JP7365004B2 - 強化ガラス板及び強化用ガラス板 - Google Patents

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Description

本発明は、強化ガラス板に関し、特に携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等のタッチパネルディスプレイのカバーガラスに好適な強化ガラス板に関する。また、本発明は、強化ガラス球に関し、特に転動装置等に組み込まれる転動体に好適な強化ガラス球に関する。
携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等は、益々普及する傾向にある。これらの用途には、タッチパネルディスプレイのカバーガラスとして、イオン交換処理された強化ガラス板が用いられている(特許文献1、非特許文献1参照)。
特開2006-83045号公報 特表2016-524581号公報 特表2011-510903号公報
泉谷徹郎等、「新しいガラスとその物性」、初版、株式会社経営システム研究所、1984年8月20日、p.451-498
カバーガラス、特にスマートフォンに使用されるカバーガラスは、屋外で使用されることが多いため、照度と平行度が高い光により、表面傷が認識され易くなり、結果としてタッチパネルディスプレイの視認性が低下してしまう。よって、強化ガラス板の耐傷性を高めることが重要になる。
耐傷性を高める方法として、ガラスの硬度を高めることが有用であると考えられる。詳述すると、従来のガラスは、地上に多く存在するシリカ(砂)よりも硬度が大幅に低いため、シリカに起因して表面傷が付き易いという性質を有している。よって、ガラスの硬度を高めると、表面に傷が付き難くなると考えられる。しかし、ガラスの硬度を高めようとすると、ガラスの高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が大幅に低下する。更にガラス組成のバランスが崩れて、成形時に失透ブツが発生し易くなる。結果として、板状に成形することが困難になる。
また、表面に硬質の薄膜を形成すると、カバーガラスの硬度が高くなることが知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、表面に硬質の薄膜を形成すると、カバーガラスの透明性が低下したり、膜応力によってカバーガラスに反りが発生したりする虞がある。
なお、サファイアは、硬度が高いため、カバー部材に好適であるように見える。しかし、サファイアは、大きな寸法の板状体を大量生産することが困難である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、板状に成形可能であり、表面傷が付き難い強化ガラス板を創案することである。
本発明者が種々の検討を行った結果、ガラス組成を所定範囲に規制すると共に、圧縮応力層の圧縮応力値とビッカース硬度を高めることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 58~70%、Al 12.4~16.5%、B 0~3%、LiO 0~4%、NaO 14.5~21%、KO 0~3%、MgO 0~5%を含有し、[NaO]-[Al]>1.4モル%の関係を満たし、ビッカース硬度が800以上であり、且つ圧縮応力層の圧縮応力値が1250MPa以上であることを特徴とする。ここで、「[NaO]-[Al]」は、NaOのモル%含有量からAlのモル%含有量を減じた値を指す。「ビッカース硬度」は、測定荷重を100gfとし、JIS Z2244に準拠した方法に基づいて測定した値を指す。また、「圧縮応力値」と「応力深さ」は、表面応力計(株式会社東芝製FSM-6000)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から算出した値を指し、その算出に際し、ガラスの屈折率を1.50、光学弾性定数を29.4[(nm/cm)/MPa]とする。
耐傷性は、従来までビッカース圧子の押し込みによるクラックの発生度、或いはヌープ圧子の引っ掻きによるラテラルクラックの発生度等により評価されてきた(特許文献3参照)。しかし、上記評価で発生するクラックと、照度と平行度が高い光により認識される表面傷とは、傷の発生メカニズムが異なっている。よって、従来の評価でクラックが発生し難いガラスであっても、照度と平行度が高い光により認識される表面傷が発生する場合があり、上記技術課題の解決に至らない虞がある。
本発明者の調査によると、照度と平行度が高い光により認識される表面傷の発生度は、ビッカース硬度と相関があり、イオン交換処理後のビッカース硬度を高めると、上記表面傷を低減することができる。そして、イオン交換処理後のビッカース硬度は、ガラス成分の影響以外に、圧縮応力層の圧縮応力値の影響を受けると共に、圧縮応力値が高い程、ビッカース硬度が大きくなる傾向がある。そこで、本発明の強化ガラス板は、圧縮応力層の圧縮応力値を1250MPa以上、且つビッカース硬度を800以上に規制して、上記表面傷の発生を防止している。
更に、本願発明の強化ガラス板は、ガラス組成中にAlを12.4モル%以上含んでいる。これにより、ビッカース硬度を800以上に高め易くなる。しかし、Alの含有量が多くなると、高温粘度が高くなって、溶融性や成形性が低下し易くなる。そこで、本願発明の強化ガラス板は、[NaO]-[Al]>1.4モル%の関係を満たすことを特徴とする。これにより、高温粘度102.5dPa・sにおける温度を低下させ易くなる。
また、本発明の強化ガラス板は、0.90≦([Al]+[MgO])/[NaO]≦1.07の関係を満たすことが好ましい。ここで、「([Al]+[MgO])/[NaO]」は、Alのモル%含有量とMgOのモル%含有量の合量をNaOのモル%含有量で割った値を指す。
