JP7366298B1 - 横軸型槽外撹拌機およびそのメンテナンス方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、軸線を水平に配置した設置姿勢において、インペラシャフトのメンテナンス性(分解・組付け性)に優れた横軸型槽外撹拌機およびそのメンテナンス方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る横軸型槽外撹拌機のメンテナンス方法によれば、インペラシャフトを安定した姿勢で作業効率良く、軸支ハウジングのメンテナンス作業やインペラシャフトのオーバーホール作業を行える。そのため、インペラシャフトのメンテナンス性に優れている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
まず、消化槽について説明する。
図1に示すように、本実施形態の横軸型槽外撹拌機10は、下水処理場の消化槽100の槽外に設置される。消化槽100には汚泥が貯留され、この汚泥が横軸型槽外撹拌機10の被送液体となる。消化槽100は、下側の略半分が地下に設けられており、横軸型槽外撹拌機10が付設される位置が、丁度、地上に位置している。
同図の例では、消化槽100には、槽外から2本の送液パイプ110A、110Bが挿入され、送液パイプ110Aの一端が消化槽100の汚泥の液面よりもやや下方に開口し、送液パイプ110Aの他端が横軸型槽外撹拌機10の一方の吸込吐出口13Aに接続される。また、送液パイプ110Bの一端は、消化槽100の底面よりもやや上方に開口し、送液パイプ110Bの他端が横軸型槽外撹拌機10の他方の吸込吐出口13Bに接続される。
次に、上記横軸型槽外撹拌機10について説明する。
本実施形態の横軸型槽外撹拌機10は、図2に示すように、軸線を水平に配置される中空円筒状の本管11と、本管11の両端に接続される一対の屈曲管12A、12Bと、を備える。本実施形態の横軸型槽外撹拌機10では、本管11および一対の屈曲管12A、12Bは、ステンレス鋳物(SCS13)製である。
各屈曲管12A、12Bには、外面の適所にリブを設けている。これにより、強度が向上し、特に、両端フランジ部での鋳造歪みが防止されるととともに、機械加工時には工作機械のチャッキング部として機能する。
図2および図3に示すように、メンテナンスホール11hは、本管11の中央上部に上面に矩形状に開口している。メンテナンスホール11hは、本管11の軸線を水平に配置した設置姿勢において、重力方向での最上部に開口する長方形状であって軸線方向に沿って長辺が配置される。メンテナンスホール11hには、メンテナンスホール11h周囲のフランジ部にボルト締結でメンテナンスホールカバー18が着脱可能になっている。
本実施形態では、U字状管路を構成する一方の屈曲管12Aの側部に一方の軸支ハウジング16Aが付設されている。また、U字状管路を構成する他方の吸込吐出口12Bの側部に他方の軸支ハウジング16Bが付設されている。
その後、固定カラー50にその外周面の軸直方向から貫通する固定ねじ60が軸部31に締結固定される。固定ねじ60は、締結時に、固定ねじ60の頭部が固定カラー50の外周面と面一または外周面よりも内側に位置するように締結される。これにより、撹拌液の送液抵抗が低減されるようになっている。
これにより、本実施形態の横軸型槽外撹拌機10は、インペラ部15が正方向に回転すると、一方の吸込吐出口13Aから吸い込まれた被送液体を他方の吸込吐出口13Bから吐出し、インペラ部15が逆方向に回転すると、他方の吸込吐出口13Bから吸い込まれた被送液体を一方の吸込吐出口13Aから吐出し、消化槽100の汚泥を撹拌できる。
次に、本実施形態の横軸型槽外撹拌機10の動作並びにメンテナンス作業および作用効果について説明する。
本実施形態の横軸型槽外撹拌機10において、インペラシャフト組14を正方向に回転させると、同軸上に固定されたインペラ部15が本管11内で正方向に回転する。これにより、消化槽100の上方にある汚泥が送液パイプ110Aに吸い込まれ、一方の吸込吐出口13Aから屈曲管12Aを通って本管11に流入する。
本管11に流入した汚泥は、インペラ部15によって昇圧されて高圧となって他方の屈曲管12Bに流入し、屈曲管12Bから吸込吐出口13Bを通って送液パイプ110Bに吐出され、送液パイプ110Bから消化槽100の下方に吐出される。
本管11に流入した汚泥は、インペラ部15によって昇圧されて高圧となって一方の屈曲管12Aに流入し、屈曲管12Aから吸込吐出口13Aを通って送液パイプ110Aに吐出され、送液パイプ110Aから消化槽100の上方に吐出される。
そのため、軸方向中央のインペラ部15の部分でのたわみ量も大きくなるため、回転力によるインペラ部15の振れ廻りも大きくなるところ、長尺なインペラシャフトを中温管理下で保持しつつ長期に亘って安定して稼働するように機器を管理しなければならない。よって、インペラシャフトのメンテナンス性(分解・組立作業性)を確保することが重要となる。
