように、本発明に係る車両用照明装置1においては、各光源5(51、52、53)の出力(出光量)は、出力制御部7により、光源5ごとに制御される。出力制御部7は、制御手段70と、制御回路71(図では三つの制御回路71a、71b、71c)とからなり、ハーネスを介して光源5及び電源11に接続されている。制御手段70は、格納されたプログラムに従って、制御回路71(71a、71b、71c)から各光源5(51、52、53)に供給される電流を制御する。また、光源5としてフルカラーLEDを用いる場合には、RGBの各端子に供給する電流を制御する。制御回路71の個数は、光源5の個数に応じて増減させればよい。
図9は、本発明に係る車両用照明装置1を自動車のルーフ10に設置した状態を模式的に示す図であり、後部座席の搭乗者に視認される状態を示している。符号12は、前部座席、13はセンターコンソール、14はフロントウィンドウ、15はサイドウィンドウをそれぞれ示す。ルーフ10に設置されたガーニッシュ3とルーフライニング9の間から所定間隔で放射状の照明光Lが出光し、ルーフライニング9に投射される。
図9に示す構成で、照明光Lの強度は、光源(図示せず)からの距離にしたがって減衰するが、光源の出力を制御することにより、同じ明るさの照明光Lが出る位置は変化する。そのため、光源の出力を経時的に変化させることにより、発光パターンの明暗の境界がガーニッシュ3に沿って流れるように変化する様子を視認できる。
図10A、図10Bは、投射された光によるルーフライニングの照明を模式的に示す図である。説明を簡略化するため、図では、照明パターンのみ表示している(図11~13も同様)。図10Aは一本(一列)の導光体4の両端に光源を設置した場合、図10Bは二列の導光体4の両端に異なる光源5を設置した場合の見え方をそれぞれ示す。図は、白黒で示されているが、光源5からの発光色を変化させることにより、複雑な発光パターン(照明パターン)を演出することができる。
例えば、図11は、図10Bに枠線Xで示した領域を拡大した模式図である。例えば、図7Cに示す実施形態において、導光体41の両端の光源51a、51bを電球色LEDとし、導光体42の両端の光源52a、52bをフルカラーLEDとして青色光を発光させた場合、図11に示すように、電球色光(薄橙色光)Loと、青色光Lbが透光部(図の中央下部)から、それぞれ別方向に出射され、照明光として視認される。その際、出射された光は、隣接する透光部(図示せず)から出射された光と交わるので、図に示すように、電球色光Loと電球色光Loの交差、青色光Lbと青色光Lbの交差や、電球色光Loと青色光Lbの交差により、複雑なパターンが形成される。
さらに、図2に示すように三列の導光体(41,42,43)を用いて三種類の色を出光させた場合には、異なる方向に出射される三色の光とそれらの交差により、より意匠性の高い照明を行うことができる。なお、照明デザインにおいて、透光部2bから放射される光パターンを強調するか、照明光の交差パターンを強調するかは、透光部2bの間隔によって調整できる。
例えば、図2に示す装置において、導光体の配置位置、および光源の発光色に応じて透光部2bから出光する光の方向は異なるので、図2に示す複数の導光体4に対し、それぞれ異なる発光色の光源5を配置し、光源5の出力(光量)をそれぞれ独立して経時的に制御することにより、透光部2bから明るく放射される光の色および放射方向を、経時的に変化させることができる。さらに、これに、導光体4に沿った明暗の変化を組み合わせることにより、照明パターンの動的な動きを演出することができる。これによって、単に長尺の導光体4の出光量を経時的に制御した先行技術に比べて、より複雑で見栄えのある照明意匠を設計することができる。
例えば、二列の導光体41、42に入光する光の強度を独立して変化させた場合、図11で説明した構成においても、図12に模式的に示すように、電球色光Loが明るく発光するパターン(A)と、青色光Lbが明るく発光するパターン(B)の間で経時的な変化が観察できる。
他方、図13は、照明装置に遮光部と透光部を設けず、連続的な隙間から出光する光をルーフライニング等の内装部材に投射した場合の照明の見え方の変化を模式的に示す図である。この場合、例えば光源の発光量の制御により、照明光の流れるような変化を演出できたとしても、明るく照明される部位は(AからBのように)経時的に変化するだけである。すなわち、異なる色の照明光が異なる方向へ放射状に発光する様子や、交差する照明光により形成される複雑な照明パターンは観察されない。仮に、複数の導光体を並列配置して、異なる光源から異なる発光色の光を入光させたとしても、出光するのは混合光であるため、図11に示す異なる色の光の交差や、図12に示すような、明るい発光色の経時的変化は観察できない。