また、本発明の強化ガラス板は、3.9≦[SiO]/[Al]≦4.5の関係を満たすことが好ましい。ここで、「[SiO]/[Al]」は、SiOのモル%含有量をAlのモル%含有量で割った値を指す。
また、本発明の強化ガラス板は、[NaO]/[Al]≧1.14の関係を満たすことが好ましい。ここで、「[NaO]/[Al]」は、NaOのモル%含有量をAlのモル%含有量で割った値を指す。
また、本発明の強化ガラス板は、MgOの含有量が1~3モル%未満であることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板は、高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1640℃未満であることが好ましい。ここで、「高温粘度102.5dPa・sにおける温度」は、例えば、白金球引き上げ法で測定することができる。
また、本発明の強化ガラス板は、応力深さが25μm以上であることが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板は、板厚方向の中央部にオーバーフロー合流面を有すること、つまりオーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、成形体耐火物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを成形体耐火物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を製造する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス板の表面となるべき面は成形体耐火物の表面に接触せず、自由表面の状態で板状に成形される。このため、未研磨で表面品位が良好なガラス板を安価に製造することができる。
また、本発明の強化ガラス板は、1cmの範囲の表面上に、平均粒径50μm、1mgの珪砂を撒き、デニム生地を介して4kgの荷重で加傷した時の傷の本数が10本以下であることが好ましい。ここで、加傷試験は、以下の条件で行うものとする。加傷は1方向に1回のみ行い、加傷する距離を1cmとする。加傷試験の回数は4回とし、その平均値を測定値とする。照度10万luxのファイバーライトを加傷表面に照射し、目視で傷の本数を計測する。
また、本発明の強化ガラス板は、タッチパネルディスプレイのカバーガラスに用いることが好ましい。
本発明の強化ガラス球は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス球であって、ガラス組成として、モル%で、SiO 58~70%、Al 12.4~16.5%、B 0~3%、LiO 0~4%、NaO 14.5~21%、KO 0~3%、MgO 0~5%を含有し、[NaO]-[Al]>1.4モル%の関係を満たし、ビッカース硬度が800以上であり、且つ圧縮応力層の圧縮応力値が1250MPa以上であることを特徴とする。
本発明の強化ガラス板は、ガラス組成として、モル%で、SiO 58~70%、Al 12.4~16.5%、B 0~3%、LiO 0~4%、NaO 14.5~21%、KO 0~3%、MgO 0~5%を含有し、[NaO]-[Al]>1.4モル%の関係を満たす。各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、特に断りがない限り、モル%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は58~70%であり、好ましくは59~68%、60~66%、61~65%、特に62~64.5%である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなり、また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。
Alは、ビッカース硬度を高める成分であり、またイオン交換性能、歪点、ヤング率を高める成分である。Alの含有量が少な過ぎると、ビッカース硬度が低下し易くなり、またイオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。よって、Alの好適な下限範囲は12.6%以上であり、好ましくは13.5%以上、14%以上、14.4%以上、15%以上、特に15.3%以上である。一方、Alの含有量が多過ぎると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下し易くなる。また、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等でガラス板を成形し難くなる。特に、成形体耐火物としてアルミナ系耐火物を用いて、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形する場合、アルミナ系耐火物との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。更に耐酸性も低下し、酸処理工程に適用し難くなる。Alの上限範囲は16.5%以下であり、好ましくは16%以下、特に15.5%以下である。
