JP7366517B2 - 包装材 - Google Patents
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Description
本発明の包装材は、上記シール層の低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも一種の密度が0.925~0.970g/cm3であることが好ましい。
更に、本発明の包装材は、チーズ用の包装材として好適である。
図1に、本発明の包装材の一実施形態の模式的な断面図を示す。図1において、包装材1は、多層フィルムよりなり、基材層2と、アンカーコート剤層3と、層間剥離層4と、シール層5とを、基材層2の一方の表面側に、この順に積層して備えている。図示した例では基材層2の表面2aに接してアンカーコート剤層3が形成されている。層間剥離層4を備えることにより、本実施形態の包装材1は、優れた易開封性を有している。また、シール層5を備え、サイドシールをするときの高いシール性に寄与する。
[基材層]
基材層2として、通常の包装材を構成する樹脂フィルムを適宜使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテン、ポリブテン、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、低結晶性の飽和ポリエステルまたは非晶性のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、MXD6等からなるフィルムを使用することができる。
上掲した樹脂フィルムのなかでも、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも言う。)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂;ポリカプロンアミド(ナイロン6)、ポリへキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリ-p-キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等は好ましい。特に、PETフィルムは、透明性が高く、寸法安定性、耐熱性に優れていること等から、基材層2に、より好ましい。上掲ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂は,それらの混合物であってもよい。
基材層2は、樹脂フィルムを2層以上積層した多層フィルムであってもよい。多層フィルムである場合、各層は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
食品の視認性を確保するために、バリア層は透明であることが好ましく、無機酸化物の蒸着膜、または、プラスチックフィルム上に該蒸着膜を設けてなる無機酸化物蒸着フィルムが特に好適に使用される。蒸着膜を形成する無機酸化物としては、透明性を有し、かつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する無機酸化物であればよく、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸化物であるが、特に、ガスバリア性、生産効率等の点から、酸化アルミニウム及び酸化珪素が好適に用いられる。
アンカーコート剤層3は、基材層2への接着性と、層間剥離層4の具体例としての押出ラミネートしたポリプロピレンに接着できる性質と、を備えた層である。アンカーコート剤層3は、好ましくはアンカーコート剤としてのポリオレフィン樹脂を含有する水性分散体の塗布層である。アンカーコート剤層3のアンカーコート剤は、該ポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン成分と不飽和カルボン酸成分との共重合体であり、かつ、該ポリオレフィン成分が、ポリプロピレンである。
多層フィルムよりなる包装材に関して、ポリプロピレン層とポリエチレン層とを積層させると、そのポリプロピレン層とポリエチレン層間の接着強度が、同様の層間の接着強度よりも低くなる。この層間接着強度の低さを利用すれば、包装材の易開封性が得られると考えられる。しかしながら、ポリプロピレン層は、一般に包装材に用いられる基材層との密着性が悪く、従来公知のウレタン系アンカーコート剤を基材層の表面に形成していても、押出ラミネートされたポリプロピレン層と基材層とは、包装材に必要な層間接着強度が得られなかった。
[層間剥離層]
層間剥離層4の材料は、好ましくはポリプロピレンである。層間剥離層4をポリプロピレンとすることで、上述した特定のアンカーコート剤の下で、基材層2と強固に密着することができる。また、シール層5をポリエチレンとすることができ、優れたヒートシール性を維持しながら、層間剥離可能となる。
層間剥離層4に用いられるポリプロピレンのメルトフローレートMFR(230℃、2.16kg)は、1~100g/10minであることが好ましく、より好ましくは3~50g/minであることが好ましい。
シール層5は、直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記直鎖状低密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも一種との配合比が、質量%で90:10~60:40であることが好ましい。
撥水コート層6は、ポリアミド樹脂と、ニトロセルロース樹脂とを含み、上記ポリアミド樹脂と上記ニトロセルロース樹脂との配合比が質量割合で、60:20~80:40であることが好ましい。