これにより、オーバーホール作業の際は、まず、インペラ本体40および固定カラー50を同図の退避位置に移動させることができる。そして、その後に、締結用雄ねじ34よりも軸方向外側の位置に、例えばワイヤやチェーン等の可撓性吊下手段Wを巻回して支持可能である。そのため、シャフト本体30に対し、同図に示すような吊下状態とすることが容易に可能なので、インペラ本体40の部分や、インペラシャフト全体の分解・組付け時のメンテナンス性に極めて優れる。
その際、可撓性吊下手段Wは、同図に示すように、インペラ本体40の両側にて、固定カラー50の円錐台形状の部分と位置決め鍔部32円錐台形状の部分とに巻回されるため、左右の円錐台形状の斜面の効果によって巻回保持位置のずれを効果的に防止して、吊下姿勢をより安定させることができる。
11 本管
11h メンテナンスホール
12A、12B 屈曲管
12f 屈曲部
12j 軸支管部
13A、13B 吸込吐出口
14 インペラシャフト組
15 インペラ部
16A、16B 軸支ハウジング
17A、17B 軸受
18 メンテナンスホールカバー
20A、20B メカニカルシール
30 シャフト本体
31 軸部
32 位置決め鍔部
32m 位置決め面
33 インペラ保持部
34 締結用雄ねじ
40 インペラ本体
41 円筒部
42A、42B 撹拌羽根
50 固定カラー
51 締結用雌ねじ
60 固定ねじ
100 消化槽
110A、110B 送液パイプ
W 可撓性吊下手段
G 地上
Claims (4)
- 消化槽の槽外に付設されてインペラの正転・逆転の切替に応じて撹拌液を送液方向の一方から吸い込み他方に吐き出す2つの吸込吐出口のどちら向きにも送出できる横軸型槽外撹拌機であって、
自身の中央上部に上面に開口するメンテナンスホールが設けられるとともに軸線を水平に配置される本管と、
該本管の左右開口に自身基端部が着脱可能に接続されるとともに自身他端部が前記消化槽側に着脱可能に消化槽側に向けて屈曲する屈曲部と該屈曲部の側方から前記本管と同軸に張り出す軸支管部とを有して構成されて前記本管と共にU字状管路を構成する一対の屈曲管と、
前記一対の屈曲管の各軸支管部の外側面にそれぞれ着脱可能に接続される二つの軸支ハウジングと、
該二つの軸支ハウジングそれぞれのメカニカルシールで軸封され且つ軸受で両持ち支持されるとともに前記本管内に配置されるインペラが軸方向中央に設けられるインペラシャフト組と、を備え、
前記インペラシャフト組は、シャフト本体と、該シャフト本体とは別個な部品として設けられて該シャフト本体の軸方向中央であって前記メンテナンスホール上方から自身両端まで視認可能な位置に配置されるインペラ本体と、該インペラ本体を前記シャフト本体に固定する固定カラーと、を有し、
前記メンテナンスホールは、前記シャフト本体の軸方向を長辺とする矩形形状に開口するとともに、該矩形形状の開口面積が、前記シャフト本体の軸部に対して前記シャフト本体のメンテナンス時の水平姿勢を確保するための可撓性吊下手段を前記インペラ本体の両側それぞれの軸部分に巻回可能な大きさに開口していることを特徴とする横軸型槽外撹拌機。 - 前記シャフト本体は、
前記消化槽側と連通する管路内に位置する軸部であって前記メンテナンスホールから視認可能な位置に該軸部と一体形成されるとともに端面が位置決め面とされた位置決め鍔部と、前記位置決め面側に前記軸部と同軸に設けられて前記インペラ本体を保持するインペラ保持部と、該インペラ保持部の前記位置決め面とは反対側の外周面に形成された締結用雄ねじと、を有し、
前記インペラ本体は、
前記軸部と同軸に挿抜可能な中空円筒状の円筒部と、該円筒部の外周面に螺旋状に付設されて前記シャフト本体の正転・逆転の切替で前記U字状管路のどちらからでも吸い込みと吐き出しを可能とする撹拌羽根と、を有し、
前記固定カラーは、
前記軸部と同軸に形成された外形円錐台状で且つ内部が中空円筒状であって前記締結用雄ねじに螺合される締結用雌ねじが形成され、
前記インペラ本体の円筒部の端面が前記位置決め面に突き当てられた位置で前記固定カラーが締めこまれた上で前記固定カラーにその外周面の軸直方向から貫通する固定ねじが前記軸部に締結固定されている請求項1に記載の横軸型槽外撹拌機。 - 前記シャフト本体は、前記軸部の外径が、前記一対の屈曲管の前記屈曲部内では同一径とされ、各軸支管部の内部で一段小径とされて各軸支ハウジングに突設されている請求項2に記載の横軸型槽外撹拌機。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の横軸型槽外撹拌機において前記インペラシャフト組をメンテナンスする方法であって、
メンテナンス作業時に、前記メンテナンスホールの開口から前記インペラ本体の両側それぞれの軸部分に前記可撓性吊下手段を巻回し、前記可撓性吊下手段によって上方から前記シャフト本体を吊下げてメンテナンス作業時の水平姿勢を確保し、前記軸支ハウジングまたは前記屈曲管の着脱作業を、前記シャフト本体の水平姿勢を確保しつつ行うことを特徴とする横軸型槽外撹拌機のメンテナンス方法。
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