[SiO]/[Al]は、好ましくは3.9~4.5、4.0~4.4、特に4.1~4.3である。[SiO]/[Al]が小さ過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等でガラス板を成形し難くなる。特に、成形体耐火物としてアルミナ系耐火物を用いて、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形する場合、アルミナ系耐火物との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。一方、[SiO]/[Al]が大き過ぎると、ビッカース硬度が低下し易くなり、またイオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。
は、高温粘度や密度を低下させると共に、ガラスを安定化させて、結晶を析出させ難くし、液相温度を低下させる成分である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、応力深さが小さくなったり、ビッカース硬度を高め難くなる。よって、Bの含有量は0~3%であり、好ましくは0~2%、0~1%、0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
LiOは、イオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であると共に、ビッカース硬度を高める成分である。更にLiOは、一般的には、アルカリ金属酸化物の中で圧縮応力値を高める効果が大きいが、NaOを12%以上含むガラス系において、LiOの含有量が極端に多くなると、かえって圧縮応力値が低下する傾向がある。またLiOの含有量が多過ぎると、イオン交換処理時にイオン交換溶液中に溶出して、イオン交換溶液を劣化させる虞がある。よって、LiOの含有量は0~4%であり、好ましくは0~3%、0~1.5%、0~1%未満、0~0.5%、0~0.3%、0~0.1%未満、特に0.01~0.05%である。
NaOは、圧縮応力層の圧縮応力値を高める成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。またNaOは、耐失透性を高める成分であり、特にアルミナ系耐火物との反応で生じる失透を抑制する成分である。NaOの含有量が少な過ぎると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下したり、圧縮応力層の圧縮応力値が低下し易くなる。よって、NaOの下限範囲は14.5%以上であり、好ましくは15%以上、15.5%以上、16%以上、17%以上、特に18%以上である。一方、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。またガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下する場合がある。よって、NaOの上限範囲は21%以下であり、好ましくは20%以下、19%以下、特に18.5%以下である。
[NaO]-[Al]は1.4%超であり、好ましくは2.0%超、2.5%超、2.8以上、特に3.0超~5.0である。[NaO]-[Al]が少な過ぎると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下し易くなる。一方、[NaO]-[Al]が多過ぎると、ビッカース硬度が低下し易くなる。
モル比[NaO]/[Al]が小さ過ぎると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下し易くなり、また耐失透性低下し易くなる。特にアルミナ系耐火物との反応で生じる失透を抑制し難くなる。よって、モル比[NaO]/[Al]の好適な下限範囲は1以上、1.1以上、1.14以上、特に1.2以上である。一方、モル比[NaO]/[Al]が大き過ぎると、ビッカース硬度が低下し易くなる。よって、モル比[NaO]/[Al]の好適な上限範囲は2以下、1.5以下、1.4以下、1.35以下、1.3以下、特に1.25以下である。
Oは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であるが、アルカリ金属酸化物の中では、圧縮応力層の圧縮応力値を低下させて、応力深さを増大させる成分であるため、ビッカース硬度を高める観点からは有利ではない。よって、KOの上限範囲は、好ましくは3%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、1%未満、0.5%以下、特に0.1%未満である。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やビッカース硬度を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が大きい成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、特にアルミナ系耐火物との反応で生じる失透を抑制し難くなる。よって、MgOの含有量は0~5%であり、好ましくは0.1~4%、1~3.5%、1.5~3%、特に2~3%未満である。
([Al]+[MgO])/[NaO]は、好ましくは0.90~1.07、0.92~1.05、0.94~1.04、0.96~1.03、特に0.98~1.02である。([Al]+[MgO])/[NaO]が小さ過ぎると、ビッカース硬度が低下し易くなる。一方、([Al]+[MgO])/[NaO]が大き過ぎると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下したり、圧縮応力層の圧縮応力値が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば以下の成分を添加してもよい。