ヒートシール層7は、コーティングする基材層2への密着性に優れ、かつ印刷後巻き上げた際にブロッキングものが好ましい。具体的に、ヒートシール層7のヒートシール剤として、エチレン-酢酸ビニル共重合体を用いることができる。エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量は、20~40質量%であることが好ましい。20質量%未満では低温安定性が劣り、40質量%を超えるとヒートシール強度が低下する。
エチレン-酢酸ビニル共重合体中の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の量は、耐熱性が向上することから0.01~2.0質量%が好ましい。
次に、本発明の包装材の製造方法について説明する。本発明の包装体の製造方法の一例は、基材の一表面上に、ポリオレフィン樹脂を含有する水性分散体であって、該ポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン成分と不飽和カルボン酸成分との共重合体であり、かつ、該ポリオレフィン成分が、プロピレンであるアンカーコート剤を塗布し、乾燥させてアンカーコート剤層を形成した後、該アンカーコート剤層の表面上に、溶融共押出により層間剥離層と、シール層とをその順で一度に積層させて形成する。また、基材の他の表面上に、撥水コート剤と、ヒートシール剤とを塗り分けて塗布し、それぞれ撥水コート層、ヒートシール層を形成する。
アンカーコート剤の塗布量は、塗布面に対するアンカーコート剤の乾燥質量で0.001~5g/m2であることが好ましい。アンカーコート剤の量が0.001~5g/m2の範囲で十分な接着性が経済的に得られる。
本発明の包装材は、ヒートシールで封止され、易開封性が求められ、包装工程で水中に浸漬される用途に用いることができ、内容物は、特に問わない。例えば、スライスチーズや海苔等の、厚さが薄い食品の包装に用いて好適である。図4に、内容物としてスライスチーズを本発明の包装材で包装した包装体10の一例の平面図を示す。図に示す包装体10は、包装材1が四角形平面のスライスチーズ11の裏面を覆い、スライスチーズ11の対向する二辺で折り返されてスライスチーズ11の表面で重なり合うように巻かれ、包装材1の一方の端部10aおよびそれに対向する他方の端部10bとの間の重なり代Lの間で、ヒートシール層7とシール層5とを接触させ熱融着することによりセンターシールされている。図4に、センターシールされたセンターシール部10cを図示している。また、スライスチーズ11の別の対向する二辺の端部において、重ね合わされた二枚の包装材1のシール層5同士が、ヒートシールされている。図4に、サイドシール部10dを図示している。本発明の包装材1は、シール層5がポリエチレンであるため、サイドシール部11bのシールを高速かつ安定して行うことができる。
基材層として両面がコロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(E-5200 東洋紡株式会社製)の片面に、ポリアミド樹脂60質量%とニトロセルロース樹脂40質量%とからなる撥水剤をコートして撥水コート層(MFGチーズワニス3 東洋インキ株式会社)を部分的に形成し、同一面上の撥水コート層が形成されていない領域にエチレン-酢酸ビニル共重合体系のヒートシール剤(セイカダイン SC(D)-NT 大日精化工業株式会社)を厚さ1μmでコートしてヒートシール層を形成した。次いで、基材層表面のうち撥水コート層及びヒートシール層が形成された面とは反対の面にポリオレフィン系アンカーコート剤(DA-1010J2、ユニチカ株式会社製)をコートし、100℃で乾燥してアンカーコート剤層を形成した。このアンカーコート剤層の表面上に層間剥離層としてのポリプロピレン(F329RA、プライムポリマー株式会社製)厚さ8μmと、シール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(KC570S、日本ポリエチレン株式会社)及び低密度ポリエチレン(Z372 宇部丸善ポリエチレン株式会社)を質量比で8:2でドライブレンドした樹脂を厚さ4μmとを、290℃で溶融共押出して実施例1の積層体を得た。
実施例2は、実施例1との対比でシール層の配合比率を変えた例である。
基材層として両面がコロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(E-5200 東洋紡株式会社製)の片面に、ポリアミド樹脂60質量%とニトロセルロース樹脂40質量%とからなる撥水剤をコートして撥水コート層(MFGチーズワニス3 東洋インキ株式会社)を部分的に形成し、同一面上の撥水コート層が形成されていない領域にエチレン-酢酸ビニル共重合体系のヒートシール剤(セイカダイン SC(D)-NT 大日精化工業株式会社)を厚さ1μmでコートしてヒートシール層を形成した。次いで、基材層表面のうち撥水コート層及びヒートシール層が形成された面とは反対の面にポリオレフィン系アンカーコート剤(DA-1010J2、ユニチカ株式会社製)をコートし、100℃で乾燥してアンカーコート剤層を形成した。このアンカーコート剤層の表面上に層間剥離層としてのポリプロピレン(F329RA、プライムポリマー株式会社製)厚さ8μmと、シール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(KC570S、日本ポリエチレン株式会社)及び低密度ポリエチレン(Z372 宇部丸善ポリエチレン株式会社))を質量比で6:4でドライブレンドした樹脂を厚さ4μmとを、290℃で溶融共押出して実施例1の積層体を得た。