試作品として図1に示す外観、図2に示す断面形状の車両用照明装置を製造した。ハウジング2は遮光性の樹脂から成型し、厚さ2.2mmのハウジング2の前面に30mm間隔で幅1.8mmのスリット2bを設け、ハウジング2内には、背面にプリズム状の溝を設けたアクリル樹脂(PMMA)製の導光体各1本を並列して三列に配置した。第1の導光体41の両端に白色LED(日亜化学工業社製)、第2の導光体42の両端に電球色LED(日亜化学工業社製)、第3の導光体43の両端にフルカラーLED(日亜化学工業社製)を配置した。これを自動車のルーフに設置して各光源に流れる電流を経時的に変化させたところ、放射状の発光パターンが流れるように変化する様子が視認された。
また、それぞれの出光部位では、スリット2bから出光する白色光、電球色光、着色光(青色光など)がそれぞれ図11に模式的に示したように、別方向に出光して交差し、明るい光の色と出光方向が、経時的に変化する様子が観察された。さらに、ハウジング2とガーニッシュ3を長尺化し、図7Fに示すように、各2本の導光体(41aと41b、42aと42b、43aと43b)を直列したものを三列配置した場合にも同様の効果が確認された。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 車両用照明装置
2 ハウジング
2a 遮光部
2b 透光部
2c 係止部
2d 係止爪
3 ガーニッシュ
4、41、42、43、41a、41b、42a、42b、43a、43b 導光体
5、51、52、53、51a、51b、52a、52b、53a、53b 光源
6 ハーネス
7 出力制御部
70 制御手段
71、71a、71b、71c 制御回路
8 ブラケット
8a 係止孔
8b 係止部
9 ルーフライニング
10 ルーフ
11 電源
12 前部座席
13 センターコンソール
14 フロントウィンドウ
15 サイドウィンドウ
20 遮光フィルム
21 遮光部材
100 発光部

Claims (6)

  1. 車両の内装部材に光を投射する車両用の照明装置であって、
    発光部と、前記発光部を覆うガーニッシュとを備え、
    前記発光部は、少なくとも一つの光源と、前記光源の出力を制御する出力制御部と、前記光源から出光した光を導光する棒状の導光体と、前記導光体を収納するハウジングとを有し、
    前記ハウジングには、遮光部と、前記導光体の長手方向に沿って離間配置された複数の透光部とが設けられており、
    前記透光部を透過した光が内装部材に投射され、
    前記発光部は、発光色がそれぞれ異なる複数の光源と、各発光色の光源の光を導光する複数の導光体とを有し、
    前記出力制御部により、各光源の出力が独立して制御され、
    複数の前記導光体が前記長手方向に直交する方向に並んでいる照明装置。
  2. 請求項1に記載の照明装置において、前記出力制御部により、前記光源から出光する光の強度が、経時的に変化するように制御されている照明装置。
  3. 請求項1または2に記載の照明装置において、車両のルーフライニングに設置され、
    前記透光部を透過した光は、前記ルーフライニングと前記ガーニッシュとの隙間から前記ルーフライニングに投射されている照明装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置において、前記透光部は、遮光性の部材からなる前記ハウジングに設けられたスリットにより形成されている照明装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置において、前記導光体における前記透光部と反対側の反射面に、複数の溝からなる光学パターンが形成されている照明装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の照明装置において、前記出力制御部が、前記ガーニッシュの内側に配置されている照明装置。
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