CaOは、他の成分と比較して、耐失透性の低下を伴うことなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やビッカース硬度を高める効果が大きい成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、イオン交換性能が低下したり、イオン交換処理時にイオン交換溶液を劣化させ易くなる。よって、CaOの好適な含有量は0~6%、0~5%、0~4%、0~3.5%、0~3%、0~2%、0~1%、特に0~0.5%である。
SrOとBaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であるが、それらの含有量が多過ぎると、イオン交換反応が阻害され易くなることに加えて、密度や熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなる。よって、SrOとBaOの好適な含有量は、それぞれ0~2%、0~1.5%、0~1%、0~0.5%、0~0.1%、特に0~0.1%未満である。
ZnOは、イオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力値を高める効果が大きい成分である。また低温粘性を低下させずに、高温粘性を低下させる成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐失透性が低下したり、密度が高くなったり、応力深さが小さくなる傾向がある。よって、ZnOの好適な含有量は0~3%、0~2%、0~1%、特に0~1%未満である。
ZrOは、ビッカース硬度を高める成分であると共に、液相粘度付近の粘性や歪点を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が著しく低下する虞がある。よって、ZrOの含有量は0.1~3%、好ましくは0.3~2.5%、0.5~2%、特に0.8~1.5%である。
TiOは、イオン交換性能を高める成分であり、また高温粘度を低下させる成分であるが、その含有量が多過ぎると、透明性や耐失透性が低下し易くなる。よって、TiOの含有量は0~4.5%、0~1%未満、0~0.5%、特に0~0.3%が好ましい。
SnOは、イオン交換性能を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、SnOの好適な含有量は0~3%、0.01~3%、0.05~3%、0.1~3%、特に0.2~3%である。
は、イオン交換性能を高める成分であり、特に応力深さを大きくする成分である。しかし、Pの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐水性が低下し易くなる。よって、Pの好適な含有量は0~10%、0~3%、0~1%、特に0~0.5%である。
清澄剤として、Cl、SO、CeOの群(好ましくはCl、SOの群)から選択された一種又は二種以上を0.001~1%添加してもよい。
Feの好適な含有量は1000ppm未満(0.1%未満)、800ppm未満、600ppm未満、400ppm未満、特に300ppm未満である。更に、Feの含有量を上記範囲に規制した上で、モル比SnO/(Fe+SnO)を0.8以上、0.9以上、特に0.95以上に規制することが好ましい。このようにすれば、波長400~770nm、厚み1mmにおける全光線透過率が向上し易くなる。
Nd、La等の希土類酸化物は、ビッカース硬度を高める成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また多量に添加すると、耐失透性が低下し易くなる。よって、希土類酸化物の好適な含有量は3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
本発明の強化ガラス板は、環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しないことが好ましい。また、環境的配慮から、実質的にBiを含有しないことも好ましい。「実質的に~を含有しない」とは、ガラス成分として積極的に明示の成分を添加しないものの、不純物レベルの添加を許容する趣旨であり、具体的には、明示の成分の含有量が0.05%未満の場合を指す。
本発明の強化ガラス板において、ビッカース硬度は800以上であり、好ましくは820以上、830以上、840以上、850以上、特に860~910である。ビッカース硬度が低過ぎると、照度と平行度が高い光により認識される表面傷が付き易くなる。
本発明の強化ガラス板は、表面に圧縮応力層を有している。圧縮応力層の圧縮応力値は1250MPa以上であり、好ましくは1300MPa以上、1350MPa以上、1400MPa以上、特に1430MPa以上である。圧縮応力値が大きい程、ビッカース硬度が高くなる。一方、表面に極端に大きな圧縮応力が形成されると、強化ガラスに内在する引っ張り応力が極端に高くなり、またイオン交換処理前後の寸法変化が大きくなる虞がある。このため、圧縮応力層の圧縮応力値は1800MPa以下、1650MPa以下、特に1500MPa以下が好ましい。なお、イオン交換時間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下げれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。
本発明の強化ガラス板は、上記特性に加えて、以下の特性を有することが好ましい。
1cmの範囲の表面上に、平均粒径50μm、1mgの珪砂を撒き、デニム生地を介して4kgの荷重で加傷した時の傷の本数は、好ましくは10本以下、8本以下、特に7本以下である。この傷の本数が多くなると、照度と平行度が高い光により認識される表面傷が付き易くなる。