実施例3は、実施例1との対比で撥水コート層の配合比率を変えたものである。
基材層として両面がコロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(E-5200 東洋紡株式会社製)の片面に、ポリアミド樹脂80質量%とニトロセルロース樹脂20質量%とからなる撥水剤をコートして撥水コート層を部分的に形成し、同一面上の撥水コート層が形成されていない領域にエチレン-酢酸ビニル共重合体系のヒートシール剤(セイカダイン SC(D)-NT 大日精化工業株式会社)を厚さ1μmでコートしてヒートシール層を形成した。次いで、基材層表面のうち撥水コート層及びヒートシール層が形成された面とは反対の面にポリオレフィン系アンカーコート剤(DA-1010J2、ユニチカ株式会社製)をコートし、100℃で乾燥してアンカーコート剤層を形成した。このアンカーコート剤層の表面上に層間剥離層としてのポリプロピレン(F329RA、プライムポリマー株式会社製)厚さ8μmと、シール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(KC570S、日本ポリエチレン株式会社)及び低密度ポリエチレン(Z372 宇部丸善ポリエチレン株式会社))を質量比で8:2でドライブレンドした樹脂を厚さ4μmとを、290℃で溶融共押出して実施例1の積層体を得た
比較例1は、実施例1との対比で撥水コート層の配合比率を変えた例である。
基材層として両面がコロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(E-5200 東洋紡株式会社製)の片面に、ポリアミド樹脂50質量%とニトロセルロース樹脂50質量%とからなる撥水剤をコートして撥水コート層を部分的に形成し、同一面上の撥水コート層が形成されていない領域にエチレン-酢酸ビニル共重合体系のヒートシール剤(セイカダイン SC(D)-NT 大日精化工業株式会社)を厚さ1μmでコートしてヒートシール層を形成した。次いで、基材層表面のうち撥水コート層及びヒートシール層が形成された面とは反対の面にポリオレフィン系アンカーコート剤(DA-1010J2、ユニチカ株式会社製)をコートし、100℃で乾燥してアンカーコート剤層を形成した。このアンカーコート剤層の表面上に層間剥離層としてのポリプロピレン(F329RA、プライムポリマー株式会社製)厚さ8μmと、シール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(KC570S、日本ポリエチレン株式会社)及び低密度ポリエチレン(Z372 宇部丸善ポリエチレン株式会社))を質量比で8:2でドライブレンドした樹脂を厚さ4μmとを、290℃で溶融共押出して実施例1の積層体を得た。
比較例2は、実施例1との対比で撥水コート層の配合比率を変えた例である。
基材層として両面がコロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(E-5200 東洋紡株式会社製)の片面に、ポリアミド樹脂90質量%とニトロセルロース樹脂10質量%とからなる撥水剤をコートして撥水コート層を部分的に形成し、同一面上の撥水コート層が形成されていない領域にエチレン-酢酸ビニル共重合体系のヒートシール剤(セイカダイン SC(D)-NT 大日精化工業株式会社)を厚さ1μmでコートしてヒートシール層を形成した。次いで、基材層表面のうち撥水コート層及びヒートシール層が形成された面とは反対の面にポリオレフィン系アンカーコート剤(DA-1010J2、ユニチカ株式会社製)をコートし、100℃で乾燥してアンカーコート剤層を形成した。このアンカーコート剤層の表面上に層間剥離層としてのポリプロピレン(F329RA、プライムポリマー株式会社製)厚さ8μmと、シール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(KC570S、日本ポリエチレン株式会社)及び低密度ポリエチレン(Z372 宇部丸善ポリエチレン株式会社))を質量比で8:2でドライブレンドした樹脂を厚さ4μmとを、290℃で溶融共押出して実施例1の積層体を得た。
比較例3は、実施例1との対比でシール層としてLLDPEのみを用いた例である。
基材層として両面がコロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(E-5200 東洋紡株式会社製)の片面に、ポリアミド樹脂60質量%とニトロセルロース樹脂40質量%とからなる撥水剤をコートして撥水コート層(MFGチーズワニス3 東洋インキ株式会社)を部分的に形成し、同一面上の撥水コート層が形成されていない領域にエチレン-酢酸ビニル共重合体系のヒートシール剤(セイカダイン SC(D)-NT 大日精化工業株式会社)を厚さ1μmでコートしてヒートシール層を形成した。次いで、基材層表面のうち撥水コート層及びヒートシール層が形成された面とは反対の面にポリオレフィン系アンカーコート剤(DA-1010J2、ユニチカ株式会社製)をコートし、100℃で乾燥してアンカーコート剤層を形成した。このアンカーコート剤層の表面上に層間剥離層としてのポリプロピレン(F329RA、プライムポリマー株式会社製)厚さ8μmと、シール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(KC570S、日本ポリエチレン株式会社)を厚さ4μmとを、290℃で溶融共押出して比較例3の積層体を得た。
比較例4は、実施例1との比較でシール層の配合比率を変えたものである。