密度は、好ましくは2.60g/cm以下、2.55g/cm以下、2.50g/cm以下、2.49g/cm以下、特に2.40~2.47g/cmである。密度が小さい程、強化ガラスを軽量化することができる。なお、ガラス組成中のSiO、B、Pの含有量を増量したり、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、ZrO、TiOの含有量を減量すれば、密度が低下し易くなる。
高温粘度102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1660℃以下、1640℃未満、1630℃以下、特に1550~1620℃が好ましい。高温粘度102.5dPa・sにおける温度が高過ぎると、溶融性や成形性が低下して、溶融ガラスを板状に成形し難くなる。
液相粘度は、好ましくは104.0dPa・s以上、104.4dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.3dPa・s以上、105.5dPa・s以上、105.7dPa・s以上、105.8dPa・s以上、特に106.0dPa・s以上である。なお、液相粘度が高い程、耐失透性が向上し、成形時に失透ブツが発生し難くなる。ここで、「液相粘度」とは、液相温度における粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。「液相温度」とは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、白金ボートを取り出し、顕微鏡観察により、ガラス内部に失透(失透ブツ)が認められた最も高い温度とする。
本発明の強化ガラス板において、圧縮応力層の応力深さは、好ましくは25μm以上、30μm以上、35μm以上、40μm以上、特に42μm以上である。応力深さが大きい程、強化ガラス板に深い傷が付いても、強化ガラスが割れ難くなると共に、機械的強度のバラツキが小さくなる。一方、応力深さが大きい程、強化ガラス板を切断し難くなる。また、強化ガラス板に内在する引っ張り応力が極端に高くなり、またイオン交換処理前後で寸法変化が大きくなる虞がある。更に、応力深さが大き過ぎると、圧縮応力値が低下する傾向がある。このため、応力深さは、好ましくは60μm以下、50μm以下、特に45μm以下である。なお、イオン交換時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を上げれば、応力深さが大きくなる傾向がある。
内部の引っ張り応力値は、好ましくは150MPa以下、140MPa以下、130MPa以下、120PMa以下、110MPa以下、100MPa以下、90MPa以下、80MPa以下、特に70MPa以下である。内部の引っ張り応力値が高過ぎると、物理的な点衝突により、強化ガラス板が自己破壊し易くなる。一方、内部の引っ張り応力値が低過ぎると、強化ガラス板の機械的強度を確保し難くなる。内部の引っ張り応力値は、好ましくは25MPa以上、35MPa以上、45MPa以上、特に50MPa以上である。なお、内部の引っ張り応力は下記の数式1で計算可能である。
[数1]
内部の引っ張り応力値=(圧縮応力値×応力深さ)/(板厚-2×応力深さ)
本発明の強化ガラス板において、板厚は、好ましくは2.0mm以下、1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、1.0mm以下、特に0.9mm以下である。板厚が小さい程、強化ガラス板の質量を低下させることができる。一方、板厚が薄過ぎると、所望の機械的強度を得難くなる。よって、板厚は、好ましくは0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、特に0.7mm以上である。
本発明の強化ガラス板を製造する方法は、例えば、以下の通りである。まず所望のガラス組成になるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入して、1550~1700℃で加熱溶融し、清澄した後、溶融ガラスを成形装置に供給した上で板状に成形し、冷却することが好ましい。板状に成形した後に、所定寸法に切断加工する方法は、周知の方法を採用することができる。
溶融ガラスを板状に成形する方法として、オーバーフローダウンドロー法を採用することが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、高品位なガラス板を大量に作製し得ると共に、大型のガラス板も容易に作製し得る方法である。更に、オーバーフローダウンドロー法では、成形体耐火物として、アルミナ系耐火物やジルコニア系耐火物が使用される。そして、本発明の強化ガラス板は、アルミナ系耐火物やジルコニア系耐火物(特にアルミナ系耐火物)との適合性が良好であるため、これらの耐火物と反応して泡やブツ等を発生させ難い性質を有する。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の成形方法を採用することができる。例えば、フロート法、ダウンドロー法(スロットダウンドロー法、リドロー法等)、ロールアウト法、プレス法等の成形方法を採用することができる。
溶融ガラスの成形時に、溶融ガラスの徐冷点から歪点の間の温度域を3℃/分以上、且つ1000℃/分未満の冷却速度で冷却することが好ましく、その冷却速度は、好ましくは10℃/分以上、20℃/分以上、30℃/分以上、特に50℃/分以上であり、好ましくは1000℃/分未満、500℃/分未満、特に300℃/分未満である。冷却速度を速過ぎると、ガラスの構造が粗になり、イオン交換処理後にビッカース硬度を高めることが困難になる。一方、冷却速度が遅過ぎると、ガラス板の生産効率が低下してしまう。
本発明の強化ガラス板の製造方法において、イオン交換処理の条件は、特に限定されず、ガラスの粘度特性、用途、厚み、内部の引っ張り応力、寸法変化等を考慮して最適な条件を選択すればよい。特に、KNO溶融塩中のKイオンをガラス中のNa成分とイオン交換すると、圧縮応力層を効率良く形成することができる。イオン交換処理の際、イオン交換溶液の温度は400~450℃が好ましく、イオン交換時間は2~6時間が好ましい。このようにすれば、表面に圧縮応力層を効率良く形成することができる。
本発明の強化ガラス球は、表面に圧縮応力層を有する強化ガラス球であって、ガラス組成として、モル%で、SiO 58~70%、Al 12.4~16.5%、B 0~3%、LiO 0~4%、NaO 14.5~21%、KO 0~3%、MgO 0~5%を含有し、[NaO]-[Al]>1.4モル%の関係を満たし、ビッカース硬度が800以上であり、且つ圧縮応力層の圧縮応力値が1250MPa以上であることを特徴とする。本発明の強化ガラス球の好適なガラス組成やガラス特性は、本発明の強化ガラス板と同様である。ここでは、その詳細な説明を省略する。
本発明の強化ガラス球において、直径は、好ましくは15mm以下、10mm以下、特に5mm以下であり、また好ましくは1mm以上である。直径が上記範囲外になると、転動装置等の転動体に使用し難くなる。
強化ガラス球の表面の表面粗さRaは、好ましくは10nm以下、5nm以下、特に3nm以下である。強化ガラス球の表面の表面粗さRaが大き過ぎると、高速の回転、高摩擦、高荷重等の過酷な条件で、強化ガラス球が破損し易くなる。ここで、「表面粗さRa」は、ガラス球を治具等で固定した状態で、JIS B0601:2001年に準拠した方法で測定することができる。
本発明の強化ガラス球において、直径の寸法公差は、好ましくは0.015%以内、0.010%以内、特に0.005%以内である。直径不同は、好ましくは1.5μm以下、1.0μm以下、0.5μm以下、特に0.1μm以下である。直径の寸法公差や直径不同が大き過ぎると、駆動安定性が低下し易くなる。なお、「直径不同」は、接触式又は非接触式測長機(例えば、ミツトヨ製ライトマチックVL-50)により、球の直径を10箇所測定し、その最大値と最小値の差を指す。
本発明の強化ガラス球は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず調合したガラスバッチを連続溶融炉に投入し、1500~1600℃で加熱溶融して、溶融ガラスを得た後、清澄容器、攪拌容器を経由して、成形容器に供給した上で球形状に成形し、徐冷する。
ガラス球を成形、加工する方法として、板状又はバルク状に切り出したガラスを球形状に研削し、ラッピング研磨、ポリッシュ研磨を行う方法が好ましい。また、液滴成形法で成形したガラスをラッピング研磨、ポリッシュ研磨する方法も好ましい。なお、後者の方法では、ガラス球の寸法精度が向上すると共に、表面における研磨量を低減することができる。
ガラス球をイオン交換処理すると、強化ガラス球を得ることができる。イオン交換処理の条件等は、強化ガラス板の場合と同様である。なお、「強化ガラス球の圧縮応力層の圧縮応力値と応力深さ」は、ガラス球のイオン交換処理の際に、参照試料として、同じガラス組成と熱履歴を有する強化用ガラス板を同時に入れた上で、得られた強化ガラス板について圧縮応力層の圧縮応力値と応力深さを上記方法で測定し、その値を強化ガラス球の圧縮応力層の圧縮応力値と応力深さと扱うものとする。
以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1~11)と比較例(試料No.12)のガラス組成とガラス特性を示している。
Figure 0007365004000001
次のようにして表中の各試料を作製した。まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1650℃で21時間溶融した。続いて、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して、平板形状に成形した後、徐冷点から歪点の間の温度域を3℃/分で冷却し、ガラス板を得た。得られたガラス板について、板厚t=0.8mmになるように表面を光学研磨した後、種々の特性を評価した。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
高温粘度102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相粘度は、液相温度における粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。液相温度は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、白金ボートを取り出し、顕微鏡観察により、ガラス内部に失透(失透ブツ)が認められた最も高い温度とした。
次のようにしてアルミナ耐火物との適合性を評価した。高温粘度104.5dPa・sにおける温度で各試料をアルミナ耐火物に接触させた状態で48時間保持した後、各試料とアルミナ耐火物の接触界面を観察し、失透ブツの数密度(個/mm)を測定し、その数密度が0.5個/mm未満の場合を「○」、0.5個/mm以上の場合を「×」として評価した。
続いて、表中の板厚になるように、各試料の両表面を光学研磨した。その後、430℃のKNO溶融塩中に、各試料を4時間浸漬することにより、イオン交換処理を行い、強化ガラス板を得た。更に、各強化ガラス板の表面を洗浄した上で、表面応力計(株式会社東芝製FSM-6000)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から表面の圧縮応力層の圧縮応力値(CS)と応力深さ(DOL)を算出した。算出に当たり、各試料の屈折率を1.50、光学弾性定数を29.4[(nm/cm)/MPa]とした。