基材層として両面がコロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(E-5200 東洋紡株式会社製)の片面に、ポリアミド樹脂60質量%とニトロセルロース樹脂40質量%とからなる撥水剤をコートして撥水コート層(MFGチーズワニス3 東洋インキ株式会社)を部分的に形成し、同一面上の撥水コート層が形成されていない領域にエチレン-酢酸ビニル共重合体系のヒートシール剤(セイカダイン SC(D)-NT 大日精化工業株式会社)を厚さ1μmでコートしてヒートシール層を形成した。次いで、基材層表面のうち撥水コート層及びヒートシール層が形成された面とは反対の面にポリオレフィン系アンカーコート剤(DA-1010J2、ユニチカ株式会社製)をコートし、100℃で乾燥してアンカーコート剤層を形成した。このアンカーコート剤層の表面上に層間剥離層としてのポリプロピレン(F329RA、プライムポリマー株式会社製)厚さ8μmと、シール層としての直鎖状低密度ポリエチレン(KC570S、日本ポリエチレン株式会社)及び低密度ポリエチレン(Z372 宇部丸善ポリエチレン株式会社))を質量比で5:5でドライブレンドした樹脂を厚さ4μmとを、290℃で溶融共押出して実施例1の積層体を得た。
包装充填後の各包装体の撥水性について、二種の試験法により評価した。まず、JIS R 3257号に準拠して接触角法で測定した。次に、JIS P8147の摩擦角測定機に0.1mlの水滴を垂らし、傾斜をかけた際に水滴が滑り落ちる角度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1、2及び比較例1、2の積層体の包装材のサイドシール部に相当する領域のシール強度を測定するために、各積層体の試料を、ヒートシール層が内側になるように折り畳み、ヒートシール層同士を接触させ、1kgf/cm2で加圧して110℃から180℃まで10℃刻みの種々の温度で1秒間シールした。シール部分の強度をJIS K6854に従って、25℃雰囲気下、引張速度を50mm/分の条件で測定するとともに、剥離状態を観察した。シール強度は、2.0~3.0N/15mmの範囲であれば良好と言える。その結果を表2に示す。なお、表中のシール強度の単位はN/15mmである。
包装充填機(natec社製FP2000)を用いて、実施例1および比較例1の積層体の包装材に、80℃で溶かしたチーズ充填した包装体を作製した。包装体の作製の際は、装置のシールバーの回転数を400rpmおよび1000rpmの2条件でサイドシールを行った。回転数が高いほど包装体の生産速度が高いことを意味する。サイドシールのシール温度は150℃で実施した。
包装充填後の各包装体の撥水性について、JIS P8147の摩擦角測定機に0.1mlの水滴を垂らし、傾斜をかけた際に水滴が滑り落ちる角度を測定し、角度が20度以下を良好とした。
包装充填後の各包装体のサイドシール部を幅15mmの短冊状に切り出し、JIS K6854に従って、25℃雰囲気下、引張速度を50mm/分として、層間接着強度を測定した。また、試験後の剥離した積層体の剥離形態を確認した。
その結果を表3に示す。なお、表中のシール強度の単位はN/15mmである。
これに対して、比較例1は撥水性が劣るため、高速回転時の撥水不良からスタックできなかった。比較例2は撥水ニスの耐熱性が劣り、撥水材が熱版にとられ、撥水不良となった。比較例3はシール温度が足りないことから層間剥離とはならず、シール面凝集剥離となった。比較例4は高速充填適性が劣り、シール強度が安定しなかった。
2 基材層
3 アンカーコート剤層
4 層間剥離層
5 シール層
6 撥水コート層
7 ヒートシール層
Claims (5)
- 基材層の一方の表面側に、アンカーコート剤層と、層間剥離層と、シール層と、を、この順に積層して備えるとともに、該基材層の他方の表面側に、撥水コート層及びヒートシール層を備え、前記ヒートシール層は包装体において前記シール層とヒートシールされる領域に部分的に形成され、
前記層間剥離層が、ポリプロピレンであり、
前記シール層が、直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記直鎖状低密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも一種との配合比が、質量%で90:10~60:40であり、
前記撥水コート層がポリアミド樹脂とニトロセルロース樹脂とを含み、前記ポリアミド樹脂と前記ニトロセルロース樹脂との配合比が、質量%で80:20~60:40であることを特徴とする包装材。 - 前記シール層の低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも一種の密度が0.925~0.970g/cm3の範囲である請求項1記載の包装材。
- 前記ヒートシール層が、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含む請求項1又は2記載の包装材。
- 前記アンカーコート剤層が、ポリオレフィン樹脂を含有する水性分散体の塗布層であって、該ポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン成分と不飽和カルボン酸成分との共重合体であり、かつ、該ポリオレフィン成分が、ポリプロピレンである請求項1~3のいずれか一項に記載の包装材。
- チーズ用の包装材である請求項1~4のいずれか一項に記載の包装材。
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