ビッカース硬度Hvは、イオン交換処理後の各試料について、測定荷重を100gfとし、JIS Z2244に準拠した方法に基づいて測定した値である。
次のようにして耐傷性試験を行った。まず各試料の1cmの範囲の表面上に平均粒径50μm、1mgの珪砂を均一に置き、市販のデニム生地を介して4kgの荷重で加傷した。加傷は1方向に1回のみ行い、加傷する距離を1cmとした。各試料の表面を加傷した後、照度10万luxのファイバーライトで傷の観察を行い、目視で確認できる傷の本数を計数した。試験は4回実施し、4回の平均値を測定値とした。
表1から明らかなように、試料No.1~11は、ビッカース硬度が821以上であるため、耐傷性評価が良好であり、更に高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1637℃以下、且つ液相粘度が104.28dPa・s以上であるため、板状に成形可能であると考えられる。一方、試料No.12は、圧縮応力層の圧縮応力値が1062MPa、ビッカース硬度が788であるため、耐傷性の評価が良好ではなく、[NaO]-[Al]が1.37モル%であるため、高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1640℃であった。
本発明の強化ガラス板は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等のタッチパネルディスプレイのカバーガラスとして好適である。また、本発明の強化ガラス板は、これらの用途以外にも、高い機械的強度が要求される用途、例えば窓ガラス、磁気ディスク用基板、フラットパネルディスプレイ用基板、太陽電池用カバーガラス、固体撮像素子用カバーガラスへの応用が期待される。

Claims (16)

  1. 表面に圧縮応力層を有する強化ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、SiO 58~70%、Al 15~16.5%、B 0~3%、LiO 0~4%、NaO 14.5~21%、KO 0~3%、MgO 0~5%を含有し、[NaO]-[Al]>2.0モル%の関係を満たし、ビッカース硬度が800以上であり、且つ圧縮応力層の圧縮応力値が1250MPa以上であることを特徴とする強化ガラス板。
  2. 0.90≦([Al]+[MgO])/[NaO]≦1.07の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス板。
  3. 3.9≦[SiO]/[Al]≦4.5の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の強化ガラス板。
  4. [NaO]/[Al]≧1.14の関係を満たすことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  5. MgOの含有量が1~3モル%未満であることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  6. 高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1640℃未満であることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  7. 応力深さが25μm以上であることを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  8. 板厚方向の中央部にオーバーフロー合流面を有することを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  9. 1cmの範囲の表面上に、平均粒径50μm、1mgの珪砂を撒き、デニム生地を介して4kgの荷重で加傷した時の傷の本数が10本以下であることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  10. タッチパネルディスプレイのカバーガラスに用いることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の強化ガラス板。
  11. イオン交換処理に用いる強化用ガラス板において、ガラス組成として、モル%で、Si 58~70%、Al 15~16.5%、B 0~3%、Li 0~4%、Na O 14.5~21%、K O 0~3%、MgO 0~5%を含有し 、[Na O]-[Al ]>2.0モル%の関係を満たすことを特徴とする強化用 ガラス板。
  12. 0.90≦([Al ]+[MgO])/[Na O]≦1.07の関係を満たす ことを特徴とする請求項11に記載の強化用ガラス板。
  13. 3.9≦[SiO ]/[Al ]≦4.5の関係を満たすことを特徴とする請求 項11又は12に記載の強化用ガラス板。
  14. [Na O]/[Al ]≧1.14の関係を満たすことを特徴とする請求項11 ~13の何れか一項に記載の強化用ガラス板。
  15. MgOの含有量が1~3モル%未満であることを特徴とする請求項11~14の何れか 一項に記載の強化用ガラス板。
  16. 高温粘度10 2.5 dPa・sにおける温度が1640℃未満であることを特徴とする 請求項11~15の何れか一項に記載の強化用ガラス板。
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